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1949-09-12 第5回国会 参議院 文部委員会 閉会後第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年九月十二日(月曜日)    午前十時五十七分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○教育文化施設及び文化財保護に関す  る一般調査の件  (文化財保護・六・三制補正予算並  びに法隆寺問題の件)   —————————————
  2. 岩間正男

    理事岩間正男君) それでは只今から文部委員会を開会いたします。  最初文化財保護法の問題について今までの交渉経過報告をお願いいたします。
  3. 三島通陽

    三島通陽君 先般衆議院におきまして、文化財保護法研究が始められたということでございまして、そこで本院の文部委員会から特に大隈委員鈴木委員が行かれまして、いろいろ懇談をしてお帰りになりました。その第二回が八日に再び衆議院側で開かれるということになりまして、田中委員長と、それから私が本院の文部委員会の代表というような形で参りました。その外遅れて松野委員の來られましたし、高良委員も來られましたが、先にお帰りなつたようであります。その席上で先ず問題になりましたことは、この前両委員が見えましてのお話で、衆議院におきましては、文化財保護法を独自の考え方で出すということで、参議院はこれにできるだけの應援をしよう、両院共同提案というようなことはどうもこの二院制度存在理由かに言つて疑議がある、だから衆議院の方から今回は出すことにして、参議院がそれにできるだけの協力をして貰いたいというようなお話があつたから、それを再確認してよろしいかというようなことが第一に問題になりました。そこで私の方から申しましたことは、勿論衆議院がこの文化財保護法を今回御研究になつて提出される、参議院といたしましてはそれに何ら異議を差挾むべきものでもなければ、又我々といたしましても喜んでこれに協力をいたすものであります。ただいわゆる共同提案というようなものに二院制度存在理由からいつて疑義があるから、これは今回のは共同提案にしないということを最初から決めてしまうということは暫く保留して頂きたいということを申したのであります。と申しますのは勿論この二院が存在する以上、それぞれの院でそれぞれの独自の考え法律案を出すということが、根本的には建前であります。けれども、この文化財保護法というようなもの、或いは図書館法というようなものは、そう政党の間で意見が違うものでもなし、又参議院衆議院においてもそんなに意見が違うものでもない。そういうようなものは、いわゆる共同提案というようなものがあつたつてそんなに不思議ではないし、又それが二院制度存在理由に違うものでもないではありませんか、又文化財保護法を前に参議院から提出しようとしたときに、衆議院の方からそれは共同提案にして欲しいという申出があつたことは皆さんも御承知通りであつて、今度衆議院の方で提案されるというときに、参議院から共同提案にして貰いたいというようなことがあつた場合に、それは二院制度の意義に反すると言つてお断りになるのは少しどうも不思議なように思われる、又前例もあることでありますから、とにかくこの法律案というものが或る程度研究をお互いにして見て、参議院のできるだけ協力いたします、或る程度歩いて見て、その上でお決めになつたからいいじやありませんか、ここで以て共同提案にしないということを確認されない方がいいじやありませんかということを私から申しましたところが、皆さんがそれに賛成だ、もう少し研究してから決めることにしようということに相成りました。これが一つの問題であつたと思います。その他大体において、文化財保護法案は以前参議院で皆樣が御研究下すつて、そうして提案されました文化財保護法と余り違つたところがないのであります。いろいろ皆さんの御意見伺つておりましても、殆んど三分の二以上は本院の提出したものと変りがないということであります。ただ一番大きな問題は、今回の衆議院文化財保護法案の中には天然記念物が包含されているということであります。これにつきまして、私からも申したのでございますけれども、一体文化という言葉をどういうふうにお考えになるのでありますか、文化という言葉の中にサイエンスというものを含めてお考えになるのでありますか、或いは文化財というものをクルツールと言いますか、人の手の加わつた創作的の意味、藝術的な意味というふうにお考えになるのでありますか、参議院の方の考えは大部分が文化という言葉を人の手の加わつた文化クルツールという意味に解している、これが大体今の社会通念ではないかと思われるのでありますが、若し「さんしよう」魚というような天然記念物というものを包含するというのであれば、それはもつと廣い事味サイエンスというものをインクルードしたものというようにお考えになつてのことでありますか、そこをはつきりして頂きたいと申しましたところが、そこは皆さん衆議院方々はまだ考えていないので、これから一つ考えて見ようということでありました。その次は向うから出て質問として、文化財という財という言葉だが、英語で言うグツズという意味考えられる、グツズという意味は、物であつて、目に見えないグツズというものはあり得ないと、こう言うのです。だから無形文化財というものは財という言葉が不思議に思われるのだけれども、参議院の方はどう考えているかと言われました。そこで田中委員長お答えになつたのであります。無形のものでも財という観念は法律的には成立し得るのじやないか。例えばその一番いい例は著作権だ、著作権は目に見えないけれどもあれは一つ財産権である。こういうものが法律的には今までにもはつきりしてあるのだから、目に見えない文化財という財があり得るということを言われました。それに対してはまあそうかということであつて、その後はもう問題にならなかつたようであります。大体そんなことであります。ただ委員制文部省にするか内閣にするか或いは國会に持つて來るか、國会図書館に持つて來るという案は余り皆さん賛成がなかつたようであります。ただ文部省に持つて行つた場合に一体内閣が変る度に内閣考え方で左右されるというようなことは面白くないから、そういう意味國会図書館というような所に置いたらどうかという意見も成立し得るのじやないかということを言われた方が一人おりました。併しさりとてそれでも國会図書館というのはおかしいので、何かいい考えはないか、そこで参議院の方では、文部省の中にはあるけれども、文部省の外局として一々の内閣意見に左右されないという考え方で我々が作つたという意味を御説明申しましたところが、まあそんなところでよかろうというようなことで、大体文部省案というものが一番多樣のようでありました。まあそんなことだつたと思いますが、まだ何かありましたら申上げることにいたしまして、とにかく衆議院といたしましては、文化財保護法案というものを作つて見ようということになりまして、どんなにお直しになつてもいいから委員長責任において作つて見ます、そこで参議院もできるだけ應援をして頂いて、殊に参議院としては二年間もこの問題については御研究に相成つて今日まで來ておるのであるから、皆さんで代る代る來て一つ十分お智慧を拜借したいし、又そのできたものは参議院に一々お廻しして御意見伺つてつて行きたい、その間に共同提案というような空氣になつて來ればそのときは考慮しようし、又單独にやつた方がいいというような空氣になつて來ればそういうようにいたそうというようなことでお別れして來ました。以上が大体先般八日に衆議院におきまして、文化財保護法案についての協議をいたして参りました報告のあらましでありますが、御質問があればお答えいたします。
  4. 岩間正男

