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1949-11-11 第6回国会 衆議院 決算委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十一月十一日(金曜日)     午後一時二十六分開議  出席委員    委員長 本間 俊一君    理事 川端 佳夫君 理事 田中 角榮君    理事 永田  節君 理事 藤枝 泉介君    理事 風早八十二君 理事 金子與重郎君       高塩 三郎君    中馬 辰猪君       中川 俊思君    二階堂 進君       前田榮之助君  出席政府委員         林野庁長官   三浦 辰雄君  委員外出席者         農林事務官   伊東 正義君         農林事務官   野田哲五郎君         農林事務官   濱田  正君         会計検査院事務         官       小林 義男君         專  門  員 大久保忠文君         專  門  員 岡林 清英君     ————————————— 本日の会議に付した事件  昭和二十二年度一般会計歳入歳出決算昭和二  十二年度特別会計歳入歳出決算     —————————————
  2. 本間俊一

    本間委員長 これより会議を開きます。  前会に引続き昭和二十二年度一般会計歳入歳出決算昭和二十二年度特別会計歳入歳出決算のうち、農林省所管批難事項中心として審議を進めて参りたいと存じます。検査院報告の百四十五ページくらいになるかと思いますが、ちようど食糧庁関係の係官が見えておりませんから、林野関係開拓関係、この方を先にいたしますから御了承願いたいと思います。
  3. 風早八十二

    風早委員 この前終戰処理費等について、逐條で非常に簡單な、読めばわかるような御報告があつたのですが、ああいう御報告で時間をとることは少しもつたいないと思うのです。もう少し問題としてまとめて出していただけないでしようか。
  4. 本間俊一

    本間委員長 まとめてといつても、大体会計検査院の方で一応検査をした、その検査報告中心審議を進めて、それで問題が委員の方から提起されれば、その問題を取扱つて行くということになると思うのです。やはり検査院検査報告に載つている項目説明は一応聽取しなければならないのではないかと考えております。
  5. 風早八十二

    風早委員 ここに書いてあることをそのまま読むような報告は、時間の節約上なるたけお考え願いたいと思います。
  6. 本間俊一

  7. 伊東正義

    伊東説明員 ただいま委員長からお話がありました、検査院報告昭和二十二年度決算検査報告の百四十四ページの、開拓者資金融通特別会計関係を御説明いたします。これは御承知のように農林省といたしまして、終戰後百五十万町歩の開墾をやろうというようなことで発足したのでありますが、この開拓団につきまして営農資金、それから共同施設資金融資して行くという特別会計に相なつておるのであります。それで検査院の御指摘になつている点でありますが、これはそこに東京農地事務局関係熊本農地事務局関係両方一緒になつてございます。その関係で入植した開拓者が離農した場合に、離農者が償還すべき金を徴收手続をしていないという問題であります。それでこの問題はことしあたりでありますと、百四十億くらいの営農資金融資特別会計でやつておるのでありまするが、それの離農者も一割弱、終戰直後におきましてはかなり離農者があつたわけであります。離農者がありました場合に農地事務局といたしましては、ただちにそれを離農する者から取立てるということだけではありませんで、離農した者と同じ條件でその融資を受けて、またそこに入植するというようなものにつきましてその選定をやつて行くというようなことをやつているわけであります。しかしここに御指摘になつているように、徴收手続がしてないということにつきましては、今申し上げました離農者と次の入植者選定等に手間をとりました関係上、熊本では一部徴收したのでありますが、東京では徴收しなかつたということで御批難を受けております。これは重々注意しなければならぬ点なのでありますが、実は開拓者資金融通関係事務費としまして、二十二年度には予算が全然ありませんで、相当厖大な融資をするにもかかわりませず、そのせわをするいわゆる一般会計の方で、その事務費は全然見ていなかつたというような状態でありまして、市町村、県当局においても、事務は煩瑣でありながらその予算はないという関係上、不足等もあつたのであります。二十三年度以降からはこの資金運営のために一般会計予算もとりましてやつておりますが、二十二年度につきましては、御指摘通りで、はなはだ遺憾だと思つております。  それから林野の問題につきましては、林野庁長官が見えておりますので、その方から御説明いたします。
  8. 三浦辰雄

    三浦政府委員 国有林野事業特別会計の三百二十八の工事の施行に当り措置当を得ないものという、この東京営林局管内栗代静岡県内でありますが、栗代森林鉄道を敷設して行こうというときに当つて、その工事が一部日発の既設のゲージの違いまする軽便鉄道に一本を新たに加えて、そうしてさらに奥の方へ延ばすという工事内容でございます。ところがそのために必要である軌條を購入し、また一部わずかではありますが土工をやつたにかかわらず、結局その軌道をつくることができなかつたという、そのことに対する御批難であります。これは当時の状況といたしまして、すでに千頭森林鉄道というのが途中までございまして、その途中の沢間という所からただいま申し上げた日発の專用線の一部を使わしてもらう、こういうのでありましたが、日発の方との折衝が遂にその間OKをもらえなかつたので、そういう結果になつた。その間あるいは名古屋の事務所あるいは静岡の出張所、その地におきますところの日発運材事務所という方に対して掛け合つたことは明らかになつておりますが、とうとう得られないままその年の仕事は遂にできずじまい。しかも翌年に至りましては、経費の都合上その林道をやるのをやめて、買つた軌條を千頭営林署ほか二つに転用して使つた。まことに計画性のない行き方であつて、この間いわゆる国費効率利用において欠けるところがあつた。こういう御批難でありまして、私どもとしてはまことに遺憾に存じております。ただいまはようやくその工事許可をもらいました。しかしさらにその奥にある井川水力ダム建設工事が最近計画されております。この工事は二十八万キロの出力で工事費約三十八億八千万円と言われておつて、三十年度に一応完成する予定のもとにもくろんでおる由であります。そういうふうになりますれば、私どもせつかくその軌條面の使用を会社側からとりましたが、その工事はその開発を待つた方が効率的であるという考えでただいまおります。  それからあとの三百二十九の問題でございます。これは東京営林局管内でできた問題で、その場所東京都区内の世田谷の喜多見に、約二十町歩の平坦な場所がございまして、そこで植林のためにするところの苗圃を大々的にやつて、それからよい苗を比較的大量生産いたしまするので、コスト安国有林造林用または民有林造林のために生産をしたい、こういうふうに考えて、ここに書いてありますように十八棟の建物を建てた。それは当初は二十町歩の、手の込んだ人間を非常に使用いたしまする苗圃業事に関連する職員を入れようということであつたのでありますけれども、その後農地の開放にからみまして、特別措置法関係からいたしまして、それを国が苗圃として使うことは妥当でない。むしろ耕地としてこれを広く開放した方がいいという議論が出まして最近は七町歩程度をその用に充てておるという状況でありまして、当初の計画からまことに違つた形になつて、しかも時あだかも職員住宅がありませんから、そこに入れたということから、それはまことに適当でない、そういうふうな名目のもとに住宅建設をしたのではないではないか、こういうおしかりを受けておる点でございます。  また次の三百三十は、桃山の近くに千二百町歩余り国有林がありまして、あの辺は地理も便利であるし、いろいろ手の込んだ作業をする。こういうような考え方でここに掲げてありますように住宅を十戸つくりまして、そうしてそれらの関連の職員または労務者を宿泊せしめよう、こういうふうに考えたためにつくつたのでありまするが、これは東京喜多見苗圃と同様に、住宅難折柄でありましたので、職員を入れておつたことに対して、これは経費の適切な運用でないというおしかりを受けているのでありまして、いずれもまことに恐縮に存ずる次第であります。  それから林野関係として最後の三百三十一は、予算を超過して工事を施行したというのでありますが、北見営林局は、昭和二十二年に北海道庁が所管しておりました御料林と、従来農林省の預つておりました国有林とが合体になりましてその機会に、北海道庁計画しておりました経営の進歩のために、営林局を置かれたのであります。それは二十二年の四月でありますが、その際新しく北見市に庁舎を開庁しましたけれども、そこに職員住宅に充てるべきものが、他のいろいろな方面を探してもなかつた。そこで庁舎に合せてこの住宅の建築の請負の見積りをした後に、あの当時経費がどしどし上るために、従つて当初の予定の契約では成り立たない結果、ここに書いてあるような額を木材で補給して、不足分の結末に充てたというのであります。これまたまことに恐縮のほかはないのであります。
  9. 本間俊一

