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1949-12-03 第6回国会 衆議院 議院運営委員会 第25号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十二月三日(土曜日)     午後一時三十四分開議  出席委員    委員長 大村 清一君    理事 石田 博英君 理事 今村 忠助君    理事 佐々木秀世君 理事 福永 健司君    理事 椎熊 三郎君 理事 坪川 信三君       江崎 真澄君    大橋 武夫君       岡延右エ門君    岡西 明貞君       倉石 忠雄君    田中  元君       田渕 光一君    塚原 俊郎君       淺沼稻次郎君    田中織之進君       松井 政吉君    園田  直君       長谷川四郎君    伊藤 憲一君       神山 茂夫君    寺本  齋君       竹山祐太郎君    中村 寅太君       岡田 春夫君  出席国務大臣         国 務 大 臣 増田甲子七君  委員外出席者         議     長 幣原喜重郎君         副  議  長 岩本 信行君         議     員 佐竹 晴記君         議     員 浦口 鉄男君         議     員 世耕 弘一君         事 務 総 長 大池  眞君 十二月三日  委員福永一臣君及び林百郎君辞任につき、その  補欠として菊池義郎君及び神山茂夫君が議長の  指名で委員に  選任された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  本日の本会議議事に関する件  第七回国会開会準備に関する件     —————————————
  2. 大村清一

    大村委員長 それではこれより会議を開きます。  まず第七回国会に関する協議事項議題といたしたいと思います。
  3. 神山茂夫

    神山委員 第七回国会に関する協議事項に入る前に、ものの順序というものがあると思う。まずきよう議事日程について協議を進められたい。     —————————————
  4. 大村清一

    大村委員長 それでは神山君の御意見もありますから、本日の議事日程の件について御相談を願います。
  5. 大池眞

    大池事務総長 議題になるのは日程自身請願だけになつておりますので、懲罰事犯の件について当該委員会からの報告があれば、これは議会の構成の面でありますから、なるべくすみやかに議事に上げていただきたいという点が一点、それから次に考査委員長報告、これは湯川博士に対する感謝決議を緊急上程することに関連して、その前に考査委員長報告があるわけであります。それから湯川博士に対する感謝決議、次に緊急質問ということになります。それから刑事補償法案が回付されて参りましたので、この回付案の取扱い、それ以外に昨日まで出ておりました決議案が一応全部了解を得ました関係から決議案の取扱い、それと日程にあります請願採択方法、そうして最後に第七回国会の明日の召集に関しての協議事項、これだけであります。  緊急質問としては、昨日まで出ておりましたのが岡田勢一さんの外国航路進出及び二A型改装促進に関する緊急質問、これはきのうやるのが、きように延びております。そのほかに電力料金その他二件あります。それからただいま出て参りました緊急質問に、吉田総理談話に関する緊急質問というのがあります。これは共産党の神山さん、労農党の石野さん、それから民主党の苫米地義三さんから出ております。それから社会党も今手続中ということであります。
  6. 淺沼稻次郎

    淺沼委員 これを一番先にやらしていただきたい。吉田さんの声明は、民自党も含めて各党とも議案審議について遺憾の点があるということ、さらに特に野党態度を非難して、日本の民主政治の進展及び経済の復興を否認もしくは歪曲しておるということを発表しておる。これは立法府に対する行政府からの発言として、実に重大な問題であります。これは総理大臣でなくて、民主自由党総裁談話として発表されておるけれども民主自由党総裁は同時に内閣総理大臣であつて内閣総理大臣と政党の総裁一体不可分の関係にある。かくのごとき地位にある吉田総理が、議員の行動、並びに議員の活動に対して、束縛的意見の発表をせられることは、将来の憲政運営のために、吉田さんはいかなる所感を持つておられるか、われわれとしてぜひ聞いておきたい。だからこれは一番先にやらしてもらいたい。
  7. 倉石忠雄

    倉石委員 これは今初めて承つたのですが、吉田さんがほんとうにこういう声明をされたのかどうか、確かめなければわれわれにはわからない。ですからこの問題はあとにして、ほかのを先にやつていただきたい。
  8. 岩本信行

    岩本議長 そうしてもらいましよう。     〔「暫時休憩」と呼ぶ者あり〕
  9. 大村清一

    大村委員長 それでは暫時休憩いたします。     午後一時四十八分休憩      ————◇—————     午後八時四十五分開議
  10. 大村清一

    大村委員長 休憩前に引続き会議を開きます。  淺沼君から御要求になりました増田官房長官は、ただいま参議院運営委員会出席中でありますので、九時ごろまでには出席されるそうでありますから、便宜それまで第七回国会に関する協議事項議題といたしたいと思います。
  11. 神山茂夫

    神山委員 先ほど石田君の申入れがあつたので、各党各派相談した上で運営委員会に入つて来たのでありますが、その前に一言聞いておきたい。  石田君がおられないから倉石君に聞いておきますが、先ほどの石田君の申出は、こういうことであつた。今廣川幹事長自身が自動車で総理大臣を呼びに行く。従つてその間時間も短かくて済むことだし、各党委員諸君も了解されたことだから請願だけでもやつてくれないかという相談であつた。しかし私どもの党においては、きよう議事をこうまで延ばした当の責任者である吉田総理大臣が見えない限り、一切交渉に応じないことにきまりました。ただこの間野党は、石田君の申入れが真実であるなら交渉に応じるということで代議士会に諮つたわけであります。そこで先ほど石田君の言われました点ですが、ほんとうに今晩吉田総理出席を求めるために、廣川幹事長初め全民自党努力しておられる、それの点について、もう一応あらためてお聞きしておきたい。幸い石田君も見えられたから、この点について石田君からお話を願いたいと思う。
  12. 石田博英

