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1949-04-07 第5回国会 参議院 内閣委員会 第3号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十四年四月七日(木曜日)
—————————————
委員
の異動 三月三十一日(木曜日)議長において
河崎ナツ
君を
委員
に選定した。
—————————————
本日の会議に付した事件 ○
行政機構等
に関する調査の件
—————————————
午後二時三十九分開会
河井彌八
1
○
委員長
(
河井
彌八君) それではこより
内閣委員会
を開会いたします。 本日は
行政管理職長官
がお
見え
になる筈であります。そこで
長官
のお
見え
になるに先だちまして、
大野木政府委員
からこれまで
政府
において計画せられておる
行政整理案
の進行の
状況
を
説明
を伺いたいと思います。
大野木克彦
2
○
政府委員
(
大野木克彦
君) それでは私から今回の
行政機構
並びに
人員
の
整理
に対しまして、
只今
までの
経過
を申上げます。先般この
委員会
の
懇談会
で、この
行政整理
に関しまして、
内閣
に
行政機構刷新審議会
が設けられて
答申
があつことを申上げたのでございますがその後新
内閣
が発足いたしまして、二月の二十五日に
行政機構刷新
及び
人員整理
に関する件、ということで
閣議決定
が行われまして、経済安定九
原則遂行
の要請に即應し、
行政機構
の
規模
の
適正化
を図り、強力な
行政態勢
の確立を期するために
昭和
二十四年二月十日付の
行政機構刷新委員会
の
答申
による
行政機構刷新方針
の
趣旨
に基いて、左の
方針
によ
つて各省
、各廳の
機構
の
簡素化
及びこれに伴う
各省
、各廳の
人員整理
を行うという
閣議決定
をいたしまして、その第一といたしまして、
行政機構
の
簡素化
につきましては、
各省
各廳は別途
閣議
において
決定
する
要領
により
部局
の
整理廃合
を行い、その経費を三割
程度
縮減
することにするということにいたしまして、大体これを
各省
各廳の
設置法
又はその
改正法
という形で
國会
の方の御
審議
を願うということに相成りました。又
都道
府縣又はそれ以下の地域を
管轄区域
とする
各省
、各廳の
出先機関
は
原則
としてこれを廃止して、その
所掌事務
は
都道
府縣に委讓するという備考がついております。 次に
人員
の点につきましては、
各省
、各廳は右の
機構簡素化
の
措置
に伴い、
事務
の
整理
、四十八時間制の励行、
能率的事務運営等
により
人員
の減員を図ることとし、
原則
として
昭和
二十四年三月一日現在の
定員
の三割、
企業特別会計
においては二割を
目途
として
人員
の
整理
を行うものとする、というのが
原則
でございまして、尚右の
措置
は
警察職員
、
檢察職員
、
刑務職員
、
学校教員
にはこれを適用しない。それから
公國等
においては二割を
目途
として
整理
を行い、その結果に基いて
各省
、各廳は
定員法
として從來の
定員
を決めて行く。尚前各号の
人員
の
整理
による
退職者
の
退職條件
及び
失業対策
は別にこれを定めると、こういうような
趣旨
の
閣議決定
が行われまして、これに基きまして
機構
の
整備等
の
作業
を行な
つて
おる次第でございますが、
機構
の方につきましては、大体
各省
の局を対象といたしまして、これを大体三割
程度
縮小するという
目途
を以ちまして、種々
仕事
の
内容等
を勘案いたして、ここの
閣議
で謳
つて
おりますような一應の
要領
を
決定
いたしまして、この
要領
に基きまして、
各省大臣
及び各次官にその
要領
をお目にかけまして、その枠によ
つて
、
各省
の実情によ
つて
それぞれ原案を作成されることをお願いいたしまして、一應
各省
から大体その線に副
つた案
が出されたわけであります。これにつきまして、更に
内閣
におきまして
檢討
を加えまして、更に
行政管理職長官
の
本多大臣
が
各省大臣
と個別的に折衝を行ないまして、結局この月曜日の四日の
閣議
にその結果による案を提出いたしまして、大体
