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1949-11-14 第6回国会 衆議院 議院運営委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十一月十四日(月曜日)     午後一時四十三分会議  出席委員    委員長 大村 清一君    理事 石田 博英君 理事 佐々木秀世君    理事 福永 健司君 理事 山本 猛夫君    理事 土井 直作君 理事 椎熊 三郎君    理事 神山 茂夫君 理事 坪川 信三君       大橋 武夫君    岡延右エ門君       岡西 明貞君    倉石 忠雄君       田中  元君    塚原 俊郎君       福永 一臣君    松井 政吉君       園田  直君    長谷川四郎君       春日 正一君    寺本  齋君       中野 四郎君  出席国務大臣         国 務 大 臣 増田甲子七君  委員外出席者         議     長 幣原喜重郎君         副  議  長 岩本 信行君         議     員 金子與重郎君         議     員 木村 俊夫君         議     員 中原 健次君         議     員 佐竹 晴記君         事 務 総 長 大池  眞君 十一月十四日  委員土橋一吉君辞任につき、その補欠として春  日正一君が議長の指名で委員に選任された。     ――――――――――――― 十一月十二日  請願並びに陳情書処理経過に関する陳情書  (第二八號) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  補正予算提出並びに大蔵大臣財政演説の日  取りに関する件  議員渡米に関する件  外務委員会員数増加に関する件  外国為替管理委員会委員任命同意に関する  件  緊急質問取扱いに関する件     ―――――――――――――
  2. 大村清一

    大村委員長 これより会議を開きます。  この際御報告を申し上げます。本日の運営委員会総理大臣出席されるように御要求がありましたから、委員長事務局を通じで申入れましたところ、都合があつて総理大臣出席できないとのことでありますから、その点御報告申し上げます。この際官房長官の御発言があります。
  3. 増田甲子七

    増田国務大臣 本日午後四時過ぎに当院に補正予算提出いたします。明日の午後一時ごろ、池田大蔵大臣から財政方針演説をいたすつもりであります。御了承願います。
  4. 神山茂夫

    神山委員 今の問題に関連してお尋ねしますが、税制改革に関する法案提出の見通しについておわかりでしたらお聞きしたい。
  5. 増田甲子七

    増田国務大臣 補正予算裏づけになる減税減税裏づけになる諸税の廃止、あるいは減税に伴う法制につきましては、この前同時に提出をいたしたい、同時提出ができなければ接着して提出するように、せつかく努力中であると申しましたが、これらの法案については、本日の午後閣議決定をいたしまして、できれば本日提出いたしたいと思いますが、今のところ確かなことは申上げられぬ状況でございます。
  6. 神山茂夫

    神山委員 この前の運営委員会に、私が首相出席を求めたのですが、これも都合ができなかつた。その際私は、官房長官にできれば若干説明していただくことによつて、問題を解消したいと思つた。それというのは、参議院における首相のいわゆる取消し問題といいますか、失言問題というか、この問題について、私は政府側がもつと進んで釈明され、あるいは別の形式でその意のあるところを発表されることが、国民及び諸外国を納得させる上に必要じやないかと思つた。それでこの前の運営委員会で、増田君が政府を代表し、あるいは首相意思のあるところをお伝え願いたいと、数回お願いしたにかかわらず、何ら返答なく終つてしまつたのであります。ところが皆さんも御承知のごとく、濠州の外務大臣エバツト氏らは、吉田君の発言に関連して、これは日本人が、特に吉田首相が古い軍国主義的な気持を持つておる証明であるという、強い表現をしておる。また中国国民党側の一機関紙も、やはりこれは日本人が軍国主義的な気持を持つておる証明であるというようなことを、書いておる。これは各紙が報道しておるところであります。こういう事情になると、政府側説明することがかえつて誤解を深めるとおつしやつて沈黙を守つておることが、一層誤解を深めるだけでなく、このことによつて日本講和の時期も遅れるようなことになるのではないか。この点政府側の非常な考え違いであつて、これは重大な問題ではないかということを考えざるを得ない。この場において、この点についてもしも一応の御説明が願えれば、それによつてたち疑いが解けるばかりでなく、世界民主主義諸国疑いが解けることになれば、非常な幸いだと思うので、増田君に一応の御説明を願いたいのであります。
  7. 増田甲子七

    増田官房長官 追つて総理外務委員会等出席機会等がありますれば、外務委員会総理発言されるのでないかと思います。その機会までお譲り願いたいと思います。前会にも申しました通り誤解を起す恐れがありましたから取消した次第でありまして、総理の本旨ではなかつた。こういうわけで解決したわけであります。従つて取消し内容について、さらに私が云々するということは避けたいと思う次第でございます。
  8. 椎熊三郎

    椎熊委員 ただいまの問題は、私は神山さんの御意見とは違うのです。こうした大きな問題を、官房長官総理にかわつてただちにこの席上で弁明すること等は、かえつて疑いを深くすると思うのであります。今のお話のように外務委員会等で正式に総理大臣直接御答弁なつた方がよろしいと思う。ただ外務委員会には従来総理はちつとも出て来られない。今度のことは重大であるから、この席上で、常に外務委員会出席するということを確約していただきたい。
  9. 土井直作