    本間委員長 ただいま開拓関係、それから林野関係説明を聞きましたが、御質疑があれば御質疑願いたいと思います。
  10. 風早八十二

    風早委員 薪炭問題につきまして—きようはその次から始まつておるわけでありますけれども、この前まだたくさんはつきりしない点がありましたし、その後新聞などにも、薪炭問題で新しい不正の支出が明らかにされているような事犯もありますから、こういう点について政府説明を願いたいと思いますが……
  11. 本間俊一

    本間委員 風早委員に申し上げます。今二十二年度決算をやつておりますから、今説明をした項目で皆さんの御質疑がなければ、今風早委員の言われるような問題に入つて行きたいと思いますが、今説明をいたしました二十二年度決算についての御質疑の方を先にいたしたいと思います。
  12. 風早八十二

    風早委員 開拓の問題につきましても、ここにあがつておらないもので、すでにいろいろ明らかになつておるのではないかと思われる重要な問題があると思いますが、とにかく薪炭問題は社会的にも今非常に問題になつておりまして、いつまでもこれをあいまいな形でやり過すということは、結局問題をもつと大きくしてしまうことじやないかと思います。ぜひともこれはきよう薪炭問題の質疑ができる時間を考えていただきたいと思います。
  13. 本間俊一

    本間委員長 承知いたしました。ほかの方で御質疑ございませんか。
  14. 中馬辰猪

    中馬委員 開拓関係でございますが、納入未済の分はその後、どうなつておるのでありましようか。
  15. 野田哲五郎

    野田説明員 納入未済の分につきましては、鋭意回收に努めておりまして、東京事務局関係回收が終つております。熊本事務局関係は、離島関係がありまして、ただいま会計検査院からの御指摘もありますので、非常に急いでおります、近く完了の見込みでございます。
  16. 中川俊思

    中川(俊)委員 ただいま開拓者資金融通特別会計並びに林野事業特別会計の項で問題になつているようでありますけれども、これはいずれも住宅の問題が取上げられているようであります。御承知のように、住宅は戰災によつて全国的に相当打撃をこうむつておりますので、それぞれの関係者住宅を與えるということは大きな問題と思いますが、これは政府職員だけでなく、一般住宅問題では非常な困窮を来しておりまして、先般来衆議院の宿舎のことについてすら、新聞にもいろいろな非難が出ておるような実情なのでありますけれども、こういう住宅の問題は、たとえば二十二年度なら二十二年度の当初予算面には、これだけ建てるという大体の予算はとつてつたのではないでしようか。それとも臨機応変にこういう問題が突発したのか。あるいはその予算に応じておやりになつたけれども、諸物価の高騰等によつてこういう齟齬を生じたのですか。
  17. 伊東正義

    伊東説明員 今お話住宅問題の件でありますが、これは開拓者資金国有林関係ばかりではありません。今日食糧関係の者が来ておりませんが、食糧関係特別会計にもやはり住宅問題が批難事項としてあがつております。これは一般会計等におきましては、その当時住宅として予算は計上されてありません。要求はしてあるのですが、住宅として通つておりませんでした。ただいまここに問題になつております中で、金額はつきりした点をちよつと失念いたしたのでありますが、国有林関係労務者住宅では若干もらつているのですが、そのほかには一般住宅としては予算は計上されていないのであります。それで住宅として問題になりまして一般会計その他に入つて参りましたのは、私存じておりますのでは二十四年度すなわち本年度であります。本年度は大蔵省で一本にまとめまして、公務員の宿舎として十億の予算をとつておりますが、それが初めてはつきり出たような次第であリまして、二十二年度当時におきましては、今申し上げましたように国有林関係労務者に限られていたのであります。それでこれはあとでまた御説明いたしますが、食管関係でも、庁舎その他としてとつてあります予算で、一部庁舎についた官舎をつくつたという御批難を受けているのでありますが、ここにもはつきり宿舎として予算は計上してなかつたのであります。
  18. 田中角榮

    田中(角)委員 ただいままでの批難事項に対する説明が、三百二十六から三百三十一まで各項別にあるのでありますが、このうち昭和二十二年当時の状況として、やむを得ないのではないかというふうに納得される部分もあります。特にこのうち三百二十九、三百三十の二項に対しては、これは相当研究もし、かつ深く掘り下げてみる必要があるのではないかというふうに考えておるのであります。結論的に申し上げて、この二項に対して関係者処分、その他に対していかなる処置がなされたかということに対して御答弁を煩わしたいと思います。
  19. 三浦辰雄

    三浦政府委員 会計検査院を通じての報告の中にもありますように、関係者に対しましては、嚴重に訓告を與えたということで終わつております。
  20. 田中角榮

    田中(角)委員 この二項目だけを取上げて追究するのではありませんが、いわゆる国費を不当に支出をする、科目を変更して別途にこれを流用する。しかも財政法建前からいつて、三月三十一日にはあらゆるその年度支出ピリオツドを打たなければならぬというような過去の国費支出状態を見るときに、こういうことが非常に各省においてなされておつたのでありまして、こういうことは過去の予算編成方針違つていわゆる実行予算をつくつて、なるべく国費を節減するという建前なつた現在としては、こういう点に対しては、非常に国費支出の適正を期すという意味において相当深く研究しなければならぬ、こう思うのでありまして、この問題はただ嚴重注意を喚起しておいたということだけで、妥当な処置をとられたのであるというふうに断定するわけには相ならぬ、こう思うのであります。しかもこの問題に対しましては、ただ農林当局の問題だけでなく、各省間においてもかくのごときものが非常にたくさんあると私は思います。のみならず、ただいま考査委員会において取上げられてあるところの各種公団内容問題等に対しては、こういうふうな一方的見解において、過去の慣習においてなしたということが一つ発足点になつておるという意味において、こういうことをやる、すなわおこの科目を変更して国費支出するということに対しては、当然起案をし、決裁をした責任者があるはずであります。これに対していかなる人が起案をし、いかなるものによつて決裁をしたか、当然決裁者に対しても処分が要求されるわけでありますが、ただ一省の中にこの問題を軽々にピリオツドを打つということは、あとに問題を残すのではないかと思うのでありまして、ただいま長官の言われるように、嚴重注意を與えておいたというだけで済むか済まないかということは、非常にむずかしい問題と思うのですが、二十三年度、二十四年度の現在までの状況で、こういうことが再び繰返されておるでしようか、おらないでしようか。しかもこの問題に対しては、いわゆる科目の変更ということが、大臣決裁まで行つているとか、次官決裁まで行つているとかいうことになれば、当然政治問題としても追求されるべき性質のものでもあるということに対してひとつ答弁を願いたい。
  21. 三浦辰雄

