○
國務大臣(
鈴木正文君) 第一の
基準監督行政の点でございます。お説の
根本と私共の
考えの
根本とが変
つているように拜聽いたしましたが、その
考え方において
根本的に変
つているようには思いません。
ソシアル・ダンピングというようなものに対する
考え方、それからそれが
國際情勢に照し合わせてどういう結果を招來するかというような
考え方に対しましては、これは
考え方の相異はないように思います。もう一歩具体的に申上げますと、御
質問にもありましたように、それでは
基準監督の
基準事務の
行政をどういうふうに
考えるかという具体的の御
質問であ
つたと存じますけれども、
基準につきましては、現行の
労働基準法によるところの
基準というものは、
一つの世界的の
基準でありますし、又そういう
基準の上に
日本の新らしい
産業というものは打建てられて行くのだという
見通しの下に作られたことは言うまでもないのでありまして、今日においてもこの基本的の
考え方に直ちに訂正を加えるというふうな
考え方は、私共も持
つておりません。
基準行政につきましては、そうい
つた内外の
情勢を
考えまして、極力力を入れて現在の
レベルを落さないように、最小のものは少くとも確保しようという氣持を持
つておりますことも言うまでもありません。それでは今度の
定員法において
基準関係の
人員を減らしたのはどうかという御
質問でありましたけれども、この点につきましては、成る程その
基準だけの面、
行政だけの面から
考えまするというと、減らさない方がいいのだという
考え方も成り立つかとも存じますが、併し同時に全体を通じましての現在現
政府の
根本的政策の
一つとしての、
行政整理の問題との
調和を
考える必要があ
つたのでございまして、その点につきまして、
基準については特殊の考慮を一面において拂うことといたしまして、最も
第一線の中核をなすところの
基準監督官につきましては、三割という
整理率を排除いたしまして、一割八分ということに規定したのでございます。人は、成る程他の財政的な制約さえないのでありまするならば、
行政整理の問題を一応離れて
考えまするならば、別の見方も多少成立つかと思いますけれども、両者を
考え併せますときに、これは
予算定員に対する一割八分でありますから、
実定員はもつと低くなると思いますが、この程度の
調和を図ることは、全体の
政府の
政策との振合上妥当であると
考え、そうして
基準監督官については、一割八分という特殊の率を実行することによ
つて、今後の
基準行政はどうなるかという
見通しにつきましては、先程申上げましたような線を堅持するということは、新らしい
仕事の
工夫と
創意と努力とによ
つて、これは敢て
基準行政、
労働省のみではありませんけれども、全体の各省ともそういう手法を講じて、人の少くな
つた点、
機構の変化のあ
つた点については、
工夫、
創意をして対処して行くとうことが無論建前でありましようし、
労働省におきましても、そういう
意味を加えまして、
基準行政の
レベルを維持して行くということに極力力を盡したいと
考えております。
尚
失業対策の問題につきましは、この前も大体の構想については申上げたのでございますが、尚その外のやや詳細に亙るところの御
説明については、
説明員からこれをいたさせます。