閣議決定
を得ましたような次第であります。ただ一部
通商産業省
、つまり
商工省
を
通商産業省
に変えるということにつきましてまだ決まらない点がございますが、それ以外は大体
方針
が決まりまして、その
閣議決定
になりました案によ
つて
、
只今各省
それぞれ
設置法
を立案しておる次第でございます。成るべく早くこれをいたしまして提案いたしたいと存じておる次第であります。尚この
機構
の中には相当
司令部関係
の
部局
もございますので、これらにつきましては
閣議決定
になりますと同時に、
司令部当局
に対して
本多大臣
並びに
官房長官
から
了解
並びに
協力
を求めてあ
つた
のでございますが、このたびの先の
閣議
で案が決まりましたことにつきましても、
協力
を更に懇請したような次第でございます。で
司令部
の方におかれては、結局
各省
、各廳の
設置法
を提案前に
檢討
されるということによ
つて
、このたびの
機構刷新
についての承認が與えられることになるのだろうと存じております。それでこの結果、
只今
の案では大体まだ確定とは申せませんけれども、大体のところにおきましては、内局が、
各省
の局が約六三%ぐらいにな
つて
おります。現在ありますのに比べまして、
只今
の
閣議決定
によりますものによりますと、大体今百二十八ぐらいある局が八十ぐらいにな
つて
おります。その外、部とか、
外局
とか、いろいろなものを加えまして、極めて大難把な
計算
をいたしますと、大体現在のところでは、現在の
機構
に比べまして、新らしい
機構
が約七一%ばかりにな
つて
おります。それから
人員
の点につきましては、まだ決まらない点が多々ございまして、固ま
つた
ことを申上げられないのは甚だ申訳ないのでございますけれども、大体の
原則
は、先程申上げました
閣議決定
の
一般会計
三割、
企業特別会計
二割という線で行
つて
おるのでございますが、
閣議決定
にも
例外
が設けられ、更に大体これを
目途
としているという
決定
にな
つて
おりますので、
仕事
の性質によりましては、眞に止むを得ない、この
閣議
には
はつきり
載
つて
おりませんけれども、どうしても直接
國民
を相手にしているとか何とかいうような所で止むを得ない所がございますので、一部除外するとか、或いは又は率を減らすとかせざるを得ないよう所もございますので、それらにつきましては、先に
閣議決定
で
行政整理本部
というものを設けまして、
関係
の者が集まりまして、ここで愼重に
檢討
を加えておるような次第でございまして、大体それが纏まりますれば、それにおきまして、実際に減らすべき数が出て來るのでございます。もう一日、二日かかると思います。尚又
方針
といたしましては、成るべくこの二割、三割の率を下げないようにということでございますので、一方において下げれば又一方において少し強くしなければならない面もございますので、それらについても
檢討
いたしているような次第でございます。併しながら尚人の
整理
の問題につきましては、或いは
退職金
の問題だとか、或いはどういう人を
整理
するかというような
基準
の
問題等
、人事に
関係
した問題でございますので、人事院並びに
司令部
内の
シヴイル・サーヴイス当局
の
了解
を必要といたしまするので、それらの点につきまして目下
お話合
を進めているような
状況
でございます。併しこれも遠からず何らかの
決定
が得られると思
つて
おります。そういうようなわけで
人員
の
整理
の方の
作業
が若干遅れている次第でございまして、できるだけ早くいたしたいと存じております次第であります。尚これに基きます
失業対策
につきましては、これは
專ら労働省
の方で立案して貰うことにな
つて
おりまして、そちらの方で
研究
されている次第でございます。甚だ複雑でございますが、一應今日までの
経過
を申上げます。
堀眞琴
3
○
堀眞琴
君
質問
申上げてよろしうございますか。
河井彌八
4
○
委員長
(
河井
彌八君) よろしうございます。
堀眞琴
5
○
堀眞琴
君
ちよ
つとお尋ねいたしますが、
機構
の問題ですね、
原則
的に三割
各部局
について節減するとか
縮減
するとかいう
お話
、六三%、総体で七一%になるという
お話
