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1949-05-31 第5回国会 参議院 懲罰委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年五月三十一日(火曜日)    午前十一時十三分開会   —————————————   本日の会議に付した事件議員金子洋文君、中西功君、板野勝  次君、カニエ邦彦懲罰事犯の件   —————————————
  2. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 只今より開会いたします。  昨日議長からカニエ邦彦君、板野勝次君、中西功君、金子洋文君の四名に対する懲罰事犯を本委員会に付託されましたので、これを議題に上せたいと思います。申すまでもありませんが、二十三日夜の事件参議院自体といたしましても重大な事件であり、又國民一般も非常に注目しておることと思いまするので、皆樣の御協力によりまして、愼重旦つ円滑に議事を進めたいと思いますから、どうぞよろしくお願いします。  先ず議事順序といたしまして、ここに皆樣のお手許に配付してありまする二十八日の本会議における草葉隆圓君の懲罰動議趣旨弁明速記でありまするが、先ずこの中から懲罰事犯に該当すると指摘されておりまする箇所を拾上げて、事実を糾明いたしまする材料にいたしたいと思うのでありますが、如何でございましようか。
  3. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 お尋ねいたしますが、草葉隆圓君の懲罰動議のその内容は、運営委員会における暴行と併せて議長が本会議において着席せんとする行爲を妨害し、これらに伴う議院の品位を冒涜したとかいうことのようにありまするが、本懲罰委員会草葉隆圓君の懲罰動議のごとく、運営委員会における事件、そして本会議場における議長が着席せんとするところの妨害行爲というこの二つを取上げるのか、この点を明らかにして貰いたいと思います。
  4. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) この草葉君外一名提出になる懲罰動議によりますると、本会議場における秩序を紊した事犯と、それから運営委員会におけるカニエ邦彦君の秩序を紊した事犯と、この二つが取上げられておりまするので、どうでしよう。先ず順序として運営委員会におけるカニエ君の事犯の方を先にしたらどうでしようか。これは切離して考えられますから……。
  5. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 私のお尋ねせんとすることは、次に私更に質問いたしたいと思いますのは、運営委員会におけるああいう騒乱事件も、この懲罰に付するのか、本会議場におけることのみを取上げるのか、或いは両方を取上げるのか、その場合にはどつちを先にするのかということをお尋ねしたいのが第一点、それの御回答次第によつて、更に質問いたしたいと思います。
  6. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) これはカニエ君に関する限りは本会議場における事犯委員会における事犯両方が掛つておると思いますが、先ず審議順序として事件別にやるか、個人別にやるかということを決めて頂いて、それによつて審議方法変つて來るのではないでしようか。
  7. 岡田宗司

    岡田宗司君 これは個人別にやる場合でありますと、順序からいつて、昨日動議に付せられた順序で行きますと、やはりカニエ君が第一になる。それでカニエ君が第一に取上げられます。そうしてカニエ君だけが委員会とそれから本会議両方になつておる。それでカニエ君だけを先に取上げて、先ず委員会における問題を片付けると、それであとは全部本会議場における問題だけになります。こういうことになります。從つて先ず順序に從いましてカニエ君から審議を進める。そうしてその時間的順序もありますから、先ず委員会における問題を審議いたしまして、それからカニエ君の本会議場における問題を審議する。こういうふうにしたらどうかと思います。
  8. 松井道夫

    松井道夫君 私はこれを事件別にやつて頂きたいと思うのであります。と申しますのは、これから事実の調査をいたして行きます上において、証人を呼ばなければならないのでありまするが、本会議場における事実の証人は、これは一人の証人から各議員についての事実を聞かなければならないものが沢山出て來るのじやないかと思うのであります。でありますから、事件別にいたしまして調べて頂いた方が、それは便宜に事を運ぶゆえんじやないかと思うのであります。  それから委員会の方を先に調べるか、本会議場の方を先に調べるかの問題でありますが、これも事の軽重から言いましても、委員会における暴行事件は單なる委員同志関係であり、本会議場におけることはそれと同日に断ずることのできない、議長職権を結局妨げたと言つたようなことでありまするから、先ず本会議場の事実を取調べた方がいいのではないかと存ずるのであります。何と言いましても、会期も今日一日でありますし、集中的に急速に審議を進めなければなりません。併し軽卒にやることはできませんので、又愼重にもやらなければならんわけであります。私の提議のようにして頂きたいと思うのであります。
  9. 大野幸一