    土井委員 ただいま椎熊君あるいは神山君からお話がありましたが、私はまたちよつと別な意見を持つのであります。もとより外務委員会で事理を明白にされることは必要でありますが、外務委員会はわずかに二十名の委員会であります、それよりもこれはわが党からも、あるいは民九の方からも、共産党からも出ておるわけでありますが、いわゆる緊急質問があるのでありますから、こういう重大問題は、この緊急質問を本会議において行います場合に、総理大臣国会を通して、その問題について堂々と所信を表明されるなり、あるいは意見を発表される方が、影響するところが大きいだろうと思うのであります。従つて私は後ほどおそらく本委員会議題になると思いまするが、緊急質問を本会議行つて政府の、あるいは総理方針を解明していただく方が、かえつてよろしい、かように考えます。
  10. 石田博英

    石田(博)委員 緊急質問を本会議で行うことを承認するかしないかは、これはただいまの議題でないと思います。従つてその問題についてはあと議論をしていただきます。ただ私どもとしましては、ただいま維熊君より述べられた通り、問題が重要であり、かつ非常に機微の点にわたる点がありますので、本委員会の主として取扱うべき議題でないと考えまするから、従つてこの問題をこれ以上論議することは、外務委員会でやつていただくということにしたいと思います。ただいま要求総理出席の点は、これは先般も委員長から政府の方へ申立てをされたことになつておるのでありますし、この点については出席してもらうように委員長から院の意思を伝逹してもらうということについては、私ども異議はありません。
  11. 神山茂夫

    神山委員 あとの話の、委員長から私たち総理会つて話を聞きたいという点を、総理に伝逹してもらうということは了解いたします。それから私がこの前から増田君にいろいろしつつこくお尋ねしておるのは、増田君が日本政府を代表して、首相のなされた演説を、文字道りの意味で表明されることを求めたのではないので、むしろあなた方の気持を聞きたいからこそ、そう言つては失礼でありますが、あなたでがまんして聞きたい。こう思つたのです。ところがこの前も言わない、きようも外務委員会でとおつしやるならば、私どもとしてもこれ以上あえてあなたに食い下つて、何とかかんとかいう気持はありません。官房長官にお尋ねする気持はありません、官房長官は答えられないということに了解して、これもそのままにいたします。     —————————————
  12. 大村清一

    大村委員長 この際議長から御報告があります。
  13. 幣原喜重郎

    ○幣原議長 今の問題とは関係のない事項で、新聞にすでに発表しましたけれども、この土曜日にウイリアムス君が、向う民政局長のかわりに、議会に私と松平参議院議長とを訪問して参りまして、従来アメリカに行くことにきまつてつた一班と二班、あれを一緒にしておいでを願うことにして、出発は十五日ごろと言つておりましたが一月一ぱいにこちらに帰り着く予定にしたい。往路は船だそうでして、十五日になるか、十六日か十四日かわからぬと言つておりましたが、とにかく十五日という予定で船で行つてもらう。帰りは飛行機になるらしい。こう言つておりまして、そのあとへつけ加えてひとつこの際議長団の方が行かれるのだから、両院議長一緒おいでになるよう、両院議長を御招待したい。こういう申出をつけ加えられたのです。これは松平議長も私もともに考えなければなりませんことで、その点行くとか行かぬということは言わずに、そのままになつておる次第でありますが、そのことだけを今日御報告申し上げておきたいと思います。
  14. 中野四郎

    中野(四)委員 念のために伺います。新聞だけでよくわかつておりませんが、あるいは副議長もたしか招かれておるのではないでしようか。
  15. 大池眞

    大池事務総長 そうです。
  16. 中野四郎

    中野(四)委員 そうすると勢い休会の問題もここにからまもつて来るのですが、十五日とおつしやるのは十二月十五日でしよう。
  17. 大池眞

    大池事務総長 そうです。
  18. 中野四郎

    中野(四)委員 そうすると慣例上一月一ぱいは休むべきである、休むべきでないということが、前の議会においては大分議論があつて、この運営委員会が紛糾したことがあつたのですが、副議長議長というような議会運営に重要な職にある人が、一月一ぱい行くということになると、これは自然会期の問題がかんで来ると思う。それに神山君の言う不測の状態が、起らぬとも限らないことになると、なお議会運営が問題になると思う。
  19. 幣原喜重郎

    ○幣原議長 その点はよく考えて、去就を決するといつてはおかしいですが、よく考えてきめたい。こう思つております。
  20. 神山茂夫

    神山委員 議長去就を決せられるにあたつてたち希望を申し述べておきたい。というのはこの問題は休会中にたしか議院運営委員会報告されて、ここで正規の議題とするのでなくて、一応各党了解を願いたいということで、私たち反対意見を述べながら一応了解したというかつこうになつたと思う。その要点はそのとき述べましたから、きようは詳しいことは省畧いたしますが、第一に今度の招待というのは、小会派を無視しておるということ、これが国会の名によつて国会で選ばれたものでなくて、いわば一方的なお客さんであるということ、ほんとうに国会を代表して行くのなら、当然国がその費用を負担すべきであるにかかわらず、そうでないということ、こういう点から問題がありますが、さらに日本連合国管理下にある今日の状態からいたしまして、議員を派遣するとすれば、十一箇国に行くべきである。もしもこの点で問題があるとすれば、四箇国にすべきだ、そういうことを言つたわけです。にもかかわらず一箇国に行く場合に、国会そのものも正式にきめすに、招待に対して、あなた方が個人的に行くことなら了解するといつたわけです。議長、副議長が出られることになれば両院ともいなくなり、さらに事務総長両院ともいないという形となつて国会の開会中において、実際に国会の機能を停止1するということも、これは非常に重大な問題、だと思う。そういうわけですから、私たち議員派遣の問題に対して、私たちの所見を明らかにして、あえて招待されるから行くというのでありましたら御自由でありますが、国会運営十分考慮を拂われて、日本の最高の機関である国会運営に支障のないようにということを、特に私は希望しておきたい。その上でどうぞお客さんのことでありますから、おいでになりたい方はいらつしやつてくださいませ。
  21. 幣原喜重郎

