運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1949-11-26 第6回国会 衆議院 経済安定委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十一月二十六日(土曜日)     午前十一時三分開議  出席委員    委員長 小野瀬忠兵衞君    理事 志田 義信君 理事 多田  勇君    理事 永井 英修君 理事 南  好雄君    理事 森   曉君 理事 成田 知巳君    理事 笹山茂太郎君 理事 米原  昶君       福井  勇君    細田 榮藏君       篠田 弘作君    田中不破三君       羽田野次郎君    岡田 春夫君       浦口 鉄男君  出席政府委員         外国為替管理委         員会委員    奥村竹之助君         (理財局長)         大蔵事務官   井原  隆君         通商産業政務次         官       宮幡  靖君         経済安定政務次         官       西村 久之君         経済安定本部副         長官      山本 米治君         (財政金融局         長)         経済安定事務官 内田 常雄君         経済安定本部貿         易局長     谷林 正敏君  委員外出席者         議     員 北澤 直吉君         議     員 前田 正男君         議     員 川上 貫一君         外国為替管理委         員会委員   大久保太三郎君         大蔵事務官   伊藤 八郎君         大蔵事務官   奥村 輝之君         通商産業事務官 武内 龍次君         通商産業事務官 松尾泰一郎君         專  門  員 圓地與四松君         專  門  員 菅田清治郎君     ————————————— 本日の会議に付した事件  参考人意見聽取に関する件  外国為替及び外用貿易管理法案内閣提出第四  三号)  外国為替管理委員会設置法案内閣提出第四四  号)     —————————————
  2. 小野瀬忠兵衞

    小野瀬委員長 ただいまより会議を開きます。  この際参考人招致の件につきお諮りいたします。ただいま本委員会において審査いたしておりまする両法案について、東京銀行取締役外国部長小野英輔氏、日本貿易協会專務理事三谷善蔵氏、国民経済研究協会井波卓一氏富士電機社長和田恒輔氏、以上四民氏を本日の委員会参考人とし招致いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議なしと認めさよう決定いたします。  なおこの際お諮りいたします。両法案に対する審査の都合もありますので、参考人よりの参考意見聽取及び質疑は、連合審査会においてもこれを許すことにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 小野瀬忠兵衞

    小野瀬委員長 御異議なしと認めてさように決定いたします。  それではこれにて休憩いたします。      午前十一時四分休憩      ————◇—————      午後二時二十分会議
  4. 小野瀬忠兵衞

    小野瀬委員長 休憩前に引続き会議を開きます。  外国為替及び外国貿易管理法案外国為替管理委員会設置法案一括議題に供し、質疑を続行いたします。前田正男君。
  5. 前田正男

    前田正男君 審議の忙しいところを拝借いたしまして、はなはだ恐縮に存ずるのでありますが、昨日からの合同審議のときに、仏の税関に対しますところの質問の御返事をいただかなかつたので、ここであらためて質問させていただきたいと思います。  まず税関のことにつきまして、私はなはだ知識が足りませんので、まず一般的な説明を願いたいと思うのであります。終戰後日本税関戰前と違いまして、どういうふうなことになつておるか。その一般状況から簡単に御説明願いたいと思います。
  6. 伊藤八郎

    伊藤説明員 原則といたしまして、終戰にによりまして関税制度につきましては何らの変更なく、戰前と同様に施行いたしております。從つて原則しましてあらゆる輸入品につきましては、有税品については関税を徴収いたしております。但し現下の日本情勢にかんがみまして、主要食糧等法律をもつてその免税設置を講じまして、ただいまも免税いたしておりますし、その他OSS等輸入する物品につきましても、原則としては課税することを認容されておるのでありますが、現在の税率状況から見まして、はなはだしく外人消費等に不適当であると認められました関係上、関係方面の指示によりまして、タバコ以外はただいまのところOSS商品についてはタツチしないでおるという状況であります。その他につきましては、まつたく戰前と同様に税関の手続及び課税を実施いたしております。
  7. 前田正男

    前田正男君 戰後のいろいろな情勢変化及び物価の変化等から考えまして、税制の変革等があると思つているのでありますが、それについて何かお考えがありましたらお知らせ願いたい。また今度自由貿易に変更されるに伴いましても、相当変化が起こり得ると思いますが、そういうことについても政府として腹案がおありでしたらお知らせ願いたい。
  8. 伊藤八郎

    伊藤説明員 ただいま御指摘になりました通りでございまして、私は原則としてそのように施行いたしていると申したのでありますが、御承知通りわが国輸入税表従価税従量税有税品については大体この二つの種類にわかれております。従価税は御承知通り値段の何割をかけるという、いわゆる。UIF価格に対しまして、一割なら一割をかけるという税率でありますから、これは為替の変動によりましても依然として一割をかけることができるのでありますが、従量税の方は御承知のように百斤について五円とか、一メートル幾らという固定した税率でありますために、わが方の円相場が下落しますと、その税率というものは非常に低率に相なつて参りまして、実は存在異議がないくらいに低くなつているのであります。従いまして今後のわが国の政策といたしましても、これはちよつと余談にわたりますが、輸出貿易の進展をはかるためには諸外国における関税傾向——承知通りアンシー会議等において新たに十箇国が参加して、合計三十三箇国で結ばれております国際関税通商協定参加を許されませんと、わが国の産品は最高税率適用輸入国から受けているような状況でありますので、一日も速くこの関税同盟加入を許されるような状況にならなければならぬと思つているのであります。しかるにわが国税表は先ほど申し上げました従価税のうち、相当品目が大正十三年の法律によりまして、従価十割ぜいたく関税をかけているのであります。従いましてこれを諸外国から見ますと、非常に日本関税が高いという印象を與えているのであります。一面先ほど申し上げました従量税率の方は非常に安くなつている。従いましてただいまの状態においてはぜいたく税がありますために、外国には非常に高いという印象を與え、また一面重量税率については、このままの状態において関税同盟等にもし参加を許されますと、わが方としては非常にぐあいが悪い、こういうように両方面から見て、ただいまの税表というものは大体全部これを見直しまして改訂いたしまして、そうしていつそういう会議にわれわれが参加を許されてもさしつかえないような状態に、修正をいたしておくという必要の急なるものがあると考えている次第であります。
  9. 前田正男

    前田正男君 それでは政府といたしましては、政府側からその修正の案をいつ御提案になるのでございますか。あるいは関税同盟加入される見通し、あるいはこちらから講和態勢にならなくても、日本側としてそれに対しまして加入申込みを行い得るか、あるいはまたいつごろ行おうとしておるか、こういうことについてご説明を願いたいと思います。
  10. 伊藤八郎

    伊藤説明員 ただいま申し上げました課税一般改訂につきましては、これは約一年半ほど以前から関係方面からのサゼスチョンもありまして、鋭意研究いたしておるのでおりますが、最近になりまして、最近の情勢にまた対応して、一層スピードをかけまして大体政府部内においていろいろ打ち合せをいたしまして、ただいま作業がよほど進歩いたしておる状況であります。従いましてできますならば最近の機会に、国会提案をいたしたいという考えであるのであります。それからいわゆる国際関税協定参加の問題でありますが、これはあくまでわが方としては希望いたしているのでありますが、事は一面通商なり外交なりに関係することでありまして、わが方としては希望はいたしておりますが、その段階その他につきましては、われわれ事務当局はちよつと申し上げる自由を持つていないかと思います。われわれといたしましては、いつ参加を許されてもさしつかえないような準備はいたしておるというふうに、申し上げておきたいと思います。
  11. 前田正男

    前田正男君 改訂提案が遅れますと、実際問題といたしまして輸入が自由になつて参ります一月一日からの関税に、あるいはまた輸入の現実の問題と税率の問題とに関連いたしまして、輸入仕事に非常にさしつかえて来るのではないかと私は感ずるのであります。従いましで少くとも一月一日から輸入は、従来のものとの間における関税改訂をやらなければ、この政府考えておられるほんとうの民間輸入ということは、はなはだ困難ではないかと思うのですが、この食い違いについてどういうふうにお考えになつておるか。お聞かせ願いたいと思います。
  12. 伊藤八郎

    伊藤説明員 民間自由貿易になりましても、さしあたり輸入されますものは重要物資等であろうかと存じます。実はこれらの重要物資等につきましても、全部とは申しかねますが、大体において先ほど申し上げました従量税品が大部分か、もしくは大体無税品が多いのでありまして、そのために輸入貿易が阻害されるということにあまりないと私は考えております。
  13. 前田正男

    前田正男君 あまり阻害されることはないという御見解でありますけれども、しかしながらこれに少くとも今回の輸入建前から言いましても、何時に関税改訂さるべきものであると忠つております。従いましてこれにつきまして、極力政府といたしましても早急に御提案を願いたいと思うのでありますが、政府の方からも実はいつごろに改訂のものを提案できるか。最近の機会にという話でありますが、臨時国会に困難といたしましても、通常国会に出せるか。何か責任ある政府側語答弁を願えれば、はなはだけつこうだと思うのでありますが、いつごろの見通しということをお話いただければ一番けつこうだと思います。
  14. 伊藤八郎

    伊藤説明員 ただいま御指摘の点は今度のローガンのライン等にも関係がありますので、できるだけ早くいたすために極力努力しておつたのでありますが、御承知のように、関税に先ほど申し上げましたような諸外国とり関係もございます以外に、税率改訂になりますと、メーカーと消費者、いわゆる生産者消費者との間のバランスの問題が必ずつきまとうのでございまして、一品目税率の決定につきましても、相当に論議が必要なのであります。従いまして本日までまだ的確に成案は得ていないのでありますが、われわれの目標といたしましては、できますならば、今度の通常国会提案いたしたいと思つて努力しておる次第であります。
  15. 前田正男

    前田正男君 ただいまの政府の御答弁で大体了解いたします。しかしながらやはり輸入につきまして自由になる機会——関税というものはできましたならば途中で変更いたさない。途中で税率を変更するということにつきましては、商取引におきまして契約いたしました中におきましても、将来もいろいろ問題が起こりまして、非常におもしろくない。ことに従量税が、先ほどのお話のように外国に比べて安いというようなことになりますと、上げなければならぬ。ところが現在の税率見込みにおいて輸入したということになりますと、将来の商品をさばく上においていろいろと影響すると思いますので、別に商取引に困らない範囲におきまして、なるべく早くやつていただきたいと思います。  次に方向をかえまして、関税の問題でありますが、委託加工あるいは協定貿易というようなもの、輸入によるバーター貿易でありますが、こういつたものが新しい今度の法案にあるのでありますが、これに対する関税税率あるいは考え方にどういうふうに考えておられるか、お聞かせ願いたいと思います。
  16. 伊藤八郎

    伊藤説明員 原則といたしまして委託加工を受けまして、それを加工をして輸出する材料あるいは牛製品に対しましては、関税を徴収しないか、もしくはこれを猶予する制度が昔からわれわれの方にはございますので、これによつて輸出條件とする輸入品には、関税の負担をさせないくふうが関税定率法に規定してございますので、極力それを活用いたしまして、いわゆる中継貿易なり加工貿易なりの伸張に寄與いたしたいと考えております。
  17. 前田正男

    前田正男君 その方針で行きますと、かねて政府の方から御希望を述べておられます自由貿易港というものが、ぜひ必要になつて来ると思うのでありますが、これに対する見通し、今の委託加工に対します無税及びそういう再輸出の方式には税金をかけないということに対する見通し——この自由貿易港及び委託加工に対する無税ということは、この一月一日からの輸入の実施のときから実施されるのかどうか。その点について御説明を願いたいと思います。
  18. 伊藤八郎

    伊藤説明員 委託加工については現在もできるのでありまして、たとえばアメリカ等から生地を輸入いたしまして、それにドローン・オフしまして輸出するような場合には、税金に該当する担保の提供を受けて、輸出完了の際に担保をもどすという制度もございますし、保税工場というものに対しまして、一定の工場に免許いたしまして、そこにおいて生産加工をして輸出すれば、何らの関税をし支拂わないで済む制度が今でもできるのでありまして、必ずしもいわゆる自由貿易制度を新たに創設しませんでも、不便はないようになつておるのであります。また世間で今相当問題になつておりますフリーポート制度は、なおなおわれわれといたしましてもお互いに関係各省におきまして研究いたしておりますが、世間ちよつと誤解がある点があるのでありまして、自由港と申しますと、いわゆるフリートレードポートフリーポートと二つございますが、フリートレードポートと申しますと、昔の関東州とか香港のように全然税関のないいわゆる消費、居住の自由なる制度、それから消費を許さない中継貿易だけを許可しているフリーポートとあるいはフリーゾーンと二つあるのでありまして、この点は利害得失をとくと研究して、もしそういう必要があるならば、そういう制度も後日研究を要するのでありますが、この際一月一日を期してもしくはそれらの期日を期して、必ずその制度をつくらなければ委託加工貿易ができないものでもないのでありまして、さしあたつては従来のそういう制度を活用しまして、御不便がないようにいたすつもりであります。     〔委員長退席永井(英)委員長代理着席
  19. 前田正男

    前田正男君 その前におきましても委託加工制度はできますが、輸出入原則的な民間貿易自由貿易という線に持つて行きますと、どうしても自由港というものを私たちは考えて行かなければならないと思つております。これにつきまして現在までの各方面との折衝の経過等がもし言明できるならば、どの程度見通しであるということをお話願いたいと思います。
  20. 伊藤八郎

    伊藤説明員 これは経済安定本部を中心にしまして、大蔵、通産その他の関係省が集まりまして一応の研究案を得ておるのでありますが、ただちに今度の本法案の措置と同時に施行しなければ、非常な不便があるという程度ではないのでありまして、大体私の聞き込んでいる程度におきましては、日本においてもし自由港、いわゆる自由地帯制度というものを創設するならば、ただいまのアメリカにおけるフリーゾーン・システムにならつて中継貿易に規定し、ただいまのところはその地帯内において製造をするということは好ましくない。やはり従来の工場制度もしくは保税工場制度、あるいはもどし免税制度によつて、その加工貿易を助長しようというふうな考えのように承つております。
  21. 前田正男

    前田正男君 この自由港は近い機会に設定されるというふうに、われわれは希望していいものであるかどうか。その点について最近の機会に実現する見込みがあるかどうか。こういうことについて……。
  22. 伊藤八郎

    伊藤説明員 一応事務関係官において協議しておる程度は、ただいま私が申し上げました程度までであると私記憶いたしておりまして、さしあたつて急速に実現されるかどうかということについては、私まだ関知しておらないのであります。
  23. 前田正男

