○
佐々木(盛)
委員 この点に関しましては、いずれ
大臣がお
見えになりました際に、もう少しつつ込んでお聞きいたしたいと考えますが、最後にもう
一つお聞きしておきます。これは先ほどの條約
局長の
お話にもありましたように、
国際連合に
参加するということになりますと、結局実際の
問題として
中立ないし
永世中立というようなことによ
つて、
国家の
安全保障を求めるのではなくして、
国際連合という
集団保障によ
つて、
国家の
安全保障を求めようということになると考えます。従いまして、今日一般に行われております
中立論ないし
永世中立論と、
外政を担当されております
政府当局の考えとの間には、相当な開きがあるようにわれわれは考えるのであります。そこでこういう
問題につきましては、とかく
国民も無
関心でありますし、かつまた
政府当局においても、昔ながらの知らしむべからずというような
考え方が依然として根強くあるのではないかと私は考えます。しかしながら、今度の無謀な第二次
大戰にずるずる
日本が引きずり込まれて
行つたというのも、要するに、
政府も
国民に対する
外交認識ということの啓蒙を怠
つたこともあるし、
国民もまたこれをしいて知ろうとしなか
つた点にありはせぬかと私は考えます。従いまして、こういう
中立の
問題、ことに
国際連合に
参加するということについては、
政府は何も考えていないという
お話でありますが、
政府が考えていなくても、
国民はもう火のつくような切実な
問題として考えております。
戰争の脅威というものも、どのように否定をいたしましても、
世界のあらゆるところにこれが火の手はあが
つているわけでありまして、特に新
憲法によ
つて身に寸鉄を帶びなくな
つた日本のわれわれといたしましては、この
問題に対して無
関心であれと言われてもあり得ようはずがないのであります。これほど重大な
問題を除いて他に
外交関係はないと私は考えます。
従つてこういう点につきましてはどうかあまり秘密的な、官僚的なやり方をするのではなくして、むしろ広く
国民の輿論を聞き、また
政府当局の考えておることは、われわれはかようなことを考えておるのだということを明らかにされることが非常に望ましいと私は考えます。そこでいずれ
大臣がお
見えになりました節に、またゆつくり承ることにいたしまして今後のこういう
機会におきましても、できるだけその場のがれの言いのがれ式な
答弁に終らないで、これは切実な
国民の声でありますから、この
国民の声に対して親切に答え、また大いに勉強していただきまして、われわれの満足するような
答弁をしていただくように、紙の先に
ちよこちよこと書いて
ちよこちよこと
言つてその場をのがれるというようなことでは、どうもわれわれとしまして
問題があまりに重大な
問題でありまして、
国民の生命、財産を預かるわれわれとしましては、まことに遺憾に思います。従いましてこれからはどうかこういう
問題につきましては懇切丁寧に、そして隠すことなく正直に
意見を述べていただきたいと存じます。本日は他にいろいろ聞きたいことがありますけれども、どうものれんに
腕押しのようにな
つてもしかたありませんので、いすれ
大臣のお
見えになりましたときに
質問をすることにして打切ります。