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1949-05-07 第5回国会 参議院 労働委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年五月七日(土曜日)    午後二時三十四分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○公聽会開会の件 ○緊急失業対策法案内閣送付)   —————————————
  2. 山田節男

    委員長山田節男君) これより労働委員会を開会いたします。先程お諮りいたしました公聽会の開催の件でございますが、公聽会の問題といたしましては、労働組合法案及び労働関係調整法の一部を改正する法律案について、公聽会を來たる五月十二日に開催する。そういうことにいたしまして参議院規則第六十二條第二項によりまして議長に要求書を出すことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 山田節男

    委員長山田節男君) 異議ないものと認めまして、さよう取計らいいたします。   —————————————
  4. 山田節男

    委員長山田節男君) それでは続きまして緊急失業対策法案、これに対しまする一般質疑はまだ終了しておりませんので、本日これを続行いたします。それで先般労働省安本それから商工省から、これに関した資料を差上げた筈でございますが、只今鈴木労働大臣がお見えになつておりますので、労働大臣衆議院の方へも行かなくてはならないというお話でございますから、先ず労働大臣に関する限り御質問をお願い申上げます。
  5. 中野重治

    中野重治君 労働大臣がお忙しいというお話ですから、労働大臣にお答え願いたいことを先に簡單質問したいと思います。一つ緊急失業対策法案に関する問題で、今まで何度も言われたように予算が八億八百万円計上されておるということでありましたが、この八億八百万円の使い方について簡單にお尋ねしたいと思います。それは緊急にそのための失業救済事業を起すという面と、それからそれとは別に公共事業としてやつて行く面と、二つに分けて事が行なわれるという今までの説明でありましたが、公共事業そのものは今日までずつとやられており、今後も継続されて行くのですから、八億八百万円のうち、どれだけの部分公共事業継続のための費用として使われる予定で現在はあるかということをお尋ねしたい。
  6. 鈴木正文

    國務大臣鈴木正文君) これは本会議でもちよつと申上げましたように、予算組み方が本年度から変つたのでありまして、御承知のように昨年は六億円ちよつと足らずだつたと思いますが、一般公共事業費の中に労働省所管として計上されて、そうして都市の清掃事業知識階級の特殊な調査事業とか、補導所事業とかそういつたものを引括め公共事業として労働省所管としてやつて來たのであります。本年度からは予算の立て方が変りまして、この方面労働省所管公共事業は別に一般会計の中に一本項目を立てて、そうして失業対策事業費として計上して、そうして今申しました公共事業費の一部分に計上され、それによつてつて來ました仕事一般会計の方に一本に纏めて移したのであります。金額は御承知のように八億八百余万円でありますが、これとこの緊急失業対策法によつて、今後行なわれるところの失業対策事業等を併せて一本にいたしまして拡充強化して行く。從つて今申しました八億八百万円のその中で行なわれるところの事業というものは、差当つて昨年からのあの種類のものを移して來て、この緊急失業対策事業の先ず第一段階における中心的な事業として、今後更に事業の種目も拡げまするし、金額予算的措置によつて適宜に増加を図つて行くという意味でありまして、更に八億八百万円の中にどういう事業費組み分けになつておりますかは、ここにございますので、政府委員から御必要ならば具体的に御説明申上げます。そういうような関係になつております。
  7. 中野重治

    中野重治君 その数字の方は後で政府委員からお教え下さい。今労働大臣のお答えでちよつと分り難い所がありましたからもう一遍お尋ねしますが、そうすると今日まで労働省関係のものとして公共事業費賄つて來失業救済の問題は、一般会計の方に項目を立てて、その方へ移した。從つてそれは労働省からは一應離れた形になるわけですね。それがそうであるとすれば、今度は緊急失業対策法案が扱おうとする救済事業の金は、八億八百万円は前者であるとすれば、後の方の金は何処に幾らあるのか、そこのところがちよつと分り難かつたものですから……
  8. 鈴木正文

    國務大臣鈴木正文君) 第一番の御質問の点の、移して來たから今度は労働省所管を離れるかという意味の御質問でありましたが、これは離れないのでありまして、緊急失業対策事業そのもの全体が新たに労働省の管轄になるわけでありますからして、依然として労働省所管費用であります。  それから今後拡充強化される事業の内容と、その予算的裏付けはどうかという御質問でありました。この点については、率直に申しましてしばしば御質問を受けておる点でありまして、現在の予算の中には計上されておりません。もう少し申しまするというと、最初現在の予算の通過した以前に、政府が一應立てました予算の中には、相当の金額を盛り込もうという考えであつたのでありますが、それが一應のけられて、そうして只今申しました八億八百万円と掲げまして、二十一億余円の緊急失業保險費というものを除いたものが一應見送られたということは、いわゆる途中からの内示案による変化によつてそうなつたのでありまして、その後の措置をどうするかという問題についてしばしば各方面から御質問があつたのであります。この点については、本会議においてもお答えしたと思いますけれども、予算的措置によつて必要な経費をどう生み出して行くか、それとも追加予算の形を生み出して行くかという予算上の技術につきましては、一切大藏省当局の檢討に委せてあるわけでありまして、御承知のように本年度からの予算自体が昨年度予算とは組み方が非常に変つておりますので、予算内における措置というものがどの程度にできるものであるかという問題も改めて初めての課題として研究しなければならない、こういう関係にありますので、大藏省の問題を檢討中であります。いずれにいたしましても八億八百万円では足りないという事態は、労働大臣のみならず政府全体としてその事実は十分認めておるのでありまして、何らかの……何らかと申しましても、今の二つのうちのどちらかの点を、若しくは双方を織り交ぜるということになると思いますけれども、そういう方法で必要な措置を生み出して行く、そうして事業を拡充して行こうということにつきまして、大藏大臣初め政府全体としても了解があるのであります。又これは断定できませんけれども、恐らく関係方面におきましても、あの当時の予算の建前の方では失業という問題が起きて來た場合に何らの措置もとられない、そういう考えではおられないというように考え得る根拠もあるのでありまして、又折衝も続けたのであります。ただその点は決定に至つておりませんので、御了承を願いたいと思います。
  9. 中野重治

    中野重治君 私は労働大臣責任を問うというようなことは……、後で問うかも知れませんけれども、今お尋ねする意味はそういう意味じやないのです。そうしますと、こうなりますか。從來公共事業、今日も行なわれており今後も継続されて行く部分と、それから緊急失業対策法案でいろいろ考えている仕事所管としては、やはり労働大臣の下に入る。そうしてそのために八億八百万円は要る、こうなりますね。そうして今後出て來る大きな失業者群をどうするかということについては、予算的には追加予算にするか他の予算措置を取るかは大藏省に委せてあるが、今眼の前に幾ら金があると言えば、一應零だ。併し大藏省でもそのままには済ますまい、その辺の話は或る程度付いておる、こういうことになるわけですね。今日現在の問題としては……
  10. 鈴木正文

    國務大臣鈴木正文君) つまり八億、現在あるのはそれと、それから失業保險の二十一億、但しこれは全然別ですから、中野さんのおつしやる通りです。それから急速にその了解を付けて措置を取ろうということにつきましては、御説の通り大藏省それから政府全体として了解が付いております。
  11. 中野重治

    中野重治君 そうすると今日までの失業者手当、それからそのうちの公共事業としてやるいろいろの手当としての点だけでも、八億八百万円では足りるかどうか、実際問題としては非常にあやしいわけですね。そうすると緊急失業対策法案が今日急がれておるというのは、実はこれからゴツソリ出てくる失業者及びそれを中心に民間企業からも厖大な失業者群が出る。その状態を見越して緊急に策を立てねばならぬという趣旨から、緊急失業対策法案が上程されようとしているのだろう、こう私は考える。ところが八億八百万円の方は、もうすでにこれから出るものは除いて、今日までの分に使うのにでもまだ足りない、こうなるわけですね。
  12. 鈴木正文

