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1949-11-28 第6回国会 衆議院 観光事業振興方策樹立特別委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十一月二十八日(月曜日)     午後二時三十二分開議  出席委員    委員長 栗山長次郎君   理事 岡村利右衞門君 理事 河野 謙三君    理事 畠山 鶴吉君 理事 淵上房太郎君    理事 門司  亮君 理事 柄澤登志子君    理事 山本 利壽君       岡西 明貞君    越智  茂君       風間 啓吉君    川村善八郎君       高木吉之助君    高田 弥市君       塚原 俊郎君    苫米地英俊君       松澤 兼人君    藤田 義光君       増田 連也君    永井 要造君       木下  榮君 十一月二十四日  委員久保田鶴松君辞任につき、その補欠として  門司亮君が議長の指名で委員に選任された。 同月二十八日  理事久保田鶴松君の補欠として門司亮君が理事  に当選した。     ————————————— 本日の会議に付した事件  理事の互選  国際ホテル整備法案起草に関する件     —————————————
  2. 栗山長次郎

    栗山委員長 ただいまから会議を開きます。  理事久保田鶴松君が十一月二十四日委員を辞任せられましたので、理事補欠選挙を行いたいと存じますが、委員長において御指名してもよろしゆう、ございましようか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 栗山長次郎

    栗山委員長 それでは門司亮君を御指名いたします。     —————————————
  4. 栗山長次郎

    栗山委員長 今日はかれて本委員会において超草中の国際観光ホテル整備法案議題にいたします。この法律案起草中、本委員会の決議に従いまして、五つの関係ある常任委員会との連合審査会を開きました。その御意見をも参酌して、理事会において従来御審議を願つておりました案のうち、ごく小さな修正措置を講じた箇所がございます。それは所管を運輸大臣にしておりましたところを、主務大臣と改めました点でございます。お手元に配付されております。整備案、この朗読を省略いたしまして、ただちに委員の御発言に入りたいと存知ます。お諮りいたします。こり案につきまして質疑を行いましようか。いかがでありましようか。
  5. 河野謙三

    河野(謙)委員 この際質疑を打切りまして、ただちに討議に入つていただきたいと思います。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  6. 栗山長次郎

    栗山委員長 ただいまの御動議に御賛成の声がありましたから、その通りに決しました。  本案に対して総括的な討議に入りたいと存じます。通告順によりまして柄澤君の御発言を求めます。
  7. 柄澤登志子

    柄澤委員 私は野本共産党を代表いたしまして、国際観光ホテル整備法案に対して反対意見を表明するものでございます。  この法案の提出されましたとところ目的として、国際親善外貨獲得ということがうたわれておるのでございますけれども、わが党といたしましては、現在日本が置かれております敗戦後のただいまの状態というものを考えまするに、私どもは完全なる講和の締結を心から望んでおるものでございます。この国際観光ホテル整備法案が、国際親善の有力なる一助となることを強調されているようでございますが、私どもといたしましては、ただいま日本が置かれておりますところの、ポツダム宣言を実施いたしまして、完全なる平和な民主日本を建設いたしますためには、まず日本国内平和産業再建ということが最も必要と思うのでございます。日本現状は、吉田内閣失政によりまして、美しい山、美しい川、われわれの誇つておりましたその美しい国土というものを、今の失政のために、毎年の水害その他引続く災害によりまして、川も山も濫伐やあるいは災害のために荒れ果てて行くような状態であります。私どもといたしましては、日本を愛すれば愛するほど、今日のような中小企業がつぶれ、失業者を出して、パンパンがふえ、美しい山が、美しい川が、私どもの自然というものが、失政によつてそこなわれをいるこの現状を、われわれは外人に見てもらいたくないのであります。それよりも、もつと日本中小企業を復興いたしまして、そうしてわれわれが自力をもつて、健全な産業の力によつて日本の美しい山を築き、美しい川を保ちまして、そうしてこの完全な日本自主性というもりが確立されまして、昭和締結の後にこそ、私どもはこの国際観光ということを心から望むべきであろうと思うのであります。ことにこの法律が実施されますことによりまして、日銀の融資を優先的に受けることができるとか、いろいろのことをみすみす見のがすのは惜しいとういようなことが叫ばれておるようでございますが、私どもは現在融資の逼迫によりまして、みすみす中小企業がつぶれておることを知りております。また学校が建たないことも知つております。こういうような現状のもとにおきましては、私どもはこれをこそまず一番先にやらなければならない問題だと信じております。私ども外資獲得のためには、外人のためにホテルを整備し、接客をたくさんふやしまして、あるいは温泉その他の設備をよくいたしまして、遊んでいただいて、見ていただいて、外貨獲得をすることも必要でございますが、もつと自主性のある確実な方法でもつて、私どもは貿易の自主性などを確立いたしまして、外貨獲得をすることこそが、敗戦日本再建するための、ほんとうのわれわれの進んで行く健全なる道であろうと思うのであります。私ども日本を自然の誇つております。しがしこの自然が、モナコのような方法でもつて外人に知られるのでなく、健全な形で、産業の復興の方で、日本の独立の保障される方向で、知つてもらう方向に行かなければならない。そり立場から、現在の吉田内閣のもとに生れますこういう法案に対しては、賛成することはできないのでございます。地方行政委員会あるいは厚生委員会大蔵委員会等、また政府当局の中にも、民自党の与党の内部にも、大きな反対の起きました理由は、およそ国を真に愛する者として、こういう立場から反対されると思うのであります。私ども共産党といたしまして、簡単ではございますが、反対理由を申し上げる次第でございます。
  8. 栗山長次郎