    石田(博)委員 先ほど野党各派の御会同の席で、党の代表といたしまして申入れをいたしました。その申入れをここでもう一度申し上げておきたいと思います。それは今日の事態について総理出席要求せられておる点は、私どもとしては了承するのであります。そこで事情を調査いたしましたところ、総理かぜぎみ臥床中であるという返事でありました。しかしながら諸般の情勢にかんがみまして、たといむりしても出席してもらいたいという旨の申入れを再三いたしております。それについての諸般手続努力継続しておりますし、現在も継続中であります。ただいま私ども幹事長自分で出かけて行つて、その折衝を行つておる次第であります。病気伏況によつてはやむを得ないことであるとは思いますけれども、しかし各位の御希望もあることでありますので、その御希望に沿うべく、私どもとしては最善の努力をいたしておるつもりであります。私どもは本日をもつて会期が終了いたしますので、もとより本日中にぜひとも出席してもらいたいと努力継続中であることは、ここで誠意をもつて申し上げます。
  13. 神山茂夫

    神山委員 ただいま石田君の誠実な御発言もありましたので、私たちはその言葉に全幅の信頼をおきまして、さらに一層この点に対して努力をしていただくようにお願いしておいて、その上で私たちとしては、今晩請願だけについて本会議を開くことについては各派と同調いたします。ただくぎをさすわけでありませんが、後ほど増田官房長官がお見えになりましたら、別な角度からこの問題について若干論議したいと思います。
  14. 石田博英

    石田(博)委員 ということを野党各派申入れしますると同時に、ただいま神山君の御発言にありましたように、多くの請願委員会の審査を終了して本会議に上程してありますので、これを他の事由をもつて成立せしめないことは、私どもといたしましても遺憾であります。そこでこの点について話合いを願いたいということが一つ。いま一つ刑事補償法案が、参議院において字句その他について修正を加えられ、回付せられておるのであります。当該委員会からの報告を聽取すると、全会一致でその修正を承認することになつておりますので、これは人権擁護からみて必要な改正であると思いますし、しかも全会一致でありますので、この点についてもお話合いを願いたいというお申入れ行つた次第であります。  さらに官房長官出席について努力をするようにというお話がございまして、その点は政府の方に連絡をいたしましたところが、ただいま参議院運営委員会出席中であるので、九時少し過ぎには出席できる見込みであるという話であります。従つてそれまでお待ちを願いたいと存ずる次第であります。
  15. 田中織之進

    田中(織)委員 それでは第七回国会に関する協議事項もありますから、先ほど石田君からの野党各派に対する申入れをここで了といたしまして、とりあえず本会議を開会して請願だけ上げて、ただちに休憩していただくようにお運びを願いたいと思います。
  16. 大村清一

    大村委員長 それではすみやかに本会議を開きまして、請願を上程することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  17. 石田博英

    石田(博)委員 それからこれは御相談ですけれども湯川博士の表彰問題はどうしましよう。     〔「あとにしよう」と呼ぶ者あり〕
  18. 椎熊三郎

    椎熊委員 きよう会期最終日で、議案及び請願をやることに決定したわけでありますが、それだけで、もし今夜総理国会に出て来ないことになれば、別な観点で大きな問題が起きると思いますので、どんなことがあつても、たとい三十分でもきようは出てもらうようにあなた方に努力してもらわないと、国会の権威のために悲しむべき事態を生じますから、そういう意味努力していただきたいと思います。
  19. 石田博英

    石田(博)委員 私ども努力しておる事情については御了承願えると思いますので、御信頼願いたいと思います。     —————————————
  20. 大池眞

    大池事務総長 それでは請願だけやるということですが、請願採択方法、取扱い方について御協議願いたいと思います。これは従来の例によりまして、時間もないことですから、従来通り委員長報告を省略して採択するという取扱いでよろしゆございましようか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  21. 大池眞

    大池事務総長 そこで本日の議事日程に掲げてありますもののほかに、さらに請願で本日上つたものが二十件ありますから、それを追加をして上程することにお願いいたします。  それからなお本日の日程の中にあります請願のうちで、二件だけ間違つてつておるものがありますが、これは当然削除をいたすことになつておりますから、その点御了承願いたいと思います。それは厚生委員会の分で、二件だけ上つていないものを上つたことにして入れておりますから、これはあとで正誤で取除きます。御了承を願いたいと思います。
  22. 大村清一

    大村委員長 それでは運営委員会暫時休憩いたします。     午後八時五十分休憩      ————◇—————     午後九時五十二分開議
  23. 大村清一

    大村委員長 それでは休憩前に引続き会議を開きます。  緊急質問、ことにせんだつてから懸案になつております吉田民主自由党総裁談話に関する緊急質問に関してを議題にいたしたいと思います。御要求によつて増田官房長官が見えておりますから、まず御質議を願いたいと思います。
  24. 淺沼稻次郎

    淺沼委員 きようの午前十一時ごろ、吉田民主自由党総裁談話という形式で、臨時国会に関する批判声明がなされたわけであります。これは総裁談話ということにはなつておりますけれども、現在吉田民主自由党総裁は、総理大臣地位についておるのでありまして、総理大臣地位にある限りにおいては、自由党総裁総理大臣地位というものは、不可分一体のものであろうと思うのであります。従つてこの談話は、ただ單に民主自由党総裁談話として受取るわけには参らないのでありまして、総理大臣吉田茂君の談話とも受取り得られるのであります。内容を検討してみますると、第一は今国会の持つ意義が一点、第二点は各党各派の、これは民主自由党まで含めて、審議模樣に関する批判が加えられております。次には野党に対する審議の点が加えられておるのでありまして「特に野党各派は、着々民主化の実を上げつつあるわが国政治に対し、また着々安定しつつあるわが国経済に対し、しいてこれを否認し、あるいは歪曲するがごとき言動をなして省みず、内外わが国政治経済封状を誤解せしめてはばからず、これまつた党利党略に出でたる言論である。」という言葉を使つておるのであります。こういう点は私ども看過できないことでありまして、総理大臣一体行政府立法府関係をいかよう考えておられるのか、さらには、国会運営については、どういうよう考えを持つて臨んでおられるのか、これを聞こうと思つて質問書を提出したわけであります。先ほど来民主自由党幹部方々のあつせんによつて出席することに努力するということを伺つておるのでありますが、私どもとしては、総理大臣としての出席要求しておるのであります。民主自由党幹部方々のあつせんはさることながら、政府としては実はどういうぐあいで出席できないのか、この際明確なる答弁を願いたいと思うのであります、
  25. 増田甲子七