    國務大臣鈴木正文君) 大体從來つていた事業をこちらへ移して來たのでありまするからして、中野委員の御指摘のように、これは將來の緊急失業対策の大きな事業一つの中核となるという意味は持つておりますけれども、新たに取入れるところの失業対策というものは、今後の課題と強化に俟つということになるわけであります。
  13. 中野重治

    中野重治君 私の問も大分ゴテゴテしましたが、そうしますと結局今後大量に出て來る失業者群をどう救うかということについての予算は現在高では零であるが、併し何とか作り出すように大藏省に委せてあるが、向うでも決してそのままにはしないという、大体そういうところに來ている、こう受取つていいわけですね。
  14. 鈴木正文

    國務大臣鈴木正文君) 同じような言い方になるかも知れませんけれども、事実上の問題といたしまして、失業者がどしどし出てくるという場合に、何とかなるだろうという程度考え方措置して行けるというふうに考えておらないのでありまして、これは絶対に必要で、政府全体の責任として十分考慮して、どうしても作り出さなければいけない、こういう考えを持つております。
  15. 中野重治

    中野重治君 つまり現在は零であるけれども、必らず責任を持つて金を捻出しよう、こういう腹だ、というわけですね。その点は分りました。  もう一つ、今日私に対する答弁がありましたし、早川議員に対する答弁がありまして、非常に疑問に思つた点がありますので、ちよつと速記録を調べてみましたが、これは緊急失業対策法案には直接関係はないのですが、簡單ですからお尋ねしたいのですが如何でしようか、この問題に関係しているんですから。
  16. 山田節男

    委員長山田節男君) 簡單に願います。
  17. 中野重治

    中野重治君 今日早川さんに対するお答の中にこういうことがあつたんですが、労働大臣の言い違いでないか、その通りか、ちよつとお聞きしたいのです。読みますから、途中からですが、「併しながら少くとも正当でない労働組合行爲として明らかであるものは、檢務局長通牒にあるごとく、暴力犯罪その他これに準ずる行爲を始めとして暴力的又は秩序を乱すような行爲、換言すれば平和的に且つ秩序を保つて行われるのでない行爲は、総て不当なものであつて、具体的には生産管理不当性というふうなことは既に申上げた通りであります。又政治的目的貫徹のために行うところのストライキいわゆる政治スト同情ストゼネストのごときは、何れも労働者がその経済的利益を守るために認められた権利を濫用するものであつて、正当な爭議行爲とは解することはできないという解釈を持つておるのであります。大体その他のこれに附随するところの解釈につきましては、以上を以て御了解を得たいと思います。」この点が一つです。
  18. 鈴木正文

    國務大臣鈴木正文君) そこのところの恐らく終いの方ではないかと思いますが、政治的或いはゼネスト、そういつたものにつきましては、そのときどきの状況により一つの何と言いますか、範囲、限度というものがあつて、現実に應じて考えて行くという意味であつたのでありまして、それはどの程度という問題につきましては、実は労章の局に当つている人達とも一度細かく檢討いたしまして、何らかの形で適当なときに正式にお答申上げたいと思います。
  19. 中野重治

    中野重治君 もう一項はこういうところです。これは私に対するお答でしたが「労働委員会労働大臣の所轄にしたという点が指摘されましたけれども、これは形式的に國家行政組織法との関係で、敢て労働委員会のみならず各省のこういつた性格のものはその外局となるというふうな関係から、單に國家行政組織法との関係からそうしたのに過ぎないのでありまして、労働委員会運営自体につきましては、依然として法の基くところに從つて労働委員会独立見解の下に独立権限を持つて行動のるのでありますから、何らその独立性を侵害してはおらないと思うのであります。」この点やはり間違いはありませんかどうですか。
  20. 鈴木正文

    國務大臣鈴木正文君) 御説のように今読み上げましたように國会行政組織法関係でもつて外局ということに相成つたのでありまするし、それから又労働委員会活動はその母体となる法律によつて独立に行うものであるという見解当局は持つております。
  21. 中野重治

    中野重治君 外局になるけれども独立だとこういうわけですな、運営は飽くまでも独立ですね、そうした権限と言いますか運営ですね。私の今の質問はそれでよろしい。
  22. 山田節男

    委員長山田節男君) 今の緊急失業対策法案につきまして青木安本長官もお見えになつておりますから、併せて御質問願います。
  23. 門屋盛一

    門屋盛一君 労働大臣がお急ぎのようですからこの緊急失業対策法案審議基本線として私は現内閣労働政策と、失業対策について明らかにして貰いたいという観点から、前回以來しばしば質問をし、尚昨日の本会議でもこの質問を繰返したのでありまするが、どうしてもはつきりされないのであります。そこで今度は一つ具体的に一つ、物を挙げて一、二点だけはつきりして置きたいのですが、その一点は政府の方で今度お設けになつて現在当院の方に承認を求められておるところの、政府のいわゆる失業対策審議会と、この法案運用関係についての御説明を承わりたい。この法案運用して行く上において、今度できる失業対策審議会とは、どういうふうにマツチさして、利用さして行くつもりであるか、全然関係あるかないかということが一点と、それからもう一点は大体本法第六條でも労働大臣は全國に亘る雇用及び失業の情勢に関する調査の結果ということになつておりますが、これはどういう機構によつてこの大きな出血を予想されておるところの失業状態を、どういう機構によつて調査なさる方針であるか、現在のごとく安定所の窓口に現われて來るだけを失業者と見ておつたのでは対策が遅れるのであるから、この六條の「多数の失業者が発生し又発生するおそれがあると認める場合」ということが明記されてあるのですが、どういう方法でその失業者の発生し又は発生するおそれがあるということを御調査にするかこの二点を伺います。
  24. 鈴木正文

    國務大臣鈴木正文君) 失業対策審議会と、緊急失業対策法との運用の問題でありますが、これは労働省といたしましては、労働省が、勿論労働者独自の立場で以て、この法案でもつてゆきまするというと、この失業対策事業は行いますけれども、併し御指摘通り失業対策という問題は更にこの事業のみを以てして、完全に成果を挙げるものではなくて、廣く失業対策の対象となり、一助となるすべての政策を総合的に取上げるべきものだと思うのであります。又廣い意味で以て最終的の失業対策施策は新らしい雇用面に吸收しなければならないと、この面を調査立案するに当りまして、労働省もありますけれども、政府自体考え方纒め方として、失業対策審議会というものは考えられるものと思つております。労働省といたしましては、失業対策審議会活動によつて労働省自体活動を援助し、又連繋してやつて行くように、そういうように考えておるのであります。失業対策審議会自体構成運用、その他につきましては、他の審議会四つ程あります審議会と同樣に目下内閣官房において、種々檢討中でありますので、その結果を待つて労働省としてはそれに対する連絡の方法等考えようとしておるのであります。繰返して申しますると失業対策審議会がそういつたような、失業問題についての機能を発揮してくれるように労働省では望んでおるわけでございます。それから失業状態調査に当りまして、現在考え得るところのものは一つは御指摘安定所その他のこれに附随する機構調査、それからもう一つ内閣統計局調査、この二つのものが基準となりまするが、更にそれ以外の方法というようなものも例えば安本商工省方面と連絡して出るところの方法が、可能な方法がありまするならば、これも私取入れようと思つておりますが、尚この調査の具体的な方法については、関係局長からもう一度繰返して詳細に発言して頂きたいと思います。
  25. 門屋盛一

