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1949-12-02 第6回国会 衆議院 経済安定委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十二月二日(金曜日)     午後二時三十三分開議  出席委員    委員長 小野瀬忠兵衞君    理事 志田 義信君 理事 多田  勇君    理事 永井 英修君 理事 笹山茂太郎君       小川 平二君    福井  勇君       勝間田清一君    森山 欽司君       田中不破三君    羽田野次郎君       岡田 春夫君    浦口 鉄男君  出席政府委員         (動力局長)         経済安定事務官 増岡 尚士君  委員外出席者         農 林 技 官 水口 宏三君         農林事務官   竹内 直一君         経済調査官   柳田桃太郎君         食料品配給公団         理事      佐藤 晴雄君         食料品配給公団         乳製品局経理課         長       尾崎 小作君         食料品配給公団         乳製品局企画課         長兼総務課長  川村 武平君         食料品配給公団         乳製品局配給第         一課長     大河原喜作君         食料品配給公団         総務局企画課長 佐々木東洋君         食料品配給公団         経理局主計課長 間瀬宇兵衛君         食料品配給公団         経理局資金課長 福島 隆作君         食料品配給公団         醤油局次長   石川  浩君         食料品配給公団         味噌局次長  岩間造酒之助君         食料品配給公団         砂糖局長    菊地 俊吾君         食料品配給公団         罐詰局長    林  敏通君         食料品配給公団         アミノ酸局長  石川 智次君         專  門  員 圓地與四松君         專  門  員 菅田清治郎君     ————————————— 本日の会議に付した件  各種公団現況に関する件     —————————————
  2. 永井英修

    永井(英)委員長代理 ただいまより会議を開きます。  これより食料品配給公団現況について、説明員会料品配給公団理事佐藤晴雄君より説明を聴取いたします。佐藤説明員
  3. 佐藤晴雄

    佐藤説明員 御指名によりまして、食料品配給公団現況につきまして、ごく概略のことを御説明申し上げたいと思います。なお特殊の点につきましては、さらに御要求に応じまして説明申し上げたいと思います。なお本日はそれぞれの現業責任者が参つておりますので、現業に対する具体的のことは、それぞれの責任者から御説明申し上げることにいたしたいと存じます。  食料品配給公団は昨年、すなわち昭和二十三年の二月二十一日に設立いたしたのでありまして、設立目的は、食料品配給公団法に規定せられておりますように、「経済安定本部総務長官の定める割当計画及び配給手続に従い、みそしようゆアミノ酸グルタミン酸ソーダを含む、)砂糖罐詰乳製品その他命令で定める食料品(以下食料品という。)の適正な配給に関する事務を行うことを目的」としておるのであります。当食料品配給公団は、ただいま申し上げましたように、六品目配給に関する業務を行うことに相なつておつたのでございまするが、それらの品は過去におきまして、すでにそれぞれ統制機構によりまして統制せられておつたのでございます。当公団設立にあたりましては、従来の統制機関を総合いたしまして、それらの業務を引継いだのでありまするが、公団設立前にありましたところの統制機関は、約八十に上る多数であつたのでございます。その業務を引継ぎまして、設立当日から配給仕事を始めたのでございます。すでに統制仕事は行われておつたのでありまするし、またそれらの品目統制を即日実施するということにかんがみまして、ほとんど従来の統制組織を踏襲いたしまして、各品目についてそれぞれ、統制機構を整えて参つたような状態でございます。元来これらの六品目は、それぞれ特殊の商品の性質とまた特殊の扱いの沿革を有しまして、おのおのほとんど独立性を有するものでありますので、公団設立にあたりましては、これらの品目それぞれの公団をつくるという議もあつたのでありますが、結論においてこれを一公団にまとめたのでございます。しかしその実行にあたりましては、やはりそれぞれの品目の特徴を生かし、円滑なる運用をいたしまするために、特殊の考慮を拂つて運営をして参つたような次第でございます。  さような次第でございまして、食料品配給公団組織でございまするが、これははなはだ複雑なる機構に相なつておるのであります。  まず本部機構を申し上げますと、取扱い品目につきまして、いわゆる現業局といたしまして、味噌局醤油局アミノ酸局砂糖局罐詰局乳製品局、この六局を設けたのでございますが、そのほかにこの全体を統轄いたしますために、総務局経理局及び検査局の三局を設けまして、都合九局をつくつたのであります。それになお全体を通じましての監査機能をつかさどるために監査室を一室設けまして、これが本部機構と相なつておるのでございます。  次に地方機構でございますが、みそしようゆにつきましては各県に支部を設けまして、ここで取扱うことにいたしたのでございますが、これも従来の沿革によりまして大部分は味噌部醤油部の両部をもちまして、それぞれの品目を扱うというような形態に相なつております。全都道府県のうちに十九県だけはみそしようゆ両方合せまして、まつたく総合的の機構をとつておりますが、その他は味噌部醤油部、それぞれその構能を果すというような機構に相なつておるのでございます。そのほかアミノ酸砂糖カン詰乳製品の四品目に関しましては、地方におきましてはそれらを統轄いたしますために支局を五つ設けております。支局は大体北海道、それから、東部、中部、関西、西部の五箇所に設置せられておるのでございます。これまた一支局でありますが、各品目それぞれの分科を有しまして、ほとんどこれは独立形態をもつて、それぞれ本部の局に隷属するというような形をとつて参つたのでございます。そのほか検査につきましては、検査本局にそれぞれの品目につきまして部を設けております。地方におきましては、みそしようゆのために地区検査所検査課等を設けております。検査課はそれぞれの県に設け、地区検査所は大体八箇所に設けまして、それぞれの検査課を統轄しておるというような形をとつておるのでございます。かように食料品配給公団機構ははなはだ複雑な機構をとつておりますが、これは先ほど御説明申し上げましたように、その沿革から参りました結果であるのでございます。その後御承知のように前国会におきまして、食料品配給公団取扱い品目のうち、カン詰グルタミン酸ソーダとを公団統制からはずすことに相なりまして、ただいま罐詰局はなお存置してございますが、しかしこれはまつたく残務処理仕事だけをいたしておるような状態でございます。  次に人員でございますが、ただいま役員は総裁、副総裁一名、理事七名、監事一名ということに相なつております。それからまた職員はただいま二千九百七十七名おるはずでございます。  次に業務関係でございますが、これは各品種につきましてそれぞれ御説明申し上げる必要がございますれば申し上げますが、大体これを総合いたしまして、昭和二十三年度一年間の業績をごく概略数字で申し上げますと、大体二十三年度の上期における製品の売上代でございますが、これは計画八十七億に対しまして実績が八十二億、そのパーセンテージは九五%の実績を上げておるわけでございます。次に二十三年度下期でございますが、これは計画が二百二十六億円に対しまして、実績は二百十八億円、比率で申しまして九七%の成績を収めたのでございます。二十三年度全体を通じますと、計画が三百十三億に対しまして、実績が三百一億円でございまして、その率は九六%に相なつておるのでございます。大体順調な成績を上げたと存ずるのでございますが、なおこの収支の状態を申し上げますと、上期におきましては純益金を一億三千九百万円上げました。また下期におきましても二億四千八百万円、両方合せまして年間三億八千七百万円の純剰余金を上げた次第でございます。純剰余金と申しますのは、事業益金から政府からいただきました交付金を差引きました純粋の利益でございます。これは政府上納いたすことになつておるのでございます。大体業務の全貌を申し上げますと、そういうような状況でございまして、まず所期の目的を果したと申し上げてさしつかえなかろうと存ずる次第でございます。  なお御参考までにこの食料品配給公団関係いたしますいわゆる関係業者状態でございますが、これを数で申し上げますと、みそにおきましては生産者が四千八百四名、小売業者は七万六千七百六十六人となつております。しようゆにおきましては、生産者が六千八百六十九人、それに対しまして小売業者の数は八万五千九百五十四名、次にアミノ酸でありますが、これは生産者が二千四百九十四名に達しました。これは販売組織におきましては、ほとんどしようゆ販売組織を通じまして小売をいたす関係上、小売店というものはないのであります。次に砂糖でありますが、これは主として輸入品でございまして、国内におきましては、国内生産はわずかでありますが、しかし生産者は二十二名になつております。それから卸売業者は千三百二十六名、小売業者は九万七百三十五名、それから乳製品生産者が九十四名でありまして、卸売業者が五百三十一名、小売業者が三万七千九百八十四名、これはいずれも本年九月末現在の数字でございますが、これらが公団に直接関係をいたしておる業若でございまして、内部の組織と相まつて食料品配給業務関係しておるわけでございます。大体かような状態でただいま業務を行つておるのでございます。本年度に入りましての成績は、すでに上半期を終えたわけでございますが、まだはつきりした清算ができておりません。と申しまするのは、昨年度から会計年度が、一箇年をもつて決算をするということになつておりまして、各半期決算は試算の程度でございますので、あまりはつきりした数字は出ておらないのでございます。しかし大体概数において、およそ二十三年度の下半期成績と大差ない成績を上げておると確信いたしております。はなはだ簡単でございますが、一応概略説明を終ることにいたします。
  4. 志田義信