    増田国務大臣 実は総理は、数日来病気を押して出席をいたしておりましたが、昨夜来発熱もいたしまして、頭痛を訴えられ、目まいをいたして困るということでありまして、それで閑静なところに行つて休養したがよろしいという医者の勧めによつて大磯の私邸に帰つた直後から臥床をいたしております、しかしながら皆さんの御要望もございまするし、政府といたしましては、極力病気を押して御出席を願いたいということを、再三再四電話等でお願いをいたしました、最初のほどは直接電話口に出て参られましたが、しまいにはとても起きられないからということの伝言等もありました。どうも目まいがするので、閑静なところに帰つて静養したらよかろうということで帰つて来たけれども、容易でないので、出席要望はごもつともであるけれども、応じかねるからどうぞよろしくということでございましたので、この際つつしんで御了承を願いたい次第でございます。しかしながらなお皆さんの御要望は、ごもつともでございまするし、電話もそれから三度ばかりかけました。それから、私あるいは政府の使いという意味で人も派し、党からも御承知のごとく廣川君が今、大磯行つております。ただいまごろ到着したはずでございます。そういう状況でございますから、どうぞこの席へ出席いたしかねる点については、あしからず御了承のほどひとえに懇請いたす次第でございます。
  26. 淺沼稻次郎

    淺沼委員 病気であれば、これまた私どもむりに出席要求することも実際はできないかと思うのであります。しかし本日は第六国会の終りの日でありまして、最後まであつてしかるべきだと私は考えるのであります。また一而十一時ごろ国会全体に対して批判を加えられて、国会論議が、與党も含めて全体が内外に非常な惡影響を與えたというよう声明を出して、ただちに引上げてしまうということは、どうしても私ども解せないのであります。国会運営のことについては、神山君からも私からもたびたび運営委員会総理の御出席願つて、どうやつたら円満に進めることができるかということを御協議願いたいと、再三要求したわけであります。従つて今までに出席されておつて運営のことについて御相談もあれば、こういうよう批判をされなくても済んだろうと思うのであります。それが要求にもかかわらず応せられなかつた。またほかにいろいろ申し上げたいこともありますけれども、きようは私は官房長官に申し上げてもせんないことでありますから申しません。明日は第七国会が開会されることになるのでありますが、大体病気はいつごろ全快のお見込みであるか、伺いたい。
  27. 増田甲子七

    増田国務大臣 ただいまのところでは、二、三日はどうしても臥床しなくちやならぬのではないかと思つております。
  28. 神山茂夫

    神山委員 今国会が始まつたその冒頭から、いろいろな問題に関連しまして、われわれや社会党ばかりでなく、これは後には椎熊君も同調された場合もありますけれども野党各派総理出席を求めたことは、一再にとどまらないことであります。ことに問題なのは、第六国会における審議が遅れた原因は、野党各派が意識的に議事を妨害したのだというような印象を與える発言を、しばしばなさつておることもありますので、特にその点について明らかにする必要があるというので、総理出席を求めたこともあります。また講和の問題に関連しまして、非常に重要なる発言をされたばかりでなくして、これは数回にわたつてというのが言い過ぎであれば、三回ないし四回失言をされたり、あるいはそれを訂正されたこともあつた。これは官房長官も御承知であろうと思う。こういう問題に関連しまして、私たち総理出席を求めてやまなかつたのであります。にもかかわらず出て来られなかつた。この場合私が終始申し上げておることは、総理国会を軽視しておるという点が、一番問題の中心点でありまして、事故的な理由や、あるいは政治的な理由で出られないということを、私たちは理解しない、あるいは承認しないという建前をとつたことがないのであります。そうでなくて、審議の遅れた責任が、主として政府側にある、ことに財政演説に対する質問が起つた場合に、くどいようでありまするが、総理は何回も外人と総理官邸会つてつたというために、二日も遅れておる。こういうことも言わざるを得ないのであるが、こういうことが積み重なつて、今日の事態が起つたのであります。従つてたちは、本日出された声明責任はだれにあるのか、吉田総理か、総裁としての彼にあるのかという問題、あるいは内容についての論議、あるいは細かいことについての批判等は、これはあえて今すぐここで、はつきりしようというようには考えせん。これはあと緊急質問、その他の場合に明らかにすることは当然あなた方にしても賛成される点であると思う。その点をあえて言うのではありませんが、とにかくようこの重大なる声明をしておいて、過去四回ないし五回にわたつて、私たちの求めた出席要求に対しても応じられず、自分の言いたいことだけ言つて逃げてしまつた。こういうことについては、実際に病気であつても、これは病気というようには受取れないというのが、ぼくらの気持です。増田君を信用しないわけではありませんけれども廣川君その他が全力をあげておることは承知しております。承知しておりますが、事ここに至つた最大原因は、吉田君の日ごろからの国会軽視態度がこもつてここに集まつておるということを言わざるを得ない。従つてこの点は、私たちとしてぜひ、きようのうちにもはつきりと問題にしたいと思うのであります。しかも二、三日出て来ないとすれば、第七国会は明日召集されるのでありまして、すぐ自然休会に入るということは、大体各党の間でも了解されておることである。してみますると十六、七日でなければ開かれないことになるわけであります。従つてたちは、増田君に事情を聞くことは聞きますけれども吉田君のきよう声明の問題に対しては、本日最終日にあたつて、これを緊急質問その他の形で所信を明かにし、さらにこれに対する弁明がかりにどなたからかあるとすれば、これを聞いておきたいと思うのであります。特に私たちが強調したいのは、吉田君の国会軽視の傾向が、こういうことになつておるのだということを強調しておきたい。しかも言うことだけ言つて逃げてしまうということは、下世話にいうところの卑怯未練な態度であると思うのであります。そういう点まことに遺憾である。
  29. 淺沼稻次郎