なんでありますが、今の
行政機構
が非常に
複雑多岐
であ
つて
、その点で
能率
が低下するというよう面もありましようし、私も現在の
行政機構
を
改革
しなければいかんと思うのですが、この七一%にしたという
基準
、その点を
ちよ
つとお尋ねしたいのです。どういう
基準
で
以つて
七一%までお下げに
なつ
たか。
大野木克彦
6
○
政府委員
(
大野木克彦
君) 大体の目標は先程
閣議
にありましたように、大体三制
程度
縮減
するというその枠が決ま
つて
おりますものですから、大体それを
狙い
といたしまして、それで
各省
について一局若しくは二局、多い所は二局、つまり
各省
でそれぞれ又局が多い所では大体三割の率を勘案しまして、そうして
仕事
の
内容等
を見まして
縮減
し得ると思われる所を
縮減
して、案を立てまして、それを
各省
に示しまして、
各省
で又それに手を入れて
作つて貰
つて
いるような次第であります。
堀眞琴
7
○
堀眞琴
君 その枠は分
つて
いるのですが、その枠を
作つた基
ですね、どうして三割
縮減
というその何が出て來たか、お尋ねしたいのですが、私は戰爭前、殊に
昭和
六、七年ですね、それを
基準
にしておられるのですが、
昭和
六、七年の時の
行政事務
の
内容
と、現存の
行政事務
の
内容
とは随分違
つて
いると思いますので、そういう点から考えますと、どういう点に
基準
を置かれたか。むしろ
行政改革
というのは分化する、複雑化するという面がありますが、それを統合しなければならんという面と、
行政改革
の上から二つの大きな職分がありますね、それをどう科学的に調整するかということが、
アメリカ
でも
イギリス
でも
行政改革委員会
の主な議題にな
つて
おります。私は素人ですからよく分りませんが、
専門家
にその
基準
をお尋ねしたい。
大野木克彦
8
○
政府委員
(
大野木克彦
君) 実は今度の
やり方
は時間的な
余裕
がなか
つた
ものでございますから、先ず一應
縮減
をいたしておきまして、そうして今後更に
研究
を続けまして、その手直しをして行く、こういう
方針
にな
つて
おりますので、先だ
つて
内閣
に
行政整理審議会
なんか設けられまして、その方で更に
研究
を進めて行くというような話にな
つて
おりますが、実は
各省
の
共管事務
でありますとか、或いは又
統制関係
の
事務
でありますとか、その他で
檢討
しなければならんことがまだ沢山あるのであります。取敢ずその天引きと申しては甚だ言葉がまずいのでございますけれども、そういうような恰好で一應の
機構
の枠を定めると、そういうようにいたした次第であります。
堀眞琴
9
○
堀眞琴
君 そうしますと、三割という
基準
は何ですか、今のところは別に……、
行政機構
が非常に
複雑多岐
に亘
つて
いるから三割
程度
減らして見て、その上で更に
檢討
を重ねる、こういう何ですか、
政府
の意向は……。
大野木克彦
10
○
政府委員
(
大野木克彦
君) 大体今のところはそういうわけです。
堀眞琴
11
○
堀眞琴
君 そうしますと、私は
行政機構
を
改革
することには大賛成なんです。反対しているのじやないのです。
昭和
六、七年時代には
統制事務
は少しもなか
つた
し、
人口
の点から申しまとても、確か
昭和
六年頃は六千四百万の
内地人口
、現在は八千万です。二千万近くの
人口
が殖えている。
統制事務
も殖えているが、又戰爭によ
つて
も
事務
が沢山殖えて、その
行政事務
が単に殖えたというだけでなく、質的にも変
つた
のです。そういう
行政事務
を担当する
機関
を軍に三割くらいが丁度よかろうから削ろうというので削りますと、あと同じ
事務
を
縮減
された
行政機関
が担当するということになりまして、結局
事務
の澁滯とか、
能率
の低下ということが起
つて
來ると思います。これは若し
行政機構
を
改革
しようというのならば、三割
縮減
というような
原則
を立てないで、むしろもつと根本的にどうしたら現在の
社会生活
の複雑な情勢に應じて、
行政事務
を最もよく運営することができるかという科学的な根拠に立
つて
、再編成せられるという方向に向われるのが
本当
じやないかと思うのであります。時間の
余裕
がなか
つた
という