    大野幸一君 松井君の意見同感です。
  10. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 私も松井さんの御意見に大体同感でありますが、お尋ねいたしたいことは、昨日の打合会におきましても、亦只今の場合におきましても、松井さんは議長職権阻止したという事件、こういう概念で本会議場における事件を取扱わんとしているお考えのように承りますが、私は議長登壇、著席を阻止せんとすることを中心として、総括的な騒擾事件と、かような取扱いをいたしたいと思いますが、この点は如何でしようか。
  11. 松井道夫

    松井道夫君 岩木さんの見解で審議に当られることは何ら異議はございません。ただ懲罰を求められている者が四人だけでありまするから、岩木さんのおつしやることも考慮に入れて、その四人の行動について集中的にお調べになつたらいいのじやないかと思います。
  12. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 そうでありますれば、そこで私が非常に失礼なことをお尋ねいたしますが、これは本委員会運営上、若しや他の方面から文句を言われた場合に、お互いに委員として心得て置かなければならんと思いますからかようなことを申上げるのでありますが、私は只今物的証拠写眞を見て見ますると、本懲罰委員会委員たる者が、今私が申上げたように議長登壇、着席を阻止せんとする総括的な騒擾事件の中に登場しているということについては、若しこれが第三者、他の方面から指摘されたような場合には、本委員会運営上支障ありませんかどうか。私はその人を排斥しようとするのではありませんが、非常に結構だろうと思いますが、この点に対する質疑を一應鮮明にして置かなければいかんと思いますが、如何でしようか。
  13. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 只今岩木さんの御発言に対して如何ですか。
  14. 松井道夫

    松井道夫君 私も実はその寫眞によつて明らかでありますように、議長席中心とする両側の政府委員席、その間の通路に当る個所におつたことは事実であります。併しながら何ら騒擾意味でございませんで、又その実際上の行動もないのでありまして、他から異議が出ましても、私といたしましては、十分にその異議を申しまする人を納得させる自信は持つております。少しでも実質上の騒擾にタツチいたしましたならば、勿論私は委員を遠慮すべき筋でありまするが、さようでございませんので、私としては委員職務を行うに何ら差支ないと信ずるのであります。こういう事件でありまするから、岩木さんの御心配になるような、いろいろの方面から批判も受け、或いは中には異議を申立てる人もあるかも知れませんが、私といたしましては、十分そういう方に納得行くだけの処置を取る自信がございます。
  15. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 今のことをお諮り願い、皆さん異議がなければ、特に私も際だつて異議はありませんが、ただ一應そういう注意をして置く必要があろうと思つて発言したわけであります。
  16. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 他に御意見ありませんか。
  17. 大野幸一

    大野幸一君 それは議事進行によつてですが、只今問題にする必要もないと思います。
  18. 鈴木直人

    鈴木直人君 大野さんと同意見です。
  19. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) それでは只今のところは別に問題にしないことにいたします。  その問題は今は問題にいたさんことにいたしまして、次に先ず議事順序につきまして、岡田さんからは、個人別に先ずカニエ君から審理した方が便利ではないかという御意見がありましたし、松井さんからは、事件別にして、そうして本会議の議場における事犯から審理した方がよいという二つ意見が出ておるのでありますが、これはいずれにいたしたらいいでしようか。
  20. 岡田宗司

