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1949-11-01 第6回国会 衆議院 議院運営委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十一月一日(火曜日)     午後零時四十七分開議  出席委員    委員長 大村 清一君    理事 佐々木秀世君 理事 山本 猛夫君    理事 土井 直作君 理事 椎熊 三郎君    理事 神山 茂夫君 理事 河口 陽一君       大橋 武夫君    岡延右エ門君       岡西 明貞君    倉石 忠雄君       田中  元君    田渕 光一君       塚原 俊郎君    淺沼稻次郎君       松井 政吉君    園田  直君       玉井 祐吉君    中野 四郎君  委員外出席者         議     長 幣原喜重郎君         副  議  長 岩本 信行君         議     員 小松 勇次君         議     員 石田 一松君         事 務 総 長 大池  眞君     ————————————— 本日の会議に付した事件  本日の開会式に関する件     —————————————
  2. 大村清一

    大村委員長 これより議院運営委員会を開きます。  本日緊急に本委員会を開き、皆様の御集合を願いましたのは、議長より招集を特に望まれましたのと、なお民主党第九控室及び社会党からも要求を受けましたので、招集をいたした次第でありますから、御了承願います。議長より発言の御通告がありましたので、この際御発言をお願いいたします。
  3. 幣原喜重郎

    ○幣原議長 本日の開会式において、私はとんでもない間違いをしでかして、諸君に御迷惑をかけて、まことに済みません。実は私の読む式辞があまりりつばな鳥の子紙に書いてあつたものだから、これをどうするのか、実はそこまで自分で承知していなかつたのです。多分これは陛下にあげるのではないかしらと思つて、そのままあげてしまつたのです。そこのところは私の間違いであつたのです。その前に予行演習があつたときに、そうしたりつぱな式辞なんというものは、むろんできていなかつたのですから、どうするのかと私まごついて忘れてしまつて、差上げるのだと思つて差上げて、はなはだそのためにちよつと式の順序があべこべになり、間違つてしまつてまこと済にみません。そのために宮中にもまかり出て拜謁したのであります。まことに相済まないと私が感じておることを、陛下に申し上げて私引下つて参つたのです。実際はそれだけの話ですけれども、どうかひとつそれが真相でありますからお聞きとり願いたいと思うのです。
  4. 大村清一

    大村委員長 この際久保田秘書課長からも発言を求められておりますが、いかがでありますか。
  5. 土井直作

    土井委員 秘書課長発言はよいではないのですか。そんなことで事務当局から発言を求めたり、いろいろな話を聞く必要はないのではないかと思う。
  6. 大村清一

    大村委員長 ただいま久保田秘書課長発言はよかろうということでありますから、許可しないことにいたして皆さん異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 大村清一

    大村委員長 それではそのようにいたします。
  8. 幣原喜重郎

    ○幣原議長 それではくれぐれも間違いを起しましたことにつきましておわびを申しあげて、これで退席いたします。どうぞよろしく。
  9. 大村清一

    大村委員長 何かこの際御発言ありませんか。
  10. 河口陽一

    河口委員 この問題に対して新政治協議会ではさつそく代議士会を開きまして、いろいろと意見の交換をいたしたのですが、結論だけを申し上げておきます。まことに本日の失態は遺憾であつて、これは率直に考えますと、天皇陛下に対する失態という問題でなくして、本日は、主権国民移つて、その意思のもとに議長閉会式の宣言をするとい民主主義に沿うた儀式である。その儀式の本末を議長が忘れられて、依然として封建制のいわゆる天皇を護持するとい考え方から、天皇に先に開会式発言をしてもらおうといような、潜在的な意識が具現したのではないか、こうした議長考えによつて国会運営されることはまことに遺憾であるという見地から、この際議長善処方を要望する。こういう結論に相なつたわけであります。
  11. 淺沼稻次郎

