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1949-11-22 第6回国会 衆議院 海外同胞引揚に関する特別委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十一月二十二日(火曜日)     午前十時三十三分開議  出席委員    委員長 中山 マサ君    理事 安部 俊吾君 理事 小西 英雄君    理事 玉置 信一君 理事 冨永格五郎君    理事 岡  良一君 理事 天野  久君    理事 山手 滿男君       足立 篤郎君    受田 新吉君       堤 ツルヨ君    並木 芳雄君       柳原 三郎君    砂間 一良君       吉川 久衛君    松谷天光光君  出席政府委員         引揚援護庁次長 宮崎 太一君  委員外出席者         大蔵事務官   太田 亮一君         厚生事務官   太宰 博邦君 十一月十六日  委員横田甚太郎君辞任につき、その補欠として  春日正一君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  引揚者援護等に関する件     —————————————
  2. 中山マサ

    中山委員長 これより会議を開きます。  前会に引続き、関係当局に対し質疑を続行いたしますが、その前に委員長より昭和二十四年度予算引揚げ関係の費途につきまして、当局より説明を求めます。
  3. 宮崎太一

    宮崎政府委員 昭和二十四年度予算は、先般の国会で御決定になりました通り、五十二億四千百万円ぐらいが引揚援護庁関係予算でございますが、このほか生業資金貸付といたしまして、三億社会局予算に計上されておりますので、合計といたしまして五十五億四千百万円ばかりの経費になつておりわけでございます。ところが今回の補正予算におきまして、本年の引揚者引揚げ事情は、非常に数が少うございましたので、引揚げ経費が残りました関係上、今回の補正予算におきまして十億二千四百万円ばかり節約されておりまして、実際に年度内に使用見込み経費が、社会局の三億を入れまして、四十五億一千八百万円ということになつたのでございます。お手元に配つてありますところの補正予算のおきまして、十億二千四百万円の経費が、引揚援護庁の方におきまして節約になつておるのでございます。これは先ほど申し上げましたように、引揚げ人員が少かつたということでございます。  そこでその四十五億千八百万円の使い方でありますが、引揚援護関係におきましても、十億八千万円、それから復員官署関係におきまして四億円、それから未復員者給与法関係で二十二億円、特別未帰還者給与法関係で六千八百万円、公共事業費におきまして四億五千七百万円、生業資金で先ほど申しましたように三億一千八百万円が本年度使用見込みになつておるわけでございます。  そこでこの四十五億の中に入つております経費といたしまして、新しく含まれております問題といたしましては、引揚者住宅は、前の軍の建物というようなところでありまして、屋根が破れ、崖が落ち、床が落ちというような状態のものにつきまして、これを補修いたしまして、引揚者がこの寒い折柄らお苦しみになるような住宅であつては困りますので、今回こそ補修費を要求しておるわけでございます。  それから次に引揚者住宅買收費と申しますものは、終戦後、会社等建物を借り入れまして、そこえ引揚者を入れておつたのでございますが、戦争が終わりましてからもうすでに四年を経過いたしたのでありまして、会社側の方からも早くこれを引渡してもらいたい、あるいは買收してもらいたいという希望が出ておりますので、これを買收する経費でございます。これがこの使用見込みの中に入つておるわけでございます。  それからあとは若干でございますが、佐世保引揚援護局の橋がこわれました。この橋と申しますものは、おいでになつた方はおわかりでございますが、水道管がついてありまして、その橋がこの間の台風で破壊いたしましたのでございます。これは至急直しませんと、飲料水供給その他で困ります関係上、その橋梁を直します経費が千三百万円、それから佐世保引揚援護局内宿舎補修が二百四十万円、それからポ政令公布に伴う食糧あるいは運賃旅費等が四千万円、そのほか携帯通貨交換金が含まれておりまして、大体これが三億五千九百万円くらいこの中に入つておるわけでございます。そういうものを入れまして、本年使用見込みを立てて、先ほど申し上げました十億二千四百万円を引揚援護庁経費から削減いたしたのであります。
  4. 玉置信一