    三浦政府委員 このようないわゆる労務費でもつて労務者を入れる施設—先ほど農林省会計課長説明したように、それをつまり奇貨としてやつたかのごとく見えた結果のこれは批難であります。お尋ねのように、この問題につきましては再三会計検査院方面からいろいろな角度からいろいろの資料を御照会になり、われわれとしてもお答えを申し上げたのでありますが、その後におきましてかような問題は、世の中が落ちついて来たとともにない、かように存じております。それからなおこの流用の問題でありまするが、営林局では営林局長においてこの問題はやつたのであります。この点につきましては、私ども監督としてまことに足らなかつた、かように恐縮に存じております。
  22. 風早八十二

    風早委員 栃木県の例でありますが、これは二十三年十二月一日現在で、補助金こ—これはいろいろ住宅用その他使途は明らかに指定して出された補助金でありますが、これの会計が四百十二万円、そのうち使途不明の金額が三百三十九万円、正当に使用された金額がたつた七十三万円、こういうふうな一例があるのでありますが、全体として二十二年末におきまして、この補助金とその使途不明の金額、これらを総括して出して見ればどういうことになりますか、これをひとつ説明願いたいと思います。
  23. 伊東正義

    伊東説明員 お答えいたします。今の風早委員から御質問のありました四百十二万を三百三十九万のお話、これは二十三年の栃木県の、どこの省の補助金かちよつとわかりませんけれども、一例の御質問がありまして、二十二年の農林省のたとえば補助金で、使途不明のものはどういうものがあるかという御質問でございます。私どもの方でそういう調査をやりました資料は、今ここに持ち合しておりませんが、今御質問のありました使途不明の問題等につきましては、われわれとしましてもわかるだけの調査はやつてみますが、今ここでどういう数字になるかということは、ちよつとお答えできかねるのであります。
  24. 風早八十二

    風早委員 やはりこういう全体としてのまとめをやつてただかないと、いつも私が申しておるように、実際政策が何も出て来ないと思う。その点はほんの二、三の事例をあげて、これでこの問題は終つたというのではないと思います。こういう二、三の事例だけなら問題はない。そこに減告を発するだけで済む。ところが全体にわたつてこれがあつて、その結果がちやんと統計にも出て、ほとんど全部に近いものが使途不明になつておる。実際だれにも納得の行く使途によつて使用されたものはわずかだということになりますと、これは大問題だと思います。そういう意味で、こういう事実が栃木県の開拓関係についてある。これは農林省組合関係から出ておる資料に基いたので、むろんいろいろ御議論があると思いますが、こういうふうなものがやはり全体として出て来ないと、全体として問題にするわけに行かないと思います。そういう意味でお尋ねしたわけです。ぜひそういう点からもひとつ資料を整理していただきたい。大体この間から薪炭関係なんかについて、木炭事務所なんかの資料について、資料そのものが非常にでたらめであるというようなことになつて来ますと、何のためにわれわれここで議論しておるのかわからなくなつてしまう。そういう意味資料の正確とともに、またこういう総合的なまとめをやつてただくということはぜひ必要でないかと考えます。  それから今住宅の問題が、さつきの委員の方からも出ておりましたが、住宅なんか建つはずはない。裸一貫でこの開拓に飛び込んだ開拓団人たちは、非常な困難を排して、やつとなけなしの開拓資金というものを手に入れるわけですが、この大事な開拓資金というものが、とんでもない遊興に使われておる。これは栃木県だけの実例ではないのでありまして、もう全国的じやないかと想像するのです。その開拓局関係の官吏が現地へ参りまして、あるいは現地以外のところでもそうでありますが、温泉などで盛んに言語道断なる遊興をやつてつて、その遊興費をこの開拓資金から拂わせる。こういうふうな事実が実に多いし、これが二十一年からずつと今年に至るまで次々に出て来ているわけです。これはおそらく栃木県だけの問題ではないと思います。こういう点について政府はどういう処置をとられるのでしようか、その都度ただ戒告で済ませるものであるか。またこの開拓資金の管理につきましても、どういう処置がとらるべきであるか。こういう点につきましてひとつ説明願いたいと思います。
  25. 伊東正義

    伊東説明員 お答えいたします。風見委員の御質問でありますが、詳細の具体的事実等につきましては、営農課長の方から御説明いたしますが、一般論といたしまして、補助金なりそういう金の使い方はどうなつておるか、それはよく農林省で見るべきだというお話でありますが、これは私ももつともだと思うのであります。実は補助金のいわゆる経済的効果の問題につきましては、われわれとしてもどういうふうに使つたらこの補助金がもつと経済的効果を上げるかということは、御指摘通り十分これは注意をしなければならぬと思つております。ただ今一例として栃木県の例を出して御説明になつたのでありますが、こういう問題等につきましては、われわれとしても十分注意はいたしております。あるいは今御質問のような事実がありました場合には、われわれとしましても、いつも戒告だけではないかというお話があつたのでありますが、いろいろな事情、その程度等を考えしまして、やはり処置するものは処置するという措置は、嚴にやつて行かなければならぬと思います。しかし最もわれわれ注意しなければならぬのは、最初申し上げましたように、予算はとりましても、実際の金の使い方はどうなつておるかということについて、これは会計検査院がありますのでやつてただくのでありますが、われわれ行政官庁としても、十分にこの経済性について注意すべきであるという御意見については、ありがたく拜聽いたしておきます。
  26. 中馬辰猪

    中馬委員 三百二十八項でありますが、これはその後森林軌道は敷設されたのでありますか。
  27. 三浦辰雄

    三浦政府委員 これは批難を受けました二十三年には、依然として予算の面からしてなかなかやつて行けない。しかもまたそのときには、その軌條の一部を使うということの許可日発からもらえなかつた。ところがその後さらに今年度になりましては、その奥にある井川ダムという大きなのができるという話がだんだん熟して参りました。そこでその問題があるならば、われわれとしてそういうものをつくらないでおけば、もつとその軌道井川ダム建設で伸びるからというので、われわれは方針をかえて、そのために用意してある軌條等は千頭ほか二箇所に利用しているという状況でございます。
  28. 風早八十二