    ○幣原議長 よくお話は承つておきます。
  22. 佐竹晴記

    佐竹晴記君 なお議長は行かれぬとして、副議長おいでなつたときに、議長だけではたして議会運営をやれるのか、今日の運営状態では、あまり夜おそくなるようなとき、あるいは混乱に陥るような状態の場合には、多く副議長が当られておる実情であります。副議長向うおいでになつて、御老体の議長だけで、はたしてやつて行かれるかどうか。この点はこの運営委員会において問題にしておかなければならぬ。これは議長おいでになるという問題でなく、副議長が行くことについて、十分この際御考察を願つておかなければならぬと思う。     〔「同感」と呼ぶ者あり〕
  23. 大村清一

    大村委員長 御発言もないようでありますから、次に外務委員会委員増加の件が懸案になつておりますのを、この際御協議願います。
  24. 石田博英

    石田(博)委員 この問題につきましては、他会派諸君はすでにそれぞれ御見解を述べておつたのでありますが、私どもの方では原則的なお話合いはいたしておりましたけれども、結論的な意見を申しておりません。この際私どもの方の態度を申し上げておきます。外務委員会は他の常任委員会に比較をして人数が不足になつております。従つて外務委員会運営上、他の委員会運営の現況にかんがみまして、他の常任委員会人数とつり合う程度にふやして行くということについては、私どもは異存がございません。その人数は大体平均二十五名でありますが、三十五名、三十名の委員会もございますので、私どもは三十名が適当と考えます。なおその委員の配分をいたした場合において、現在の状況でも、社会革新党公正倶楽部の方から委員が出ておりません。これについては按分をいたした結果に基いて、一人ずつ委員を出していただくように考えることは、適当であろうと私どもは考えております。
  25. 椎熊三郎

    椎熊委員 三十名だと各党はどうなる。
  26. 大池眞

    大池事務総長 民自党が十七名になります。それから社会党が三名、民九が三名、共産党が二名、民十が二名、新政治協議会が二名、労農党が一名、あとは割当らないことになります。
  27. 大村清一

    大村委員長 速記をとめて懇談に入ります。     〔速記中止
  28. 大村清一

    大村委員長 それでは社会党共産党から御希望もありますので、外務委員会委員増加の件の決定は、一両日あとに延期して、さらに御相談をいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  29. 大村清一

    大村委員長 そのように決します。     —————————————
  30. 大村清一

    大村委員長 次に外国為替管理委員会委員任命同意の件を議題といたします。
  31. 大池眞

    大池事務総長 これはこの前この次まで延ばすということで延ばしたわけでありますが、各党態度がきまりましたならば、お願いいたしたいと思います
  32. 土井直作

    土井委員 ただいまの外国為替管理委員委員の大久保君の問題については、わが党では大体賛成を表します。
  33. 椎熊三郎

    椎熊委員 わが党も賛成です。
  34. 神山茂夫

    神山委員 ぼくの方は留保してもらいたい。
  35. 石田博英

    石田(博)委員 われわれの方は賛成です。
  36. 大村清一

    大村委員長 次会に延期いたします。     —————————————
  37. 大村清一

    大村委員長 次は緊急質問取扱いに関する件を議題といたします。
  38. 大池眞

    大池事務総長 ただいま事務当局緊急質問が四件出ておりまして、第一は野坂参三君提出講和会議に対する吉田内閣態度についての緊急質問、第二は岡田春夫提出の、参議員会議における吉田総理失言に関する緊急質問、第三は西村榮一提出の、講和会議方式に関する緊急質問、第四は並木芳雄提出の、総理大臣失言に関する緊急質問、この四つ緊急質問提出されておりますので、その取扱い方を御協議願いたいと思います。
  39. 土井直作

    土井委員 この緊急質問は、御承知通リ当面迫つて来ておりまする講和問題に対して、国民関心が非常に高まつておるときでもありますので、過般参議院会議における総理答弁等からかんがみて、この場合議会を通して政府所信を明確にしていただく方が、内外ともによいのではないか、こういう観点から出ておるわけであります。緊急質問内容は、それぞれ題名は多少違つておりますが、ある意味において政府国民とが一体となろうとするところの一つの好意的な質問と見てよいと思う。従つてこれはすみやかに取上げていただいて、緊急質問をさせて、政府もまた堂々と所信を表明して、国民講和会議に対して向うところを明示することは、政府として当然の義務じやないかと考える。これはぜひひとつ上程するようにお願いしたい。
  40. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 先ほど官房長官から、外務委員会総理が出てお話する機会があるだろうということを申されて、神山君もそれを了承されたようです。この緊急質問の題目を見ると、ことごとく先般の参議院吉田総理大臣の、いわゆる疑惑を招くといけないというので取消しをやつたことに関する緊急質問のように考えます。これは私たちとしては、外務委員会等機会において、総理大臣がその機会を得て発言をすることが妥当であると考えますので、この緊急質問はこの際おやめになつたらよいではないかと考えております。
  41. 神山茂夫