    志田委員 ちよつと二、三点お尋ね申し上げますが、ただいまの政府上納金は、政府の方に上納する期間は大体決算後の二箇月間というようなことがこれに出ておりますが、そのままになつておる事情をひとつ説明願いたいと思います。
  5. 佐藤晴雄

    佐藤説明員 これは決算ができますと、政府決算報告をいたしまして、政府承認をいただくのでございますが、政府承認をいただきますればただちに納付いたすのでございます。その決算締切りがやや遅れまするのと、またさらに承認をいただきまする間に相当の時日を要しまして、それで遅れておるわけであります。
  6. 志田義信

    志田委員 この決算承認経済安定本部長官でございますか。
  7. 佐藤晴雄

    佐藤説明員 さようでございます。
  8. 志田義信

    志田委員 そうしますと、経済安定本部長官決算承認をして、大蔵大臣のこれに対する認可を受けるということになりますか。
  9. 佐藤晴雄

    佐藤説明員 これは経済安定本部総務長官認可を與えまする場合には、大蔵大臣会議をする形式になつておると存じます。
  10. 志田義信

    志田委員 そうしますとこの政府上納分は、あなたのところに保留になつておるのは、毎期経過後二箇月以内にこれを経済安定本部長官に提出して、その承認を受けることになつておるのでありますが、その承認を受けるような手続をしても、いまだ経済安定本部長官からはこれの承認がないということになりますか。
  11. 佐藤晴雄

    佐藤説明員 お答え申し上げます。その点につきまして、昭和二十三年の上期の決算でございますが、これは公団が発足いたしまして、あまり時間も経過しておらなかつた関係等がございまして、公団の方の業務も思うように整備がはかどらなかつたのでございます。決算ができたのが、たしか十一月になつたと記憶しております。それから承認の申請をいたしまして、それぞれまた審査があるのでございますが、さらにまた会計検査院検査も受ける関係もございまして、全部の御確認がありました上で、承認をいただくようなことに相なつておると推測いたされます。そういう関係承認が非常に遅れまして、実は昭和二十三年度の上期の決算に対する承認が、おそらく年度の終りかあるいは今年度になりまして、ようやく承認をいただいたというような結果でございました。従いまして剰余金上納も、今年度たしか早々に上納したと記憶しております。なお下期の剰余金につきましては、すでに決算の御報告をしておりますが、いまだ正式の御承認をいただかないことと記憶しております。
  12. 志田義信

    志田委員 そうすると、これは各品目ごと承認を受けるように思うが、その当時はやはり財産目録とか貸借対照表とか損益計算書というものを作成して、各期ごとに受けておるように思うのでありますけれども、下期はどうしてそういうふうに——上期の方は今お話を承りましたように、公団発足以来日にちが少かつたの整備がはかどらなかつた。そのためにできなかつたということもあり、承認が非常に遅れたということなのでありますが、下期の決算報告もやはり遅れておるたのでしようか。それとも下期の決算は、規定通り順調に二箇月以内にこれを報告したのだけれども、経済安定本部長官の方で、まだ承認をいたして来ないということですか。
  13. 佐藤晴雄

    佐藤説明員 これはまことに相済まぬわけでございますが、下期の決算もどうもちようど法規の通りの二箇月には締切りが間に合いませんで、結局御報告申し上げたのが七月であつたか八月であつたかはつきりいたしませんが、一、二箇月遅れたように記憶しております。それで爾後まだ今日まで御承認がないのであります。これはおそらく会計検査等関係等があるものと考えております。ただいままでのところそう大きな問題があるとも存じません。大体そんな状況だと思いますが、はなはだあいまいで申訳ありません。
  14. 志田義信

    志田委員 大きな問題はないけれども、小さな問題が何かあるでしよう。この問題について小さな問題があるのではありませんか。
  15. 佐藤晴雄

    佐藤説明員 会計検査院の方からいろいろ御質問なども受けまして、ただいま御説明を申し上げておる問題は多少ございます。
  16. 志田義信

    志田委員 それはどういうことですか。ちよつと承りたいと思います。
  17. 佐藤晴雄

    佐藤説明員 お答え申し上げます。ただいま記憶しておるものを申し上げますが、大体味噌局関係におきまして、丸大豆粉大豆との原料関係買上げ価格が違うのでございます。これはプールいたします関係上、たなおろしの価格にこれに影響するわけでございまするが、実は丸大豆買上げがどれだけあるという調査が大分遅れますので、便宜上粉大豆原料といたします買上代金で、たなおろしの価格を計上いたしておるわけであります。決算の当時その処理が遅れまして、両者の区分がはつきりしなかつたということにつきまして、その点の質問があつたように記憶いたしております。  それからまたしようゆ関係におきまして、北海道支部におきまして交付金関係で多少支出の超過がございました。これに対する説明と、その処理についての御質問がありました。  なお砂糖につきまして、価格調整勘定があるわけでございます。この調整勘定のあり方につきまして御意見があつたように記憶いたしております。  次に乳製品につきましては、ある一部におきまして、売掛金回収が非常に遅れているという事実につきまして説明を求められた。大体これだけの問題であつたと記憶いたしております。
  18. 志田義信

    志田委員 公団のごときは小さな問題だと笑つておられますが、いやしくも会計検査院貸借対照表並びに損益計算書に基いて検査をしまして、この承認を受けなければならぬということになつておるのでありまして、会計検査院がそれに疑議をはさむということは、私は必ずしも小さい問題ではないと思います。そこで本件につきまして、特に経済調査庁調査結果がありましたならば、お示しを願いたいと思います。
  19. 柳田桃太郎

    柳田説明員 食料配給公団監査につきましては目下続行中でありまして、結論的な御説明を申し上げる段階までは立ち至つておりませんが、ただいままでに判明いたしております重点項目につきまして、四つほどあげられると思います。さきに会計検査院から説明書を求められております事項につきましても、調べには載つておりますが、会計検査院事務の重複を避けるために、これは会計検査院の方に主としてやつていただいておりますので、その他の問題につきましてのお答えをいたしたいと思います。  一つの問題に売掛金の問題であります。これは全体といたしまして、昭和二十四年三月三十一日すなわち二十三年下期の決算におきまして、売掛金が三十一億あつたのでございますが、八月末を見ますと三十三億になつております。これを局別に見ますと、味噌局のごとく非常に回収率促進している局もありますが、他の局におきましてはおおむね良好でない面もありますので、これが促進を期せなければ、需給関係の緩和とともに、将来焦げつきになる危険がきわめて大きいという問題があるのであります。特にアミノ酸局回収率罐詰局回収率は最も不良でありまして、将来も警戒を要する一つであります。  次に資金効率の問題であります。当公団は二十三年下期の決算におきまして、支拂い利息二億三千七百万円を支拂つております。これは当公団純益にほぼ相当する支拂い利息でありますが、これの内訳を見まするに、半期負債に見合う現金預金手持高は三七%に達しておりますが、資金効率を巧妙にすることによりまして、この支拂い利息を軽減する道は他に方途があるというふうに解釈されます。  次は支拂い保険料の問題でありますが、当公団の二十三年四月から、二十四年七月までの支拂い保険金を見まするのに、八千六百万円余支拂つておるのに対し、損害が発生いたしまして、吸収いたしましたものは九百万円余でありますので、損害程度は一一%でありまして、保険料の支拂い超過というわけにも参りませんが、経費として落ちましたのは七千七百万円余であります。海上、陸上の一般保険危険率から見ますると、比較的少い率輸送保管が行われたということは、当公団の功績の一つではありまするけれども、翻つて考えまするのに、支拂い保険料その他についての創意くふうが足りなかつた面もあるのではないかと考えられます。  次は下請会社の問題であります。当公団は多数の旧統制機関を合体いたしまして、しかも職員の数は定員で限られておりますので、下部に担当の下請機関を持つておりますことはやむを得ない事情もあると思いますが、これに対する容器の回収輸送保管経費については、マル公の範囲内であればよいというような安易な観念があるのではあるまいかと考えられます。従いまして乳製品局のごとく、あるいは罐詰局のごとく、あるいは醤油局のごとく、下請機関がさらに下請をいたしております業者とのさやとり関係を見ますると、相当の額に達しておりますので、これらを軽減することによつて、さらに配給マージンの軽減ができる余地があるというふうに見ております。  以上が各局を通じての大体のトピツクでございまして、そのほかに会計検査院が指摘しておりますような問題もありまするが、これにそららの方でやつていただいておりますので、私の方の説明を避けます。
  20. 志田義信

