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1949-11-30 第6回国会 衆議院 経済安定委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十一月三十日(水曜日)     午後二時五十六分開議  出席委員   委員長 小野瀬忠兵衞君    理事 志田 義信君 理事 多田  勇君    理事 永井 英修君 理事 米原  昶君    理事 金光 義邦君       福井  勇君    細田 榮藏君       勝間田清一君    森山 欽司君       田中不破三君    羽田野次郎君       岡田 春夫君    浦口 鉄男君  委員外主席者         農林事務官   矢野 外生君         農林事務官   竹内 直一君         農 林 技 官 水口 宏三君         通商産業事務官 樋詰 誠明君         通商産業事務官 島津 邦夫君         経済安定事務官 及川 逸平君         経済安定事務官 鵜崎 多一君         経済調査官   柳田桃太郎君         経済調査官   大川梅太郎君         油糧配給公団総         務部長     船橋  彌君         油糧配給公団油         脂部長     小泉 武夫君         油糧配給公団調         査役      本村 一良君         食料品配給公団         理事      佐藤 晴雄君         食料品配給公団         総務局企画課長 佐々木東洋君         食料品配給公団 間瀬宇兵衛君         総務局主計課長         食料品配給公団 副島 隆作君         経理局資金課長         専  門  員 圓地輿四松君         専  門  員 菅田清治郎君 十一月二十九日  委員黒澤富次郎君辞任につき、その補欠として  周東英雄君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  各種公団現況に関する件     —————————————
  2. 小野瀬忠兵衞

    小野瀬委員長 ただいまより各種公団現況に関する件を議題とし、会議を開きます。  それではまず食糧庁食品部長矢野外生君より、政府の立場から公団概況について説明を聴取いたします。
  3. 矢野外生

    矢野説明員 委員長の要求によりまして、食料品配給公団現況について御説明申し上げます。  食料品配給公団は、国民生活必需物資たるみそしようゆ砂糖、乳製品というものを現在一手買収、一手販売の形式で取扱つているのであります。従来はカン詰、味の素というようなものを取扱つておりましたが、これはこの六月から取扱い物資からはずしまして、現在食料品配給公団では、カン詰の清算的な事務取扱つているわけであります。食料品配給公団は、以上の物資生産者から買取りまして、これを卸あるいは小売段階に売り払いまして、従つて小売部門と申しますか、小売末端業務取扱つていない状況でございます。実は詳しい数字を持つておりませんが、経理状況から申しましても、食料品配給公団の昨年度決算におきましては、大体三億、後ほど食料品配給公団の方から御説明があることと思いますが、決算経理状況黒字を出しておりまして、公団経理状態が悪いというお話がありましたが、本年度決算状況黒字を出したという状況なつております。本年度九月の仮決算も、大体において進んでいるのではないかというふうな見通しを持つておりますが、これは後ほど公団の方から御説明があると存じます。ただいま取扱つております物資のうち、みそしようゆというようなものは、ある程度生産が、みそにおきましては戦前の大体七割程度しようゆにおきましてもその程度生産をあげておりまして、相当豊富になつたので、世上統制をはずしてよいのではないかというようなお話もあります。しかし年間数字的な面から行きますると、しばらくは全然統制をはずすというわけには行かないのではないかというふうに考えておりますが、当分公団の存続する限りは、公団統制によりまして、公団がもしなくなるというような場合には、クーポン制によつてこれを消費規正統制をやつて行きたいというふうに考えております。非常に簡単でございまするが、食料品配給公団現況と申しまするか、数字を実は私持つて参つておりませんので、数字的な御説明ができずまことに不十分でありまするが、委員各位の御質問がございますれば、それに応じまして私の知る限り御説明いたしたいと思います。  油糧配給公団は、御承知のように油糧が非常に不足物資でございますので、国内産油糧原料、国外から入つて来る油脂原料というものを一手に買取りまして、それを製油会社に売り払つて、さらに製品を買取りまして配給をいたしているという状況でございます。この経理面は昨年の決算におきましても黒字でございまして、今年度の九月の仮決算においても赤字を出さずにやつて行つておる状況でございます。非常に簡単でございますけれども、以上をもちまして概況の御説明を終りたいと思います。
  4. 小野瀬忠兵衞

    小野瀬委員長 それでは次に中央経済調査庁監査第三課長柳田桃太郎君から、油糧公団に関する監査の結果についてお伺いしたいと思います。柳田君。
  5. 柳田桃太郎

    柳田説明員 十月一日から監査に着手いたしまして、現在中間の過程にありますので、結論的なことはまだ申し上げられませんが、現在までに判明いたしております項目のおもなものにつきまして御報告申し上げます。  同公団特殊性といたしましては、油糧配給の許可が非常に遅れるということであります。これはGHQの関係もありまして、著しくずれが出ているわけでございます。このために同公団に不当の、一般企業で認められない金利保管料の損失を生じております。二十四年度の第一・四半期の配給ずれから生じておりまする金利保管料予算外負担は約一億一千万円、予定に組んでない負担でありますが、一億一千万円ほどの金利保管料負担なつております。さらに脱脂大豆等におきましては、九月末現在約八万七千トンの滞貨が生じて、仕入れ価格で約二十五億の滞貨なつております。これらは主としてみそ原料に引当てられるための滞貨でありまして、他に転用の方途を講じたならば、ただちに処分できるかと思います。自主的活動を制約され、同時にこういつた滞貨を抱かされているということが、公団一つ特殊性でもありますが、そのために経営成績が上がらないという面を見のがすことができません。  次は同公団特殊性といたしましては、定員が七百三十三名でございまして、公団中最小の人員をもつて運営をいたしております。従いまして末端におきます県支部、支所、出張所の活動実態把握ができていない実情にあります。しかも定員が少いために代行商社を特約いたしまして、代行商社をして、輸送保管等事務を代行さしております。そのために直接輸送保管専門業者と契約すれば経費が安く上るべきところを、約二〇%高でこの代行商社に契約しておりますので、これが巷間いろいろな問題となつてよくつたえられております。さらに代行商社関係では、容器回収につきまして、二つの大きな代行商社を持つておりますが、この代行商社に対する容器回収契約単価は一年に約倍額に達しております。不当の利益中間業者に与えているのではないかという疑問もありますので、現在調査続行中であります。  次に先だつての会議で御質問もありましたが、事業費の中から一般経費に一部経費の流用をいたしておりますが、各支部について見ますと、毎月約百万円前後の金が流用されております。これらは定員一人に対する大蔵当局の査定が、旅費が七百七十八円であります。交通費が百三円でございまして、事業会計運営する上においてはきわめて少いように思われますので、これらのことが原因して、事業費の中から一般経費に流用するようなことが起きているのではあるまいか、かようなことについて実態調査続行中であります。各支部について約百万円でございます。  次は利益内部留保の問題でございますが、油糧公団におきましても、債務の確認が不確実であつたと思われます点がありまして、二十三年度後期決算面において六千八百万円の未払い諸掛を計上いたしております。そのうち二千七百万円は誤りであるということを発見せられて、本年度の運賃諸掛の中から落されておりますが、四千百六十五万円というものは依然として未払い諸掛の口座に残存をいたしております。二十三年度後期におきます当公団純益計上額は五千五百万円余でありましたので、これにオーバーする内部留保であつたということが考えられます。  次は売掛金でありますが、公団職員が非常に寡少である。事務相当に複雑いたしておるという関係から、帳簿整理が非常に遅れておりまして、四箇月ないし六箇月の記帳上のずれがありますために、われわれのところにおきまして、売掛金相手確認をいたしました場合に、得意先帳簿公団帳簿との突合せがただちにできない状況であります。従いまして公団においては、目下鋭意これが整理中であるのでありまして、近くこれが完成のあかつきにおきましては、さらに売掛金相手確認をいたしたいと存じております。  以上が油糧公団におきます今日の段階におけるいろいろな監査上のおもなる点でありまして、なお監査続行中でありますので、監査終了後におきましては、詳細なる御報告をいたしたいと存じております。
  6. 小野瀬忠兵衞

    小野瀬委員長 ありがとうございました。  それでは委員各位質疑の前に、油糧配給公団総務部長舟橋彌氏から御説明願います。
  7. 船橋彌

    船橋説明員 それでは油糧公団の概略について御説明申し上げます。  油糧公団設立昭和二十三年二月二十一日であります。その基本金は現在十五億一千万円であります。同公団主務官庁農林省食糧庁でございます。設立目的経済安定本部総務長官のきめました油脂油脂原料油かす、こういつたものの適正な配給に関する業務を行うことを目的にいたしております。現在職員の数は予算定員五百三十四名でございます。五百三十四名ではなかなかこれだけの仕事はやれないので、ほかに定員外も使つておりまして、経済調査庁の方からお話のありましたように、ただいま合計七百三十何名になつております。事業内容は安本のきめました割当の計画、また配給の手続、こういつたものの指示に基きまして適正な配給に関する業務行つておりまして、すべて主務大臣農林大臣の監督に従つております。そしてその事業内容物価庁のきめました価格によつた国内産油脂国内産油糧、それから輸入油糧の一手買取りと一手販売、売渡し行つております。そのほか油糧保管輸送、品質の検査、かようなものを行つております。これに附帯した業務もいろいろございますが、別に農林大臣の認可を受けまして、油糧取扱い業者つまり販売業者でありますとか、あるいは指定収買員、こういつたものの指定に関する業務行つております。  公団事業性格は御承知の通り公共的なものであります。食用、工業用として国民経済上重要な油糧の適正な配給に関する業務を行うものでありますから、公共事業的性格を持つておるものと言うことができると考えます。そして配給統制事業といたしまして油糧需給調整規則の定めるところによりまして、当公団の一手買取り、一手販売制を中心にいたしまして、円滑な油糧配給統制行つております。事業性格といたしましてもちろんこれは独占的の事業であります。いろいろの需給調整また価格調整を実施するために、油糧の一元的買取り販売を行う独占的な事業であります。  それから当公団のこの事業末端までは入つておりませんが、すべて元卸的の性格を持つておるのであります。油脂油かす、これらにはそれぞれ卸売業務指定販売業者がございますし、また食料用油脂についてはさらに小売登録店の扱いとなつております。また油糧収買関係におきましては国産菜種であるとか桐実、あまに油、魚油、これらについではすべて指定収買機関から収買いたします。われわれのやつておることはすべて元卸的の事業と言うことができると思います。  それから現在の運営がどうなつておるかと申しますと、現在わが国の油脂需要は大体年間二十五万トンあれば、大した不足なくまかなえるのではないかと考えております。本年度、二十四年の供給計画は大体十五万トンでございますが、現在の情勢でありますと大体十三万トンで終るのではなかろうかと考えております。ほかの重要物資に比べますと、油糧需給関係はまだまだ均衡を失しておりまして、特にその供給方面を見ますると、七〇%ないし八〇%が外国からの輸入依存で、国産油脂は大体において二〇%の供給力を持つにすぎない状況であります。これが来年度に入りまして急激に好転するとも現在考えられませんし、国産油脂もそう急激にふえるとも考えられませんし、また外国油糧も結局われわれの持つ為替、または日本輸出力に依存するものでありますから、この輸入もそう急激にふえるとも考えられません。それでこの油糧国内増産、またこの輸入の増加による需給事情の好転を、われわれといたしましては期待を持ちながら、公団廃止の方向に漸進的に業務整理縮小を実施しております。また公団事業予算の面におきましては、先ほど調査庁の方から御指摘のありましたように、非常に少い幅を持つたものでありまして、必要不可欠の分はぜひ補正予算によつて解決いたしたいと存じております。業務整理縮小は一度にやることができませんので、無用の混乱を避けながら、民間業界の態勢に応じながら、漸次業界へ移して行きたい。こういう形をとりたいと思うのであります。またわれわれの方の公団は幸いに薪炭特別会計のような赤字の問題は、まずまずないと信ずるような状態でありまするが、目下自発的に業務監査、またさらに九月末は定められた決算年度でありませんが、ここに相当努力を払いまして、九月末仮決算を現在執行しつつあるのでありまして、この成果はおおむね十二月上旬に判明すると思います。以上簡単に公団現況を御説明申し上げました。
  8. 小野瀬忠兵衞

