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説明員(佐藤清美君)
只今御紹介を頂きました佐藤でございます。年齡の数え方につきましては、先程來御
説明がありますように、
法律が制定されまして、來年の一月一日から施行になる。それに伴いまして
安定本部では
食糧の需給
計画というものを立てておりますが、その場合に一般消費者に対してどういう基準で
配給するかということが
基本になりますから、一應案を作りまして、
安定本部内にあります國民
食糧及び営養対策審議会という所に一應諮問いたしました。その結果
一つの案が纏まりまして、それを
関係方面とも連絡をいたしまして、九月五日の閣議で決定をいたして発表をしたような次第であります。その内容につきまして、若干の御
説明を申上げて見ますと、現在主食の
配給をしておりますのは数え年で区切りまして、おのおのブロツクを作
つて基準量と決定しております。その例を申上げて見ますと、数え年で一——二歳の者が二一〇グラム、或いは成年層でありますれば、二十六歳から六十歳までが三八五グラム、この三八五グラムというのが一般に言われております二合七勺に
相当するわけであります。ところが來年一月一日から、この数え年というものがなくなりまして、全部満
年齢になるということになりますと、
年齢による数量というものが数え年と満齢と
相当変
つて参るのであります。実は
食糧の需給
計画は御存じでもありますように、アメリカから
相当の不足量を補填して頂いております
関係もありまして、本年の七月から來年の六月までに大体二五〇万トンの輸入をするということに大体話が付いておるわけであります。ところが満
年齢に結局切換えることによ
つて、主食の所要量が変
つて來るということになりますと、輸入量にも影響して來るということから、現在の数え年の場合と満
年齢に切替えた後におきましての所要量というものに差のないようにするということを第一の眼目にいたしまして、審議して見たのであります。結局数え年を満
年齢に切替えますと、個々の個人々々につきましてはいろいろ差がありますが、
平均いたして見ますと、大体一年半呼び
年齢というものが若くなるということが大体出て來るのであります。そういたしますと、現在の数え年の
年齢区分を一年半だけ若くした、数え名を小さくしたのに基準量を当嵌めて行けばいいのじやないかという議論も出ますが、一年半という区分については現実に仕事をする場合にいろいろ問題がありますから、一應満
年齢に
なつた場合にも五歳から八歳とか、或いは九歳から十三歳というように、満
年齢に
なつた場合にも同樣に行きたいという
考えでいろいろ案も練
つて來たのであります。
最初に
考えられますのは、現在の一——二歳というグループ、即ち二百十グラムを貰
つておる者の適用を、満
年齢後には零歳と一歳の者に二百十グラムを適用する。それから現在三——五歳が二百七十グラムを貰
つております。これも一年若くいたしまして、三——五歳を一年ずつ若くしまして、満
年齢にしまして、二——四歳の人が二百七十グラムを貰う。この区分の仕方が一年ずつ呼名を若くして満
年齢にするということが一應
考えられるのであります。そういたしますと、先程申上げましたように、一年半呼名が若くなるのに対して一年だけということになりますと、
食糧廳の方が
食糧を
配給する場合の数量は当初
考えておつた数量だけ要らなくなる。大体三万二千トン
程度所要量が減るという結果になるのであります。ですからそれを逆に申上げますと、
配給を受ける國民の方は三万二千トンだけ少い
配給より受けられないという
関係にな
つて参ります。そこで各
年齢が必要とするカロリー量、それに対しまして主食で
配給する量、即ち充足率等を
考えまして、どのグループが最も不足を感じておるかということをいろいろ吟味いたしまして、大体次のように決定をいたしたのであります。現在一——二歳が二百十グラムというのを、満
年齢になりましてからは零齢と一歳の人が二百十グラムを貰う。次が三——五歳が現在二百七十グラムを貰
つておりますが、満
年齢になりました場合には二歳——四歳の人が二百七十グラムを貰うということに下の方はいたしまして、次の六歳から十歳までが現在三百二十グラムを貰
つておるのであります。それを五歳から八歳が三百二十グラム貰う。即ち一歳ずつ若くいたしますれば、五歳から九歳ということになりますが、それを五歳から八歳の人が三百二十グラムを貰う。このグループの人の充足割合等を
考えまして、二年だけ呼名を若くするということをここで
考えたのであります。次が現在十一歳から十五歳までが四百グラムを貰
つておるのを、九歳から十三歳までいずれも二歳ずつ若くな
つておりますが、九歳から十三歳までの人が四百グラムを貰うということにいたしたのであります。次が十六歳から二十五歳までが四百五グラム貰
つておるのを、十四歳から二十四歳の人が四百五グラム。次が我々成人でありますが、二十六歳から六十歳が三百八十五グラム貰
つておりますのを、満
年齢に
なつた場合には二十五歳から五十九歳、これは一年ずつ若くなるだけでありますが、二十五歳から五十九歳の人が三百八十五グラム貰う。老人の方は六十一歳以上が三百三十貰
つておるのを、六十歳以上ということにいたしますると、大体現行の数え年で
配給した場合と所要量は殆んど差がないという結果にな
つて現われて來るのであります。先程御
説明いたしました一年半若くなるということがどうもはつきりしないというようなこともありましたから、一應例を取
つて申上げて見ますと、二十三年、即ち昨年の一月に生れた人が來年一月一日、即ち満
年齢に切替えられるときと、現行
通り数え年で行く場合との双方を比較して見ますと、二十三年の一月に生れた人は、二十五年の一月になれば数え年は当然三歳になるのであります。それが満
年齢で取りますと、二十三年の一月一日から二十五年の一月一日であれば、同じく満
年齢は二歳になるということになります。両極端を行きまして、二十三年の十二月三十一日に生れた人は、二十五年の一月一日で同じくやはり数え年であれば三歳である。ですけれども満
年齢の方で行きますと、二十三年の十二月に生れた人は二十五年の一月では一歳と一カ月というようなことになりまして、月によりまして満
年齢になることによ
つて損をする
程度が非常に差があるということがはつきり分
つて來るのであります。以上申上げましたのを
平均をいたして見ますと、一月一日で計算をいたしますと、二歳だけ呼名が若くなる。一月一日の人だけは満
年齢に
なつた場合に二歳という満
年齢でありますが、それが一月二日以降になりますと、一歳と十一ケ月幾日というようなことになりまして、殆んど大部分は二歳若くなるということになるのであります。それを七月一日で計算をいたして見ますと、十二月の人と一月の人と
平均いたしますと、一歳半若くなる、二十五年の十二月末で行きますと一歳若くなる。これを各月にやりましても同樣ですが、これを
平均いたしますと一歳半若くなるということが了解して頂けると思います。