○倭島
政府委員 先ほど御説明申し上げましたのが、少し
言葉が足りませんので、誤解されたかと思いますが、
留守家族の
調査をしておらぬと申し上げましたのは、つまり留守宅を
対象として、留守宅がどういうふうにお暮しにな
つておるか、留守をどういうふうにお守りにな
つておるか、どういう生活状況かという問題も、これまで問題にな
つてお
つたことがありまして、留守宅
調査と言われましたので、そつちの方面かと思
つたのでありますが、未
帰還者を
調査する
方法として、留守宅から届出を
出していただいている
調査、これはいたしております。
先ほど委員長から御説明がございましたけれ
ども、念のためにもう一回ごく簡單に今の
調査の
内容を申し上げますと、主として二種類
国内の
調査をいたしております。これはソ連の方へ幾ら頼んでも、何ら返事がありませんので、それで
国内といたしましては、帰
つて来られる方から、いろいろ未
帰還の方の情報を聞くというのが
一つと、それから留守宅の方から届を
出していただきまして、うちの者がだれが帰
つて来ないという届を
出していただきまして、それを集計しておるという
二つの
方法をと
つております。しかしその
二つの
方法は、いずれにいたしましても、
先ほど委員長からお話がありましたように、はなはだ落ちがありまして、かえ
つて最近の例を申しましても、中共地区から高砂丸で帰
つて来られた方の届が出てお
つたのと、パーセンテージをと
つてみますと、帰
つて来られたのに届出のあ
つたのは二一%で、つまり二割
ちよつとしか届が出ておらぬ。届出のない方が帰
つて来られるという状況であります。それはいろいろな原因があると思います。たとえば直接の御
家族がない場合、あるいはどつかにあられても
——いろいろなことをわれわれも聞くのでありますが、いろいろな届をしても、帰
つて来られてもうるさいという話もあるらしいし、いろいろな状況で、つまり家の者、直接の卸
家族という場合に、届出の落ちておる場合は、何かの関係かと思いますが、ほとんどの御
家族の、たとえば自分の子供が帰らぬ、あるいは兄弟が帰らぬと言うときのき届出は、まず大体落ちていない。ところが、それでも届の中には、御主人の名前だけが書いてある場合が多数ありますので、そのうちに子供さんができてお
つたとか、そのような諸般の関係もございまして、帰
つて来られた、つまり残留してお
つた数字というものは、留守宅の
家族の届出からは、必ずしもつかめない、むしろ二、三割程度しかつかめないという状況にあります。
それからもう
一つ、帰
つて来られた方から、未
帰還の方の情報を得るということにつきましても、たとえば最近大連方面から帰られた方の情報によりますれば、これは比較的、現地でこういうことにな
つておる、こういう人にあ
つたということで、進んでわれわれに情報を提供していただく場合が多うございますが、ことに最近ソ連の方から帰
つて来られる方については、その情報の提供を拒まれる方、あるいはある程度これについて積極的な協力がない場合がございまして、
政府としては、いろいろその事情を説明して、お願いしておるのでありますが、必ずし帰
つて来られた方から集めました情報が完全だと思えない節がたくさんあります。しかしながら
政府といたしましては、今留守宅の届出に基いた
調査、これは誠心誠意進めております。それから
帰還者からいただく情報についての
調査も進めております。そういう状況であります。