    岡田宗司君 私といたしましては、個人別にやる方がいいと考えましたが、皆さんの御意見事件別に、又本会議の方の問題からと、こういうことでございますので、私としては、大野君が先程発言した通りで差支ないと思います。事件別でよろしいと思います。
  21. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) それでは松井さんの言われるように事件別で、そうして本会議場事犯から審理を進めて行くということに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  22. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) それではその通りいたします。  お諮りいたしますが、昨日本会議の散会後に、民主党と社会党の委員代表一名ずつを加えました委員長理事打合会におきまして、傍聽人制限について打合せをいたしましたときに、懲罰委員会審議祕密会にした方がよかろうという意見が多数を占めたのでありまするが、それにつきまして、改めて委員諸君の御意向を承つて決定したいと思いますが、如何でありましようか。
  23. 鈴木直人

    鈴木直人君 審理する上において、必要と認められるような場合には祕密会をやり、必要と認められないような場合には祕密会を解くという行き方で、原則としてこれはやはり祕密会でやつて行くことが、愼重に他に捉われずに打合せできると思いますから、そういう方針で行かれて、そうしてやはり祕密会を必要としないというようなときには、又そのとき解かれるというような方法がいいのではないかと思います。
  24. 岡田宗司

    岡田宗司君 私は一般的には公開でやられる。そういうふうにして、必要のある場合には祕密会にする。そういう方針でいいのではないかと思います。
  25. 竹下豐次

    竹下豐次君 私もこういう問題は成るべくならば公開にして、そうして議事進行上必要止むを得ない場合には、祕密会にするという建前で進んで行くべきものだと思います。岡田さんの意見に賛成いたします。
  26. 鈴木直人

    鈴木直人君 今の御二人の御意見を拜聽して、その方がいいと思いますから、私もそういうふうに賛成します。
  27. 大野幸一

    大野幸一君 前発言者と同じように原則として公開し、必要止むを得ない場合を祕密会とするというようになりますが、公開の場合も、議員報道人だけに止めて貰いたい。余り多くの人が來ると混雜するので、議員報道人だけ、議員も各党から成るべく若干名で、全部がここに押しかけられるというようなことは、委員長の適当な統制によつてされたい、こういうことに願います。
  28. 松井道夫

    松井道夫君 皆さんの御意見決定して頂いて結構なのでありますが、ただ昨日の委員長理事各派代表懇談会で、祕密会ということに原則が、結論が行きました事情を、一言お話して置く必要があると思うのであります。これはどうということはないのですが、今までの懲罰委員会祕密会原則としたという先例があるのです。それから会期が御承知の通り切迫しておりまして、さようなことは万ないと思うのでありますが、二十三日の運営委員会のようなことが万一起りますると、そのために非常に審議が遅れる。又いろいろ多少喧噪という程でもありませんでも、いろいろ聞きとりにくいようなことがあるかも知れません。それからもう一つ、これは相当突込んで審議もいたさなければなりませんので、懲罰、当然それを求められた人達のいろいろ名誉に関することが、これが主たる審議議題になりまするので、そういつたことも考慮いたしまして、昨日そういう決定になつたと思うのであります。要するに審議を急速に、愼重に進めるということに最も重点を置きまして、さようなことに相成つたと思うのであります。懲罰を受ける人も規定によりますると、懲罰委員会には原則として、出席は許されておらないので、刑事訴訟等の行き方と、大分趣きを異にしておるのであります。殊に本会議場において、衆人環視の中になされました事件でありますので、特に公開いたしまして、審議の公正を一般に認知せしめるという必要もないかと思われます。その辺を考慮に入れられまして、尚且つ祕密会原則としないという御決定に相成りますならば、私として何ら異議があるのじやありません。
  29. 竹下豐次