    小野瀬委員長 ありがとうございました。  それではこの際油糧配給公団一般について質疑があればこれを許します。
  9. 多田勇

    多田委員 最初に配給公団の方に二、三お伺いいたしたいのですが、手元に配られました資料の一番最後の結論という欄を拝見いたしますと、油糧公団食料品公団に統合する考え方には反対であるということが、いろいろな事例をあげて説明されておりますけれども、現在政府考えておられるように、油糧公団食料品配給公団砂糖局一緒にして、新しく公団をつくるということに対してどういうお考えであるか。油糧公団側のお考えをお伺いいたします。
  10. 船橋彌

    船橋説明員 実は昨日この委員会出席の連絡がありましたので、本日の会議と申しますか、この席に間に合うような資料がつくれませんので、この前につくりました資料を差上げたものですから、そこに食料品公団との合併というような、いらないことが書いてございますが、その点あしからず御了承を願います。  今の御質問砂糖局油糧公団の合体と申しますことは、御承知通り油糧砂糖とは、私個人の意見といたしましては、商品的に何ら関連性を持たないもの、そういう意味から油糧公団としてはやはり油糧一本でやつて行きたい。しかもこれも先ほど申しましたように、永続的にこの統制を続けるというのではなくて、時期が来ればいつでもはずす。また油糧の方は統制が時間的に非常にはずしやすいというにかかわらず、一方砂糖はなかなか統制がはずしにくいという場合、砂糖に隠れて油糧統制が無用に延びるということが考えられます。また逆の場合もあり得ると思いますから、私どもといたしましては砂糖と油と一緒にすることは好ましくない。かように思います。
  11. 多田勇

    多田委員 ただいまの話で油脂統制砂糖よりも早く解除になるだろうというお見込みのようでございますが、大体年間有効需要が二十五万トンあればよろしいというような先ほどのお話でございましたけれども、現在国内でできますところの大豆あるいは菜種等の集荷が思うように行つていないということと、いま一つは農家に対する製油の還元というような方法もとつておられるようでありますが、大体現在の見通しでは、油糧公団に入る国内油糧数量に比較しまして、油糧公団に入らずに現実には油糧として一般国民が消費しているというその数量は、どの程度見込んでおられるか。またこれらの数量相当程度あるとすれば、有効需要二十五万トンに対しまして、どの程度まで現在行つている見通しであるか。その点についてひとつお伺いいたします。
  12. 小泉武夫

    小泉説明員 私から御返事申し上げます。ただいまの公団収買しておりません油脂の量が、どのくらいかというお言葉でございますが、はなはだつかみにくいことでございまして、明確なことは何とも申し上げられません。しかし私の方で考えておりまする品種につきまして申し上げますならば、統制しておりません国内産牛脂豚脂、それから生じまする牛骨のあぶらもございます。この数量は、あるいは府県で統制のようなことをやつていらつしやる県もあるかと存じますが、これが相当数量なつていると思いますので、あるいは二千トンないし三千トンくらい、あるいはそれ以上あるかとも存じますが、それ以外によくお話に出ますのは魚油でございます。魚油は御承知通り原料から統制をしておりませんもので、漁場でしぼつてこちらが収買いたします。従つて横に流れる数字が非常に多いのではないかというお言葉をよく承りますが、確かに収買以外に魚油があるのではないかということはわかりましたが、数字はちよとつかまえにくい数字であります。その他統制外のもので、大根、白菜の油、椿の油、お茶の油、これらがございますが、これらは数量は比較的少量だと思います。ですから大きなものといたしましては、さきに申し上げました牛脂豚脂牛骨油、それから魚油公団収買し得ないでわきへそれているようなもの、それから今申し上げた小さなもの、そんなものでございますが、全体の数量がどれくらいかということは、どうも私どもはつきりつかみにくうございます。油脂の全体の需給の面から、今の御質問にはつきり当てはまるかどうか存じませんが申し上げますが、元来自由経済の時代から日本の国の油脂需給事情は、国内産がその一五%、海外からの輸入に依存するものが八五%、多少の差はございますが、大体このような少くとも八〇ないし八五%、これで終始して参りましたわけでありますから、公団収買の及ばない、たとえば魚油などがございましても、この一五%のうちのさらに何パーセントかの魚油の、そのうちの幾らかということになりますので、全体の国内需要から見ますと、この数字は非常にパーセンテージが低いものになるということを申し上げておきたいと存じます。
  13. 多田勇

    多田委員 公団収買しない油の数字相当多量に上るだろうというような見通しを、私どもは持つておるわけであります。先般北海道へ参りまして、函館の経済調査庁調査した結果を聞いたのでありますが、相当厖大数字がわくのほかにあつたというようなこと、北海道油脂需給から見まして、相当大きなパーセンテージを占めているというような事実もございましたので、ある程度輸入がふえれば統制を撤廃はしてもいいのじやないかというような考え方を持つておりますが、公団側として大体年間どの程度輸入ができれば、統制を撤廃してもさしつかえないというような御見解をお持ちか、お聞かせ願いたいと思います。
  14. 小泉武夫

    小泉説明員 大体私の考えまするところで、輸入原料及び油脂もありますが、油脂に換算しまして約二十万トンくらいございますれば、あと四万ないし五万の国産油脂努力によつて可能と存じますので、先ほど総務部長の方から二十五万トンくらい必要であるという数字に合います。大体二十万トンくらいの輸入がほしいと思います。
  15. 多田勇

    多田委員 その次は公団経理の問題についてお伺いいたしたいのですが、先ほど食糧庁矢野部長さん、あるいは公団側の御意見で、公団黒字で、たとえばまたこの資料に基きましても、公団が解散する場合には黒字になる見通しがあるというお話でありますが、先ほど経済調査庁お話をお伺いいたしますと、売掛金すら見合わないものが相当ある。あるいはまたその他の経理の面についても、原価計算ができないような勘定科目がとられておる関係上、経理についての信憑性がどうも薄いじやないかというような印象を受けたのでありますが、公団決算をする場合に、先ほどのお話で非常に手不足関係上、思うようにできなかつたというようなお話で、事情はよくわかるのでありますけれども、しかし手不足だから決算についての信憑性が薄いというような印象を与えるということは、公団運営の上からも非常に好ましくないことだろうと思われます。これに対して公団が今日までこのような整理行つて来、あるいは各年度決算を行う上について、はたして黒字になるという自信があるかどうか。これは非常に失礼な言い分ですが、その点についての公団の御見解をお願いします。
  16. 本村一良