    理事岩間正男君) 只今三島委員報告について御質問がございましたら……。
  5. 河野正夫

    河野正夫君 懇談の際でもいいですけれども、それで今後は連絡をどうするかというような話合いはなかつたのですか。
  6. 三島通陽

    三島通陽君 あちらで文化財保護法案をとにかくつて見る、それについて一々委員会をやるときにこちらにもお知らせして、できるだけ懇談の形で出い頂いて、そうして向うの案も参議院の方で御意見を伺わして頂きたい、御意見を十分に加えて行きたい。その上で両方両院提案にするか、單独提案にするかはおのずから決つて來るのじやないかというような空氣があつたように思います。
  7. 岩間正男

    理事岩間正男君) 外にありませんか。
  8. 河野正夫

    河野正夫君 その御説明でよく分りました。それから連絡の労を感謝いたします。そこで今のようなお話ですと、後で衆議院の方から委員会なら委員会に出て貰いたいというような場合に、こちら側の小委員みたいなものをやはり決めて置く必要があるのじやないか、その意味で私の考え方では今までに交渉に当られた方で結構だと思いますが、とにかくそういう方にお願いして、本委員会で一應お願いして置く必要があるのじやないかと思います。皆さんどう考えておりますか。
  9. 岩間正男

    理事岩間正男君) それじやお諮りいたします。今後の方針については先程三島委員から報告されましたように、向う委員会がある度に連絡して懇談する、そうしてそれによつて今後の方向を決めるということは確認していいですか。御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 岩間正男

    理事岩間正男君) 御異議ないと認めます。  次に実際の衝に当る連絡委員を今までの委員を主体としてそれに委員長理事が参加するという從來の方式を再確認して御異議ございませんね。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 岩間正男