    風早委員 今の栃木県の実例でありますが、これは農林省職員組合関係から出た資料であることは申し上げた通りでありますが、今これを具体的に申し上げることは一応差控えます。しかしながらこれについてはやはり当局とされては、嚴重にその事実の有無を明らかにせられて、一度ここへ報告していただきたいと思います。  それから会計検査院にもお願いしたいのですが、やはり事実の認定についてはぜひともこれは責任をもつてつてただき、あわせて御報告を願いたいと思います。
  29. 小林義男

    小林説明員 ただいまの風早委員の御注文でございますが、実は会計検査院農林省関係検査をいたしている課が一つでありまして、農林省関係官庁の数も非常に多いのでありまして、ましてやそういう開拓団というところになりますと、非常に数もまたふえて参るわけでございます。それで計画的にやつておりますが、目下二十三年度決算を全員でやつておりますので、全部の実地検査などは来年になればできますが、ただいまのところではできませんので、もしそれでもなお、さつそくに実行せよという期限つきの問題でありますれば、上司と相談してその点はお答えしなければならないと思つております。さような状況であります。
  30. 風早八十二

    風早委員 これは全般的に、もうどこもかしこもあらゆる官庁検査院の機能を発揮してもらいたいということは、言うだけやぼだと思います。そういうことを言つているのではないのでありまして、今栃木県のことは大体御承知だと思いますから省いたのですが、これは栃木開拓団をめぐつて生じている事件でありまして、この一つは、二十三年七月末の東京農地事務局長の招集している関東農地課長会議、これをお調べになればわかると思います。この課長会議が鬼怒川の温泉で開かれている。これは例年こういう会議は温泉でやることになつているらしいのでありますが、開かれている。本省から開拓局長、庶務課長、指導課長、名前は省きますが、また東京農地事務局からは局長、入植営農課長、指導部長、また栃木県からも開拓課長が参加しております。これは一次会、二次会をやつて、遂に三次会までやつて、芸者もあげている。これで金額は安いようだが、二万円の費用を一応県から持つて来たのでありますが、それで足らなくて、二次会の不足分及び三次会の女の費用を開拓団から出させた。こういうふうな事実がすでに出ているわけでありまして、その後これに類似した事実がたくさんあります。これは一一言つているとはなはだ煩瑣でありますから、省きます。今度はこれも鶏頂山開拓団というのですが、そこの住宅補助金七十五万六千円の使途、これがやはり開拓団に無断で、まつたく無関係なところへ融資されておるという事実がある。しかもその金がやはり遊興に使われておるという事実があるのであります。ほとんどこういう事実でありましてせつかくの大切な補助金当局関係官吏の遊興費に流されてしまつている。それでもやらなければ開拓がやれないとか何とかいう問題でなしに、これをやるために開拓が実際進んでおらない。今日開拓民の要求は実に熾烈なものです。今土地のない農民、また失業者が多数でありまして、みんな裸一貫で、ほんとうに着たままで家族を引きつれて、決死のつもりで開拓に入つているわけです。その上住宅もない。自分で掘立小屋を建ててやつております。住宅費はあるのですが、それは住宅費にならないで遊興費になる。こういつた事実が具体的に出ておるわけでありますから、これを上司に御相談されるもされないもないと思います。これはむろん十分に会計検査をやつてただきたい。いずれもみんな会計法の違反の事項でありますから、ぜひともこれは嚴重に側面からこの点を明らかにしていただきたい。いずれ二十三年度会計検査報告に出て来るわけでありますが、しかし具体的に地方でも問題になつている問題でありますから、この点は特にお願いしておきます。  この際会計検査院当局に対してもお願いしたいのは、ここにあがつておらない多数の事項が幾らもあるわけでありますから、そういうものもあわせてやはり文書なりあるいは御説明なりで御報告願いたいと思います。
  31. 小林義男

    小林説明員 前段の栃木県の件につきましては、よく拜聽いたしまして実行方法を考慮いたしたいと思います。  第二の、ここにあげてないもので、いろいろな事件のものを文書なりその他の方法で報告せよというお話でございますが、実は会計検査院は、外部へ発表する文書は検査官の会議を経たものでなければならないという法律的に拘束を受けておりまして、すべて検査官の議決を経たものを発表いたしておるようなわけでございます。ここに出ておらない案件で、その会議には非常にたくさんのものが議題に供せられまするが、そのうちで特に法律に反するとか、他の目的に反するとかいう著しいもの、いわばその結晶を国会に検査報告として報告してあるわけでございまして、この中にももちろん通じますと、会計法の上なりから見て、その程度の差はあるのでありまして、このほかの事項は非常に金額が小さい、あるいは事態がいろいろな事情があつて検査報告に掲載するほどのものでないという事態は、もちろん非常に数がたくさんございます。それらのものにつきましては、各当該官庁なりに注意を発するとかいう方法を講じて、将来そういうことが繰返されないようにということで嚴重注意をいたしておるようなわけであります。もちろんこの二十二年度のにはそういう事項が掲載にならなかつたが、なお調査する点があるからという理由のものがございます。それは未確認事項ということで、その事態がわかりますれば、翌年度検査報告報告申し上げる、こういう次第になつておりますので、その点御了承を願いたいと思つております。
  32. 中川俊思

    中川委員 ただいま風早君のお話でありますが、それが事実とすれば相当大きな問題だと私は思うのであります。御承知のように終戰後、私ども全国をまわつて聞きますことは、宴会なんかたいがい地方へ行つても、財務局だとか鉄道だとかいうものが多く、一般ではとても宴会はできない、こういうことをよく聞くのであります。国費官庁が濫費しておるというような非難もあるのでありますが、しかしただいま風早君の資料は、承れば職員組合から出ておるようでありますが、この職員組合の資料なるものが、はたして妥当適正なる資料であるかどうかということについては、私ども実は疑わざるを得ない。そこでこの問題については、ひとつ委員長において特におとりはからいを願つて会計課長の方でその資料を求めることができなければ、ここで風早君からでもお借りになつて十分御調査を願つて、この問題についてはいいかげんに葬らないで、徹底的にひとつどもに御報告願いたいと思うのであります。なおこれに類する問題はたくさんあると思いますから、今後における参考にもなることでありますし、また今後のいろいろの問題を処理する上におきましても大きな問題だと思いますから、特に委員長においてこの点おとりはからい願いたいと思います。
  33. 本間俊一

