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1949-03-28 第5回国会 参議院 法務委員会 第3号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十四年三月二十八日(月曜日)
—————————————
本日の会議に付した
事件
○
檢察及び裁判
の
運営等
に関する
調査
の件
—————————————
午後三時十九分開会
伊藤修
1
○
委員長
(
伊藤修
君) それではこれより
法務委員
を開会いたします。 本日は
政府
に対する
質疑
の申入が
委員
よりありました。先ず齋
委員
の
質疑
を許可いたします。
齋武雄
2
○
齋武雄
君
檢察
の
運営
に関しては、当
委員会
は重大な
関心
を持
つて
おるのでありますが、
横浜地方檢察廳
のいろいろの
汚職事件
がありましたが、それについて
事件
の
内容
及び現在の状況を
法務総裁
からお伺いいたしたいと思います。
殖田俊吉
3
○
國務大臣
(
殖田俊吉
君)
横浜
の
事件
と申しますと、最近の
事件
は
木船事務官
と申します者の
汚職
に関しまして、廳内にいろいろの問題を巻きおこしまして、私へも
刷新方
を要望する建白があ
つたの
であります。
横浜檢察廳
におきましてもこの問題を重大視しまして、すでに
檢事正
はこれを問題にいたしまして
橋本檢事
をして
調査
をさせてお
つたの
であります。然るに更にこれを徹底せしめまする
趣旨
を以て
香取檢事
をしてこの
橋本檢事
に交替せしめました。その間に行違いがありまして、
檢事
を
主任檢事
と替えたのはこの
事件
を有耶無耶にもみ消すためではないかという
よう
な風評を生みまして、そこで非常にもめているのでありますが、決してさ
よう
でありません。
檢事正
の意向といたしましては更にこれを徹底的に
調ベ
ますために、
橋本檢事
よりもより適任な方を選んで調べさしていたとい
つた
よう
なことであります。
只今
の
とこ
ろ
事件
に
関係
いたしまする
事務官
は五名であります。併しながらこれは
事務官
だけでありまして、
檢事
には今の
とこ
ろ疑惑は及んでおりません。今月中にこの
取調
を終る
よう
な予定でありましたが、
檢事正
はこれを
東京高等檢察廳
に持
つて
参りまして、
只今
は
東京檢察廳
において直接に
取調
をいたしております。何れ近く完全な
報告
が参ることと
考え
ております。その
報告
によりまして、今度は思い切
つた
る
処置
を構じだいと
考え
ているのであります。でこの
横浜
の
地檢
の問題が
新聞等
に表われますのは古い
事件
と混同されておりまして、
横浜
にはどういうわけ合いでありますか、古くから今の
檢事
のその前の
檢事
の前の
檢事正
の時からも、いろいろと噂が飛んでおりまして、
新聞等
ではそれが一括されまして大きな問題として取上げられている
よう
な感じがいたすのであります。併しそれは何れといたしましても、
只今
の
事件
もそう大きな
事件
ではない
よう
でありまするが、併しながらこと
檢察廳
に関する
事件
でありまするから十分に
調ベ
上げまして、そうして容赦する
とこ
ろなく嚴正な
処分
を加えたいと思
つて
おります。
齋武雄
4
○
齋武雄
君
檢察廳
の
汚職事件
を
檢察廳
で
調ベ
るということは今まででも例がありましたが不徹底である。それについて
法務総裁
は
如何
なる考を持
つて
いるか。他の
機関
において
調ベ
る方が適当であるか、或いはその
檢察廳
でない上の
檢察廳
ですかがお
調ベ
になるのが適当であると
考え
ておられるのか、それを
一つ
伺いたい。
殖田俊吉
5
○
國務大臣
(
殖田俊吉
君) 必ずしもその
檢察廳
において調べることがいけないとは
考え
ませんけれども、
愼重
を期します上におきまして、このたびも上級の
檢察廳
へ移しまして
取調
をさしている
よう
な次第であります。
齋武雄
6
○
齋武雄
君 今までの例によりますというと、
最高檢察廳
が調べてお
つて
、
とこ
ろがそれは不徹底である。極めて不徹底であ
つて
、
檢察廳
が
檢察廳
を調べるということは
却つて証拠
の堙滅になる。そういう
関係