    玉置(信)委員 私は在外資産の問題で、大蔵省当局にお聞きしたいと思いましたが、まだ御出席がないようでございますから、ただいま御説明なつた二十四年度予算に関連して少しお伺いしたいと思います。  生業資金三億円についてお尋ねいたしますが、現在までに貸し付けた金額、それから貸付対象となつておりますところの世帯数、それから今までの貸付けされたものの回收状況、これをまず先にお尋ねいたしたいと思います。
  5. 太宰博邦

    太宰説明員 現在までに厚生資金を貸し付けいたしましたいわゆる貸付済額と申しますが、大体七月末現在で二十二億数千万円ということになつております。大体二十三億と御承知願いす。貸し付けました対象引揚者——もちろんその中には復員軍人も含めてございます、戦災者生活困窮者などでございますが、合計いたしまして、件数としては十九万件、人員では四十七万ということになります。その大半はやはり引揚者大体八割五分ほど占めております。それから同收額の点でございますが、これは現在までのところ全部平均いたしますと約四十七、八パーセントくらいの同收率になつております。
  6. 玉置信一

    玉置(信)委員 更正資金貸付制度は、一人当り一万五千円でありましたか、これは第五国会において私少くとも二万円、三万円ぐらいが適当でないかということで増額要求を申し上げたのでしたが、最近の実情からいたしましても、どうしても一万五千円ぐらいでは——まあ借りないよりは助かるわけですが、もつと増額してやらないと、更生する面に足りない。三万円ぐらいに増額する見通しはないものですか、予算の面においていろいろ御苦心されておつたようですが、この点についてお伺いいたします。
  7. 宮崎太一

    宮崎政府委員 まことに仰せの通りでございますが、先ほど申し上げましたように、本年度更生資金は国から三億円、それから従来の貸付を同收いいたしますのが二億円、あわせて五億円でありますが、それに対する申込みが十二億円に達しておる状況でございまて、実は申込みはあるけれども、貸し出せないような状況になつておるわけでございます。そこで今度の補正予算におきまして二億円の追加をすることになつたのでございますが、それにいたしましてもまだ足りない状態でございますので、私どもとしては、一億五千万円の貸付金を、広げるというよりも、もう少し希望者によけい渡したいという考え方を持つております。これを三万円なり二万円なりに上げますことは、なお行き渡らないきらいがございますので、もう少し更生資金貸付を増し、回收を増して参りまして、大体のところ行き渡るようになりますのと並行して拡げなければならぬ、こう考えております。
  8. 玉置信一

    玉置(信)委員 次は住宅問題でお伺いしたいのですが、ただいま予算の御説明で、いろいろ実情は想像できるわけですが、何しろ全国的に見れば、もちろん北海道においても、第五国会以来委員会においても当局に御要望申し上げておいた通り、今まで相当な引揚者、しかも無縁故者住宅がなくて借寢をしておるというような例もあるので、この点私ども地方自治体を通じていろいろと御相談申し上げて、地元の協力によつて、できるだけ住宅難を緩和すべく撤力をいたして参つておりますが、御承知のような地方財政状況からいたしまして、なかなか思うように参りませんので、何としてもこれは政府の政策によつて解決しなければ、ほかに道がないと考えるわけでございます。もう少し住宅資金をふやす方法がないものかどうか。今まで伺つておりますところによりますと、住宅金融公社というものができるということを承つておりますが、それは今どういうような状況になつておりますか、この点もあわせてお伺いしたいと思います。
  9. 宮崎太一