    本間委員長 取扱いについては理事会で御相談をして、適当に処置いたしたいと思います。
  34. 田中角榮

    田中(角)委員 会計検査院当局ちよつと伺いたいのです。これはこの問題ではなく、少し本質的な問題になるのでありますが、二十四年度までの検査報告を大体いつごろお出しになれる予定でありましようか。これは今の検査院の機構と、それからいろいろな隘路がありまして、技術的な面でも、たとえば印刷一つやるにしてもということになるのであります。決算報告というのは、いわゆる国費が正当に支出されたかいなかを見きわめるためではありますが、一つにはこういう非常にテンポの早い経済界において、少くとも当局の適正なる支出を将来はかるということに対する一つの羅針盤になる。このためにも重大な意義があると思うのであります。しかし実際から申し上げると、二十五年度予算をすでに組まなければならないというときに、今やつと二十二年度のものをやつておるのだというと、テンポが現在の経済価値の二十分の一、三十分の一、五十分の一のものを今やつておらなければならぬ。まつたく過去のものをやるのであつてこれはいわゆる後段に申し上げた重要なポイントに対してプラスにならないと思うのであります。そういう意味において、でき得るならば二十五年度予算が提出される前に、もうすでに二十四年度までのものができておればよろしいが、これは技術的にむずかしい。しかし二十五年度予算大綱がすでに決定しておる現在、二十二年度をやつておることは非常に時代離れがしたようなものであり、また的確なものもつかみ得ないと考えておるのでありますが、現在の機構、現在の陣容ででき得るだけ高度の会計検査院の存在を上げ、かつまたこの決算検査報告にプラスをもたらすには、いかなる処置をしなければならないかということと、もう一つは、どうすればどの程度まで出せるか。現在の状態では、やはり二十八年度がきまるころにならなければ二十四年度はできないというふうにお考えになつておるかどうか。もう一つこれは農林省会計課長としてお尋ねするのではなく、ちようど御出席になつておりますからお尋ねをするのですが、これは各省会計課長に伺いたいものでありますが、各省としては、技術的にもまた時間的にも地域が広大にまたがつておるので、年度末にただちに決算報告を行うことはむずかしいだろうと思いますが、過去のものと違いまして、現在は大体四半期ずつに一年間を四分して支出をしておるということから言いますと、第一四半期のものは当然第一四半期にこれを支出する。終戰処理費のごとく特別調達庁でもつてやるような特別なものを除いて、一般会計の分はその期末々々には仮決算ができるはずでありますから、こういうことがもし適正に行われておるとしたならば、いわゆる国費の不当支出というような面が騒がれないで済むわけです。これが延び延びになつておるためにいろいろに風聞が出るのだと思うのでありまして、将来は国会に対し正式の検査報告として出されるものが時間的に遅れても、各省会計課におきましては、少くともその期末期末に対しては、大体の仮決算書ができる状態にならなければならぬと考えますが、現在の各省会計課の状態としてはどうであるか。しかもこれに対してあなたのお見通しはどうであるかということを伺いたい。
  35. 小林義男

    小林説明員 ただいまの仰せはまことにごもつともであります。ただ二十二年度ただいまやつております分について申し上げますと、これはたしかお手元にお持ちと存じまするが、検査報告の第一ページに、二十二年度の歳入歳出決算は、財政法三十九條の規定により二十三年十一月三十日までに会計検査院に送付されなければならないものであるが、二十四年の一月三十一日に至つてようやく送付を受け、そして会計検査院はこれを二十四年の二月十五日内閣に送付いたしたわけでございまして、国会の方におかれましては、当時内閣から多分回付があつたものと存じておるわけであります。それから二十三年度の分はどうなるかということでございますが、二十三年度の分はこの月末十一月三十日までには二十三年度の歳入歳出決算が送付されるということの大蔵省からの内報も受けております。これは法律通り回付される。そういたしまして、会計検査院といたしましては、本年度はやはり年末までくらいには二十三年度分の歳入歳出決算報告を国会に提出するということで、目下鋭意進行いたしております。少し蛇足になりますが、二十三年度会計年度は二十四年の三月に終りますが、その以後整理期間がございまして、五月末に歳入歳出が締切られる。そういたしまして、大蔵省における主計簿の締切りが七月三十一日ということなつておりまして、そうして決算を調製いたしまして会計検査院に送付されるのが財政法の三十九條によりまして十一月三十日ということに相なつておるのであります。以上のような状況にあります。
  36. 伊東正義

    伊東説明員 お答えいたします。農林省会計課長だけでなくという御質問でありましたが、私の方は毎月の支出済額は七れは翌月に大蔵省に出すということでやつております。そうやつておりますが、私の方としては一般会計だけで支出官が百三十幾つかあります。そのほかに特別会計が九つあるということでありまして大体はその次の月くらいに出しますけれども、若干遅れるということになつておりまして、今検査院の局長からお話がありましたように、大蔵省はそれをまとめまして七月三十一日まで会計検査院に出すという手続にはなつております。われわれも実はこれはちよつとずさんで恐縮でありますが、今二十五年度予算をやつている際に二十二年の決算を一緒にやるということは、何か時間的ずれというものを—われわれ担当しておりましても非常に矛盾というては何ですが、もう少し時間的に二十五年の予算をやつておる際は二十四年くらいのものを出したいという気がいたすのでありますが、事務的には今申し上げましたように煩雑でありまして毎月毎月報告はしておりますが、一年分まとめますと、局長が言われますように、次の七月三十一日ということに法律上なつておるのであります。
  37. 田中角榮

    田中(角)委員 私の気持に対して御意見だけ拜聽すればいいのですが、私のは一般会計というよりも特別会計に重点を置いておるわけなのです。そういう意味で現在までの会計検査院の技術的な面から見て、また陣容から見て、財政法三十九條の規定をかえて、三箇月ないし五箇月くらい期間を短縮するというような場合に、現在の行政組織であつて、現在の会計検査院の機構でこれを行えるか行えないかということの御見解をひとつお聞きしたい。
  38. 小林義男

    小林説明員 会計検査院は、会計検査院法によりまして、実施官庁会計内容は計算証明というもので大体翌月までにその証明をとることにいたしております。前年からの分はその計算証明だけでは、これはただ金銭の場合におきましては歳入歳出だけでありまするので、それに付属の証拠書類をつけまして、それは計算証明規則という規則によりまして精細な証拠書類をつけて、翌月末までに会計検査院に証明いたして来ている。それによりまして常時これを検査するということになつておりまして、実地検査もこれは計画を立てまして、また臨時に事ができれば臨時に官庁検査に行くというふうにいたしまして、常時検査建前といたしております。ただ国の決算が年一回ということに相なつておるのにマッチしまして会計検査報告というものも年一回ということに法律上きめられておるわけでございますが、これを中間的に何かもう少し報告したらどうかというようなお話に……
  39. 田中角榮

    田中(角)委員 そうでないのです。ちよつと補足して質問いたしますが、焦点がちよつとお違いのようです。いわゆる昭和二十二年度のものが二十三年十一月までに出せばいいということに財政法三十九條の規定はなつており、一年ずつのずれは定期に出てあるのです。今非常にテンポの早いときであるので、その場合に、新しい予算の羅針盤にはならない、こういうことです。私たちが、会計検査院のように各省にいつでも行つて検査を行うというのであるならば、会計検査院の職務を代行することになるのであるが、そうでない立場にあるのだから、いわば法律でもつてきめられておる職務の範囲内でこれを効率的に運用するためには、結局政府提出の期日、すなわち会計検査院に出るまでの政府提出の期日を短縮しなければならぬ。会計検査院から国会に報告してもらうのも短縮してもらわなければいかぬ。その場合においては、財政法三十九條の改正ということになる。五箇月ないし六箇月短縮するような改正を行つた場合、現在の日本の行政官庁の機構において、はたして合理化でき得る見通しがあるかどうかということなんです。
  40. 小林義男

