○
政府委員(
山添利作君) では
農業計画につきまして、その極く概要を御
説明いたします。
米につきましては、
事前割当の
生産数量は本年六千三百二十一万石であります。昨年は六千二百八十五万石と相成つております。大体この
考え方といたしましては、
事前割当の
数量を
余り高くて、
農家の方でそれではとても手が届かんという
ような
数量ではいけませんことは勿論であります。同時に
供出関係もございます。
供出関係と言いますか、
食糧の
需給計画もございまするので
余り低くすることもできない。そこで
考え方といたしましては、過去の七ケ年なら七ケ年を取りまして、そのうち
上位の四ケ年くらいを標準に取る。言換えますと、
作柄が比較的安定をしております時分には、このくらい過去において取れたという
数字を
基礎にいたします。それに加えまして
肥料の
増加によるところの
増産を見込んでおります。丁度過去七ケ年中の
上位四ケ年当時における統制の
化学肥料、それと
農業計画によつて
配給いたしまする、
平均で申しますと反当五貫七百、実際上は約六貫に
なつておりますが、この五貫七百を
基準としました各
府縣に対する
肥料割当、これがその
基礎になりました年度の
肥料配給数量との差額によつて見込み得るところの
増産分を計算いたしたわけであります。尤もこの
ように過去七ケ年中、
上位四ケ年の
平均反收を以て反收とするといたしましても、これは飽くまでも
基準ということでございまして、必ずしも一律にそれによつたというわけではございません。特に
東北地方或いは
北陸地方等、
單作地帶等につきましては、さ
ようにして出します結果は特に、まあ特にと言いまするか、全体から眺めまして高く
数字が出過ぎるという傾向もございましたので、そういう
地帶については必ずしもその
数字によらないで、それぞれの
統計に基いた別の
数字を
基礎にして算出いたしております。一應機械的に
数字を出しまして更にこれを各
府縣別、
地帶別に
檢討を加えまして、バランスを出しております。今申上げましたのは反收でございまするが、一番大きく物を言いますのは、何と言いましても
面積でございまして、この
事前割当の
計画を立てますにつきまして一番
面積が重要なフアクターになるのでございます。これにつきましては、昨年及び一昨年の
統計調査局における
作物報告事務所で
決定をせられました実績の
府縣別の
面積がございます。この
面積の
平均を
基礎にいたします。
平均を
基礎にいたしますという
理由は、まだこの
面積につきましては動いておる途中でございまして、これはという最終の結果として取つていい程支の正確さには到達いたしておらない
ように、これは結果的に推測される点があるのであります。そこで昨年、一昨年の
平均を
ベースにいたしまして、潰れ
地等はそれから差引き、或いは若干他の
作物に転作いたしたいというものにつきましては
面積を減ずる。同時に
災害復旧等によ
つて新らしく植付け可能であるというものは、これに加えまして大体二百九十三万町歩くらいになりましたが、そういう
面積を
基礎にいたしておるのであります。
米の
事前割当の
数量は大体昨年度の
割当を行いました後で
増産運動をいたしたのであります。
増産運動の結果はこれを次の
割当には入れないという、いわゆる公約をいたしておるわけでありまして、
從つて六千三百万石と、その前の六千二百四十五万石と多少の相違はございますけれども、大体この前の
割当を
基礎にいと
余り変らん
数字を
目標にした。こういうことに相成つておるわけであります。
雜穀の面におきましては
大分樣子が
変つたのでありまして、
米換算昭和二十三年度の
事前割当は三百五十万石でありましたのが、二十四年度の
事前割当は四百五十万石、これは非常な
変りようであります。この
ように一挙に
変りました
理由は、從來の三百五十万石という
数量は実は甘過ぎる、これはいろいろな都合でこういう
数字を踏襲しておるのでありますが、
雜穀につきましては
資料が不完全でありまして、確たるよりどころということになりますると、非常に困難を感ずるのでありますけれども、各方面の
事情から考えまして、事実に近い
数字を挙げ
ようということで一挙に百万石殖えましたのでございますが、四百五十万石といたしたのであります。この
ようにいたします結果が、米、
雜穀併せまして六千七百七十三万石、これが
事前割当の
数字に
なつておるのであります。
供出の面から申しますと、当然
農家における人口が殖えますこと、それから本年
食糧管理台帳等によりまして
数字を更に
正確度を増したという
ようなことのために、
生産数量の
計画といたしましてはそう殖えておりますけれども、それ程には
供出の点には殆んで
変りはございません、
昭和二十三年におきましては三千二百二十六万石でありましたのが、二十四年度の
供出割当は三千二百三十二万石でありまして、これは殆んど
変りはございません。そういうことに
なつておるわけであります。
それから
甘藷におきましては十四億九千七百万貰であります。二十三年は十四億六千万貰で、大体この
事前割当等の
関係から見ますると、実は
甘藷については大した
府縣側も問題がございません。恐らく
米等とはそこにおのずから
事情の違うものがあるのでありまして、
余り変つたことはございません。この
算出方式につきましては、
面積は前二ケ年の
平均面積を
基準といたし、反收につきましては過去の、これは米程長い時期ではございませんが、やはり過去における反收を
基礎とする、併し何しろ
農林統計から見ましても、芋のことでありまするから、これは反
收等が確かに米以上に
正確度と言いまするか、でこぼこがあるわけであります。そういうことは近隣相睨み合わせ直すという
措置を取りまして均衡を取つて置きました。
それから
馬鈴暫につきましては、これは
面積におきましては、
種芋の
供給予定等と睨み合せまして、実は昨年の五月頃概ね
府縣と
打合せ済みであ
つたのであります。これは主として
種芋が如何に供給されるかということに掛かつておる問題でありまして、二十三年度六億六千万貰に対して今年は六億七千八百万貰、殆んでその間差異はございません。これは反收といたしましては
北海道から來ますものと
地種は、
北海道から來ますものの方が五割
方増産ができる、こういう
ような
基準を以ちまして
地種による反收、それから
北海道産等の
優良種芋による反收、これらのものを入れて別に
平均をいたしましてそれぞれの反收を出しております。これにつきましては他に問題はございませんのであります。
大体二十八年度の
農業計画につきましては、
雜穀において非常に変つたという以外におきましては、さしたる変化はございません。
考え方として一つ変えた点がございます。それは米につきまして二十三
年産米の当時におきましては、過去における平年
作柄を
基準といたしまして、それに
災害率を加えたものを以ちまして反收を実は算出いてしました。これは理窟として一應そういう
やり方もいいのでございまするけれども、その結果は
災害率ということに正確な
数字も出しますことになかなか難点があるということ、それから
災害の高い
地方におきましては、どうしてもここまでおいでという
ようなやや高い
数字になりまして、公平の見地から見て、又
農家がその
数字を受取ります感じから見てやや高くなる嫌いがあるのでありまして、二十四年度におきましては平年作に
災害率を加えるという
やり方を改めまして、現実に当該
府縣におきまして過去に比較的よかつた
作柄、実際
農家がそれだけ收穫したという
数字を
基礎にいたしたのであります。この
考え方が変つております。
それから
肥料につきましては、先程申しました
ように五貫七百ということが全
國窒素の
ベースでありますが、その後若干追加して
配給量を増す
府縣等もございまして、実際には反当六貫目くらいに
なつておると思うのであります。この
肥料の
配給は
府縣別にそれぞれ
施肥基準という
ようなものは作つておりまして、
配給量のうち半分は大体
平均的に配る。あとの半分はその
施肥基準に比例をして配るという
やり方をいたしております。