お話
でありますが、
行政審議会
の方でも恐らく
檢討
せられたと思うのだが、その辺を
政府
の方でも十分鞭撻されてやられたら、私は時間の問題なんかそう重要な問題ではない、むしろこの際こそ私は
日本
の
行政民主化
のために
行政機構
を根本的に
改革
した方がいい。これは私の
意見
を申上げて大変恐縮なんですが、その
基準
が
余り
はつきり
しないものですからお聞きしたのですが、如何でしようか。
大野木克彦
12
○
政府委員
(
大野木克彦
君) 戰後とにかく
日本
の
行政機構
は拡大されておりますので、それでこの
程度
は
縮減
できるだろうという一應の
狙い
で三割ということが
審議会
の
答申
にも出て來たように思いますので、そういうところでやるのであります。
お話
は全く御尤もなので、今後合理的な
機構
にこれを更に修正して行きたい、こういうふうに考えているのであります。
堀眞琴
13
○
堀眞琴
君 私一人ばかり御
質問
申上げて大変恐縮なんでありますが、
機構
の問題はそのくらいにしまして、
人員
の点ですね。
一般職
については三割、
特別会計
では二割、
公團
も二割、これは
原則
で、
例外
もあるという
お話
でございましたが、これも
基準
を大体
昭和
六、七年頃を一〇〇とすれば、現在は五〇〇くらいになるから、それで三割くらい
縮減
しても
行政事務
はそれで、大体とれるんだという
目安
でお考えに
なつ
たのですか。
大野木克彦
14
○
政府委員
(
大野木克彦
君) まあこれも実際
整理
するためには、而も短時間の間にその案を作るためには、やはり或る
程度
の率で引くより仕方がなかろうということでございまして、ただ多少それにつきましては、例えば戦前と比べて
能率
の点であるとか、或いは又四十八時間制に
なつ
たというようなこと、これは一時的なものだということでございますけれども、それらの点も勘案いたしまして、大体
能率
なんかの点で行きますと、今の
人数
の三割減くらいで行けるだろう、こういう一應の
目安
もあ
つた
わけでございます。
堀眞琴
15
○
堀眞琴
君 割
縮減
するというとどのくらいになりますか。
昭和
六、七年頃の
官公吏
の数と比べまして……。
大野木克彦
16
○
政府委員
(
大野木克彦
君) 実は数字が燒けておりまして、
昭和
六、七年頃につきましては、
官吏
、いわゆる
官吏
だけでございます、
官吏
だけしかないのでございますが、
昭和
七年が
官吏
が六万四千二百十人にな
つて
おります。それが大体
昭和
二十年頃までは約六万乃至七万
程度
であ
つた
のですが、二十一年に
官吏
が十五万四千八百二十人、それから二十三年の一月でございますが、二十一万二千三百十五人というような数に増して來ておるのです。これは
一般会計
で、
特別会計
はこれは
官吏
だけでございますが、
昭和
七年が四万五千六百十八人、それが段々増しまして、
昭和
二十年に十八万六千七百五十二名、それが二十一年が、二十六万八千百四十人、二十三年が三十七万千七十人、この
一般
と特別を合せますと、
昭和
二十三年が
昭和
七年の約五倍くらいにな
つて
おる、こういうような恰好にな
つて
おります。
堀眞琴
17
○
堀眞琴
君 これは、何ですか、
昭和
六、七年を
基準
にすると大体五倍になるというようなわけですが。
日本
だけが特にこう殖えたんじやないと思うのです。例えば
イギリス
にナシヨナル・ガヴアンメントができた一九三一年、それから
アトリー内閣
のできた四十五年、これを比較しますと、私は詳しいことを忘れてしまいましたが、
確かアトリー内閣
のときは三一年のときの四倍にな
つて
おるのです。それから
アメリカ
では三二年、ルーズヴエルトが就任したときですね。あれから終戦後の四十六、七年頃は三倍半にな
つて
おります。四十四、五年頃は五、六倍にな
つて
おります。現在三倍半なのです。そうしますとそう多くな
つて
おるというような氣がとないのですが、どういう御
意見
なんでしよう。
大野木克彦
18
○
政府委員
(
大野木克彦
君) これはまあ
外國
でも戦争の後はどこでも非常に増すようでありまして、御
承知
のフーヴアー・コンミツシヨンなんかでは
檢討
しておるように、これは
司令部
なんかへ行きましても、やはり