からして他の
機関
をして調べさせるという考がないかどうか、それを伺いたい。
殖田俊吉
7
○
國務大臣
(
殖田俊吉
君) どうも
檢察
のことは、やはり
檢察廳
をして調べさせるのが一番適当であろうと思います。勿論
お話
のごとく
自分
の
仲間同士
を調べるということについてはこれは相当
考え
させられる点がございますけれども、さればと申して他により適当な
機関
があるとも
考え
られません。殊に今日は若し不当な不
起訴処分
にいたした
よう
な場合には
檢察審議会
ができておりまするから、この
審議会
が活動してこれらの非違を調べることもできまするし、更に
檢察
官の
適格審査会
も設けられましたので、それらの
機関
によ
つて
も調べることができるというわけ合でありまするから、
從來
よりもよほど爾後の
監督
が届いて参
つて
おりまするから私は先ず
檢察廳自体
において調べましても大した間違いはあるまい。今の
とこ
ろその他に手はない。
從つて地檢
の問題は高檢に移し、更に高檢の問題は
最高檢
に移すという
よう
な
程度
でやることが適当であろうと
考え
ております。
齋武雄
8
○
齋武雄
君 この
事件
について一昨年でしたが、
東京高等檢察廳
の
監査委員会
が、
内容
を
調査
したと
新聞紙上
にありますが、その
内容調査
はどういうことを調べたのか、その
報告書
を求めたいのでございます。
木内曾益
9
○
政府委員
(
木内曾益君
) その点私からお答えいたします。昨年
行政監査委員
の
方々
が
横浜
へ
行つて
、
横浜檢察廳
の
檢察事務
についていろいろ
監査
をされたことは私も承知しております。これは前
法務総裁
の時代でございます。その結果は私もどういう
報告
であ
つた
かということは今記憶しておりませんから、御必要ならば、いずれその
報告書
をと
つて
御
報告
いたしたいと思いますが、この
監査
はただ今問題にな
つて
おる
後藤関係
の問題の
監査
というのでなくて、
横浜檢察廳
全体の
檢察運営
についての
監査
であ
つた
と、か
よう
に心得ております。
齋武雄
10
○
齋武雄
君 その
報告書
をそれではあとで御提出願います。
木内曾益
11
○
政府委員
(
木内曾益君
) 承知いたしました。
鬼丸義齊
12
○
鬼丸義齊
君
大野委員
から
お尋ね
にな
つて
お
つた
そうでありますが、私から
法務総裁
に
お尋ね
し
よう
ということになりましたので、私より
お尋ね
するのでありますが、先ず第一に
お尋ね
いたしたいことは、
刑訴
の百九十九條、これによりまして
被疑事件
がありましちときに、
裁判所
に対して
逮捕状
の
請求
を
檢事局
よりいたします場合、この
逮捕状
を
請求
するについて、
被疑
事実を疑うに足るべき
理由
として
請求書
に書かなければならぬことにな
つて
おりますが、
檢察廳
の
一般方針
としてどういう
よう
な
程度
の
請求書
を出して
裁判所
に
令状
を求めておるかの点について、先ずお伺いいたしたいと思います。詳しく申上げますれば、
令状請求
に当
つて
は
被疑
事実を証すべき
関係書類
を添付して
請求
するのであるか、或いは又單に
被疑
事実だけを書いて、
格段被疑
事実を記すべき
資料
の何物をも出さなくてよろしいのであるか、その点をお伺いいたしたいと思います。
殖田俊吉
13
○
國務大臣
(
殖田俊吉
君)
只今
の
お尋ね
の場合におきましては、やはり
被疑
事実を添付して
請求
するものであります。もう少し詳しく申上げますと、つまり
逮捕状
を
請求
いたしますときは、
公訴提起
前の
捜査段階
に属することでありまして、
逮捕
後更に
捜査
を進め
よう
とするのでありますから、この場合の
資料
は、
公訴提起
の場合における
資料
の
よう
に、
有罪判決
を得るに足りるほど確実な
証拠
はこれを必要としないと
考え
ます。併しながら、
逮捕
は人身を拘束する重大な手続でありますので、その者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な
理由
があるかどうかは、
捜査官
のほしいままな
判断
は基くことは許されないことでありまして、
逮捕状
の
請求
の当時明らかにな
つて
おる