    理事岩間正男君) 御異議ないと認めます。   —————————————
  12. 岩間正男

    理事岩間正男君) それではこの問題はそれで打切りまして、第二の六・三制の補正予算の問題について平島政務次官が見えておりますので、今から説明を求めたいと思います。
  13. 平島良一

    説明員平島良一君) 私はこの度文部政務次官になりました平島良一であります。まだ皆樣のお顔もよく存じないような次第でありますが、何分よろしくお願い申上げます。  六・三制につきましては、皆樣も御承知通り第五國会において、参議院においても衆議院においてもこれは支出すべきものなりという決議案まで採択されたのでありまするが、ドツジ・ラインに沿われないというような建前から、これら削られたようなことになつておりますので、どうしても文部省といたしましては、これの復活をして頂きたいことはかねての念願でもあり、恐らく皆樣の御要望でもおありになろうと思うのでありまして、臨時國会が開かれまするならば、補正予算としてどうしてもこの六・三制の予算を提出いたしたいと考えておりまして、いろいろ各都道府縣からも毎日のように陳情を受け、電報も頂いておりますので、今の地方の自治体の窮状を見ましても、どうしてもこれは何とかしなければならないものだろうと考えておりますので、どうぞ御協力を頂きたいと思うのであります。
  14. 岩間正男

    理事岩間正男君) 只今お話につきました何か御質問ございますか。
  15. 河野正夫

    河野正夫君 平島政務次官が本委員会お出でになつて意見を陳述されるということは、最近における非常に欣快な出來事だと思うのであります、と申しまするのは、我々は第五國会以來可なり委員長を重ねておりまするけれども、その期間において政治的責任を持つところの大臣若しくは政務次官というような方が我々の委員会に臨むことが極めて少い、他の委員会を聞いて見ますと、そうでもないのですけれども、文部委員会において、事務当局がこれは可なり毎回のごとくに出席して我々に説明もし、我々の質問にもこたえて、連絡は相当とつておるのでありますけれど、可なりに政治性を必要とする事柄について、我々はその度ごとに必要な不便を感じておつたのであります。そういう意味におきまして、今後はいろいろな場合に、大臣並びに政務次官が丹念に委員会に出席されるようにこの機会要望して置きます。  つきましては一、二政務次官にお尋ねしたいのであります。この継続委員会文部事務当局からいろいろな六・三制の実態とか或いは補正予算並びに來年度予算の大綱というようなものについても説明を受けたのであります。今回又政務次官からこれについて、文部委員会としても協力を願いたいという要望只今つたわけであります。ところが我々はもう前々から大いに協力どころじやない、自分たちの仕事としてこの完遂ということについて日夜苦心している者であります。そこで政務次官に伺いたいのですけれども、一体どういうふうに協力しようとするのであるか。吉田総理大臣は何かの機会にしばしば教育を非常に尊重するようなことを言われ、成る程ドツジ予算というものの性質上いろいろな点に難点はあつたかも知れないけれども、それにしても文部当局としてはもうこれ以上には引下げられないという最低の線を本年度予算の当初に出したのであります。然るにその後予算が減額になつて公共事業費の面だけでありません。教員給與の面において必要な混乱を捲き起し、定員定学制というようなものまで全國的に教員の位地を不安ならしめ、教育の進展というものに非常な害をなしていると思うのでありますが、先般文部事務当局説明を伺いますと、補正予算に約百億の金額を計上して交渉に当つておるということであります。そこでこれらについて我々に協力を求める以上は、文部省政治的責任者としてこの百億の要求をどの限度に押通す自信があるか、或いは又これを閣議でも押切るだけの希望が持てるのかどうか、その点について一つ伺いたいと思います。ただ協力して貰いたい、但し予算大藏当局に頼んで閣議でもまあまあということになりましたというのであつては、我々の方が文部当局に我々に協力せよとこう言いたい。その点は如何ですか。
  16. 平島良一