    淺沼委員 きよう開会式議長とつ態度につきましては、明治憲法のもとにおける開院式——あえて開院式と申しますが、その開院式と、新憲法における開会式とは、名前が違うごとくその内容違つておるのであります。従いまして明治憲法のもとにおける開院式議長の立場と、国家最高機関なつ国会のもとに行われる開会式とは、おのずから違うと思うのでありまして、きよう議長開会式終了後において宮中に参内されまして、何か釈明されたように承つたのでありますが、私どもはそのことをとやかく申し上げるのではないのであります。そのことというのは陛下に対して間違つて云々ということを申上げるのではないのであります。この問題は議長釈明によつて、大体きよう儀式間違つたということは私ども了解はできました。ただ議長は二回も総理大臣——一ぺんに総理大臣の代理をやられ、一ぺんは自分みづから総理大臣をやられまして、やはり総理大臣のときの考え方にきようも支配されて、ちよつとお間違いになつたと思う。深い心持はなくしてそれが出たやに感ぜられるのです。しかしそれにしても、今河口君が言われましたように、やはり国会運営中心である人が、ああいう行動をとられますことについては、やはり真劍に民主国会、さらに主権天皇を含めた国民の上にふるという点において、もう少し慎重でなければならぬと思うのです。また事務当局の方で、久保田君に釈明させるとい態度をとられたことは、私はあえて、だれの責任ということを申し上げませんが、議長補佐に当る人が相当やはり考えなければならぬ問題であろうと思います。それからもう一つ設営につきましてもやはりきよう錯覚を超した大きな原因の中に——議長が壇上でやるよう設営をしておれば、マイクの前に議長は出て行つたに違いないと思うのであります。しかしながらマイクが上に置かれておる。これが議長錯覚を超す動機をつくつておると思うのでありまして、そういう点は補佐に当る人、また設営等につきましても考えなければならぬと思うのであります。ただ議長のまあ單純な間違いであるということだけでは、私はまだ済まないような気もいたしますけれども、きようこれ以上のことを申し上げても、議長はもう自分があやまつてつたのだとこう言つておるのでありますから、議長考え方の中に、私は河口君の言うように、運営中心である議長が、昔の封建的天皇国会の関係というものを、何か考え違いをしてやつたとも考えられない。そこにやはり議長も言われた通り、私ども單純な間違いと承るのですが、間違いにしても間違いが大き過ぎまするから、この間違いについては、やはり何らかお考えを願つてしかるべきだと思う。これ以上私申上げません。
  12. 椎熊三郎

    椎熊委員 私どももただいまの議長釈明によつてわかります。まのあたりあの状態を見ておりましても、まつた議長過失であつたことは私ども認めるのであります。ただしかし国家最高機関たる国会開会式は、われわれ国民にとつて、ことに議員にとつて重大な式典であります。しかもあの式の次第、式辞内容は、運営委員会責任をもつてこれを協議して決定しておる。いわんや式場の嚴粛を保つために、前日予行演習までやるという慎重を期してやつた式典に対して、あれだけの失態を演じて、それがただいま議長が言われたように、あつさり簡單にちよつと思い違いをして間違つたというだけで、よろしく頼むというだけでは、私は今後の国会運営の上に、どれだけあの人が責任を感じておるかという点に、はなはだ遺憾な点を発見せざるを得ない。あれだけのことがあつたのですから、もう少し重大にあれを考えられて、善処方を要望したいと思いますけれど、これ以上罪を追究するとか、大いにどこまでも追いかけて追究して行かなければならぬということではなくして、一にかかつて日本国会の将来のために、議長がみずから適当にお考えにならなければならぬ問題だ、こう思う。もう一つつけ加えて、先刻私どもの党に與党幹事長その他幹部の有力な方二、三が見えられて、非常に恐縮したということで、丁寧なあいさつを受けたのですけれどもちよつと與党諸君に聞きたいのは、與党諸君がこの議長を推薦したことについて、この事件について何か責任を感じておられるのでしようか。そういう意味でわが党に見えられたのですか。
  13. 倉石忠雄

    倉石委員 ただいま椎熊さんのお話でありますが、実は私ども開会式場で非常に恐縮をいたしたのでありまして、式が終りますると同時に議長の方からもお話がございまして、私どもの方の総務会長幹事長と私ども集まりまして相談をいたしました。で議長は先ほど委員長言葉にありましたように、正式に運営委員会各党自分から陳謝の意を表したい。同時に国会議長ではありますけれども、私ども党出身議長でありますので、党としても各党にわれわれお伺いいたしまして、陳謝の意を表した次第であります。私どもも、もちろん本日の失策については、はなはだ恐縮いたしましたので、即議お伺いいたしたようなわけなんであります。その点については私どもの方でも種々協議をいたした次第でありますが、きよう開会式が済んだ直後でありまして、どういうことということを党で今問題にしているわけではないのであります。先ほどお話いたしたような趣旨でまかり出たわけであります。どうぞひとつ今日のところは、議長のああいう失策を率直に認められた釈明を了承していただきたい、こういうことをお願いいたします。
  14. 河口陽一