    志田委員 乳製品売掛金回収が遅れたという事情をひとつ話してください。
  21. 尾崎小作

    尾崎説明員 実は局長次長が出張中でございますので、私がかわつてお答えいたします。  乳製品につきましては、乳製品そのもの取扱いが、従来からサービス的な取扱いなつているということと、公団になる前の統制機関であります製酪業統制組合と、いろいろ回収促進につきまして協議した結果、販売その他の関係公団荷受け並びに小売りの方のマージンの問題等いろいろな関係から、相当回収が遅れるというようなことでありまして、これにつきまして製菓業組合当時から、相当長い期間回収日数を要しておりました。ところが公団になりましてこれを一気に解決しようということは、従来の商習慣等関係相当難点があるのであります。そういうわけで乳製品回収は、他の局の品物に比べまして非常な低率ということになります。減算表面における売掛金残高相当かさんでおるわけであります。これは乳製品回収が非常に悪い。四十五日ということで一応取立てはしておりますが、この間の取扱いとしまして公団はメーカーから乳製品を買取る場合に、結局オンレール、もよりの貨車渡しということで買取つているのであります。それから販売される場合には荷受け機関庭先渡しということになりまして、その間の輸送日数、それから配給される対象が各府県にあります登録卸店なつておりますが、その上にそういう卸店をとりまとめました共同の荷受け機関、従来の卸売組合というものがありまして、公団は一括してそこへ品物を売渡す。そうして割当てられた数量を各県と相談をいたしまして、各県の卸売機関に対して引渡すということで、結局公団から配給すべき登録卸売店なるものに品物が着くのに、相当長い日数がかかるわけであります。公団自体としましては、乳製品卸店に引渡す條件が、登録卸店庭先渡しということになりますから、輸送中の品物というものは公団品物でありまして、荷受け機関庭先に行つたときに初めて向うの品物になる。それから先に配給される。こういうことになります場合に、公団自体として買取る場合は一応オンレールで買う。それで売渡しをするときに庭先渡しということになりまして、その期間も込めたもので合計四十五日というようなことで回収しております。だから結局その公団手持であるべき輸送期間日数が、約二十日間かかるということになりますと、差引しまして回収あと残りの二十五日を要するということになります。それに加えまして、各登録卸店代金を指定された銀行に振込みまして、そうしてそれを所轄の支局もしくは本局銀行に送金する。支局におきましては支局で集金した金を全部本局に送るという関係上、その間の送金日数というものが相当かかる関係で、結局品物公団が買取りまして代金回収されるまでに、約五十五日という日数がかかるわけでございます。でありますから結局毎月配給された品物の約二月分というものが、売掛金残高の面に現われて来るために、かような大きな数字になるということと、昨年の八月から乳製品が急激に増産されて参りました。これが配給の面におきましても配給対象の拡大、購入手続簡素化というようないろいろな手続を講じまして、大いに配給量をふやしておりました関係上、毎月の配給量が従来の配給量に比べまして非常にふえましたので、売掛金の面では相当累額的に大きな数字が現われて来ております。  それからなおそれにつけ加えまして、昨年八月乳製品相当の値上げになつたということと、一般経済情勢が悪いという関係上、消費者の面におきまして月に相当配給量のあつた場合に、乳製品購入に対する経済面の負担が非常に大きくなつたにかかわらず、乳製品は毎月一箇月分近く配給されますので、消費者の面におきましても一度に買い切れない。月に三回なら三回にどうしてもわけて買わなければならぬというような事情も出て来る関係上、結局卸、小売におきまして自分の方で銀行なら銀行で融資を受けてその金を公団に拂い込む。なお早くするということについては、いろいろな金融事情その他の関係で思うように金が入らない。さすれば消費者の方から結局吸い上げた金を、公団の方に持つて行かなければならぬというようなことで、回収もだんだんと遅れるというような実情になつております。つきましては当時公団がメーカーから買取る場合には、全部済度の認証手形によつて買取りまして、一方回収の面は四十五日ということになりますから、これを短縮することについて盡力はもちろんやりましたが、結果的にはそういう方法に先般までは立ち至つておらなかつたのであります。それで四十五日、六十日ということで回転してどうにかやつて行くということで、今年九月まではこの方法をとつておりました。ところがこの十月から認証手形制度が廃止になりまして、全部現金制になりました。そうなりますと、公団に対しても従来のような安易な気持ではおれないということで、先般食糧庁長官の御協力を得まして、各府県の卸機関並びに小売機関に対して、従来の済度を縮めて公団が買取つてから回収までに三十日ということで、極力この売掛金の急速なる回収に盡力をして着々その効果が現われつつありますが、これはこの十月十五日から実施いたした関係上、目下のところ具体的な数字まではあげられませんが、実際的には着々従来より一層の回収をやつております。以上でございます。
  22. 志田義信

    志田委員 食料品の適正な配給を確保するために、公団がいろいろ御努力くださつておると思いますが、乳製品の適正な集荷買取りをやることに対しましてどういう方法をとられたか。お聞かせ願いたい。
  23. 尾崎小作

    尾崎説明員 買取りにつきましては、農林省で定めました生産計画につきまして、公団需給関係その他を見まして、メーカーから出たものを買取つておるわけでございます。ところが乳製品としましては、御承知の通り非常に生産の地域が——たとえば北海道が全生産の約五〇%というように地域的、季節的に違う。たとえば夏と冬とで非常に生産率が違うのでありますが、公団といたしましてはそれにかかわらず、毎月の配給量は一定の配給基準数量というものを確保しなければならぬというために、全国に数箇所倉庫を設けまして、結局そこへ買取つたものを一応入れる。たとえば北海道のものを一応東京なり、大阪なり、福岡なりの生産のできない大消費地へ持つて来て、それを逐次各方面に配給して行くというような関係がありまして、若干配給数量を上まわる買取りをしなければ、公団乳製品の円滑な配給をすることができないというために、若干ランニング・ストックというものを設けまして、円滑な配給をするために、若干配給と買取りの数量とがアン・バランスになるような買取りをしておる実情でありますが、これは実態的には公団が円滑な配給をするには必要やむを得ないものだということで、北海道方面に生産されたものはその都度これを買取るようにしております。
  24. 志田義信

    志田委員 戦時から戦後にかけまして、乳製品特にバター、チーズの類も、なかなか普通一般家庭に配給されることはきわめて、珍しかつたのであります。しかもやみ市場に行きますれば、氾濫とまでは行かなくても自由に入手できた。そうしますと、今のお話によりますと、農林省の生産計画とあなたの方の需給関係とメーカーとの関係、この三者を調節して配給基準量を考え、またその上まわるランニング・ストックまでやつて来たというようなお話がありましたが、そういうふうな計画生産並びに配給をやつて、なぜあのようなやみ市場にバター、チーズその他の乳製品が出たか、その点を伺いたい。
  25. 尾崎小作

    尾崎説明員 実は公団におきましては、その乳製品の方で練粉乳を育兒用にということでやつておるために、バター、チーズにおきましては、これは一応農林省におかれまして自主的な統制をやつておられた関係上、公団の所管外ということになるのであります。それで一方練粉乳につきましては、やみ市場におきまして若干出ておつたということも聞き及んでおります。これにつきましてはいろいろな面、たとえば配給を受ける資格のある者が、たまたま母乳が若干出たというにかかわらず、一応自分に配給されたという場合、それを他に転売してほかのものとかえたというようなことも若干出ておりますが、それは非常に微々たるものではないかと考えております。
  26. 志田義信