資料
を合理的に
判断
して、
被疑者
が罪を犯したことを疑うに足りる相当な
理由
があると
考え
た場合でなければならんと思います。具体的に
如何
なる
資料
を必要とするかを例示することは極めて困難でありますが、抽象的に申上げますれば
只今
申上げた
よう
なことであります。
鬼丸義齊
14
○
鬼丸義齊
君
只今
の
法務総裁
の御
答弁
は
法文
に記載をいたしておりまするから、別段その点に対しましては私は異議を持たない。
法文
には疑うに足るべき相当の
理由
がなければ
逮捕状
の
請求
はできないことにな
つて
おりますから、それは、
只今
の御
答弁
では
法文そのもの
をただ述べられただけに止ま
つて
おると思います。私の
お尋ね
いたしますことは、その疑うに足るべき事、実これに対して
裁判所
が
逮捕状
を
発付
して然るべきものなりや
否や
ということを
判断
するいわゆるその
資料
、当時
請求者
の
手許
にありまする、即ち
被疑
事実を疑うに足るべき
資料
があ
つて
、その
資料
に基いて疑うべき事実ありというふうな認定をされて
令状
の
請求
をされるだろうと思いますが、その場合に、ありまするだけのやはり
資料
は当然
裁判所
に提出して、
逮捕状
の
発付
を待たなければならんのではなかろうか。それを疑うに足るべき事実ありや
否や
の裁定が
檢事局
だけによ
つて
決定されるのでありますれば、敢えて
裁判所
の
令状
の
発付
を求める必要はない、
裁判所
の
令状
の
発付
を求める
所以
のものは、
檢事局
で
はさよう
に認めるから
令状
をよこして貰いたい、
発付
して貰いたいということを出すのでありますから、
裁判所
には当然その
資料
に基いて若干の
判断
をするべき
程度
の
資料
がなければ分らないのではなかろうか、こういう
意味
において
お尋ね
したのであります。
殖田俊吉
15
○
國務大臣
(
殖田俊吉
君)
判事
が
逮捕状
を発するのでありますから、
判事
をして
逮捕状
を発することが必要であると
考え
し
むるだけの資料
は当然必要であると思います。でありますから、できるだけの
資料
を準備するのが当り前であります。
鬼丸義齊
16
○
鬼丸義齊
君
只今
の
法務総裁
の御
答弁
は、過般
最高裁判所
の
規則
を定められました結果、百四十三條において
逮捕状
を
請求
するのは、
逮捕状発付
の要件が在存することを認めるべき
資料
を提供しなければならないと思います。この
規則
の
発付
されましてから後に
只今
の
総裁
のお
考え
の如き
考え
がなされたのであるか、或いは又この
規則
が定められない以前におきましても同様なるお
考え
をお持ちにな
つて
おられたかどうか。すでに
逮捕状
に
発付
については
刑訴
において、百九十九條において
請求
して
逮捕
することにな
つて
おりまするので、定めて同様なる
考え
であ
つた
ろうとは存じますけれども、重ねてその点のお
考え
を質して置きたいと思います。
殖田俊吉
17
○
國務大臣
(
殖田俊吉
君) 当然さ
よう
に
考え
るべきものと思います。私は從前からさ
よう
に
考え
てお
つた
ものと
考え
まするが、その辺の微妙なる点につきましては
檢務長官
からお答えさしたいと思います。
木内曾益
18
○
政府委員
(
木内曾益君
) この問題につきましては
只今法務総裁
から御
答弁
になりました通りでありまして、
檢察廳
においても、
法務廳
におきましても、この
規則
ができる前から、勿論
廳急措置法時代
から
鬼丸委員
のおつしや
つた
と同様な
考え
を持
つて
お
つた
ものであります。
鬼丸義齊
19
○
鬼丸義齊
君 この問題に関連をいたしまして、実は過般問題になりました
浜松
の
裁判所
の
天野判事
の
罷免訴追事件
に関しまして、図らずも
逮捕状
の
請求
に関しまする問題が生じて参
つたの
であります。それは昨年の二月の六日
浜松
の某
事件
に対しまして
大久保檢事
から
浜松
の
天野判事
に対して
逮捕状
の
請求
をしたのであります。
とこ
ろがその
請求書
によりますると、
被疑
事実は立派に書いてあります。そうして而もその
被疑
事実に対しまする事実を疑うに足るべき事実という欄に至りましては、右事実を証すべき