    前田正男君 それでは私の税関の話はこれだけにいたしたいと思いますが、ただ一言昨日の質問の中で、建値の自由ということで、CIF輸出及びFOBの輸入ができるということを、外国為替管理委員から御説明がありまして、私たち非常に喜んでおるのでありますが、これに伴つて日本商社保険会社がこういう輸出入の航路に対してかけることができるかできないか。これについてお答えを願いたいと思います。
  24. 奥村竹之助

    奥村(竹)政府委員 日本側保險会社外貨建海上保險も、同様にこの十二月一日から実施できるようにただいま準備を進めております。
  25. 前田正男

    前田正男君 まことにけつこうだと思つております。次に同じことでありますが、日本の船は現在外国船を利用することになつておりまして、日本船を利用できないのでありますが、この船運賃の点にについて今度は日本側外国船をチヤーターする、あるいは日本商社外国商社に対していろいろと船の申込みをして、日本商社においてCIFとしてのフレートの計算ができますかどうか。この点についてお伺いいたします。
  26. 奥村竹之助

    奥村(竹)政府委員 今の御質問日本商社外国汽船会社外貨運賃を佛い得るかどうかということだと思いますが、それはできるのでありまして、その方法は外国船会社から運賃請求日本輸出業者に参りましたときに、その運賃CIFの契約でカバーされておる。それに対してCIF信用状が来ておるということを銀行運賃請求書に証明をしてもらいます。そうしてその運賃請求書をもつて外国為替管理委員会の方から外貨外国汽船会社支拂う、そういう建前運賃支拂いができることになるように準備いたしております。
  27. 前田正男

    前田正男君 ただいまのお答えで大体わかりますが、ただ一つ、外国船日本側がチヤーターするとか、日本側においてそういう船を利用するとか、または日本の船を利用する、こういうふうな問題が貿易上非常に大きな問題でありまして、かねて政府の方で交渉しておられるように聞いておりますが、それについてお話願いたいと思います。
  28. 武内龍次

    武内説明員 ただいまの御質問のうち日本の船を外に出すという点は、個個の場合場合によつて日本の船を動かしております。大体インドとかいう方面にはこちらの船の動かせる程度でかなり動かしております。外国の船をチヤーターして動かすという点はこれは運輸省の方の所管でありまして、私からお答えするのにどうかと思いますが、私どもの知つておるところではあまり進展しておらない、こういうふうであります。
  29. 前田正男

    前田正男君 大体私の質問はこの程度で終わります。
  30. 川上貫一

    川上貫一君 ちよつと簡單なことを聞きたいのです。為替関係については従来は為替管理委員の方ではタツチしておらぬので、その内容はわからなかつたという御答弁がほかの委員会であつたのであります。この外国為替特別会計法附則の第四條によりますと、「経理政府に移管されたものについては」という文句があるのでありますが、これはどういう意味でありますか。これをちよつとお聞かせ願いたい。
  31. 大久保太三郎

    大久保説明員 ただいまの御質問に御引用になりましたのは、外国為替別会計法の第四條でございますか。
  32. 川上貫一

    川上貫一君 もしそこに條文が適合しませんければ、私の問うておることはこういうことですからお答え願いたい。為替経理については、従来は為替管理委員会の方では取り扱つておらなかつたということなのでありますが、為替経理については為替管理委員会に移してしまうのか。この條文によると「政府に移管されたものについては」とあるのでありますから、一部が移るのか。そうすれば移らぬものがあるのか。移らぬものは何か。これをお聞きしたい。
  33. 大久保太三郎

    大久保説明員 ただいまの御質問をめぐる問題のようでございますが、ここの附則第四項にうたつております「政府に移管されたものについては」というのは、司令部で管理されておりまするいろいろな勘定の中で、私ども商業勘定につきましては移管されることを大体よそうしておるわけでございまして、そのほかの、たとえばガリオアの勘定であるとか、イロアの勘定であるとかいうものにつきましては、この会計から除外されるという趣旨でございます。
  34. 川上貫一

    川上貫一君 そういたしますと、商業勘定については全部為替管理委員会に移管される、こう承知してよろしゆうございますか。
  35. 大久保太三郎

    大久保説明員 ただいまのところ、そういう期待を持つておるわけであります。
  36. 川上貫一

    川上貫一君 政府の方の期待だけであつて、実際はどうなるものか、はつきりわからないのですか。
  37. 大久保太三郎

    大久保説明員 それにつきましては、昨日来申し述べておりますが、そういう移管の場合があるということを私ども期待しておるわけであります。それ以上のことは私どもといたしましてはわかりかねるのであります。
  38. 川上貫一

    川上貫一君 移管されなかつたならば、その移管されなかつた部分為替委員会は握れないということになりますか。そう解釈してよろしゆうございますか。
  39. 大久保太三郎

    大久保説明員 大体移管されることを期待して私どもはこの法案を用意しておるわけであります。それ以上のことにつきましては何とも申し上げかねます。
  40. 川上貫一

    川上貫一君 期待がどうなるか答弁できないというお話ですが、為替委員会がこれを手に握りませんと、この管理法ができましても、為替というものが日本の手に移ることはできない。これができなければ、いくら閣僚議会をおつくりになつてやられましたところで、やはりどうもならぬと思うのです。そこで為替所有権ですが、これは一体どこに属することになつておりますか。
  41. 大久保太三郎

    大久保説明員 為替所有権と申されますが、この外貨を獲得いたしますのは、日本輸出によりましてその業者が獲得するわけでございますが、ただいま私どもの構想しておりますのは、為替集中制度によつて政府為替を買い取る。従つて集中しました範囲においては、その外貨政府所有権に属するということになるのであります。
  42. 川上貫一

    川上貫一君 その点は大体了解いたしましたが、もう少し疑問の点がありますから、あとでお聞きしたいと思います。  第二の問題は、日本に支店を持つている外国銀行は、今度できます外国為替特別会計法適用はもちろん受けない。そのほかの法律適用も受けないと思うのでありますが、この外国銀行相当国資金を持つているはずなのであります。政府の方ではこの外国銀行はどのくらいの国資金を持つていると思つておられますか。この点をちよつとお聞きしたい。
  43. 大久保太三郎

    大久保説明員 日本にある外国銀行その点については大蔵省の方が御担任のように存じますが、大蔵省の方がただいまお見えになつておらぬようでありますから、お見えになりましたら、その点について御答弁申し上げるようにいたしたいと存じます。
  44. 川上貫一

    川上貫一君 それは大蔵省でなければわからぬというお話でありますから、この際はやめます。  そういたしますと、これは相当あると思うのでありますが、外国銀行円資金を持つておりまして、これで仕事ができるわけなんでありますけれども、その事は日本の国の方からは、どこで統制することになるのですか。これは自由にやれるのでございますか。そこは、この法律ができたあとはどうなるのでありますか。
  45. 大久保太三郎

    大久保説明員 ここにあります外国銀行は、司令部の免許のもとに営業をしておるわけでありまして、ただいまのところは、日本の法制によつて外人が規制されるという関係にないものと存じます。しかしながら将来この法律ができました後に、司令部の方で、あるいは銀行をこの法律の趣旨に従つて営業するように、何らかの指示が外人に対してありますれば、この法令によりまして、日本側銀行と同様の立場において規制されるということがあろうかと存じております。
  46. 川上貫一

    川上貫一君 よくわかりましたが、そうなりますと、この外国銀行は、管理委員会の方ではつかぬのでありますから、外国銀行国資金を持ちまして、そうし為替操作をすることは管理委員会ではつかめないことになる。こう解釈してよろしゆうございますか。法の改正がない限りは……。
  47. 大久保太三郎

    大久保説明員 法律の改正をまちませずとも、この法律に従つて外国銀行も規制されるというふうに、司令部の方でもその間の措置をとられるものと、私ども期待しておるわけであります。
  48. 川上貫一

    川上貫一君 それは法のどこにありますでしようか。どうもこの法を見ては、これは絶対にないと思う。この法でに外国銀行為替管理委員会が握ることができないと思うのですが、できるのですか。この点をはつきりさせていただきたいと思う。
  49. 大久保太三郎

    大久保説明員 もちろんこの法律日本法律でございますから、そこまで——外人まで規制するというふうなことは書いてないわけでございますが、日本にこの法律ができましたならば、この法律に従つて外国銀行も同様の措置を受けるということを、ただいま繰返して申しますように期待いたしております。     〔永井(英)委員長代理退席、委員長着席〕
  50. 川上貫一

    川上貫一君 期待なさつておるのでありますが、そういたしますとそれが十分に行かなかつたら、外国銀行が取扱う分の貿易は、管理委員会の手をくぐらないで済むということになるのでありますが、期待がそう行かなければそうなると解釈して間違いありませんか。
  51. 大久保太三郎

    大久保説明員 この法律外国為替銀行という章がありますが、それの第十條に御質疑の点の規定がございまして、ここに外国為替業務を営む銀行というものは、内外の銀行を包括して規定されているわけであります。これでもつて外国銀行日本法律に従いまして、この管理法の統制を受けるということになつております。ですからこの規定が発動されますならば、外国銀行も当然これによつて規制されるということになります。だから昨日説明をいたしたと思いますが、この第二章の規定が発動されまするならば、この規定によりまして、外人も統制を受けるということになるわけであります。
  52. 川上貫一

    川上貫一君 それはちよつと合点が行かぬのです。ここに、たとえば外国為替管理委員設置法によつても、第四條の十号に「外国為替銀行」とあります。これに国内銀行、国内のいわゆる外国為替銀行というのがこれに属すると思うのですが、これは外国銀行まで全部含むのでありますか。
  53. 大久保太三郎

    大久保説明員 さようであります。
  54. 川上貫一

    川上貫一君 私の質問は一応これでとどめます。ほかの同僚委員の方の御質問もたくさんあると思いますから……。
  55. 小野瀬忠兵衞

    小野瀬委員長 ちよつと申し上げます。委員の御質疑のうちで金融に関する御質疑がありましたならば、ただいま通商振興局長のかわりに前野経理部長さんがお見えになつておりますので、この際御発言を許します。
  56. 志田義信

    ○志田委員 これは午前中にもお尋ねを申し上げたのでありますが、担保の提供の場合におきまして、五〇%ということをきめないで、一〇%、二〇%あるいは三〇%という方法をとるのだというお話がありましたが、大体そういう基準があるかどうか。あれば承りたい。
  57. 武内龍次

    武内説明員 輸入の場合の担保の金額につきまして、五〇%以下ということを、たしか私どもの方から差上げました要綱か何かの中に書いてあるかと思いますが、これはたびたび申し上げましたように、五〇%は一番高い場合でありまして、それより実際はずつと低くなるだろう、こういうふうに考えております。大体五%に行くか、あるいは一〇%とかいうようなものになりはしないかと思いますが、そういうものを決定いたしますことは、閣僚審議会がこれを決定するということになつております。ただ通産省としましては、これの但保をこういうふうに必要とします理由は——一番の必要な理由は、輸入為替の方は取得するわけでありますが、そのあとで何らかの理由で輸入を実際やらないということになりますと、貴重な外貨というものの為替が遊ぶことになります。また輸入が遅れるために種々国内の経済がうまく行かないことになる。それを防止するのが第一の目的であります。そのほか同じことになりますが、何かもうけてやろうというもので、投機的に非常にたくさん無責任な輸入申込みが殺到するのを防ぐという考えであります。従いましてそういう見地から、今後閣僚審議会においてどういう物資には何パーセントがいいだろうということを、審議して決定されるわけでありますが、一つの考え方としましては、額が非常に大きくなるもの、たとえば一万トンの小麦なり何なりを輸入するというときに、それに対して五〇%とか二〇%というようなことになりますと、何千万円というような金を注ぐことになります。またそれを輸入業者にとつてみますと、二〇%とか一〇%でなくても、そういう大きな輸入をやるときには、五%でも非常に痛いことになりますので、そういう場合には非常に大きな但保は、金融の方面もありますので必要はないのじやないか。また逆にこれは資金の為替の種類にもよることでありまして、アメリカから少額の為替で何か物資を入れるというような場合、ほかのたとえばオープンアカウントで買い入れるというようなときには、貴重な外貨であるということにもなりますし、また額も比較的大きくない場合には、そういう無責任な投機的な輸入の申入れを避けるために、比較的パーセントが多くなりはしないか。こういうような事情を勘案いたしまして、適当な率に定められるようにいたしたい、通産省ではこういうように考えております。
  58. 志田義信

    ○志田委員 銀行が受付をいたします場合に、銀行の窓口だけで業務が遂行できるように取扱つていただきたいと私は思うのでありますけれども、そういう場合銀行はたとい担保が大分あると見ました場合においても、なおかつ外貨予算のわくがあるかどうかということを為替委員会に照会して、そうして承認を求めなければこれを許すことはできないのではないかと思うのでありますが、その点はいかがでございますか。
  59. 武内龍次

    武内説明員 今の御質問は、銀行のわくがあるかないかについて、為替管理委員会に聞く必要があるだろうという御質問でありますが、これは大体において二つに考えていただいていいのだと思うのでございます。一つに割当を受けた場合でありますが、この場合には通産省としましては、予算の範囲内で外国為替委員会ともいろいろ事前に連絡をいたしまして、割当をいたすわけでありますから、一々外国為替委員会に問い合せる必要は実際上ないことになります。もう一つの早いもの勝ちの方の制度におきましては、これは先着順ということになりますので、たとえばかりに十人の限度までみな申し込んで、それで一ぱいになるという場合には、十一人、一二人目には割当てはないわけでありまして、そういう意味において外国為替委員会に照会をいたしまして、まだ一人分余つておるということならば銀行によつて認証される、こういうことになるわけであります。
  60. 志田義信

    ○志田委員 ただいまの御説明は、おそらく個別割当の場合の輸入許可の認証を與えるだろうと私は思うのでありますが、つまり外貨予算のわくがあるかどうかを為替委員会に照会しまして、銀行がこれを承認するということなのでありまして、銀行がこの申請を拒否するということもあり得るのではないかと私は思うのですが、そういう場合はいかがでございましようか。
  61. 奥村竹之助

    奥村(竹)政府委員 銀行はその申込者が経済的の理由で取引を希望しないというような場合に、それを拒否することにあるだろうと思います。
  62. 志田義信

    ○志田委員 そういう場合は拒否されつぱなしのものですか。それともそれに対してまた為替委員会為替のわくがあるということによつて、他に方法を講じてやる考えが当局にあるのですか。
  63. 奥村竹之助