    本村説明員 お答え申し上げます。公団決算について信憑性のいかんという問題でございますが、人手が少いために及び短い二箇月くらいの間に決算を完全に終らなければなりません関係上、多少先ほどちよつとお話の出ました未払いの諸掛りというようなものにつきまして、完全にきつちりしたものをつかみ切れないというものが、概算で若干上つて来るというような面もございますが、売掛金等につきましては一応数字的にはかなり厖大数字が上つておりますけれども、これは経理処理上そういうような形になる面が非常に大きいわけであります。具体的にちよつと御説明申し上げますと、たとえば外国から船が入つて参りますと、その荷物に対しましては一応これをただちに工場へ送り込むわけでありますが、その場合に公団は、貿易商から買い取りまして、港の本船からその品物をはしけに積みまして、工場岸壁へ持つて行つて工場岸壁渡し工場へ渡す。そこでそれを厳密な経理処理をいたしますためには、本船が入りまして貿易商から受取ることによつてここに買掛金を立て、それから工場に運ぶまでの一日か二日の間は一応公団の手持となつて、工場岸壁につけましてそこで売掛金を起す。こういうような手はずを整えなければならないわけであります。公団としてこういうものを売ります場合には、一応キャッシュ・オン・デリヴァリーの建前をとつておりますが、輸入品の方は本船の入ります日にちがほとんどつかめませんので、やはり本船が着きますと荷物だけは受取つて工場に渡すという事情がありまして、そこからただちに工場としては金を調達して公団の方へ納めて参りますのに、やはりどうしても一週間くらいはかかる。そういつたようなことがございまして、またわずか一日か二日の間に勘定の起しがえというようなことが、非常に煩瑣なものでありますから、一応本船が入りますと公団買用けと売掛けとを同時に立てまして、実はまだ先方の受け渡し場所まで行かないうちに、形の上で売掛金の形をとるというような便宜措置とつております。そういつたようなことから、一応売掛金数字をある程度ふくらましておるわけであります。ある程度と申しましても、何しろ最近非常に単価が高いものですから、かりに一万トンの大豆を積んだ船が入りますと、それだけで三億円になるというような事情から、数字の上ではかなり大きな金額になるわけであります。そこで先ほどの赤字の問題になりますが、結局赤字の原因として売掛金になるかどうかということの見込みといたしましては、そういうように工場へ入ればただちに金になる。またその品物製品として再び公団が買取るというような非常に短かい期間に回転いたします品物につきましては、売掛金が大部分でございますために、焦げつきのような売掛金は今のところないというふうに考えております。ごく一、二件非常に古いものが残つておりますが、これにつきましてはこの九月の決算で特別の馬力をかけまして、一切の整理を進めております。従いまして売掛金の面から焦げつきなつ赤字になるというようなことは、まずないというふうに私ども考えております。  それから商品のストックが非常に厖大数字なつておりますが、これは先ほど経済調査庁の方からのお話もございましたように、主としてアロケーションのとれないものと、それからもう一つは、価格がきまらないために配当ができないというような場合もございます。特に二次製品、三次製品で、価格がきまらないために原料としての油を引取ることをなかなかがえんじないというような実情、あるいは市中の金融がつかないために、せつかく切符をもらつてもその切符の有効期間ぎりぎりまで持つておるといつたような事情から、相当にストックがふえております。しかし、現状におきまして、同公団の手持品につきましては、有効需要がないということは言えないのではないか。また油は持つておりましても、その品質が特に変化するとか、ほとんど使えなくなるといつたような性質のものではございませんので、かりに公団が解散というようなときになりましても、これらの品物が特に品質の低下その他によつて、価値を失つておるというような事情もありませんし、また現在の油の需給関係から行きまして、これらにつきましては十分に有効需要がついているというふうに考えております。従いまして赤字というものは、現在のところ起らないものと私ども考えております。
  17. 多田勇

    多田委員 説明員の方に強く申し上げるのはどうも恐縮でございますが、公団経理あるいは公団の全面の運営の面にも非常に影響がありますし、今後公団組織を続けるかどうかというような点についても、相当問題になる点があると思うのでありますが、ただいまの経理の問題にいたしましても、私先般各地を歩いて参りましたが——これは別の用で歩いて参つたのでありますが、ちようど経済調査庁から、油糧公団監査を受けるということで、各販売先から相当長い期間の、いついつかにどの程度数量が入つて代金をいつ拂つたというような資料を全部集めておられるというようなことがあつて、どうも油糧公団経理は何をやつておるかわからぬというような意見を聞かされたのであります。たとえば当然請求すべきであるのに、三月も四月も漏れておるものもあつたというような話も聞いております。ただいまの調査庁の話のように、売掛金の未整理について、売り先と帳簿とが合つていないようなものもあるということになりますと、公団の方で政府に出す決算報告は、二箇月というわずかな期間でしなければならないから、いろいろ手落ちがあるという先ほどのお話でございましたが、期間が短いから整理が完全にできないということでは、言い訳にはならないと思うのであります。そこで今まで油糧公団政府に対して決算報告を出された。それに対して政府が許可を與えたということになつておると思うのでありますが、油糧公団経理その他運営の監督について、現業官庁である農林省は今日までどういうような態度で処して来たか。あるいはまた今後油糧公団について、先ほどの矢野部長お話のように、割合いに円滑に運営されておるという考え方だけで進むか、あるいは調査庁の話のように、いろいろな欠陥を是正するために、監督官庁が油糧公団運営について、今後あらためて積極的な監査指導をするというような考えで進まれるか。その点について、農林省の考え方をお伺いいたします。
  18. 矢野外生

    矢野説明員 公団経理に対する農林省の監督いかんという御質問でございましたが、従来から公団経理につきましていろいろのお話もありましたので、農林省といたしましては、食糧全体に対する監査を強化するという意味から監査課をつくりまして、それによつて実は公団経理は、正規には会計検査院でやることになつておりますが、それと別個に監査課を設けて、在庫調査なり、あるいは従来いろいろ言われておる点につきまして、本年も実地に二度ぐらい私の方から監査課長を派遣する案が出まして監査をやつておりますが、今後ともこの監査の仕事は続行いたしまして、世上いろいろと言われておることのないように努めたいと考えております。
  19. 多田勇

    多田委員 農林省としては、矢野部長が言われるような趣旨でやられるのが当然だと思うのです。公団経理ばかりではないと思いますけれども公団経理については会計検査院が検査をして、公団経理が完全に行われたと言い、あるいは監査課をつくられていろいろ監査をされたということでありますけれども、実際会計検査院が検査され、あるいは監査課で二度も参り、監査あるいは指導をされたにもかかわらず、経済調査庁調査した結果はいろいろな欠陥が認められるというようなことであつては、非常に困ると思うのであります。そこでいつ経済調査庁調査されても、そういつた欠陥のないように、今後公団経理並びに運営については監督をしていただきたい。この点を特にお願いいたしたいのであります。  それから公団の方にいま二、三お伺いいたしたいのであります。予算定員が五百三十四名で、実際の人員が七百四十三名であるということでございますが、定員外の人件費その他はどういうような支出でまかなわれておるかという点と、いま一つ代行商社を非常に使つておられるというお話でございます。たとえば保管あるいは容器回収その他いろいろあると思うのでありますが、代行商社をどの程度、どういうような條件で使われておるかという二つの点について、お伺いいたしたいと思います。
  20. 船橋彌

    船橋説明員 ただいまの御質問の二つのうち、前者についてお答えいたします。われわれの方の公団取扱い方は、大体年額五百五十億円になつております。予算定員五百三十四名、一人の扱い高が一億円に達しております。それで大体想像できると思いますが、かなり労働過重な状態なつております。とても五百三十四名ではまかなつて行けない。今までかなり各方面に定員の増加はお願いしたのでありますが、日本側において大体了解を得ましたけれども関係方面と了解を得られなかつたということもありまして、今もつて五百三十四名の定員増加の問題は解決していないのであります。しかし一方公団業務を一日も遅滞に陥らしてはいけない、かような立場からやむなく定員外の人間を使つておりますが、この経費は予算からまかなうことができませんので、やむを得ず事業費の中から流用支出しております。代行商社の点につきましては油脂部長からお答えいたします。
  21. 小泉武夫

    小泉説明員 先ほど経済調査庁の方からの御説明の中にございました代行商社という言葉は、おそらくただいま私どもの方で油精その他を扱わせておりまするそれぞれの商社のことを指してのお言葉と存じますので、その点について同じ御質問と解釈いたしまして御回答申し上げます。私油脂部の方を担当しておりますが、実は原料関係の仕事をしております代行商社がございますのです。この点については詳しく申し上げられませんが、先ほど経済調査庁の方からお話も出ました容器会社というのは、私の方の油脂部の関係ではございませんので、麻袋とかますの取扱いの代行をいたしております。これが東京に一つ日本容器、それから大阪に一つ関西容器がございます。この二つございますのが麻袋その他を扱つております商社でございます。そのほかに東京に第一油糧、それから北に行きまして東北支部の管下にございますのが一社ございます。それからその他各地にありますが、それの使用につきましては、ほかの商社に優先して特にそこにやらしておるというわけでありませんで、ユージング・チャンスで同じような仕事をやらしておりますから、私の方の油脂部の関係から行きますと、油槽船の仕事の請負などをやらしておりますが、これは第一油糧にも扱わせておりますし、また朝鮮油槽船とか昭和油槽船とか、そういつたほかの一般商社にもお願いしております。ほかの代行商社にも大体ユージング・チャンスで、はしけのあいておりますときに、こちらで適宜にお願いして使つております。それに応じて御返事申し上げるといたしまして、一応お答え申し上げました。
  22. 多田勇

    多田委員 取扱い方が年額五百五十億円で、予算定員五百三十四名であるから仕事がやれないということはちよつと……。実際仕事がやり得ないということであれば、実際に必要な定員については増加できると思うのであります。現に他の公団では、最近において、あるいは本年度の予算において、相当程度定員を増加した公団もあるように聞いております。それを予算定員予算定員として、実際の人員は予算定員をはるかに超過して使つておるというようなことは、早急に改めて行くべきではないかと考えております。  それから代行商社の件でございますが、ただいまお話のありました日本容器あるいは関西容器が、麻袋その他の回収行つておるようでございます。これらの代行商社の構成は、公団とどういうような関係があるかどうか。公団の第二会社の性格を持つておるのではないかというようなことが言われております。その点はどうですか。
  23. 船橋彌

    船橋説明員 ただいまのお話の第一問にお答えいたします。私の方の取扱い方は年額五百五十億円、一人当り約一億円、これではとても仕事ができないと申したのではなくて、いかに仕事が忙しいか、大体御想像ができるでありましよう。かように申したのであります。それで予算定員の増加についても、われわれの方としては特段の努力を拂いまして、先ほど申し落しましたが、関係方面と折衝いたしまして、今回百二十名予算定員の増加の内諾を受け、補正予算の中にも含まれております。従いまして定員がそれだけふえて、大体六百五十四名になることになります。
  24. 小泉武夫

    小泉説明員 ただいま第二会社ということの御質問がございましたが、外部から見ましてそのような見方になることは、先ほどお言葉のありました例を引きますと、日本容器というような会社には、前に帝国油糧あるいは油糧配給公団に勤務しておりました人員が相当数入つておりますので、そのようにごらんになることはやむを得ぬことと存じまするが、その資本構成は、日本容器等麻袋業者その他業界の方から大部分出ておりまして、事務を担当しております者に公団の人間が何人か入つておる、こういう実情でございます。ですから、外部から見ましてそう思われますことはやむを得ませんが、内容はそうなつております。どうかその点御了承を願います。
  25. 多田勇

    多田委員 そうしますと、容器回収する契約については、公団とこの二つの会社との間の契約であつて、一般的に公開した契約が行われていないことになりますか。
  26. 小泉武夫

    小泉説明員 私ははなはだ不勉強で申訳ございませんが、実は一番最初にお答え申し上げました通り、私の担当が油の方でございまして、原料関係原料部長の所管になりますので、はつきりした返事が申し上げられないのでございますが、万が一間違いがありますといけませんので、本質問につきましては他日文書なり何なりで、多田先生まで原料部長名で回答するようにお約束いたします。
  27. 多田勇