    門屋盛一君 労働大臣はこの失業者の出て來る発生の状況に対する認識が大分的をはずれているようでありまして、労働大臣のお考えになつている失業者というのは、行政整理によつて現われて來る失業者と、現在安本方面で予想されておるところの企業合理化から生れて來る失業者というふうにおとりになつておるのでありますが、そうすると一應そうとるより外に方法がないと思つております。併しこの行政整理から現われて來る失業者は、いわゆる政府行政整理方針緊め方によつて、五十万人整理しようと思つてつたものが、二十万人に縮めることもできるのであります。併し企業合理化から出て來る失業者は、企業というものは民間がやつているのでありますから、政府の丁度思うように、今月失業者がこれくらいで留まつて呉れればよいという折に、決してストツプしない。それから失業者の発生する時期も、大体この準備ができて、六月、七月頃から発生して貰いたいと思つてつても、民間企業の方では、自分の損得に関係あるのですから、急速に失業者が出て來ている、もう現に出て來ておるのです。それで根本的の問題になると、失業者の予想の数字がどうしても、政府説明では納得できない。そんな小さな数字で日本の産業の大転換ということはでき得ない、昨日は本会議で時間が制限されておりましたけれども、この潜在労働者の見方、潜在労働力がどういうふうに表面に現れて來るかということをお考えなつたならば、労働大臣はもとより、労働省に椅子を置かれておるところの安定局長と雖も、ただ徒らに自分の出した数字にこだわらずに、本当のことを御発表になつた方がよいと思う。そこでこの緊易失業対策という法律を作る上において、どうしても政府失業対策に対するはつきりした基本線を見出さないと、この法案審議の上に非常な不安があるのであります。それでこのことについて先日質問をしたときに、安本長官はそれらの点に関しては、今回内閣の中に失業対策審議会というものを設けて審議して行くという御答弁があつた。今労働大臣の御答弁を伺つてみると、成るたけマツチして行くようにして参りたいという希望的観測であつて閣議でどういうお話の下に、この失業対策審議会というものを拵えるようになつたのか、これは何か民自党不平組失業対策であつてはいけない。この失業対策というものを愼重にお考えになるならば、私は今の、そこに安本局長を目の前に置いてでありますけれども、安定局機構ぐらいでこの多量の失業者措置するというようなことは絶対不可能である。だからこれは余程大きな機構失業対策考えて行かなければならない。失業対策考える前には、先ずどのくらいの失業者が、どういうふうな状態で出て來るかということを先に研究して行かなければならん。これは一労働省の問題でなくして、すべての産業関係の方に影響があるのですから、これには余程大きな審議会を作らなければならんのじやないかという質問に対して、安本長官は、審議会を作るという御答弁であつた。今の労働大臣の御答弁を伺うと、これは内閣の方で、官房の方で作つているのだから、分りやすく言えば、労働大臣は余り知らないが、できるならこれが利用できるようになればいいという御答弁であつた。その通りにとつていいですか。そうするとこの失業対策審議会というものは、失業問題を大きく取扱うための内閣施策ではなくして、何から民自党の中の失業対策審議会のように結論が出て來るわけです。こういうことを決める折に、最も関係の多い安本長官なり労働大臣は、閣議でどういうふうな御見解の下にこれは御決定なつたかということを伺つて置きたい。
  26. 鈴木正文

    國務大臣鈴木正文君) 官房において云々と申しますことは、つまりその機構組織、そういつたものの性格づけという問題は、官房の方で以て、外の審議会と共通の問題として檢討しております。こういつた意味であります。労働省としてはできたらいいというのではなくして、強力な審議会というものが生れて、そうして労働省失業対策に対する行政を強力に援護するといいますか、一緒にやつて行くというものを期待しておつたということは、最初にも、ずつと前かも知れませんが御答弁申上げた通りでありまして、只今申上げました官房において云々と言いますのは、機構その他の問題について、それから法的の立場はどういうものであるべきかというような問題は、これは外の審議会と共通な問題でありますので、今そこで練つておりますと申上げた意味であります。それからこの問題について、最初閣議で以てどういうふうに打合せが行われたか、これはあの当時におきましては、他の四つのものと一緒に最も重要なる問題の一つとして、失業対策審議会をも作ろう、こういう話で進みましたので、機構その他の性格、重要なものとして非常に力を入れてやろうというのが、最初からの出発でありましたけれども、機構その他の運営方針は、更に官房においてよく練ろうということから出発したのでありまして、重要な一環として大いに力を入れてやろうという考え方には、恐らく安本長官も私共と同じ考え方つたろうと思うのであります。
  27. 山田節男

    委員長山田節男君) 只今門屋委員の御質問ですが、青木安本長官、何か御答弁願えますか。
  28. 門屋盛一

    門屋盛一君 いや、労働大臣の方に……
  29. 山田節男

    委員長山田節男君) 青木安本長官衆議院の方へ呼ばれておいでになるそうでありますから……
  30. 門屋盛一

    門屋盛一君 お急ぎなら月曜日でいいですが、私の聽いているのは、失業者で出て來るのは、民間企業合理化の方から沢山出て來ると考えている。それで失業対策審議会というものは、失業者の出て來る状況審議したり、又それをどういうふうに吸收するかということを審議しなければならん。だからこれは本來ならば、閣議のどの辺から声が出たか知らんが、労働大臣みずからがこういう失業対策審議会を作つて呉れというぐらいに積極的な御意見を持つているのであつたら、私は今回出されるところの労働関係法案に対して何らの不安を持たないけれども、労働大臣の発議でなくして、どこからか声が起つてこの対策審議会ができたとすれば、非常に労働大臣は今度の失業問題を軽く小さくお考えになつているというふうに断ぜざるを得なくなる。ところで今の御説明から行きましても、まあその経過はどちらから声が出たとしても、内閣でこういうものをお作りになることは結構なことであるが、これは労働大臣の積極的な御意見のなかつたということが一つ窺われることは、この委員会メンバーの中には、労働者関係は一名も入つていない、企業家関係も入つていない、こういうかたわの組織で以てこれができるか。もう一つは、極言しますれば、このメンバーを決めることを官房に委しておいて、労働大臣安本長官がこの委員会メンバーを決めることに関係がないとしたら、これは恐らく合理的な委員会はできない。結論においてそういう委員会ができないとすれば、現在の政府では大きな出血に対する輸血の方法が講ぜられていないと断ぜざるを得ない、こういうのであります。
  31. 鈴木正文

    國務大臣鈴木正文君) 実は失業対策については機関といいますか、何らかのそういつたものを作り、又政府全体としては先程も申上げましたように、予算的の考え方その他についても政府全体の責任、大きな問題として本当に腰を決めてやらなければいけないのだということは、閣議においてもしばしば私自身も発言して、そうして全閣僚の了解を得ておつたわけであります。それからたまたま審議会という問題は、敢て失業対策だけでなくて、國土総合計画等をも併せまして、あの考え方がその後において出て來ましたから、私自身は、この一つ審議会組織において失業対策というものを作るというお話も出店來ましたので、それならば考えておつたそういうものをこれによつてつてつてもいいという考えの下に進んだのでありまして、それ以前から失業問題については何らかの機関なり何かを作つて、そうして強力に当らなければならないという考えを持たし、今も持つております。  それからメンバーの問題でもあります。労働者その他の側の代表者をも……あの失業対策審議会の委員に関する推薦といいますか選択は、労働省もその関與する範囲においては十分関與し、そうして選択にも当つたのでありまして、最終的にまだ決定しておらない面、若しくは追加される面もあるでありましようけれども、労働者諸君の方面及び経営者方面の側からも出て頂くという考え方で進んでおりますし、そうして選択をも続けておつたのであります。
  32. 門屋盛一