    竹下豐次君 只今松井さんの御心配御尤ものことだと思います。ただ併しこの委員会建前としましては、やはり公開原則にする。そうして止むを得ないときに祕密会とする。時間的に申しますならば、外の委員会と余程性質も違いますので、或いは祕密会の時間の方が多くなるということも一應想像もできることでありますが、原則論としては、やはり公開ということにする方がいいのじやないかと思います。
  30. 大野幸一

    大野幸一君 私も原則として公開論でありますが、ただ松井さんの懸念された議院運営委員会と比較されましたけれども、これは心配する必要はないと思います。議院運営委員会の情勢は、議院運営委員自身の責任であるのでありまして、我々は断じてああいう氣持で審議をしないと思つております。皆さんの御人格に期待し、我々の決意によつて議事は我々の熱意で迅速に進むと思いますから、できるだけ公開を……、ただ松井さんの懸念されるような場合に、委員長から諮つて貰つて非公開にする。こういうことで議事を進めて貰いたいと思います。
  31. 松井道夫

    松井道夫君 只今大野さんの御意見でありますが、私はこの委員会委員の手腕について何らかれこれ申すものではないので、委員会委員とは関係のない外部の傍聽者間事情、例えばこの事犯調査の目的になつておりますカニエ君と加藤君のことだけのごたごたのようなものは、これは相当重大な事犯でございますので、懸念したわけなんであります。決して委員会運営、その他で混乱が起きるという趣旨でありませんから、一應釈明いたして置きます。
  32. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) それでは多数の方の意見に從いまして、原則としては公開する。但し止むを得ないときに限つて祕密会を行うということで御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  33. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) それでは……。
  34. 松井道夫

    松井道夫君 ただ今大野さんの意見で、議員報道人に限つたらどうかという御意見がございますが、その点は……。
  35. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) それは大体傍聽者の範囲は議員報道関係者……。
  36. 竹下豐次

    竹下豐次君 その外に議員関係のある事務員……。
  37. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) それは無論含むのです。  只今中野君から委員外議員として発言を求めておりますが、如何でございましようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  38. 竹下豐次

    竹下豐次君 時間の制限を或る程度お願いしたらどうかと思います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  39. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) では十分間程度に……。
  40. 中野重治

    委員外議員中野重治君) お許しを得て発言いたします。懲罰委員会公開されるかどうかということについての決定その他を承りましたが、その中で松井さんからのお言葉にあつた点についてだけ私の意見を聞いて頂きたいと思います。これは昨日の懇談会理事及び各派代表によつてというふうなお言葉がありましたが、それは理事を出していない派の代表ということでありまして、一概に各派と言われますと、例えば共産党なんかも入るように取られては困ると思いますので、その各派というのは理事を出していないという前提の下での各派だということを記録に残すようにして頂きたいということが一つ。  それから次に祕密会にするかどうかということの問題で一般の裁判のことなんかもお話になりましたが、参議院規則のことを私今詳しく覚えておりませんが、確か衆議院規則によれば、懲罰に付せられるように決定した議員、その人も議長許可を得ればみずから懲罰委員会に出席することができるとあり、又は他の議員をしてこれに代らしめることができるというふうになつております。こういうことは特別の場合になされるのでしようけれども、とにかくそういうことが衆議院規則にあるのですから、参議院規則の場合もほぼ同樣のことがあるのではなかろうかと、こう考えたわけです。それですから松井さんの言われました趣旨に私は少しも異論を差挾むわけではありませんけれども、昨日の懇談会各派による懇談会だということで、その各派というものの前提制限が拔けた場合、それから後者は議長許可を得た場合は本人も出ることができるのだということがすでにあるということを含められた上で、原則として祕密会の実際的処理をやつて頂きたい。これが私の方の委員会に対するお願いであります。それだけです。
  41. 岩木哲夫

  42. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 先に決定しましたように事件別に扱いまして、そうして本会議場事犯から審議することにいたしまするが……。
  43. 松井道夫