    多田委員 そうしますと、各支部ごとに全国に七つの会社があるようでございますが、これらの会社に運送あるいは保管業務を扱わしておるように聞いておりますけれども、これらの会社との契約についてはおわかりになつておりませんか。
  28. 小泉武夫

    小泉説明員 主として運送の実務をやらしておりますのは、各支部で適宜必要に応じて運送事務を委任、委託さしております。契約書の内容につきましては、私ははつきりこまかくは覚えておりませんが、大体その都度その都度契約の形でやつております。それからチャージの点は油糧公団で、マージンとして主務官庁並びにGHQの承認を得ておりますマージン構成に、何が幾ら何が幾らというふうにこまかく細分ができておりますから、この細分の範囲で扱わしておる実情でございます。
  29. 多田勇

    多田委員 私のお伺いしたい点は、これらの会社に対して公団が独占的にこれらの業務を扱わせておるのか。公団の方針として競争入札でなく、これら特定の会社にこれらの業務を扱わしておるかどうかということを、お伺いしておるのです。
  30. 小泉武夫

    小泉説明員 その他の商社にも扱わしたことは、先ほど申し上げましたようにしばしばございますが、私が申しました商社に扱わせます機会が非常に多いということは事実であります。それで特定な会社に扱わせますことは、御承知通り油糧そのものが非常に経験と商品的な知識を要する仕事でございますので、その他の商社に扱わせる場合も、特に油糧の経験のありますものを抜いて扱わせますので、勢いその商社には御承知の通り公団、ないし公団の前身の帝国油糧におりましたような人間が非常に多く入つておりまして、油糧取扱いには非常に経験が厚うございますので、事務の扱いも円滑に行くということを考えまして扱わしております。あるいはそのことを特定というふうにお考えになるかもしれませんが、全部そこにやらして、ほかにそれと同じような技術があるのに、商社の方がさらに技術的に劣つても、そこにやらせるという意味の特定ではございませんということを申し上げます。
  31. 多田勇

    多田委員 油が特定な品物であるから、経験もあり設備のある業者に扱わせるという説明は、私どもも十分わかるのでありますが、たとえばドラム・カンを保管するというような場合に、これらの七つの代行商社公団が優先的に扱わせる。しかもこれらの代行商社は、全部自分でそれらのドラム・カンを保管するのでなしに、他の業者に保管をさしておいて、要するにさらに下請をさしておいて、そのさやをそれらの会社がとつておるというようなことを聞いております。ただいまのお話では実際に経験のあり、設備のあるものに扱わせるというお話でございましたが、一つの例が今申し上げましたように、さらに代行商社が下の会社に下請さしておるというようなことを聞いておりますが、そういつた事実があるかどうか。そういつた事実があるとすれば、ただいまお話のこれらの会社だけに扱わせてないというような御意見は、どうも弁解のように聞えますが、その点はどうですか。  それともう一つは、これらの公団代行商社に扱わせる場合に、ただいまのお話では他の会社にも扱わしておるというようなお話がございましたが、年間を通じてこれらの代行商社に扱わしておる量と、その代行商社以外に扱わしておる量とを、あとでけつこうでございますから、書面で出していただけたらけつこうだと思います。
  32. 小泉武夫

    小泉説明員 ちよつと多田先生にお伺い申し上げますが、今ドラム・カンとおつしやいましたが、それはドラム・カンの空カンの修理その他のことでございましようか。
  33. 多田勇

    多田委員 空カンじやなしに容器に入つておる油脂です。
  34. 小泉武夫

    小泉説明員 それはその代行商社よりも、それ以外の一般の、たとえば油脂組合の倉庫があいておりますれば、そこを賃借して保管させまして取扱つておる方が非常に多いのでございます。
  35. 多田勇

    多田委員 公団直接ですか。
  36. 小泉武夫

    小泉説明員 はあ、その方が多いのであります。ドラム・カンの修理は東京では一箇所でやらしております。それで、ドラム・カンの修理工場を自分のところで持つておりませんでしたが、買いまして自分の工場にいたしております。その以前そこは自分の工場でなくて、出資して持つておりました昔の油糧産業のころのことでございますが、それを第一油糧になりましてから買収しまして、全部自分の工場なつておりますから、何かそのようなことがお耳に入つたんじやございませんでしようか。はつきり存じませんが、よく調査いたしまして御回答申し上げますが、容器に入つた油脂保管のことでしたら、それ以外の一般の大きな営業倉庫に預ける数字の方がはるかに多いのでございまして、ほとんど問題になりません。今お話の出ました公団関係の会社に油脂を預けているということは、わずかの数量でほとんどなかつたと思います。
  37. 多田勇

    多田委員 そうしますとこれらの運送保管業務としておる全国七つの会社に油を委託するよりも、公団が直接他の販売業者に委託をしておるということに了承してよろしゆうございますか。
  38. 小泉武夫

    小泉説明員 はあ。
  39. 多田勇

    多田委員 それではいま一つお伺いしますが、公団業務をなるべく円滑に運営することと、民間の機能を十二分に活用していただくために、油糧公団行つておるような民間の商社に業務を代行させることは、非常に適切なことだと思うのでありますが、ただ問題になる点は、これらの業務を委託する場合に、とかくの問題を起すようなおそれのないような方法をとつていただかなければならぬと思いますけれども油糧公団が今日まで代行商社を使つておられた経験からしまして、公団がじかにやるという点と、これらの代行商社になるべく公団業務を委託代行させるという点についての利害得失といいますか、今までの経験からしました御見解をお聞かせいただきたい。
  40. 小泉武夫

    小泉説明員 ただいまの御質問は、運送その他の問題についてのお話でございますが、全般について公団が直接仕事をした場合ですか。
  41. 多田勇

    多田委員 全般について代行会社に扱わした場合との利害得失でございますね。
  42. 小泉武夫

    小泉説明員 それはもし定員が非常にたくさんございまして、それで仕事ができますならば、公団が直接仕事をいたしました方が連絡もすべて緊密に行きますし、やりよいと存じます。ただ油糧公団は、公団設立当初に非常に定員が少くございましたので、どうにも手のまわりかねるような点がございまして、代行商社を使用しておるというのが実情になつております。もし非常に定員がふえますれば、公団が直接やりました方が事務的には連絡がうまく行くのではないかと存じております。
  43. 浦口鉄男

    ○浦口委員 全部の公団について、いろいろとかくのうわさを聞いておりますので、実は油糧公団が今考査委員会もかかつておることは御承知と思うのでありますが、それと重複しない点でお尋ねしたいのであります。先ほど人員が非常に足りないが、予算ではとれないので、余分の人員に対する給料は事業資金でこれをまかなつておる、こういうお話があつたのでありますが、それをもう一度具体的に、どういうふうな経理で、どのくらい年間これを御使用になつたかということを、ちよつとお尋ねしておきたいと思います。
  44. 船橋彌

    船橋説明員 御質問にお答えいたします。定員外の給與は、事情やむを得ず、先ほど申し上げましたように事業資金から流用しておりますが、その点につきましては先般会計検査院の方からも照会がありまして、目下その資料作成中でありまして、それが判明次第お手元にお届けしたいと思います。それで御了承願います。
  45. 浦口鉄男

    ○浦口委員 そういう経理の面のいろいろ不明な点もあつて、中央経済調査庁監査に乗り出されたのだろうと思うのでありますが、昨日の柳田第三課長のお話によりましても、これは各公団共通の弊なのでありますが、当然毎決算期に国庫に納入しなければならない剰余金が、相当多額内部保留になつて、そうしてそれがむりして運転されている。またきのうの柳田課長のお話によれば、相当の金額が各銀行にばらまかれているような状態もある、こういうお話もあつたのでありますが、こういうふうなやりくりでそういう費用をまかなわれていたのかどうかということをお尋ねいたします。
  46. 船橋彌

    船橋説明員 ただいまの御質問は、定員外の給與を出所不明のものからもらつておりはせぬかという御質問でしたが、私らの公団に関する限り、さような事実は絶対にございませんことを確信をもつてお答えいたします。
  47. 浦口鉄男

    ○浦口委員 それではもう一度お尋ねいたしますが、事業資金によつてまかなつていたという具体的な意味をお聞かせ願いたい。
  48. 船橋彌

    船橋説明員 定員外の給與は、やむを得ず正真正銘事業雑費で支出しております。
  49. 浦口鉄男

    ○浦口委員 雑費ということになりますと、わからないわけではないのでありますが、相当の金額になると思うのが雑費という名目で出ておるというのは、ちよつとわれわれふに落ちないのでありますが、大体の金額の見当というものをお知らせ願いたいと思います。
  50. 船橋彌

    船橋説明員 先ほど申しましたように、これは本部だけでなくて、各支部にまたがつた問題でありますので、現在各支部に照会を発しまして、せつかくこの統計を作成中でありますから、判明次第すみやかにお届けいたしたいと思います。御了解願います。
  51. 浦口鉄男

    ○浦口委員 ここは考査委員会ではありませんのでそれ以上お尋ねしませんが、実は考査委員会では二千八百万円というふうないわゆる裏勘定というふうなことでいろいろまかなわれている例が上つておりまして、それにも今証票を出していただくように進めておるのであります。そういうことは別といたしましても、この考査委員会のときのある証人のお言葉によつても、約二百名ぐらいの増員の含みは、当時大蔵省主計局のある事務官——名前もわかつておりますが、その了解を得てやつたというふうなお話があつたのでありますが、そういう形式はともかく、その了解を得てやられた増員が、そういう不明な雑費ということで処理されたということに、私は国民の一人としてたいへんふに落ちないものがあるので、お尋ねをいたしたわけでありまして、これは書類をもつて早急にお出しいただくようにお願いをいたします。
  52. 船橋彌