    小林説明員 ただいまのお説はよく拜聽いたしました。私どもも、実は決算が非常に遅れておるということは、いつも恐縮いたしておるのであります。しかし今仰せのように、法律を改正すればそれが実行できるかどうかということになると、これは相当重大な問題でありまして、できればそうありたいのでございますが、これは少し愼重に研究いたさなければならない問題がたくさんあると思いますので、ここしばらく御猶予を願いたいと思います。
  41. 本間俊一

    本間委員長 ほかに御質疑がなければ、薪炭の関係で御質問の希望者がありますから、薪炭の関係を少しやつてただきたいと思います。風早委員
  42. 風早八十二

    風早委員 薪炭問題は、この前本会議で緊急質問として井上議員が扱われたのでありますが、この問題は、一般会計からの繰入れをどちらで使うか、生産業者で使うか、金融資本へただ返してしまうか、こういう問題として出されておるのでありまして、一体こういつた赤字がどうして出たか、つまり炭と金とがどうなつたのか、こういつた問題については触れられておらない。しかしやはりこの委員会ではつきりこの点を追究して行く必要があると思いますので、特にこの前の本委員会でも私はいろいろな角度から追究して参つたのであります。この十一月三日の東京日日新聞のトップ記事に「政治資金に化ける薪炭赤字のからくり」という非常に大きな見出しで、これは林野関係の課長の談まで載つておりますが、こういつた事実について林野当局としてはどういうふうにお考えになつておるか。  それから特にここで具体的にただしておきたいのは、三重県に発生しております一千万円空気木炭事件というのでありますが、こういう事件を御承知であるかどうか。金額から申しましても、また使途内容から申しましても、非常に大きな問題を含んでおり大事件であると考えますので、御承知であるならばこの点を伺いたいわけです。その間の要旨を申し上げておきますから、これに対してお答え願いたいと思います。  それは、本年の一月末ないし二月初旬、三重県木炭事務所長の生原氏が—現在は神戸所長兼三重所長でありますが、招電によつて上京いたしました。おそらく本省に参つたろうと思います。と同時に、一千万円の前渡金が木炭事務所長に渡された。木炭事務所長は三月に三重県の林産燃料株式会社、これはすなわち卸売業者であります。この卸売会社の支店長名儀の山下重行氏に、十万俵の木炭代金として一千万円を支拂つたが、この十万俵の木炭は全然空気木炭であるという事実が不正摘発委員会の調査によつて明かになつた、こういうことであります。その後木炭事務所としては、薪炭特別会計の破綻に伴いまして名儀上政府の手持になつておるその十万俵の空気木炭を、再びさきの林産燃料株式会社に売りもどした形をとつて、同会社から代金として一千万円を請求するというおかしなことが始まつたわけである。しかしそれはもちろんまだ未拂いであります。その後この生原木炭事務所長が一千万円支拂いということを決意するに至つた事情がだんだん明らかになつて来たわけであります。それは正式の公文書による命令ではなかつたが、直属長官である林野庁長官三浦氏、及び当時の林政部長清井正氏の強要によるものであるということが判明したわけであります。しかして生原氏はその間のいきさつを立証する証拠書類を持つているという話である。引続きまして林野庁長官三浦氏が、生原氏を強要して一千万円の支出をなさしめた事情につきましてこのような事実がある。その第一は、山下重行氏は昨年末農林大臣周東氏に、三重県大杉谷の開発計画を申し出て四千万円の資金を獲得しようとした。周東農林大臣は、四千万円の支出を山下氏に約束して、その木炭会計から支出すべく決意した模様で、それでその支出方を林野庁長官に命令して、林野庁長官も最初はなかなか賛成しなかつたけれども、数回にわたつて場所は大体わかつておりますが、強要せられ、ついにとりあえず一千万円の支出を決意した。この決意の事情がこういうふうに出ております。この一千万円の用途についてははつきりはしないが、政治資金に使われた疑いが濃厚だ。その理由としまして、当時の農林政務次官の北村氏が、その後残余の三千万円を林野関係者にしばしば請求した事実、それから、その他同様にして本問題に一枚加わつているという事実、それから現政務次官でありますが、坂本さんも、三重県における彼の言動から、この事件の内容を熟知している。こういうようなことが出ているのでありまして、これは政治的にも非常に問題になるいろいろな事情を含んでおる大事件だと思います。こういうことがいずれにか公表されておる限りは、やはり当局としては、その事実の真相をわれわれに対しても明らかにしていただきたい。これが私の質問の要点であります。こういうことがもしも事実だとしますと、これは非常に問題になるのでありまして、一応政府責任のある御答弁を願つた上で、また問題にすべきものは問題にしたいと考えております。
  43. 三浦辰雄

    三浦政府委員 お答えします。ただいまの風早委員の御質問でありますが、昨年の暮でありましたか、正月になつてからでありましたか、ただいま御質問中にあつた三重県の大杉谷という、もう非常に不便な奥地で製炭をやつておる者がおる。それについては、今日のいわゆる林業行政と申しますか、里山が濫伐されて、どうせ切るなら適当な奥山の方に分散して切らなければ、いわゆる治山治水の上に非常に心配である。であるからして、こういう奥地で一生懸命に生産している者に対して、ある程度の刺激を與えることはどうかという問題がありまして、もとより私どもとしては、この奥地の方に適当な展開をいたしませんことには、今日の木材なり、薪炭なりの教量をまかなうわけには参りません。そこでその点について、われわれとしても、いろいろと工夫をしたのであります。ところが一月の終りごろでありましたか、だんだんと薪炭の会計も、そのときの事情の姿からいたしまして、経理の内容が困難でありましたから、すみやかにそういうような奥地の方の製炭に対して協力をしたがつたのでありますが、なかなかできず、一月の末ごろ、たしか今御質問のあつたような額、おそらく一千万円と存じますが、その奥地の製炭というものを、多少ながら援助することによつて、先ほど申したような新規目的に使いたいということで、そういう措置をとつたのであります。ところがその後だんだんと木炭の特別会計自身も、御承知のような状況になり、その奥地の方のものはなかなか出て来ない。ここで説明を加えますが、その大杉谷の奥でやつてつた、主として事業の中心であつた山下某は、先年、木炭も不足しておつたが、まきが非常に不足しておりました際に、非常な大量生産を同じ三重県下でやりまして、ときの三重県の軍司令部、いわゆるMGから非常な感銘を受け、GHQからわざわざその奨励のために、あるいはその奇特を賞するためにか、映画などにまで写したという、いわゆる力行の人であつたわけであります。さような事情から、薪炭の経理上さようなことになり、遂に今日のようになつたので、そのものは回收に努めて売りもどした。これはもとよりそのことだけに関した、三重県だけのことではありません。売りもどせるものはどこでも売りもどしておるのは、御承知通りでありまして、売りもどしまして、三重県も十一月の二十日に、あの木炭事務所は無事に閉鎖するように承知しております。
  44. 風早八十二