書証
の
存在
並びに
関係人
の
陳述
、これだけの例示を書き連ねてあるばかりでありまして、その他
逮捕状
を
発付
されるということが適当であるかどうであるか、或いは
檢事局
の方においてその
被疑
事実を疑うに足るべき
理由
をどういうふうに、どういう
資料
に基いて認めたのであるかということについては、一切
関係
の
書類
がなか
つたの
であります。そこで
天野判事
のその
請求
に対しては、これだけでは
裁判所
として果してこの
被疑
事実を証するに足るべき事実があるかないかということは分らない。いわゆる
逮捕状
を
発付
すべきものなりや
否や
という
判断
に困るから、
関係
の
書類
があるならば出して貰いたいということを
申出
でまして、
ちようど
その
申出
で当時に
上席
の國又
檢事
なでがおられまして、その
天野判事
の
請求
が尤もであるということを認められました結果、当時
手許
にありました
資料
を添付して
逮捕状
の
請求書
を出したのであります。この結果、
天野判事
は
逮捕状
を出しました。
とこ
ろが続いて同日の十三日に至りまして、別件でありまするが、某氏二名に対しまする
逮捕状
の
請求書
を出して、同じく
大久保檢事
の名において
天野判事
に対して
請求
したのでありまするが、
とこ
ろが先に
逮捕状
を出しました当時に問題にいたしまして、單なる
書証
の
存在
であるとか
関係人
の
陳述
であるとかいうだけのことでは、いわゆる
被疑
事実を疑うに足るべき
判断
をなすに足る
資料
というものが全然ないのであるから、
裁判所
ではそれは分りにくいから、あるだけの
資料
を出してくれということを求めた結果として、当時
資料
を出したから
逮捕状
を出したんだ。
とこ
ろがその一週間経たない二月の十三日に再び
大久保檢事
から
天野判事
に対して同様な書き方をして
逮捕状
の
請求
をいたしたのであります。そこで
天野判事
は
電話
を以て
大久保檢事
に対して、これは前回も私の方で御注意申上げたのであるが、何らの
資料
なくして
令状
を出せということは
裁判所
としては
判断
に困るということで、
手許
に
資料
があるのであるならばこの際
一つ
出して貰いたいということを
電話
で以て
大久保檢事
に求めました
とこ
ろが、
大久保檢事
はその
申出
に対して曰く、
逮捕状
の
請求
にはこれだけで十分だと、何を言つとる、この
馬鹿野郎
と、こういう
よう
な
言葉
を以て應酬したということにな
つて
おります。それから、それならば
裁判所
としては
逮捕状
を出していいか分らないから、この
程度
では出すことができないということで、
逮捕状
の
発付
を拒絶した。そうした
とこ
ろが時を移さず
大久保檢事
は、当時
浜松檢事局
に
新聞記者
を六名招集いたしまして、
重要発表
があるから集
つて
くれということで招集して、六名の
新聞記者
に対して、
天野判事
が
禁綿事件
に対して
逮捕状
の
発付
を
理由
なく拒絶した、
天野判事
はわれわれの持つ
搜査権
を妨害するのだということで以て、極めて激越なる
言葉
が
発表
されまして、当時
靜岡
を中心といたしまする各
新聞
には特筆大書してこの問題が提供されたのであります。この点につきまして先般
天野判事
の
彈劾裁判
におきまして、
天野判事外関係
の
方々
の全部の方に証人として御
出廷
を
願つて
、親しくこの事実を
取調
べいたしたのであります、その結果によりますれば、多少
言葉
の相違はございましたが、確かに
新聞社
に当時さ
よう
な
発表
をしたことは間違いない、のみならずわれわれの理念においては、
逮捕状
の
発付
の然るべきや
否や
ということは、
檢事
において
判断
すべきものであ
つて
、
裁判所
は未だ
裁判
に至らざる前においてさ
よう
なことを
判断
する資格はないのだ。であるから
檢事
は
責任
を以て
逮捕状
を
請求
したならば、
裁判所
はそれに対してはそのまま
逮捕状
を
発付
して貰わなければいけないというふうに
自分
らとしては解釈しておる。こういうふうに実は
証言
があ
つたの
であります。そこで当時のやはり
関係者
でありましたる國又
上席檢事並びに靜岡
の
地方裁判所
の
檢事正
、この御両君もやはり