    船橋説明員 承知いたしました。
  53. 永井英修

    ○永井(英)委員 私は簡単にお尋ねしたいと思いますが、二十三年度において政府から補給金が出ておるかどうかという問題と、それからこれはあとでもよろしゆうございますから、二十三年度の貸借対照表をひとつお知らせ願いたいということ、それから米ぬか油のことでありますが、私どもは米ぬかは大体食用に使われると考えておりますけれども、それがせつけんの原料なつ配給されているというようなことも聞いております。大体米ぬか油は、これは農家が出せば半分は自家用にして、半分公団に出すというようなことになつておるそうでありますが、その政府に納められた半分は、どういうようなものに配給されておるか。その点を承りたいと思います。
  54. 本村一良

    本村説明員 補給金があつたかどうかというお話でございますが、当公団取扱い物資につきましては、二十三年度におきましては補給金は出ておりません。二十三年度は御承知の通り国庫交付金がございましたが、これは補給金とは全然違うわけであります。それから現在は輸入材料につきまして、価格調整の意味での補給金が若干出ております。それから米ぬか油については、小泉部長からお答えいたします。
  55. 小泉武夫

    小泉説明員 米ぬか油の用途別の配給の件につきましては、これは主務官庁である農林省から御説明なつた方が妥当かと思いますが、私が存じておりますから私からお答え申し上げます。  先ほど永井先生から、半分は府県に還元になるというお言葉がありましたが、その通りでありまして、これは安定本部と農林省の方から指令が出ておりまして、毎月収買数量を押えまして、実際に公団収買した米ぬか油の半量は府県の方に還元する措置を講じております。府県の方から用途別にこういうふうに使いたいという申請が農林省に出まして、農林省から安定本部に参りまして、安定本部、農林省で協議の上、許可して府県に下げております。その用途は、ほとんど八割五分ぐらいまでは、各府県がその府県の範囲内のせつけん洗剤業者に割当てるような案で、洗剤用としての申請が非常に多いように聞いております。あと一割ないし一割五分は、府県の食料品工業用の主としてかまぼこ用とか、揚げどうふ用とか、食用に配給をいたしております。それから半分油糧公団収買いたしましたものの用途は、御承知の通り米ぬか油は酸化の非常に多いものでございまして、酸化の多いものは五度以上になりますと、これは食用に配給できません。原則としては、米ぬかは食べられる油でありますから、農林省では食用に配給する建前をとつておりまして、酸化の四十ぐらいまでのものは、食用に精製いたしまして食料用に配給いたしております。それ以上のものは歩どまりが半分以下に減りますので、油脂配給数量確保の面から不合理でございますから、これを工業用配給しております。工業用は機械油にいたしておりますが、一部分解用、せつけん用に米ぬか油をしたこともございます。
  56. 永井英修

    ○永井(英)委員 そうすると府県に半分還元して、ほかの残りの半分はやはりほかの方面へ、たとえば洗剤用等に出しておりますか。
  57. 小泉武夫

    小泉説明員 原則として農林省で、今申し上げたように食料油配給の建前をとつております。公団収買しました半量につきましては、ただ先ほど申し上げましたように酸化の程度の非常に高いものを工業用配給しております。工業用はほとんど機械油関係の方へ出しますが、今申し上げましたように全国のわくのせつけん用、これは府県のせつけん用ではありませんで、全国わくの毎四半期数量がきまるのでありますが、そのうちの一部として出した例がございます。しかしせつけん用は全体のわくから見れば南方のやし油が大部分でございますから、パーセンテージから見ればごくわずかなものでございます。
  58. 永井英修

    ○永井(英)委員  貸借対照表は出していただけますか。
  59. 小泉武夫

    小泉説明員 はい。
  60. 永井英修

    ○永井(英)委員 それではひとつ近いうちにお出し願います。  それともう一つ交付金として出されたものはどういう種類のものでありますか。
  61. 本村一良

    本村説明員 二十三年度におきましては、事業費一般経費とを大きくわけまして、一般経費は国庫交付金によつてまかなう。こういう形になつております。国庫交付金は農林省予算の中に公団交付金という目がございまして、その中に油糧配給公団交付金というのが節になつ公団の方に参つております。公団はその金を一応交付金として受領いたしまして、人件費、事務費、つまり一般経費の方にそれを使うわけでございます。そこで大体交付金額以上の納付金をしておりますので、結局形の上から行きますと、結果的には一時国庫からそれだけのお金を拜借したというような形になつております。
  62. 永井英修

    ○永井(英)委員 そういたしますと、価格調整公団のごときは、昨年度まではほとんど一般経費というようなものは交付金として渡されておつたようですが、本年度からは公団が独立した経済になつておるように記憶しておりますが、油糧公団はどうですか。
  63. 本村一良

    本村説明員 先ほどお断り申し上げましたが、これは二十三年度におきまして交付金がございまして、二十四年度からは例の独立採算の見地から国庫交付金制度を廃しまして、収支のバランスを公団内部でとるように予算を組んでおります。
  64. 志田義信

    ○志田委員 まず食糧庁の食品部長にお伺いいたしたいと思います。来年の油脂の供給の見通しでありますが、二十四年度計画がここに載つておりまして、国内産二五%、輸入が六五%、南氷洋の鯨油が一三%となつておるようであります。このうちで魚体から国内産に適する油脂糧はどのくらいとれるか、ちよつとお知らせ願いたい。
  65. 矢野外生

    矢野説明員 はつきりした数字は実は持つておりませんが、大体一万五千トン程度魚油として出るのではないかと思います。
  66. 志田義信

    ○志田委員 一万五千トンというのは大体有効需要年間二十五万トンということになつて食用十万トン、工業用十五万トンということになつておりますが、その数字に対しては確保できるということでございますか。
  67. 矢野外生

    矢野説明員 そうでございます。
  68. 志田義信

    ○志田委員 戦前におきましてはどの程度なつておりましたか、ちよつとお知らせ願いたい。
  69. 矢野外生

    矢野説明員 お答え申し上げます。昭和十二年から十五年の平均で内地でできますものが大体九万数千トンでございます。
  70. 小野瀬忠兵衞

    小野瀬委員長 志田委員ちよつとお願いいたします。配炭課長さんが先ほど来お見えになつておりますが、まだお答え願つておりません。永井先生からの御請求でございますが、ここで永井先生に御発言を許したいと思います。志田委員は、あとでまた機会がありますから、御了承願いたいと思います。
  71. 永井英修

    ○永井(英)委員 配炭公団はすでにもう機能を停止して清算事務に入つておりますが、一番問題になつておる貯炭については巷間伝えるところによりますと、いろいろなうわさが立つておる。妙な話も聞くわけでありますが、現在貯炭になつておる数量帳簿価格と突き合わせて、はたしてそれだけの数量があるか。それから炭種において帳簿と合つておるかどうか。この問題と、もしそれが突き合つていないということであれば、およそどれくらいの赤字になるかというようなことを、ちよつとお尋ねしたいと思います。
  72. 樋詰誠明

    ○樋詰説明員 公団の貯炭につきましては私どもも今永井先生の御質問のように、危惧を持つておつたわけでございますが、九月十五日に配炭公団が廃止になりましたあと、十月一ぱいをほとんどかけまして、今までの監督官庁でございました通産省、新しく公団を引継ぎました大蔵省、それに経済調査庁、会計検査院、この四者が立合いまして全国的にわたつて貯炭の査定、たなおろしをやつたわけでございます。その結果は意外に欠斤が少うございまして、目下最終的な資料を集計いたしておりますので、二、三日中にははつきり出ると思いますが、大体今集まりました数字から申し上げますと、帳簿では総数約四百七十七万トン、そういう数字があつたのでありますが、それに対しまして欠斤が十三万九千トンで、約三%程度でございます。従つてたなおろしをいたしました結果、一応減損すると設定されました数字が四百六十三万一千トンでございます。この四百六十三万一千トンの数字のうち、規格が相当下つておると考えられるものが百二十万トン程度でございます。これは公団が買い上げるべき、たとえばこの前申し上げた通り、一般的には四千カロリー、宇部が三千五百カロリー、常磐が三千二百カロリー、それが公団の格内炭になつております。この規格が下つても格内でとどまるものが七十五万トン、長い間置いたために風化その他によつて品質が悪化して、格外に落ちざるを得ないものが四十五万トン、合計いたしまして大体百二十万トン程度は格下げしなければならないと考えておりますが、はつきりした数字は先ほど申しましたように二、三日中に集計されることになつております。大体東京と大阪と九州の分が今非常に貯炭場所が多うございまして、全部つき合わせておりまして、それ以外の地区は最後の数字まではつきり出ておりますが、三つの大きなところは若干集計に手間取つております。公団が結局清算が結了した場合に、どれくらいの赤字が残るかというお話でございますが、これは非常にむずかしい問題でございまして、もしも今あります炭が格下げしたものは、それぞれの規格によつたにいたしましても、従来公団が売つておりました値段で売れば、いろいろ巷間伝えられております数字にならぬで済むとは思いますが、今のところ石炭の自由販売なつてからのほんとうの時価というものが、政府においてつかめておらない状況であります。というのは、大口の消費者はほとんど全部概算契約をやつております。概算契約の傾向から申しますと、配炭公団廃止後優良炭においては必ずしも値が下つておらない。むしろ六千カロリー以上の優秀炭については若干の上りぎみであります。すそものにありましてはこれは相当下つておるようであります。すそものがあまり動いておらないということから、はつきりした数字がつかめないわけでありますが、一応相当の損失が出るのではないかということで、清算を引継ぎました大蔵省の方で、来年度予算に公団に対する繰入れということで、赤字の補填のために要求しておりますものは四十三億五千七百万円、これだけ明年度公団が債務を完済したりするために、必要ではないかということでやつております。しかしこの内訳を申しますと、欠斤が風化その他を合せまして大体二五%、欠斤あるいは商品はあるけれども全然商品価値がない、売れないだろうといつたものを二五%程度見て、そうして残りの七五%を、石炭につきましては八百円くらい今の帳簿価格より安いと申しますと、大体ボタの平均が三千円程度でございますから、三千円のものを二千二百円くらいに売る。コークスは現在四千四百円の平均ボタになつておりますが、これは千五百円程度を引いて二千九百円くらいで処分するということで計算しまして、このほかいろいろ進駐軍にどうしても納めなければならないという事業運営のために、はるばる九州から大阪の方に、一部の特殊の炭については荷を動かさなければいかぬといういろいろの状況がございますが、そういうものを全部ひつくるめまして、一応百二十一億四千五百万円——もう一応各項目にわたつて申しますと、欠斤四十億程度、残りの炭を値下げして売るということで三十三億程度事業運営費で十四億程度、その他こまかくなりますが、取引高税、これは販売高の一割、公団が解散後売つたものについて納めなければなりません。これが八千百万円、銀行の支拂い利息七千五百万円、三月までの経費が八億五千万円ばかり、売掛金が九月十五日で百七十六億ございましたが、このうち十六億程度回収不能ではないかというふうに見まして、百二十一億ばかりの一応赤字が出るというかつこうになるわけでございます。今まで出ました剰余金その他で政府に納むべきものが七十五億八千万円ばかり残つておりますので、新たに政府の方から繰入れていただくというのが四十三億五千万円、こういうことで一応予算的措置だけは講じたわけでございますが、先ほど冒頭に申し上げましたように、二五%程度欠斤があると見ておりましたものが、今のたなおろしの結果によりますと、欠斤としてはわずかに三%しかない。廃棄すべき数量も十四万トンくらいでございまして、ほぼ三%、両方合せまして六%程度ということになります。このほか自然発火その他による損害というものが、順調に行つてあまり起らないということであれば、欠斤から出る四十億というものは相当減ることが当然考えられる。ただ残りました炭は八百円あるいは千五百円なりの価格で済むかどうかということは、十二月八日に第一回入札をしまして、そのふたを開けた結果でなければ大体時価の見当がつきませんので、入札をやつてどの程度で入れるかということを見た上で、これはもう一回損失の見込みというようなものの計算がかわつて来るのではないかと思います。
  73. 小野瀬忠兵衞