    風早委員 この一千万円は奥地開発費としてお出しになつたのですか。それとも木炭の前渡金としてお渡しになつたものですか。
  45. 三浦辰雄

    三浦政府委員 木炭のできたものに対するいわゆる代金としてであります。
  46. 風早八十二

    風早委員 そうしますと、この木炭がとれるという予想でおやりになつたが、木炭は一俵も入つて来ないという、その食い違いはどういうことなのでしようか。
  47. 三浦辰雄

    三浦政府委員 私のところでは一俵も入つて来なかつたようには私ども聞いておりません。ただそういつた奥地でありますので、予定のごとく出ないので、それを売りもどして解決をしたというように承知しております。
  48. 風早八十二

    風早委員 これはよくお調べを願いたいと思います。御答弁によると、一千万円はすでに売りもどして解決したとおつしやるけれども、つまりそれは一千万円はもう事務所に返つて来たということになるわけでありますが、実際はその一千万円は返つて来ておらないのであります。そこに問題があるのでありまして、もともと実際現物があれば話は別でありますが、現物が全然ない。ただ名目としてそういう奥地開発という意味で出されたというように、一応事実があがつておるわけでありますから、そういう点で事実の問題についても、一千万円のその費目が非常にはつきりしないわけです。また何がゆえに特にそこの奥地開発だけについて多額の金を出されたかという事情が、今の御説明では少しもはつきりしない。そういうことは木炭事務所がやるべき筋合のものでもないわけでありまして、その意味でもう少し最後までの事実をよくお調べになつて責任のある御回答を願いたいと思います。
  49. 三浦辰雄

    三浦政府委員 ただいまの御質問でありますが、私どもただいま答えましたように、承知しておるわけであります。しかしさらに金について入つているかどうかということになりますれば、私どもといたしましては、いつ入つておるということを調べまして、はつきり御答弁を申したいと存じます。
  50. 風早八十二

    風早委員 なおお尋ねしたいことは、この木炭事務所長は、自分の発意でそういう奥地開発についての奨励金のようなことを考えたわけではない。しかしこれは先ほど私が申しましたように、上から天くだつて来たので、その結果やむを得ずそういう処置をとつたということでありますが、この事実はお認めになりますか。
  51. 三浦辰雄

    三浦政府委員 一月の末ごろになりまして、また末までにならぬころは特にでありますが、元来木炭事務研は、生産県のいわゆる買入れを主とした木炭事務所があり、また売渡しを主とした木炭事務所があることは御承知通りでありまして地方においてはこの元講をすみやかに調査いたしまして、消費地における代金一の回收を急ぎ、その金を適切に産地の方の買入資金としてまわすのが、中央における一つの大きな操作でございました。十二月末、一月はもとよりきゆうくつになつたのでありますから、その操作はさらに電報等によりまして、—正式に日銀に通知が入つて来るまでも遅しといたしまして、電報で操作するところまで参つておりました。そういうような状況でございますので、なるべく回転の早い場所にある炭を買うというのが、実は運用の一つにも考えておつたのでありますけれども、先ほど申したような事情からいたしまして、あの中京地方における、しかも大杉谷という有名な奥地の製炭をやつておる。今後統制がどうなるにしても、当時は炭としてはまだ相当に続く、また続けなければならぬように考えておりました際でもあり、減産をおそれました結果、私においてそういうような奥地の製炭に対する奨励をやつた、こういうことであります。繰返して申し上げますが、そのことだけが中央でやつたというのじやなくて、およそ資金繰りは中央でやつてつたわけであります。
  52. 風早八十二

    風早委員 もう一点だけ—この問題の関係者が若干具体的に出ておるわけでありますが、場合によつてはこういう関係者からその事実を聽取するというような必要も起つて来るかと思いますが、三浦長官は直接この問題には関係しておられるわけでありますから、一応きようの御答弁は、有力な一つの新しい事実として承つておきたいと思います。  最後の私のあげましたいろいろな点であります。つまりこの一千万円というものは結局どうなつたか。これは返つて来ないのでありますから、その一千万円がどうなつたかといつたようなことについても、まだ御答弁がないわけでありますが、きようもしさしつかえなければ、そういう点についてももう少し立ち入つた答弁を要求したいと思います。
  53. 本間俊一

    本間委員長 まだ機会がありますからこの程度にして、大体三時ころに終りたいと思つておりますから、それじや金子さん。
  54. 金子與重郎

    ○金子委員 時間が制約されておることでありますから、まとめて二、三の御質問を申し上げますからお答え願いたいのであります。ここに日通の取扱いの調べが出ておりますが、これはこの前の委員会で私こういうことを要求した覚えもありますので、念のためお伺いしたいのですが、この一括した日通の調べというものは、調査の基礎は一体どこから来ておるのか。第一点はこういうことです。と申しますのは、これは日通の本社でただ総括したものをここに写して来たのか。あるいは貨車請求の基本からの数字があつて、それをトータルしたものか、こういうことです。それからこの日通の調査から、日通が仕向先に、いわゆる指図先に送つた調書というものが、これを出すときに一体あつたかどうか、またとれるかどうか。業者が送つた先へこの日通の扱つた貨物を一括輸送しておりますから、それが一体とれるかどうか。繰返して申し上げますと、この書類はどういう基礎の上に立つてつたか。これは日通の本社から、トータルしたものをここに写して来たものかどうか。ないしは全国の貨車請求の事情から、日通に移るまでの間を基礎的に調べて、ここにこのトータルが出て来たものか。もう一つは、この調査の基礎によつて木炭業者に仕向けた仕向先というものがこれから出て来るかどうか、こういうことです。それはどうしてお伺いするかと申しますと、今の五十四億とか五億とかいう厖大な国費が行方不明になつてしまつておるような観のある特別会計が、こうなつたことは、これは遺憾ながら木炭事務所の機構が悪い、同時に木炭ばかりでなく、薪炭を統制するにあたつて統制規則の上にたくさんの欠陥がある。運用もまずいし、規則もまずいということから、でつち上つてしまつたのですから、こういうことをいくら続けておつても、また木炭事務所をどうたたいてみても、この赤字を解消する方法は立たないと私は考えておる。こういうような基礎的な数字から逆に追つて来る方法がとられたのじやないか、かう思うために、今のごのデータを中心にしての質問を申し上げたわけであります。  第二点は林野庁長官に御質問申し上げるのですが、この前林野庁長官は、こういうふうな結果が出て来ることは、倉庫のベースを持たないものを取扱業者にして、そうして政府のものを野積みにするとか、あるいははなはだしいのは、自分が保管料をとつておきながら、小売業者に流してしまつてしかも政府から保管料をとつておる。こういうふらちなものがある。こういうことがあることはあなたもお認めになつておるのですが、今やりつつある木炭の場合でも、これに対してはつきりそういうことはないというように機構を改革しておるだろうか。もう一つは、これは私はある県に行つて非常に驚いたことなんですが、卸機関の問題です。卸機関に対して御承知のように政府はたくさん未收金を持つておる。その人たちに私どもが聞いてみますと、小売機関というものを政府が指定したのだ。であるから、それに売れということになつておれば、私どもはその機関が経済的に不安だとか、不安でないとかいうことを検討することを許されてないのだ。だから未收ができても、政府が売れというところに売つたのだから、しかたがないじやないか、こういうことを言つておる。これは一つばかりじやない。二、三聞いてみますと、そういうことを言つておる。これから木炭の統制を続けて行つても同じことができるのじやないか。政府が小売業者として認めたのだ。これに送れと言つたから送つた。たまたま代金をよこさない。それに対してわれわれは売らないということはできない。そういう場合に一体卸並びに小売機関に対し、自由経済なり、あるいは協同組合のような形であるならば、人に物を売掛けするにも、貸付金をするにも、最悪の場合はどうしてとるかという裏づけのないところに貸すはずはない。これは役人的機関として機械的にこういうことをやるからこういう結果が出る。こういうことなんですから、かつてはそういうことをやつてつたのですが、今の木炭の統制をやつて行く上に、一体掛売りに対してどういう態度をとるか。掛売りは絶対しないという方針なのか、あるいは掛売りを実際はやつておるのがあるか。こういつた場合に小売業者ないし卸売業者が、それだけの金額を扱う場合、最悪の場合掛売りの最高保証か何かの形によつて政府に損をかけないという形において小売なり卸売業者なりを指定しておるのかどうか、こういうことなんです。  最後に、今五十数億の金が張りついてしまつておるが、それに対して整理をしているということを常に言われておるのですが、その整理はどういう方法で、たとえば現物調査の方法、あるいはどの機関を使つて、どういうふうな方法でやろうとしておるか。その三点について具体的に御答弁を願いたい。
  55. 三浦辰雄