    志田委員 今の練乳、ミルクなどというものは——私は東北の出でありますが、東北方面には非常に余るくらいの数量が来ておると思うのであります。それは必ずしも生後二箇月、三箇月の一年以内の子供にばかり配給するというようなことも事実上、経済上の問題からできないので、一般にコーヒー店とかミルク屋とか、そういう喫茶店の方面に流れていますが、公団においてはその点につきましてはどのように思つておられますか。
  27. 尾崎小作

    尾崎説明員 この問題については、公団の問題とは離れているわけであります。
  28. 志田義信

    志田委員 公団の問題から離れているというお話でありますから、農林省にひとつお伺い申し上げます。
  29. 水口宏三

    ○水口説明員 ただいま東北等の末端におきまして、乳製品がむしろ喫茶店において売られているということでございますが、乳製品に関しましては一般配給統制と申しますか、現在のところ満二歳以下の赤ん坊に優先配給をするということで、実は配給統制をやつておるわけであります。それで乳製品の需要度につきましては、むしろ満二歳以下の赤ん坊が実際飲むという需要と、それ以外に嗜好的な需要というものが相当あるわけでございますが、需給関係上むしろ嗜好的な需要を押えまして、極力生活上必要の度合いに応じて優先的に配給いたしたいというので、従来これを行つて参つたわけであります。ところが日本におきまする育兒の状況を見ますと、乳製品によつて育兒を始めたと申しますのは明治以後でございまして、特にこれが一般に普及いたしましたのは、戦争中育兒の配給というものを相当優先的に開始いたしましてから、一般に普及いたしましたような事情で、特に東北、北陸等におきましては、戦前においてはほとんど使われておらなかつたような事情にあるのではないかと思います。従いまして乳製品の実際の販売ということに関して、われわれといたしましては現在のところ満二歳以下ということで、配給統制をやつておるわけであります。あるいは東北のいなか等へ参りますと、小売商の違反行為といたしまして、多少そういう面もあろうかと存ずるわけでございます。現状におきましては、満二歳以下の乳兒のみの配給といたしましては、生産の上昇によりまして多少の余裕ができて来ている。従つて配給対象を多少拡大したらどうかということで、現在関係方面と交渉中であります。しかしわれわれの計画といたしましては、満六歳以下の子供には十分やり得るのではないか。それからもう一つは現在学童給食をやつておりますが、学齢期以下の兒童に対しては食糧に関して何ら特別の配慮を行つておらない。ところがこれは厚生省の御意見であると思いますが、学齢期の兒童よりもむしろ学齢期以前の兒童こそ、最も基礎的な発育期にあるというような関係上、これに対して何らか特別な食糧の配給をやりたいということで、現在特別の育兒菓子というものを配給いたしたいと思つております。これは従来は原料を脱脂粉乳に仰いでおつたのでありますが、最近これに国内乳製品を向けることができるのではないかと思います。またこういうふうに限定して配給しております関係上、満二歳以下に配給している現状は多少だぶついている。しかして末端においては多少違反行為もございますが、これも拡大して満六歳以下の子供とか、あるいはそれらの菓子原料にまわして、供給が不足して参りますれば、おそらく末端におけるそういう違反行為も逐次なくなるのではないか。何分にもそういう改訂に関しましては、関係方面との折衝もございまして遅れる面もございますので、過渡期におけるいろいろな問題が起るのではないかと思います。
  30. 志田義信

    志田委員 ただいまたいへんありがたいことを御説明いただいて、私も賛成なんでありますが、その六歳以下の子供とそれから学童給食の問題は非常に大きな問題で、菓子原料の許されない今日においてみなやみ原料によつてつているのでありますが、これはいつごろから実施できるお考えであるかどうか。ちよつとお聞かせ願いたいと思います。
  31. 水口宏三

    ○水口説明員 学童給食に関しましては、御承知のように、現在輸入の脱脂粉乳をこれに充てているわけでありますが、大体これは年間三万トンの脱脂粉乳をやつております。これを乳製品に換算いたしますと大体六百万箱程度になる。ところが現在は乳製品が増産されたといたしましても、年間の生産は二百万箱そこそこであります。従いまして学童に対してこれを全部配給するということになりますのは、まだ相当期間があると思うのでありますが、これは何も練粉乳にする必要はないので、むしろ乳酸飲料等によつて配給いたします方がいいのではないか。現在においてはバターなどの脱脂粉乳というのは相当むだに消費されているので、現在関係筋と交渉いたしまして、もし砂糖が入手できますれば、乳酸飲料としてまず都市の学童に逐次配給いたしたいと考えております。
  32. 笹山茂太郎

    ○笹山委員 公団の直接関係ではございませんが、例の料飲店の取締り関係につきまして、副食券の廃止について今度この委員会の審議を省略して、いきなり本会議にかけるようなお話を聞いているのでありますが、もしさようなことになりますと、この問題がいわゆる副食関係統制全般にも関係することでありますし、委員会がとにかく開催されている今日におきまして、この委員会を省略していきなり本会議にかけることは、委員会の権威から考えてもいかがかと思いますが、至急委員長に連絡されまして、この委員会においてこういつた問題を取上げるように、おとりはからい願いたいと思います。
  33. 永井英修

    永井(英)委員長代理 この際お諮りいたします。  ちよつと速記をとめてください。     〔速記中止〕
  34. 永井英修

    永井(英)委員長代理 速記を始めて……。
  35. 志田義信

    志田委員 さつき経済調査庁調査の内容がここで述べられましたが、その中に下請会社関係マル公の範囲内であればよろしいというような非常な簡単な考え方から、容器の点、輸送の点、あるいは保管の点で、さやとり関係が非常に目立つておるというようなお話がございましたが、参考人の方々においてはどういうふうにお考えになつておるか、お話願いたいと思います。
  36. 佐藤晴雄

    佐藤説明員 先ほども御説明申し上げましたように、私の方では各品目それぞれ扱いが違うわけであります。そのとき特に乳製品カン詰しようゆというようにお話がありましたが、そういうことで申し上げましようか。
  37. 志田義信

    志田委員 そういうことでお願いいたします。
  38. 尾崎小作

    尾崎説明員 乳製品につきましては、先ほど申し上げたように地域的、季節的の生産がある関係上、それに対して一律の規準配給をしなければならないために、倉庫を全国的に持つておるわけであります。旧統制機関当時から実際配給をする上において、こういう倉庫を設けておかなければ適正な配給ができないのだということをそのまま継承し、実際その必要を感じまして倉庫を設けております。御承知のように乳製品配給については相当技術を要するために、これをどこでもだれにでもやらしてよいということは非常に危険を伴うので、従来相当経験のあつた者を公団の倉庫の責任者と決めまして、その者にやらしておるわけであります。つきましてはそういう特定の者に対して仕事をやらすということは、とかく保管料なり輸送費その他の点において、多少問題が起きるということもあることでありますから、われわれといたしましてはでき得る限り慎重に、向うから提示されました見積りによりまして検討いたしまして、適正な価格と認めた場合に、それによつて向うと契約を結んで実行に移す、こういう方法をとつております。
  39. 志田義信

    志田委員 しようゆカン詰の点はいかがですか。
  40. 林敏通

    ○林説明員 カン詰についてのお話がありましたのですが、カン詰につきましては下請ということはちよつと考えられませんので、お答えできないと思いますが、しいて下請ということになりますと、カン詰販売あるいは検査をする場合の打検、荷づくりというようなものになると思うのでありますが、これも下請とは申し上げにくいと思つております。
  41. 石川浩

    石川(浩)説明員 しようゆの点に関しましてお答えいたします。しようゆの容器につきましては、統制以前に容器付をいたしておりましたときから、容器につきましては容器会社というのが特別にざいまして、その当時ありました軍の糧秣廠に納めておるような関係がございましたが、それが統制会社ができまして、一部その機関が統制会社に吸収されたわけであります。その後容器の原料と申しますか、いわゆるたるの素材事情が悪くなつ関係上、容器がなければしようゆの出荷ができないという事情になりましたので、非常に重要視されまして、特に大都市、東京、大阪におきましては容器を重要視されまして、ただいま下請機関的なものは東京と大阪にございます。それでこの容器の下請機関的なものは、小売の店頭から容器を回収いたしまして、それをメーカーのもより駅まで送る操作を下請としてやつております。  輸送、保管につきましては大体マル通が下請しておりますが、東京の一部と名古屋と京都、それから大阪の一部と小豆島の方から船で参りましたもの、この分につきましては下請の会社ができましてそれぞれ輸送、保管をやつております。やはりマル公より少し安い価格で契約しております。これは一時マル公でも苦しい時代がありましたが、最近少し甘いような状況なつておりますので、今後は調査庁の御意見もありますし、締めてやつて行きたいと思います。
  42. 志田義信