出廷
をして頂いてこの点に対する
証言
を求めました
とこ
ろが、甚だ曖昧なる
証言
でありました。時にはあるだけの
資料
を出して
裁判所
に
令状
を求むべきであると答えたるがごとくありまするが、一面におきましては
搜査権
は
檢事
にあるのであるから、必要なる疑うに足るべき事実ありや
否や
の
判断
は
檢事
の
責任
においてなすのであるという
よう
なことで以て、非常に曖昧なことで以てそのときは終
つて
おります。私は部下を庇う立場にありまする上司としては情において尤もなことだとは思いましたけれども、甚だその
証言
が曖昧に終
つて
おります。そこでその後
最高裁判所
の
規則
が
制定発布
になりまして、すでに百四十三條において、かかる場合においてもあるだけの
資料
を提出して
裁判所
に
令状
を
請求
しなければならんことにな
つたの
でありますから、もはや今日におきましては何らの疑問はございません。が併しその当時としましては、ただ
刑訴
の百九十九條にありましただけでありましたがために、やはりそういうふうなまちまちなる解釈をしてお
つたの
ではなかろうか。のみならず当時の
天野判事
を
裁判
に関しましては、そうした
よう
なことが非常に感情的に激化いたしまして、
天田判事
が「するめ」の
闇事件
に恰も
被疑関係
を持ち、そうして而も何らかその間甚だ暗い影のあるごとく傳えられまして、その後現職にあられましたる
天野判事
に対して静岡の
地方裁判所
の方の
檢事局
から三回に
亘つて召喚状
を出しております。或いは又
天野判事
のお宅は遠いために、ときによりますると途中で遅くなりますると泊りまする宿屋の女中までも調べました。私ども
天野判事
の
責任
を追及しておりましたのでありまするから、極めて公正にその点に対しまする
判断
はいたしたのでありまするが、
如何
にしてもその
態度
は甚だ面白からざるものであると感じたのであります。更にこの
檢事局
が
苟くも犯罪
の
搜査
の半ばにありまするいわゆる
被疑者
の
逮捕
、その前に当
つて裁判所
に
逮捕状
を求めたに拘らず、
裁判所
はそれを拒絶して
逮捕
を妨害するという
よう
なことを堂々と
新聞記者
に
発表
いたしまして、
裁判所
対
檢事局
との間において
新聞
を通じて感情の激化しておりまする事実を天下にさらしまする
とこ
は、
如何
にしても穏当ならざるものではなかろうかと当時
考え
たのでありまするが、この点に対しましては或いは
法務総裁
はお
手許
においていまだ御承知ないと思います。さ
よう
な経緯がございまして、一切の
関係書類
は
彈劾裁判所
において各
関係者
の
速記録等
もございます。私が概要を今申し述べたのでありまするが、そうした
搜査途上
にありまする場合において、
新聞記者
に
檢事
が
逮捕状拒絶
の事実などというものを
発表
いたしまするが如き
態度
は、
檢事
として果して適当なる行動とお認めになりまするかどうか。尚この点に対しまして特に
一つ愼重
に御
調査
を
願つて
、然るべき御
処置
を
監督者
としておとりになることが適当でないかと存じます。 この点お伺いしたいと思います。
殖田俊吉
20
○
國務大臣
(
殖田俊吉
君)
令状請求
に当りまして十分な
資料
を添付しなか
つた
。これは
從來
の
檢察廳
の取扱からいたしましても間違いでありまして、
事務当局
に聞きました
とこ
ろによりますれば、常々これは注意してあることであるのであります。併しながら未だ不徹底であると見えますので、今後は
訓令等
によりましてこの点を明らかにいたしたいと思います。尚
只今お話
の当該
檢事
の取りました
処置
は決して穏当ではございません。甚だしく常軌を逸した
処置
と
考え
ます。よく
取調
べまして
嚴重
に戒飭を加えたいと
考え
ます。
大野幸一
21
○
大野幸一
君
只今法務総裁
の御
答弁
のうちに、よくその
趣旨
を徹底せしめて
訓令等
により万遺憾なきを期せしめると、こういう御
答弁
がありましたが、これは常に本
委員会
において
委員
の
質問
に対する
常套語
であるのではないかと、私はか
よう
に
考え
るのであります。そこで若しそういうことにおいて一時的に我々の
質問
から逃れられて大変なことが起きると、こういうことがあるのでありますが、若しそういう事実があ