    門屋盛一君 私はこの労働者立場を代表して言いますと、以前厚生省時代からのいわゆる労政局時代ならば、これは取締り官廳であつた。それが今度はまあサーヴイス省となり、指導しなければならんという立場になつておる。労働省から言えば労働省が唯一の頼りになつておるところの役所なのです。その唯一の頼りになつている労働大臣が今回の失業問題に対してどれだけ御熱心になつてつておられるかということが、一番の関心の的になつておるのです。それが閣議における発言の内容なり、すでに新聞紙上に幾多の人選の顔触れが発表されている中に、労働省の代表も入つていなければ、又企業家関係の方も入れていないということは、話を元に戻すことになりますが、ただ行政整理から出る者だけが失業者のように労働省考えておるのではないか。企業合理化から出て來る失業者は、とても想予以上の多量の失業者が一旦は出る。他産業に吸收されるまでにおいて数ケ月の失業のプールというものが出て來る。その失業者のプールを拵えておかないでやつて行くというのが一番困つておる。これに対する労働大臣の熱意が足りないというふうに今の場合断ぜざるを得ない。こういう熱意の足りない労働大臣の下に立案さられたところの労働法規ですね、もう一つ極端に言えば、現内閣の労働問題に対する施策が決まらないで、一つ基本線が決まつておらないで、ただ労働法規を事務的に立案するということは間違いです。この事務的に立案するということは、昨日私の質問に対する労働大臣のお答への中にはつきり現われておる。私は法案というものは國の実態をできるだけ、実際の労働政策はこうである、今問題の失業対策はこうである、失業者はこういうふうに出るという基本線が出て、そうして法案を組まなければならない。これは当嵌まらない法案になつておるのです。これは逐條審議の際摘発しますけれども、これを拵えても数百万の緊急失業対策には当嵌まらない。予算はたつた八億しか見ておらない。そういうように労働者が頼りにしているところの労働大臣がそういう認識不足、診断が間違つておるのではないかということを考えておるのですが、労働大臣はお帰りになつたようですから、この次の機会に御答弁を願うことにしまして、安本長官、まだ時間はいいのですか。
  33. 山田節男

    委員長山田節男君) お急ぎになつておるようですが……
  34. 門屋盛一

    門屋盛一君 お急ぎになつておれば質問を保留して月曜に延ばしてもよいです。一口閣僚の一人として聞いて置いて頂きたいことは、かくのごとく性格の分らないような、目的のはつきりしないところの内閣に設けられた失業対策審議会というものを我々は信用してこの失業対策法を審議するということは不可能な状態に陥つておる。現在はつきりと断つては來ませんけれども、或る方面からはこの三十九條による承認をまあなるだけ待つて呉れというようなことを言つて來よる。だから政府はこの審議会をどういうふうに考えておるか分らないが、私はこの失業対策審議会性格がはつきりしなければ、失業保險法の逐條審議に入ることすら、私は良心的に安心ができないということを國務大臣として聞いて帰つて頂きたいと思つております。
  35. 山田節男

    委員長山田節男君) 青木安本長官衆議院の方へおいでにならなければならないそうでありますから、青木安本長官に御質疑のお方はございますか。
  36. 村尾重雄

    ○村尾重雄君 大勢おられますから極く簡單にお聽きして置きたいのですが、今日出された失業対策に関する資料というのは、これは労働省としてありますが、安本が関與されて先日の要求で出されたのですか、それとも労働省によつて出されたのですか。
  37. 齋藤邦吉

    政府委員(齋藤邦吉君) 私の方からお配りしています資料は、失業対策に関する資料、これは安本商工省、その他関係方面と打合せした資料でございます。それから産業雇用量見込というのがあります。これは安本の労働局でかようにお作りになつたものでございます。それから公共職業安定所における職業紹介の状況、これは私の方の安定所の方でございますので、それをいたしたものでございます。それから公共事業予算額調、そういうのが昭和二十一年度から二十四年度分までのものがありますが、これは当然安定本部でお作りになりましたものをコツピーいたしましてお配りいたしたものでございます。從いまして資料といたしましては、関係方面と打合せをいたしまして作成したものでございます。
  38. 村尾重雄

    ○村尾重雄君 ちよつと関連して……只今お話を聽きますと、失業対策に関する資料は労働省が各方面意見を聽いて作つたものだということでございましたですが、私は発言したついでにもう一つこの資料についてお伺いしたいのですが、失業者の数に、樺太、千島よりの引揚者の四万に対して二五%失業者とするに対し、シベリア、満洲方面よりの引揚者二十八万に対して七〇%という数字が出されておりまするが、この二五%と七〇%と、樺太、千島よりと、シベリア、満洲よりの引揚者に差を拵えた理由を一つ伺いたい。
  39. 齋藤邦吉

    政府委員(齋藤邦吉君) この引揚につきましては、本年度はまだ再開をされていないわけでございますが、一應これは五月から毎月四万ずつ引揚が行われるものと推定いたしまして作成いたしました資料でございます。そうして樺太、千島等から参りまする引揚民の中には、御承知のように老齢の方もあります。女子の方もあります。從つて労働市場に出るところの就職希望の失業者というものの数は四万人の二五%というものを見込んだわけでございます。シベリア、満洲方面から参りますのは殆んどが壯丁、元軍人でありますので、相当な部分がいわゆる労働市場に失業者として出るのではないだろうかというので、その率を二十八万に対して七〇%というものを見込んだわけであります。
  40. 平野善治郎

    ○平野善治郎君 安本長官ちよつとお伺いしますが、この緊急失業対策並びに一般失業対策は、総合企画廳としての安本がいろいろの企画をやつておると思いますが、我々の今まですつかり納得の行かない点は、國が企業合理化を徹底的にやらんといたしております。それから又行政整理も現段階においてできるだけ断行するというのが現内閣方針だと思います。この点につきまして私共は原則的に反対するものではありません。從つてこの二つを推進めて行つて、現在の方向を強化して行くならば、そこに厖大な失業者が現われて來ることは当然なことでありますが、その失業群に対するところのいろいろな復興的な事業、或いは開発的な事業が起されて、その事業の起される予算的措置がうまく廻つて行くならば、これは当然よい結果が出てきて、それも政府は望んでおるのでありますが、私共の不可解なのは、予算措置がとれなかつた、なかなかこれは難儀であるということから、失業群を無理に少く推定して行こうとするところに私はいろいろな不可解な問題、或いは各委員の辻褄の合わないという政府に対する質問が起きて來るのだと思います。併しながらこの問題は今予算措置ができないにしても、將來の推定につきましては最も私は安本が正直な態度で率直な氣持でこの失業者の推定数というものを良心的に発表して、將來こうしたいということを申述べた方がいいと思いまして、この点あなた方の推定されるところの今の失業者の推定量というものは極く少いものであつて、これが本当に確信を持つているか、政治家として確信を以てこの推定量が九九%も將來違わないという、そういうような信念の下に立つた推定量であるか、実際はまだまだ大量の推定量は実はあるのだ、併しながら現在予算措置ができないために、それに辻褄を合せるために推定量を暫定的にしておるのだが、この点をもつと卒直に私はお伺いして見たいと思います。
  41. 青木孝義

    國務大臣(青木孝義君) 只今の御質問の事柄につきましては、私共もこれまで一体失業者というものがどれくらい出るのだろうかということを党などにおきましてもいろいろ考えて來たのでありますが、勿論こういう推定でありまするので、まあできるだけ廣い範囲の材料を蒐集いたしまして、暫定的ではありまするが、こういう推定をいたしておるわけでありまして、尚おつしやるように根本的に大きな違いがあるのだ、こういう御意見に対しましても、勿論耳を傾けて、私共もそういう点についてはよく注意をいたして考えたいと存じておりまするが、何しろ現在のところ私共が一應皆樣の前で暫定的ではあるけれども、この程度失業者が出るのだろうということの下に、ともかくその暫定的であるという意味で確信は持つて申上げておるわけでありまして、尚進んでこの失業対策審議会等によつてそれぞれの学識経驗者と申しますか、各位の十分御檢討を頂いて、そうして我々の参考にしたいと存じまするし、我々としても從來取調べてありまするこれらの資料をも提供いたしまして、そうして今後現われて來るであろうところの失業者の実態を掴んで行くということには決して今後とも吝かでないものでございます。ただ私が今日卒直に申上げられますることといたしますれば、これは確かに暫定的なものでございます。そういう意味で申上げておる次第でございます。
  42. 中野重治