    説明員平島良一君) その点も御協力願いたいのですが、私の御協力願いたいと申上げたのは、六・三%の予算については私先程申上げましたように、國会においては恐らくどなたも御異議がなかろうと思うのでありまするので、この國会において異議のないものがなぜ予算の面から消え去つたかということについて、客観的情勢に対してこれの復活のできまするように御協力頂きたいと思うのであります。そうしてその百億の予算に対してどれだけの力を持つて押通すかというお尋ねでございますが、それは極力私共といたしましても、やり遂げたいつもりでありまして、いろいろこれに対する工作をやつておりまするので、閣議におきましてもこれを押強く大臣をして推進するようにしたいと考えております。
  17. 河野正夫

    河野正夫君 まあ我々に要望された点は分るのであります。我々も亦事実行政当局乃至は政府を通じないで、我我自身でも可なりの盡力を今までもして來ました。今後も十分にするつもりでありますけれども、ただ問題は政府決意ということに掛かつておる。この両院が殆んど異議がない、文教についてもつと振興を図ることについては殆んど各党、各派を超越しているという事実があるけれども巧く行かない。行かないのについて我々に協力を求められたその趣意はよく分りますけれども、今までのそういう場合の大きな壁にぶつかつてにつちもさつちも行かなくなつて後退を余儀なくされておる実情を調べて見ると、もう少し政府に腰が坐つておるということが一番の要点じやないかと思うのです。過去の話をしても始まりませんけれども、六・三制の出発から非常にこれは惨めな状態であり、その後片山、芦田内閣のときでも補正予算追加支出というものについて可なりこれは両院ともに骨を折りました。その場合にこの過去の二代内閣ではとにもかくにも何とか通そうという熱意があり、最後には芦田大臣は総司令官と個人的な面会をして懇請をするというような状態で何程かの金額追加支出を認められたということもあつたと記憶しております。二百六十何名か衆議院の多数を占める民自党で、その民自党の圧力を以て内閣を動かし、内閣本当決意というものを決めることの方が、我々に懇請するよりもつと近道である。私はそう思うのです。その意味において逆に私は平島政務次官要望したいのは、もつと内閣の腰を据え、文教のために倒れても構わないというくらいの決意をその民自党が立てられるかどうか、その点を念を押して伺つて置きたいと思います。
  18. 平島良一

    説明員平島良一君) 二百七十名の力を以て押せということは誠に同感であります。私も大いに二百七十名の力を結集いたしまして、ここに強い政治力を作らなければならないという持論を持つておる者でありまして、これは余計なことでありまするが、保守合同というような問題は、そういうものを考えずに本当の二百七十名の力を結果して強い政治力を作らなければならないということは、私の持論でありますので、今後はその線に沿つて大いに文教政治力を発揮いたしたいと考えております。
  19. 河野正夫

    河野正夫君 この際に六・三予算の外に先般來地方自治廳財政部長通達ということをこの委員会でしばしば問題にいたしたのでありますが、この点についても地方自治廳及び文部省政務次官というか、或いは大臣というか、そういうふうに何か政通的な手を打てる人に御出席を願うと、もつと事柄が明瞭になるのではないかというので、いろいろと苦心したのですけれども、遺憾ながら木村國務大臣も見えられず、高瀬文部大臣も見えないので、この点については事務当局の殆んど責任のない答弁ということだけを伺つてつたのであります。御承知かどうか知りませんけれども、今日事務当局がすでに告白しておりますように、全國の小中學校教員定数というものについて、本年度予算においての教員総数の見積りというものが、誤算を持つておる。その他のいろいろな事情によつて二万三千人程度予算超過教員を抱えておること、それで全國の地方長官会議と言いますか、今日は知事会議知事会議の席上でこれが非常に問題になつた。それで一体議会で予算をはつきり通過したときには、すでにそれだけの超過人員を抱えておつたのであります。それを四月に遡つた給料というものはどうして呉れる。我々に支拂うべきものを、更に又二万三千人が來年三月までに自然退職という見込みで、文部省から言うと自然退職というから強制的に行政整理をやるのではないから、この間の費題をどうして呉れるというようなことで知事会議等でしばしば問題になつた。我々は委員会においてこの線を誤算であることをもうすでに予算が通過する前から指摘しておつたのであります。併し事ここに至つてはそれの善後策を講じなければならん、文部省当局の、事務局説明によると、超過人員判数については半額國庫負担という原則を何らかの形で通したい。補正予算の中には或いは含まれておるかに聞きましたけれども、これが含まれているか含まれていないか、とにかく大藏当局の了解の下に何とか出すけれども、これだけは確定しておるようでありますけれども、二万三千人の後の半数についてはどうするか。これはやはり今直ぐにこれを整理してしまうか、自然退職という形であるけれども、自然退職者ができない以上は二万三千人を年度末に持ちこす。その場合半数の一万一千五百名という者の費用は、丸々これは國庫からは全然関係はないから、地方費負担になる。然るに地方自治廳ではその地方費の丸々負担する。我々の言う通り裸予算支出で賄われることは、地方財政法の第二條に違反する。だから地方配付金を減額するような、地方財政法第二十六條か二十七條だつたか、適用するという脅迫がましい通達をされたのであります。而もこれは事実上文部省が知らん間に出された。だからこういうことについて撤回をせしむるか、乃至は撤回をしないとしても実質的にその実害のない、而も地方裸予算を当然年度末になつたら出さざるを得ない。國庫支出しない限りどうしても出さざるを得ない。これはもう当然の義務でありますから、そういうふうなことを如何にも旧内務省の地方自治統制といつたような形で出しているのは怪しからんというのが我々の主張でありますけれども、これについて文部省政治家としての責任があるのか。回答は何ら伺つておらん、それでこれについては何らかの政治的な見を打つて、必ずそういう弊害はなからしむるという言明を願いたいのであります。この点如何がですか。
  20. 平島良一