    奥村(竹)政府委員 それは外国為替銀行はたくさんございますから、ある一つの銀行へ取引を希望されなくても、ほかの銀行でやはり申請をする。銀行が受付けました以上は、為替管理委員会の方へ照会して、外貨予算があれば必ず許可しなければならないのでありますが、申込みを受付けるか受付けないかの採択は銀行の裁量にまかす。銀行の数がたくさんありますから、いずれか自分の取引のある銀行へ行けばいいわけであります。そういう考えであります。
  64. 志田義信

    ○志田委員 この問題は少し具体的にお尋ね申し上げますが、外貨予算で定めた仕入先変更の場合と、輸入者が個別的に輸入限度を超過して輸入しようとする場合の、二つの場合をお知らせ願いたいと思います。
  65. 武内龍次

    武内説明員 二審目の輸入限度を越えて貨物を輸入しようというお話であります。輸入限度と申しますのは、一定の品目について一人の者がこの期間にどのくらいまで入れていいか。たとえば十万トンの鉄鉱石を入れる場合、早いもの勝ちで入れる場合に、一人は一万、これに外貨の額によると思いますが、一〇%まで輸入していいという場合に、何か特別の理由でそれ以上に入れたい、あるいは船の方の関係であるとか、その他の関係なんかで、ある一つの輸入業者がこの限度を越えて入れたいというときは、通産大臣の許可を要するということになつております。  一番目の御質問の仕入先をどれほどまで予算で決定して発表が行われるか、これは問題でありまして、なるべくならばどこからでも入れたいところから仕入れられるように予算をつくり、公表をいたしたいという考えでありますが、これは為替の種類によることでありまして、ポンド地域から入れることになつているものを米ドルを使つて入れる、あるいはオープン・アカウントで入れるはずになつているのを、ポンドで入れたいとかあるいは米ドルで入れたいということになりますと、これは外貨予算のつくり方によるのでありますが、ほとんどこれは予算の変更ということになるのでありまして、これはやはり予算の変更がなければ実行することができない、こういうことになると思います。
  66. 志田義信

    ○志田委員 そうしますと、対外収入の場合とにらみ合せまして、対外支拂いを最も有効に、しかも十分の予備金をもつてこの外貨予算は作成する要があると私は思うのであります。もちろん政府当局におかれましても、その点を御考慮なさつておることと思いますが、この予算原案の作成は大蔵省がなさるのでありますか、安本がなさるのでありますか、通産省がなさるのでありますか、お尋ねいたします。
  67. 西村久之

    ○西村(久)政府委員 本件は昨日も申し上げたのでありますが、安本が作成いたすのであります。
  68. 志田義信

    ○志田委員 ただいま安本が予算原案を作成するというお話でありましたが、この予算原案を作成された責任はやはり安本が負うのでありましようか。閣僚審議会で持つのでありますか。
  69. 西村久之

    ○西村(久)政府委員 安定本部では原案を作成するのでありまして、作成いたしました原案は閣僚審議会へまわして、閣僚審議会をして決定するということに相なるのであります。
  70. 志田義信

    ○志田委員 そういう場合予備金を持つだろうと思いますが、その予備金はこれによりますと、通常と非常時の予備金というふうに設定されるように見られるのでありますけれども、これはもちろん資金の弾力ある運営のためにそういうことをなさるのだろうと思いますが、この外貨予算の予備金がもし最初予定されたものよりも、対象支拂いにあたりまして非常に不足したというような場合、業者に與える相当の被害が予想されるのであります。そういう点はいかがでございますか。
  71. 西村久之

    ○西村(久)政府委員 本法にも明記してあります通り、十分なるゆとりをつけて予備金をとり、なお非常時のものをとるようになつておるのであります。突然かわつた国際的の変動等が生じない限りは、それにまかない得るという確信を持つておりますが、経済情勢変化あるいは戰争の勃発というようないろいろな不慮の場合に際会いたしました際には、また予算の更正も可能ではなかろうかと存ずるのであります。
  72. 志田義信

    ○志田委員 ただいま配付していただきました政令案の要綱を拜見いたしましたが、この行政機関の意見に対しまして不服のある者は申立てを願いまして聽聞会において聽聞費をつくるということができるのでありますが、聽聞会の構成はやはり政令で定められるものと思うのでありますけれども、いかがお考えになつておりましようか。
  73. 西村久之

    ○西村(久)政府委員 聽聞会と申しますのは、不服申立ての当事者またはこれに関係する人の聽聞をするということに、私どもとしては解釈いたしておりますが、お尋ねの点をもう一回はつきりお願いいたします。
  74. 志田義信

    ○志田委員 聽聞会の構成がどういう構成になるかということを、お尋ね申し上げておるのであります。当事者が入るというお話でありますが、そのように了承してさしつかえありませんか。
  75. 西村久之

    ○西村(久)政府委員 当事者は参加するということに御承知をお願いいたします。
  76. 志田義信

    ○志田委員 本法案を見てみますと、外国為替管理法と相違のないような状態でありまして、特に制限及び禁止の第五章等は、まつたく同様なるものではないかと思うのでありますが、この点についての政府の御所感を承りたいのであります。
  77. 伊原隆

    ○伊原政府委員 相当の弾力性がございまして、ほとんど外国為替取引に関連いたします事項、取締りの対象といたしております点につきましては、現行の為替管理法とかわりがないのでありますけれども、あれは戰前につくりました法律でございまして、主としてドイツ法系の系統をとつております。今回の為替管理につきましては国際的の慣行に従いまして、先般のはたつた六條であつたと思いますが、今回のは七十條以上にもなつております。英国のが四十条、オランダのも三十八條と思いますが、日本法律といたしましては、一面急転する国際情勢に対応いたしますように、弾力性がございますと同時に、できるだけ詳しく規定をするという方針のもとに規定せられております。
  78. 志田義信

    ○志田委員 これは午前中も私質疑申し上げたのでありますが、本法案の内容を拜見いたしまして、私もたいへんけつこうだと思つておるのでありますけれども、国際通貨基金の代表のムラデツク博士が、大分これに指示を與えられたということが新聞にも見えておるのであります。この法案によつて外貨の取得が蓄積され、民族資本が相当多く蓄積される場合におきましては、講和会議を別といたしまして、日本のブレトン・ウツズ協定に参加する態勢が整えられ、また参加でき得る状態になると政府はお考えでありますか。お尋ね申し上げたい。
  79. 伊原隆

    ○伊原政府委員 ただいまお示しの通り、この法案の作成にあたりましては国際通貨基金のムラデツク氏、ウイツチン氏等の指針によるところが相当多いのであります。御存じのように現在国際通貨基金に加入しておる国でも、アメリカ、パナマ、メキシコ、グアテマラ、サルバドルでありますが、ほんの五箇国か六箇国を除きまして、ほとんどみんな為替管理をやつております。為替管理ということは国際通貨基金の基本観念から申しますと、望ましくないことでありますが、現在の情勢上やむを得ない。この法律の中にも先刻も申し上げましたように、第二條においてこういう為替管理というふうなことはだんだんとやめて行くというふうなことも、これは国際通貨基金の原則に従つた点でありまして、その他為替は單一でなければならない、それから自己資金取引が裁定相場から百分の一以上の開きがあつてはならないということは、いずれも国際慣行に従い、かつ国際通貨基金の原則に従つたものでございます。オーストリーは講和條約前でありますが、国際通貨基金に加入をいたしております。わが国といたしましてもそういう状態が来ることを念願をいたしておる次第でおります。
  80. 志田義信

    ○志田委員 ただいまのお話はたいへんうれしく拜承いたしたのであります。さような国際通貨基金への参加についての建前もよくわかりますが、この為替貿易管理によつて、講和会議に伴つて将来生ずるであろうことを予想されるところの、対日援助方式が切りかえられるのではないかということに対する何かお含みがありましたならば、この機会に拜承いたしたい。
  81. 谷林正敏

    谷林政府委員 特にこの法案と関連いたしましてそういうことがあるのではないかということは、今のところそういう予想はしておりません。
  82. 伊原隆

    ○伊原政府委員 ちよつと補足的に申し上げますが、ただいま御承知のようにガリオア、イロアというものによりまして、米国から相当の援助を受けております。これらの金額につきましては、だんだんにわが国としても減らして行かなければなりません。米国としても減らして行くことになることは私どももしばしばし警告を受けております。従いましてこれが減りました際に、国際収支を均衝させるということにつきましては、非常な努力がいりますので、この法案においても、外国為替の予算をつくつて均衝させる。実体的におきましては、この法案の中にございますように、外債を募集するというようなことも考慮しておるわけであります。
  83. 志田義信

    ○志田委員 御親切な答弁を感謝いたします。最後に本法案の中にある外国為替予算が、三箇月分の輸入為替品目外貨額、仕入地を示された場合に、品目別に区別できないものにこれをどう取扱う御所存でありますか、承りたい。
  84. 谷林正敏

    谷林政府委員 ただいまの品目別に指定のできないものは、私ども今の考えとしては雑輸入と申しますか、そういう品目をつくりまして、それに対して相当外貨為替を予算に計上しておきまして、それを使つて輸入をはかりたい。こういうふうに考えております。
  85. 志田義信

    ○志田委員 雑扱いをするというのですが、一括計上するというふうに了承してよろしゆうございますか。
  86. 谷林正敏

    谷林政府委員 そういうものを一括して相当外貨為替を割当てておいてやる。こういうことであります。
  87. 川上貫一

    川上貫一君 この法律によつて外国為替銀行を入れるというお考えなのでありますが、この法案を見ると、主たる事務所を有する法人となつておるのであります外国銀行は主たる事務所を日本には持つておりません。この法案外国銀行まで含むという法的根拠はどこにあるのか。これをお聞きしたい。
  88. 伊原隆

    ○伊原政府委員 第六條の五号をごらん願いますと、居住者とは、とありまして、非居住者が本部内に支店、出張所、その他の事務所がございます場合、法律上の代理権があるといなとにかかわらず居住者になります。その点から適用を受けるものであると思つております。
  89. 川上貫一

    川上貫一君 そういたしますと、外国銀行日本銀行と同じようにこの法律によつて、この法律適用範囲内では外銀も日本銀行も全部同じように取扱いを受ける。こう解釈してよろしゆうございますか。
  90. 伊原隆

    ○伊原政府委員 この法律外国銀行にも適用し得る態勢を整えております。ただ御存じのように、ただいまわが国に進出しております外国銀行は、司令部のライセンスによりまして、司令部の監督下において、かつ司令部から委託されたと申しますか、司令部の方の仕事をしておる。たとえば連合国軍人軍属の相手方をする。それからリーダース・ダイジエストやモーシヨン・ピクチユアーというふうな司令部によつて本業を許された商社、バイヤーを相手方とする取引を行つておりまして、直接日本人を相手とする為替取引とか、預金とか、貸出しに行つておりません。ただいまの外銀の地位は、司令部の監督を受けて司令部のために営業を行つておりますので、日本法律適用を受けておりません。
  91. 川上貫一

    川上貫一君 それはわかつておるのでありますが、その受けておらないところの銀行が、この法律ができれば受けるのでありますか。
  92. 伊原隆

    ○伊原政府委員 ただいまは受けておりませんけれども関係方面におきましてもだんだんにこの法律適用範囲内に入つて来ることについて努力をいたしておられる、こう了承しております。
  93. 川上貫一

    川上貫一君 さつきの御答弁では、外国為替銀行とは、外国銀行をも含むところの法律であるという御答弁、今の大蔵当局の御答弁によると、だんだんとそういうぐあいにしていただくことを期待しておるということ、これは法律ではどうなるのですか。この法律では外国為替銀行は含むのですか。含まぬのですか。この法律ができたら……。
  94. 伊原隆

    ○伊原政府委員 ただいま申し上げましたように、日本の他の法律もさようでございますが、この法律は、外国為替銀行にも適用し得る法律上の状態を整えております。しかしながらただいま外国銀行については、司令部のライセンスによつて営業をいたしておりまして、日本の法域に属しておりません。従いましてそれが日本法律範囲内に——たとえば銀行法の認可等というふうな問題がございますが、日本銀行法に服しておりません。日本銀行法はもちろん適用し得ることにはなつておりますが、法律上の問題と、実際ただいま日本の法権に服しておるかどうかということとは別個でございます。
  95. 川上貫一

    川上貫一君 わかりました。そういたしますと、今のところでは外国銀行が、自分の持つておりますところの円資金なら円資金を操作いたしまして貿易関係いたしますと、この分は為替管理委員会は握れないことになると思いますが、そう解釈してよろしいか。
  96. 伊原隆

    ○伊原政府委員 ただいま外国銀行等の持つております円資金の額につきましては、相当の額に上つておると思いますが、これは司令部のライセンスのもとにこちらに参つて営業しておつて、先に申しましたリーダース・ダイジエストとか、いろんな会社等の取得いたしました円資金が預けられておるわけであります。これらは向うに送金を認められておりませんので、外銀で預かつておる。その金額は相当に上ると思いますが、これらの使用につきましては、日本銀行に預けまして、または食糧証券、大蔵省証券等を買うこと等だけに限定されております。それからたとえばリーダース・ダイジエスト自身がもうけました円というものは外銀に預けるか、または営業用の資金に使うというだけに、司令部のライセンスによつて限定されております。
  97. 川上貫一

    川上貫一君 今のところの大蔵省のお考えではそういう形になつておりますが、しかしこれは管理委員会が握つておるものじやありませんから、その円資金を活用して貿易方面に動くことは一つもない。こうお考えになりますか。この点ひとつ……。
  98. 伊原隆

    ○伊原政府委員 ただいまお答えいたしました範囲内——ライセンスの範囲内のことになつておると了承しております。
  99. 川上貫一

    川上貫一君 この問題は私は相当つておると思いますが、一応私の質問をこれで打切ります。
  100. 小野瀬忠兵衞

    小野瀬委員長 成田委員に発言を許します。
  101. 成田知巳

    ○成田委員 各委員の御質問がたくさんございましたので、重複を避けてごく簡單にお伺いいたしたいと思います。  先ほどの川上議員と前田議員の質問に関連して確かめてみたいと思います。川上議員が御質問になりまして、第十條の外国為替業務を営む銀行に、外国法人が入るかどうかという御質問に対しまして、先ほど大久保説明員は、これは日本法律だから、外国法人には適用がないのだというような御答弁をなさつたのでありますが、そうじやございませんですか。
  102. 大久保太三郎