    中野重治君 安本長官の方としてはこの点はどうお考えですか、さつき労働大臣答弁からも明らかなように八億八千余万円というものはあることはあるけれども、これは今日継続して行くこの仕事に使われてしまう、それにも足りないくらいだ。これからごつそり大量に出て來る失業者をどう救済するか、そのことのための金は現在高としては一銭もない、ただ政府としては大藏省が何とかやつて呉れるというし、まさかそうひどいこともしないだろうという点に望みの網をかけておるという話なんですが、このことから出て來る厖大な失業者群の救済のための金は現在高として一銭もない、全然空つぽだ。このことについて安本長官としてはどんなふうにお考えになるか、又何らか積極的なお考えがあるかどうか、それをお聽きしたい。
  43. 青木孝義

    國務大臣(青木孝義君) 失業対策の問題については労働大臣がそれぞれこれまでいろいろとお答えいたしていると存じます。私は経済安定本部の立場といたしまして、今回のこの八億数千万円というもので、これから出て來る失業者に対するところの対策を講じて行くということが不可能でありますることは、これはもう行政整理によつて出て來る失業者に対しても当然考えられまするし、尚その外一般企業から起つて來合理化に伴つた失業者が相当に出て來ることを考えますれば、これでできるとは考えておりません。從つてそういう考え方からいたしますれば、当然我々としてはそれ相應の責任を持つて対策を講じなければならんということは、おのずから我々の立場として考えなければならんことだと信じております。  そういう意味で今後どれだけ出て來るか、こういうことがやはりいろいろ御意見がございますように問題になつておるので、そこで当然現在の見積られておりまする各般のこの準備に対しまして、それ以外に当然これは我々として考えなければならん、又その措置を取らなければならん、善処しなければならん、というふうに考えておるものでございます。
  44. 中野重治

    中野重治君 私の尋ねたのはそういうことじやないのです。八億というものが足りないということは、これはもう誰も知つておることで、政府自身言つているのだからそのことはお答え頂かなくてもよろしいのです。私がお尋ねするのは、これから出て來る厖大な失業者群救済のために現在政府が持つている金の現在高はゼロだ、空つぽだということ、これは失業者の推定とか何とかいうことはまだはつきりしない。こうすれば失業者が沢山出て來て、そうしてどうにもこうにもできなくなつてから、このことは他の方もこの問題について質問されたことだけれども、それから問題をこの今のゼロを一銭にし、千円にし、何十万円にしてやろうというような考えでいるのかどうかということです。現在高がゼロだということに対して安本長官としてどういう積極策をお持ちか、八億云々が足りないということはどうでもいい、もう決つておるんです。もう無いようなものですから、そつちの方も……
  45. 青木孝義

    國務大臣(青木孝義君) 八億数千万円というものがある……
  46. 中野重治

    中野重治君 その方は……現在のゼロはどうするか。
  47. 青木孝義

    國務大臣(青木孝義君) 現在についてと申しますると、これは四万人程度が救済できるというように我々は想定をいたしておりますが、尚当然出て來たらば、出て來ることに対処して今何もそれ以外にないというようなことで、お前達は荏苒日を暮しておるのかどういうのか、こういうのが……
  48. 中野重治

    中野重治君 そうじやないのです。お前達は荏苒日を暮している、暮しているのじやないか、そういう責任を問うているのじやないのです。私は質問しているのです。現在ゼロでしよう、労働大臣に言わせると大藏省に委してあるから何とかそう不遠慮なこともしないだろう、又お互いの間でその場合はお互いに捻り出すという話合いができている。併しとにかく現在ゼロだ。失業者がこれから出て來るんです。(「もう出てる」と呼ぶ者あり)この現在高のゼロをどう実体を與えて行くというそういう手段と御方針安本長官としてあつたらそれを聽かしい欲しい。責任を追求して行くその前に、責任はその答えによつてこれから追求するです。
  49. 青木孝義

    國務大臣(青木孝義君) 私は経済安定本部の立場としては、ともかくも最初に相当額のものが考えられておつた。併しその相当額のものは今回の予算によつてこれは認められないことになつた。そこでそれくらいのものは大体我々が考えておるのであつて、併しそれを何としても失業者が出て來たということになればそれに対処しなければならんから、ただ大藏省が出して呉れるか分らん、或いは多分やつて呉れるだろうといつたような私は考え方を持つているのじやなくて、失業対策として当然その対策らしいいろいろのことをやらなければならんが、安定本部としてこれまで五ケ年計画というようなものを樹てておる。併しそれも多少ずれるということになつておるが、今対日援助見返勘定、これらの面でもその資金計画の上で、例えば貿易振興という面において相当吸收できる、そういつたことを考えておるし、その外に、多少長期になるけれども、電力の開発であるとか、或いはその他この事業の方でなんとか相当な程度を吸收して行くというようなことは、その事業面と睨み合せて、そういうことができることになれば、そういつた面へ相当な数字が吸收されて行くんだというようにこの案を立てつつ、又資金計画等と睨み合わせて只今考えておりまするが、何しろ今発表の段階に到達いたしておりませんので、そういうことが決つて來次第、この失業者のどれだけかの部分というものがそういう面に吸收されて行くということも考えられるというふうに只今存じておる次第であります。
  50. 中野重治

    中野重治君 そうするとこの点を安本長官としては、こうするつもりであるという点では、現在のところ具体案はないというわけですね。まで発表するまでに至つていないというんだから、現在は発表し得る積極的なものは何らない、こういうふうに受取つてよろしいのですか。
  51. 青木孝義

    國務大臣(青木孝義君) 只今現に私共のところではこの数日を費やしておりまするが、そういうことについていろいろ論議もし、研究もいたしておる段階でございます。
  52. 中野重治

    中野重治君 だからお尋ねしますが、それは論議もし、調査もしておるだろうと思うんです。そうでなかつたらそれは大変なことなんだから、併し論議もし、討議もして、調査もしておるけれども、今日安本長庁として具体的に発表するものは何らない、こう受取つていいでしようというわけです。お答えがなければそう認めて私はよろしい。
  53. 青木孝義

    國務大臣(青木孝義君) お手許に材料が行つておるか、どうか存じませんが、私共の予定としては、こういうことをまあ大体挙げております。その企業合理化に伴いまする約六十万の失業者の内訳を申上げますれば、鉱山及び製錬業というのに一万八千人、それから金属工業に二万三千人、それから機械器具工業に十五万二千人、それから化学工業に四万四千人、それから繊維工業に十四万六千人、製材木工業に十三万、それから建設工業に八万人、その他一万九千人というような大体産業方面の小分けをしまして、そうしてそれぞれ数字を上げて今檢討いたしておる次第であります。尚この輸出産業に二十万、その他ともかく約二十万というようなこの輸出産業面に対して吸收しようという点で、その内訳は、鉄鉱関係に三万八千八百人それから非鉄金属関係に七千人、それから化学関係に三万一千二百人、それから窯業、これはまあ陶器ですが、窯業関係に二万四千四百人、それから繊維関係に十一万七千、それから機械器具関係に九千五百、計二十一万八千六百人というような大体計算をいたしております。それからその外に、鉱山に一万一千三百人、食糧品関係に三万五千人、その他輸出振興に関連するもので、約十五万人程度に上るのではないかというふうに考えておりますが、まあ前からお答えがあつたかも知れませんが、その他失業者失業保險で四十二万人、日雇失業保險に十三万人、職業補導事業に五万人、失業救済事業に四万人、我々はこういつた数字を上げて研究をいたしております。大体さようなふうに……
  54. 中野重治

    中野重治君 今数字を挙げられたのは、そういう産業へ、例えば合理化によつて出る六十万人或いはその他を吸收するという予定だというのですか。
  55. 青木孝義

    國務大臣(青木孝義君) さようでございます。
  56. 中野重治

    中野重治君 そうしますと、例えば失業保險に何万人というお話がありましたね。これは失業保險関係事業へ何万人か失業者を吸收するというのですか。
  57. 青木孝義

    國務大臣(青木孝義君) これはです、大体総合的に輸出産業に行く者は、その産業の面、それからこの失業保險、日雇失業保險に行く者は、それぞれその方面で一應兎も角も吸收するということであります。
  58. 中野重治