    宮崎政府委員 住宅問題につきましては、私ども引揚者に対します最も大事な仕事は、就職の問題、住宅の問題、生業資金の問題である、こういうつもりで努力いたしておるのでございます。御承知のように昭和二十一年から二十四年までに約十一億円の国庫支出をいたしまして、住宅建設補助をいたして参つたのでありますが、本年においてもいろいろ地方実情を調べてみますと、住宅の必要なるものが、まだ百万人おられるということでございまして、本年の予算においても四億五千七百万円を計上いたしまして、住宅建設を補助して参つたのでありますが、今回また公共事業として一億六千万円住宅建築経費を出すことになつておるのでございまして、これで約一千五百人分くらいの家ができるわけでございます。それから先ほど申し上げましたように、既存の住宅補修買收等費用もこの中に入つておるわけでございますが、なお明年度予算においても、住宅建築をやつてもらう考えで、五億円の計上をお願いしておるようなわけでございまして、住宅については国家財政の許す限り、これを拡げていただくように、私ども努力をいたしておるわけでございます。  今の住宅のほかの御質問につきましては、これは建設省の所管でございますので、私からの答弁は差控えたいと思います。
  10. 中山マサ

    中山委員長 大蔵省並び外務省関係の方が出席しておられませんが、昭和二十四年度予算につきまして御質問がございましたら、どなたでも……
  11. 山手滿男

    山手委員 この二十四年度予算は、ちよつと今説明があつたように思うのですが、もう一ぺん、ちよつと次長の方から御説明願いたいと思います。
  12. 宮崎太一

    宮崎政府委員 二十四年度予算につきましては、本年の当初予算は五十五億四千万円あつたわけでございますが、この五十五億四千万円のうちで、引揚者の数が予定よりも非常に少くなりましたので、経費が残りまして、それをいろいろ今後に要すべき費用等も計算をいたしました結果、十億二千四百万円だけこれを減じまして、そうして本年の使用見込みといたしまして、四十五億一千八百万円にいたしたのでございます。その四十五億一千八百万円の内訳といたしましては、先ほども申し上げましたが、引揚げ援護関係といたしまして十億八千万円、復員官署の金といたしまして四億円、それから来復員者給与法関係経費といたしまして二十二億円、公共事業関係で四億三千七百万円、それから生業資金で三億、こういう内訳になつておりますが、その中で、新しく使用見込みとして含まれているものといたしましては、引揚者作宅整備費として一億八千四百万円、引揚者住宅買收費として七千九百万円、それから携帯通貨交換金として三千九百万円、佐世保援護局橋梁新設費として千三百万円、佐世保援護局宿舎補修費として二百四十万円、ポ政令公布に伴う食糧運賃旅費として四千万円、合計三億五千九百万円がこの中に含まれておるということを申し上げたのでございます。  それからそのほかに、後に申し上げました更生資金として、この補正予算に二億円、公共事業費として、住宅新設費が一億六千万円入つておるわけでございます。
  13. 山手滿男

    山手委員 引揚げて来た人が非常に少かつたので、予算を十億二千四百万円削つたというお話でありますが、政府に、当初は大体四十六万九千人引揚げさず予定であつたのであります。それで大体引揚費の方は総額で六十六億組んでおると私は思つておるのでありますが、人が少かつたから予算を削つたということ、これは私ちよつと了解に苦しむのであります。そういたしますと、政府は今からの引揚げというものを、どういうふうに見込んでいらつしやるのか。現在までは幾分予定より少かつたかもわからないのでありますが、まだまだ本会計年度におきましては、来年の三月まであるのでありますが、どういうふうにお考えになつておるのでしようか。
  14. 冨永格五郎

    冨永委員 今の質問に関連してお尋ねをいたしたいと思いますが、現在引揚げ事務を扱つておる事務所は、舞鶴函館その他数箇所あるように承知いたしておりますが、私は北海道でございますが、函館引揚援護事務所は、一応閉鎖するというようなうわさが相当まき散らされておるし、人員の整理も、それぞれ進捗しておるやに聞いておるのであります。しからば北海道方面引揚げは、全然ないとお考えになつておるのか、あるいはあつても極端に少くなるから、事務所はいらないとお考えになつておるのか、予算に関連いたしておりますので、この機会にただいまの山手さんの御質問に関連してお尋ねいたします。
  15. 宮崎太一