    大久保説明員 私の先ほどの説明が不明瞭であつたために、御質問が起つたのかとも思いますが、この第十條の規定は、内外の銀行を問わず、外国為替業務を営む銀行全部を含む規定であります。
  103. 成田知巳

    ○成田委員 第十條の規定は、内外の銀行すベてを含むという御答弁があつたのでありますが、先ほど伊原理財局長の御説明では、本法の適用は受けることにはなつておるけれども、事実上これらは法外になるのだ、こういう御答弁があつたと思います。それに対しましてただいまの大久保さんの御答弁では、第十條が発動された場合には、当然外国銀行もその適用を受けるのだ、こういうことになつております。そういたしますと、伊原さんの御答弁によりますと、第十條が発動されても、この法律外に残つておるというようにも考えられますが、その点どちらが正しいのでありますか。
  104. 大久保太三郎

    大久保説明員 あるいは御質問が生じたかとも存じますが、私の先ほど申し述べようとしましたところは、伊原局長の御説明になりましたところと同じでございまして、この法律では、日本側銀行及び日本にありまする外国銀行すベてを含む規定でありますけれども、ただいまのところ日本にあります外国銀行は、先ほども私申し上げました通り司令部のライセンスのもとに営業しておるのでございまして、日本の法制のもとには服していないわけであります。ですから今後この法律ができましたしあかつき、司令部の方の何らかの措置によりまして、だんだんこの法律の規定によつて外国銀行も規制を受けるということを期待しておるわけであります。必ず総司令部関係方面におきましては、こちらにある外国銀行もこの規定によつて規制を受けるというふうに、措置をなさることを期待しておるわけであります。
  105. 成田知巳

    ○成田委員 ただいまの御答弁によりますと、第十條の適用を受けるように総司令部が措置することを期待する、こう言われたのでありますが、その期待に反した場合に、たといこの第十條が来年の三月三十一日までに発動されましても、大蔵大臣の認可を要せずに、外国銀行というものは自由に為替業務を営むということになるわけでありますか。
  106. 大久保太三郎

    大久保説明員 ただいまのは、そういう仮定のもとにどうなるかという御質問のようでございましたけれども、私どもとしましては、この法律ができましたならば、必ず近い将来において、外銀もこの法制に従うように措置されるということを固く信じておるわけであります。
  107. 川上貫一

    川上貫一君 関連してお伺いいたしたいと思いますが、ただいま他の同僚委員の方から御質問がありましたが、このことについて一言言うておきたいと思う。私はさつきからそのことを聞くために質問しておつたのです。これは非常に重大な事件であります。ところが為替管理委員会の方の御答弁によりますと、国会議員が知らぬと思うておられるのか、いいかげんなことを言うておけばよいと思われるのか、これはまつたく適用されますかという念押しをしたら、その通りでありますとはつきりお答えなつた。そこで私は質問を一応打切りまして、他の同僚委員の方に御質問を願つて、そうしてあらためて聞いた。そうしたら、これはそうしてもらうんだということになつてしまつた。もし私が二へん聞きませんならば、この委員会は、この法律が施行されると同時に外国銀行にも適用されるのだ、こう承知してわれわれは審議することになる。こういう答弁は不親切きわまるものだと思う。この為替管理法というものは、日本貿易にとつては実に重大な法律だと思う。私は討論するのではありませんけれども、ことにこれは日本の今後の貿易にとつて、ある意味においては死活を決するようなきわめて重大な法律だと思う。われわれの見解では、この法律は、一面においては貿易資金特別会計、それから為替に対してはこの法律、この二本建の法律であると私は思う。それで私などは政党政派を越えて、日本の産業のため日本貿易のために、ほんとうに審議しなければならぬというので、委員長にもたびたび話をして、愼重に審議してもらいたいということを申し出てある。しかるにこういう不親切な答弁をなさるということは、将来愼んでもらいたい。なぜ初めに、実はこうなるのだということを説明していただけないか。話を聞いてみると、結局適用できない。これは初めからわかつておる。何も知らないのではない。そうだろうと思つて私は質問しておる。こうなりましたら、どうなります。外国銀行為替業務を取扱う。これは握れないことになつてしまう。これが円資金相当つて操作いたしましても、為替管理委員会握れないことになる。ここを私は言うておるのです。これと、金利の関係その他で外商の進出というような、いろいろの條件を持つておる外人の制覇、これによつて日本貿易業者は手も足も出ず、勝負に負けてしまうことになるのではないか。このことをきのうから私は質問をしておる。そのことがここで明らかにできた。私はお願いいたしますが、どうか政府答弁は、一時限りの言いのがれの答弁でなくて、われわれも大衆の代表として出て、真劍にやつておるのでありますから、ごまかすようなことを言わないで、まじめに、ほんとうに損ともに審議をするような態度でやつていただきたい。きようの御答弁によつて、私はこの法律がきわめて危險な法案であるということを聞き得て、今後の審議の上に非常に参考になつたと思います。この点だけ特に私はつけ加えて申し上げておきたい。
  108. 伊原隆

    ○伊原政府委員 現在の外国銀行の地位につきまして、もう一度ちよつと簡單に御説明いたしますが、外国銀行は、ただいま十行来ておりまして、司令部のライセンスを受けて仕事をしております。その仕事は直接日本人を相手とする為替取引とか、預金とか貸出しを全然行つておりませんので、いわば司令部のために仕事をしに来ておるというようなかつこうになつております。従いましてただいまの銀行法等の適用は受けていないのであります。その具体的な仕事は、連合国軍人、軍國を相手方とする取引、バイヤーを相手とする取引、それから、ライセンスを受けた外国の事業者との間の取引だけをやつております。為替等につきましてもただいま外国為替は全部司令部勘定になつております。コマーシヤル・アカウントも何もスキヤツプ勘定でございます。そこに振り込む仕事司令部のためにやつておる、こういうステータスにございます。従つて銀行法の適用は受けておりません。それからただいま御審議つております法律適用もすぐには受けていないのでありますが、だんだん外貨の記帳というようなことも為替管理委員会がやつておりますので、外貨の管理運用ということが日本側に移管されるという段階も近いと思いますから、それらに即応してこの外国銀行というものが、この法令の中に入るということを期待しておるのであります。
  109. 成田知巳

    ○成田委員 ただいまの伊原理財局長の御答弁によりますと、現在の外国銀行司令部関係のみの仕事をやつておる。この意味において本法の適用を受けていないというのですが、これを逆に解釈いたしますと一般貿易業務を行うためには、本法の適用を受けなければならぬと解釈してよいのですか。
  110. 伊原隆

    ○伊原政府委員 今申し上げましたように為替がスキヤツプの勘定にただいま全部入つて参るわけであります。それらの記帳の移管は十一月一日からでありますか、始めております。それらの運用管理の問題が日本側にだんだん移管されて来る。それらに伴いましては、結局外国為替管理委員会の活動の範囲内に入つて参ります場合においては、当然この法律の趣旨に適応するようなことをやつてもらわなければならぬ、こう考えております。
  111. 成田知巳

    ○成田委員 勘定がスキャツプの方から日本政府に移管されると同時に、本法の適用をだんだん受けるようになるだろう、こういう御答弁であつたのですが、実質的に日本人との貿易業務を外国銀行がやるような場合に、本法の適用を受けるかどうか。本法の適用なくして外国銀行日本人との貿易をやれるかどうか伺いたい。
  112. 伊原隆

    ○伊原政府委員 これはできないと思います。たとえば貿易業務のみならず、日本に営業権を持つておるとか、日本人に資金の貸出しをいたします場合におきましては、この為替管理法適用を受けるということが必要であろうと思います。
  113. 成田知巳

    ○成田委員 前田君の質問に関連して御質問いたしたいと思います。関税問題ですが、先ほど税関部長の御答弁によりますと、関税制度の全面的な改正を考えている、こういう御答弁がありまして、その中に日本輸入関税が高いのは、ぜいたく税などがあるからだというような御答弁があつたように思うのであります。現在ぜいたく税にかけられておる十割というその税率を下げる御意向があるのですか。
  114. 伊藤八郎

    伊藤説明員 ぜいたく製品につきましては、大体においてこれを下げようといたしております。
  115. 成田知巳

    ○成田委員 どの程度に引下げるのですか。
  116. 伊藤八郎

    伊藤説明員 諸外国から見て非常識でないという程度まで下げたいと思います。
  117. 成田知巳

    ○成田委員 それから現在ガリオア資金で買いつけておりますところの食糧が、一般商業勘定に移されるというような話を聞いておるのでありますが、それ以外に食糧輸入について税関部長はどういうお考えを持つておりますか。
  118. 伊藤八郎

    伊藤説明員 食糧につきましては今回の議会におきましても、その法律の施行の期日を来年の十二月三十一日まで延期する法案を提出いたしまして、すでに御協賛を得まして、その法律は明後年一月一日から施行することに相なつておりますので、食糧品等は来年一年間は免税をいたして参ることになります。
  119. 成田知巳

    ○成田委員 それからこれも今までの委員会で問題になつた点ですが、輸出入の金融の問題、これについて各委員からの金融措置をどうするかという質問に対して、政府から御答弁があつたのです。私たち聞いておりましても、これで金融措置が完全だというふうには考えられないのであります。これは私の仄聞したところでありますが、この金融措置の一つのやり方といたしまして、対日援助見返資金をこの貿易関係の金融にまわすというような御意向があるやにも聞いておるのでありますが、その点はどうですか。
  120. 山本米治

    ○山本政府委員 対日援助見返資金は、その用途といたしまして第一番が国債償還でありまして、あとは長期設備資金ということになつております。従つて貿易振興のための設備資金ならば、若干産業資金の設備資金の一部として入ることがあると思いますが、運転資金にまわることに絶対ないと考えております。  なお先ほど金融の一般的な御質問がありましたが、輸出につきましては、今度輸出が許可制でなくなりますから、そうしますと今までと手続において若干違つて来ることになりますけれども、貿手方式に関しましては大体従来の方式で行く。契約書を証明書として、従来通りの貿手方式をやるというつもりでありまして、日本銀行のポリシー・ボードでも大体そういうふうにきめたように連絡を受けております。それから輸出手形の買取り資金というのは、今度新しく起こる問題であります。というのは今まで日本側銀行業者から輸出手形、貿手を買いましても、これをただちに外銀に取次ぐだけをしておつたのでありまして外銀にこれを取次ぎまして貿易資金からすぐに支拂いを受けておつた。二、三日間に支拂いを受けておつたのでありますが、今後にほんとうの意味の外貨資金の輸出手形を買いまして、これを外国に送りまして取立てることになるのであります。その取立てられるまでの金融が新たに問題となるのであります。この場合銀行に対してどういう金融方式をするか。この点はつきりきまつておりませんが、銀行に対して日本銀行から輸出手形を外国に送らなければなりませんから、その本物はないわけであります。輸出手形をたとえば十本なら十本まとめまして、これを見返りの担保として日銀から金融をつけるようになるだろうと思います。その金がいつ返済になるかというと、外国で取立てをいたしまして、外国でその金がほんとうに入つた場合に、外貨集中制によりまして、銀行はその外貨代金を為替管理委員会に売らなければならない。そのときに為替管理委員会から円資金をもらいまして、日銀から借りた金を返す、こういうことになります。輸入の方は御承知通り従来全部政府がやつておりました。従つて貿易資金によつて輸入金融はまかなわれておつたのでありますが、今度はこの方が新たに起つて来る金融問題であります。輸入を先ほどのような方式によりまして銀行へ申し出る人があるという場合に、銀行が保証金をとることがあると思いますが、これはもちろんその輸入業者の信用次第でありまして非常に信用があれば銀行信用状開設のために別に保証金をとらないかもしれません。信用のない業者からはよけいとるかもしれません。こういう問題がありますけれども、これは輸入業者輸入に対する信用のためでありますから、その輸入業者が自分の金でこの保証金を積んでもらう。むろん自分の金と申しましても、ほかの銀行から借りて保証金をつくるという場合もあると思いますが、こういうものに元来保証金として出すべきものでありますので、新たに金融措置を考えなくてもよろしいと思うのであります。もう一つの問題は、その輸入を取扱いました銀行が、外国銀行に対して外貨で保証金を積まされるということがあるわけであります。まだ日本銀行外国に参りましても、あまり信用がないかもしれません。場合によれば百パーセントただちに信用状に対する金を積まされるかもしれませんが、まずそういうことはないだろうと思つております。あるいは五〇%か何パーセントかわかりませんが、とにかく輸入信用状を発行する。この信用状の発行のアクセプトに対して、たとえば五〇%の外貨を積めということを、ニユーヨークならニユーヨークで要求されるかもしれないのであります。しかしその場合に銀行が金をたとえば日本銀行から借りて、そうして外国為替委員会から、つまり政府から外貨を買つてこれを積むといたしますと、ここに内外銀行の不平等が起るわけであります。と申しますのは、たとえばここに出ておりますナシナル・シテイーの支店とか、そのほかチエーズ・ナシヨナルの支店とか、そういう外国銀行日本支店の関係になりますので、輸入信用状発行に対する保証金を外国において積まされないだろうと思います。日本銀行外貨の保証金を積まなければならない。外国銀行は積まないでいいということになりますと、日本銀行が非常に苦しい立場になりますので、そういう場合にはどういう処置をとるかということは、今のところまだ決定されておりませんが、日本為替銀行がそのために日銀から金を借りて、為替委員会から外貨を買つて積むということになりますと、金利の二重拂いをしなければならないというかつこうになりますので、その場合には政府の持つておる外貨資金をただで拜借するというような処置によつて、内外銀行の不平等を取除くというような方向を考えておるような次第であります。なお輸入品が着きまして、手形の決済をしなければならないという場合に、輸入業者に対する金融問題、これが今度新たに起つて来る問題のおそらく一番大きな問題だろうと思います。これに関しては他の委員会でも御説明いたしましたが、これは輸出貿手の場合と同じように、スタンプ制によつて日本銀行で何らかの優遇措置を講じよう、こう考えておるわけであります。また輸入は来年一月一日から始まりますので、方式は最終的には決定しておりませんが、大体そういう方向に行くのではないか。むろん輸入が始まりますと、相当輸入金融の額も大きいと思います。また輸出にいたしましても、今後この法律成立によつて貿易の線を太くしようというのでありますから、輸出資金の所要量も従来よりもふえて来ると思います。それに輸入が加わりますので相当金額は厖大になると思いますが、これらに関しましては日本銀行初め政府等において、おさおさ怠りない用意をしておるわけであります。
  121. 成田知巳