    中野重治君 これから、出て來る失業者の中の十何万だか、何万だかを失業保險事業へ吸收されて就業労働者となる、こういうことでありますか。
  59. 石井通則

    政府委員(石井通則君) 只今の長官の御説明になりましたのは、前から…
  60. 中野重治

    中野重治君 失業保險にかかるということじやありませんか。
  61. 石井通則

    政府委員(石井通則君) 失業保險で救済するということであります。
  62. 中野重治

    中野重治君 そんなものは緊急失業対策を立てようという答弁の中から除いて貰わなければならん。そんなものはインチキだ、ペテンじやないか、そんなものは失業救済じやない、そんなものは緊急失業者が出られようが、出られまいが保險にかかる。これは労働者が保險金をかけておるのじやないか。不当に取られておるのだ。そんなものは答弁から除いて貰わなければならん。今後は安本長官が馴れないならば、今日はこれ以上答弁されなくてもいいですから、ただ今後ともそういう答え方は止めて貰わなくちやならん。
  63. 門屋盛一

    門屋盛一君 私は第三國会の時から主張して來ておるのですが、一應終戰によつてできたところの労働組合関係は、労働者諸君の中にも少しびつくりするくらいな御馳走を與えたことになつてつた。ところがその後いろいろの情勢が変つて來、殊に九原則の実施に当つては、一應お膳の上に乘せてあつた御馳走を取上げてしまはなければならん情勢になつておる。これも止むを得ないで放つて置くわけに行かないが、一應止むを得ない情勢に追い込まれた。そこで第三國会から政府に注意して來たことは、立法的措置をやる前に、暫定政策を立てて、こういう変動期に対して労働者に不安の観念を與えないようにしてやつて行くことが、労働政策の今日までになすべきものだということを注意を與えて來たわけであります。労働関係法律が出るのでありますが、その法案の中で、労働者一つの安心をさせるというのがこの失業保險法と、この緊急対策法案以外にないのであります。これだけは労働者に幾らか安心させる方の側の法律案、この法律案を出しておるから、早く通せ、案を通さなければ後の失業対策は樹たないのだと言つて責められておるのでありますけれども、法律案はできておるけれども、本年のあれだけの大きな予算の中から、この法律の裏付けになるだけの金が何故取れなかつたか。怠けた産業の補給金なんかは何千億も組んでおつて、これだけの労働者千数百万の労働者を安心させるこの法律の何故裏付けをしないか、安定政策は何故取らないかというわけなのでありまして、これを安本長官に対してどういう事情によつてこの労働者の安心できるだけの、十分に安心できなくても差当り安心ができる。これは今の場合大藏大臣安本長官は知つておるか知れませんけれども、我我國会議員は一人も知らないのだ。この法案に対する裏付の財源がどこにあるか知らないのです。これは昨日も質問しておるのです。どういうわけで財源なしにこういうものを出すか。この財源はどういう方法で安心ができるのか、これを安本長官からお答えを願つて、不十分と想像しますから、この財源問題については月曜日に大藏大臣の出席要求はしないつもりでおつたが、安本長官の御説明で納得が行かなければ大藏大臣、総理大臣を呼んではつきりしなければ、我々何千万の労働者というものは日本の産業再建上必要なものですから、そういう労働者が安心して働けるようにしなければ完全な能率は上つて行くものではない。僕ら端くれの資本家の立場におるけれども、労働者が安心のできないような状態において産業の能率を上げて、安いコストで貿易場裡に競爭しようというようなことは思いもよらんことだ。安心もできない、何故労働者を安心させるだけの財源が取れてなかつたか。それだけのことがその筋に対して説明ができなかつたか。ここなんです僕が言うておるところは、この分り切つたところの説明もしないで、現内閣が労働問題を軽く扱つておると言われても仕方がない。それがくやしかつたらどうしてこの財源が取れなかつたかということをはつきり言うて下さい。我々資本家でも困つておるのです。
  64. 青木孝義

    國務大臣(青木孝義君) 只今門屋委員のお言葉でありますが、その点は失業者がこれまでのところ必ずしもはつきりしておらん。そこではつきりしたならばどの程度にこの失業対策を立てたらよいか。こういうことと関連いたしまして正確に予算的措置を取るというような考えで参つた次第でございます。
  65. 門屋盛一

    門屋盛一君 失業者がはつきりしていないというけれども、失業者は推定なさつておるのですよ。この推定量については相当我々の方には意見が違つておるんだけれども推定なさつておる。そうするとこういうふうに解釈していいのですか。あなたの答弁では本年者内は失業者が出ないと、逆に言えば本年度内は失業者が出ないものとお考えなつたから予算的措置を取つてない。こういうふうに我々が解釈していいのですか。もう少し讓歩しまして、出るのだけれどもはつきりしていないから予算的措置が取つていないとすれば、出た場合どこから予算が湧いて來るのですか。健全財政の立場からぎりぎりに切り詰められておると思うのですよ。昨日の中野君の言葉を借りて言えば胴体に切り込まれておる。それを妨ぐために出て來る財源はどこから出て來るのですか。これくらい不安なことはないじやないですか。失業者が出ることは分つておる、我々の方から言えば今のあなたの方が恐らくは失業者の出るということがはつきりしていないから本年度予算が組んでない。予算年度の初めに組むべきものである。本年度内に失業者は出ないとあなはお考えになつておるのですか。
  66. 青木孝義

    國務大臣(青木孝義君) これは御承知通り、我々の考え方は吸收面と救済面と、こういうふうに一應考えまして、そうしてこれについての対策考えておりますので、どれくらい出るかということが先程も申上げましたように推定でありまするので、まだ予算的措置が採つておらない、こういうことであります。
  67. 門屋盛一

    門屋盛一君 失業者の出る方と吸收面とのバランスが採れてあるから予算に組んでないというのですが、だつたらこの緊急対策法案は撤回なさつたらどうです。それだけの自信がおありなら、これをお出しになる以上失業者が出るということで腹の底にあるのでしようが……それよりも國民を惑さない何かの理由でこれが予算化することができなかつた。財源がはつきりしてないならないと、我々に財源は心配ないというところで安心できる程度説明はできないのですか。公開でいけなかつたら秘密会でもいいですよ。我々國民に代つてこの法案審議に建とておるのに續けられるとお思いになりますか。あなたは官僚じやない。当選数回の代理士ですよ。代理士の立場に立つて審議ができると思いますか、それをお伺いしたい。
  68. 青木孝義

    國務大臣(青木孝義君) この点は尚当面の労働大臣がここにおりませんので、労働大臣ともよく話してお答えをいたしたいと思いますが、とにかく今私の申上げ得ることはこの我々の大体推定しておることがその通りであるということになれば当然予算的措置を採り、そして善処して行きたい、こういうことであります。
  69. 門屋盛一

    門屋盛一君 その予算的措置を採らなければならんことは分るのだが、さて予算措置を取ろうとして今年の予算でどこから生み出せる余地があるんでしよう。どこから出るんです。予備費は一銭もないんですよ。どこから出るんですか。金は……
  70. 青木孝義

    國務大臣(青木孝義君) 尚我々の今日も期待しておりまする点は、この産業の面で吸收するというようなことでは、やはりこの見返勘定の方面事業を拡張するとか、或いはその輸出振興という線等に副いまして相当の吸收がして行けるというような意味で我々は考えて参つておるのであります。
  71. 門屋盛一