アメリカ
も同じようなものなんだというようなことをよく聞かされるのでありますが、御
承知
のように
アメリカ
なんかでもあのニユー・デイールなんかで非常に殖えておるように伺いますが、ただ今日
國土
も半分くらいに小さくなり、
國力
もそれだけ減
つて
おりますので、それに比べてどうも
官吏
の数だけが多いんじやなかろうか、まあ
國民
の
負担
の点から考えても成るべく
官吏
の数等によ
つて國民負担
を軽減することができるのじやないかというような点が考えられたのであります。
堀眞琴
19
○
堀眞琴
君
余り議論
ばかり申上げて何ですから、ただ
質問
だけにしますが、
國民負担
の点で
人件費
がどれだけの
負担
にな
つて
おりますか、それを
ちよ
つと知らせて頂きたい。
大野木克彦
20
○
政府委員
(
大野木克彦
君) この点につきましては、案はこのたびの予算を詳しく検討いたしておりませんので、近い機会に或いは
主計局
なりの方で
計算
をして御報告いたしたいと思います。
河井彌八
21
○
委員長
(
河井
彌八君)
ちよ
つと
速記
を止めて。 〔
速記中止
〕
河井彌八
22
○
委員長
(
河井
彌八君)
速記
を始めて。
城義臣
23
○
城義臣
君
只今
堀さんからの極めて合理的な、而も
科学主義
に論点を置かれた
質問
に対して、例えば三割の枠をどういう
基準
によ
つて
設けたかというような最も的確な御
質問
に対して、時間のなか
つた
という
政府
の
答弁
では誠に私共は遺憾に感ずるものであります。まあ今日は十分な御準備もなか
つた
かと思いますが、この辺ただ時間がなか
つた
というような
理由
だけでなしに、もつと的確な私は
答弁
の基礎があるかと思います。よく御調査されまして、本
委員会
で
はつきり
一つ
御
説明
頂きたいということを
一つ
希望申上げて置きます。
三好始
24
○
三好始
君
各省設置法案
が出るのは大体いつ頃になりますか、
行政官理廳
の方でどういう見透しですか、聞きたいと思います。
大野木克彦
25
○
政府委員
(
大野木克彦
君) 実は大体急いでおりましたのですが、いろいろな事情で遅れまして、
管理職
と
法制局
で審査をいたしまして、全体済むのが、十一日頃で終りたいと思
つて
おります。それから直ぐに
閣議
の
決定
をなして、そうして
司令部
のアプルーヴアルを貰いまして出すということで、できれば中頃、月中頃にしたいと思うのでございますが、多少遅れるのじやなかろうかと思います。ただ
司令部
には個々の
設置法
としてではありませんけれども、大体の
機構
としてはお目にかけておりますので、予備的に検討はして頂いておりますので、
設置法
の場合が早いのではないかと思います。ただいろいろ
関係
の
部局
の
意見
も相当あると思いますので、少しかかる場合もあるのじやないかと思います。
城義臣
26
○
城義臣
君
定員法
の方はそうすると大体いつ頃……、どうですか、大部遅れますか。
大野木克彦
27
○
政府委員
(
大野木克彦
君)
定員法
は若干遅れるかと思います。
城義臣
28
○
城義臣
君 これは
質問
じやないのですが、先程御
答弁
にな
つて
おりました場合の
人員
などの資料を印刷して配付して頂けませんか。
大野木克彦
29
○
政府委員
(
大野木克彦
君)
昭和
七年なんかのですか……、はあ分りました。
河井彌八
30
○
委員長
(
河井
彌八君) 私から伺います。
各省設置法
だけでありますか、もつと沢山の
行政機構
ということも想像されますが、どの範囲か出るか予定しておりますか。
大野木克彦
31
○
政府委員
(
大野木克彦
君) 予定しておりますのは
各省ごと
の、
総理廳
の
設置法
であるとか、文部省の
設置法
であるとかいうように
各省ごと
にそれが出ております。それで
機構
の方は一應それに皆盛り込まれると思います。で
各省
は相当大きなものになると思います。
本省
と
外局
と、
單行法
で行な
つて
おるものは名前だけ出して
單行法
に讓るものもありますが、全体としては
本省
と、
外局
と、
附属機関
と、それから地方の
出先機関
があれば、それも全部載せるので相当大きなものが出て來ます。
定員法