    河口委員 皆さんの非常に穏当な御意見に対して、私一人強い意見を申し上げるのもどうかと思いますが、すでにこの開会式順序というものは、公報をもつて一般に示されておる問題でありまして、これはその通り行われることが当然であり、さらにきよう開会式は、各国環視の上で行われたのであつて、その席上で過失を犯されたのである。これに対しては当然責任のある処置がとられることと私ども考えておるのです。先ほどからの議長の答弁も、あつさりしておるよう考えられるのですが、何かこれに対して、もつと具体的なことが示されるならば、一応納得が行く。かよう考えるのです。
  15. 淺沼稻次郎

    淺沼委員 これは議論もあろうと思いますが、議長失策があつたということを認められて、率直に意思を表明されたのでありまして、これをわれわれがどういうぐあいに扱うかといことについては、おのずから責任という問題に触れて来ると思うのです。しかしそれはただ單に本日起きた問題ばかりでなく、先ほどの考え方の中に、封建的であるとか何とかいうことが出ておりますけれども、人間の考えておる考え方に対して、われわれがとやかく言うべきでないと考えております。ただ行動に現われた時に、一体民主的な行動かどうかということが大きな問題があり、また民主的な運営をしなければならぬというところに、その人の考え方というものが、大きな問題になつて来るだろうと思うのでもります。ここのところはこの程度にしておきますが、議会運営中心である議長として、あながちきようだけの問題でないと考えます。またきようの問題を超したのは一体何であるかということになれば、そこには間違いをするようなことについての議場のあれも考えなければならぬ余地もあるのではないかと思うのです。その点については、きようはこの程度にしておきまして、あと運営中心として、議長が今後の議会運営についてどうであるかということは、日を改めることにして、きよう議長釈明を聞き置くということで散会をして、あと問題があれば別にやつてよいと思う。この問題だけでなくして、やはり議長運営中心としてよいか悪いかとい議論は、また別の機会にされた方がよいのではないかと思う。これとくつつけてやることもいかがかと思う。
  16. 神山茂夫

    神山委員 今淺沼君の言われたことももつともですが、結論から先に言いますと、私たちの方では、きようの常原議長のいわゆる失態といように言われておるものを、あまり大きく取上げて、これ自体を追究して善処方を要望するといようなことは、必要がない。この結論を先に申し上げておきます。なぜそうかと言いますと、私たち考え方として、河口君の考え方の根拠になつておるところの、現在国権の代表者国会でもある。その点を考え違いをしておるために、こういう事態が起つたという立論には、もちろん私どもは双手をあげて賛成せざるを得ないのであります。長く言うことを避けますが、私たちは御承知のように、日本の真の民主化のためには、天皇制度を廃止しなければならない。このことは誤解の余地はないと思いますが、天皇個人天皇一家を、どうしよう、こうしようということではない。これは別個であります。制度としてこれを廃止するという主張を今まで述べて来たのであります。これが破れて、今では一応主権国民にある。そうして国民統合の象徴として天皇があられるわけでありますが、これに対しての見解の違いは別としまして、新憲法の精神が、われわれ国民の中に十分に入つていない場合においては、遺憾ながら国会議員の個々の人々の考えの中にも、はつきりしていない点があつたのではないか、また国会運営にも、事務当局にも、そういう点があつたのではないかということを、さつき河口君が指摘された点とからみ合せまして、私たちは反省する必要があるのではないかと思う。開院式の場合、これは旧憲法のば合ですが、今日の新憲法の場合における開会式とは違うと淺沼君が言われた。まさにその通りだと思う。新憲法において天皇が親臨して開会を行われるといような形が、問わず諮らずのうちに、国民の中のれておる人たちに、昔の帝国議会そのままのつながりを持たせるきらいがあるのではないかと思う。きようつた失態は、こういうようなものと関連しておると思う。これは先ほど淺沼君も指摘されましたように、常原氏がかつて総理であつたといようなところも関係しておる。そのころの習慣もあつただろうと思うと言われますが、どういうような点から見ても、常原君の考え方そのものの中に、あるいは生活様式の中に、古いものがあつたということは考えられる。これは常原さんの個人責任でなくして、お互いが十分に反省して行かなければならぬ問題である。その意味において河口君の言われておる主権国会にあるのだということを、はつきりさせる意味において、この問題を取上げることには異存はないのであります。だからといつて老年の常原議長が、率直に言われたように、予行演習と状況も違つて、つい失敗をされたといようなことを、あまりに大げさに取上げろということは考えなければならぬと思う。ことにこの問題はあまり追究して行けば、今倉石君が率直に言われたように、民自党が推薦された方を議会で承認した形になつております。老年の常原君が議長の務をされて行くことになつたことについて、民自党側においても考えていただかなければならぬ。それをきよう言うのではないが、そういうこともある。今までのしきたりを、事務当局として考えて、ほんとうに民主的の国会ふさわしいようにしようという努力があつたかどうか。これは事務総長責任をどうというのではないが、そういう方面をむしろ反省する一つのよすがとする。この問題としては議長が率直に今わびられたことはりつぱだと思う。虚心坦懐に男らしくわびられた。これを認めて、あとで他の党から善処方その他の案が出れば別であります。きよう河口君の方で代議士会を開かれて、一応決議されたように聞いておりますけれども、この運営委員会としては、新清治協議会できめられた決議を尊重して、あくまで民主的国会である。この点においてわれわれ自身、お互い議長とともに自粛自戎するということで、ここではすつきりやつたらどうかと思います。あとでこまかい問題について言いたいこともあるし、責任者が出るとすればだれかということもあるが、これは淺沼君も言われているように、別の機会にして、きよう事件についてはわれわれとしても遺憾の意を表する。そういうようにして行つていただきたい。
  17. 大村清一