    宮崎政府委員 私どもに、今後引揚げがないとは思つておりませんが、冬に向つておりますので、従来の経験に徴しますと、大体十二月以後においては、あまり引揚げにございません。そういう関係予想をつけまして、もうこれくらいを残しておいて、あとは当然残るであろう、従来の経験からこういう予想をつけて節約いたしたわけでございます。  それから、函館の問題につきましては、まだ樺太引揚者があるはずでございますけれども、六月からあれだけ参りまして、それきりないのでございます。そこで、これにまだ公式に決定しておるわけではございませんけれども、私どもといたしましては、函館援護局をなくいたしましたあかつきにおきましては、すべて舞鶴引揚者を引受ける、こういう計画のもとに明年度予算考えておるわけでございます。
  16. 山手滿男

    山手委員 どうも私どもは非常に納得しがたいのでありますが、今年度の一番初めの引揚者が上陸いたしたときも、なぜお前たちは早くおれたちを迎えに来なかつたかというふうな言いぐさがあつつたと思つておるのであります。国民、特に家族からいたしますと、十一月になつたから、もうこの辺で今年もないのだろうという、そういうふうな安易な気持ではなしに、何としても引揚げさせなければいかぬということで、現在民間団体におきましても、非常な熱意を持つてつておるのでありますが、政府があらかじめいいかげんに、もうないのだというふうなことで、いきなり十億も予算をぽんと切つてしまうということは、これはたいへん私に熱意のない現われではないかと思うのであります。その辺、何人分予算を減額したのか、どういうふうな意図で減額したのか、もつとはつきりさせていただきたい。
  17. 宮崎太一

    宮崎政府委員 今回なお一万の引揚整備いたしまして、資料にて配付いたします。
  18. 玉置信一

    玉置(信)委員 私の質問に対しまして、完全なる答弁ができないようでありますので、次の機会に保留いたします。
  19. 砂間一良

    砂間委員 十一月五日の永徳丸引揚者中、十一名の行方不明について、去る十九日私と春日正一君と二人で援護庁に行き、その調査を依頼し、回答を求めたのでありますが、その結果を御知らせ願いたい。
  20. 宮崎太一

    宮崎政府委員 現在舞鶴の方へ照会中でありますので、いましばらくお待ち願いたいのであります。
  21. 砂間一良

    砂間委員 一日千秋思い帰りを待ちわびております留守家族心情を察しますと、本件は緊急重要なる問題でありますので、当委員会といたしましては、その調査方法として参考人を呼んでするか、または委員現地に派遣いたして徹底的に調査していただきたいという動議を提出いたします。     〔筆記中止
  22. 中山マサ

    中山委員長 この際御諮りいたします。この問題は重要なことでありますので砂間委員動議につきましては、理事会を開きまして協議いたしたいと存じますが御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  23. 中山マサ

    中山委員長 御異議なしと認めます。理事会開会は公報にてお知らせすることにいたしまして、本日はこの程度で散会いたします。     午前十一時五十二分散会らないで、いまだに帰つて来ない。この責任は一体だれが持つのか、援護局長が持つのか、あるいは運輸大臣が持つのか、あみいは都道府県知事が持つのか、何時何分の汽車でもつてどこへ下車して、そうしてどこへとまつてどういうことをやつておるか、この間の経過を詳細に報告してもらいたいということを、私は去る十九日に春日正一議員と二人で厚生省の中の援護庁に参りまして、そうして援護局長に申入れをしておきました。実は昨日委員会がある予定で、二十一日の引揚特別委員会までに、その詳細なる報告をしてもらいたいということを要求して参つたのでありまして、さぞ今日は詳細なる御報告がいただけるだろうということを期待しておるのでありますが、この十一名の行方について、そうして今日までの経過について、また留守宅へ帰してくれるのかどうか、はつきりした明言をここでいただきたいと思うのであります。
  24. 宮崎太一

    宮崎政府委員 ただいまの件につきまして、私どもの方からは舞鶴援護局の方へ照会中でございますので、照会に対する回答が参りましてから、申し上げたいと思います。
  25. 砂間一良