    神山委員 これは奇怪なお話を承るもので、私が先ほど増田君のここから帰ることを了解したのは、増田君では説明ができないという意味了解したのであつて、これを外務委員会でやるということに対して断じて了解していない。それどころか昨日の委員会言つておるように、私たちは本会議における緊急質問としてはつきり出してあるし、留保しておると言つておる。一日も早くこの問題を解決するために、吉田君の出席とその弁明を望んだわけです。ところが吉田君は出て来ない、増田君は説明しない、それでいてそれを理由にして本会議質問は困るということは、まつたくさかさまである。また外務委員会の問題と言われますが、これも佐々木君御承知通り外務委員会政府委員諸君が少ししやべり過ぎて、吉田君から特別に小言を食つた新聞に報ぜられておる。外務委員会が拡充されるかどうかは別にして、私たちはそういうところで、政府代表者増田君の弁明だけで問題が解決されるとは思つていない。殊に吉田内閣態度に対する緊急質問言つておるのは、單に参議院における失言問題ばかりでなく、施政演説に言われたことは、すでに質問その他で一応盡しておるにしましても、参議院における失言と、さらにこの失言について釈明をする態度、この全体を含めて非常に重大な問題があるという意味で、緊急質問をしておるわけであつて緊急質問天災地変に限ると佐々木君が言われても、この問題の緊急性重大性ということは、日本国民の運命にかかわるばかりでなく、全国民が注目しておる問題である。この講和の問題に対しては、すべての党派が関心を持つて提出しておるのであつて、今出ておるこの四つ緊急質問は、すみやかに本会議で十分にやらせてこそ、初めて世界国民の心配が解けるわけでありますから、ぜひ民自党諸君も満場一致賛成されるように私は期待しております。
  42. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 さきに神山君が了承したのは、要するに外務委員会でやるということの了承でないということはわかりました。しかし講和会議というものは重要であるから、やらすべしといこと自体は、あなた方が重要であると御認識があつたからこそ、先般の総理大臣施政方針に対する質疑において、野党の各派は、どなたもその質問の中に、講和会議の問題を織り込んでいたのである。それに対して吉田内閣は、講和会議に対する現在の立場というものを、本会議において明確に表明しておるわけです。そういう総理大臣みずからが各党質疑に対して十分お答えしたものを、さらに講和会議に対する緊急質問だとおつしやるならば、すでにそれは現段階においては盡きておると思う。そのことをまた持ち出して緊急質問をするということになると、それは緊急質問それ自体の本質から逸脱することになるのであつて、われわれとしてはこれをただちに認めるとうわけには行かない。
  43. 神山茂夫

    神山委員 佐々木君からそういう反駁があるだろうと思うから言うておいたが、施政演説そのもの意見はわかつておる、これに対して各党質疑したことも事実である。これを前提としておられるが、その後外務委員会の拡充の問願が出、さらにまた参議院会議において、総理大臣が重大な失言をしておるという現実が現れておる。しかも、その問題については取消しが済んでおると君たち思つておるかもしれぬが、世界の輿論は痛烈に批判をしておる。このことによつて日本講和を遅らしておるというようなことが出ておる。そういうことであるから、問題は重大であり、緊急である。従つてたちは新しいこの問題に対しては、本会議においてはつきりさせる必要があると思う。枝葉末節議論はしない、大きくこれを取上げて、国会全体がこれを論議するような形にしたい。
  44. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 講和会議全般の問題とおつしやるだろうと思うが、私はそれに関しては、総理大臣施政方針に対する各党質問で盡きておると申し上げたので、その後日の参議院における吉田総理大臣の取消の問題であるならば、もうすでにこれは終つておるのであつて誤解を招くから取消しますと言つて取消した。そのことを取上げて何回も何回も攻撃すると、話はまた違つて来る。先程社会党土井さんの言はれたことは、講和会議全般というお話なので申上げたのです。
  45. 神山茂夫

    神山委員 社会党のは講和会議方式に対する緊急質問であり、並木君のは総理大臣失言に関する緊急質問岡田君のは失言に対する緊急質問となつておる。私が申し上げたのは、本会議施政方針演説に対する質疑は別個としまして、その後に起つた事柄に関連して、吉田内閣態度全体を含めた問題だといつておるわけです。総理大臣失言は大きな問題を与えております。あなたは取消して済んだと言われるけれども中国人が言つておるように、倫言汗ごとしで、偉い人が言つたことは、取消して済む問題と済まない問題がある。ことに吉田君は一国の総理大臣だけに、彼の失言は、あなたたち取消したから済んだと思つても、国民世界も済んだとは思つておらない。そこに中国新聞に出ておるような問題がある。それだけに問題は重大である。ことに吉田君の持つておる軍国主義的の思想は、かつて日本帝国のやつたことを表明しておると外国新聞はみておる。こういう事実があるから、問題はあくまで重大であり、緊急であるということを強調しておるのである。この点は十分あなた方御考慮願いたい。
  46. 石田博英

