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河野正夫君 この際
文部省の側の出席がありますので、一、二の点をお尋ねしたいと思います。皆さんがよろしければ
質問さして頂きたいと思います。(「
異議なし」と呼ぶ者あり)
最初に伺いたいのは、この間時分、と申しましても第五
國会の間にも我々は
質問いたしたのでありましたが、
地方の小学校、中学校の教員の定数を昨年の九月三十日末の現在の数を以て、そうして本年度の予算で取
つた一学級小学校一・三五、中学校一・七の教員定数を以て予算を配分する。こういうことについてはその基礎数が非常に不正確であるということ。更に
地方に非常に差がある。或るところは小学校で言えば一・二にな
つており或るところは二・〇に近いところもある。そうい
つたようなものを現状に即しないで予算を配分すると非常に混乱を起すであろう。総数において仮に変りがないとしても、予算配分の処置如何によ
つては事実上
行政整理に等しいものが出て來るであろう。こういうことについて我々は憂慮し、その点についても
文部当局にも
質問してお
つたわけであります。然るについ最近に行われた全國の知事会議の席上においても、各地の長官の報告等で明らかにされたと思いまするが、事実上相当数の教員の整理をしなければならないという実情が明らかにされておるのであります。
然るに聞くところによりますれば
文部当局では、それは年度末までに逐次自然退職者等によ
つて整理されて行くであろう、それ故に今回のいわゆる
行政整理なるものには教員の退職は数えない、こういうことを明らかにしたのであります。これは、
大学高專から高等学校に至るまでを含めた教員については、
行政整理行わないという
内閣の方針が一貫しているので、その点は結構でありまするけれども、そのために
二つの重要な困難なる問題を生じて來ておる。その
一つは、小中学校について、
地方の公立学校について言いますならば、予算配付は四月に遡
つて、その減らされた数で行くのであります。然るに現実にもう四、五と二ヶ月経過しておる。それ故にその経過して支拂われた金については、國庫からの支出がない、これをどこにおいて求めるか、而も
地方財政の枠は決
つておる、ここに
地方当局は非常な困難に当面している。第二点はこの年度末までに、自然退職者を見越して教員が合うようにするということは如何にも尤もでありまするけれども、年度末までの自然退職でありますから
只今の整理ではない。
從つてそこに当然給與の費用というものが相当嵩んで來るのであります。而も國庫はこの補助を與えない、
地方費はこれについて枠が付けられて殆んど余裕がない、じやこれをどうするか、この点についても明瞭にな
つていないのであります。更にもう
一つ付け足して申しまするならば第三に、これらの自然退職者、今回の、
文部省は
行政整理と言わないところの退職者については、この五年以上というような人々については問題はないかも知れませんけれども、一年、二年というような勤務者については、いわゆる
行政整理による三ヶ月半とか四ヶ月とか、
新聞紙上傳えられているあの退職手当なるもので恩典がない。そこでこれは
地方当局でどうするか、こういう問題が一方において起る。これらの問題はすべてが、國庫でどれだけ支出し得るか、
地方財政がどれだけその枠を拡張し得るかという点にかか
つておるのでありますこういうことの措置がなくして、ただ大体の計数が合うという
説明であ
つては、現実の町村、府縣は勿論ですが非常な混乱を起しているのであります。その上に教員が実際に首切られなければならん、或いは非常に、到底実行困難なところへの轉勤を命ぜられる憂いがあるというので、不安動揺を來しておる、これについて
文部当局はどう処置するつもりであるかを伺いたい。