  9. 藤田義光

    藤田委員 私は民主党野党派を代表いたしまして本案賛成いたします。  本法案は相当長期にわたりお互いが慎重審議したのであります。何分にも前例のない法律案であり、この案文の中にはいろいろと問題の点がございましたことは、御存じの通りであります。私はこの法律案賛成するにあたりまして、特にこの法律案の三点について、この執行に当たり官庁当局の深甚なる配慮をお願いして賛成したいと思います。  その第一点は税法のことであります。この家屋税の問題に関しましては、非常に慎重なる態度をもちまして——むしろ税法の変則的な措置でございますから、行くいくはこの整備法案の実施が軌道に乗りますと同時に、廃止していただきたい考えでございます。  第二の点は、ホテル審議会の構成及びび運営に関しまして、十二分に本委員会の御発言趣旨を休せられまして、その人選には慎重を期せられまして、慎重な国民の血税をもつてこの外資獲得の賞金を優先的にあつせんする、あるいは資材の特配をするという特権に対しましては、慎重なる審議会運営を期待いたしたいのであります。  第三点は、問題がございまして、運輸大臣とあつたのが、全部主務大臣に変更されたのであります。しかるがゆえに、かえつて今後所管問題その他に関しまして、いわゆる官僚のセクショナリズムが起る危険もございます。この点に関しましても、本委員会討議趣旨を十分休せられまして、要は一論でもよけいに外貨獲得し、日本再建に資するという大方針を誤られないように、本法運営に特に注意していただきたいと思います。  最後に本法案の完成に至るまでの栗山委員長の並々ならぬ御努力を多といたします。実は党内におきましても、幾多の議論がいまだに終結いたしておりませんが、われわれはこの委員長とともに、相当長期間にわたり本法の成立に参画いたしました一人といたしまして、党の代表の資格において賛成さしていただく権利を本日いただいて参つたのであります。はなはだ簡単でありますが賛成意思及び希望を述べた次第であります。
  10. 栗山長次郎

  11. 門司亮

    門司委員 私は日本社会党を代表いいたしまして、反対意思表示をするのであります。  理由はすでに委員会その他等でいろいろ申し上げました通り、第一の理由としましてわれわれが最も重要視しなければならないのは、こり法案の中にありまする地方税の半減の問題であります。御承知のように今日の地方財政はきわめて逼迫いたしておりまして、すでに町村財政は、破綻を来たしておるといつても決して過言ではない事情に置かれておりますとき、ことさらにこのホテル策を営む者に対して地方税を半減されるということは、きわめて遺憾でありますとともに、地方財政法の二条の二項には、はつきり「国は、地方財政の自主的な且つ健全な運営を助長することに努め、いやしくもその自律性をそこない、又は地方公共団体に負担を転換するような施策を行つてはならない。」ということを明記いたしておるのであります。以上で私どもは、この法案によつて恩義を受けますものは、一部のホテル業者でありまして、従つてその一部の業者のために、国の法律をもつて保護する、しかも地方税を免除するというようなことは、とうていがえんずることができ得ないのであります。  さらに第二の理由といたしましては、この法案の中に届出その他の監督の要項は明記されておるようになつておりますが、利潤の点につきましては何らの制限も、あるいは届出というような規定も設けられていないということであります。これは一方において地方税すら免除するというところまで行つており、いわんや資材資金の優先的のあつせんをするということに相なつております。これだけ国家の保護を受けますものが、収支の上において利潤に対する一つの規定もないということは、はなはだ遺憾に存ずるのであります。その他法案の内容について一々こまかいことを申し上げますことは、煩雑に過ぎますので、大体以上の反対理由の大きなものの二点を申し上げまして反対意思表示をするものであります。
  12. 栗山長次郎