    小野瀬委員長 この際ちよつと申し上げておきます。安定本部から動力局の石炭課長がお見えになつておりますから、何かあれば……。
  74. 永井英修

    ○永井(英)委員 ただいまのお話では三月三十一日まででこの貯炭を全部さばくようなお話でございますが、それでは相当市価を圧迫しやしないかという感もいたしますが、この点をお伺いしたい。それから新聞紙上等ではほとんど官庁関係とかあるいは日発等に、これを納入するというようなお話でしたが、その入札は仲介者がおつての入札であるか、鉄道あるいは日発というようなものの直接の入札であるか。この点を伺いたい。
  75. 樋詰誠明

    ○樋詰説明員 まず一番目の四百七十万トン、これは結局四百六十三万トンくらいでございますが、来年三月まで拂い出した場合に市価を圧迫しやせぬかというお話でございます。これは私ども、ことに通産省の関係者といたしましては、来年三月までにこういう厖大なものを出されては、せつかく立ち直りかけた石炭は根こそぎ横倒れになるのではないかと、非常に危惧されて参つたのであります。しかし実際にまだ二箇月しかたつておりませんし、価格の傾向がよくわかりませんが、先ほど申し上げましたように、われわれの入手いたした範囲においては、石炭の価格というものは決して下つておらない。むしろ一部の炭については上り気味で、ある程度チェックすると言いますか、下手にこれを放置しますと、もう一回何か頭を押えなければならぬというような議論が出やしないかといつたように、一部の銘柄については上つておるものがあります。公団の持つております炭は、大体下級炭が多くございまして、これを出すことによつて一般の上級炭まで一様に圧迫されるかどうかということは、初めから疑問があつたのでありますが、今申し上げましたように、一般的に非常に石炭が今強い気配にあるということから、むしろ公団の炭を放出いたしましても、それが必要以上に市価を圧迫するという結果にならなくて、かえつてわれわれが最初に予想いたしました以上に、石炭がよい値段で売れるということになれば、国家としてもそれだけ欠損が少くなる。ここでとりあえず第一回の入札は、これは市場判断をするという意味から十二万一千トンと数量を限つて行きたい、こういうふうに存じておりますが、大体この数量であれば、直接非常にこのために市価を引下げるということもなし、また同時に大体どの程度なら買うかという一般の傾向がわかるのではないか。それを見た上で大体計画的にやつて行く。それから市価の圧迫ということがなるべくないように、しかも損がないように売つて行きたい、そう考えたわけであります。  それからもう一つ政府、日発等に売るのはどうなつておるかというお話でございますが、この四百六十三万一千トンのうちから、先ほど申し上げました十四万トンがなくなつて、四百四十九万一千トンとなるわけでありますが、これに対しましてはまず進駐軍に五十万トン納めることになつて、すでに十一月今日までに三万トン残しまして、あとはすでに納入済みでございます。国鉄に対しまして五十五万トン渡すということで、これも十二月末に荷渡し完了すべく今やつております。それから船舶運営会に対しまして二万二千トン、これも必要に応じ荷渡しする。もつともこれは来年の三月までに渡す約束であります。それからアルコール工場、専売工場といつたような各種の官営の工場、それから各地にございます官公衞の暖房といつたものに二十四万トンばかり計画しております。このほかに北海道におきまして、暖房炭として二十八万八千トンの炭を振り向ける。それからもう一つ、最後に日発に対して二十一万四千トン売るという契約をやつたわけでありまして、北海道の暖房炭はこれは入札で参りますが、それ以外の進駐軍、国鉄、運営会、官公衞と申しますのは、これはいずれも市価を基準として適正な値段をきめて売るということでとりあえず荷を渡す。そうして今回行います入札あるいはその後の入札の結果を見て、相手が役所であれば絶対にとりはぐれない。これは予算で右から左に処置して行けばすぐできると思いますが、そういう関係から今すぐ値段をきめる必要に迫られておりません。そこで先になつて値段をきめるが、とりあえず荷渡しする、そういう約束で進めております。それから十二万一千トンにつきましては広く門戸を開放して、どなたでも使つていただく。将来はむしろ指名入札の方がいいというような特殊事情があれば指名入札なり、あるいは大体これで市価がつかめましたならば随意契約で行きたい。いずれにいたしましても、この入札をやつた結果、大体の価格の傾向でもつかんだ上で、あと一箇月で十二月どれだけやるか、一月に幾ら出すかということは、その都度具体的になつて行くと思います。できれば三月の末までに、これは非常に強く要求されておりますので、やりたいと思つておりますが、実際やつてみて売れない、かえつて売り急いだために損だということが残れば、これは事実問題としてしかたがないじやないかと思つておりますが、なるだけ売るべく努力する、そういうふうに考えております。
  76. 永井英修

    ○永井(英)委員 先ほどいい炭は市場の値段が非常に強いということでしたが、大体今公団の手持は悪い炭の方が多いということであれば、現在非常に困つておる中小鉱業の石炭というものは割合に悪い炭が多いと思うのですが、いい炭でなくていわゆる中程度の炭は非常に圧迫を受けることになるのではないか、こういうことを私は考えるわけです。それと一番最初の四十万トンばかりが値段ができるかできないかわからないというお話でしたが、そのほかの部分について、つまり帳簿数量と実際のいわゆる炭種別の数量が合うかどうか。これはもちろん集計されればはつきりすると思いますが、そういう点もおわかりになりましたらお示し願いたい。
  77. 樋詰誠明

    ○樋詰説明員 価格の点でございますが、上級炭が傾向が強いということは先ほど来申し上げておりますが、たとえば非常に質の悪い常磐炭の四千五百カロリー、五千カロリーの炭は東京あたりの市場では相当高くなつておりまして、ちようどこのくらいの炭も若干公団にございますが、それが公団の炭が出されることによつて、非常な打撃を受けるということにはならないじやないか、そういうふうに考えております。
  78. 小野瀬忠兵衞

    小野瀬委員長 それでは質疑を中断いたしましてまことに恐縮でしたが、志田委員質疑を許します。
  79. 志田義信

    ○志田委員 矢野食品部長からのお話で現在は一万五千トン、十二年、十五年の実績から見れば、その当時は九万二千トンほどの油脂が魚体から得られたということでありますが、一万五千トンに急激に減つておる。供給源を多くする方法は魚獲高の問題だと思うのでありますけれども、主としてこれを遠海漁業に持つて行くつもりであるのか。それとも沿岸漁業に求めておるのでありますか。その点をちよつとお知らせいただきたいと思うのです。
  80. 矢野外生

    矢野説明員 大体魚油の増産は沿岸漁業でいわしあるいはにしん、そういうものを見ております。
  81. 志田義信

    ○志田委員 動物性蛋白質の給源として、沿岸漁業における水産物の重要性を認められておるということには、私も同感であります。そこでこの油脂公団統制について、非常に零細なものであるからその実態を把握するのは困難であるというお話を、先ほど拜聴いたしたのでありますけれども、どういう点で把握するのに困難を来しておるか御説明願いたい。
  82. 矢野外生

    矢野説明員 御承知のように、沿岸漁業は大体零細な漁民あるいは漁民組合というようなものが、集まるものでございますので、そういう面から実体を把握するのが非常に困難だというふうに考えられると思います。
  83. 志田義信

    ○志田委員 私は最近の漁獲高は、零細漁民一人当り三トンと記憶いたしておるのでありますが、これの集荷をやることにつきましては、協同組合もあり、いろいろな方法でやられておるのでありまするけれども、これは把握するに困難ではなくて、むしろ魚を保存するに困難だというところに、動物蛋白質の給源を増加することのできない理由があるのではないかと思いますが、その点いかがでございますか。
  84. 矢野外生

    矢野説明員 お答えいたします。実は私は水産関係は所管も違いましてはつきり承知しておりませんが、ただいま御質問のような点も多分あるのだろうと思います。はつきりしたお答えは申し上げかねます。
  85. 志田義信

    ○志田委員 動物性蛋白質の問題は所管違いだという御答弁であります。私は必ずしも所管違いではないと思いますけれども、その点は御研究をしていただくという程度にとどめておきます。  それからいま一つお尋ね申し上げます。人造バターの問題がここで取上げられておるのでありますが、一体人造バターは今日国民一人当りどのくらい配給なつておるか、お示し願いたいと思います。
  86. 矢野外生

    矢野説明員 実は私本日数字的な資料を持つて参つておりませんので、後刻はつきりした数について、書面でなりお答えいたしたいと思います。
  87. 志田義信

    ○志田委員 この書類は公団の方で出されたのでありますが、天然バターは値段が高いから買えない。従つて人造バターを配給しなければならぬということは私も同感なんでありまするけれども、戦時戦後の急激な経済的動揺のあつた時代はとにかくといたしまして、今後久しきにわたつて人造バターが天然バターよりも、より安い値段で国民配給でき得るというお考えを食品部長はお持ちになつておるかどうか、お伺いしたい。
  88. 矢野外生

