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1949-11-17 第6回国会 衆議院 観光事業振興方策樹立特別委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十一月十七日(木曜日)     午後一時三十五分開議   出席委員    委員長 栗山長次郎君   理事 今村 忠助君 理事 岡村利右衞門君    理事 河野 謙三君 理事 畠山 鶴吉君    理事 淵上房太郎君 理事 久保田鶴松君    理事 高橋清治郎君 理事 柄澤登志子君    理事 山本 利壽君 理事 高倉 定助君       石原 圓吉君    岡西 明貞君       高木吉之助君    松永 佛骨君       藤田 義光君    増田 連也君       永井 要造君    木下  榮君  出席政府委員         運輸事務官         (観光部長)  間島治郎君  委員外出席者         厚生事務官   飯島  稔君     ————————————— 本日の会議に付した事件  国際観光ホテル整備法案起草に関する件     —————————————
  2. 栗山長次郎

    栗山委員長 ただいまから会議を開きます。  かねてから御懇談形式で御審議をいただいております国際観光ホテル整備法案に関しまして、厚生委員会から御意見申入れがございます。この要点を御披露申し上げ、回答についで御協議をいたしたく存じます。  十一月十六日付をもつて厚生委員長堀川恭平氏から本委員会委員長にあて送付されました意見書趣旨を申し上げますと、この法案は大規模かつ高級のホテルに厚くして、一般ホテルに軽くはないかという御意見が第一点であります。第二点は現在旅館業法があつて、それによつて旅館ホテルを取締つておる、そういう厚生省立場と抵触しはせぬか。第三点は国立公園内にホテル旅館があり、また温泉地帶ホテル旅館があるので、厚生省としてはこれらに関し多大なる関係を持つておる。こういう点について考慮を促したい。大体この三点でございます。  第一点につきましては、本委員会において委員各位が御論議なさいましたように、この法案をつくりますのは、決して大ホテル事業家を益するというためではございませんで、ホテル業観光事業の中核をなしますため、外貨獲得に資するホテル事業を、海外の競争にたえ得るようなものにしようという趣旨に出ておりますことは、御審議なさいました皆様の御了承の通りであります。第二点につきましては、旅館業法公衆衛生見地から施行されておるものでありまして、主として公衆衛生に関する規定であります。本法目的とするところは、外貨獲得にたえ得るホテルを助成しようというのでありますから、第二の厚生委員会の御意見は私どもとは同調いたしておりませんようであります。第三点は、これは日本全国にわたる右の目的にかならホテル助成法でありまして、それが国立公園内にありましようと、また国有地内にありましようとも、本委員会としては差別をして扱つておらないという点が、今までこの委員会審議された御趣旨と対照して考えられる点でありますので、それにかんがみ、理事の方々とお諮りをいたしまして。これに対する回答案文を用意いたしておりますから、御披露いたしまして、御審議を願いたく存じます。その案文を朗読させていただきます。    国際観光ホテル整備法案に関する申入れに対する回答   十一月十六日付国際観光ホテル整備法案に対する貴委員長からの御申入れ事項については、本委員会において審議した結果、御申入れ趣旨を体し、本法の実施にあたつては、  一、厚生行政と重複しないよう留意すること  二、厚生運輸両省間の緊密な連絡をはかり、行政支障なきよう期すること  三、本法に基く諸手続をできるだけ簡素化すること  以上の三点につき、本委員会から運輸大臣に対し通告して、貴委員会の御申入れ趣旨に沿うようにしたい。なお御指摘の三点については本委員会の考えるところを左に申し添える。  というので、ただいま私がかいつまんで申しましたような本委員会の真の意図について、三箇條にわたつて説明を加えておるのが、用意いたしました回答案文でございます。これについてまず御審議を煩わしたく存ずるのでありますが、かような案文でよろしゆうございましようか、いかがでございましようか。
  3. 石原圓吉

    石原(圓)委員 今申し上げるのが適当かどうか知りませんが、ホテル登録と申しますか、権限の問題でありまして、私の所の伊勢、志摩国立公園は、今ホテルの建設に着手しつつあるのでありますが、これは従来全部と言ういいほど、厚生省との連絡になつておるのであります。そういう関係から、示テルのうちの国立公園地帯に建設されるものについては、ぜひとも厚生省運輸省と同一の権限を持つように、願わくば單独に厚生省がその権限を持つことを希望するのであります。この観光事業の各部門が、各官省にわかれておることははなはだよくないことであつて、将来いずれは建設省部門も、運輸省部門も、また厚生省部門も、観光事業に関しては、行政機関一元化する方がいいと私自身は考えておるのでありまして、そういう時期を招来する意味において、さしあたり支障のないように、このホテルに対しては厚生省も共管と申しますか、発言権を持つて行けるような制度にしたい、こういう意見を持つものであります。
  4. 栗山長次郎