    石田(博)委員 いろいろ名論卓説が出ておるようでありますが、これは問題を二つにわけて、私どもの方の党の最終的な考え方を申し上げておきたいと思います。それは講和会議に関して緊急質問を行うという一般の問題としては、私どもとしては神山君も認めておる通り、これはすでに施政方針演説に対する質疑等において終了しておると考えますので、それは私ども反対です。それから失言問題に関する緊急質問でありますが、参議院総理発言の一部につきましては、すでに誤解を生ずるおそれがあるというので、総理の方から取消しをしておるのであつて、問題が起つた参議院においてこれが取消し方、あるいはその内容について議論があつてやられることなら、これは私ども承知したことじやない。しかし問題が起つた参議院においてすでに了承した問題を、本院においてそれ以上やるという意味が、私どもには了解ができないことが一点、それからその総理発言の一部が、いろいろ国際的に反響を及ぼしておるとおつしやる。それだけ重要なシリアスな問題を、さらに私ども誤解を生ずるおそれがあるものと考えたものを、もう一ぺんほじり返すということは、国家全体のために、国際関係の上から言つて有利であるか、不利であるかということについては、私はむしろ不利であると考えるよりほかはない。そういう意味からも、私どもはこの失言問題に関して緊急質問を取扱うことに反対する。さらにこの問題の詳細な内容について、あるいはその実体について御糾明ありたいというならば、むしろ本会議において質問をし答弁をする形よりも当該の外務委員会において、詳細にお取扱いになる方が、言葉じりや、その他から生ずる誤解を避けることもできると考える。さらに問題の重要点を確かめたいとも考えまするので、この三つの点から、失言問題に関する緊急質問は、本会議に上程することには遺憾ながら賛成いたしかねます。
  47. 土井直作

    土井委員 さつき私が緊急質問を許した方がよかろうと話をしておりましたときには、外に出ておつてわかつていなかつたのですが、実は私の方で申し上げたいのは、今石田君が非常に気にされておるようであるけれども、私の方で出しておるのは、講和会議方式に関する緊急質問という題名を持つております。この際総理大臣参議院におけるところの失言の問題を何か糾明するような形で、この問題を取上げるということについては、われわれも必ずしも同調はしがたいのです。実際上の問題として、あの問題に端を発していろいろ内外ともに誤解を招いておる。従つてこの場合に講和会議合というものの方式を、どういう形でやるかということを、最も建設的な面で緊急質問をする。これに対しての総理の堂々とした明快なる答弁をしていただくことによつて、これは国民あるいは内外ともに、好影響を与えるのじやないかということを考えるのである。従つてわが党が主張しておりまするところのものは、失言をつくというようなところに趣旨があるのではなくして、むしろ逆に、もつと建設的、積極的に、講和会議方式はどうあるべきかということについての質問をしたい、こういうことなんであります。ぼくはそういう角度からこの問題はぜひ取上げてやる。そうして政府態度をはつきりせしめた方が、政府のためにもあるいは国民のためにも、また国会全般としてもいいのじやないかと思うのであります。
  48. 中野四郎

    中野(四)委員 これはほんとうは懇談にしていただく方がよいと思うのでありますが、ここまで話を進めて来れば、与党側においては数によつて否決してもこれはやむを得ないという意向が、明確にわかつておる。野党側にすれば、ぜひともこの点について質問したいという意向もよくわかる。そこでこの四つ緊急質問が出ておるのですが、これは懇談にでも移していただいて、それを一本にまとめて何か話合いをつけるというような方法で、ひとつ与党側は議歩して話合いをつけるという気持にはならないのですか。議事進行として私は御相談を申し上げるのです。
  49. 石田博英

    石田(博)委員 私どもは現下の国際情勢全般から考えまして、さらにこの問題を出されておる性質にかんがみまして、本会議でこれを論議することが適当でない。従つて外交委員会等において詳細にやられる方が誤解を避ける意味においても適当であると考えますので、本会議に上程するということには、原則として基本的に反対であります。従つて妥協したり考え直したりする余地は私どもは持つておりません。
  50. 中野四郎

    中野(四)委員 石田君の意見を聞いておれば、議院運営委員会の本来の性質から言つて、数を決する以外はないという最後案が出ておるのですが、私の申し上げるのはそうでなくして、むしろこの中には講和会議方式に関する緊急質問というものもある。これは大体吉田首相が本会議で述べておられるところで、今新しく論議すべきでないという結論が出ておる。しかしながら私はこの野坂さんの吉田内閣態度に関する緊急質問というものは、それを取上げておるのではないと思う。だからこれを懇談会に移して一応相談の上、それが不可ならば、初めて数で決する段階に持つてつたらどうかと思う。
  51. 石田博英

    石田(博)委員 懇談をするということは別に反対をしません。しかし私どもに妥協の意思があるかどうかという話がありましたので、そう申し上げたのであります。
  52. 椎熊三郎

    椎熊委員 私はむしろ緊急質問の形で出て来るのは、政府国会に対する態度等の関連性もあつて、やむを得なかつたのだが、あまり賛成でなかつた。しかしきよう出ておる緊急質問で、初めて緊急質問らしい緊急質問が出たと思う。中野君のお説もごもつともだが、この問題に対しては、各党本質的に違つておる。妥協して一本にまとめるという性質のものではない。共産党講和会議に関する問題は、われわれとまつたく違う考えがあるかもしれない。それから労農党とも、同じ失言問題であるが、これを取扱う角度がまつたく違う。ふだんのイデオロギーがまつたく違つておる。いわんや社会党会の講和議の方式に関する質問は、われわれとまつたく別個の問題を特つておる。従つてそれを妥協して一本にまとめるという譲論にはならない。願わくばこの緊急質問国民が待望しておる講和会議の問題であるから、全部をお許し願いたい。
  53. 中原健次