    淺沼委員 神山君から遺憾の意を表されたのでありますが、念のために政府に伺つておきたいのであります。吉田さんは総理大臣として行政府の統率にあたられておるのであります。しかも先ほど申し上げました通りに、現在の吉田さんは、民主自由党総裁総理大臣と、不可分一体関係にあると思う。この声明考え方は、政府全体としてこういう考えをもつておるのか、これを承つておきたい。
  30. 増田甲子七

    増田国務大臣 この点についての弁明総理がなさることでありますから、総理出席のときに譲らしていただきたいと思います。
  31. 淺沼稻次郎

    淺沼委員 それでは民主自由党委員の方にお伺いいたしたいのでありますが、吉田民主自由党総裁談話形式によつて発表されておるのでありまして、当然これは党議に属し、党の代表としての声明であろうと思うのであります。従つてこの談話民主自由党の意思として発表されておるのかどうか、この点も伺つておきたい。
  32. 石田博英

    石田(博)委員 その問題については、やはり党の総裁として吉田総裁が登院せられてからお答えすることにいたします。
  33. 神山茂夫

    神山委員 それではその間のこまかい事情吉田君にお尋ねするといたしまして、ここで石田君に聞いておきたいのは、こういうよう声明総裁としてされることを、副幹事長であるあなたは御承知であつたかどうか、この点を聞いておきたいと思うのであります。
  34. 石田博英

    石田(博)委員 これは党内の問題でありまして、党内において処理をしなければならない、議論しなければならないことである。党において議論せらるべきものなら議論せらるべき問題であつて、私の副幹事長という現在の地位は、党内職務であります。従つてその職務に関する場所は、党内にあるとお認めを願いたい。
  35. 神山茂夫

    神山委員 特にこの点を石田君にお尋ねしたのは、総裁談話を発表せられたのでありまするが、これは副幹事長である石田君ばかりでなく、一応党の幹部諸君には、お話があつたと思わざるを得ないのであります。私たちとしては、この吉田君の見解の中には、非常に重大なる問題が含まれておる。しかもこの重大さは、淺沼君からも述べられておりませんが、野党各派に対する一方的な誹謗であるばかりでなくして、現在の国会そのものに対する批判さえ含んでおるところの、重大なる問題があると思う。従つて総裁個人として、こういうようなものを出されたのか。それとも党の幹部諸君はこれを承知しておられたか、これは重大な問題なんです。もしも民自党党員諸君がこれを承知せられないとしましても、党の役員諸君が知つておられた場合においては、こういう見解役員が持つておられたとすれば、重大なる問題なりと考えなければならぬ。従つて私は党内の問題としていうよりも、その党の総裁が、外に向つて表明をされたものについてお尋ねをしたいと思う。あなたは御承知でありましたか。それとも御承知でなかつたのでありましようか。
  36. 石田博英

    石田(博)委員 私ども党役員といたしまして、この総裁声明にどういう形で干與し、どういう形で処理をしたかということは、党内において処理をせらるべき問題と私は考えておりますので、この席上においてはお答えを申し上げたくないのであります。
  37. 神山茂夫

    神山委員 それならばもう一つお尋ねしますが、民自党諸君にとつて、といつて惡ければ、石田君でけつこうです。吉田総理ということが不適切であれば吉田総裁けつこうであるが、この総裁か本日声明されたこの内容については、石田君はどういうよう考えておりますか。
  38. 石田博英

    石田(博)委員 私はこの総裁談話を一読しただけであります。従つてその内容その他については、さらによく研究をして、考慮を佛つてか行かなければならぬと考えております。そういう種類のお答えを今日私にしいられることは、本日の議題中心をはずれるものと私は考えます。
  39. 神山茂夫

    神山委員 それでは石田君が今おつしやつた、一読しておつてよく考えてないとおつしやることをそのまま解釈しますと、まだこれを出す場合には、相談には乗つておられなかりたということになりますか。
  40. 石田博英

    石田(博)委員 私は読んだという意味であつて相談にあずかつた、あずからないという意味ではありません
  41. 神山茂夫

    神山委員 あなたは何時にお読みになつたか聞いておきたい。
  42. 石田博英

    石田(博)委員 私が文書をいつ読むかということは、私の私事であ事ります。お答えの限りでないと考えます。
  43. 神山茂夫

    神山委員 あえてこの点について石田君が答えられると思つておるわけではありません。しかし問題を眞に公正に処理するためには、はつきりと何時とおつしやつてよいと思う。すでにこれは議事録に残つておることであるからはつきりしておりますが、けさほどの運営委員で、私たちがこの問題を、出した場合には、そこに倉石君もおられますが、倉石君その他民自党運営委員諸君は、一人も御存じない。従つて党に帰つて相談して来ると、党に帰られた事実もありますので、お伺いしたわけであります。
  44. 倉石忠雄

    倉石委員 今、神山君が言われましたが、私どもは、私の方でほんとうに出したものは党でよく見ておりますが、淺沼氏のお持ちになつたあの鉛筆書きその他のものを見せられたので、とつさの間でありましたから、はたしてわれわれの方から出したものであるかどうかということが確認できなかつたのでありまするから、かようなものは初めて拝見をした。そこで党に帰つて正確なものと照し合せたということなのであります。
  45. 石田博英

    石田(博)委員 この際特に私は申し上げておきますが、私先ほども申した通り、私の副幹事長という職務党内職務であります。従つてその職務を遂行するにあたつて、不十分であるか、十分であるかという批判は、党内において受けるのが至当であると私は考えておるのでありまして、この問題についてはこれ以上はお答えはいたしたくありません
  46. 岡田春夫