    栗山委員長 ほかに御意見ありませんか。
  5. 畠山鶴吉

    畠山委員 ただいま石原委員が言われたことに私は同感する点があります。それはこのホテル設置法案に対しまして、各方面意見を総合いたしますのに、今石原委員が言われたと同じく、各省勢力争いをしていることは、いまさら言うまでもないと思いますが、この法案をつくるということは国会において始めてのことでありまして、この委員会の性質といたしましては、もちろんこれを遂行することを希望するもりでありますけれども、この際はなるべく摩擦を起さないように、相互の円滑化をはかつて、特に進めていただきたい。ただいま委員長から回答書言葉を聞いたので、あらかじめわかつてはおりますが、今後の立場におきましても、これを今回の法律として出すにあたつても、なるべく円滑を主として、この機会りつばにこれを遂行さしていただきたいということを、私は念願するものであります。同時に厚生省国立公園部方面意見を聞きますと、この際は厚生省の主管であるから、運輸省運輸大臣という言葉はどうも困るという話もしばしば聞いておりますけれども、私は厚生省に対しまして、こういうことをいつも言うております。なるほど旅館行政取締り厚生省がやつておることは知つておりますが、この扱い方法については、非常に薄弱なところがある。われわれ業者立場からいたしましても、非常に欠けている点があるということを数数認めておるのであります。こういう点から考えましたときに、外客を吸引するような観光ホテルの場合は、運輸省が今まで積極的にあらゆる点に犠牲を拂い、またその方面のオーソリテイーであるということを、私ども業者立場から認めておりますので、この際はこの法案ができたことに対して、私は運輸省は適当だと考えますが、運輸省といたしましても、この観光部面において、非常に法律的に薄弱なところがあるようでありますから、この際この点も改善していただき、また同時にこの運行を、もつと彈力性のある力の強い、この仕事が完全に遂行できるような方法にしていただきたいことを、この際希望を申し上げます。同時に厚生省におきまする国立公園に関した部分に対しては、運輸省はこれに対して協議の上円満な方法をとつて、すべてのことを遂行さしていただきたいことを、私は希望として申し上げまして、本法案はすみやかにこれを決定していただきたいことをお願い申し上げます。
  6. 石原圓吉

    石原(圓)委員 この問題につきまして昨日厚生大臣にもお話をしたのでありますが、厚生大臣は、時間があれば運輸大臣とよくその問題について相談したい、こういう御意思を漏らしておつたのであります。ホテル法案ができること及び観光事業を強化して行くことは全面的に賛成でありまして、相なるべくは委員長は一度厚生大臣にもお会いを願つた方が、非常に円満に、順調に進むであろうと考えている次第であります。  なおこの機会に、はなはだ問題がそれるのでありまするが、公園審議会というものがありまして、この公園審議会委員と申しますか、その人々のうちにはすこぶる常軌を失した言動があることを聞くのであります……
  7. 栗山長次郎

    栗山委員長 御発言中ですが、皆さんにお諮りいたします。今石原さんが御発言なされかけましたことは、国立公園に直接関係があるような事項に存じますから、幸いここに公園部長さんがお見えのようでありますので、石原さんに対する御答外を願うことにしてさしつかえございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 栗山長次郎

    栗山委員長 ではさようにいたします。
  9. 石原圓吉

    石原(圓)委員 それでその審議会委員と申しますか、議員と申しますか、その一部の人たちが、公園地域内に観察に行くか、調査に行くか知りませんが、そういう機会に、かなり穏やかならぬ言辞を弄するということを聞いているのであります。たとえばこの公園は指定したけれども、あまり価値がないから準公園に引下げる、あるいは、この公園地域のうちの一部は不要であるがら削除するとかいうような、地方公園地域関係者に、不安動揺を与えるような言辞を弄する委員があるということなのであります。そういうことが事実あるかどうか。これは少くも審議会委員という、無官の大夫のような人々言辞から、地方観光事業支障を来すようなことがあつてはたいへんであると思うのでありまして、まずその事業確めたいのであります。同時にまた観光審議会が、もうすでに十七も十五も公園を指定されて、しかもそれに対する何らの施設的予算ができない。今日まで人件費以上の施設の経費が、国の予算で実現しないということは、審議会権威がどこにあるかということも疑うのでありまして、私はこの審議会が必要であるか、ないかということも、この特別委員会において十分御検討を加えるように、委員長においで御考慮をお願いしたいと思うのであります。
  10. 栗山長次郎

