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1949-10-24 第5回国会 参議院 文部委員会 閉会後第14号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十月二十四日(月曜日)    午前十一時一分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○教育文化施設及び文化財保護に関す  る一般調査の件   —————————————
  2. 田中耕太郎

    委員長田中耕太郎君) それでは今日の委員会開会いたします。開会に至りました趣旨は、御承知のように、教育委員会施設及び文化財保護に関する一般調査閉会中における継続審査なつております。その経過を今日御報告を申し上げ又御承認頂きたいと存ずる次第でございます。  閉会中におきましては、委員会を開きましたこと十三回に及んでおります。第一回は文教審議会及び定員定額制の問題につきまして、継続調査の今後の方針につきまして協議いたしました。第二回は教育宗教及び文化関係施設租税減免措置につきまして協議いたしました。第三回は教員免許状定員定額の問題につきまして、懇談をいたしました。第四回は文化財保護法案立案につきまして協議いたしました。尚六・三制の実態定員及び定額制問題につきましても審議をいたしました。第五回は六・三制補正予算定員定額制の問題につきまして審議をいたしました。尚文化財保護法立案のことにつきましても引続いて協議をいたしました。第六回は文化財保護に関し衆議院文部委員会との交渉の結果を聽きました。尚六・三制補正予算法隆寺五重の塔心礎空洞について説明を聽取いたしました。第七回は六・三制補正予算尾瀬ケ原定員定額について、文部大臣から説明を聽取いたしました。第八回は尾瀬ケ原開発計画文化財、これは文化財保存立場から中井科学博物館長説明を聽取いたしました。尚年齢の唱え方に関する法律実施以後の食糧配給基準量についても当局説明を聽取いたしました。第九回は六・三制補正予算定員定額制問題並びに法隆寺五重の塔心礎空洞調査の件につきまして審議いたしました。第十回は六・三制補正予算の件につきまして当局に種々の質疑をいたしました。第十一回は大学及び地方教育事業につきまして当局から説明を聽取いたしました。第十二回は文化財保護法案修正要綱につきまして專門員から説明を聽取いたしました。第十三回は六・三制補正予算大学教授の政治活動禁止問題につきまして当局意見を求めたのでございます。詳しいことは速記を大体つけてありましたのでその速記に讓ることにいたしまして、主な問題につきまして補足的に御説明を申上げます。  先ず定員定額制に関する件でございますが、昭和二十四年七月六日附を以て地方自治庁次長から各都道府縣知事宛に「義務教育に從事する教員定員及び給與定額等について」のという通牒が発せられました。同通牒中に用いられておりまする整理云々字句並びに地方財政法第二條、第二十九條の適用は、義務教育に從事する教員に対し直ちに重大なる影響を及ぼす結果となり、地方教育界に不安と動搖を與える由々しき問題であると認めらるるために、本委員会におきましてはしばしば委員会を開きまして、自治庁当局に対し該通牒の撤回又は緩和措置を講ずるよう要求すると共に、文部当局には該通牒措置に当りましては十分な考慮を拂うように要望いたのであります。これに対して文部大臣並びに政務次官は、実際的には通牒に現われている文字通りの実行がなされないような措置をとるように折衝すると確答いたしました。自治庁政務次官並びに次官から整理云々字句は決して出血等意味するものではないということ、当委員会要望に対しましてその趣旨に副うべく努力する旨の答弁がございました。  次に六・三制補正予算に関する件でございますが、六・三制完全実施に関する決議は去る第五國会において採択されまして、國民の等しく渇望しているところでございます。本件につきまして、当委員会におきましては北海道並びに中國地方に議員を派遣して、その実情調査を行いますと共に、前後数回に亘つて委員会を開催し、文部当局提出資料、六・三制校舍不足実態校舍建設緊急性、及び六・三制予算問題経過の大要、その解決策等調査審議いたしました。臨時國会提出補正予算並びに昭和二十五年度予算内容愼重に檢討いたしました。六・三制実施に当りまして教育上絶対に必要な基準面積並びに現在面積に鑑みまして、義務教育は國の將來を左右する重大問題であるから、その完全実施の処置をとることを緊急に講ずべきであり、なかんずく校舍の建設と教員待遇改善福利施設完遂等については、更に十分な考慮を廻らすよう関係当局に対して強く要望いたしました。これに対し大藏当局経済安定本部の各関係官文部大臣並びに政務次官からそれぞれ要望趣旨の副うべく十分の努力を拂う旨の答弁がございました。  次に教育文化宗教関係租税減免説明に関する件でございますが、本件につきましては、別紙教育文化宗教関係租税調査をいたしまして、これに基いて別紙覚書委員長名義シャウプ使節團に提出いたしまして、租税減免要望いたしますと共に、文部省を通じて極く詳細な説明を行わしめ、尚大藏省地方自治庁へも該調査書を交付いたしまして、租税減免に関する適正な措置を講ずるように要望いたしました。  次に昭和二十五年度教育予算に関する件でございますが、昭和二十五年度教育予算は三百八十三億七千万円として計上されておりまして、次の通常國会に提出せられることになりました。本件につきまして、当委員会におきましては文部省大藏省並びに経済安定本部関係官から詳細の内容説明を聽取し調査いたしまして、数次に亘つて愼重な檢討審議した上、六・三制完全実施の徹底、教員福祉厚生施設完備等の実現につきまして強く要望いたしたのでございます。これに対しまして、文部大臣政務次官並びに関係各少係官から、右の説明を体して十分考慮する旨の確答を得ましたのでございます。  最後に文化財保護法審議でございますが、これにつきましては專門員の方で十分研究をいたしまして、取敢ず文化財保護法案修正要綱を作成いたしました。これは皆樣のお手許に配付してあることと存じます。尚これにつきましては、やはり專門員室におきまして條文の起草までいたしておるような次第でございます。これはまだ印刷ができませんので、でき上りましたら直ちに御配付申上げたいと存じておる次第でございます。尚御承知のように閉会中におきまして衆議院でも要綱を作成されてこちらに送付相成つたのでございますが、併し参議院專門員の方で作成しましたところの案は、衆議院の案を特に考慮に入れて作成したものではございませんので、こちらといたしましては継続審査なつておる関係上、参議院独自の立場から一應案を作成したということになつておるのでございまして、衆議院の案に対して異なる見解を立てたというような意味は全然ないのでございます。この点は御了承をお願いいたして置く次第でございます。  何か今まで御報告を申上げました点につきまして御質問ございませんか。
  3. 三島通陽