    砂間委員 照会回答はいつ来ますか。
  26. 宮崎太一

    宮崎政府委員 今照会中でございますので、なるべく早く来るように督励したいと思つております。
  27. 砂間一良

    砂間委員 私が行つたのは十九日です。しかし十九日の私ども申出を待つまでもなく、もし政府がほんとうにこの引揚げの問題について熱意と誠意を持つならば、こういう問題か起り得べきはずがない。かりに起つたとしましても私ども申出をする前に、少くとも援護庁長官次長という人は、そういう問題がもし起つたとすれば、事前に知つていて、どういうような事情でいつ何日どこへ行つてどういうことをやつておるということを、こつちから別に注意しに行かなくても、ちやんとわかつておるべきはずだと思います。それすらわかつておらない。職員がわざわざ出かけて行つて質問して、初めてその事態を知るなんて、そういうこと自体が、いかに今の政府引揚げに対して冷淡であるか、口では何と言つておりましようとも、冷淡であつて熱意を欠いておるかということの一つの実例だと思います。十九日に私ども行つた時でも、すでに十二、三日もたつてつたのですが、その後今日まで数えてみましても、四日目です、それを照会してもまだわからない。もしそれが普通の照会でわからなかつたならば、援護庁長官やあるいは次長なんかに、夜行ででも飛んで行つて、そしで現地を調べるというくらいの熱意があつていいと思う。それすらやらないで、ただ電話か電報で照会したくらいで、そしてわからぬ、わからぬで済ませる問題じやない。留守家族の身になつてごらんなさい、長い間待ちこがれていて、やつと舞鶴へ着いたのに、それをいまだに帰さない。もう二週間もたちますよ。  さらにこの同時に関連しまして私お尋ねしたいことは、舞鶴へ上陸しまして、どういう待遇をやつておるのか、ことにこの高山君以下十名の人たちは、一般の人たちとは隔離しまして、特に高山君なんかただ一人で別室に監禁して、部屋入口には警察官を二人も三人も見張りをつけて、便所へ行くときまであとへついて行く。建物の階段の入口にも三人、五人の警察官見張りをして、まるで囚人扱いではありませんか。そして雑居して大勢入つている部屋の中にも、私服の警官なんかも入つていて、私諮すらもできないような警戒ぶりなんです。実際ひどい、まつたく囚人扱いですよ。そうやつておいて、そうして中には殴打事件まで起つている。ここにもいろいろその順宋や何か来ておりますが、竹内孝次郎君に、十一月の九日に、ワイシャツを着た日本人の係官に、第二飜訳室でぶんなぐられておる。しかもその係官取調べ方というものが、まことに横柄で、自分はいすへ腰かけて、そして竹内君のひざの上にどろのくつを乘せて、そういう無礼な行動をとりながら開いておるのでありますが、その質問事項というのが、全然引揚げ関係のない、そしてまた本人の知らないことを質問している。知らないと言つて答えればこのやろうなまいきだといつてぶんなぐる、そして竹内君のごときは、口のところを三つばかりなぐられて、口中に裂傷を負うて歯を碎いておる。それからみぞおちをにぎりこぶしで突かれている。あるいは衣笠好治君のごときは、これも十一月八日にあごを三つ四つぶんなぐられておる。それでこれを見ていた一緒に引揚げて来た人は、あまりひどいじやないかといつて援護局長のところに抗議文をつくつて抗議をしようとしたら、これは八木という市警察警察官でありますが、拒んで抗議文さえも出させまいとした。こういつた実際にひどい扱いをして、まるで昔の警察や刑務所における拷問にひとしいような取調べ方をやつておる。そうしてどこへ連れて行つたかわからぬというような形で、今でも十一名が行方不明になつておる。これが今日の引揚げ実情ですよ。これが愛の国民運動ですか。こういうやり方をやつていて、そうしてどこへ行つたか知らぬというような、あなた方政府委員でここへ来ていて、そんな答弁責任が済まされますか。私はこの問題は非常に重大だと思います。至急十一名の行方を詳細に調査せられまして、そうしてこの委員会報告してもらいたいと思います。十一月八日の何時何分にどこ行きの汽車乘つて、そうして何時にどこへおりて、その晩はどこへとまつてどこへ行つたというような、今日までの経過を詳細に逐一、十一人全部報告してもらいたい。と同時に、この人たちを一日一刻も早く家へ帰してもらいたい。どこへまごまごしてとめてあるのですか、このことを嚴重に要求いたします。
  28. 玉置信一