    門屋盛一君 幾ら戰爭に負けておつても日本の総合計画を持つておる官廳の長官として余り御答弁で心細過ぎると思うのです。(「異議なし」と呼ぶ者あり)何故かならばこの企業合理化、毎度言うのですが、行政整理政府で以てコントロールできる。企業合理化というのは政府でコントロールできても、間接にコントロールができても、直接のコントロールは利かないのです。我々事業はしておりますが、この事業は見込はない、九原則でとつても駄目だと思つたら首を切る方が先になる。吸收する事業は本当に軌道に乘つていて、いざ労働力を必要とする肝腎の態勢に出て來るまでの間には数ケ月、運に惡いときにい一年なり、二年の間があるんですよ。この間の失業者のプールというものは國家で考えて置かなければならない。それをお考えなつたところの失業対策法案だと思つておるのです。噂さにされておるような、例の援助資金は飽くまでペイする金では恐らく使わしては貰えないと思います。これは日本國の税金で上つて來たところの金からこういうプールの予算は取つておかなければならん、使わしてくれるか、くれないかは向う樣の方の権限にあるところの金で、もう企業家の方はこれは先の見通しがついておるから首を切つておりますよ。毎日の新聞を御覽ですか。もう労働省で予定しておる以上の失職者は増えておると言つておるのです。そういう行き当りばつたりというようなお考えで以て、日本の経済安定本部長官をなさろうということはそれはよくお考え直しになつた方がいいですよ。(「賛成」と呼ぶ者あり)もつとはつきり答弁して下さい。
  72. 青木孝義

    國務大臣(青木孝義君) 私共は経済安定本部としては総合計画を建てるという建前において御承知通りであります。從つてこの実施官廳である労働省との話合、いろいろな関係も勿論やつておりますが、兎も角も一應我々としてはこういう計画を建て、この計画が疎漏である。こういう御非難についてであれば或いはこれは我々が更にこの点については今日も尚考えつつあるのであります。研究しつつあるのでありますが、兎も角も我々は総合計画としての一環である労働対策について一應こういう考え方を以て進んでおる。こういうことを申上げておるのでありまして、この実施官廳が更にこれについてどういうふうに実施させるか。又今努力しております労働法規等について、兎も角も労働大臣が皆樣にいろいろお答えし、又申上げておると存じまするが、そういうことから申しますれば、我々としては只今のところ予算措置というものが伴なつていない。併しながら伴なつていないとしても、我々の計画としては一應こういう考え方を持つております。併しこれが尚足りないということを繰返して申上げますが、尚我々も更に当面の問題として研究を重ねておりますということで、私のお答えが弱いとおつしやいますけれども、私はこれ以上には今のところお答えができん、こういうふうに申上げるより外ないと思います。
  73. 門屋盛一

    門屋盛一君 お答えができないとすれば仕方がないのですが、どこから予算措置が取れるかということは、経済安定本部は総合企画官廳で、事業官廳ではないというけれども、この失業者のどれくらい出るかということは、私に言わせると労働省よりも安定本部の方が先に知つておらなければならん。先に分るような組織になつているのですから、今……それにしては財源がどこから出るか今お答えができないというようなことでは納得できないので、やはり最初私の申上げたように納得の行く御答弁は得られないという結果になつたのですが、これは大藏大臣にでも出て貰つてもう少しはつきりした説明を聞き、それで分らなければ総理大臣でも來て貰わなければしようがないことになると思います。これで私の分はお答えできないというのでは打切つておきましよう。
  74. 原虎一

    ○原虎一君 今門屋委員質問に対する安本長官答弁に関連してでありますが、極く簡單でありますが、行政機構の改革で、安本の労働局をなくされるというように聞いておりますが、それは事実でありましようか。事実ならばその理由を明らかに願いたいと思います。
  75. 青木孝義

    國務大臣(青木孝義君) 今回の行政整理に伴いまして、從來労働局というものが私共のところにございます。ところが局を部にというふうに我々は考えて参りましたけれども、官制上、部というものを大体認めないというような、そういつた方針の下にとに角今の各省設置法の内容といたしましては、これを課程度にして、そうして少数精進といいますか、この方面について十分努力をいたして行きたいというような考えでおる次第でございます。
  76. 原虎一

    ○原虎一君 私は知識がないのですが、課と局との相違で、どの程度の相違になつて來ますか。それで今安本が労働問題といいますか、労働行政というものに対する考えが非常に違うのじやないか。國家の総合計画をされるには、我々から言いますと労働問題というものは非常に重要に考えなければならん(「その通り」と呼ぶ者あり。)それが安本は局を課にする、課で足りる、局と課との相違は大してないといわれればそうかも知れませんが、それは総合計画の企画廳たる安本で労働局を課にしてしまうということはどうも私は時代錯誤じやないかと言わざるを得ない。こういう点について納得の行くような御説明を願いたい。殊に先般もこの緊急失業対策法に対する質問を申上げましたときに、他の委員からも申上げたときでも、長官は御存じないようで、局長はおらないというような状態です。我々から見ると非常に機構上からも心細い。この点をもう少し納得が行くように御説明願いたいと思います。
  77. 青木孝義

    國務大臣(青木孝義君) 私が就任いたしました当時から、労働の方面のことも勿論考えて参りました。併しやはりそれぞれ仕事の上で考えて見ますと、卒直に申上げて人の問題ということが相当かかつた來ると思います。そういう点で或いは多少欠けておつたのじやないかという感を私はいたしております。そういう点でまだ課になつたならば数を少くするか、どういう人がこれに携わるかというようなことも未知数になつておりまするが、私としてはただそれが局というものが課になつたから、必らず弱くなるというものでないというふうに考えましたので、やはり閣議等の決定に基きまして課ということになつておるのでありますが、尚内容については今後に属しておりますので、ぜひ立派な人を得て十分その任に堪えるようにと存じておる次第でございます。
  78. 原虎一

    ○原虎一君 どうも私の知識では今の御答弁では納得が行かない。課になつたからといつて、人さえ得れば相当の能率を挙げることができる、それはそういうこともできましよう。併し御承知のように官廳にはそれぞれ局長、部長、課長というようになつております。どこの省でも段階でありまして、そう簡單に課長が腕があるからといつて、課長は局長仕事ができるものでもない。これは安本長官は人に余り力を入れ過ぎている。組織と人というものは一致して行かなければ能率を挙げることができない。局長会議に課長が出席して局長同樣のことができますか。これは私は官僚制度といいますか、官廳と官僚の制度のいいところと惡いところを考えなければならない。課長が局長同樣に手腕を揮い得るということはあり得ない。そういうことを考えて、そういう点を私は心配しているのです。人が得られるという、立派な人はおるかも知れませんが、やはり制度の上において仕事をして行く。組織の上において仕事をなして行くのでありますから、そう長官が言われるような簡單なものじやない。况んや労働政策というものは今後日本の経済九原則の実施に当つて最も重要な面であつて、この面を総合計画に入れないでは私は成立たないと思うのです。先般もちよつと申上げましたが、失業対策に金ばから集めても駄目なのでありまして、やはり資材を如何にするかということが一番大臣なのであります。資材と人とが一致して行かなければ一つ失業対策という事業がスムースに行なはわれて行く筈はないのであります。こういう点から考えて、私は安本に労働局がなくなるということは、労働省があるから労働政策がそれで強化されればいいとかいう問題でなく、総合計画を樹てるところのしつかりしたものがなければ労働省も動けない。労働省施策も行なわれない。こういう点から考えましてどうも了解できない。併しそれ以上の御説明ができなければ外の方法考えなければならんと思いますが……
  79. 青木孝義

    國務大臣(青木孝義君) 只今の問題でありますが、原委員のおつしやる通り、局というものを課にする……一つの官廳組織、そういうものは組織の力で動いて行くということが非常に強いのだから、人のみに捉われることは間違いだという御意見だと思いますが、私もその点については十分考えておるつもりでありまして、私のところには御承知通り從來次長制というものがあるのであります。この次長制を守つて参りまして、大体民間から優秀な人人を採用いたしております。そういう関係官房に次長というものを置きまして、そこで労働関係の課を取纏めて行くというようなことも、只今のところ考えている次第でございまして、それが私の今考えている通りに行くかどうかということは、まだ申上げられませんが、何とかそういうところで実力を強化して行くということを実は考えている次第でございます。
  80. 原虎一

    ○原虎一君 折角御答弁がありましたから、もう一つ答弁に基いてお聽きしたいと思いますが、そうしますと、次長は今度は労働関係に最も堪能な次長、次長は一体何人置かれることになりますか。今までは二人だと思いますが、次長は殖えるのでありましようか。その点はどうでありますか。
  81. 青木孝義

