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淺沼委員 この際
政府に二、三点伺
つておきたいと思う。今の
予算の
大綱の拠出に関することも、
客観情勢の
変化ということに了承できないわけでもないが、
客観情勢というものは、今忽然として起
つたわけではないのでありまして、これはすでにわか
つておることであります。当然この前に
政府が約束されたことは、そのことを頭の中に入れながら約束されたことであろうと思います。ところが約束されたことをまた
あとで違えて行くという形が現われて来ることは、やはり
政府の見通しの誤りであ
つたと思うのでありましてこういうようなことは、ある
意味から申し上げますれば、
政府の責任で済むようなものですけれ
ども、一ぺん
発言したものをさらに訂正を
要求して来るということの中には、
議会を軽視しておる形といいますか、
運営委員会あるいはその他に臨んで来る
政府の
態度が、
はつきりしておらない点の現われだと私は思うのです。そこでこれらの問題に関連して、これは
総理大臣の
出席を求めて聞くのが当然だと思いますが、幸い
官房長官が御
出席でありますから、
官房長官を通して
政府の考へ方を私は伺
つておきたいと思うのであります。それは主として
総理大臣の本
会議における
言動の問題でありまして、
総理大臣の
言動に関することを
官房長官に聞くというところに、私はひとつ不自然さもあろうと思うのでありますが、しかしあまりをれにこだわらないことにしてお聞きいたしますから、
お答えを願いたいと思うのであります。
最近
総理大臣の本
会議席上における
答弁であります。われわれは言論が自由でありますから、いかなる
答弁をされようとも、そのことに対して、とやかく言うべき筋合いではないと思いますが、
議会の
運営というものは、
与党があり、
反対党があ
つて、その
与党と
反対党の間に
切瑳琢磨があ
つて、その間に
憲政が進んで行くという形が私は出て来ておると思うのであります。
従つてこの前の
議会におきまして、
総理大臣はからだが悪いから、やじらないでもらいたいという
政府の申出がありまして、私
どもはそれを尊重いたしまして、やじらないで静かに聞いたわけであります。そのことを何も私はここでかさに着て申し上げるわけではないのでありますけれ
ども、
総理大臣の
答弁の中には、
反対党の
存在を認めないというような形で、要するに
与党と自分さえあれば、
政治の
運営はできるというような形が現われて来ておると思うのであります。一、二の例を申し上げますと、第一には私らの党の
代表者であります
鈴木茂三郎君の、
講和会議の
質問に対する
答弁の中において、
講和会議は何も社会党が
署名運動をや
つたからできるのじやない。
鈴木君は何もわれわれが
署名運動をや
つたからということを
言つてはおりません。しかしこういうような問題を論議する場合においては、
反対党の者が党を代表して
言つておるからということで、皮肉まじりのことを言う必要はない。それはただ
署名運動をや
つたからということで、われわれの力によ
つてということはありません。
もう
一つは
共産党に対しる
答弁の中で、ソビエト以外に
米英のあることを忘れないでもらいたい。これは少くとも私は一国の
総理大臣としての、
反対党である
共産党に対する
答弁ではなかろうと思うのであります。これを言うのはどうも私は
了解しかねます。さらにその次に、松澤君に対する
答弁におきましては、
新聞のうわさでも
つて質問されては困るというようなことを前提とされて、国鉄の問題について
答弁せられた。これは私は
新聞で見たのでありまするが、それは現に首にもな
つていないから、何も首にしたのじやないのじやないかというような
意味合いのことを言われた。現実に首にな
つておらぬ。首にするかしないかということが問題にな
つたのである。そういうような点については、私はやはり
総理大臣である限りにおいては、要するに
与党だけに
答弁するのじやなくして、やはり
国会に対し、あるいは
国会を通じての
国民に対する
答弁でありまするから、こういう点については、大いに
考えてや
つてもらいたいということを
考えるのであります。
従つて私は、
政府は一体
憲政運用の上に
反対党の
存在ということを嚴粛に
考えてや
つておるのか。
与党で多数さえ持
つておればや
つて行けるという
考えであるか。その点についての
考え方を承りたいと思います。
それから
参議院の本
会議の席上における
首相の
答弁については、これは
参議院の本
会議においてすでに取消されたという話を承
つたのでありますが、私
どもは
新聞を通して伺
つておるだけでありまして、この際
政府からどういう
意味において取消されたのか、これを承れれば幸いだと思うのであります。