    説明員平島良一君) 私はこの通達についても、その人員数についても何も今のところ聞いておりません。
  21. 河野正夫

    河野正夫君 怠けているからいかん。
  22. 平島良一

    説明員平島良一君) それでここに明確なお答えをいたしかねまするが、よくそれを調査いたしまして、政治手に解決すべく善処いたします。
  23. 河野正夫

    河野正夫君 どうも今の政務次官お答えでは甚だ不滿なんだありまして、苟くも文部省政務次官なつた以上は、文部省内にある、而も全國的に大きな問題、こういう問題についてはもう十分に御研究つて然るべきものだと我々思うのであります。まあ御研究がなかつたらなかつたでも今取り急いでとやこう言うのじやありませんが、その代りに今勉強し出したということの罪亡しのつもりで、この点については十分に我々の要求に應ずるような結果を打出して頂きたいと思うのであります。先般高瀬文部大臣にもちよつと文部省で五分くらい会見いたしましたが、どうも大臣本当に重要な、今重要という意味はとにかく教員を落着かせ、教育の実質的な向上を図る。そういうことが先ず以て文教当局としては考えなければならんことなんですけれども、そういう意味で重要ないろいろの問題について深い理解を持つていないような私は考える。一体文部省で以て何をしているのであるか。こういうふうに我々は疑うくらいなんであります。特に高瀬大臣平島次官も單に教育という観点ばかりで政治的にお立ちになつていらつしやる方でなくして、更に廣い財政予算そういうものにも明るい方々でありまするから、尚且つ文部当局はこの点について大いに鬼に金棒のような意味文部行政というものがもつと成果を挙げるのじやないか。何でもぱつぱつと片付くのじやないかと期待しておつたのでありますが、その期待に甚だ外れているように今は考えているのですけれども、その我々の考え方をそうではなかつたともう一遍言い変えるがごとくに、今後の御活動、御努力をお願い申上げます。いろいろ申上げたいことがありますが、初めて御挨拶においでになつたときに余り苦いことを申上げましても、今後又お出でにならないと困りますから、この程度で……。(笑声)
  24. 岩間正男

    理事岩間正男君) この六・三問題並びに人の通達問題について外にございませんか。委員諸君の御質問はございませんか。……なければここでちよつと委員長の方からお諮りをしたいことがあるのですが、一つは今の六・三問題で衆議院の方は今度の予算編成期に当つて直接的にいろいろ行動を起し、そうしてそのようなことが諮られて正にそのような段階になつているようであります。これに対してこの六・三問題に対して今まで十分に闘つて参しました我々参議院文部委員会としましても、当然この際できるだけの努力をすべき段階じやないか、こういうふうに考えられますのですが、これを從來のように衆議院協同でやるか、或いは又参議院だけで單独にやるか、こういうことも方法的には考えられると思いますが、この際そのような措置を急速にやるべき段階と思いますのですが、この点皆さんにお諮りしたいと思います。その点如何でございましようか。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  25. 松野喜内