    志田委員 配給公団の役職員は報酬を受けることになつておりまするが、その報酬のほかに特別報酬を受けることもできると思うのでありますが、現在役職員は特別の報酬を受けておる事実があるかどうか伺いたい。
  43. 佐藤晴雄

    佐藤説明員 その点は公団の役職員はすべて公務員でございまして、公務員法によつて律せられておる。私どもの知る範囲におきましては、他に報酬を受けておる者はないと確信いたしております。
  44. 志田義信

    志田委員 先ほど経済調査庁から支拂い保険料につきまして話がありまして、創意くふうの面が不足しておるという御指摘がありましたが、その点についてはいかがですか。
  45. 佐藤晴雄

    佐藤説明員 実はその問題は各現局の扱いになつておりますので、特殊の例で申し上げたいと思いますが、どの局……。     〔「砂糖だよ」と呼ぶ者あり〕
  46. 菊地俊吾

    ○菊地説明員 支拂い保険料の問題がいろいろありましたが、年間八千六百万円の保険料、そのうち保険金として九百万円とつているという話ですが、実は砂糖輸送に関しましては、船の面と鉄道の面と両方あります。鉄道につきましては、もし損害が起きました場合でも、貸車ですから非常に数量が少いので、それについては砂糖輸送保険をやつておりません。いわゆる自家保険というようなことでやつております。それも前の会計検査院の話のときに、なぜ保険をかけぬか、もしもあつたときに困るじやないかというお話もありましたが、貨車の場合にはたいがい百トンくらいのものですから五十万円程度のものであり、全部かけることになれば非常な保険金がいるから、今までの経験上貨車の面は支障なしというのでかけておりません。船の面は少くとも三百トン、五百トン、千トンということになりますから、船につきましては一ぱいの船が沈没したという場合には、保険をかけないでおいて砂糖局だけにおいてその負担をするということは、とうていでき得ないのであります。そういう面から船の方は保険をかけております。先ほど調査庁の話のように、八千六百万円と九百万円だからどういうことになりますが、現実にわれわれが毎日仕事をいたします場合においては、いつ何時どこでひつくり返るかわかりませんので、やはり船だけにはかけなければいかぬというようなつもりでかけております。
  47. 志田義信

    志田委員 前段に質問申し上げましたことに関連してでありますが、下期の決算締切りも今年はやはり一、二月遅れたという話がありましたが、この遅れた理由は、公団の帳簿その他の整理がはかどらなかつたために遅れたのでありますか。それとも他に原因があつて遅れたのでありますか。
  48. 佐藤晴雄

    佐藤説明員 その点につきましては、実は御承知のように昨年十二月にさかのぼりまして、職員の給與が変更になつたわけであります。これがいろいろ政府、ことに大蔵省との折衝が非常に長引きましたために、最後の決定が非常に遅れたわけでございまして、やつと本年の五月になつてからきまつたというふうなことで、さかのぼつて精算しなければならないというような関係で遅れたわけであります。
  49. 田中不破三

    ○田中(不)委員 私は今までのお話でまだ十分に理解してない点だけをお尋ねしたいと思います。まず第一は今お取扱いなつておる各品目につきまして、ことにみそしようゆうの関係をおもに知りたいのでありますが、戦前の国民の消費量と現在の消費量、これがおわかりになつておれば承りたい。あるいは戦前だけではいかぬかもしれませんが、現在の有効需要を幾らと見たらいいかという点を考えなければならぬかと思いますが、その点をまずお伺いしたい。
  50. 佐藤晴雄

    佐藤説明員 私の方では数字がないのですが、むしろ役所の方へお尋ねくださつた方が……。
  51. 永井英修

    永井(英)委員長代理 過去の実績だけはおわかりになるでしよう。
  52. 佐藤晴雄

    佐藤説明員 わかつております。
  53. 永井英修

    永井(英)委員長代理 それだけひとつ……。
  54. 岩間造酒之助

    ○岩間説明員 ただいまお尋ねのみその方の事情についてちよつと申し上げたいと思います。戦前はみそにつきましては、一人当り大体年間三貫五百匁程度消費をいたしておつたようでございます。中間期には終戦直後の当時は生産が減つたために、従つて供給も減りまして、そのころは一貫八百匁程度の供給になつたようでございます。その後諸原料の放出が逐次多くなつて参りまして、現在では大体二貫二百匁程度に復帰しておりますけれども、まだ三貫五百匁にはよほど遠いのであります。全国的な生産の総量につきましては、戦前においては大体一億五千万貫程度の生産があつたように記録されております。先ほど申しました終戦直後の最も最悪の状態において六千万貫、現在では大体一億一千万貫程度の生産が確保されておるように思われるのであります。
  55. 石川浩

    石川(浩)説明員 しようゆうに関してお答えいたします。しようゆは戦前年間約五百万石を生産いたしておりました。しようゆは品質を申し上げないとちよつと説明がつかないと思うのでございますが、大体窒素一・一から一の程度で五百万石程度が生産されておりました。ただいまは〇・七で、三百七十万石でございます。来年の一月から窒素一にかわります。ただいまは甲地区、乙地区、丙地区となつておりまして、甲地区が三合、乙地区が四合、丙地区が五合というように消費規正をされておりますが、この消費規正は来年の一月以降もかわらないと思います。戦前はこれの約二割五分増し程度のものが消費されておつたと考えられます。
  56. 田中不破三

    ○田中(不)委員 ただいまの御説明で戦前には約一億五千万貫、現在一億一千万貫、それで約七割の生産が確保されているということになるのですが、一人当りを見ますと七割になつていないで、むしろ六割ちよつとになつておりますが、これは人口増加の関係でございますか。
  57. 岩間造酒之助

    ○岩間説明員 外地から帰つて参りましたものたちの影響があると思われます。そういう関係で人口がふえておりますので、総人口と生産量との関係はかわつて来ておるかもしれません。
  58. 田中不破三

    ○田中(不)委員 次に乳製品関係でございますが、これは志田委員からも、昨日でしたかお尋ねがあり、またその中にお話もあつたのでございますが、戦前と現在、それから外国の消費量と比べましての割合というふうなものの数字がありましたら、お知らせを願いたいと思います。
  59. 尾崎小作

    尾崎説明員 戦前の乳製品の生産につきましては、大体百六十八万箱が最高でございました。それから戦後になりまして一時がた落ちになりまして、昭和二十一年でございますか、それからずつと減りまして、その約半数八十八万箱というふうに減産されました。それから順次状況がよくなりまして、外国から飼料の輸入とか乳価の値上りとか、いろいろな條件が重なり合つて昭和二十四年度におきましては約二百万箱を生産される見込みになつております。一方外国からの輸入その他の関係につきましては、農林省の方から御説明を願いませんと、私の方としてははつきりお答えができないのでございます。
  60. 田中不破三

    ○田中(不)委員 それは後日またお伺いすることといたしまして、今の公団の中でそれぞれ局がわかれておりまして、各品目を扱つておられるようでありますが、みそしようゆ、その他各品目につきましての人件費と物件費の配分といいますか、それぞれ一本経費で一応はとつてそれが分割されておると思いますが、各品目についての人件費、物件費の内容をお持ち合せでございましたら、お知らせ願いたい。
  61. 佐藤晴雄

    佐藤説明員 調べましてあとで申しあげます。
  62. 田中不破三

    ○田中(不)委員 大体買取られる価格消費者価格を見ればわかるのでございますが、みそでも、しようゆでもよろしゆうございますが、単位当りの中間経費というものがどれくらいに上つておりますか。
  63. 佐藤晴雄