    國務大臣(青木孝義君) 極めて部分的なことではありまするが、今までは十五名全部でございました。ところがその十局を六局にいたしましたので、そのためにこの労働関係の局が減じたわけであります。そこで現在も官房に二人の次長があるのであります。やはり今回もそういうことにいたしたい。そしてそこで取纏めて行きたいというふうに考えている次第でございます。
  82. 中野重治

    中野重治君 議事進行に関して…。いろいろ答弁がありましたけれども、私の考えでは正確な意味での答弁というものは余りなかつたと考ます。それでこういう調子でやつていたのでははつきりしないと、こう思いますので、私は安本長官労働大臣大藏大臣、こうお三方に揃つてつて問題を討議したい。それでなるべく参議院の労働委員会を開くまでに、その三人の人達も、政府側としていろいろ相談し合つて、もう少し纏つた答弁ができるように、一つして來て欲しい。その方が両方の側に得じやないか、こういうふうに考えるわけです。そういうふうに一つするように運んで頂きたい。私の希望です。(「賛成」と呼ぶ者あり)
  83. 田村文吉

    ○田村文吉君 この間からいろいろ緊急、緊切な御質問がありまして、それぞれ御答弁もあつたようですが、御答弁に満足の行かない点も多々あつたように思います。併しこの細い法案といつちや何ですが、一々重要な法案でありますが、四つもありますのに、更にその逐條内容について檢討するということが、ネダレクトされて続いているということは遺憾に考えますので、逐條審議を始める一方、その法案に関する一般重要質問は、大臣の必要な人を集めて、そしてその中に折り込んで行つて差支えないじやないか、願くは逐條審議をお諮り願うように動議を提出したいと思います。    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  84. 山田節男

    委員長山田節男君) 只今中野委員からの御発言がございまして、又田村委員からの御発言がございました。私といたしましては、これは前にも申上げましたのですが、緊急失業対策法、それから職業安定法、労災保險法、これが最初に出ておりましたのでありますが、問題になつております緊急失業対策法、これが一般質問の形として今日まで続いたわけでありますが、職業安定法の一部を改正する法律案、労災保險法、失業保險法もございますが、これらは四月一日から保險料、保險金の支拂、こういうような問題もありますので、只今中野委員の御提案になつたように、やはり緊急失業対策法の根本問題については改めて大藏大臣にも出て頂いて、又先程門屋委員からも御発言があつたようでありますが、場合によつては総理大臣も一つ出て頂く。総合的に、又事前に打合せて頂いてはつきりした政府責任ある御答弁を頂くということにしまして、その間、時間がありますれば職業安定法、労災保險法は、これは一部改正でありまして、金額に関する問題でありますので、これを議議を開始して頂いて、尚緊急失業対策法については政府もできるだけ月曜日に來て頂くというようにお願いいたしまして、他の法案、付託になつている関係もございますので、只今中野委員の御発言の御趣旨は、これは成るべく明後日できるようにいたしまして、他の関連する法案は逐條審議をお願いするのも結構と思いますが、如何でございましようか。
  85. 門屋盛一

    門屋盛一君 只今田村委員の御発言でちよつと、私は釈明の必要もないかも司れないけれども、國務大臣に対する一般質疑の終るまで逐條審議に入らないという一應申合せの下に今日まで進んで來たわけであります。私はそれを固執するのじやないのです。今日の問題にしても、緊急失業対策の問題は大臣が來られなかつたから後廻わしにして逐條審議に入つてよかろうというところに大臣が來られたからやつている。だから安本表官に対する質疑を打切つた後に田村委員の動議を出されるべきであつて、折角おいでになつ安本長官を前に置いて、個々の審議計画をやるということは、これは委員会運用方法としては理事会もあるのですから、もう少し内輪ではつきりした運用方法を決めてやつて貰いたい。  速記があるときに申上げますが、間違いであつたと思いますが、今日は何何法を上げるから委員会に來てくれ、逐條審議にも入つていないのに今日上げるから委員会に集つてくれという招集方法をやられたのでは、これは委員としてちよつと集まれないですよ。私は無理にこじつておるわけでないのですが、これはいろいろの理由があるのです。第一今の安本長官答弁を聞いておつても、労働大臣答弁を聞いておつても、我が國の再建には三つの大きな力が必要なんです。いろいろありますけれども、大別して三つの力がある。科学の力と勤勉に働く人の力、この人達を強くコントロールして行く政治の力、この三つがマッチして行かなければ日本の再建はできない。この三大原則なるところの労働力に対して政府は非常に関心が薄い。法案を早く上げて貰いたかつた政府の方で大臣をくり合わせるべきなんです。衆議院に用事があるといつたら、それこそ鼠のごとく行つちやう。参議院なんか來やしない。参院議の審議を早く進めて貰いたいなら、政府もくり合せて参議院に顔を出すべきあります。私の立場から言えば、田村さんから意見が出ておりますが、緊急失業対策の問題は國務大臣の質疑終了まで逐條審議に入ることは飽くまで反対します。他の法案については本付託になつておるものは逐條審議をやつていいと思います。
  86. 田村文吉

    ○田村文吉君 大体委員長の言われた扱いでいいと思います。兎に角逐條審議のできる状態になつておるものをいつまでもしないと我々が折角勉強して來ておるのにさつぱり発言する機会がない。逐條審議をして頂き、一方に緊急失業対策については、これは大いに大臣を呼んで來て貰つてやる、こういうことで進んで頂きたい。
  87. 門屋盛一

    門屋盛一君 今までその通りで來ておるでしよう。今までそれに反した扱いがありましたか。
  88. 山田節男

    委員長山田節男君) 今の中野委員から御発言のあつたように労働大臣安本長官或いは大藏大臣、尚総理大臣……
  89. 門屋盛一

    門屋盛一君 総理大臣は労働組合法が出て來てから、來て貰わなければならないから……
  90. 山田節男

    委員長山田節男君) 今の中野委員の発言のように労働大臣安本長官大藏大臣この三大臣に月曜日に御出席願つて今日の足らざる御返答を願うことにして、実はここの予算委員室は四時から映画に使うということになつておりますから如何でございましよう……只今の田村委員の御発言もございましたが……
  91. 一松政二

    ○一松政二君 今中野委員からと、田村委員からと二つの動議が提出されておると思うのですが、今委員長お話を承わると、中野委員の動議だけが採決されておるような恰好になつておる。それでつまり逐條審議にはいつから入るか、逐條審議と今の一般質問と併用して行きたいということが田村さんの動議だと思いますが……
  92. 原虎一

    ○原虎一君 大体それでいいじやないですか、一松君……田村委員は逐條審議のできるものはやれ、中野委員緊急失業対策に根本問題があるから三大臣を呼べというので、この二つを併用して行けばいい……
  93. 門屋盛一

    門屋盛一君 私の言うのは緊急失業対策法案を除くの外は逐條審議に入ることに賛成です。
  94. 一松政二

    ○一松政二君 月曜日の十時から逐條審議に入れるものは入り、大臣の答弁のできるものは答弁できるようにお運び願いたい。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  95. 田村文吉

    ○田村文吉君 最近のアメリカの労働法がどういうふうになつておるか、若し政府に資料がありましたら拜見したいと思います。
  96. 山田節男

    委員長山田節男君) それでは本日はこれにて散会いたします。    午後四時十四分散会  出席者は左の通り。    委員長     山田 節男君    理事      一松 政二君            平野善治郎君            早川 愼一君    委員      原  虎一君            門屋 盛一君            竹下 豐次君            田村 文吉君            中野 重治君            小串 清一君            村尾 重雄君            岡田喜久治君   國務大臣    労 働 大 臣 鈴木 正文君    國 務 大 臣 青木 孝義君   政府委員    労働政務次官  宿谷 榮一君    總理廳事務官    (経済安定本部    労働局次長)  石井 通則君    労働事務官    (職業安定局    長)      齋藤 邦吉君