つた
ときに、一体ここで
答弁
をせられた
政府委員
はそれに対して
責任
を負われるかどうかということであります。
法務総裁
のみならず各
責任者
として我々議員に約束されたことは
責任
を負われるかどうかということを私は第一点に聞いて置きます。その次に若しその
訓令
を出されたにも拘らずその
訓令
の
趣旨
に相反する
よう
な誤
つた
る
行爲
を
下級第一線
にある
檢事
がなしたときに対しては、これはどういう御
処置
をされるかされないか、こういうことを第二点に聞いて置きたいと思うのであります。 第三点は
連続犯
の問題でありまして、これは更に立法の
趣旨
を一層明確ならしめるために御
答弁
を
願つて
置きたいと思うのであります。 三点とも相関連する事実でありますから、具体的事実を挙げまして
質問
いたしたいと思うのですが、先月二十五六日に私が郷里の
岐阜縣
に帰
つて
おりますると、
新聞
を賑わしておる
事件
が
一つ
あるのであります。近頃は
裁判
は常に
民衆
の耳目の対象となることが多いのであります。今までは
裁判
に対して
民衆
はそれ程
関心
を持たなか
つたの
であります。
專門家
のやることは
專門家
に任して置け、その
是非判断
はやつ
とこ弁護士
がすべきことだというので、他人事の
よう
に思
つて
いたのが、
最高裁判所
の
裁判
官といえども総選挙に当
つて
は
罷免
をするか
罷免
をしないかの
投票権
がある、こういうことが
國民
に段々分
つて
來まして、常に
裁判
に対してもその
裁判所
が適当であるか、適当でないかは
裁判
の判例においてこれは
國民
が注目しておるのであります。まして先程
法務総裁
も言われました
よう
な
檢事
に対する
一つ
の
監査機関
という
よう
なものも設けられてお
つて
、
檢事
がその
処置
よろしきや否かは我々
法務委員
とか、或いはまたその衝に当る者のみならず全
國民
が注視をしているのであります。そこで、こういう
事案
が先程申上げました日時に起きた。それは
連続犯
についての
窃盗事件
であ
つて
、
檢事
は大部分の事実について
起訴
いたしまして、そこで少しの。後に
残つた窃盗事件
については
起訴
を保留にしてお
つたの
であります。申上げて置きますが、最初からその
事件
は全部
被疑者
の
果供
によ
つて明
かにな
つて
いたのであります。そうして一部の
起訴
を求めて
裁判所
に送りまして、公判の結果
執行猶予
にな
つた
という
事件
であります。
とこ
ろが
檢事
は
執行猶予
にな
つたの
は甚だ面白くなか
つたの
でし
よう
。次に残
つて
いたいわゆる
連続犯
の一部について追
起訴
もいたしました。
裁判所
は前の
事件
が
執行猶予
で確定してしま
つて
おるから、旧
刑法
ならば当然問題にならないのですけれども、新
刑法
においてはこれを採上げなければならない。そこで
裁判所
は一ケ月に
懲役
を科した。
考え
て見ますならば、一ケ月の
懲役
ということで、その
事件
が
如何
に軽微な
事件
であ
つた
か想像できると思います。そこで一ケ月の
懲役
を受けるために前の
執行猶予
は取消さなければならない。こういう
事案
が起きたのであります。当時
新聞紙上
に
裁判長
の談といたしまして、こういうことは非常に氣の毒であるということが載
つて
いたのであります。
檢事正
か
次席檢事
か私今記憶がありませんが、二人のうちの一人の談といたしまして、これは
法律
にそうな
つて
おるのであるから
差支
ない、こういうことが載
つて
おりました。私は甚だ不満でありました。と申しまするのは、
刑法
が改正されるときに、本
委員会
におきまして、こういう
内容
の
質疑應答
が行われておるのであります。
連続犯
を廃止する
所以
のものは、当時理論的ないろいろな問題もありましたでし
よう
。併しながら我々がこれに承諾を與えてここで可決した
所以
のものは、何と
言つて
も警察官が足りない、そこで十日間の
勾留期間
では、一部の
犯罪
事実は
挙つて
も、その後に大きい事実が
挙つた
場合にどうにもし
よう
がない、
勾留期間
が減縮されて
搜査方針
が
嚴重
にな
つた
にもかかわらず、又その半面において大きな
犯罪