    ○成田委員 あと逐條的にお尋ねいたしたいのでありますが、第三條に「閣僚審議会の組織及び運営は、政令で定める。」とありますが、組織の内容について政府の現在持つておる御腹案を伺いたい。
  122. 西村久之

    ○西村(久)政府委員 閣僚審議会の組織は総理大臣を会長とし、関係閣僚を委員とした審議会になると御了承置きを願いたい。
  123. 成田知巳

    ○成田委員 総理大臣を会長として関係閣僚と言われたのでありますが、その関係閣僚の内容を伺いたい。
  124. 西村久之

    ○西村(久)政府委員 通産大臣、大蔵大臣、安本長官というような方々が委員になられると思います。
  125. 成田知巳

    ○成田委員 農林大臣はどうですか。
  126. 西村久之

    ○西村(久)政府委員 農林大臣も加わるものと思いますけれども、どれだけが加わるということはまだ決定いたしませんから、関係閣僚ということに御了承置きを願いたいのであります。
  127. 成田知巳

    ○成田委員 関係閣僚ということになつておりますと、閣僚全部でないということは事実でありますか。
  128. 西村久之

    ○西村(久)政府委員 閣僚全部ではないのであります。
  129. 成田知巳

    ○成田委員 そこで第三條の「外国為替予算を作成する責任を負う機関とする。」というまことに珍しい文句があるのでありますが、「作成する責任を負う」というのは、ただ作成する機関というふうなことでありますか。それとも何だか特別の責任というものを予定されておるのでありますか。
  130. 西村久之

    ○西村(久)政府委員 従前の委員会ではその権限あるいは信用等が非常に鈍いのであります。関係閣僚を委員とした委員会でありますれば、対外的にも信用を増し、権限もまた認められるという意味に御了承置きを願いたいのであります。
  131. 成田知巳

    ○成田委員 昨日の委員会で多分川上委員の御質問だつたと思いますが、外国為替予算について国会の承認を要するかどうかという質問があつたときに、西村政府委員国会の承認が必要ない、こういう御答弁があつたと思います。そういたしますと、この重大な外国為替予算を編成いたしました責任は、どこに負わされるお考えであるか。
  132. 西村久之

    ○西村(久)政府委員 責任は閣僚審議会に属しておると存じます。しかして執行せられますのは為替委員会がやるのでありますから、委員会と閣僚審議会との間にいろいろ議を重ねまして、責任の所在は閣僚審議会に属すべきものだと思うのであります。
  133. 成田知巳

    ○成田委員 責任の所在は閣僚審議会ということですが、それは国会に対する責任でございましようか。
  134. 西村久之

    ○西村(久)政府委員 私は国会に対する責任ということがわからないのでありますが、お尋ねの国会対するという意味を今少しく明瞭にしていただきたいのであります。
  135. 成田知巳

    ○成田委員 内閣及び閣僚の行政権の行使について、すべて最高機関である国会に責任を負うということになつております。こういう経済閣僚並びに総理大臣で構成せられました閣僚審議会が、外国為替予算という重大な予算を編成した、その責任を国会に負うかどうか。
  136. 西村久之

    ○西村(久)政府委員 内閣と閣僚審議会とは別個のものであるのでありまして、内閣のやつた事柄は国会に対して責任を負うでありましようが、閣僚審議会のやつた責任は国会に対して負わないと私は考えます。
  137. 成田知巳

    ○成田委員 そういたしますと、個別の大臣がやりましたこともいわゆる内閣の連帶制の原則に基きまして、国会に対して内閣は責任があるということが憲法上の通念だと思うのでありますが、この閣僚審議会がやつたことは国会に対して責任はない、こういうお考えですか。
  138. 西村久之

    ○西村(久)政府委員 閣僚審議会はいわゆる審議会でございまして、内閣と別個のものであると解釈しております。
  139. 成田知巳

    ○成田委員 どうも私の質問がまずいのかもしれませんが、もちろん内閣と閣僚審議会というものは別でございますが、この閣僚審議会の行つた行政行為については、国会に対して責任をとるのは当然だと思うのです。私がお尋ねしたいのは内閣全体の責任で、一大臣のやりましたことでも、内閣は国会に対して当然責任がある。しかるに内閣審議会がやつた行政行為について、国会に対して責任がないということはおかしいのではないか、こうお尋ねしておるのであります。
  140. 西村久之

    ○西村(久)政府委員 閣僚審議会自体が国会に責任を負うのでなしに、内閣を通して——内閣の承認を得るわけでありますから、責任は内閣に帰属することは御意見の通りになるわけであります。
  141. 成田知巳

    ○成田委員 内閣を通しておやりになるから、当然内閣が国会に対して責任をおとりになる、こういう御答弁で了承したのでありますが、そういたしますと、この閣僚審議会で決定した事項は、当然内閣の承認を要することになると思うのでありますが、明文には出ていない。特に私がお尋ねするのは第七條で、基準為替相場を決定するときに、大蔵大臣が今まで單独でやつていたのを、内閣の承認を得てというように明確にされておる。しかるにこの外国為替予参編成の重大なる使命を持つております閣僚審議会が明文化されていないので、この点を御答弁つておるわけです。
  142. 西村久之

    ○西村(久)政府委員 その関係は、追つて示さるべき政令によつて明らかなることであろうと思います。
  143. 成田知巳

    ○成田委員 次に第十一條の外国為替業務の問題であります。さしあたり、この第十條によつて認可を受ける銀行の数並びに名称がおわかりになつておりましたら、お知らせください。
  144. 奥村輝之

    奥村説明員 ただいま政令三五三号によりまして許可を受けておる外国為替銀行は東京銀行、帝国銀行、大阪銀行、千代田銀行、第一銀行、富士銀行、大和銀行、三和銀行、東海銀行、神戸銀行日本勧業銀行でございます。将来はこれに追加せられるものがあるわけでございます。
  145. 成田知巳

    ○成田委員 ポツダム宣言に基く政令で、今東京銀行以下十社でございますか、これが指定を受けておると言われたのですが、現在指定を受けておる銀行は、すべてこの第十條によつて当然認可を受け得るのだ、こう考えてよろしゆうございますか。
  146. 奥村輝之

    奥村説明員 三五三号によりまして認可を受けておるこれらの銀行は、その認可の効力を引継ぐという措置をする予定でございます。
  147. 成田知巳

    ○成田委員 次に両替所でございますが、両替所として大蔵大臣が認可を予定しておるものがございましたら……。
  148. 奥村輝之

    奥村説明員 両替所はただいま日本交通公社でございます。
  149. 成田知巳

    ○成田委員 現在は日本交通公社でしようが、将来それ以外に認可される予定のものがございましたらお知らせ願いたい。
  150. 奥村輝之

    奥村説明員 現在日本交通公社だけでございまして、将来の問題についてはまだ決定しておりません。
  151. 成田知巳

    ○成田委員 第三章の外国為替予算の問題でございます。予算は公開されると言われておりますが、どの程度に公開されるか。またその予算の編成方法でありますが、新聞紙上なんかで伝えるところでは、国の予算と同じように、輸出の場合は歳入とし、輸入の場合は歳出とする、こういうように予算編成をおやりになるやに聞いておりますが、この公開の限度と予算編成方法について、わかつておる範囲で御説明願います。
  152. 谷林正敏

    谷林政府委員 ただいまの公表する方法でございますが、これは閣僚審議会四半期の外国為替予算をきめ、そのうちの程度を公表するかということも同時にあわせて決定いたしまして、それを通産省を通して公表するというす順であります。でありますから、ある場合には相当よい範囲を公表することもありますし、ある場合には非常に短かい期間を公表するといういろいろなやり方があるわけであります。  それからこれはどういう方法でつくるかというお尋ねでございますが、今後これをつくります対象といたしましては、ドルの資金がどの程度あるか、あるいは入るかということ、あるいはポンド資金の関係、それから各国との協定関係、こういうようなものをすべてしんしやくしなければならないと思うのであります。今後これをつくる上に一番必要なのは各協定関係でございまして、協定で日本に入れ得るものは全部入れる方にしております。出す方も一応輸出の方に考えなければならない。そのほか協定以外のオープンアカウントでやつておるものに、いわゆる輸入輸入だけになりまして、輸入も一応一年間の採算を見なければならない。それからそのほかの勘定、すベての出し入れを一応見まして年間の計画を、これをファンドの関係で申し上げますが、年間の需要がどのくらいかということで、国内の需要並びに輸出の原材料その他と今の協定というような面をしんしやくいたしまして標準をきめる。全需要がきまりますと、これがどういうファンドによつて支拂いができるかというようなことをきめまして、それを四半期にわけますと、それがただいま申し上げました四半期の予算となります。それが最後の決定になりますが、最後の決定になる前に、一応アメリカからの援助資金の関係を知らなければなりませんので、スキヤツプの方面と打合せをいたします。向うでどの程度のものを援助資金に入れられるということがわかると、その援助資金の関係を引きましたあと日本側のオープンアカウントでできるものを、一番先に申し上げましたように区切りまして公告する、こういう順序であります。
  153. 成田知巳

    ○成田委員 次に第四章の外国為替の集中のところで、第二十一條の二号に「本邦内にある貴金属」ということがうたわれておるのでありますが、日本で持つている貴金属、金銀程度でよろしゆうございますから、大略わかりましたらお知らせ願いたい。
  154. 谷林正敏

    谷林政府委員 保有量は大蔵関係でありますから、追つてお知らせ申し上げることにいたします。
  155. 成田知巳

    ○成田委員 次に日本の産金状態をお知らせ願いたい。
  156. 宮幡靖

    宮幡政府委員 ただいま国内の産金は年三トン程度でありますが、先般御審議いただきました帝国鉱業開発株式会員法等の廃止あるいは変更等に伴いまして、別に産金の対策を講じたいと思つております。最近三箇年に年産約十五トン程度に上昇さすべく、ただいま実施に移して行く考えでございます。
  157. 成田知巳

    ○成田委員 最後に輸入限度の二〇%の問題であります。今までたびたび問題になりました担保の率の問題でありますが、輸入担保の五〇%ということについては、各委員からもこれが高率に過ぎるという意見が出ておりますし、本日の公述人の意見を聞きましても、とても五〇%というものは問題にならないという意見がたびたびありました。政府答弁によりますと、この五〇%というものは最高なのであつて、五%あるいは一〇%の場合もあり得る、こう言われておるのでありますが、この際最高を法律で規定される御意見があるかどうか。本法が大体白紙委任状的な委任立法でありますのも、国際情勢に対応するという意味において、一応は納得できるのでありますが、このパーセントの問題は、最初政令で規定されたと思つておりましたところ、政令でも規定されない。通商産業大臣が閣僚審議会の承認を得てその都度きめるということになつておりますので、非常に上下変動があるように考えられるのでございます。従つて最高だけは法律でお決めになつた方がいいのじやないかというように考えるのであります。
  158. 宮幡靖

    宮幡政府委員 これが広汎な委任立法である関係上、せめて五〇%の担保限度を政令なり何かにはつきりする、こういう御趣旨だと思います。その御意見はきわめて適切なものだと拜承いたしましたが、かような広汎な委任立法をいたしましたことにつきましては、すでに提案理由の説明のときに関係から詳しく申し述べたことと存じますが、ただいまの国際経済と言い、国内経済と言い、実に変転きわまりないものでありまして、その場その場にきわめて適切なる措置を講ずる必要がありますので、政令に委任しておる、あるいは命令に移しておるというような状況でありまして、通産省の立場から申し上げますと、本法の六章、七章が直接関係條文でありますが、しかし国会の御審議に訴えるのに、その政令の内容等をお示ししないことは、まことにこれは国会の権威に対して申訳ない、かように考えて、それぞれお手元に、輸出につきましては政令案の輸入につきましては政令案の要綱をお示ししたような次第であります。大体担保制度というものは、ローガン構想から生まれて参りましたものでありまして、五〇%の限度がよろしいか、あるいは二〇%程度にやるべきかというようなことについては、今後担当の研究を要することでありまして、もし二〇%ときめましたことによつて輸入の独占が起るというような場合には、これを五%なり一〇%なり、さらに低く引下げて参らなければなりません。二〇%によつてこれが非常に障害となるような場合には、さらに考慮しなければならぬ。これは閣僚審議会におきまして運用いたしまして、その都度これを検討いたして行くのが妥当であります。特にその信用力の問題もありますが、これは信用の見方にもいろいろあろうと思います。そこで一定の標準を示すべきでないと考えまして、はなはだ不本意でありましたが、明記いたしておらないわけであります。
  159. 成田知巳

    ○成田委員 一応私の質問はこれで終わります。
  160. 小野瀬忠兵衞

    小野瀬委員長 次は米原昶君。
  161. 米原昶

    ○米原委員 先ほど来たびたび問題になつたのでありますけれども、まだはつきり具体的な政府委員説明がのみこめませんので、お聞きするのであります。第一に本日志田委員からその点非常に心配しておられるような質問がありましたが、輸出の資金の問題であります。今までの状態でもことに中小の業者相当輸出資金に困つておつた。それがこういう形の貿易になると、とうてい中小業者輸出業をやつて行けないのではないかというような点から、資金の問題をもう少し具体的に説明してほしいと思う。それから輸入資金についてはさらに大きな問題になると思いますが一体どういうふうにしてやるのか。けさほどの公述人の方も、中小企業は重要物資などについてはとうていできないだろうという意味の公述をされたが、この問題について一体政府はどういう意味の具体案を持つておられるか。これを第一に話していただきたい。
  162. 谷林正敏

