○
足羽政府委員 きわめて概略ではございますが、差上げましたこの資料によ
つて、大体の
国鉄の独立採算制に関する今
年度の要点が、どういうふうにな
つているかということは、御了解願えるのではないかと
考えております。なお旅客
運賃値上げ後のいろいろな輸送事情の変化、それの原因等につきましては、昨日石井
政府委員から詳しく御
説明申し上げたので、それによ
つて御了承願えるであろうかと
考えております。この資料につきまして
簡單に御
説明申し上げたいと思うのでございますが、この独立採算制とう言葉は、いろいろな
意味に使われているようでございますけれども、要は
国有鉄道における財政を健全化して、収支の均衡をはかる。こういうことを
目的といたしまして、
経営の合理化に努力する。こういう点に、
国有鉄道における独立採算制という言葉は、きわめて大ざつぱではございますが、そういうふうに一応
考えられております。
従つてその線に沿
つていろいろと努力して参
つておる次第でございますが、この二十四
年度におきましては、すでに当初から簡約した
予算をも
つて発足して参り、その
説明といたしまして、この第一表をごらんになるとおわかりにな
つていただけると思うのでございますが、二十三
年度の
予算と二十四
年度の
予算を比較していただきますと、二十三
年度の実際の公布
予算、それを平
年度換算、これはこの表に書いてありますが、二十三
年度に、人件費にいたしますれば、基本給の改訂が
年度の中間でございますので、それを二十四
年度の基本給に換算をして計算する。あるいは物件費に置きましては、二十四
年度の物件費の單価、そういうものをとりまして、二十三
年度の盛られている
予算内容を平
年度、二十三
年度の例に換算して行く。こういうように比較してみまして、いわゆる平
年度換算という欄に上
つておりますが、そういう換算をした二十四
年度との比較の数字でございます。そういう比較をしてごらんいただきますと、すでに非常に節約をした
予算で、二十四
年度では
経営費においてすでに約二一%の節約をいたしている。そうしてさらにそうした具体的な
経営合理化の線に沿うて、進んで参
つているわけでございます。その具体的なおもな項目といたしましては、御承知のような委託
業務、日通に委託しておりました
業務等を
国鉄に還元いたしました点、これは
予算上すでに約二十億の節約をいたす、こういう
考え方にな
つております。あるいはいろいろな車両の修繕体制を刷新して、これを全部工機部直営に切りかえる。さらに契約方式の公開入札を実施する。これは物品あるいは工事全般にわた
つておりますが、
年度中途でございますので、まだその
はつきりした結果は上げられないのでございますけれども、物品について相当な率、ものによりましては大体五%から一〇%ぐらい節約されている例もあるようでございます。そういう契約方式の変更を実施いたして参つたのであります。あるいは人員の縮減については御承知の
通りでございますが、いろいろそうした点につきまして
予算を編成いたします場合に
考慮されているのであります。さらに
国有鉄道が公共企業体として六月から発足しているのでありますが、その節約した
予算を実行して行きます上にも、さらに実行
予算として相当な節約をいたして参つたのであります。これは半面にこの予定額の支出が相当出ております。
従つて歳出
予算の範囲内でこれを実行して参りますためには、相当いろいろな経費の節減というものをや
つて参らなければならぬというので、これも相当努力をいたしております。
なお旅客
運賃値上げ後の収入状況が好転しなかつたということにつきましては、昨日その原因についてこまかく御
説明申し上げましたので、省略させていただきますが、現在におきましては、ここにあげてありますように、当初の予定に対しては約八十億の収入の不足が見こまれる状況でございます。これに対して現在のところでは、
貨物収入を一月一日から八割値上げするという
考え方で一応進んでいるのでありますが、いずれごく最近の
機会に御審議を願うことと思います。
大体そういう線で進んでおりましてて、約五十五億の増額をこの
運賃値上げによ
つて見込み得る。ただ当初の予定より実施期間が遅れますので、多少経費が不足にな
つて参ります。一月一日から実施するということによりまして、十二月から実施するより十九億九千万円不足になるという計算でございます。それと石炭手当及び寒冷地手当の額、その合計約三十億を
一般会計から借り入れることによ
つて、今
年度の収支のバランスはとれる。大体こういう
考え方で現在進んでおります。
以上、きわめて
簡單でございますが、概要を御
説明申し上げた次第であります。