    ○中原健次君 先ほど来いろいろお話が出ておるように、参議院での失言だから衆議院では問題にしないというようなことでありますが、それはまつたく違うと思う。そうではなくしてそれが参議院であろうと、どこであろうと、いやしくも公的な場所の発言で、それがしかも失言されて問題になつたのでありますから、国民に重大なる関心を持たせておるだけに、この失言に対しては非常にいろいろの臆測をしておると思う。そういうさまざまな憶測をそのまま押し流して、失言取消したらもはや問題はないであろうというような考え方のあることは、私は危険だと思う。むしろ衆議院の本会議というような大きな機関で、堂々とその失言に至りしいろいろな蹉跌と申しますか、そういう誤解を生じやすい点を、そうでないようにはつきりすることが大切じやないか。先ほどから神山君がしきりに御指摘になつておるように、もはや海外の諸国においても、それぞれこのことを非常に敏感に取上げて問題にしておるような情勢も考慮に入れられるならば、なおさら私はむしろこの緊急質問に応ずる。こういう態度は与党側の方でも御決心願えたら、講和会議の問題は、非常に明朗な糸口が出て来るじやないかというふうに考えますので、この場合四つ緊急質問に関してはそれぞれお取上げを願つて政府のほんとうの誠心誠意を込めた御答弁を伺うことがほんとうである。こういうように思いますので、ぜひとも与党側の方でもこの緊急質問四件に対しては、おおらかな気持でお取上げを願いたいと思います。
  54. 中野四郎

    中野(四)委員 ぼくは椎熊君の意見と違う。それは各党それぞれの本質があつて、それぞれの本質に基いて質問をされる。だが私は、今の時期に講和会議の問題はあまりここでかんかんがくがくの議論をせぬ方がよいという建前です。従つて、最後に結論を言つてしまえば、数で決するという結末を見せずに、何らかの妥協点がないかという気持で言つたのです。
  55. 椎熊三郎

    椎熊委員 建設的な気持言つておるのです。失言問題は諸外国誤解されてもらいたくないという意味での質問です。
  56. 石田博英

    石田(博)委員 そういう点を明らかにするためには、私どもとしましては、外務委員会で詳細に、誤解のないようにやつて行きたいと考えます。従つて会議における質疑応答は、大ざつぱにわたり過ぎて、別の点において問題にされることもあると思います。それについての補足もできないという危険もありますので、私どもとしてはそういう問題を明らかにするという建設的な意味ならば、外務委員会でおやり願うことが適当とも考えますので、私どもといたしましてはもう、申し上げることはありません。
  57. 椎熊三郎

    椎熊委員 これは本会議たると委員会たると違うところはない。私は国民に及ぼす影響、海外に及ぼす影響等から考えて、本会議で論議をせられてもよいという見地で言つておるのです。
  58. 土井直作

    土井委員 石田君のさつきからの態度を見れば、大体数で決定しようというような意向が相当濃厚のようです。われわれはやはり本会議でこの問題を明確にして行くことが必要であると思う。実際上の問題として一党一派の考え方の上に立つて言つておるのじやなくして、むしろ国会全体としての形において、しかもそれに対する総理大臣答弁において、石田君が懸念したような失事があつたり、失敗しないような形でもつて行けば、堂々たる答弁ができる。国会において政府所信を明確にするということになるのである。その結果政府に対しては、好影響を来すという考え方を持つのであつて、ぼくはこの緊急質問を数で葬り去るという態度をとつて来ることは、感心したやり方じやないと思う。ことに今非常に問題になつておることであるから、この問題になつておることを、もつと建設的な角度から質問する。それに対する政府答弁を明確にして行く。そうして内外で誤解をされておる面は、これを解明して行くということは、政府としても当然進んでやらなければならない問題だとわれわれは考えておる。
  59. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 先ほど石田君や中野君、土井君から発言があつたのですが、要するにわが党として先ほど申したことは、総理大臣施政方針に対して、皆さんがおやりになつて来た。そうして講和会議に対する現段階においての現内閣の態度というものは、もう言い盡した。講和会議が大事でないということは、だれも言つていない。重大なことだ。しかしこれは時の進むにつれて緊急さが現われて来るので、現段階においては、すでに十分政府態度としては論議しておる。それ以上緊急質問をされても、いろいろな言葉から誤解を生んでは、かえつていけないと思うので、委員会において十分御質疑を願いたい。
  60. 春日正一