  13. 山本利壽

    山本(利)委員 私は民主党連立派を代表いたしまして、ただいま議題となりました国際観光ホテル整備法案賛成の意を表するものであります。  この法案の主とするところは、わが国の国際観光ホテルを充実させようというところにありますが、この戦後荒れ果てた日本に美しいホテルを建てて、ますます日本を美しくし、さらに多くの外客を誘致いたまして、外貨獲得しようとすることに対しては、まことにけつこうなことだと考えるのであります。ことにこの観光ホテルが各地に建設されますについては、やはりある部分失業対策ともなるのでありまして、この方面を十分案されまして、全国できるだけ広く多くのホテルを建て、たくさんの外貨を誘致してもらいたいものであります。ただ他の委員諸君からも発言がありましたけれども、由来日本はいろいろな法規を制定いたしておりますが、法規だけでそのことができるものでありません。この法律意思を尊重して、その方面に呼びかけて、ホテルを建てしめるということであります。ことに先ほど藤田委員の言われましたように、主務大臣になつておりまして、はつきりした官庁がきまつておらぬことは、今後業者をして非常に煩雑な思いをさせ、さらに官僚のなわ張り争いが今後も継続されるのではないかと思います。その点にも留意されまして、十分にこの法律が活用されますように、希望いたして賛成の意を表します。
  14. 栗山長次郎

  15. 淵上房太郎

    淵上委員 民主自由党を代表いたしまして、私は本法案賛成の意を表するものであります。  本法国際親善、並びに外貨獲得目的といたすことは、わが日本再建の途上、まことに必要なる重要性を物語るものであると思うのであります。先ほど日本が自立するまで、また国際観光事業はやつてはいけない、外客を呼んではいけないという意見もありましたが、私は反対立場を持つておるのであります。なるほど国内には産業、社会、教育各般にわたりまして、重大なる問題が山積しておるのは事実でありますけれども、この外客を誘致して、ほんとう平和日本として立ち、文化日本として立つというために、諸外国の人たちに真の日本の実情に理解を持たせて、日本再建に協力してもらうという上から言いまして、この際国際観光事業はますます充実拡大すべきものであると思うのであります。まして外貨獲得という問題につきましても、すでに聞くところによりますれば、一月から九月までに二十数億の外貨が入つて来ておる。日本再建の経済の立場から言いましても、まことに適当なことであると思うのであります。地方財政を圧迫するという点につきましても先ほど来御意見が出ておりましたが、これはむしろわれわれは根本的に別個の反対の観測をいたしておるのであります。この法律によるところの税の減額あるいは資金のあつせん等によつてこそ、初めて観光ホテルの建設ができるのでありまして、ここに各地方におきましては、新しい課税物件がだんだんこの法律によつてふえて来るということになれば、地方財政はますます堅実になつて来ると思うのであります。地方財政法第二条をお引きになりましたが、地方財政法第二条にいう「地方財政の自主的な且つ健全な運営を助長する」という趣旨から行きましても、私はこの法律によつてこそ、初めて関係地方団体におきましては、財政強化をはかり得ることになる、かように思うのであります。私は本法規定するところの税の減額並びに資金のあつせんという程度でなくして、さらに充実したる、しつかりした国家の助成を将来考慮する必要がある、かように考えるのであります。将来はさらに国際観光事業拡大強化をはかる、そういう意味におきまして、この法律を将来適当な機会に改正すべきときがすみやかに来らんことを、むしろ切望しておるのでありまして、私は本法にかような意味合いにおきまして、根本的に賛成の意を表するものであります。  ただ、ただいまも他の委員諸君から御意見がありましたこの運営に当りましては、ごらんのように、各省たくさんの関係官庁があります現在としましては、よほど注意して、細心の考慮払つて、堅実なる運営をはかることによつて、本事業の堅実なる進展をはからなければならぬと思うのでありますから、当委員会は今後ともこの運営につきましては、十分な監視、督励を加えるという心構えを持つて行かなければならぬということを申し添えまして、本委員会において各位の慎重なる御考慮をお願いしたいということを、希望するもりであります。以上をもちまして賛成の意を表します。
  16. 栗山長次郎

    栗山委員長 討論は終局いたしました。  お諮りをいたします。それでは本案委員会の成案とし、委員会提出法律案といたしますことに賛成諸君の御起立を願います。     〔賛成者起立
  17. 栗山長次郎

    栗山委員長 起立多数。よつて本案は多数をもつて委員会提出法律案となすことに決しました。  なお議院における提案理由の説明の際には、委員長におきまして本案起草までの経過、審議の際における少数の反対の御意見等についても報告をいたしたく存じます。  本日はこれにて散会いたします。     午後二時五十二分散会