の方は、これは今度は元の官制にある一級、二級、三級というような階級が廃止されて、これは大体
政府職員
の
人数
の
最高限度
を示すと、そういうようなことになりますので、結局
本省
に何人、
外局
に何人と、こういうような
本省
と
外局等
の区別で
各省
の
定員
が分ります。それから
各省ごと
ではなくて、
定員法
として
政府職員
の全体を一本にした方がいいという、これは
司令部
の御
意見
でありまして、
定員
だけは
定員法
として一本の法律にしたいと考えております。
河井彌八
32
○
委員長
(
河井
彌八君) それは
各省
を通じての
定員
ですか。
大野木克彦
33
○
政府委員
(
大野木克彦
君)
各省ごと
に分れて、何々省
本省
何人、
外局
何人、それからその
定員
何名と、こういうように出て來ます。ただその中に今度
行政整理
を盛り込むことになりますので、九月一杯で
行政整理
を
終つて
、十月から新
定員
で行きたいと、こういうように考えておりますのでその辺の技術的な
やり方
を今
司令部
の方と打合せております。
堀眞琴
34
○
堀眞琴
君
失業対策
は
労働省
の方で今立案中でありますか、いつか
閣議決定
で
退職金
は
最低
五ケ月というようなことを新聞で見ましたが、あれは決ま
つた
のですか。
大野木克彦
35
○
政府委員
(
大野木克彦
君) これは実は
閣議
の方では決ま
つた
と申しますか、それによ
つて関係方面
の
了解
を得た上で本決まりになると、大体そういうふうと思います。
堀眞琴
36
○
堀眞琴
君 向うからその
了解
は……。
大野木克彦
37
○
政府委員
(
大野木克彦
君) 今採り上げ中です。
堀眞琴
38
○
堀眞琴
君 あれは
最低
五ケ月でしたね。
大野木克彦
39
○
政府委員
(
大野木克彦
君)
最低
は月収の四ケ月です。
城義臣
40
○
城義臣
君
行政機構
の
改革
並びに
人員整理
を多数思い切
つて
徹底的にやると、そういう文句を
使つて
お
つた
と思いますが、そういろ
意氣込
があ
つた
のを、最近は、段々腰くだけという形で、
内容
は誠にどうも思わしくないという話を專ら聞くのでありますが、
只今
の御
説明
で、そうではないということが一應了承されたのでありますが、併し形を
作つて
も魂が拔けておるという
印象
がまだ拔切らない点があるのであります。この辺実際のところ今の御
説明
で了承すべきかも知れませんが、その辺割
つて
お話
し頂ければ、今の状態を伺わして頂きたいと思いますが、如何でございますか。
大野木克彦
41
○
政府委員
(
大野木克彦
君) それは
機構
の面でございましようか。
城義臣
42
○
城義臣
君
機構
の面でも、或いは
定員
のところでもですね。
質問
が漠然としておるようですが、それだけで
お答え
の幅もあると思いますが、実はこういうことで非常に
一般
には悪い
印象
を與えるし、その間に疑義を挾む余地があると思いますので伺
つて
置きたいと思いますが、補足的に何か承われれば
はつきり
御決意の程を承りたいと思います。
大野木克彦
43
○
政府委員
(
大野木克彦
君) これは後程
大臣
からでも
お答え
申上げた方が適当じやないかと存じますが、私共
事務
的には先程申上げましたような
規模
の
適正化
ということと、それから
能率
によ
つて仕事
をや
つて
行くということを考えております。
城義臣
44
○
城義臣
君 分りました。
大臣
がお
見え
にな
つて
から……。
河井彌八
45
○
委員長
(
河井
彌八君)
ちよ
つと申上げて置きますが、先刻の
機構
を七〇%なら七〇%に減らすことにするという
基準
、例えば堀さんからの御
質問
に対して
政府委員
としても
お答え
が徹底しないと思います。それから
人員
の減少の
基準
についても、同様な感を抱かれる。
只今
の問題についても亦そうであります。それについて
一つ大臣
に対して十分
質問
して明らかにしたい、こう考えます。尚その外について御
質問
があれば……。それでは私から伺いますが、つまり現在の
行政機構
のあるままの、
各省
なら
各省
というものはこれをらすということをせずして、現在あるもののスケールを縮めたというような形で行くように
見え
る。
さつき城
さんの御
質問