    岡田(春)委員 先ほど増田官房長官お話によると、総理がきよう出席することはもちろんのこと、二、三日、出席は不可能であろうというよう意味に承つたのでありますが、それは先ほど石田荘から、正式に運営委員会出席せられるについて、廣川幹事長大磯へ行かれたと、野党各派お話があつたことと、大分話が違うようにわれわれ承るのです。石田君のお話によると、きよう中に御出席をしていただくように、廣川幹事長その他がおいでになつたのだ。こういうように承つておりましたが、官房長官は、きよう出席されないというよう意味においてお話になりましたが、石田君のお話増田官房長官と同一の趣旨と解釈してよろしいですか。
  47. 増田甲子七

    増田国務大臣 私から先にお答えいたしますが、今淺沼君お答えいたしました通り、先ほど残りの閣僚と総理との間の交渉といいますか、われわれ極力懇請いたしまして、その関係においては、今までのところという意味から申し上げまして、出席困難の模様であるからあしからずということでありました。そのときにも私は明確に付言いたしておりまする通り廣川幹事長がお迎えに行つりておりますから。きようもし来るとすれば、病気を押して参る次第でございます。お迎えには参つておる次第であります。
  48. 岡田春夫

    岡田(春)委員 それでは明日は、
  49. 増田甲子七

    増田国務大臣 その点は後日の事項として残してあります。
  50. 岡田春夫

    岡田(春)委員 明日の場合も病気を押して御出席になる場合ももちろんあり得るわけですね。私がそういうことをお伺いしておるのは、先ほど神山君あるいは淺沼君から御質問もあつたように、私たちが見た限りにおいては、吉田民自党総裁談話というものは、明らかに国会審議権に対して、非常に無視をしたような形において談話を発表しておると思う。そういう限りにおいて、政府の方で、国会審議権を尊重するならば、たとい病気を押してでもぜひ出席されるように努められる努力が必要であると私は思います。そういう意味において特に増田官房、長官の意見をお伺いいたします。
  51. 増田甲子七

    増田国務大臣 皆樣存じかどうかわかりませんが、総理病気理由にして休んだのは今回が初めてでございます。しかのみならず十日ばかり前から病気をいたしておりましたが、押してつとめて参りました。ところが昨夜来どうしても頭が痛いし、それからせきは前からずつとあり、発熱が競いて、苦痛を訴えておられました。きよう最終日で大事であるということは、この前の参議院の苦い経験も持つておる。しかしどうして出られない病気の状態であるから、許してもらいたい、そういう申出がありまして、医計の励めによつて大磯に参つたのであります。客観情勢がこういうことなりましたので、横川君もお迎えに参つておるのであリます。岡田君の御意見やごもつともと思いますが、あの状況でみますると、二、三日うちにはむりではないかも、こういう感が私はいたしております。
  52. 岡田春夫

    岡田(春)委員 それでは石田君にお伺いしたいが、今の増田官房長官お話では、本日はもちろんのこと、二、三日出席は不可能であるというお話でありましたが、きよう鷹川幹事長をお迎えにおやりになるときには、すでに出席が不可能であるということはおわかりであるけれども、一応野党各派に顔を立てなければならぬとい與党のの諸君、特に石田たちの御苦衷は察しますが、しかしながらその苦吏の上に立つて、一応、面子を立てるとい委員で、御出席、要請されに参つたわけですね。
  53. 石田博英

    石田(博)委員 私はさような詐術を使う意思は毛頭ありません。党としては誠意をもつて、客観情勢を勘案して、そうして御病気であることは私ども承知しておりますけれども、それでも国会最終日であるので、ぜひ出ていただきたいという目的をもつて幹事長を派遣したわけであります。
  54. 岡田春夫

    岡田(春)委員 それほどお惡い病気であるにもかかわらず、わざわざきよう、こういう重要なる発表をなさつておる限りにおいては、病気の症状はどうであろうとも、やはりその談話に対する責任は当然あることは言うまでもないのであります。ですから当然本日は御出席になると私は期待をいたしております。この点強く要望いたしておきます。
  55. 椎熊三郎

    椎熊委員 私は前の運営委員会でも、総理がこの席に出席しないということを、非常に重大な問題を惹起するとしうことを、国家のためにも憂うるということを申し上げておる。そこで官房長官に聞くのですが、官房長官の冒頭の発言によると、きようは来られないという印象を私は受けたのです。これは非常に重大なことです。日本が現下置かれておる状態、日本の政局というものは、実に非常に重大な時期にある。その際に総理が、官房長官お話によれば、初めて病気によつて欠席される。そうして政事上には重大なる支障を来した。きよう来られないということであるが、来られれば別ですけれども、あなたの話からみると、来られないと私は想像する。そうして二、三日寢なければならぬ。国会を召集しておきながら、なお二、三日寢なければならぬということは、国政上の重大なる支障でございます。そこで私はお伺いするが、あなたたちが組織しておる内閣が、この難局に日本の政局を担当しつつ、これほど政局に重大なる支障を来して、なおかつ政権を維持するの自信ありやいなや、そのことをお答え願いたい。
  56. 増田甲子七

    増田国務大臣 椎熊さんに申し上げます。たびたび申し上げましたが、御承知通り、私が淺沼さんにお答えしたのは、先ほどまでに残つておる閣僚と、総理との交渉の経過を申し上げた次第でございます。しかしながらわれわれは、総理に対して早く出てくれるようにということは言い続けておる次第でございます。政権を担当する上において云々ということでありますが、総理は風邪でございます。風邪はだれでも過労に陥ればかかりやすいのであります、総理は二、三日静養すれば完全になおります。しかも病気理由として官房長官がおじぎをしなければならぬということは、今国会において初めてのことでございまして、総理は健康については十分自信を持つて、むしろ積極的に風邪を押して、十日間出ておられたのであります。しかしながら今日はとてもかなわぬということで、皆様に申しわけないけれども静養する、あしからずという状態でありますから、もとより政権を担当して参るだけの自信は、十分持つておると存じております。
  57. 椎熊三郎

    椎熊委員 あなた方の自信は自信でございます。しかし日本の国政上に重大なる支障を来したという責任をお考えになりますか。
  58. 増田甲子七

    増田国務大臣 たとい、かぜを引きましても、あるいは二日なり一日なり欠席することによつて、国務に支障を来すということには、無論かわりないと思つております。
  59. 椎熊三郎

