○中西功君 そういたしますと、歳出を切り詰めるという点は、まあこれはどういう歳出か、恐らく價格調整だと思いますが、そういうものを切り詰めるといたしまして、幾らかの剰余が出て來る。税金を非常に沢山取るということによ
つて下げるのだということになりますと、今日の何か
新聞に出てお
つた中にも、うんと税金を取る、強化することがそれが減税になるというふうな
意味のこともありましたが、我々はよくその点が分らないのであります。うんと税金を取
つて、そうして下げるために使うのだとなりますと、こういうようなものはたこ減税というふうな名前をつけた方がいいのではないかと思うんですけれども、まあ私はそういうふうな後のことは
余り問題にならんと思うのです。そのことよりも恐らく
價格調整費をうんと節約することによ
つて、大体どのような剰余が出て來るかという見通しを立てることの方が極めて実際的なことだと思う。そういう観点から見れば、実際はこれは大いに節約ができると思います。
もう一度見返会計の問題についてちよつとお聽きいたします。これは貿易会計と関連しておることであり、私はこの貿易会計、そうしたものを少しいろいろ
数字を当
つて見たのでありますが、千七百五十億というものをそのままこの見返会計に持
つて來て、これを別個の用途に使うということがいわゆる資金的な面から見れば極めてこれはおかしいと思うのであります。見返金計を設置するということ、これが技術的にどうかという問題ではないのであります。そういう問題じやなくて、この貿易会計のいろいろな資金
計画というものと関連して
考えて見ると、これをそのまま貿易会計から持
つて來て、そうして別個の用途に使
つて行くというこの資金的なやり繰りが非常に無理だということなんです。この点については千七百五十億が一体何に根拠を置いて計算されておるかということ、これもいろいろ聞かなければならないが、併し
政府側の答弁では、ただ
関係方面からこういう
数字を貰
つたというふうな御返答でありますから、それは
余り追及いたしません。問題は結論的に言いますと、この千七百五十億の中には八百三十三億の
價格調整費が入
つておるということです。で説明書の二十六貢の事業勘定
予算額というものを見ますと、千七百五十億が援助
関係の收入、その他千三百八十五億という輸入
一般物資関係の收入があります。これを足したものが、これはいわば輸入であります。それに対して
輸出代金として千八百八十六億というものがこれは
輸出でありますが、この輸入合計は三千百三十五億になるが、併しこの中にははつきり書いてありますように、八百三十三億という
價格調整費が入
つておる。だからそれを引きますと二千三百二億になります。そしてそれからその
輸出を引くんです。
輸出を引きます。千八百八十何億を引きますと四百十六億というものが残るんです。即ち若し
價格調整費というものを除いて
考えれば四百十六億というものがこれがいわゆる
輸出、輸入から來るところの勘定であり、いわゆる貿易の黒字勘定だということになるのです。この四百十六億を、私は見返会計へこの四百十六億、ということになるのでありまして、だからこの場合二つの場合が
考えられるのです。輸入会計から
輸出会計を引きますと千二百四十九億というものがあります。この千二百四十九億、これを見返会計の方へ持
つて行くということならばまあ一應この貿易会計の方のいろいろのむずかしい問題ではなくなると思うんです。これがいわゆる輸入と
輸出の純差額なんです。ですからそういうものを見返会計が向うへ持
つて行くというなら、これは非常に会計自体の面から見て無理がない。ところが、一千七百五十億を持
つて來る、御存じのように輸入
物資を、援助
物資の中でも、これを
日本に使う場合と、それを使
つて再
輸出する鉄鋼の場合は明から七十万トンも再輸入するんです。そういうような再
輸出されるもの、そういうようなものを我々はよく
考えて見ますれば、
本当に資金的な面で、うまくこれを均衡化さして行こうとすれば、そういうものを十分考慮しなければいけない、そういうものを一應考慮して立てれば、さつき言
つたように一千二百四十九億、この
数字で言えば、こういうものを見返会計に持
つて行くべきである、これが
一つの点です。更に而もこの見返会計のうち八百三十三億というものは資金面から見たら
國民の税金であります。更に四百億というものは、
一般会計からこの貿易会計へ繰入れるところのこれも税金であります。こういうふうなわけでありまして、資金の面から見た場合に、一千七百五十億を貰
つておるから、そのまますべてこの見返会計として別個にして、この資金は全部外の用に使うのだということになりますと、むしろ今までとは逆な
関係が起
つて來ます。今まではそう黒字部分は貿易会計で勝手に使
つておりました。これは決して会計上よいことではない、今度改められましたが、その改め方が少し角を矯めて牛を殺すという格好で行き過ぎておるのです。従
つて僕は見返会計において一千七百五十億を書いて置くということは、ちつとも間違いではないが、併しその中から当然貿易資金会計の方へ寄越さなければならないものがあると思う。それがないために
一般会計から税金で四百億も繰入れなければならん、こういう
関係が起
つて來ると思うのです。そういう
関係を私は感ずるのですが、大藏
大臣の御所見を聞きたいと思います。