    松井道夫君 草葉隆圓氏の動議提出趣旨弁明で大体明かでありまするが、尚やや分明を欠くようなところがあるのではないかと思うのでありまして、例えば書類を受取つて破らんとし、又議長を倒すというようなのがありますが、これは一体誰がやつたのかと主張されておるのか。その他数え立てれば相当出ると思うのでありまするが、審議を急速に運びまする必要上も提案者から直ちに懲罰と定める行爲を、どの程度まで懲罰せらるべき行爲として取られる、主張しておられるのかということをはつきり確定して置いた方がいいのではないかと思います。それで草葉氏に來て貰つて、その点を明確にせられたいと思うのであります。いろいろ昨日の弁明にございましたが、削られた部分もあると思うのでありまするけれども、何か共産党が暴力的の團体であるといつたようなことも言つておられます。そういうことも一つ情状にするのかどうか、或いは計画的、且つ集團的ということを、これはやはり懲罰の事実として主張せられるのかどうか。そういうことが明確じやないのですから、そういう点に昨日弁明を、大分時間を費しておつた。單に具体的の行爲そのものを対象としておるのであれば、非常に審議が早く、滑かに行くんじやないかと思います。
  44. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 只今松井さんの御発言がありますように、この動議提出の一人であり、そうして趣旨弁明せられた草葉隆圓君をここに呼びまして、草葉君から懲罰違反と該当すると言われる点を聞いて、事犯の基礎になる問題を確定すると、こういう御意見でありますが、この際草葉君をここに出頭して貰うことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  45. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 外に打合せすることがありますから、ちよつと速記を止めて下さい。    午前十一時四十九分速記中止    ——————————    午後零時七分速記開始
  46. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 速記を始めて。草葉さんが見えましたので、趣旨弁明は本会議でも詳しくやられましたので、この際草葉さんに対して委員の方から疑問のある点だけをお尋ねするようにいたしたいと思います。
  47. 松井道夫

    松井道夫君 それでは私から先ずお尋ねいたしますが、この動議提出趣旨でありまするが、いろいろ弁明速記録を拜見しますると、述べておられるようでありまするが、懲罰に値する事実として主張されるところは、カニエ君については委員会において加藤議員に暴力を加えた事実、それから本会議場においては議長登壇阻止した事実、それから金子洋文氏については副議長職務執行を妨害した事実。中西功君についても、同じく副議長職務執行を妨害した事実。尚中西功君については議長登壇阻止した事実。それから板野勝次君については議長登壇阻止した事実。この事実を主張しておられると解してよろしいのでありますか。というのは、いろいろ述べられておられます中に計画的であるとか、集團題であるとか、又削られたようでありますけれども、共産党の本質が暴力的なものであるというように聞えることも発言されたと思うのでありますが、そういつたことを情状に主張するということでありますると、その方も審査しなければならんということになりますが、その事実だけを主張されるのか、或いはそれに附加えられたことも主張されるのか、その点をお聞きいたします。
  48. 草葉隆圓

    委員外議員草葉隆圓君) 只今松井さんからの御質問のカニエ議員に対しましては、加藤議員に対しまする暴行事件並びに議長阻止事件。それから中西君に対しましては議長阻止事件、副議長に対する職務阻止事件板野君に対しては議長に対する阻止金子君に対しましては副議長に対する職務阻止。これだけであります。最初は九名という……、その九名の説明で申上げましたが、本院で採択の四名に対しまして、これだけの点と相成つた次第であります。御了承願います。
  49. 松井道夫

    松井道夫君 そうしますと、いろいろ述べられたことは事情としてお述べになつたので、懲罰を受くべき事実として述べられたのではないということになりますな。
  50. 草葉隆圓

    委員外議員草葉隆圓君) 私が最初申上げましたのは、実は九名としてある事実を申上げましたが、本院の採決の結果、採択は四名でございますので、四名に対しまする件の懲罰動議に関しまする懲罰事犯は以上のものであります。
  51. 松井道夫