を見逃すことは困る、その例に、
窃盗
と
強盗
とが
連続犯
と認められておるが、前に
窃盗罪
が
挙つて
後から
強盗罪
が
挙つた
場合に非常に不権衡であるからという例を常に出されて
我我
をして説得せしめられたのであります。そもそも
犯罪
が犯された以上は、それを
搜査
するのは
國民
の義務である、
被疑者
、
被告人
に供述を強いるという
よう
なことは
國民
に対して無理なことをせしめておるのではないか、その
証拠
には、今度の
刑事訴訟法
において默祕権を與えておるのもその論拠とするに足りると思うのであります。これは
速記録
をまだよく見ませんが、或は
速記録
になか
つた
かもわかりません。あの当時しばしば
速記者
の不足によりまして
速記
なしで
質疑應答
が行われたことがありますから、
速記録
にあるかないかは知りませんが、併しその片鱗は
速記録
にも現われておりまし
よう
。私の記憶する
答弁
の中に、私の、若し
檢事
が殊更に次のことを
考え
て一部について
起訴
をし、その後に更に追
起訴
をする
よう
なことがあるならば、
被告人
に対して苛酷ではないかという
質問
に対して、時の
國宗
さんであ
つた
か、その外の人であ
つた
か知りませんが、いや、そういう非常識なことは絶対にありません。よくその点は
運営上注意
をいたしまして
訓令
を出しますという
意味
のことがありました。私もその当時
國宗
さんの言われたことに全く賛成いたしました。というのはそういう非常識なことは全く
考え
られないということであります。
とこ
ろが現に起きて來る
とこ
ろ先程説明いたしました
事件
におきましてはその非常識が現実とな
つて
現われておるのであります。而も
檢察
の長にあるべき人が
法律
にあるから止むを得ない
とこ
ういうことであります。こういう点について我々がしばしば……
只今
の
よう
な
法務総裁
の
訓令
を出します、万遺憾無きを期しますということに対して、もう信用ができなくなります。どうかこの点について具体的の
事案
を
一つ
、岐阜
檢察廳
に対しても照会されまして御
処置
が願いたいと思うのであります。以上の例を以ちまして三点について私が御
質問
をした
所以
でございます。
殖田俊吉
22
○
國務大臣
(
殖田俊吉
君)
檢察廳
はよく事情を
調査
してその上で善処すると、或いは
訓令
を出すと言うが一向その事実がないではないかという
お話
でありますが、そういうこともあ
つた
かと思います。ありましたら甚だ恐縮に存じまするが、この度はすでに
事務当局
とも相談をいたしまして直ちに
訓令
を実は起案をしておる
よう
な次第であります。今度はそういう申上げましたことに違背する
よう
なことは決していたさないつもりであります。勿論事情が変化いたしまして違
つた
解釈をとり、或いは違
つた
決定もしなければならん
よう
なこともあるかも知れませんが、そのときに改めてはつきりと申上げることができると思います。
只今
の
お話
の
連続犯
の問題でありまするが、これは伺います通りであるとすれば、誠に遺憾なことでありまして、今の
お話
の如く立法当時からその問題があ
つて
、そういうことは運用によ
つて
よろしきを得る。御心配の
よう
なことは絶無を期するということであ
つたの
だそうであります。然るにその
趣旨
が不徹底のためにときどき地方の
檢察廳
におきまして、か
よう
なことが行われるそうであります。私は今日初めて伺
つたの
でありまするが、これは甚だ遺憾なことでありますので、直ちに岐阜の
事件
につきまして事情を
取調
べました上で、これこそ本当に善処いたしますると共に、一般的に各
檢察廳
に対しましても注意をいたしたいと
考え
ております。 それから又この
訓令等
を重視せずして勝手に行動いたします者に対しましては、それぞれ適当なる解釈の途を講じたいと
考え
ております。
伊藤修
23
○
委員長
(
伊藤修
君) 他に御
質問
ございませんか。ではこれを以て本日は散会いたします。 午後四時四分散会 出席者は左の通り。
委員長
伊藤 修君 理事 鬼丸 義齊君 岡部 常君
委員
大野 幸一君 齋 武雄君 鈴木 安孝君 岩木 哲夫君 深川タマヱ君 來馬 琢道君
國務大臣
國 務 大 臣 殖田 俊吉君
政府委員
檢 務 長 官 木内 曾益君