    松野喜内君 先程の文化財保護法案についても衆参両院協同で以て審議いたしているような次第で、六・三問題につきましても、第一回以來本委員会は何かと衆参両方協力を求め、努力して参つた次第ですが、かくのごとく重大なる誠に陳情請願の中で最も全國的の山をなしているこのことに対して、我々参議院文部委員たる者は一昨年來のごとくに一段に一つ努力を以て、今委員長が言われた通り一つ衆参協同協力の力を発揮いたしたいと念願している次第であります。從つて機会あるごとに一つ折衝これ努めまして、今の委員長お話、是非そういうことにして貰いたいと思う次第であります。
  26. 岩間正男

    理事岩間正男君) 只今松野委員からの発言がございました。両院協同してできるだけ提携してこれをやつて行くという点については御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  27. 岩間正男

    理事岩間正男君) 御異議ないものと認めてそのような方法を採りたいと思いますが、具体的に、今委員諸君全部見えられませんので、やはり主としてこの衝に当つて行くような人たちを決定して置く必要があるのじやないか、こういうふうに考えられるのですが、この点如何でございましようか。    〔「賛成」「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  28. 岩間正男

    理事岩間正男君) 御異議ないようですから、どのような方法でこれに対する対策を考えるか、この点についてお諮りします。
  29. 河野正夫

    河野正夫君 各会派一名の責任者を若し出せるものならば出したら如何なんですか。これは民自党が多いとか何党が少いとかいうことでなく、超党派的なことであり、そう数にこだわる必要もないと思いますから、各会派で少くとも一名、と申しましても出席者がいない、いろいろな、休会中連絡ができなければ止むを得ないが……。
  30. 岩間正男

    理事岩間正男君) 只今の河野委員の提案如何でございますか。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  31. 岩間正男

    理事岩間正男君) それではそういうことに決定いたします。各会派一名を以てこれに当る、早速この点について衆議院の樣子を聞き、それとの連絡をする必要があると思いますが、これは如何でございましようか。    〔「賛成」「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  32. 岩間正男

    理事岩間正男君) これは誰がなりますか。……これは御意見はございませんか。
  33. 三島通陽

    三島通陽君 これは如何ですか。委員長に一任して置きまして……。    〔「賛成」「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  34. 岩間正男

    理事岩間正男君) それではそういうことに決定いたします。
  35. 河野正夫

    河野正夫君 いろいろな交渉に当ることは今ので結構ですが、委員長は別ですから、委員長を更にそこへ加えて頂きたい。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  36. 岩間正男

    理事岩間正男君) 只今の追加がありましたので、各会派一名並びに委員長、これで御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  37. 岩間正男

    理事岩間正男君) そのように決定いたします。   —————————————
  38. 岩間正男

    理事岩間正男君) 次にお諮りしたいのは、さつきの河野委員の発言と連関することですが、この前から問題になつておりますところの地方自治廳の通牒の問題でありますが、これがまだ未解決で、実は地方なんか廻つて見ますというと、この問題は九月中に急速に決定されるというような段階になつているのですが、この問題もこの委員会としては当然明らかにしなければならないというふうに委員長としては考えられますが、これを今この次までに勉強して頂くというようなお話でしたが、急速に強勉して貰つて、そうしてこの委員会を最も早い機会において開催して、この問題もはつきりする必要があると思いますが、如何でございましようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  39. 岩間正男

    理事岩間正男君) 御異議ないと認めます。そうしますと、近いうちに委員会を開催するということを一應ここで決定する必要があると思いますが、いつ頃……。
  40. 河野正夫

    河野正夫君 その日程を決める前に、私交渉の大体の内容も実は承知しているのですが、まあ今回は政治的な責任者としての大臣代理、副大臣である平島さんがお出でになつておる。そうすると、これは平島さんだけでなくして木村さんなら木村さんとの話合いをつけた上のお答えをそれまでに持つて來て頂きたい、こういう條件が付くと思います。そうしていつやるかということを御決定願います。
  41. 岩間正男

    理事岩間正男君) 只今河野委員から発言がありましたように。大分この問題は先から話が出ておつて、相当急速に手を打たなければならない段階になつておる。從つて地方自治廳責任者である木村國務大臣との間に話を相当につけられて、そういう段階でこの委員会を開きたいという要望があるのですが、これは如何ですか。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  42. 岩間正男