    松井道夫君 それでもう一つお尋ねしたいのは、副議長職務執行を阻害したという事実の中に、書類を引き取つて破らんとし、マイクを倒すということが出ておるのでありますが、それが誰がやつたかということはその記述の中でははつきりしておらんのでありますが、これは審理の上、中西金子両君のどちらがやつたかということが分つたらその点、懲罰に付すべしという趣旨が、ここに四人出ておりますが、四人の中で誰かがやつたというならば、その点も懲罰に付して取上げて貰いたいということになるのか、その点はどうでしようか。
  52. 草葉隆圓

    委員外議員草葉隆圓君) この副議長の方は金子中西両君でございます。
  53. 松井道夫

    松井道夫君 その外は入らんのですか。
  54. 草葉隆圓

    委員外議員草葉隆圓君) その外はカニエ板野君は入らんです。それで結局この二人になるわけでございますが、議長のテーブルにありました議長用の公文書を片手に握つて振廻し、引き破らんとする状態中西、それからマイクを引き倒したというのも中西君という状態であります。
  55. 竹下豐次

    竹下豐次君 スクラムを組みながら集團的に議長登壇阻止したというのでありますが、これは正式にスクラムを組んでやつたのですか、ただ前に並んでおつたという程度ですか。
  56. 草葉隆圓

    委員外議員草葉隆圓君) これは昨日いろいろ問題が……、ちよつと私の説明が不十分であつたかと思いますが、スクラムを組んで上つたという意味ではない、議長阻止している形がスクラムを組んでおつたような形であつた、こういう意味を表現に用いたわけであります。
  57. 竹下豐次

    竹下豐次君 板野勝次君が先頭を切つと演壇に駆け上りというのですね。これは私もよく記憶がないのですが、演壇というのは本当のあの演説とするあそこにおりましたのですか。それともあの附近におつたというのですか。
  58. 草葉隆圓

    委員外議員草葉隆圓君) 演壇というのは必らずしもいつも演説をする演壇というよりも、演説する演壇のあの辺をうろつきながらこつちの方じやなしに、むしろ参事席の方……いわゆる演壇の方向……。
  59. 竹下豐次

    竹下豐次君 あの壇の上にというくらいですか。本当演説される演壇、そこでなかつたのか。場所は……。
  60. 草葉隆圓

    委員外議員草葉隆圓君) 本当の実際の場所演説の、きちつと演説するあの上ではなかつたと思いますが……。
  61. 竹下豐次

    竹下豐次君 場所は……。
  62. 草葉隆圓

    委員外議員草葉隆圓君) 場所はやつぱり演壇……。この辺ですね。この辺を走り廻つているという意味演壇でございます。
  63. 鈴木直人

    鈴木直人君 議長の來るところじやないね。
  64. 草葉隆圓

    委員外議員草葉隆圓君) 議長はここでございますね。
  65. 鈴木直人

    鈴木直人君 議長が入つて來るところじやないね。議長はどこから出て來るわけですか。
  66. 草葉隆圓

    委員外議員草葉隆圓君) 議長はここからこう出て來た。この辺で議長阻止された。参事の前で……。もつちよつとここで……。嚴格な演壇というのはここですか、この辺と思うのですね。これが一つ、外の証人もありましようから……。
  67. 鈴木直人

    鈴木直人君 議長の近くじやないね。
  68. 草葉隆圓

    委員外議員草葉隆圓君) 議長の近くじやありませんね。議長はこの辺でございますから……。
  69. 竹下豐次

    竹下豐次君 それから板野君は卒先して議長に向つて突き進んで参つたのでありますというのでありますが、どつちからどういう方向で行つたのでありますか。卒先してというのは……。
  70. 草葉隆圓