    佐藤説明員 公定価格の構成につきまして申し上げます。みそは、生産者販売価格、つまり公団の買取り価格ですが、十貫目八百六十五円、これに対しまして公団販売価格が九百四十九円、みそ小売が十貫目一千十四円、その差額がそれぞれのマージンになるわけです。公団マージンが十貫目について八十四円、小売マージンが十貫目当り六十五円。その次にしようゆ価格でございますが、これは製造業者販売価格が、一斗につきまして三百三十六円三十銭……。
  64. 志田義信

    志田委員 議事進行について——今御説明をいろいろ聞きましたが、これはたいへんけつこうなことですが、食料品配給公団の資料の中に、マージンその他全部記載されているようですから、これを一部ずつ委員に配付していただけませんか。そうすれば一目瞭然でよいと思います。
  65. 佐藤晴雄

    佐藤説明員 それではもどりまして、調べてお届けいたします。
  66. 志田義信

    志田委員 二十四年九月というのは、この数字は新しい数字でありますか。
  67. 佐藤晴雄

    佐藤説明員 その当時の最新の数字をあげているわけです。
  68. 志田義信

    志田委員 これ以後の数字のあがつているのがありますか。
  69. 佐藤晴雄

    佐藤説明員 ただいまのところ、まだこれ以上のものはまとまつておりません。
  70. 田中不破三

    ○田中(不)委員 この次質問いたそうと思いましたが、資料があるようでございますから、それを拝見したあとで、また後日質問をさせていただきたいと思います。
  71. 多田勇

    ○多田委員 二、三お尋ねしたいと思います。最初にカン詰統制が廃止になりまして、罐詰局相当手持ストックを持たれておつたようですが、この処分はどの程度にできておるか。あるいは損害ができずにできているか。損害ができるとすれば、どの程度損害を見込まれているか。その点についてひとつ……。
  72. 佐藤晴雄

    佐藤説明員 ごく概略のことを私から申し上げまして、もし詳細のことが必要でございましたら、林局長からお話願いたいと思います。  カン詰の問題については、本年五月三十一日をもつて食料品配給公団取扱いから取除かれたのでございます。当時七月末のたなおろしの調査によりますと、大体国産カン詰が五十七万四千箱、輸入力ン詰が六十万六千ポンドになつておりますが、九月末現在では、残数として国産カン詰が約二十九万箱残つていることに相なつております。従つてこの間に国産カン詰約三十万箱が処分されたわけでございますが、なお約二十七、八万箱のカン詰が残存しておる状態でございます。右残品の処分にあたりましては、カン詰需給調整規則廃止によりまして、カン詰が自由競争時代に入つたわけで、その結果新しい製品が市場に非常に活発に出て参りました。多少公定価格を下まわるという状況も生じて参りました。その上に新しい製品が出て参りますので、公団手持品を処分するにつきましては、だんだん困難を加えておる状況でございます。これについては監督官庁である農林省あるいは経済安定本部とも、常に密接なる連絡をとりまして、何とか損害を生じないように処分しようということで、いろいろくふうをしております。しかし御承知のように先般物品税の撤廃があつたのでありますが、この撤廃があると予想いたしましてか、やはり相当市場価格が落ちて来ているのでございます。マル公をもつて全貯蔵品を処分することがはなはだしく困難であることが、見通しとして相当確実に相なつておるのでございます。  一方公団といたしましては、多量のストックを持つておりますことは、保管料はもとより、これに要する資金の金利等によつて相当の費用を要しますので、できるだけ早くこれを処分しなければならない立場にあるわけでございます。何にいたしましても、ただいまの時期にカン詰としては最も売れ行きの悪い時期でございます。カン詰の売れ行きが多少上まわりますのは、四月以降というようなこともございまして、目下のところ売りさばきに非常な困難を来していることを、率直に申し上げたいと存ずるのであります。その対策につきましては、実は毎月の所要経費等も解消いたしまして、多少の値引きをいたしましても、やはりある時期にはこれを処分することが必要であるというふうに考えまして、過般これに対する対策も立てたのであります。値引きをいたします場合には、やはり相当損害も見込まなければならない事情もありまして、公団の経理に及ぼす影響等から、大蔵省方面において、値引きに対して難色があるということでございまして、せつかく計画いたしましたのが、ただいままだ実行に移らずに研究中という状態であります。どうも罐詰局において検討いたしておりますただいまの状況から申し上げますと、カン詰としてやはり今後相当の金額の赤字を出す憂いがあるというように感じておるわけでございます。何とかこれを赤字を出さないように、また出しましても最小限度にとどめようということで、ただいまいろいろ検討いたしておる次第でございます。
  73. 多田勇

    ○多田委員 カン詰の点はよくわかりましたが、現在公団手持しております物資で、かりに食料品配給公団が廃止になりましたあかつきに、これらの処分についてカン詰同様の心配のある品物があるかどうか。先ほどお話のありました乳製品については、非常に価格が高いということと、相当出まわつておるような関係で、実際に配給しても引取りを拒否するものが相当あるというような話も聞いておりますが、現在公団手持をされておる物資で、実際にこれらの物資を処分する上にカン詰と同じような憂いのあるものがあるかどうか。その点について見通しをお伺いいたしたいと思います。
  74. 佐藤晴雄

    佐藤説明員 全般的に私から御説明申し上げます。公団物資のうちみそしようゆアミノ酸につきましては、ただいま買取りの方法は毎月配給量を見込みまして、買上げをいたしておりますので、その関係ではストックの問題は全然起らないのでございます。従いまして問題は砂糖乳製品ということでございまするが、砂糖につきましては需要関係から申しまして、かりにストックが生じましても、この処分に対して何らの懸念はないと存ずるのであります。乳製品につきましては、先ほど来いろいろ御説明がありましたように、生産量とそれからただいまの配給面から見まする供給量と対比いたしますると、ただいまのところどうしても供給の方が少し過剰であるという状況を呈しておるわけでございまして、その在庫量につきましては実は二十三年度末におきましては、約四十三万箱のストックを持越したのでございます。その後この配給につきまして、特に農林省におかれましてもいろいろ御考慮を願いまして、逐次これを売りさばきまして、最低は約二十六万箱くらいに貯蔵品が減つたのであります。ただいまの一箇月の配給量は最高のときには二十一万箱くらいが出ておりまするし、また実は十一月におきましては、先ほど御説明がありましたように、この売掛金の済度を非常に縮めたというような関係で、少し売れ行きが鈍つておりまするが、約十万箱をさばいておるという状況でございます。これは少し一般状況にくらべますると下まわり過ぎているというふうに考えますが、いずれにいたしましてもやはり相当量の生産過剰の状態にあるということでございまして、今後やはりストックがふえる心配があるわけでございます。従いましてこれにつきましては、農林省の方へもお願いいたしまして、何とかこのストックが多くなりませんように、ただいま処置をお願いしておるわけでございます。この点につきまして将来残品の処分という問題につきましての懸念が、最近起つてつておるような事情でございます。
  75. 多田勇

    ○多田委員 食料品配給公団一般の他の公団と類を異にしまして、各種の商品を総合して扱つておる公団でありまして、しかも公団の運営の面では、各商品ごとにそれぞれ独立した形において、運営されておるという状態でございますが、実際今日まで運営した経験上からしまして、各種の商品を組合的に扱う公団組織がいいかどうか。商品別に単独の公団組織がいいかどうか。公団の構成について御見解をお伺いできれば仕合せだと思います。
  76. 佐藤晴雄