    理事岩間正男君) そういうような委員会の決定でありますから、そういう段階に進めて頂きたい、このことを要望したいと思います。日取りはどうでしようか、ここで一應決定して置くことが、促進するために必要だと考えられますが。
  43. 河野正夫

    河野正夫君 一週間。
  44. 岩間正男

    理事岩間正男君) それでは金曜の十六日の午前十時というふうに決定してようございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  45. 岩間正男

    理事岩間正男君) ではそのように決定いたします。  尚その席上にも地方自治廳からの出席は要りませんか。
  46. 河野正夫

    河野正夫君 それは私内面的な交渉を少し知つているのですよ。その意味から言うと、文部大臣の方で出席しない方がいいというような考えなら出席しない方がいい。それは面子とかいろいろな関係からその方がはつきりすることができる場合があります。両方がおつた方がいいという場合もある。我我の方から言えば、両方噛み合わせて喧嘩させるという意味でなく、その意味で平和的な方がいいと思われます。それはそのときの事情で……。
  47. 岩間正男

    理事岩間正男君) それでは情勢判断によつて地方自治廳の出席を求めた方がいいだろうということは御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  48. 岩間正男

    理事岩間正男君) そのように決定しまして、十六日午前十時、この会には是非大臣並びに政務次官か、政務関係の責任者が必ず出席をして頂くこと、このようなことを確認したいと思います。
  49. 河野正夫

    河野正夫君 この次の委員会に文部予算の編成上のことで大藏省の出席を求めることは如何でしようか。或いは行き過ぎであれば別ですが。
  50. 岩間正男

    理事岩間正男君) 只今のことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  51. 岩間正男

    理事岩間正男君) そのように決定いたしたいと思います。それでは大藏関係の出席を求める。そのことを加えたいと思います。それじや第二の議題を終ります。尚これは御紹介申上げたいと思いますが、六・三制の問題をここで我々が審議している今、山口縣の方からやつぱり四十万くらいのそういう請願書が届けられ、これに対して適当な期待のできるような運動を継続して欲しいということが要請されておりますので、その点御報告いたしたいと思います。   —————————————
  52. 岩間正男

    理事岩間正男君) それでは第三の議題に入りまして、法隆寺問題に移りたいと思います。それでは法隆寺の問題について文部当局の今までの経過の報告を受けたいと思います。
  53. 深見吉之助