    栗山委員長 ただいまの石原さんの御発言中、本委員会に関する事項がありますから、まずそれから取上げます。国立公園に関する審議会は、石原さんの御意見ですと、再検討を要する、場合によつたらば本委員会から申入れをして、その要、不要、同時に刷新をはかるべきものであるならば、刷新についても申入れをすることが、しかるべきではないかという御意見であります。皆さんの御意見も承るべきでありますけれども、私として特に申し上げることは、これこそ本院内の厚生委員会所管でありますので、何か懇談等形式によつて石原さんの今の点を厚生委員会に通達する機会がありましたならば、非公式に伝えることが適当ではなかろうかと考えます。続いて今厚生委員会との関係事項について審議中でありますから、厚生委員会所管に入り、国立公園についての石原さんの御発言に対して、先ほど皆さんの御承認を得ました公園部長の御発言を求めます。
  11. 飯島稔

    飯島説明員 それでは第二の点についてお答えいたします。国立公園委員の中に観光事業支障を来すような、動揺を与えるような意見があるやに聞いておるが、この点は事実かどうかというお尋ねでございますが、この点については委員はそれぞれ独自の見解を持つておりますので、あるいは個人的な考え方として、この辺は適当である。あるいは不適当である、あるいは必要はないという意見を述べる方はあるかもしれませんが、審議会としてはかかる行動に全然反対しておりまして、むしろ積極的に公園行政並びに日本国際観光事業促進強化整備重点を置いで審議を進めております。委員の中には、四十人もおりますので、あるいは個人的な意見も述べられる方があるかもしれませんが、それは審議会全体の正式な意見ではないのでございまして、国立公園所管する厚生当局におきましても、また審議会の正式の審議の際におきましても、国立公園中心といたしました、観光事業促進整備に鋭意努力いたす意見のみが、発言されておる状況でございます。
  12. 石原圓吉

    石原(圓)委員 ただいまの厚生省公園部長の御意見によりますると、審議会は鋭意公園発達に寄与しておる、これは当然であります。けれどもその一部の人が、しかも権威ある人が、個人的にも地方行つて地方民を惑わすようなことがあつたならば、これは支障を来すのである。そういう事実があるということは、私は確かに聞いておるのであります。それを厚生省が知らずにおるということは私は迂遠であると思う。私は他の機会において、はつきりとその事実を指摘して、そうして参考に供します。あなたの方におかれても、いま少しくそれに対しては、御注意を拂われた方がよかろうと思うのであります。
  13. 飯島稔

    飯島説明員 ただいまの石原委員の御指摘の点は、私たちもうすうす承知いたしておりまして、将来そういうことのないように十分注意いたして参ろうと思います。
  14. 藤田義光

    藤田委員 国立公園部長ちようど見えになりましたから、ちよつとお尋ねしたいと思います。先ほど来二、三の委員から御発言がありまして、国際観光ホテル整備法案に関しましては、いろいろと従来の法規との関係その他におきまして、大分意見の対立があるようでございますが、従来の法規とこの法案との関係に関しまして、どういう経緯であるかということにつきまして、簡單にお答え願いたいと思います。
  15. 飯島稔