    委員外議員草葉隆圓君) こつちからこういう方向を……。
  71. 竹下豐次

    竹下豐次君 それからあなたのこの御説明、いろいろ証拠を挙げておられますが、これはあなた御自身で全部見ておられたのをそのままにおつしやつた部分と、それからいろいろその他をお聞きになつてから、そうしてあなたが判断されてここに取入れられた部分、その両方があるのじやないかと思いますが、その点を……。
  72. 草葉隆圓

    委員外議員草葉隆圓君) これは守衞或いは写眞、及び外の議員、それを全部総合いたしました。
  73. 竹下豐次

    竹下豐次君 そうしますと、板野君の点については衞視が証人として説明したとかいうようなことを先ず一應簡單でよろしいですから。板野君のみならず……。
  74. 草葉隆圓

    委員外議員草葉隆圓君) そうすると、丁度松井さんの御質問にありました順序から申しますと、カニエ君につきましては加藤君自身でございます。それから衞視山田班長、下倉衞視長、それから中西君につきましては、私の現認しておりますのは別といたしましても、中西君は私も現認しておりますが、緑風会の村上義一君、赤木正雄君、町村敬貴君、矢野酉雄君、中西君のは今の通りであります、板野君につきましては、山崎恒君、村上義一君、早川愼一君、阿竹齋次郎君。それから更に中西君のことにつきましては衞視、金子君につきましては私も現認しております。先程申上げました以外に新谷寅三郎君……。
  75. 鈴木直人

    鈴木直人君 金子君ですか。
  76. 草葉隆圓

    委員外議員草葉隆圓君) 金子洋文君です。村上義一君、山崎恒君、穗積眞六郎君等の……まだ外にずつとありますけれども、少しくそれらの意見を総合しました。
  77. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 鈴木さん、草葉さんに対する御質問ありませんか。
  78. 鈴木直人

    鈴木直人君 ありません。
  79. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 それじやお尋ねいたしますが、板野君が「腕を振つて、頻りに叫び声を出して叱呼いたしまする時、中西功君、岩間正男君、細川嘉六君、中村正雄君、原虎一君、カニエ邦彦君、天田勝正君の諸君らが壇上に殺倒いたしたのであります。」とありますが、私ももとより目撃いたしておりましたし、他の同僚議員もいたしておりまするし、現に証拠となるべき写眞を具さに点檢いたしますれば、これらの六君だけではない。その当時に壇上に登つた者は実に三十五名に達しておりまして、この内訳は、社会党十二名、民自党が九名、緑風会五名、無所属懇談会四名、共産党五名の各議員が本会議の壇上に相前後して駈け上つたのであります。に拘りませず草葉議員は、この六君らがということを時に指したその理由を、又その根拠をお尋ねしたい。
  80. 草葉隆圓

    委員外議員草葉隆圓君) 写眞には只今お話のように沢山今の数の方々が見えておりまするが、議長を取囲んだ直ぐそばには、私が申上げた六君がおつたと衞視の証言によりましていたしたのでありまするから、ただ壇上に上つただけというのは私の懲罰動議には取上げなんだのであります。
  81. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 重ねてお尋ねいたしますか、議長阻止したというような行爲があつたかどうか知りませんが、これらの被告議員が本会議において陳述いたしておるところを見れば、議長に小委員会を開けという交渉をしておつたような経緯などを陳述しております。写眞を更に見ますれば、これらの人が議長中心として取巻いておる顏振れの中に見えなくて、これ以外の人……写真がいろいろ時間毎に分けてありまするが、これ以外の人がおりますが、以外の人は指さずに如故これだけの人を指したのですが、どうもこの辺が薄弱のように思います。
  82. 草葉隆圓