    大村委員長 淺沼君から御発言もありました。神山君からも御発言がありましたが、きようはこの程度散会したらどうですか。
  18. 椎熊三郎

    椎熊委員 この問題にやはり開会式の次第や日取を、今まで協議した運営委員会責任を負つて解決して、ほかに波及しないようにして、きようはこの程度ということであれば文句はないが、これで問題が一切解決したということではないと思う。私は問題はあとに残るということなら、このまま散会してもよいけれども、なるべくきよう一日で解決したいと思う。少し言いにくいことはお察しはつくだろうと思う。
  19. 神山茂夫

    神山委員 私も言い添えたいが、椎熊君が言われた含みのある言葉は、どういうことかわからない。根本的な点が折合いがついたら、水に流すということではないが、一応治める。それから今までの式次第、これについては運営委員会が当然責任を負わなければなりませんが、こういうことを機会に、できれば今までのよう式次第でよいかどうかということも、将来の問題として、またさつき出た設常の仕方がどうとか、式の進行の仕方がどうといようなことも、将来の問題として十分ねるといようなことも含めて、とにかくきようはこのままで、一応きれいにお互い了解するということでどうかな。
  20. 椎熊三郎

    椎熊委員 神山君がいろいろなことをしやべつておるが、しかし共産党は新国会以来、開会式を否認するがごとき態度をとつて一人も出て来ない。この問題については御発言も御遠慮になつたらどうかと思うのであります。
  21. 神山茂夫

    神山委員 このことについてここで椎熊委員とけんかしたくはないが、ああいうことを言つておれば彼は得をするのではないかと思うが、そういうことは別として、私たちが今の開会式に出ない。この出るか出ないの問題について、私たち態度を保留したい。問題は開会式が形式化されておるところにあるのだ。これを逆にねじ曲げたことを言わないで、これを機会開会式にわれわれも堂々と出られるようなことを考えたらどうか。
  22. 椎熊三郎

    椎熊委員 この問題について共産党にリードされることはいやだ。
  23. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 先ほど常原委員から、本日の問題に遺憾の意を表されまして、陳謝されたのでありますが、私たちもわが党から出ておる議長として、衆議院全体の議長ではありますが、はなはだ遺憾に思うのであります。きよう常原議長陳謝したということだけを御了承願つてあと議院運営のことにつきましては、いずれかの機会にまたいろいろ御意見を承つて、改善していくということについては、われわれも決してやぶさかでありませんから、その点を御了承願いたいと思います。
  24. 大村清一

    大村委員長 それでは御異議がなければ本日はこれで散会いたします。     午後一時十四分散会