    矢野説明員 ただいまの御質問について申し上げます。人造バターが天然バターよりも安いという傾向は、ここしばらく続くのではないかと考えられます。
  89. 志田義信

    ○志田委員 今食品部長さんのそういう御発言がありましたけれども、私は日本の経済復興は農業の面にも非常な影響をもたらさなければならぬと思うし、あるいは農業経営の面も、今日非常な変革をしなければならぬところに来ておると思います。日本の農業は平地農業のみに依存することはできない。あるいは高冷地の農業にまで行かなければならないという段階に来ておると思います。たとい平地農業で行くといたしましても、単作地帯の農業から考えますれば、どうしても有畜農業をやらなければならぬ時期になつておりまして、現に今日日本の単作地帯は、争うて有畜農業に転換しております。また転換しつつあるところもありまして、農林省の方も、これの指導育成に努めておると思つておるのであります。そういたしますと、乳牛の問題が非常に大きく取上げられなければならないのでありまして、ひいてはこれがバターという問題にもなつて来るのであります。今日日本のバターは非常に減少しておるように皆様お考えなつておりますけれども、今から数十年前の日本におけるバターの消費量はきわめて少うございまして、三越でバターを一ポンド売る場合に、半ポンドの景品をつけなければ売れなかつた時代もあるのであります。従いまして私は、必ずしも天然バターと人造バターが今後しばらくの間、その期間はどの程度かわかりませんけれども、しばらくの間は値段においてもその他においても、どうしても競争できないというふうなことにつきましては、もうしばらく御研究願いたいと思います。その点は私の意見を申し上げるにとどめておきます。  それから、今度は油糧公団の方にお尋ね申し上げたいのでありますが、先ほど同僚委員から、油糧産業会社的な第二会社を設立しておるのではないかという質問をいたしたのでありますが、それに対してあまり明確な御答弁がなかつたように思うのであります。一体油糧配給公団の機構といたしまして、現在わが国に幾つの支部があるのでございましようか。この公団要覧によると六支部ということになつておりますが、先ほど七支部というように拜承しましたので、六支部でありますか、七支部でありますか伺いたい。
  90. 船橋彌

    船橋説明員 現在本部のほかに六支部あります。
  91. 志田義信

    ○志田委員 先ほど油糧産業会社を設立して、七つの会社が運送、保管の代行をしておるというお話でありましたが、運送料はマル公で行つておるか。保管料はどういうふうになつておるか承りたいと思います。
  92. 小泉武夫

    小泉説明員 私数学的にはちよつとはつきり記憶をしておりませんので、まことに申訳ございませんが、ただいま保管という言葉を用いられましたが、先ほども申し上げましたように誤解をまねくおそれがありますので、油脂保管関係は今いたさしておりません。輸送の実務をさしておりますが、輸送についてはマル公のあるものはマル公でやつておりますが、マル公のないものについては、先ほど申し上げましたように、うちの公団のチャージの中で、それに該当するものについて、許可を得ておる範囲の金額で契約しておると存じております。数字的に記憶しておりませんことをおわび申し上げます。
  93. 志田義信

    ○志田委員 せつかくお忙しい中をおいで願いました方々に、苦情を申し上げるようになると相済まぬと思いますから、私は言辞を慎みたいと思つておりますが、一体保管をしておらないというお話でありますけれども、先ほど皆さんも説明員の方々もお聞きなさつたと思いますが、公団監査の結果の報告によりますれば、保管料一億一千万円というものがここに明らかになつておるのであります。この保管料は保管による保管料ではないのでございますか。
  94. 小泉武夫

    小泉説明員 その保管料は、おそらく営業倉庫に輸入油脂その他を非常に多く保管させております事実もございますし、それから各支部でストック・ポイント式に適当な油屋の倉庫もございますが、空きました倉庫を借りて、そこに預けて配給に備えております。その保管料と私は判断いたしております。
  95. 志田義信

    ○志田委員 それではやはり保管料があるということで、保管の実務も取扱つておるということがわかると思いますが、前段御質問申し上げました運送店におきまして、われわれはマル公よりも二〇%下まわつて運送の代行をさせておるように聞いておりますが、その点はいかがでございますか。
  96. 小泉武夫

    小泉説明員 不勉強でまことに申訳ございませんが、私数字的にこまかく存じておりませんので、その点御回答申し上げる必要がございますれば、帰りますれば配給課長が詳細存じておりますので、ただしまして御返事申し上げたいと存じます。
  97. 志田義信

    ○志田委員 経済調査庁にこの点に対する監査の結果をお伺い申し上げます。
  98. 柳田桃太郎

    柳田説明員 保管の問題につきましては、さきにお話がございました通りに、ストック・ポイント並びに営業倉庫に入つておるものが、配給の遅延に伴いまして相当量、一億一千万円のうちの過半数を占めておりますが、そういうものがあるということでございます。それから中には販売業者の倉庫に預けておるものもございます。それについては代行商社を通ずるものもありますし、通じてないものもありますが、まだ軽減の余地があるということを申し上げます。東京の例によりますれば、下請と実際の契約書の間にまだ二〇%余の開きがある。これは経費合理化の面から見て、さらに時価に即してこれを軽減する余地があるということを申し上げたわけであります。
  99. 志田義信

    ○志田委員 公団の方にまたお尋ね申し上げますが、これらの代行をなさつておる容器の問題でありますけれども、たとえば先ほど説明員は会社の名前を指摘してお話がありました。日本容器、関西容器、そういう容器であろうと拜承いたしておりますが、麻袋の回収におきまして、一袋大体どのくらいであなたの方では回収しておりますか。
  100. 小泉武夫

    小泉説明員 実は先ほどおわびかたがた申し上げたのでありますが、麻袋関係取扱料が原料部所管になつておりまして、私取扱料のこまかい数字を実は記憶しておりませんので、おわび申し上げます。
  101. 志田義信

    ○志田委員 公団の中で経理の方はきよう御出席でございましようか。
  102. 小野瀬忠兵衞

    小野瀬委員長 本村説明員出席しております。
  103. 志田義信

    ○志田委員 それではちよつとお尋ね申し上げますが、本年五月、六月、七月の三箇月間における公団の諸支拂いがどの程度なつておるか、ちよつと承りたい。
  104. 本村一良

    本村説明員 諸支拂いと申しますと、何の支拂いでございましようか。
  105. 志田義信

    ○志田委員 よく理解できないようでございますから、もう一度申し上げます。ただいま申し上げておる日本容器、関西容器であります。これは一つだけ聞けばよいのでありますが、日本容器に対する公団支拂いの問題はどうなつておりますか。
  106. 本村一良

    本村説明員 実は本日、一つの特定先へどれだけ拂つたかというような資料は持ち合せておりませんので、これは後刻御返事申し上げたいと思います。
  107. 多田勇

    多田委員 ただいまの点ですが、日本容器、関西容器に対して一袋当り十七円五十銭で公団経費を支拂つておられるようですが、十七円五十銭は妥当な価格であるか、あるいは十七円五十銭という金額がどこから出て来るか、その点についてお伺いできましたら……。
  108. 小泉武夫

    小泉説明員 ただいまのは少しあいまいな点がございますが、ただいまわかつております範囲で申し上げておきます。麻袋の回収と申しますのは、公団がたとえば大豆を詰めてこれを製油工場へ売つて、それからそれを回収して返つて参りますと、どうしてもいろいろと穴が明いたりくずれたりしておりますので、それをすつかり修理して再びこれが使えるような状態にして、次の集荷に間に合せるというような手配をいたすのでございます。これに要する費用として一件一件については非常なでこぼこがございますが、物価庁の方でいろいろと御査定くださいましたのが、たしか一俵について三十円くらいになつておると思います。プールして一袋につきたしか三十円だと思いました。この点数字はちよつと違つておるかもしれませんが、公団として販売価格の中に織り込んでおります麻袋の基礎が三十円くらいになつておるわけであります。日本容器とか関西容器とかに仕事をやらせております部面についてたしか三十円だつたと思いますが、その金額の中で項目別に明細がございまして、その中の日本容器なり関西容器なりにまかせ、その部分についてたしかそれが十八円くらいだつたと思いますが、これを十七円五十銭で契約したように思います。この詳細についてはまた御報告を申し上げたいと思います。
  109. 多田勇

    多田委員 十七円五十銭の契約が妥当であるかどうか。具体的に申し上げますと十七円五十銭で麻袋の回収、修理、その他を日本容器並びに関西容器公団が委託をしたという場合に、十七円五十銭の価格がマル公の中に織り込まれたものから計算をしまして、その範囲内でこの二つの会社に委託をしたというお話でございますが、実際にこれらの会社がどの程度の修繕に要する諸支拂いをしておつて、どの程度利益が生れておるか。これらの点についてこの二つの会社から報告をとつておられるかどうか。あるいはその二つの会社の見積りをとられた場合の算定の仕方、さらにその結果について報告をつくつて、報告のあつた都度あるいは契約の更改ごとに、その報告を基本にして契約を更改されるような方法をとつておられるかどうか。この点について伺います。
  110. 本村一良

    本村説明員 日本容器がこういう仕事を始めましたのが、たしか五月か六月だつたと思いますが、そのときに先方の見積書を中心といたしまして、またわれわれの方のマル公の価格のマージンの内訳等によりまして、一応そういう数字をきめたのでありますが、これは一つの請負の形でございまして、ある特定の一袋に対してはあるいは十円で済むかもしれない、また別の特定の一袋に対しては五十円かかるかもしれないというようなことを、請負の形で引受けたようになつております。まだ日が浅いものですから、この実績については今のところ報告はとつておりません。三月の決算期におきましては、先方の決算もよく見まして、またいろいろと諸物価の変動等によりまして、実績とマル公の中の金額等を参照いたしまして、次の契約をきめて行くというような方針にいたしております。
  111. 志田義信

    ○志田委員 この六支部支部長という人はそれぞれ業務を持つておるだろうと思うのでありまするけれども、その中に貿易業その他の業務に携わつておる方がありまして、公団から特に多くのものを入札、落札さしたというようなことを聞いておるのでありまするが、その点についていかがでありますか。
  112. 小泉武夫