    椎熊委員 国政上に重大なる支障を来したということについて申訳ないということは認めたということですね。国政上に支障を来したという現実の問題をお認めになつたということですね。
  60. 増田甲子七

    増田国務大臣 かぜでございますからいたし方がないことでございまするが、やはり現実に支障を来したということは、認めざるを得ないことでございます。
  61. 中村寅太

    ○中村(寅)委員 私は今問題になつておる吉田総裁のきようの発表について、民自党のどなたからでもよろしゆうございますが、お答えをしていただきたいのであります。政党の総裁として発表せられたものは、これは政党というものの考え方からいたしまして、当然吉田総裁個人の意見ではないと考えられるのであります。そこで吉田総裁は今仰せられましたように、病気で出れないということでありますが、吉田総裁のもとに二百数十名の人がおられるはずです。その中には相当責任のある幹部の人がおられて、党というものが成立つておる。そこでこの党の幹部の人たちから、これは先ほど二、三の同僚委員が聞かれたように、民主自由党考え方として受取つていいかどうかという質問に対しては、私はどなたか責任ある方から、お答えができないことはないと思う。それができないというならば、私は民主自由党の性格というものに大きな疑点を持ちたいと思う。この点は常識で考えましても、総裁病気で出られないならば、あるいは政党としての義務を果さないということですから、当然どなたかからお答えしてしかるべきだろうと思いますが、どなたからでもけつこうです。お答えを願いたいと思います。
  62. 石田博英

    石田(博)委員 民主自由党の政党としての代表的な見解というものをここで申し上げるのは、その問題について、あるいは使用する字句等について、党の正当たな関に諮つて申し上げなければならないと存じます。従つてこの席上で即座に申し上げるということを要求せられることが、少しごむりじやないかと思われます。ただもし問題を議会政治の運営というところに限局いたしまして、民主自由党員としての私、あるいは党の副幹事長としてもけつこうでありますが、私の考え方というものをお聞きとりくださいますならば、申し上げてもよいと思いますけれども、党の代表見解ということでおつしやいますならば、それは党の適当な機関に諮らなければならぬと思います。
  63. 椎熊三郎

    椎熊委員 重ねて先ほどの私の発言につけ加えておきたいことがあるのです。それは新憲法になつて主権在民です。旧憲法の時代では、総理大臣は陛下の御下命によつて印綬を頂戴して、陛下補弼の重責を持つておる。今日はそれ以上の重大な責任を国民代表として持つておる。かつて浜口雄幸総理大臣は、凶漢のために倒れまして、ただいまここにおられる幣原先生は、その当時の代理総理大臣であつた。あの凶漢によつて重大な負傷を受け、その病状等も在間の公知の事実ではあつたが、当時の議会では、それでは総理大臣が陛下補弼の重責を全うせず、政局多端に向つて、ぜひ出席してもらいたいというので、あの重大なる病躯をひつさげて委員会に出、本会議に出られた状態を、私は涙をもつてこの目で見ておる。今総理大臣病気のために、国政上に重大なる支障を来したということであるならば、この現下置かれたる日本の国情から見て重大なる責任をお感じにならなければ、国民に対して申訳ないことである。私は重ねてそういう点について官房長官の御所信をお伺いする。
  64. 増田甲子七

    増田国務大臣 今夕のところはまだ未決でございまして、必ずしも出ないということはございません、今までのところ皆さんの御要望に応ずるということは申し上げかねます。
  65. 神山茂夫

    神山委員 まだ総理が来るか来ないかわからないということを増田君が言われるのであります。実は先ほど運営委員会が開かれましたのは八時四十五分でありましたから、その八時四十五分には、私たち増田君の言明を信頼したわけであります。それは先ほど岡田君が言いましたので繰返しませんが、来られるか来ないか、わからないけれども、誠心誠意をもつてやるとおつしやいましたので、私たちはその誠意を信頼して了解しておるわけであります。従つて増田君の言われる、まだわからないとおつしやることもございますけれども、しかし一方では事実そういうことがあつたかどうか確かめておりませんが、八時前にすでに参議院側の委員会その他で、政府側から、きよう吉田総理は出られないというふうな意思表示があつたということも聞いておるわけであります。もしもこの話が事実であるとしますと、石田君の誠意及び廣川君が今迎えに行つておるその心中は察しますけれども、大体の見通しが増田君にあるとするならば、まだ未決のことであるというふうに言わないで、さつぱり病気の状態がこうであるから、きようは来れないと思うということを、はつきり言つてもらいたい。それによつてたち態度のきめ方があるわけであります。へびの生殺しのように、来るか来ないかわからないというふうに言われては遺憾であります。さらに私は増田君にちよつと言つておきたいが、総理がきよう出られないと言つて官房長官がおじぎをしたのは今度が初めてだというふうにおつしやいますが、きよう病気だというふうにおつしやるので、これをどういうふうに見るか、椎熊君のような見方もあります。また別の見解もありましようけれども、しかし私は先ほどから言つておる通り、あなたは一生懸命矢面に立つておるが、総理は日ごろ国会を重視しておられるならば、きようの場合は浜口君を殺したような残虐なむりは言いたくない。それよりも日ごろ国会を軽視しておるからこそ、こういう議論が出て来るのだ。そこで私は増田君の、きようのところは遺憾であるという点はいいのですが、この前某外人と会つて云々ということで、審議を二日間も延ばした。こういうことを一体感ずるのか感じないのか、また今度の国会審議が、だらだらと延びて来た原因一つは、予算の提出が二回にわたつて遅れておる。これに付属する法案が遅れておるということに関連した点を、あなたは認めますか、認めませんか。
  66. 増田甲子七