    ○春日委員 ぼくは初めてだから黙つてつたのだけれども、この問題はこういうことなんだ。つまり本会議説明をした。ところがあとは違つておる。だからあの失言問題が出て来た。ぼくらは自分のうちに帰つて、近所の人たち意見を聞いて見ると、吉田首相のあれはほんとうに失言したのだろうか。あるいは政策的に失言したのじやないか、なんというようなことを国民の間で思つておる。だから海外でもああいうものが出て来るということになる。首相自体としては、それは取消しました。それで済むというけれども、しかしそういうことで外交方針が、何だか先の説明とちよつと食い違つたような取消しの形になつておる。委員会でやればいいと言うけれども、こういう日本講和問題に対する態度について、内外から疑いを持たれておるとすれば、やはり国会全体として、国会は真剣にこう考えておるということを問題にすることによつて国民にはつきりさせることができるし、海外の誤解を解くこともできると思う。だからそうやることは、民主自由党にとつても、政府にとつても非常に必要なことで、日本国会自体においても、ただ委員会でやつてしまうということではなくして、はつきり天下に出た問題であるから、これは世間の前ではつきりかたをつけるのが至当だと思います。
  61. 田中元

    ○田中(元)委員 動議を提出いたします。講和会議の問題は相当重要な問題でありますので、明日か明後日に保留して真剣に考えて見たいと思ひます。
  62. 大村清一

    大村委員長 それではこの問題は後に御相談をするということで御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  63. 大村清一

    大村委員長 それではそのように決しました。     —————————————
  64. 大村清一

    大村委員長 次にお諮りいたします。人事官彈劾の訴追に関する法律案及び人事官彈劾訴追手続規程案を議題といたします。但しこの問題については、各党意見がきまつておればこの際承りたい。きまつていないようですから、後日に延ばすということで御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  65. 大村清一

    大村委員長 それではそのように決しました。  ちよつと速記をやめてください。     〔速記中止
  66. 大村清一

    大村委員長 速記を始めてください。
  67. 中野四郎

    中野(四)委員 この機会に参考のためにお伺いしておきたいのですが、委員長から御答弁願えればけつこうです。それは議員派遣の件です。派遣される議員の選任方法は、司令部の方から指令があつたのか、国会において選任したのか、この点を委員長から伺いたい。
  68. 大村清一

    大村委員長 事務総長からお答えいたします。
  69. 大池眞

    大池事務総長 ただいまの中野さんのお話は、その当時運営委員会で御決議になりました際に、たしか神山さんだつたかと思いますが、御質問がありまして、一応お答えを申し上げました。その当時の会議録に出ておると思いますが、その当時御返答申し上げたこと通りに、ただいま申し上げられるかどうか、もし間違いがあればお許し願いたい。これは最初福利小委員会の方で、外国派遣議員の問題がありまして、関係方面へ再々御相談等に行かれたのでございましたが、関係方面から第一団として五名、第二団として五名の議員の派遣が招請の形で許されるであろうということになりました。向う招待する議員は、当時の両院を通じた各政党の議員の数に比例をいたしまして、十人を割当てまして、民自党から何人、社会党から何人、これとこれと合せた方から何人というぐあいに指定がございまして、その範囲のもので申し込んでもらいたいというお話がありまして、その指定をされた党の幹事長においでを願いまして、その旨を申し上げた次第であります。その指定をされた党の方々の方から候補者の御提出がありまして、議長の方からこういう者を呼んでもらいたいということで、向うへ話をいたしまして、それできまつた次第でございます。
  70. 中野四郎

    中野(四)委員 そうしますと、大体各党から比例で選べという関係方面の指令があつたと了承してよろしゆうございますか。
  71. 大池眞

    大池事務総長 比例ではございません。向うが機械的に十人招待することになつたから、各党から候補者を持つて来いということであります。
  72. 中野四郎

    中野(四)委員 大分これは古いことで、諸般の情勢もかわつて来ておる。従つて私らは先ほどの神山君の発言通り、真に国会議員を選ぶということであるならば、情勢の変化に伴つて、それぞれ各会派から選んでよいと思う。司令部から指令があつたということについては、どうもその選定方法に納得の行かぬものがある。当時選任されたが、いかなる理由で派遣をやめられたのか知らないけれども、とにかく人選に返還があつたと思う。そこで指令とあればしかたがないと思うが、もし国会を代表して現在のアメリカの視察のために行かれるというならば、その後の情勢を十分考慮に入れて、司令部と折衝されることが正しいのじやないかと考えるわけでありますが、その意思があるかないか伺つておきます。
  73. 大池眞

    大池事務総長 今のことは私から御答弁するのは少し行き過ぎておると思いますので、新しい問題についての御方針については、議長さん等からお願いしたいと思います。当時は候補者を出しましても、現実にアメリカの方で招請をするについては、関係方面のそれぞれの部面における入国調査等がありまして、約六箇月近くを要するかもしれない。非常に早くても二、三箇月くらいは要するかもしれないから、至急に人選をせよということで人名を出しました。その調査が進行中に、いつでも行き得る用意をしなければならぬということで、身体的の注意その他等をいたしまして、待機しておつたのでありますが、当時全部の入国許可が参つておりません状況で、だんだんに予定期日が遅れまして、最近それが全部整うたということで、一昨日申入れがあつたわけでありますので、今あらためて情勢に応じた人選をし直してどうこうするというような問題についての御答弁は、私はいたしかねます。適当な方からお願いいたします。
  74. 中野四郎