    小泉説明員 ただいまの御質問は、おそらく当公団の扱つておりまする輸入油糧の沖取りから工場揚げまでの、輸入代行実務の見積りのことだと拜承いたすのでございますが、その点について公団の人で貿易関係の業者が特によけいにということは、全然私には合点の行かないことでございまして、あの見積りの方法は主務官庁の農林省、それからただいまの通商局輸入第四課の許可を得まして、正式にどなたでも見積りに参加する資格を與えます。それでこちらから明示したそれぞれの項目について見積り内容を出させまして、一番見積り価格が低いところから、順次見積りの内容について精査いたします。こちらの明示した内容が脱落したものは価格が低くてもいけないのでございますから、それはオミットします。正しくはつきりとこちらの指示内容通りの見積りをして来た者を、見積り落札者として決定いたします。つまり許可を得ておりますものですから、そういう特にどうこうという事実はございません。具体的に何かお聞きになつたことがございますれば、おつしやつていただきたいと思います。
  113. 志田義信

    ○志田委員 その点については私の方で承つて真実であるかどうかという信憑性の問題もありまするから、特に名をあげることは差控えますが、かつて公団支部長をした者が一つの貿易会社の社長として在勤して、入札、落札の当時におきましては、その入札の内容等に対する相当の連絡があつて、多くのものが落札されて行くというような行状がつたえられておりますので、特に公団の御注意を喚起しておきたいと思います。
  114. 小泉武夫

    小泉説明員 ただいまのお言葉拜承いたしましたが、念のために私から実例をその数字について申し上げます。ただいま特にたくさんのというお言葉がありましたが、御指摘になつております会社は幸貿易株式会社と私は存じます。そこの社長は前の関西支部長をいたしておりました。多分その会社と思いますが、その会社は東京地区で横浜のばら積みの油を一つ入札して落しておりますのと、関西地区で神戸港も同様にたしかばら積みでしたが、ドラム・カンではなかつたと思いますが、一つ落しております。二つ落しておりまして、数字から見ますれば兼松とか、日綿とか、野村とか、いろいろの昔から古く輸入業者をやつておりました商社の六つ落札とか、五つ落札とかたくさんありますが、その特に多くということについては、数字の上からはわずか二つでありますので、ちよつと念のために数字をあげて申し上げておきます。
  115. 志田義信

    ○志田委員 その点はそれで了承いたしました。  次にお尋ね申し上げたいのは、魚の油はこれを捕捉するに非常に困難であつて、集荷もまた困難であるというお話が参考人からございました。魚油指定集荷人によつて集荷されていると思いますが、指定集荷人を選定するにあたりましては、どういう基準でこれをなしておるか、御答弁願いたいと思います。
  116. 小泉武夫

    小泉説明員 これは主務官庁の方から御答弁願うことを私は妥当と存じますが、私も存じておりますから便宜上私から御回答申し上げます。指定販売人の制度は、昨年安定本部から指定配給物資配給手続規程というものが出まして、これに従つて農林省は油脂需給調整規則を改正しましたが、それに従い公団が実施機関として実施いたしております。
  117. 志田義信

    ○志田委員 食品部長にお尋ねいたしますが、今の指定集荷人の選定の基準の問題につきましては、その通りと了解してよろしゆうございますか。
  118. 矢野外生

    矢野説明員 ただいまの油脂部長からお話のように、油糧需給調整規則によつてやつております。ただいまの御説明通りと思います。
  119. 志田義信

    ○志田委員 全国で指定集荷人はどのくらいおりますか。
  120. 矢野外生

    矢野説明員 私がさいぜんからお答え申しましたように数字を持つておりませんし、また記憶もいたしておりませんが、必要ならば後刻お答え申し上げます。
  121. 志田義信

    ○志田委員 この油脂統制を急激にはずせば、非常な混乱があるというのでありますが、国内の他の公団自由経済に移行する建前におきまして、漸次なくなつて来る過程にありますし、またひとり油脂のみを残しておくということは、需給関係の変化とともに私はできなくなつて行くと思いますけれども、この油脂の問題を農林当局はもう少し具体的な数字によつて、今後これだけの魚からこれだけの油脂がとれるということが期待できるというお話でありましたから、もう少し詳しい数字をわれわれの方に示していただくように、お願いしたいと思います。  いま一つは、人造バターと天然バターの問題につきましても、これも先ほど数字を持つておらないというお話でありました。もうこれ以上お尋ね申し上げても、私は所期の結果を得ることは困難ではないかと思いますから、これで質問を打切りますが、この点につきましても、欧米人一人当りが飲んでいる平均は、一石二斗七升五合というふうに記憶していますが、日本人は平均わずかに一升ちよつとではないかと思います。日本の有畜農業の旺盛になつて来るに従つて、この天然バターの問題は相当に大きな関心を、国民の間に持たれて来るのではないかと思いますから、その点についてももう少しこういう油脂統制を解除するという現内閣の方針に従つて、官僚諸君が御熱心に御検討願いたいと思つております。油脂のやみ値が六倍であるというようなことをもつて、単に油脂需給関係を悪い実例として、これは不足物資の最たるものであるから、どうしても統制しなければならぬ、こういう画一的な考えでなく、ぜひ自由経済に移行している現実を直観なされまして、この油脂統制の問題についても、基礎的なデーターによつて御研究くだされ、かつわれわれの質問に対してもそれぞれのデーターによつてお答えくださるように、今後お努め願いたいと思うのであります。
  122. 多田勇

    多田委員 非常に長い間いろいろありがとうございました。最後に公団側見解をお伺いしたいのですが、先ほど経済調査庁から調査の結果についての中間的な報告がごさいましたので、その点については御承知のことと思いますが、この報告について、公団側では全面的にこの報告を認めるか。たとえば事業費から毎月一般経費に百万円程度流用しているということ、あるいは売掛金が三箇月ないし六箇月以上のずれがある、しかも帳簿上と実際の売先との見合いが完全でないものがあつたという点、あるいは内部留保が二十三年の後期において六千八百万円程度あつたが、そのうち二千七百万円余りは、今年度の運賃から差引いたというような内部留保の問題、あるいは決算信憑性の問題、これらについて公団側ではどういうような御見解をとられているか。その点について最後にお伺いいたしたいと思います。
  123. 本村一良

    本村説明委員 先ほどお伺いいたしました経済調査庁中間報告というものは、私の方としてはざつとお聞きした程度でありまして、いずれ正式な文書その他になりましたら、よく検討してわれわれの見解を申し上げたいと考えます。ただここでちよつとお断りしておきたいことは、利益の内部保留という問題については、これは未拂い諸掛が立ててあるという問題だと思いますが、決算の常識として、その期間中に品物の動いたものについて、当然かかつた諸掛は未拂いとしてあげるのが当然だと思います。もしそれをあげませんと、その期において当然支拂うべきものが、たまたま現金の支出があつたために翌期に繰越し、そして実際の支拂いのあつた次の損費に落すということになりますと、収入と支出との関係ずれが生じまして、正しい決算の姿が現われない。そこでこれはもうきわめて経理上の常識的な措置として、われわれの方では処置したものでございます。これらの点について調査庁の方の御見解その他について、なおよくお打合せいたしました上で、公団としての考え方をあらためて御報告申し上げたいと思います。
  124. 多田勇

    多田委員 内部留保と申し上げましたが、要するに未拂い勘定が六千八百万円あつた。しかもそのうち二千七百万円は運賃から差引かれるので、四千万円程度の未拂い勘定が残つている。この未拂い勘定の立て方は、経理の常識上当然未拂い勘定として立てるべきだという御意見でございましたが、もちろん未拂い勘定として立てるべきだということは十分承知しております。しかし実際の未拂額と見合つて、異常の厖大数字が未拂い勘定として残されるということは、どうも経理上芳ばしくないではないかという感じがいたしますが、この六千八百万円は実際の未拂い勘定として残されたものであつて、当然支拂うべき金であるという御見解であるかどうか。その点をお伺いいたします。
  125. 本村一良

    本村説明員 これは自由経済の商売でございますと、たとえば千円で仕入れたものを先方に売るまでに、チャージが二百円かかるというふうに計算いたしまして、それで自分の方のコンミッションを百円として、千三百円で売るというような形で処理できますために、一ロットごとに損益を出すことができるのでございます。ところが公団品物は御承知の通り公定価格で定められておりまして、公定価格の売値と買値の幅は、年間あるいは一定期間の取扱数量に対してかかるであろうチャージのプールをして、平均価格が出ているわけでございます。そこで特定の一つのロットに対しては、当然そこで赤黒が出て参りまして、年間と価あるいは公定価格を定めるときに見込みました一定期間に、一定数量品物が動いたときに、初めてそこで損益が出るという特殊の事情なつております。そこでそれが必ずしも会計年度とそれのプールの期間とが一致いたしません。そこで一件一件でたまたま黒が出たとか赤が出たとかいうときに、決算期が参りましても、たとえば昭和二十四年度の配当の油脂見込みを立てたものが、事実上は二十四年度の第四・四半期分の受渡しが次年度の初めまでかかりますが、二十五年三月三十一日には締めてしまわなければならぬということから、そのときに出て来た赤黒が、ただちにチャージ上の見積りが赤いとか黒いとかいう結論にはならないわけでございます。そこで今回の四千数百万円の問題についても、やはり本年の三月三十一日現在で、そのときまでにすでに販売いたしまして、公団としては代金を頂戴して、その中からチャージに引当てらるべきものについてまだ支拂つていないというものが、一部概算で入つているわけでございます。これらが全部一通りの清算が済みますと、それに対して初めてその見積り諸掛でまかなえたか、まかなえなかつたかという数字が出るわけでございます。そういう事情からこういう数字が出ているわけでございます。
  126. 小野瀬忠兵衞

    小野瀬委員長 この際委員各位にお諮り申し上げます。ただいま本会議開会のベルが鳴りまして、日程第十一とし会期延長の件が議題とされますので、ただちに本会議場に出ていただきたいという案内がありましたから、本日はこの程度で散会したいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  127. 小野瀬忠兵衞

    小野瀬委員長 御異議なしと認めまして、本日はこれにて散会いたします。     午後五時三十分散会