    増田国務大臣 いろいろな点に神山君は触れられましたが、病気理由で欠席したのは今回が初めてであります。これはきわめて明瞭なことであります。それから渉外関係その他で欠席いたしましたことは、この前たしか十四日でしたか、そのときは御承知通り、渉外関係にほとんど没頭しておりまして欠席いたしました。渉外関係と国務関係と、いずれが価値判断において軽重があるかということを、私は明言いたしかねますが、あのときの渉外関係も非常に重要でございまして、総理といたしましては、外務大臣といたしましても一生懸命職務に精励しておつたというふうに、私は確信しております。それから先ほど淺沼君の言われるように、もし議事その他の関係がございましたならば、廣川君が出てくれというわけで参つたのでありますから、これから出て来るかもしれない。来られるといたしましても十一時半ごろになると思いますが、それまでの議事等は、国務を澁滞するようなことはわれわれといたしましても重要な関係がありますから、それは適当に御処理を願いたいと思います。
  67. 石田博英

    石田(博)委員 今の神山君のお話ですが、先般の運営委員会におきまして、総理出席の点について、党といたしましては最善の努力をしておるし、努力を続けるつもりであるということを申し上げたのであります。従つてどもといたしましては、お待ち願つておる以上は、できるだけすみやかにその結論を得て、諸君に御報告いたしたいのであります。ただ残念なことには幹事長との約束の時間は、ほぼ現在の時間を約束しております。しかしながらまだ私たちは連絡がとれません。ここにおりますためでもありましようが、連絡がとれておりません。とれましたならばむろんすみやかに御返事申し上げるつもりでおります。官房長官の方からの、政府との御連絡の結果ということはお聞きの通りですが、民主自由党といたしましては、現在でも誠意をもつて努力しておる状態にあることを御了承願いたいと思います。
  68. 神山茂夫

    神山委員 今石田君のおつしやることを私たちは初めから信じておりますし、今も信じております。そうして最後まで努力されるようにお願いしておる。私たちもあなた方と一緒に、廣川君の連絡を待ちたいと思います。ただ私たちは話してもらえばわかるのだ。特にお願いしたいのは、たとえば渉外関係で、スナイダー氏に面会の場合のごときは話してもらえればすぐわかる。十四日ですか、十五日ですか、あの日は渉外関係だから言えぬとおつしやつたが、あとで外国電報によつて名前もわかつておる。職業もわかつておる。こういうよう事情がありますので、あなた方を信用したくてもできないことがある。今の増田君のような、フランクな男らしい話なら信用します。そうでなければ信用できないじやないかということを言うのです。ただ特に強調したいのは、椎熊君の言われるように、私たちは浜口君をむりに呼び出して死に至らしめるということを言うのじやない。日ごろこういうことがあるから信用ができない。第二には椎熊君も指摘されておるし、官房長官も認めますように、国政の上にやはり若干の遺憾の点があるとすれば、これをなくするためにも、最後まで出席してもらえるよう努力してもらわねばならぬ。もらわぬばかりじやない。総理出席するか、しないかによつて、私たちとして今日の会議運営についても、相当考えなければならぬ事態が起つて来ることを御了解願いたいと思います。
  69. 椎熊三郎

    椎熊委員 総理はきよう重大声明をなされたのですが、これは国会全体に対する非常な重大な問題でありまして、従つてこの声明をなされるにあたつて衆議院の議長との間に、この声明発表の前に何らかの話合い等でもございましたものかどうか、その辺のいきさつを議長からお答え願いたい。
  70. 田中織之進

    田中(織)委員 ただいま椎熊委員からの議長に対する質問は、きわめて重大な意味があると思うのです。本日の吉田首相の声明は、言うまでもなくその内容国会運営全体に関する問題でありまするので、立法府責任者といたしまして、これに連絡があつたかどうかということについての御質問があつたならば、この声明に対しまする立法府責任者としての幣原議長の御見解を承つておきたいと思います。
  71. 石田博英

    石田(博)委員 この問題は、さつき椎熊君は総理とおつしやいましたけれども、ぼくは別にわけて特にはつきりすることもなく、議論を繰返すわけでもありませんが、総裁の立場でされたのでありまして、衆議院を構成しておる党派の代表者の発言であります。その場合ほかの党の御発言も将来出て来る場合もあろうかと思います。そういう場合について、議長責任ある返事を求められるということは、引込めたらどうかと思います。
  72. 椎熊三郎

    椎熊委員 この重大な声明を発するにあたつて総裁としてならなおさらのことです。わが衆議院の議長民主自由党の党員であられるから、いつそのこと、こういう国会に対する重大なる発言をなさる場合に、何らか御相談でもあつたのかなかつたのか、全然議長は御存じないか、どうかということを、念のために伺つておきたい。
  73. 幣原喜重郎

    ○幣原議長 私は率直に御返事いたします。私には何にも相談はなかつた。新聞に出たという話で、初めて驚いて読んだのであります。
  74. 中村寅太

    ○中村(寅)委員 先ほど石田君からお話がありましたが、私はやはりこの声明は政党としての意思であると解する場合と、総裁がかつてにやつたという場合とでは、衆議院としては関心の重さにおいて大きな違いがあると思います。しかし政党の総裁がかつてに個人の意見を発表するものとは解されない。しかしながら朝からいろいろ民主自由党方々のうわさを聞いておつても、どうも幹部の間で決定して発表されたものじやないよう考えられるようにも懸念するのであります。その点は先ほど石田君は、則座に回答することはできないが、幹部相談すればできるというふうに解される答えでありましたが、私はまだ時間もありますから、この委員会に、ひとつ正式に民主自由党幹部のどなたからか、あれは党の意思を総裁が発表したものである、あるいは党の人々が知らないうちに党の人が発表したものであるという、二つのうちのいずれかを明確にしてもらいたいということが一つと、個人の意見ならよいということでありましたが、個人の意見でも叩かれるならば聞かしてもらいたい。
  75. 石田博英

    石田(博)委員 私はあなたから民主自由党の議会政治に対する考え方というか、そういうものをだれかがしやベれ、こういうお話がありましたので、民主自由党考えとしてお話を申し上げるのには、党としてやはり一応、党の機関にかけてお話を申し上げなければならないということを申し上げたのですし、この声明に関する党の幹部の取扱い、あるいは内部の処置の方法につきましては、党としての内部の機構の問題、運営の問題に属するのであるが、私どもは一応これが表に出たものとして御議論をされるということは、やむを得ないと考えます。しかしその取扱いその他については、私どもはの運営委員会で、各派方々お答えをするという限りではない。こうお答えをいたしたいと思います。
  76. 中村寅太