    谷林政府委員 これはほかの関係者からもいろいろ御意見があるかと思いますが、とりあえず私の方で考えていることだけ申し上げます。  輸出輸入の金融に関しましては昨日来いろいろお話がありまして、私どもといたしましても、これが非常に重要な問題であるし、ぜひあらゆる方法を考えなければならぬと考えております。それでただいま輸出に関するいろいろな難点というようなお話がありましたが、輸出に関しては、今後この制度があるから特にたいへんになるというおそれは、あるいは多少あるかもしれませんが、その点は少い。むしろ従来あるところがやはり依然として同じようにたいへんであるということがあると思います。この方は一まず貿易手形その他の方法で救えるのではないかと考えております。ただ輸入の方は、ただいま御指摘のように非常に大きな問題を含んでおりまして、ことに従来政府貿易で入つておつたために、一応金融方面のいろいろな困難をのがれておつたのでありますが、これが全部輸入者のプライベートのリスクによつてやらなければならぬ、その計算においてやらなけばならぬということになると、これに非常に難点が多くたいへんなことであろうと私ども考えております。これに大分前から民間輸入を移すということがあつて以来、各業界にも聞きいろいろ策を考えておるのでありますが、はつきりこれがいいというようなことはもちろんなかなか浮ばないのであります。ただ先ほども説明いたしましたように、これを日銀のスタンプ手形で一応扱うということも一つの方法でありますが、それにても各業者の信用というものを越えてスタンプ手形を許すということにあり得ない。過去のようにある一、二の商社が非常に大きい資本を持ち、そうしてそれか対応する場合にはできるのでありますが、現在のように中小産業が多い場合には、お話のようにまことにたいへんでありまして、ことに輸入原料というようなかさばるものは、量においても金額においても非常にたいへんでありまして、これを救う方法は、まず幾つかの輸入業者が一緒になりまして、フアイナンスの上でプールをつくるということも一つの方法ではないかと思うのでありますが、これはほかの事業者団体法あるいは集中排除との関係がありまして、それがすぐ実用できるかということも困難な問題でありますが、そういうことも一つの方法として考えられるのではないか。その他の方法といたしましては、先ほどのスタンプ手形のやり方を非常に効率的に使うとか、あるいは輸入する際に数量をある程度こまかく刻んで、プールと違つておのおの輸入者がわけては輸入するが、注文を一緒に先方に出すというやり方も、一つの方法であると考えます。方法はいろいろあると思いますが、われわれの方といたしましても、各業界の実際問題として、どういうぐあいの方法を希望するかということも聞いております。こちらと業界が一緒になつて、これから大至急考えようということになつていると思うのであります。
  163. 米原昶

    ○米原委員 今のお話通り業界が合して金融を受けるということは、確かに許されないようになつているかと思うのであります。そこで、非常に困難が起つて来ると思いますが、それとは別の問題に移ります。  輸入割当の問題、品目割当、金額割当、それから雑、これは大体こういうようにしてきめることになるのですか。
  164. 松尾泰一郎

    ○松尾説明員 原則は早いもの勝ちの輸入になるわけです。従いまして事前割当をする物資の選択基準なり、その品目について簡単に申しますと、まずその物資の世界的な需給関係におきまして、非常に逼迫しているようなものに、日本側に第一金がありましても十分に買えないわけであります。従つておのずから輸入には限度ができる。従つて日本の国内の需給関係から見ましても、ある程度均衡がとれないということが考えられる次第でありますので、まず第一には世界の供給源において、相当の限度のあるような商品を採用するわけであります。その次はドル地域等から入る物資につきましては、ドル地域の輸出が将来ともそう十分予想されませんので、主としてドル地域から輸入を仰ぐような商品につきましては、おのずから供給力に限度がある。そういうふうに海外の供給源に限度がある。ないし外貨資金の割当に限度があるような物資につきましては、ひいては国内の当該物資の受給関係が緩和するということは望めませんのでそういう物資につきましては真に必要とする需要者にその物を渡すために原則として事前に業者にその物資の割当をいたすわけであります。なお雑輸入というお話がありましたが、この予算の中で具体的にどの品目に幾らというようなぐあいにきめることのできない商品が、相当出て参るわけであります。たとえば機械の部品等についても、どういう機械の部品がどの程度いるかということは、はつきり予側は立たないのであります。そういうものにつきましては一応一括して、幾ら程度というふうな予測を立てているのでありまして、その範囲内において個々の業者の申請があつた場合に、その中から資金の割当をする。また必要な原材料等でありまして、特にその原材料がどつちかといいますと不急不要品であるという場合に、それを早いもの勝ちに輸入いたすということにすると、輸出品をつくる業者に原材料がまわらないというおそれがありますので、そういう商品につきましては輸出品のメーカーに事前割当をする。大体今のところそういうふうな前提をして、事前割当をいたすように考えております。もつともこの品目につきましては審議会で決定されることであります。その他のものは一応早いもの勝ちになることになるのであります。
  165. 米原昶

    ○米原委員 この割当は協定貿易ということになりますと、協定貿易のものを優先的に割当てるということになると了解していいですか。
  166. 松尾泰一郎

    ○松尾説明員 協定貿易のものを優先的に割当てるというよりか、概括的に申しますれば主として協定地域から入るものは、どつちかというと比較的多量に輸入されますので、事前割当の品目には入らない。大体早いもの勝ちの方に入つて行くのであります。今も申しましたようにドル地域から入るものが、事前割当の品目になろうかと考えております。
  167. 米原昶

    ○米原委員 おつしやる通り今度の協定貿易によつて、今までのドル獲得物資がポンド地域に行くということになると、ドル不足になり、おそらく單なる割当だけではできないような状態になり、ドルのクレジツトを受けなければならないようなことが起るのではないかと思うのですが、この点についての御意見を聞きたい。
  168. 宮幡靖

    宮幡政府委員 米原委員の御心配なさる点も一応ただいまとして考えられないことではございませんが、さような状態にならないようにぜひいたしたいと思いまして、せつかく研究をいたしている状態であります。そういうことが参つた場合にクレジットができるかできないかということは、現在の国情といたしまして日本政府がただいま発表いたすべき時期ではないと存じております。あしからず御了承いただきたいと思います。
  169. 米原昶

    ○米原委員 発表いたすことはできないとおつしやいましたが、昨日は相当いろんな抱負を政務次官は述べられたと思うのであります。いろんな国際的な協定にも参加いたしたいような希望も述べられましたし、アジア、マーシヤル・プランができたならば、それにも加盟したいというようなことをおつしやつたのですが、そういうような考えを持つておられるのですか。
  170. 宮幡靖

    宮幡政府委員 希望としてはぜひ持たなければならないと思つております。それで必要なとき、また適当と思う時期にそれぞれ希望の申出は怠らずいたしておる状況であります。
  171. 米原昶

    ○米原委員 ただいまの政務次官の意見はもちろん政府当局全体の意見と考えてよろしゆうございますか。
  172. 宮幡靖

    宮幡政府委員 御念の通り通産省として考えておりますことであります。少くとも輸出が振興いたしまして、日本経済を自立できるような方向に進めるためには、ただいま御指摘になりましたようなただ一つの件のみではなく、すべての貿易をめぐりますことについて、希望なり意見を申し出ることについてはぜひ怠らずやりたい。これが通産省として考えている方針であります。決して宮幡個人の意見でないということは御念の通りだと思います。
  173. 米原昶

    ○米原委員 しかしその点は非常に重大な発言であると思うのです。アジア・マーシャル・プランは大体ドル貨におけるマーシヤル・プランと同じようなものだと思うのですが、マーシャル・プランを受入れるか受入れないかということについて、ヨーロッパに問題が起つた。そうしてこれがいわゆる対立的に現在世界に現われておるわけですが、そのときに日本がアジア・マーシャル・プランに加わることを希望するということは、どういうことを意味するか。こういうものに加わりますと、ヨーロツパのマーシヤル・プランの例を見ましても、これに加わつている以外の国に対する貿易が非常に制限されているわけです。この外為替管理法の中にもいろいろな禁止事項があります。仕向地や商品の種類の禁止事項があります。そういうものに入ることになると、禁止事項をそういう地域に適用されることになり、たとえば中共地区に対する貿易が禁止される、こういう面が当然出て来なければならぬ。この法案に出ておる禁止事項なんか、そういう場合に適用されることになると思います。そうしますとこの前予算委員会で、総理大臣は全面講和を望むということを言われたわけですが、そういう方向に走つて行くと、事実はもちろん全面講和の方向に行かない。そうして日本業者の大多数の望んでおるところの中共貿易も不可能になつて来る。またそういうものを裏づけするようにこの法案ができておるという点を、私は非常に心配するのであります。そういう意味で今の政務次官の言葉は非常に重大だと思いますが、どう考えますか。
  174. 宮幡靖

    宮幡政府委員 前段の米原委員のアジアのマーシヤル・プランに加入するかしないか、希望を申し出るかという点で、何か私がはつきりそういう希望を持つておるのだという前提からの御質問は、その点は少くとも速記録を調べてみまして、次の機会お答えいたしたいと思いますが、ただいまの全面講和が不可能になるとか、あるいは單独講和になるとかいう議論につきましては、予算委員会で米原さんの御発言を末席の方で伺つておりまして、大要承知いたしております。これとても一字一句相違なく記憶しておるわけではありませんから、速記録等を調べましてまた申し上げますが、少くとも希望を申し出るという見解は、現在の日本におきまして輸出貿易なり輸入貿易なり、あるいは経済全体から考えまして不利となる事項は除きまして、有利になると考えられる事項につきまして希望を申し出るのであつて、何でもかんでもそれに参加しなければならないというような意味に、御解釈くださらぬようにお願いいたしたいと思います。今後は輸出貿易の振興ということにとつて若干でも、たとい牛のごときおそい歩みでも一歩一歩歩んで行く過程におきましては、意見も言い御要望もいたしてお願いする、こういうことを私は申し上げておいたわけであります。アジアのマーシヤル・プランができないうちに、こちらが入るということを積極的に考えて、それに入るのだ、——入れば御趣旨のようなそういうことにもなろうと思いますが、これもなるとは私は断定をいたしません。そういう意味で前段の米原さんの前提要件になつております私の申しました発言につきましては、また速記録を調べましてそれに対して適切なお答えをさせていただくことにいたします。ただいま申しますのは、貿易といわず日本の自立達成のため、あるいはあなたのおつしやる講和の問題につきまして、独立が早くできることに少しでも有利なことに対しまする意見はぜひ申し出たい、こういうことでございますから、御了承願いたいと思います。
  175. 米原昶

    ○米原委員 ただいまのは弁解のように聞えますが、これは非常に重大だと思います。マーシヤル・プランがどんなものであるかということは、賢明なる政務次官によく御存じなんです。その弁明とこの法案の内容とが実に符議を合わしている、そう解釈せざるを得ないのであります。この禁止事項と言いますのは、そういう意味で適用されるのではないかということを聞きたいのであります。
  176. 宮幡靖

    宮幡政府委員 それはあくまで米原さんのお考えでありまして、現存私の方でアジア・マーシャル・プランに参加させてくれというようなことは申し入れてございません。状態は先ほども繰返しましたように、日本條件が前進するというものに対しての意見を申し入れることに忠実にやつておる、こういうことを申し上げたわけであります。しかもアジアのマーシャル・プランを、私が賢明か愚鈍かわかりませんが、とにかくよく知つているじやないかと言えば、残念ながら一向に知らぬのであります。私はガリオア資金に通じますところのアメリカの援助資金の内容につきましては、若干知らなければならぬので覚えておりますが、どういう構想でアジアのマーシャル・プランがあてがわれるのか、ただいまそれに対して別に考えておりません。ただ仕向地の問題につきましても、この法案と関連がある、こういうような御意見については御意見として承つておきまして、それが関連があるとか、ないとか、ここで断定できないような状況であります。
  177. 川上貫一

    川上貫一君 ただいまの宮幡政務次官の御答弁は、いつも宮幡政務次官はこういう御答弁をなさるのですが、これはけしからぬと思う。きのうもはつきりとマーシャル・プランに加わることを希望すると言つておられる。これも間違いない。また先ほどもそれを言われた。ところが今度あとになるとそんなことは言つておらぬ。これは不都合なんです。速記録を調べればわかる。責任ある答弁をしてもらいたい。これは大体なめておる。昨日はつきりと言われたことにほかの委員の方も知つておられます。マーシヤル・プランに参加することをわれわれに希望するとはつきり言つたんだ。どうです。言いませんか。今のは答弁になつておらぬ。
  178. 宮幡靖

    宮幡政府委員 これは何と申しますか、乱暴な言葉で応酬する委員会でありませんから、そのあなたの激昂せられたお言葉に対しては私は何とも申し上げません。しかしながら米原委員に対して申し上げた通り、速記録を調べて、それに対する適当なお答えをするということで保留してあるのでありまして、それでありますからこの調べる期間だけは猶予を與えても、川上委員むりではないと思います。  それからただいま仕向地についての問題が米原委員からお話がありましたが、この法律範囲内におきましては、仕向地によつて輸出入を禁止することは、法案としてはそちらに明示してないはずでありますから、仕向地をわけてやるというようなことは規定しておりませんので、その点御了承をいただきたいと思います。
  179. 川上貫一

    川上貫一君 速記録をお調べにならぬでも、きのう言われたことに覚えておられるはずなんです。あれほどはつきり言つておいて、それでどうもよく覚えておらぬとか、速記録を見なければわからぬというような答弁を、責任のある通産政務次官というような方がされるということは、これは実に驚くべきことだと思う。ほかの委員の方々もはつきり知つておられる。マーシヤル・プランに参加することを希望すると言われた。これは速記録なんかをお調べになりませんでも御本人がおつしやつたんですから、これがわからぬはずはないのです。あるいはきのうそうおつしやつたのにあれはうそなんですか。きのうは言わなかつたとおつしやるのですか。
  180. 宮幡靖

    宮幡政府委員 私が速記録を調べるということは、それを悪意に解釈せられまして、これを回避するというようにもしお考えならば、それは私はあなたの御意思は御自由でありますから、別に何とも申しませんが、そういう言葉がかりに出たと仮定いたしてみましても、質問の前後の関連においてどういうふうないきさつからその言葉が出ておるか、これを十分検討しなければなりません。單に一つの字句だけ取上げて——行くといつても、行くことにも何の用で行くのか、あるいはただぼんやり行くのか、前後の関連において十分これをを読みまして、そうしてあなたの御質問も検討してみまして、それとただいま米原委員のおつしやる質問とが関連いたしましてさようなことになるならば、私は率直に認めます。またそれが責任あるという問題でありましたならば、これも皆さんの権限の範囲内において十分お叱りをこうむつても、私は決してそれを回避するものではありません。ただ端的な一字一句の言葉をとつてこうじやないかということよりもそこに至る前後の言葉のつながりを研究をさしていただきたい。それでありますからここではそれを見る間待つていただきたい。こういうわけであります。どうぞその点御了解を願います。
  181. 川上貫一