    三浦政府委員 お答えいたします。このお手元に差上げました「対日通一括契約に依る日通取扱数量調」これは急いだので、日通の本社でお話のように一括契約した、あの日からの分をやつたという事情でございます。それから事故炭、事故を発見するのに、荷送先を中心としてやる。これはごもつともなことで、私どもといたしましても、発送の方法なり、あるいは着地の日通の受取りなり、そういう一つの点点があるものを追つて行かなければならない、かように存じております。  それから第二の卸商の関係の、ふらちなと申しますか、非常にふしだらなように見える点、このことは昨年の九月に公布になりました薪炭需給調節規則の制定の際、卸にいたしましても小売にいたしましても、一定の経験の有無であるとか、あるいは設備の有無であるとか、あるいは信用、資産状況と申しましようか、そういうようなある程度の條件にはまつたものの中で、消費者が選んだものを小売店とする。その小売店が、またそういつた一定の條件の中で適する人たちを御随意に選んだ人をいわゆる卸商にする、こういうふうに持つて行かなければ、われわれとしてはいわゆる政府の統制販売であつて、最終は消費者が困るのだから、結局なんのかのと言つたつて、そこで直さなければ、回收の不円滑の心配がある。であるからぜひこれについての條件はつけてもらいたいということは、実は当時大分研究したのでありますが、民主的と申しますか、公平にだれでも均等の機会を與えるという原則から、もしそういうふうなものであるならば、それは消費者が知つておるから、消費者が大体選ぶであろう。また選ばれた方の小売店は卸商を知つておるのだから、そういう悪い卸商は選ばれるはずはないのだ。こういう事情からいつて、まことに残念なことでありまして困つております。  それから三につきましては、濱田薪炭謀長から説明をさせます。
  56. 濱田正

    ○濱田説明員 具体的の処理のやり方につきまして御説明申し上げます。仕事の内容はたくさんあるのですが、御質問の点につきましては、つまり現物がないじやないかという点の処理の問題ですが、これも内容的にたくさんありまして、県内で輸送する場合には日通でなくして大部分集荷業者に輸送をやらせているという点があるのであります。それから県外へ出す場合には、陸の場合は日通で一括契約をやつている。海の場合にはそれぞれの機帆船会社がやつておる。対象はそれだけであります。それである木炭事務所からある木炭事務所に向つてつたとなりますと、送つた発送報告書というものを出すわけであります。それで着地の方から確かに受取りましたと来れば、これで話は済むのです。ところが行方不明の一部を構成しているものは、A木炭事務所から送ることは送つたが、まだ受取りましたという証明は来ないという面が、いわゆる輸送上と称しまして、まだ書類上では汽車に乗つているということになつている。そこでそれを追究しますについては、それぞれの輸送責任者、日通、機帆船会社、あるいは県内については集荷業者から、送りましたという発送報告書が木炭事務所に来ておりますが、木炭事事務所はこの発送報告書をつかみまして、あなたはこれを一体送つたと称しているが、送つていないのじやないか、一体どこへ送つたのか、その証拠書類を持つて来い、持つて来れない場合は、あなたがどこかにやつたはずなんだ、だからこの分だけは弁償してもらう、こういう形で、発地の木炭事務所と着地の木炭事務所の両方の書類を突き合せをやつて行きまして、突き合わないものは輸送業者の責任だというやり方で、追究して行くというふうに、具体的の進行はやつております。
  57. 金子與重郎

    ○金子委員事 こまかく討議して来ますと、たくさんありましてこれはたくさんの時間を要しますから、それは省略いたしますがもともとあなた方の方と回答しますと、常に木炭事務所というものが大きく出て来るから、あなた方の方とすると、木淡事務所中心に何とか処理をしなければならぬということになるだろうと思います。元来木炭事務所がしつかりしておればこんなことになりはしない。木炭事務所がだらしがないから、こういうことになつている。しかも木炭事務所の扱いが、各県の役人によつて、また出すとか出さぬとかいうことで、大きな制約を受けている面もある。ですから私の考えとしては、これは委員長にお願いするのですが、決算委員会の重大な問題でもありますし、これをあなた方の方ではあなた方の方としてデーターを出す、決算委員会としては別な機関によつて別な方法でデーターを出して、はたしてこれがどういう結果が出るか、競争することが一つの方法だと思います。この点は委員長にお願いいたします。理事会でもあとでかけていただきたいのですが、決算委員会としてはこういう機関を使つてこういう方法で調べてみて、それが農林省の方で調べた数字とどう食い違つて来るか。こういうことをやつてみない限りは、この赤字をただ漫然と国民に負担させるというようなことは、委員会の責任としても大きな問題だと思います。その点をひとつお願いいたしまして、私の質問を打切ります。
  58. 本間俊一

    本間委員長 承知いたしました。理事会でひとつ御相談いたします。  それでは食糧管理特別会計もやるつもりでしたが、当局がそろつていないようですから、次会にいたしたいと思います。皆さんの方からの御希望もありましたので、経理課長が見えておりますから、希望いたしておきますが、二十二年度批難事項に対する説明とあわせて二十四年度の食糧管理特別会計状況を御説明を願うことになると思いますから、あらかじめ御用意をして、経理課長さんばかりでなく、その方面の今運営している総務部長でもいいのですが、もし長官がぐあいが悪ければ、一緒に出席せられるように希望しておきます。  それでは次会は十四日午前十時から開くことにいたしまして本日はこれで散会いたします。     午後三時十分散会