    中野(四)委員 人選の方法その他については、私らは正式にこの委員会に何らかの方法によつて提出するつもりでおりまするが、今念のために伺つておいたのです。そこでこの点は、明日委員会が開かれなければ明後日といたしまして、いま一点先ほどの議長報告について伺つておきたいことは、十二月十五日から一月一ぱい派遣する議員の中に、副議長、あるいは議長というものが含んでおれば、実際上の議会運営は困難な状態になると私は思います。そういう事情から勘案して、おそらく二月十日前後まで、議会が派遣議員のために、空白状態になるおそれが多分にある。しかも議長は相当その去就については迷つておるというお話でありましたが、これは今度の予算案等に顧みましても、第七国会重大性かんがみても、その中で約二箇月になんなんとする日にちを、派遣議員のために空白にするということは、日本国民のためにも、また日本国家にとつても大きな支障が起る。議長はその間の空白をいかなる方途によつて議会運営して行くかという点を明確にしておきたいと思います。
  75. 幣原喜重郎

    ○幣原議長 議長が行くか行かぬかということはまだきまつておりません。しかしあなたの御意見は十分私は考えてきめようと思つております。
  76. 中野四郎

    中野(四)委員 議長去就がはつきりきめられないことはよくわかります。副議長がもしこれに同行した場合その間の空白をいかにして運営する御意思であるか。ざつくばらんに言えば十二月十五日から二月十日まで休むつもりであるとおつしやれば、われわれは政府に向つて、また与党の方々に対して相談しなければならぬのですが、議長はその間の運営は、どういうふうにやつて行かれるかという御意見を伺いたい。
  77. 幣原喜重郎

    ○幣原議長 私はそう空白ができることはないと思います。とにかく空白ができないように十分力は盡すつもりであります。
  78. 神山茂夫

    神山委員 この問題が出たのは今年の夏でしたが、そのときに私は、先ほど述べたような立場から、この問題については意見を保留したわけであります。しかもその当時から私どもは強調しておりますように、これは日本国家の正式の代表でない。従つて正式に言えば本運営委員会でこれを論議すべきじやない。こういうふうな事能が起つたので、了解を求めたいと言われたから、了解したという程度であつたのであります。その後の事態の発展を見ておりますと、本年の春とはすつかり情勢がかわつておる。ことにわれわれから言えば、日本の運命に新しい視点から見直さなければならぬという重大な時期になつております。その点については、幣原君は十分考慮して空白をつくらないとおつしやるのは、事実上どういう形になるのか知らないが、とにかく議長、副議長がおらないのであるから、国会運営が完全な姿に行かないと考えるよりほかにしようがない。今となると国会運営上障害になりますので、私たちとしては夏言つたことをそのままでは済まされないという状態にあると思います。従つてこの問題の処理については、議長自身ももう少しお考えになり、委員長事務当局も、さらに各党とも十分お考えになつて、これを運営委員会に諮らず、各党お客さまで行くのだということになればどうぞ御自由にということになりますが、一応運営委員会に諮るということになりますと、私たちは夏の場合と違つた態度をとらなければならないということになりますから、きようきめようということになれば各党ともお困りになるし、事務総長委員長もお困りになりますので、これは運営委員会に関連なしにやるとか、何かそういうことにしてほしいと思います。
  79. 大村清一

    大村委員長 本日は議長から申入れのあつたことだけ御報告になりまして、その後の措置につては、なお議長、また私どもにおいてもよく考えました上で、御相談をする必要がある場合においては御相談申し上げたいと思います。
  80. 中野四郎

    中野(四)委員 この問題は先ほど申し上げたように、私らは正式にこの委員会の方へ提出いたしまして、そうして派遣議員の人選等についての論議を盡したいと思うのです。あえてとかくの論評を加えるのではなく、アメリカから招待されて、視察のためにおいでになる議員には、われわれは満腔の敬意を表しておる。同時に喜んでおる。ただ人選の方法がいかにもわれわれには明確でない。同時に国会の真の代表とは、われわれには考えられない。こういう点を指摘して留保いたしておきます。後日われわれはこれを論議したいと思います。
  81. 神山茂夫

    神山委員 私の方から六・三制の決議案が出ておりますが、どうなつておりますか。
  82. 大池眞

    大池事務総長 実は野坂參三さん外三十五名とありまして「六・三制の完全実施に関する決議り実行に関する決議案」というのが、本日提出に相なりまして、事務局としては受取りました。さつそく決議案上程についての関係方面の承認その他が必要でございますので、ただいま手続中でございます。その点皆様に御報告申し上げておきます。決議の内容はきわめて簡単でありまして、教育振興の基本制度である全国的に深刻な不安と混乱を惹起しておる。政府はこの現状を考慮し、社会に及ぼす影響を考慮して、前国会において本院で満場一致可決した、六・三制の完全実施に閉する決議の実行をするために、本国会開会中に、そのためこたえられたい、これだけの内容であります。
  83. 神山茂夫

    神山委員 簡單に説明します。内容は今事務総長が読んだだけではつきりしたものです。この前満場一致で可決されました六・三制の決議は空文化してしまつておる。民事党の諸君があのときにどういう態度をとられたかということは言いませんが、そのままたなざらしになつておる。この問題を一層徹底的にするために、一応これを明らかにしてもらいたいという意味合いです。それできようは急ぎましたが、もしもほかの党から一緒になつてやろうじやないかという御意見でもあれば、私たちは決して自分たちだけでどうこうということはありませんから、この際できるならば全会一致の方が望ましいと思います。その点も申し上げておきたいと思います。
  84. 大村清一

    大村委員長 ほかに御発言がなければ、本日はこれで散会いたします。     午後三時十五分散会