    説明員(深見吉之助君) それでは最近問題になつております法隆寺の五重塔心礎空洞の問題につきまして、今までの経過を説明申上げます。法隆寺の五重塔につきましては、法隆寺の委嘱を受けまして、法隆寺國宝保存事業部が民間團体としてできて、その事業部においてこれは施行して來ておるのでありますが、工事の施行の重要な点につきましては、法隆寺國宝保存協議会において諮問をして決定することになつております。それで最近におきまして、去る五月の十八、十九の両日、現地におきまして法隆寺國宝保存協議会を開催いたしまして、五重塔の再建に伴う諸般の協議をいたしました際、心礎の空洞は、これは十分に調査した上砂を以て埋めて置くということに委員会の決定がございました。それに基きまして、八月の上旬に現場工事事務所において工事を施行いたしたのでありますが、その際從來五重塔の心礎の空洞は、柱が入つていたものが腐つて空洞ができたという定説になつてつたものに対して、調査の結果若干疑義が生じまして、或いは当初から空洞であつたのではないかというような結果が現われて参りました。それで学界におきまして、その問題について相当関心のあることであるから、そのまま埋めてしまつたのでは困るであろう、改めて再調査をする必要がありはしないか、こういうことに相成りまして、八月の二十二日、三日学界の権威の方々約十名を法隆寺にお集りを願つて、法隆寺の五重塔の心礎の調査研究会をいたしたのでありますが、その際結論といたしまして、もう一度調査再発掘して、砂を出しまして調査をしようという決定になつております。只今その工事を進めておるわけであります。それに伴いまして、從來学界で問題になつておりました心礎の礎石の中に埋没してございます器物の公開をこの際して欲しいということが再び大きな要望として唱えらりるようになつたのであります。この問題はもう大正十五年に心礎の中にそういう貴重なものが秘めてあるということを発見いたしまして以來、学界におきましては、常に公開に対する要望があつたわけなんでありまして、今回五重塔再建に当りましても、予てからこの問題について学界では是非公開をして貰わなければならないという議論がありましたので、法隆寺國宝保存事業部といたしましても、再三法隆寺の方にその問題について掛け合をいたしまして、又この春焼失以後におきましても文部次官名を以ちまして、前京都大学総長の羽田先生を通じまして、正式に法隆寺当局に心礎器物の調査をお願いしたのでありますが、その際にもその心礎内にあるものは、創建者が永久の貴物としてこれを五重塔の生命と共に秘めたものであつて、その五重塔は未だ信仰の中心として生命を保つておるものである以上、創建者の精神を継承して、今日自分としてはこれの公開をするわけにはいかないというのが住職のお言葉なのでありまして、去る八月二十三日調査團の決議といたしまして、この際是非これの調査を許して貰うように当局としてもう一度交渉しろという決議がございましたので、二十三日の午後、私が法隆寺さんにお目に掛かりまして、再びそのことをお願いしたのでありますが、その際にも、以前羽田先生にお答した通り、そのことは承知するわけにはいけない、こういうお話でございました。それで更に、然らば大正十五年に、その埋藏が発見せられましたときに立会いました一部の人によつて、その実体が究められておるということが言われておりますので、そのことについて一部の学者に対してでも、その結果を公表して頂くわけにはいけないのでございましようかということを重ねて申しましたところ、これに対しましては、何分考えて置くというお話があつたのであります。それで事業部といたしましては、先に文部次官名で羽田先生を通じてお願いしておる事情もございますし、羽田先生も先般私がお目に掛かつたときに、もう最後の機会であるから、是非自分としても改めてお願いをして見ようと思つておる。こういうお話もございましたので、近く羽田先生にこのことを煩してお願をして頂きたい、こう考えておるような事情でございます。当初九月の十五日までに心礎空洞の調査を終えて、二十五日に心柱を立てる立柱式を行うという予定になつて、新聞等でもそういうよ女に出ておるのでございますが、事業部からも現地に、十分愼重にするように申して送りましたところ、一昨日通知が参りまして、調査は約十日間延期をして、立柱式も十月の上旬に行うことにして、調査の万全を期するということを申して参りました。その間に更に我々としてはできるだけの手を盡して見たい、こう考えておりますが、ただ心礎の内部の再調査という問題は、現在のところ法隆寺当局の決意が固いから困難ではないかと、こういう私は考えなのであります。これについての現在までの経過は以上でございます。
  54. 山本勇造

    ○山本勇造君 今の問題非常に重大な問題で、学者の考え方はつまり眞理の探究というような意味でこれは非常に尊重しなければならんと思う。併しながら又一方寺の方の側から言えば宗教の尊嚴性と言いますか、或いは又憲法で保障されておる財産権の侵害というような問題にも触れて來ますので、この問題は非常にデリケートだと思いますから……、これは十分に論じなければならんと思いますが、只今申したように非常にデリケートなところがありますから、速記を中止して十分に懇談会で話合いした方が、もつと適当ではないかと思いますので、これを懇談の形式に移して頂きたい、且又この問題は單に法隆寺のそれだけの問題ではなくて、今我々が立案しておるところの文化財保護法とも非常に関係のある重大な問題でありますから、懇談会において忌憚のない話をするというようにさして頂きたいと思います。
  55. 岩間正男

    理事岩間正男君) 只今山本委員から御提案がありましたので、この会を懇談会に切る換えるという点についてお諮りいたします。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  56. 岩間正男

    理事岩間正男君) 御異議ないと認めます。それでは今日の文部委員会は一應これで閉会いたしまして懇談に移りたいと思います。これで文部委員会を閉会いたします。    午前十一時五十二分散会  出席者は左の通り。    理事            岩間 正男君            松野 喜内君            高良 とみ君    委員            小野 光洋君            大隈 信幸君            河野 正夫君            三島 通陽君            山本 勇造君   説明員    文部政務次官  平島 良一君    文部事務官    (社会教育局文   化財保存課長)  深見吉之助君