    佐藤説明員 それではその点につきまして、これは私の個人的意見になるかもしれませんが、大体私ども公団におりましてだれも感じておる意見だと存じますが、その点につきまして意見を申し上げたいと存じます。  実は先ほど来御説明を申し上げまするように、食料品配給公団はその成立ちの当時におきまして、それぞれの品目について特殊の事情がありますので、これをおのおの独立した公団にすることが適当であるという説が、かなり強かつたようでございます。しかし最後の結論といたしまして、これを統合いたしまして六品目を総合的に扱つて参つたのでございまするが、むろんおのおのの品目一つにまとめてやるということにつきましては、いろいろ便利の点がないわけではないと存じます。たとえば経理の面におきましても、あるいは人事の面におきましても、公務員といたしまして一つの基準によつてこれを扱うのでありますから、一つ一つ公団であるならば、それぞれ今度は政府機関との間でいろいろの問題があるわけでありますが、それを一応統一的に総合いたしまして調整をはかつておるというような点につきましては、ある利点があるということはいなみがたい事実であると思います。しかし何と申しましても、各品目非常にその性質を異にいたしまして、またその取引の組織等も非常に違つておるのでございます。のみならず従来の沿革から来まする商習慣というものも、それぞれ違つておるわけでございますが、大体食料品配給業務というものはいわば一種の企業でありますので、できるだけこの企業の自由性というものを尊重しなければならないと存ずるのであります。違つたものを六品目集めまして、同じ型に当てはめて経営して行くという立場で、一面から申しますと、これをまとめて統制して行くということが、非常に困難な事情にあるわけでございます。また反面各原局の方から見ますると、無益な統制をするという場合も多々あると存ずるのであります。この両者を比較検討いたしまして、結局これはおのおの独立の形でやつた方が、むしろよかつたのではないかという感じが強いのであります。ことにこれが永久的な問題でありまして、将来とも一つにまとめて行くという目標のもとにやるならば、いろいろ改革もいたしまするし、また将来の計画も立ち得るのでありますが、何と申しましても公団はきわめて暫定的な制度であります。従いましてそういう根本的な改革ということはまずもつて考えられないのであります。そういう状態におきましてはなおさらのこと、これはそれぞれの品目について独立した機構を持つことが最も適当であるように、私どもは率直に感ずる次第でございます。この点につきまして、実は食料品配給公団の廃止問題があるのでございますが、砂糖につきましては今後やはり公団統制を存続する必要があるという見方も、相当強いように拝承しておるのでありまして、食料品公団が解散せられまして砂糖だけが残る場合におきましては、これを他の公団と合併いたしまして運営して行くというような意見もあるのでございます。しかしこの点につきましては私ども率直に申し上げまするならば、まつたくこれは意味のないことでありまして、もし公団として残すならば、やはりこれは独立した砂糖公団として残されることが適当ではないかというふうに、確信いたしておる次第でございます。簡単でありますがお答えいたします。     〔永井(英)委員長代理退席、委員長着席〕
  77. 多田勇

    ○多田委員 いま一つ、ただいまお話がありましたように、政府の方針として食料品配給公団を廃止しようというような考えがあるようでございますが、この公団の廃止に対して公団側としての見解をお伺いしたい。
  78. 佐藤晴雄

    佐藤説明員 せつかくお尋ねがございましたので、これも率直に申し上げたいと存じますので、お聞きを願いたいと存じます。  食料品配給公団取扱い品目につきましては、先ほど来いろいろ御説明もございましたように、みそしようゆアミノ酸、それから乳製品、これらの品目につきましては、二十三年度におきましてまことに飛躍的な生産増強が行われたのであります。同時に公団設立せられまして、配給面におきましてもとにかく非常に円滑に参つたと申し上げることができるだろうと思うのでございます。それに加えまして原料面におきまする問題も、各方面の御盡力によりまして二十三年度は戦後におきまして最も円滑に供給を受け得たのでございます。かたがた現在の状況から申しますと、一応数字的に見まして需給のバランスがまずまずとれたのではないかというような見方ができると思うのであります。その上にみそしようゆ等につきましては、実は輸入原料関係原料が一時に非常に多量に割当てられまして、各生産業者の手元に潤沢に原料がまわつたのでございます。その関係で生産能力はもとより非常に大きいのでございますが、現在の状況を見ますると、毎月の配給量に対しまして手持が非常に大きくなつたということがはつきりと出ておるのでございます。そういう状況におきまして、まず需給の関係は今後心配ない。もう国民がみそしようゆの面で不自由することはないだろうというふうに、一応考えられるのでございます。  乳製品につきましても先ほどお話がございましたように、二十三年度の生産量というものは、わが国におきましてはむしろ前古未曽有の記録を出すというような生産増強が行われたのであります。従いまして先ほど来申し上げましたように、今のところはむしろ貯蔵がだんだんふえるというような心配さえあるという状況でございますので、これまた需給関係からもう心配がない、こういうふうになつて参つております。この状態ならもはや統制する必要はないではないかという議論が、非常に強く相なつておるのでございます。私どもといたしましても、まず需給のバランスがとれたということにつきましては、配給の責めに任じておるものといたしまして、まことに慶賀にたえなく存じておるわけでございます。  ただみそしようゆについて申し上げますと、これは御承知のように国民の基礎的食料品でございまして、わが国の食糧政策上特にべーシック・レーシヨンといたしまして、主食とともに重要視せられておるものでございます。しかもこれらをつくります原料に、その八〇%まで輸入に仰がなければならないという関係なつておりまして、主食とともに、みそしようゆ及び油脂、砂糖、この五品目によりまして国民に大体千二百四十カロリーを確保するということが、わが国食糧政策の基本をなしているように記憶いたしているのであります。外国からの輸入計画等も、これを基礎にその計画が立てられるというような次第でございます。従いましてこれらの品目の扱いにつきましては、特に慎重な考慮を要すると存ずるのであります。さような意味合いにおきまして、今後の統制問題につきましては願わくは十分なる御検討を願いまして、将来に対する十分なる見通しを持たれた上で決定していただきたいということが、われわれの第一の念願でございます。と申しますのは、もつぱら輸入関係の問題でございまして、最近いわゆるローガン方式等のことが、輸入の上にも非常な影響があるということを伺つているのであります。その意味から将来もはやみそしようゆ原料についての心配はないというような話も伺うのでありますが、さて現実にただいまの実情を見ますと、はたしてその懸念がないのであろうかという、また一面不安もいまだ除かれないような傾向もあるやに拝承するのであります。それらの点を特に御考慮願いたいと存ずるのであります。  乳製品につきましても、現在の配給対象をもつていたしますれば、すでに生産過剰ということでございますが、しかしただいまの配給対象はいわゆる乳製品を必要とする全般の問題から見ますと、ごく一部の者にしかまだ配給をしていないという実情でございまして、国民全体を対象としての必要を勘案いたしますれば、まだはたしてこれをもつて需給上満足すべきかどうかという点に、問題があるのではないかというふうに感じているのでございます。これらの点につきましても、農林省の御当局も慎重に御研究になつておられるようでございますので、それらの見通しをつけられました上で、ひとつよくお考えを願いたいと存ずるのであります。  そこで、今後統制を必要とするという見地に立ちまして、われわれ公団を経営いたして参つている者の立場から見ますと、統制を維持しながら公団を撤廃した場合に、一体どういう転換策があるだろうかということでございますが、ただいま主として考えられておりますことは、みそしようゆにつきましてはフリー・クーポン制を採用しようということが、最も有力にとなえられているようでございます。むろんフリー・クーポン制によりましても、ある程度の消費規正は可能であろうかとも存ぜられるのでありますが、しかしこれをもつて公平なる統制を維持して行くということは、いささか不安があるのではないかというふうに私どもは考えているものでございます。かりにフリー・クーポン制を採用いたしましても、やはりその運行には何らかの機構をもつてこれを確保しておくことが、必要ではないかというような考え方をいたしているものでございます。その意味におきまして、たとい従来の公団機能はこれを停止いたしましても、従来の公団制度と、これにフリー・クーポン制を加味したような形におきまして、一応今までの統制から自由に移ります段階におきまして、何らかの機構を考える必要はないかということを実は考えているのでございます。と申しますのは、ただいまは全国にわたりまして公団が一本のもとに需給の調節をはかつて、すなわち生産と消費とを結びつけておるわけでございますが、この統制を一時に撤廃いたします場合におきましては、生産者販売業者との間で、少くも自由にその取引を行わなければならないのでありまして、自由経済の立場からこれを見ますならば、これはきわめて望ましいことでありまして、これによつて初めて自然の調節ができるというように考えられるのであります。しかし今までとにかく戦争中から相当長い間統制を継続して参りましたのが、一時に自由にかわるということはあまりに急激なる変化でありまして、その間に何らか過渡的な処置をする方が、むしろ国民全体の経済から見まして、少くも親切ではないかというようなことが考えられるのであります。ただいまの状態で、もし一度に統制を撤廃するということに相なりますと、実は先ほど御説明申し上げましたように、生産者は非常にたくさんの原料を抱き、すでに製品も相当多量に抱いておるのでありまして、一時に自由になる場合は、生産者の間に無用の競争が起るのではないか。その結果全国にわたりまして非常に多数の生産者があるのでございますが、ある生産者、おそらく三分の一かあるいは半分くらいの生産者はこの競争に耐えられなくなつて、まつたく業務を停止しなければならぬというような結果になるのではないかという心配があるのであります。むろん弱小の、ある水準以下の生産者が自由競争において破れて行くということは、やむを得ない次第でありますし、また国民経済の合理化という面から見まして、かえつて望ましいことであるというような考え方もあろうかとも存じます。しかし今まで長い統制を続けて参りまして、一時に自由になる過渡的の混乱に巻き込まれまして、そのために正常な状態であるならば経営が続けて行ける生産者までも、まきぞえを食わなければならぬというような結果につきましては、やはり何とか考えなければならぬのではないかというように考えられるのであります。また販売業者の立場あるいは消費者の立場から考えましても、戦前の経済状態における自由取引というものが、今後さらに再現するであろうということにつきましては、相当にこれは疑問があるのではないかというように考えられます。従いまして今後自由に移ります場合には、これに対して何らかの準備が必要ではないか。たとい中小業者の経済資金というような面につきましても、特に考える必要はないかと存ずるのであります。かような見地から過渡期におきまして、その移りかわりの段階を特に何らかお考え願いたいというような考え方があるのでございます。そのほか公団方式につきましていろいろな御批判があるのでございますが、少くも私ども過去一箇年有余の経験に徴しまして、いろいろの観点から考えますと、やはり公団方式はある時期の制度といたしましては、相当な効果を果して来たということは申し上げ得ると存ずるのであります。なおまた今後の経営におきましては、公団方式というもの自体は別にきまつた方式はないわけでありまして、いかようにも改革の余地がある。従つてあまり急激な変化をいたしますよりも、せつかくできました制度を新しい時代に適応するように改革いたしまして、お役に立つようなことができれば、これに越したことはないというふうに考えている次第でございます。あまり長くなりますので、きわめて概略なことだけを申し上げた次第であります。
  79. 浦口鉄男