がありましたが、私はもつと徹底的に
配置分合等
をおやりになるということもあるのではないかと考えたのですが、そこまでは行
つて
おらないように伺う。それの又根本の
理由
につきましては
大臣
なり、
総理大臣
の
説明
を伺うべきだと思うのでありますが、
政府委員
においてそこをどういうふうに取扱
つて
おられるか。
管理廳
の現在の行き方を承わりたい。それからもう
一つさつき堀
さんの
お話
もありました通り、結局
行政面
に現われておるその
仕事
の
内容
の改廃といいますか、つまり余分なものをここで止めるということを考えなきやならん。そこから來なければ
行政機構
の
改革
というようなものは
本当
ではない、かように思う。從いましてこんな
事務
はもう止めるのだということが具体的に相当ありまするならば、それを伺いたい。この二点を
一つ
。
大野木克彦
46
○
政府委員
(
大野木克彦
君) 徹底的な
配置分合
というところまで今回は行けなか
つた
と思うのでございますが、ただ
方針
といたしましては、例えば安本のような強力な、而も
專ら企画
をやるようなところにおいてや
つて
行く。それから九
原則等
の
関係
で
通商貿易
というような点に重点を置くということで、
商工省
の
機構
を
通商産業省
に変えるというような点が大きいものでございまして、そのほか例えば
連調
のようなものを外務省に持
つて
行くというようなことも考えられております。 それから
仕事
の
内容
につきまして一番問題となりましたのは
統制関係
の
仕事
で、不要、又は事実上不可能であるというような
統制
を成るべく止めて行きたい。でその方の
研究
もされたことでございますけれども、いろいろな
関係
でまだ十分行
つて
おりませんので、この
統制事務
の調査並びにその
簡素化
ということが今後の残された一番大きな題目にな
つて
おるような次第でございます。
カニエ邦彦
47
○カニエ邦彦君 それでは
ちよ
つとお伺いしたいのですが、まず第一番に先程
失業対策
に対する何を
労働省
で目下や
つて
おると言われるのですが、早晩こうい
つた
ことが行われるとなると、相当
失業対策
に対する問題が重要にな
つて
参りますが、その場合にこの法案を実施されるのが先になるのか、一應
労働省
の方において
失業対策
を完全になされて尚これが行れるのか、その点どちらを先におやりになるというお考えですか。
大野木克彦
48
○
政府委員
(
大野木克彦
君) これも政策の問題であると存じますけれども、今のところでは、とにかくこれはこれで進行さして行く、そうしてこれに伴
つて
失業対策
をや
つて
行くというような行き方にな
つて
おります。
カニエ邦彦
49
○カニエ邦彦君
只今
説明
されましたようなことで行かれるとなると、非常にその間並行して混乱が生ずるんじやないかということが考えられるんですが、その点はどういうお考えですか。
大野木克彦
50
○
政府委員
(
大野木克彦
君) それでまあ方法といたしましては、一時に
整理
をするということでなくて、時間的な差を設けまして
整理
して行く、それと同時に我々の希望といたしましては、できるだけ
退職金
等を見て貰いまして、それによ
つて
少くとも暫くの間の生活の保障をする。そのうちに一部いろいろ援助資金による民間企業等も相当出て来るのじやないか、その方に成るべく吸収して貰いたい。その外公共事業であるとか、或いは又その外の
失業対策
ができて來るのじやないかと、こういうふうに考えております。大体考え方としては、從來のような
失業対策
を先に立てて予算等を取
つて
置くということじやなくて、出て來たらそこでまあ予算も立てるというような考えのように承
つて
おります。
カニエ邦彦
51
○カニエ邦彦君 それでは今度
行政整理
、又これは
機構
改革
にも重要な関連があると思うんですが、現在のこうい
つた
多岐に亘る
機構
並びに
人員
の増加というものは、戰後における物資調整法に基く
統制
の実施に当
つて
増加した面が大部分のように思うのですが、これを今回縮小するためには、先ず
政府
としては現在の
統制
方式をどうするかということが大きな問題にな
つて
参りますし、又、その
統制
のうちに具体的にどれどれの
統制
を撤廃するかということにおいて合理的な