    飯島説明員 国際観光事業並びに観光行政につきましては、従来とも運輸省厚生省並び建設省文部省、その他関連せる諸官庁間において、いろいろいわゆる権限争いがあるというふうに伝えられておりまが、実は観光事業事務内容が正確に概念つけられないために、その間の線の引き場所について、いろいろ意見があつたわけでありまして、それが普通に権限争いというふうに言われておるのかとも考えますが、この問題につきましては、各省設置法国家行政組織法に基いて設定されます際に、この際はつきり概念をきめたらどうだろうということで、法務府の法制局関係当局が集まりまして、一応線を引いたのがあるわであります。それは運輸省観光事業につきましては、運輸に関する観光事業という意味で、旅客輸送並びに鉄道その他の輸送面における運輸に関する観光事業重点を置くということで、一応線を引いていただたいて、厚生省におきをしては国立公園温泉に関する観光事業、主として施設の問題になるのでありますが、国立公園及び温泉に関する観光事業というように、厚生省設置法に規定されておるわけであります。従つて観光事業は、現在におきましては、運輸に関する観光事業運輸省国立公園並びに温泉に関する観光事業厚生省というように、はつきり線が引かれております。その他文部省史蹟名勝、国宝、天然記念物に関する観光事業もありましよう。道路中心とした観光事業もありましよう。これらは観光事業という字は使つておりましようけれども、それぞれその所管に従いまして、建設省あるいは文部省で所掌いたしておるわけであります。ただホテルの問題につきましては、従来所管はつきりいたしておりません。しいてあつたと申しますならば、旅館業法というものがありまして、これは厚生省所管になつておりまして、主として環境衛生並びに食品施設衛生取締りの面に重点が置かれております。それでホテル環境衛生方面、並びに食品衛生方面における所管厚生省であり、また建築その他の関係におきましては、建設省であるということが言えるのであります。ただいま国際観光ホル整備法案というものを見ますと、この所管が一応運輸省に行くということになつておるのであります。この国際観光ホテル所管につきましては、従来いずれともきまつておらなかつたし、むしろ厚生省において、旅館業法の一環として運営して行くべきものが、運輸省所管になるということにつきましては、現在の設置法建前から、相当疑義があるのみならず——また国立公園並びに温泉に関する観光事業として、主たるものはホテルその他観光施設でありますが、これらのものは厚生省でやつておるにかかわらず、運輸大臣権限となることについては、現益の国家行政組織法に基く各省権限配分を著しく乱すものでありまして、ますます将来に権限争いの禍根を残すものではないかと、われわれは考えるのであります。従いましてこの点は本国会権威において、現在の行政機構の範囲において、適正に運営の円滑を期するように運ばれることが、最も適当ではないかと考えておるわけであります。
  16. 藤田義光

    藤田委員 ただいまの国立公園部長の御答弁は大体了承いたしました。国家行政組織法及び各省設置法によりまして、各省権限を拜見いたしますと、たとえば国際観光ホテルの場合におきましては、外客目的地まで輸送する、あるいはバスで旅館の玄関まで送ることは運輸省所管であるが、ホテルそのもののいわゆる施設面は、厚生省が扱つておるというふうな明快なる御答弁でございます。しかりとしますると、この整備法案は、大分二大法律に背反するというような懸念がございます。われわれは最高機関の一員として、もしこれに法律的な疑義があるといたしますと、簡単に決定しては、悔いを千載に残すという危険が多分にあるわけでございます。特に国立公園部長の御答弁と、過般の大蔵省国税品及び自治庁財政部事務官答弁によりましても登録税遊興税家屋税等に、税法の建前から相当疑義があるようでございます。こういう点いかに合法的に明快なる解釈を下されておるか。この法律案がもし通過した場合に、これを所管されようとする間嶋観光部長の御意見を簡単に伺いたいと思います。
  17. 間島大治郎

    間島政府委員 ただいま厚生省から御答弁がございましたが、私ども立場から御説明申し上げますと、運輸省のやつておりまする観光行政を現わします場合に——従来観光という語は非常に広く解釈されておりまして、観光に関連する行政といたしましては、たとえば文部省史蹟名勝天然記念物、あるいは建設省観光道路行政、その他非常に広い部面関係がございますが、そういうものを含む意味ではなくて、運輸省で従来やつております固有の観光行政というふうなものをはつきりいたしますために、設置法の際に運輸に関連する観光という言葉を用いたのであります。この言葉意味は、結局運輸を基底として成立つものでございます。観光客を誘致し、輸送し、これらに関連して観光事業発達、改善、調整をはかる、あるいはまた観光地観光施設を調査し、改善する、また外書を呼びますために、観光宣伝をするというふうな内容を含んでおると、私ども解釈いたしておるのであります。
  18. 藤田義光

    藤田委員 ただいま観光部長の御答弁を拜聽いたしますと、大分厚生省権限と競合する面が出て来るだろうと思います。法律解釈の問題は非常にむづかしいことでありまして、われわれはつきりした判断を下すことは困難でございます。ただいま観光部の、運輸省観光行政一般観念の御説明がありましたが、しからば特別に一つのわくを持つておる、たとえば国立公園法に基く国立公園行政区域内の観光事業に関しましても、今の一般解釈をそのままあてはめて適用していいかどうか。たとえば温泉とか国立公園地区内というものは、あくまで本来の国立公園部で担当すべきか、あるいはその面まで運輸省観光事業一般観念を広めて解釈していいかどうか、観光部長の御意見を伺いたいと思います。
  19. 間島大治郎