    三島通陽君 先般委員長衆議院の原委員長でしたかにお会いになつたように承わつておりますが、何かその点でお話がございましたら……、速記は若し必要があればお止め下つても結構です。
  4. 田中耕太郎

    委員長田中耕太郎君) 速記を止めて下さい。    〔速記中止
  5. 田中耕太郎

    委員長田中耕太郎君) 速記を始めて下さい。
  6. 三島通陽

    三島通陽君 先般私が欠席したときのことでございますが、地方に出張いたしておりましてその出張先ラジオを聽きました。そうすると、それには、参議院文化財保護法に対する意見衆議院意見とが対立をしてしまつたというようなことの放送がありまして、丁度その席に衆議院文部委員の方も一二おられまして、その放送大変心配をしておられました。参議院がどういう意見を持つておられるのであろうか、どういうように対立したのであろうかというようなことを大変苦にしておられまして、私も亦どういうふうになつたかと思つて大変心配をいたしました。ところが帰つて見ますとそれが何か間違いであつたようでありますが、この点ここで速記にはつきりして置いた方がいいんじやないかと思いますので、若し委員長からでも或は專門員の方からでもよろしうございますから、一應何かそれにつきましてお話が伺えたら伺わして頂きたいと思います。
  7. 田中耕太郎

    委員長田中耕太郎君) 実は私としてラジオ放送の件は全然存じませんでしたが、若しそういう放送があつて多少でも世間一般誤解を生ずるというようなことになつたとするならば甚だこれは遺憾なことであると存じます。
  8. 竹内敏夫

    專門員竹内敏夫君) 先般本委員会におきまして、文化財保護法案修正要綱を御説明いたしましたときに、丁度新聞記者の方が二三おいでになりまして、その節この参議院で作りました修正案要綱は、依然として前の第五國会に提出いたしました法案を基礎として、そうして一般の輿論を参酌して修正したものでございまして、別にそれ以上何らの意味はなかつたわけなんでございますけれども、それを説明を聞いていました新聞記者の方が、或は別に衆議院案について何らの訂正或は発言もなかつたということから、そこにあくまで参議院案というものを突張るというふうに誤解されたんではないかと思います。單に我々はこの継続審査におきまして、前の法案を完備してそれを完成するということが継続調査の一つの項目になつておりましたから、それだけをやりましたのでございまして、それ以外に何らの他意はなかつたわけなんでございます。その点全く誤解じやないかと思つております。これは衆議院專門員室におきましても、或いは法制局におきましてもこれは全く誤解であるということは、先日我々とも会いました席上においてそれを確言いたしておりますからその点は全然誤りがないことだと思つております。
  9. 田中耕太郎

    委員長田中耕太郎君) ではさよう御承知置きを願います。別にそれ以外に御発言ございませんか……それでは別に御異議がございませんければ報告書を提出しなければならないことになつておりますので、と申しますのは昭和二十四年五月十九日付で教育文化施説及び文化財保護に関する一般調査承認要求書を出しております。それに対しまして報告書を提出しなければならないことになつております。でこの報告書内容につきましては委員長に御一任を願いたいと存じますが如何でございましよう。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 田中耕太郎

    委員長田中耕太郎君) それでは御異議ないものと認めます。それでは本院規則第七十二條によりまして、委員長が議院に提出する報告書に多数意見者署名をすることになつておりますから、報告書に対して御賛成になる方は順次御署名をお願いいたします。  多数意見者署名     木内キヤウ  松野 喜内     三島 通陽  山本 勇造     岩間 正男  河野 正夫     大隈 信幸
  11. 田中耕太郎

    委員長田中耕太郎君) それでは今日の委員会はこれで以て閉会いたします。    午前十一時二十三分散会  出席者は左の通り。    委員長     田中耕太郎君    理事            松野 喜内君            木内キヤウ君            岩間 正男君    委員            大隈 信幸君            高良 とみ君            河野 正夫君            堀越 儀郎君            三島 通陽君            山本 勇造君    常任委員会專門    員       竹内 敏夫