人員
の
整理
も
機構
の改廃も行われるんじやないか、これがなされなければ非常にそこに無理が生ずるんじやないかという感じがあるんですが、これに対する具体的な腹案がございましたら御
説明
願います。
大野木克彦
52
○
政府委員
(
大野木克彦
君) この点誠にお説の通りでありまして、今回の
整理
で多少物足りない点があるというお感じにな至す点は、結局その
統制
の問題が解決してない点によるんだろうと思います。それでその点につきましては、安本その他で今いろいろ案を立てているようでありますので、私
ちよ
つとその方の専門でございませんので、詳しいことはよく存じませんが、品目の減少あるとか、その他いろいろ
研究
を進めているようでございまして、先程申上げました行政制度
審議会
におきましても、亦
只今
行政官廳に附属いたしております監察
委員
等におきましても、今後専らその方面に主力を置いて
研究
を進めたいと言
つて
おられます。
カニエ邦彦
53
○カニエ邦彦君 それに関連して
出先機関
については、
原則
として地方廳に委讓するということでありますが、我我の
承知
する範囲におきましては、
出先機関
を廃し、又は地方廳に委譲するということにつきましては、
統制
を完全に実施する上には非常に困難な点があるのでないかというようなことも思われますが、
政府
は現在の
方針
通り今回
出先機関
を全面的に地方廳に委讓する
方針
を、今まだそのまま進んでおられるのですか、その点
ちよ
つと。
大野木克彦
54
○
政府委員
(
大野木克彦
君) 実はその点につきましては、大体その
方針
で参
つて
お
つた
のでありますが、最近の事情によりまして、相当やはり
統制
を強くやらなければならないという面も生じておりますので、
お話
のような混乱が起
つて
は非常に困りますので、更にもう暫く愼重に
檢討
をしたいというような
意見
も出ております。
カニエ邦彦
55
○カニエ邦彦君 次に、
政府
としてこうい
つた
基本的な
人員
の
整理
を行うのですが、これに伴
つて
勢い地方廳に対しても同様行わねばならないと思うのですが、その点
政府
としては、地方廳に対しての指示とか、或いは又要望とか、或いはこれに対するいろいろな考え方がおありですか、その点
ちよ
つと承りたい。
大野木克彦
56
○
政府委員
(
大野木克彦
君) 御
承知
の通り地方廳は直接の
政府
機関
でございませんので、これに対して指示をするということは困難であると存じますが、成るべく地方廳の方でもこの
方針
に即應してや
つて
頂くように期待をいたしておる次第でございますが、尚
機構
等につきましては、法的な
措置
について今自治課の方で
研究
をいたしております。
三好始
57
○
三好始
君
質問
ではないのでありますが、この機会に私提案いたしたいのですが、
行政機構刷新
の問題は、第五回
國会
における恐らく最大の問題だと思うのであります。そうしてこの問題については吉田首相が非常に強い考え方を持
つて
おることは、新聞等でも我我早くから拝見しておるのでありますが、次の
委員会
に吉田首相に出席して頂いて、首相の考え方を一應承るということがいいのじやないかと思うのですが、そういうふうに取計
つて
頂きたいと思います。
河井彌八
58
○
委員長
(
河井
彌八君) 三好君の動議と見ていいか知りませんが、御
意見
に皆さん無論御賛成と思いますが。 〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
河井彌八
59
○
委員長
(
河井
彌八君) 次回に総理の出席を求めることにいたしまします。但し御
承知
の通りいろいろな方向に総理が引張られているので、直ぐ來るか分りませんが、できるだけ早い機会に来て貰うことにいたします。今日はこの
程度
で如何でしようか。(「結構です」と呼ぶ者あり)
河井彌八
60
○
委員長
(
河井
彌八君) 今日は質疑はこの
程度
に止めまして、散会いたします。 午後三時四十一分散会 出席者は左の通り。
委員長
河井
彌八君 理事 カニエ邦彦君
委員
荒井 八郎君 城 義臣君 岩本 月洲君 下條 康麿君 堀 眞琴君 三好 始君
政府委員
総理廳
事務
官 (行政
管理廳
次 長)
大野木克彦
君