    玉置(信)委員 ただいま委員長お話通り速記も急いでおられるようでありますから、ごく簡單に申し上げます。ただいま砂間君が質問されたことは、きわめて重大であると思います。しかし砂川君のお話を聞いておると、相当詳しく内容を知つておられるようでございますので、私は砂間君にお聞きしたいのであります。乘つた自動車はどういう自動車であるか。それから殴打事件等も起つておるというが、その殴打した実情等も詳細に今お話になつたのですが、それだけ詳しくあなたに情報が入るとすれば、どこへ行つたかということも、あなたには想像がついているのではないかと思います。それらもお聞かせ願つて、それに対して委員会としても確固たる調査をせなければならねと思いますので、お伺いいたします。
  29. 中山マサ

    中山委員長 それでは速記はこれで中止いたします。     〔以下筆記
  30. 中山マサ

    中山委員長 速記関係上、これより要領筆記にて会議を進めますから、御了承を願います。
  31. 玉置信一

    玉置(信)委員 私は大蔵大臣及び次官等責任ある答弁の出来る政府委員出席を要求したのでありますが、お見えにならぬようでありますから、満足できぬ場合におきましては、次回に質問を保留するという前提のもとに御伺いいたします。  質問内容は、第五国会におきまして在外資産の問題について大蔵大臣答弁されたのでありますが、樺太銀行預金終戰直後預金総高は一億五千万円くらいでないかと申したのでありますが、その後調査の結果一億九千五百万円あつたと推測できると思うのであります。大蔵省令八十八号によれば在外資産の拂出しについては大蔵大臣許可を要するとし、拂出し停止になつたのでありまして、当時内務省直轄行動地域で、在外資産でないとの見解もあり論争したのでありますが、八十八号そのものに疑問があり大蔵大臣許可さえあれば拂出しできるのか、この点につきまして説明願います。
  32. 太宰博邦

    太宰説明員 現在私の手元資料もありませんので、はつきりしたことはわかりませんが、樺太預金につきましては、解決いたしておりません。それはCPCとの了解が得られる段階に至つておりません。詳細につきましては、整備いたしまして、資料にて配付いたします。
  33. 玉置信一

    玉置(信)委員 私の質問に対しまして、完全なる答弁ができないようでありますので、次の機会に保留いたします。
  34. 砂間一良

    砂間委員 十一月五日の永徳丸引揚者中、十一名の行方不明について、去る十九日私と春日正一君と二人で援護庁に行き、その調査を依頼し、回答を求めたのでありますが、その結果を御知らせ願いたい。
  35. 宮崎太一

    宮崎政府委員 現在舞鶴の方へ照会中でありますので、いましばらくお待ち願いたいのであります。
  36. 砂間一良

    砂間委員 一日千秋思い帰りを待ちわびております留守家族心情を察しますと、本件は緊急重要なる問題でありますので、当委員会といたしましては、その調査方法として参考人を呼んでするか、または委員現地に派遣いたして徹底的に調査していただきたいという動議を提出いたします。     〔筆記中止
  37. 中山マサ

    中山委員長 この際御諮りいたします。この問題は重要なことでありますので砂間委員動議につきましては、理事会を開きまして協議いたしたいと存じますが御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  38. 中山マサ

    中山委員長 御異議なしと認めます。理事会開会は公報にてお知らせすることにいたしまして、本日はこの程度で散会いたします。     午前十一時五十二分散会