    間島政府委員 その問題につきましては、もちろん国立公園法に基く厚生大臣権限があるわけでありますが、この点に関しましては、何と申しますか、国立公園地域内は、行政が二重に、あるいは三重になつておるというように、考えていただいていいのではないかと思うのであります。たとえば国立公園法によりますと、国立公園事業というものがありまして、いろいろの施設その他ももちろん含んでおりますが、しかし、たとえば道路の問題あるいは鉄道の問題になりますと、これは道路法があり、また地方鉄道法軌道法があるというわけでありまして、国立公園法国立公園建前から特別の地域を指定いたしまして、風致の保存の必要があれば、その見地から行政権限を及ぼすというふうになつておるのであります。結局国立公園法というものが制定されました建前は、ほかの法律と違うと考えるのでありまして、両方の立場からそういつたものは見るべきものであると、私どもは考えているのでございます。
  20. 藤田義光

    藤田委員 ただいま観光部長の御答弁によりますと、この整備法案が通過いたした際におきましては、新たに、たとえば国立公園地区内のホテル業者に対する広範囲な新しい一つ監督権と申しますか、官庁監督権が拡張される。従いまして業者は、各省官庁監督行政指揮下に入るようなことになるおそれがありはしないか。民主主義立場から言いますと、なるべく自律的な業務の運営ということが、民間企業においても必要だろうと思うのであります。その際におきまして、この整備法案によりまして、国立公園行政道路行政、その他所管官庁監督権以外に、新たに広範囲な一般大衆への指揮監督権が加わるというふうに、われわれは解釈するのでありますが、この点に関しまして観光部としては、この大きな特権によりまして、一般大衆負担義務が非常にプラスされるというように、この法律案解釈されるのか。これは非常に微妙な点でございまして、ホテル業者はこの幾多の特権に、一応喜んでいるだろうと思いますが、反面非常に嚴重な義務がいろいろ規定されております。この点ホテルに関する監督行政は、すべて観光部で管掌するというようなことを、はつきりこの法律にうたうことはできないもりかどうか、お伺いしたいのであります。たとえば食品衛生監督その他もすべて、この整備法によつて観光部所管することができる自信があるかどうか、お尋ねしたいと思います。
  21. 間島大治郎

    間島政府委員 この法律は、この委員会愼重御審議になりまして、外客誘致のために宿泊施設を整備するという趣旨でございまするが、これはかねがねホテル業界から、国際競争にたえ、国際水準の域に達しまするまでに、ホテル業を育つてもらいたいという強い要望もありましたり、また外国等におきましても、こういうような助成策を講じておりますので、われわれといたしましても、この程度のことをしなければ、日本ホテル事業発達しないという見解を持つております。非常にけつこうな内容を持つておると考えているのであります。またこの法律内容を拜見いたしましても、特に運輸大臣が大きな権限を持つというふうな建前には、なつておらないと解しているのでございます。一定の基準が設けられまして、その基準にマッチしたものは、登録しなければいかぬという義務を負つているのでありまして、登録されますと、自動的にそのホテルは、この法律に定めましたある種の利益を得るという建前になつております。また運輸大臣監督権というものは、内容を拜見しますと、さほどないように考えておるのでございます。また最後の御質問の、こちらで衛生面まで全部やれる自信があるかという点でございますが、私どもといたしましては、もちろん厚生行政には経験がございませんので、厚生行政厚生省所管するのが当然であろうと考えるのであります。もちろん一つホテル事業を、あらゆる面から見まして指導、育成、監督するということが起り得るわけでございますが、そういつた点はお互いにできるだけ連絡協調いたしまするとともに、また諸手続等はできるだけ簡素化いたしまして、この法律の適用を受ける業者のめんどうを、なるべく少くするという方向に持つて行かなければならないと考えておる次第でございます。
  22. 松永佛骨

    松永委員 実は昨日厚生委員会におきまして、この問題に対する厚生委員長あて栗山委員長からの御書簡によりまして、厚生委員会がいろいろとあらゆる角度から審議をいたしたのでありますが、その結果一つの観点を見出しまして、委員長あて申入れをしたのであります。その申入れの御回答を待つて、さらに厚生委員会を開いて、厚生委員会としては当委員会合同審議申入れを行うというようなことを、きのう朝決議され、厚生委員会は散会し、栗山委員長あてに申入れがあつたはずだと思いますが、そのことについて委員の方にはお諮りになつたのでありましようか。
  23. 栗山長次郎