    川上貫一君 これは速記録を調べてけつこうであります。なおこのことをはつきり申しておきますが、前後の関連も何もありません。明らかにマーシヤル・プランに参加することを希望すると言われた。われわれとしましてもおそらくこれにほんとうに希望しておられるのだろう。ほかのことを考えましても、希望されるらしいと思いますし、またはつきりと言われたのでありますから、こういうようになつておりますが、これはあらためて速記録を調べて、明日あらためてこの問題を問題にしたいと私は思います。これで私の質問は終ります。
  182. 米原昶

    ○米原委員 それでは、すべて輸入大蔵大臣、輸出通商大臣の許可を得ることになつておる、そしてこれは同時に禁止事項がありますが、一体どういう場合に禁止するのか、説明してもらいたい。
  183. 松尾泰一郎

    ○松尾説明員 ただいま言われました中で、輸出は通産大臣、輸入大蔵大臣と言われたように思いましたが、輸入の承認と申しますか、許可は、大蔵大臣がやることにはなつておりません。政令なり政令案要綱をごらんいただけばわかりますように、輸出の方は、特定の商品なり特定の場合は通産大臣の許可制でありますが、大部分の場合におきましては許可制がなくなるわけでありまして、輸出業者はただ為替銀行の確認を得ますればそれでいいわけであります。輸入の方は先ほども質問がありましたように、早い物の輸入の場合におきましては、これまた通産通産大臣の許可制ではございませんで、為替銀行輸入承認を得るように相なる予定になつております。その場合に為替銀行外貨のあるなしを、外国為替委員会には照会をするわけであります。ただ輸入の場合に資金の事前割当をいたします場合だけは、資金の割当証明書というものを通産大臣が出しますから、一応許可したようなかつこうにはなりますが、それも割当資金証明書の発行をやるだけでありまして、その場合も為替銀行に対しまして輸入業者が通産大臣の割当資金証明書を添付して、輸入の申請をするわけであります。その場合は為替銀行為替委員会への照会はなしに、そこで許可証を発行する、こういう仕組みが予想されておるのであります。なお何かほかに御質問がありましたか。
  184. 米原昶

    ○米原委員 禁止されるときは……。
  185. 松尾泰一郎

    ○松尾説明員 輸入の禁止ということは、まず予算ができまして、その予算がある程度発表せられて行われます関係上、もちろんたくさんの人が予算以上に超過して申請をして来るという場合には、これを許可されないことにはなりますが、予算の範囲内ならば許可されることになるわけでありますし、事前の賞金の割当をいたします場合におきましては、その官庁が申請に基づきまして割当をいたしますから、輸入を禁止するということは起つて参りません。それから輸出の場合も、今申しますように通産大臣が輸出を許可するその特定の場合、何を輸出禁止するかという問題でありますが、輸出許可品目の中に、たとえば偽造紙幣とか、偽造通貨とか、あるいは武器弾薬の類とか、あるいは猥褻文書とか図書とかいうようなものが相当掲げられておるのであります。そういうものにつきましては、原則として輸出禁止になるだろうと思いますが、その他のものにつきましては、その取引條件が公正でであればそういうことはなかろうと思います。
  186. 小野瀬忠兵衞

    ○小野瀬委員 米原委員にお伺いいたしますが、あなたの御質疑あと何分くらいの御予定ですか。
  187. 米原昶

    ○米原委員 何分とも今……。
  188. 小野瀬忠兵衞

    小野瀬委員長 委員長としてもできるだけ長い時間お與えしたいのでございますが、皆さんも御承知通りこの法案は非常に急がれておりますし、なおまた野党優先に発言を許し與党の方にはほとんど発言も御遠慮願つておるわけでございますから、なるべく簡明率直に御質疑願いたい。またこの際政府委員のお答弁も簡單にお願いいたします。
  189. 米原昶

    ○米原委員 よくわかるように説明してもらえば、簡單に済むわけです。
  190. 小野瀬忠兵衞

    小野瀬委員長 それではこれから大体十五分だけ質疑を許します。ただいま本会議で予算案を審議している関係もありますので、できるだけ重点的に御質疑願いたいと思います。
  191. 米原昶

    ○米原委員 今の取引の停止を命ずる場合のことを聞いておるのです。何か御説明がなかつたようですが……。
  192. 宮幡靖

    宮幡政府委員 ちよつと伺いますが、輸出の船積みをさしとめるという意味でございますか。
  193. 米原昶

    ○米原委員 ここの第九條の取引の非常停止。船積みとは書いてない。
  194. 奥村竹之助

    奥村(竹)政府委員 第九條に規定をしております為替取引の非常停止という場合、たとえば英国がポンドを切下げた、そういつた非常の場合に、一時取引の停止をする必要があるために規定したものであります。
  195. 米原昶

    ○米原委員 今の例はなるほどと思いますが、たとえば先ほども私が聞きましたマーシヤル・プランに入るというようなことになれば、これはやはり同じ事情が生ずるのじやないかということなんです。そういう点この條文はやはり当てはまらぬと考えるかどうか、聞きたいのであります。     〔「仮定のことに答える必要なし」と呼ぶ者あり〕
  196. 米原昶

    ○米原委員 仮定のことではない。そういう場合に当てはまるかどうか。
  197. 奥村竹之助

    奥村(竹)政府委員 この法律を起案いたしましたときは、そういうことは予想しておりませんでした。
  198. 米原昶

    ○米原委員 そういう予想を聞いておるのじやないのです。そういう場合にもこの法文だつたらかかるのじやないかということを聞いておるのです。
  199. 奥村竹之助

    奥村(竹)政府委員 これは大蔵大臣の所管でありますが、そういう場合は当てはまらないものと私は思います。
  200. 米原昶

    ○米原委員 当てはまらないとはつきりおつしやいますか。大蔵省の方はいないのですか。
  201. 小野瀬忠兵衞

    小野瀬委員長 先ほど理財局長はお見えになつておられたのですが、ただいま退席されておりますので、奥村説明員より答弁願います。
  202. 奥村輝之

    奥村説明員 ただいまの御質問は仮定の場合の御質問でございますので、私の方としてはお尋ねいたしかねます。
  203. 米原昶

    ○米原委員 仮定の場合を聞いているのではなく、法文の解釈を聞いておるのです。そういう場合はどうかというのが法文の解釈です。法文の解釈はすべて仮定の解釈です。それを仮定だ仮定だといえば、みんな仮定になつてしまう。そうではなくて、法文をどう解釈するかということを聞いておるのです。
  204. 小野瀬忠兵衞

    小野瀬委員長 それでは大蔵大臣に関係ある質疑あとまわしにして、安定本部関係に対して御質疑をお願いします。
  205. 米原昶

    ○米原委員 居住者、非居住者の問題でありますが、先ほど問題になつ外国商社、たとえばジャージ・マジソンのような商社は今後どうなるかということを聞きたい。この法律適用をただちに受けるかどうかということです。
  206. 松尾泰一郎

    ○松尾説明員 ただいまお尋ねのジャージ・マジソンでありますが、多分日本法律に基づきまして、その支店が登記をしておるのではないかと私は考えるのであります。そういう場合は当然居住者と考えております。
  207. 米原昶

    ○米原委員 先ほどの割当の説明で、むしろ割当といつてもほとんどたいていのものはそうむずかしいものではないというような説明であつたと思います。そうしますと、最近協定貿易で非常にたくさんのものを輸入することになつたようでありますが、同時に今までもたびたび国会でも指摘されました不急不要品、そういうものの輸入をどういうふうにして抑制するか。あるいはそういうものを野放しにするかどうか。昨日もお話がありましたが、具体的にどういう措置を今後とられようとしておるか、説明していただきたいと思います。
  208. 松尾泰一郎

    ○松尾説明員 不急不要品の輸入が非常に起るのではないかというお話でありますが、確かに従来の協定から申しますと、いわゆる緊要物だけの交換という観念が非常に強かつたかと思うのであります。今後は輸入もふやすが輸出もふやすというふうな考え方が強くとられて行くだろうと思いますので、これも外貨予算を編成されるときにそういう考慮がされると思うのでありますが、若干不急不要品的なものも見込まれるのではなかろうかと考えております。
  209. 米原昶

    ○米原委員 そういうものに対して全然措置を講じないということになりますね。今の御説明によると、予算を組むときにすでに若干そういうものも見込まれるということですが、それはどういうことになるのですか。
  210. 松尾泰一郎

    ○松尾説明員 当然その予算に縛られますから、それが無制限にどんどん入つて来るということはあり得ないと思います。
  211. 米原昶

    ○米原委員 大体はこの法案及び最近の経済情勢からしますと、金融的に見ても貿易の方に莫大な資金がいるということになると思うのであります。そうしますと、むしろ国内産業の長期資金というようなものが非常に枯渇するのではないか。これは何回も何回もこの委員会で言われた点でありますが、むしろ国内市場というものが非常に枯渇して来る。現在日本の国内で売れておるものでも売れなくなる。そういうふうに思うのであります。今後むしろそういう不急不要品は今の状態よりもふえて来ると考えるのでありますが、その点はどういうふうに見られるか、お聞きしたい。
  212. 谷林正敏

    谷林政府委員 今回この制度は、大体民間の創意くふうによつて輸入ができるというところに非常な特長があるのでありまして、その点は各業者が、自分が最も売れると思うような値段で方々と交渉をするというような点で、従来よりはるかにやさしくなる。つまりできやすい点も非常に多いというように了解しております。
  213. 小野瀬忠兵衞

    小野瀬委員長 米原委員にちよつと申し上げます。今大蔵省へ連絡いたしましたところ、理財局長は四時から司令部の方へ行つておられますので来られないが、そのことに関してならば、宮幡政務次官の方でお答えできるそうでありますから、御答弁を願うことにいたします。
  214. 宮幡靖

    宮幡政府委員 お尋ねになつております第九條の問題でありますが、この点につきましては、かりにあなた方が御心配なさつておるようなことは、われわれは率直に申せば心配しておらぬのでありますけれども、これは考え方が違うので、川上委員からもたいへん強い言葉でおしかりを受けたのですが、それは考え方のもとが違つておるのでありますから、これはやむを得ないと思つて私の方ではあつさり引下つております。いずれにいたしましてもこの第九條の第一項が、もしお説のようなマーシヤル・プランとして考えて、関連してお考えを持つという御解釈はこれは御自由でありましようけれども、第二項において規定してあります事項をお読みくださいますと、およそこの法律によつて認められておるものが、他の事由によりましてストップされるというようなことは私どもは予想しておりません。従いましてこの第九條にマーシヤル・プランの云々の関連をもちましてこれを解釈するということは、この法律審議の上においてはむりではなかろうか。かように考えておりまして、むしろお答えを控えておるのでありますけれども、この九條の第一項と第二項とを関連してお読みくださいますれば、その間のことはよくわかると思います。ほんとうに根本の意見が相違するなら、これはしかたがありませんけれども、これをほんとうに正しくお考えいただくならば、この問題は、米原君みずからにおいて解釈がつく問題だろう、かように思つております。根本的な意見の相違はこれは別問題でありまして、共産党の方々とお話しますと、話している間に非常におしかりを受けたり何かしますが、それは根本的な主義主張が違うのであります。われわれの主義主張と共産党のお持ちになつている主義主張と違うことは、天下公知の事実であります。それでありますから、きのうの委員会でも、川上委員に、政策の根本が違うのだというお答えをしたわけです。今御追究されておりますマーシヤル・プランに入る希望を持つているということは、何も重大な発言ではない。私は川上委員がどういう前提で話して来られたか速記を見たいけれども、われわれはマーシヤル・プランができたらそれに入りたいと思つています。入る入らないはそのときの問題であつて、今その希望を持つていると言うことは、何もさしつかえないと思う。しかしあなた方の立場から見れば、これは絶対いかぬでしようが、それは根本の意見の相違でありまして、私にそのこと自身を回避し、そのこと自身を否定するものではありません。またこの質問に関連して、中共との貿易をどうするかということは、こういうときに起こつて来る問題であります。従つてこの法律審議の上において御説明申上げれば、御心配のような事態のないように、第二項を設けて、一応現在の状況においては万全の手配をしてあるのだ、かように申し上げるよりほかないのであります。
  215. 米原昶

    ○米原委員 今のお話では、希望を述べることは何でもないことであるというふうに考えておられることが、非常にはつきりしました。それでこれは單に政務次官の意見でなく、政府の意見であるということも、非常にはつきりして来たわけでありますが、それならマーシャル・プランを適用されてどういう事態がヨーロツパで起つておるかというと、たとえばある種の貿易を許さない。だから私は言うのである。そういうことに入ることを明らかに望んでおられるが、それは現在の日本が占領下にあつて、まだ講和條約は結ばれていない。そういうときにこういう希望を述べられることは、決してほんとうの意味の講和を促進することにならないから、私は心配して聞いているのです。しかもこの法案と密接不離の関係のある問題だから聞いているわけです。單なる解釈の問題ではない。事実上そういうような形で單独講和に持つて行くようなことになつては、これは非常に重大で、それではほんとうに日本が全世界のいかなる国とも平等互惠の貿易関係を結んで行くということが、却つて妨害されるのであります。ことに日本の現在の地理的な位置から考えましても、中国との貿易は非常に重大であります。そういうようなものが阻害されるようなこの法案がつくられた場合にどうなるか。非常に心配だから聞いている。私にマーシヤル・プランを例に上げましたが、それははつきりいたしたと思いますので、それよりもこの九條の法文が、どういう場合に適用されるかどうかという、その解釈の点を聞いているのです。
  216. 宮幡靖

    宮幡政府委員 現在は適用にならぬと解釈していることを前段申し上げました。そのようなことについては、米原さんの御意見でありますから、そのまま承つておきます。
  217. 小野瀬忠兵衞

    小野瀬委員長 米原君に申し上げますが、予定の時間を五分経過しておりますし、他に質疑通告者もありますから、この際次のお方にお譲り願います。よろしゆうございますか。——では笹山君。
  218. 笹山茂太郎

    ○笹山委員 時間がないので簡單にお尋ね申し上げたいと思います。第一点は、外国為替管理委員会の性格の問題でございますが、これは総理府の外局というふうに書いてありますが、大蔵大臣の指揮監督をも受くるところの外局でありますかどうか。その点について伺いたい。
  219. 大久保太三郎

    大久保説明員 外国為替管理委員会は、この措置法にも明らかな通り、総理府の外局でありまして、総理大臣の指揮監督を受ける委員会でございます。大蔵大臣からは全面的には指揮監督を受けることはございません。しかしながら、政府は統一のある一体でありますから、委員会としましては、大蔵省と緊密に連絡いたしまして、行政機能を最高度に発揮するということを、委員会としては考えている次第でございます。
  220. 笹山茂太郎