    ○浦口委員 簡単に一つ申し上げます。しようゆについてでありますが、昨年以来家庭用配給しようゆがたいへんふえたことは、われわれ喜んでいるわけでありますが、以前の非常にきゆうくつな時代から相当流れていたことをわれわれは承知しているのであります。それを防止するために副食券法案なども出たのでございますが、事実はその法がさつぱり役に立たず、きようあす廃止されそうな運命にあるわけでありますが、その点についてそういう方面に流れたしようゆがどういう系統で流れて、どのくらい流れたか。またそれに対して統制の立場に立つておいでになつ公団の方が、どういうふうにお考えになつたか。その点お伺いしたいと思います。
  80. 石川浩

    石川(浩)説明員 業務用としまして、県庁に料飲用のものが若干ございます。それは特別購入券によつて買入れといいますか、そういうものの裏づけによつて配給されているのでありまして、それは量がごくわずかなものであります。それ以外に料理飲食店には多量にしようゆがいるわけでありますが、実は私どもそれがどこから来るかということについては、的確な把握をしておらないわけであります。  副食券の問題については、家庭から差引きまして府県の方へお願いしてあるわけでありまして、それについては府県の方での統制でありますので、私の方ではわかりません。
  81. 浦口鉄男

    ○浦口委員 それ以上お尋ねしないことにしておきましよう。  カン詰のことを一つお尋ねするのですが、今滞貨になつておりますカン詰は大体輸出向けに限られたものではないかと私は考えるわけでありますが、それがなぜそういう滞貨になつたかという原因——それが値段の点にあるか、品質の点にあるか、その点を伺います。
  82. 林敏通

    ○林説明員 ただいまの御質問に関してのお答えは、品質が悪いということでなくて、むしろ価格が高いということが申し上げられると思います。
  83. 浦口鉄男

    ○浦口委員 先ほどのお話では、この滞貨をさばくためには相当値下げをして、国内でこれを売りさばこうというようなお話もあつたのでございますが、そういう意味合いで国外にこれを輸出するという見通しは、今のところでは全然わかりませんか。
  84. 林敏通

    ○林説明員 今公団で持つております滞貨の中で、輸出に向きますものは大部分みかんであります。みかんもレートの関係その他からちよつと売れ行きが困難でありますので、公団の持つておるものを輸出に向けることはちよつとできかねると思います。
  85. 浦口鉄男

    ○浦口委員 それから貿易庁から聞くところによりますと、しようゆがハワイなどの在外邦人のために、かなり輸出に向いているということも聞いているのであります。もちろんこれには特殊な加工もしているようでありますが、しようゆの増産の傾向を考えまして、何かそういう輸出面に、在外邦人以外にそういう嗜好品として伸びて行くような可能性があるかどうか。何かそういう点についてお考えがあればひとつ伺いたいと思います。
  86. 石川浩

    石川(浩)説明員 しようゆの輸出につきましては、ただいま公団はタッチしておらないのであります。ただ側面的にその数字を承知しておるだけでございまして、輸出しておりますしようゆは大体一・四くらいが窒素分でございます。相当アメリカ人も日本に来ておりますし、日本に入りましてからも、ある程度の利用の増加ということも考えられのではないかと存じます。
  87. 田中不破三

    ○田中(不)委員 議事が急がれておりますので、簡単に一点お尋ねしたいと思います。佐藤さんからただいま公団廃止についての非常にけつこうなお話を承つたのでありますが、お話にもありました通り、まず輸入の原料ということが大事なんでございますが、来年度におきましては、大豆などについても相当の見込みをしてもいいような事情にあります。また現在みそしようゆにつきましても、戦前の七割を越えるくらいの生産量になつておりますので、たいへんその方向に向つておるということは、お互いにけつこうなことなのでありますが、それにつきまして、かりに公団の廃止をいたすといたしまして、佐藤さんのお話ではフリー・クーポン制をとつたらどんなものだろうかというような御意見を拝聴いたしたのであります。これは一つこういうことも考えられるのじやないかということをお尋ねするのですが、日本全体から見ますると、フリー・クーポン制はみそにしましても、しようゆにしましても、農山村でつくつておりますし、それからまた小都会におきましては、大体どこにみそをつくる所がある、どこにしようゆをつくる所があるということも、軒数もよくわかつておるのであります。そうするとその附近の需要ということも大体わかるわけであります。従いまして佐藤さんが御心配になつておられるような地区というのは、おもに大都会なんじやないかという気もするのであります。しようゆにつきましてはヤマサとか、その他全国的に買われておるしようゆもありますけれども、大体がその地方で消費されておるものが多いというふうな点から見ますと、あるいはフリー・クーポン制というものは、大都会を対象としたようなお考えがおもに入つておるのではないか。日本全国から見たならば、これでなくてもいいのではないかという論も立ち得ると思うのでありますが、その点をもう一ぺんお尋ねしておきたい。
  88. 佐藤晴雄

    佐藤説明員 御意見まことにごもつともでございまして、大体このみを、しようゆにつきましては、全国に生産業者が分布いたしておりますので、地方的に見まする場合に、大体において需給の関係は各地方々々である程度バランスをとるというふうにも考えられるわけであります。ただいまの統制状態を見まするに、特にしようゆにつきましては、これは戦前もそういう状態があつたのでございますが、大メーカーが全国的にやはり配給しておる。そうして消費者はこれも主として大都会の現象と思いますが、やはり大メーカーのつくるしようゆに非常に希望があるわけであります。その間の調節をどういうふうにして行くか。一方統制を放して地方の生産競争が相当盛んになつて来ておる。それでここで統制を放して、一体そういう輸出の商品と国内のものとの調整をどうするか。実はこれはただいまでも問題になつておるだろうと思いますが、そういう問題があるわけであります。やはりそれらの点から考えまして、一応何らかそこに段階を設けて、あまりに急激な変化をしないで行くということが賢明ではないかと感ずるわけであります。と申しますのは、むろんただいま日本全体の経済が安定に向いつつあるわけでございますが、この上にもあまり混乱を起さずに、だんだん安定に移行して行くということが非常に望ましいという観点から、特にこういうことを申し上げるのであります。
  89. 小野瀬忠兵衞

    ○小野瀬委員長 この際議事進行に関してお諮りいたします。大体質疑も終了したようでございますので、本日はこの程度で質疑を打切りたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  90. 小野瀬忠兵衞

    ○小野瀬委員長 それでは本日はこれにて散会いたします。     午後四時五十五分散会