    栗山委員長 ただいまお諮りしでおることがそれなんであります。それに端を発して、今お聞きのような質問応答に展開したわけであります。それでお諮りいたしますが、冒頭に要旨を御報告申しました通りの御意見が、厚生委員会から当委員会に対して申し入れられております。それに対する回答の主文を朗読いたしましてお諮りをしておるのでありますが、これはいかがとりはからつたらよろしゆうございますか。
  24. 藤田義光

    藤田委員 議事進行にも関連いたしますが、ただいま松永委員のお話によりますと、委員長の本委員会回答によりまして、さらに向うから申入れがあるかもしれぬというようなお話でございますが、回答するならば、なるべく厚生委員会も納得するような、すつきりしたものをお考え願いたい。また各委員意見もいろいろ出ましようが、厚生委員会立場も十分考慮されまして、御判断になりますようにお願いしたいと思います。  なお委員長名でいただきました公文書によりますと、本日採決をしたいというような委員長の御意向のようでございますが、先ほど来石原委員松永委員の御発言あるいは畠山委員の御発言もありましたように、本法案に関しましては、各種各様の問題もあるようでございます。なるべく正式委員会において審議を盡しまして、今期一ぱい十分論議いたしまして、採決に移られるようにお願いしたいと思います。
  25. 栗山長次郎

    栗山委員長 皆さんにお諮りいたします。ちよつと速記をやめて御懇談を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  26. 栗山長次郎

    栗山委員長 それでは速記をやめてください。     〔速記中止〕
  27. 栗山長次郎

    栗山委員長 冒頭に付議いたしました厚生委員会からの意見書に対する回答でございますが、この回答を出したものか、回答を出さずに、合同審査という形式をとることにいたしますか、その点について御意見を伺います。
  28. 今村忠助

    ○今村(忠)委員 ただいま委員長からの御提案でありますが、それは合同審査をするとかしないとかいうことをきめずして、一応委員長一任といたしまして、先方に文書で出すなり、口頭で回答をするなり、他の方法をもつて折衝されるなりして、とにかく厚生委員会の方の納得といいますか、了解を得て、この国際観光ホテル整備法案というものが成立するよういたしたいと思います。あげて委員長に一任いたしたいと思います。
  29. 栗山長次郎

    栗山委員長 たいへん巾のある動議でありますけれども意見書が来ている以上、これに対して回答をするかしないかどいうことは、委員長一個の意見ではきめられぬことであります。
  30. 松永佛骨

    松永委員 これは一応厚生委員長から申入書が来ていることでありますから、委員会にお諮り願いまして、皆さんの御賛同があれば、やはり御回答つて厚生委員会としてそれが納得できて、まことにけつこうでございますという回答があれば、ただちに採決に入るといいと思います。  なおこの際申し上げておきますが、われわれ委員は、この管轄が運輸省であろうが、厚生省であろうが、さようなことはあえてかまわない。委員長もおつしやる通り、観光局というものができまして、これが一元化される日の早からんことを切望するものであります。決してわれわれは官僚のなわ張り争いにタッチして、一方的の解釈をもつて論議しようとするものではないのであります。  ただ、そうでなくても複雑な行政機構を、一元化する上におきまして、さらにホテル行政運輸省監督をも受けるということについては、どうだろうというのが厚生委員会意見中心点であります。その点、委員長から一応文書で回答書をお渡し願つた方がいいのではないかと考えます。いかがでございましようか。
  31. 藤田義光

    藤田委員 先ほど今村委員発言がありました線に賛成いたします。その申入れの処理の問題及び合同審査に対する委員の全般の空気から、委員長が適当に判断の上処理されまして、しかる後に後日本委員会を開いて、その間の報告をお願いしたいと思います。本日は採決を中止されまして、散会していただきたいと思います。
  32. 栗山長次郎

    栗山委員長 両委員から御動議がございましたので、それでは不敏ではありますが、委員長において善処をさせていただきます。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  33. 栗山長次郎

    栗山委員長 それから、散会の御希望がありますが、大蔵委員等の、非公式な見解ではありますけれども見解がこちらに反映しておりますので、採決ということは別問題といたしまして、もう一歩進めての法案についての御審議が、私としては望ましいのであります。しかし三時から本会議がありますので、明日は午後一時から本委員会を開くことにいたしまして、本日はこれで散会いたしたいと思いますが、いかがでしようか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  34. 栗山長次郎

    栗山委員長 それでは本日はこれで散会いたします。     午後二時四十四分散会