    ○笹山委員 そうすると、直後には大蔵大臣の指揮監督は受けないという性格の委員会であるということでございますが、第七條の第三項及び第四項の場合におきましては、特に「大蔵大臣の承認を得て」というふうにして、この外国為替管理委員会の行政行為を制限している規定があるのでございますが、こういつた制限を付する以上は、やはりこれは大蔵大臣の指揮監督をも受けるというふうに、はつきり規定するのが当然じやないかと思いますが、いかがでございましようか。
  221. 大久保太三郎

    大久保説明員 先ほど申し上げましたように、大蔵大臣の指揮監督を直接受けない立場に委員会はございますが、特に為替相場の規定の中に、つまり第七條の第三項及び第四項でありますが、これによつて委員会が定めます集中相場、それから委員会の定めます外国為替取引に用いられます為替相場、市中の相場でございますが、これを定めますときには大蔵大臣の承認が必要であると特に規定されたわけであります。これは第七條の第一項及び第二項に掲げられております基準相場、それから裁定相場、これは非常に重要な相場でありまして、これが基準になりまして、為替委員会のきめますその他相場も従つて定められるわけでございます。非常に関連がございますので、特に大蔵大臣の承認を得て初めて委員会としては定め得る、そういうふうな趣旨の規定であります。
  222. 笹山茂太郎

    ○笹山委員 その御趣旨はよくわかつているのでございますが、しかし制度上はやはり承認を受けて初めて行動できるだろうと思いますが、有効に発生するという建前であるならば、やはり大蔵大臣の指揮監督を受けるところの委員会というふうに、はつきりしなければならぬと思います。その点についてもう少し具体的に腹を割つて、ひとつお答え願いたいと思います。
  223. 大久保太三郎

    大久保説明員 この管理委員会措置法の前にあります現行の管理令でございます。この管理令をごらん願いますと、いわゆるポツダム政令でこの管理令が制定されたのでございますが、このポツダム政令の基礎になりました総司令部の覚書がございます。この覚書の中をごらん願いますと、第三の條項に外国為替管理委員会は現存する日本政府の各省から独立してこれを設置する、そういう趣旨の指示がございますので、現行の委員会におきましては他の各省からは独立した一つの機関といたしまして、総理大臣の直接の監督を受ける総理府の外局ということにいたしておるのでございますが、今回の設置法におきましても現行の委員会令の趣旨をそのまま踏襲いたしまして、総理府の外国為替管理委員会局ということに草案をつくつた次第であります。
  224. 笹山茂太郎

    ○笹山委員 その点ははつきりいたしませんが、時間もありませんので先に進みます。第二点は閣僚審議会の性格でございます。先ほど来いろいろ議論がありましたが、これに一個の行政官庁として解釈してよろしゆうございますかどうか。その点についてお尋ねいたします。
  225. 西村久之

    ○西村(久)政府委員 お説の通り行政機関と解釈してよろしゆうございます。
  226. 笹山茂太郎

    ○笹山委員 そうすると行政機関であるとするならば、国家行政組織法というものに基いてはつきりうたう必要があると思うのでございますが、この法案はその点についてははつきりいたしておりません。これは書きようによつてはやはり国家行政組織法によつて、これを設置するというふうにしてやつた方がよろしいのではありませんか。
  227. 西村久之

    ○西村(久)政府委員 内閣の下に付随した機関でございますからよろしいと存じます。
  228. 笹山茂太郎

    ○笹山委員 審議会でありましても、一つの行政機関の一部であるというふうに御解釈があるならば、やはり行政組織法の規定によつて私はつくられたものというふうに解釈するのが当然ではないかと思うのですが、そういう規定に基かず、別にできたところの行政機関というふうに解釈していいかどうか。
  229. 西村久之

    ○西村(久)政府委員 お尋ねの点は、内閣の下につきました機関でありまして、普通の審議会と同様に扱うべきものであろうと考えます。
  230. 笹山茂太郎

    ○笹山委員 普通の審議会であるならば單に審議するということが主たる仕事であると思うのでありますが、この審議会は予算を結成し、しかもまた輸入の場合におきましては担保の利子等についてもこの審議会が決定する、こういうふうになつておりまして、多分に行政的な行為を営む審議会であると思います。これはどうもただ内閣の下についておるからというようなことで、まだはつきりしない点もあるのでありますが、まあ私は時間がありませんから先に進みましよう。
  231. 西村久之

    ○西村(久)政府委員 ちよつとお答え申し上げますが、閣僚審議会の予算は一応閣議にかけて、内閣の承認を得るのでありますから、責任は当然内閣にあるということになるわけであります。
  232. 笹山茂太郎

    ○笹山委員 そうすると輸入の場合のいわゆる担保の利子等につきましても、閣議において決定するので内閣に責任がある、この審議会には責任がある、こういうのでありますか。
  233. 西村久之

    ○西村(久)政府委員 輸入輸出関係につきましては、為替管理委員会が承認をしてやることになつておりまして、手続は為替管理委員会の方でやると御承知置き願いたいのであります。
  234. 笹山茂太郎

    ○笹山委員 通産省から先ほど出されましたところの政令案要綱によりますと、輸入申請場合の担保、こういつた保証の担保とか比率とか、こういつたものは閣僚審議会が決定する、こういうふうになつておりますが、これはその通りでありますか。
  235. 西村久之

    ○西村(久)政府委員 その通りでごいます。
  236. 笹山茂太郎

    ○笹山委員 それでは次に外国為替の集中の問題でございますが、これは先ほど為替銀行の問題についても議論がありましたが、たとえば貴金属の集中の方法、こういつた問題につきましては、現在日本にあるところの貴金属の所有者につきまして、この適用から除外される者があるのであるかどうか。たとえば外人が持つておるとか、あるいはどういう範囲外人が持つておるものはこの適用から除外されるか。そういつた政令の内容といいますか、腹案がございますれば承りたい。
  237. 大久保太三郎

    大久保説明員 この制限禁止の条項の政令案につきましては、大蔵省で原案をおつくりになるような予定になつておりますので、私から御説明申し上げるのはいかがかと思いますけれども、私のただいま考えておりますのは、政府のこの集中及び禁止制限という法律を施行されますまでには、現在の日本におります外人の所有する財産、これに対して相当広汎なる影響を及ぼしますので、施行期日を後に譲られることになつております。その政令につきましてはもちろん現在日本におります外人の所有する貴金属等の集中につきましては、不当な措置のないように十分に考慮いたしまして、除外的措置が講せられるものというふうに私解釈しております。
  238. 笹山茂太郎

    ○笹山委員 この法律適用につきましては、現在外国人の持つておる貴金属についても適用がある。しかし政令の場合におきましては、それらの関係がむりが行かないように政令の方できめる。こういうお考えでございますか。
  239. 大久保太三郎

    大久保説明員 さようでございます。
  240. 笹山茂太郎

    ○笹山委員 それはいかなる外国人の持つておるものについてもそうですか。本法が適用になりますか。
  241. 大久保太三郎

    大久保説明員 御質問の趣旨につきましては、本法が施行されまして、その法律の規定の適用を現在こちらにおります外人が受けるという措置が講ぜられますならば、必ず内外人平等の建前から、この法律によりまして措置される。もちろんこの外人に対して不当な法の適用のないように、十分考慮されることと存じますが、しかしそれが制定されますならば、外人といえどもやはりこの集中の規定に従いまして、ある場合に為替管理委員会に対して支拂い手段その他に関し、売却するとかあるいは登録もしくは保管を命ぜられるという制限をこうむるものと了解しております。
  242. 笹山茂太郎

    ○笹山委員 結局この問題は政令で定めることになつておりますが、その政令の内容がはつきりしないので、いろいろ疑問があるのでございます。私はこの適用につきましては、現在占領軍等の持つておるものについては適用がないのではないか。あるいは一時日本を旅行するというような外人、こういうようなものにも適用がないのじやないか。ただ法律には居住者たると非居住者たるとを問わずすベて適用する、こういうふうになつておりますが、これらの点について先ほどの銀行の問題と同様に、何か法律適用外にあるようなものをこの際はつきりさせておく方が、将来のためにいいんじやないかと思います。その他の問題についていろいろあるのでございますが、どうもこの法律が現在すぐ施行されて、適用になるかどうかといつたような問題については、いろいろの点について疑問があります。ことに外人等が相当多く入つておりますから、そういつた点についてどういう場合において適用になるか、あるいは適用にならないか。そういつた点をひとつはつきりさせる御方針であるかどうか。お示し願いたいと思います。
  243. 大久保太三郎

    大久保説明員 先ほどちよつと申し上げましたように、この規定の適用につきましては、日本側におきましても十分検討いたしまして、そうしてなるべく早い機会にその内容を政令でもつてはつきりきめるというふうに、ただいまのところ努力をいたしておるわけであります。この附則にもございます通り、本法において政令をきめます場合に、その政令をきめる期日につきまして、三月三十一日までにしなくちやならぬという規定がありますが、これによりましてできるだけ早く最も妥当な制限その他をとりきめたい。そう考えておる次第でございます。
  244. 笹山茂太郎

    ○笹山委員 次は不動産に関する規定でありますが、これは日本人は外国にあるところの不動産を処分してはならないし、また一方において権利を取得してはならないという規定があるのでございますが、これは国際法上認められておる場合におきましても、そのような規定がそのまま実行されるのであるかどうか。その点について伺います。
  245. 奥村竹之助

    奥村(竹)政府委員 第四節は不動産に関する規定でありますが、これは日本の資金が外国において固定化することを、取締らなければならないと思われるものについての規定でございます。その限りにおいてこの制限は加えられると存じます。
  246. 笹山茂太郎

    ○笹山委員 次は輸出の場合におきましては、通産大臣の許可を得なければならないというふうに規定されておるのでございまするが、他の法律によりまして、他の大臣の許可を得なければ輸出ができないというような規定がある場合におきましては、その特別法の規定と本法による規定と両方の許可を得なければならない。こういうことになりますか。その点について……。
  247. 松尾泰一郎

    ○松尾説明員 その通りでございまして、両方の許可がいります。
  248. 笹山茂太郎

    ○笹山委員 先ほど輸入品の取扱いにつきまして、大体先着順によるというふうにお話がありましたが、これは商社によりまして安く買う場合と、高く買う場合と両方あると思うのでございますが、有利に仕入れるというような点について考慮をして、この為替の割当というものについて措置を行うのであるかどうか。あるいはそういうことをかまわずに、為替のわくがありさえすれば、先着順にどんどん渡すのであるかどうか。その点について伺います。
  249. 松尾泰一郎

    ○松尾説明員 法律なり政令の建前からいたしますならば、その許可なりあるいは銀行が許可書を発行いたしますときには、そういう有利な価格で買つておるか買つておらぬかということは、審査の上でやるような仕組みにはいたしておりませんが、政令の中におきまして、その貨物を輸入するものは、その状況下におきまして、最も有利な価格で輸入をせなければならぬというような規定と、それからもう一つ事後におきまして、そのことについて通産大臣が説明を求めました場合に立証せなければならぬというふうな規定を、政令の中に入れることになつております。従いまして、もし資本逃避というようなことを輸入業者が企てた場合には、事後におきましてそれが発見できるわけでありますので、あとでそういう業者に対しましては、一定期間を限つて輸入を制限するような手段は講ずるわけであります。従つて事前からそういう予防手段は講じませんが、事後にそういう立証義務を課しておりますために、われわれといたしましては輸入業者はそういうことを十分考慮の上、適当な行動をされるのではないかというように考えております。
  250. 笹山茂太郎

    ○笹山委員 外国為替銀行の支店を、近い将来におきまして外国に許されることになるかどうかその点をお伺いいたします。
  251. 大久保太三郎

    大久保説明員 ただいまのお話外国に支店を置くかという問題ですが、これも私の存じております点では、支店の開設はもう少し先の問題になりまして、日本側銀行外国銀行に、ごく近い機会にコルレス契約のできるように認められると思つております。そうしてただいまのところは、まずコルレスの取引が外国にある銀行と——その数についてはまだ決定いたしておりませんけれども日本側為替銀行が、先ほど御説明のありましたように、十一月でございますか、それぞれ相当数の取引先を外国に持ちまして、それと取引をやることによつて日本貿易金融が非常に便宜を受けることになると思います。それから行く行くは外国にも支店の開設という段階になると思いますが、これは私の予想でございますけれども、講和会議の成立とかそういつたことが、やはり事実上の條件になるのではないかと考えております。
  252. 笹山茂太郎

    ○笹山委員 先ほど関税法の改正について質問がありましたが、これは国際関税同盟加入するような場合におきましては、話によりますると本年の十一月の実績が基本になるというふうに聞いておるのでございますが、そうすれば日本関税の改正も、早く急がなければならぬというふうに考えておるのでございます。こういつた点についてはさようなことはないのであるかどうか、お伺いいたします。
  253. 伊藤八郎

    伊藤説明員 アンシー会議において決定になり、それに付属した條項に一つの項目がございまして、あるいはその数字に多少の誤りがあるかもしれせんが、来年の五月ロンドンにおいて関税会議が行われると、予想されておるように聞いております。その際に各国が基準にする関税率は、本年の十一月十五日以前に改正したものをもつて、それを標準にとるということがあるようであります。しかしてそれはその後に改正したものをもつて、基準にとらないということのようであります。しかし何と申しましても、わが国関税率は、全品目千七百有余に及ぶ品目でありまして、これを全部改正するといたしますと、実に昨年から始めまして、今年の三月第一次草案はできたのでありますが、その後為替相場の三百六十円の設定等によりまして、非常な変革が生じましたので、爾来各省大いに努力いたしまして、第二次改訂を作成中でありまして、十一月十五日までには何としても成案を得ることができなかつたのであります。十一月十五日というのはわれわれの国と違いまして、先ごろの関税改訂会議を、さらに明年五月におやりになるときの具体的な條件のように聞いております。
  254. 小野瀬忠兵衞

    小野瀬委員長 この際お諮りいたします。本法案に対する質疑は大体終了いたしたように考えられますので、この程度質疑を打切りたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  255. 小野瀬忠兵衞

    小野瀬委員長 御異議なしと認めます。両法案に対する質疑はこれにて終局いたしました。  なお明二十七日は日曜でありますが、午前十時より本委員室において、両法案に対する討論採決を行う予定でありますから、必ず御出席くださるよう特にお願いいたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後五時四十六分散会