    ○中村(寅)委員 ぼくの質問をちよつと石田君は誤解しておるように思います。私は民主自由党の意思をだれかしやべれということではないのであります。あの声明民主自由党として協議の上で決定されたものを総裁が発表したものか、そうでないのかということを、だれかほかの委員から聞かれた場合に、それは総裁が帰つて来てみなければわからないというような答えでありましたから、私はその点は総裁が党の意思を代表して発表したものであるならば、総裁がいなくても、民主自由党には相当の役員がおられるはずだ、その役員の意思を聞きたい、こういうことをお願いしたのであります。
  77. 大村清一

    大村委員長 中村君にちよつと御相談申し上げますが、官房長官がちよつとほかに用がありますから、官房長官に対する質問を、まずお願いいたします。
  78. 中村寅太

    ○中村(寅)委員 私はこれでけつこうです。
  79. 田中織之進

    田中(織)委員 本日の議院運営委員会並びに本会議運営が、時間的に著しく遅延いたしておる。この現状はあげて吉田首相、吉田民自党総裁談話の問題に関連して起つた問題でありまして、従つて本日の会議運営が、スムーズに行かなかつたということの責任は、これはもちろん吉田総裁を含めた民自党並びに吉田内閣の責任であるということを、はつきり確認しておいていただきたい。そうでないと、本日出されておる吉田総裁談話においても、われわれの側から申しますならば、政府並びに與党責任で起りました問題につきましても、ある場合には、それは全部野党責任であるかのごとく非難されておる。そういうふうにこの談話に出ておるのであります。従つて本日の事態は、午前中の議院運営委員会休憩の問題にいたしましても、與党の側の都合であるということは、これは否定することのできない事実であります。また今夜の運営委員会並びに本会議の問題につきましても、総理大臣出席がないということが、これが主たる原因というよりも、原因の全部なんです。そういう意味において本日の最終日国会運営が、かくのごとき事態に陥つたということは、あげて政府並びに與党責任であるということを、この際確認しておいていただいて、残余の議案もありますから、この際至急に議事を進めていただきたいと思います。
  80. 淺沼稻次郎

    淺沼委員 きよう田中さんから申されたことで大体話は盡きると思うのです。そこで官房長官にもう一ぺん念のために伺つておきたいのでありますが、官房長官お話を承つておりますと、初めは出ることが困難なよう事情に伺つておりましたが、いろいろお話を進めておるうちに、あるいは十一時三十分ごろになれば、出席可能であるかもしれないということを言われて、初めの言明よりあとの言明が幾らかゆるくなつて来たようです。われわれは十一時三十分ごろ出席いたしますということを期待いたします。しかしかりに十一時三十分ごろに出席していただきましても、三十分経過すればこの第六国会は終了してしまうのでありまして、われわれが総理大臣に聞かんといたしましても、第六国会においては聞くことができないよう事情です。従つてこの問題は第七国会が開かれたといつても、やはり問題として残る問題でありまして、おのずから先に残されて行くと思います。そこでもう一つ念のために伺いたいことは、この声明にからんで、行政府立法府関係並びに政府国会に対する態度、これらの問題は、総理大臣がいなくても副総理がおられるのでありますから、総理大臣事故ある場合には、副総理がこれを代行するということになつておるのでおりまして、これに関連して政府は、行政府立法府関係をどう考えておるか。さらに政府国会に対する態度を、いかよう考えるかという質問をすれば、林副総理が答えるべきものであると思うが、どうか。
  81. 増田甲子七

    増田国務大臣 もとより副総理でございますから、お答えはいたします。
  82. 神山茂夫

    神山委員 官房長官ちよつと待つてください。先ほどの田中織之進君の質問に対して、あなたはお答えがなく帰ろうとするので、あえてもう一つ聞きます。先ほどの椎熊君の質問に対して、部分的ではあるが、国政の運営の上に若干遺憾の点があるということを認められたわけです。それと今、田中君の尋ねておる問題とは、若干違うように見えますけれども、しかしその責任の所在は私は同じだと思います。田中君の言われましたことを繰返しますが、きよう会議がこういうふうに遅れた責任を、政府側は認めるかいなか、その点についてあなたの所見を伺いたいと思います。
  83. 増田甲子七

    増田国務大臣 繰返して申しますが、ただいままで皆さん出席要望があるにもかかわらず、病気のために出席いたしかねるという点につきましては、申訳ない、こう申し上げておるのであります。
  84. 石田博英

    石田(博)委員 ちよつと御報告申し上げます。はなはだ申訳ないことでありますが、十時四十三分ごろ、手元に幹事長からの連絡が参りました。総理病気のために本日は出席できないそうであります。長い間お待たせいたしまして申訳ありませんでした。
  85. 椎熊三郎

    椎熊委員 総理病気のために出席できないということも、これまたやむを得ないことで、私どもはそれに対する責任ということを、強く痛感しております。もちろんこれとは別個に、いかに政府が議会を軽視しても、吉田民主自由党総裁が議会を侮辱しても、衆議院自体としてなすべき問題が今たくさん残つておるのであります。われわれはそれに籍口して、きよう、あす、何らなすべきことをなさずしてしまうというのは、衆議院自体の責任にもなると思いますので、総理責任責任として、私どもはこれから最終の時間まで能率を上げて、解決すべきものは解決したいと思います。(「その通り」と呼ぶ者あり)そこできようの本会議議事日程に入つてもらいたいと思います。
  86. 大村清一

    大村委員長 それでは本日の残つております議事日程の御相談をお願いいたします。ちよつと速記をとめてください。     〔速記中止〕
  87. 大村清一

    大村委員長 速記を始めてください。それでは本会議の開会は十一時といたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後十時五十八分散会