    委員外議員草葉隆圓君) 実は写眞が時間的にはつきりしないのでございます。それでむしろ写眞一つの有力なるものでしようけれども、当時の状態を衞視に直接聞いたその実際の事がむしろ確実ではないかというのに中心をそこに置いて、それで写眞が一番最初から映写機みたいに順々になつておりますければ、分りまするけれども、それが至つてはつきり順序が時間的にいたしませんので、さようなことで今申上げた方々を動議に出したのであります。
  83. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 お尋ねいたしますが、今衞視の意見を聞いてということでありますが、衞視の意見一つの証拠かも知れませんが、又写眞も重要なる証拠であります。從つてあなたがこの点のみを指摘されておることにつきましての根拠は、私は薄弱だと思う。この人もおつたかも知れませんが、写眞ではこの人などは見られん、他の人もおる。そこに私はちよつと疑議を狭むのですが、この点は……。
  84. 草葉隆圓

    委員外議員草葉隆圓君) これは私もその点は余程愼重に、写眞になかなか姿がないような方もいろいろ調査してみますると、例えば板野君がおるとき、というように段々出て参ります。從つてむしろ写眞には見当りにくいのも挙げたような次第でございます。写眞も勿論一つの有力なる証拠といたしますと同時に、他の私に材料を提供して貰いました方面をも有力なる証拠としてそれを総合いたした次第であります。そうしてこれが一番適当であり、妥当であろうと存じましたのが、私の動議の範囲になつたわけであります。
  85. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 草葉議員の主観的な考であつたということで私は承知いたしたいと思います。必ずしもこれが絶対的なものでないということを私は今の証言によりまして確信がつきました。  それから次に、こうした方々がスクラムを組み、集團的に議長の着席を阻止したために、とこういうことでありますが、果してスクラムを組んだという事実はどこにあつたのでありますか。
  86. 草葉隆圓

    委員外議員草葉隆圓君) これらの人達が議長を取り囲んで議長が前進することができない状態で、少くともスクラムを組んだ状態で、従つて進行できない。一人でありますると、集團ではありませんけれども、以上申上げました数名が一緒でありまするから、集團と申上げたのであります。
  87. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 この点につきましては、又草葉議員の主観と申しますか、草葉議員の参照された方々の御意見によることか知れませんが、被告議員が本会議が陳述したことは、この六人が大人とも揃つて決してスクラムを組んでおらない、写眞におきましても、スクラムを組んだとは見られない。衞視各位があの辺を議長と若しか何かお怪我がてきてはいけないというようなことをむしろ案じて、議長に触わらんようにこう取り囲んでおつたような同じ写眞が三葉ありまするが、三葉ともかように見えておる。そうしてスクラムを組んだといつたようなことは我々も見ておらないのですが、この辺は実に重大な問題でありまして、これらの方々が中心としてスクラムを組み、議長の席に着くのを阻止したということは、誠に振古未曾有の事件であります。ここが問題であると思いますが、如何にしてスクラムを組んでこうした方々の六君が議長の着席を阻害したという確証がありますかどうか。
  88. 草葉隆圓

    委員外議員草葉隆圓君) 今申上げましたように、スクラムを組むという形においては、最初からスクラムを組んで上へ上つて來る場合と、上つて來た最後の結果の状態議長阻止するスクラムを組んだ状態になつておるのとあります。私が申上げるのは、議長阻止しておる状態が少くともスクラムを組んで阻止しておる状態なんであります。
  89. 松井道夫

    松井道夫君 議事進行について発言したいと思いますが、只今御質問になつておるようなことは、これは懲罰として提出されておりまする事実の内容に入つて、その眞疑を確める過程に入つておると思いますが、これを若し必要がありますれば、草葉さんについて必要があるということになれば、後刻又草葉さんを証人といたしまして、その点を訊問して頂きたいと思うので、只今の御質問はただ草葉さんが懲罰そるべき事実として主張せられる事実の範囲を確定する限度でお進め願いたいと思います。
  90. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 私はこの提案者が、それの確信があり、物的証拠があり、諸般の情勢から判断して、十分これは事実であるということにおいて、恐らく重大な國会議員の名誉と地位に関する問題を提出された問題でありまするから、これはなかなか軽卒にそう取扱うべき問題じやない。本件の極めて中心の問題は、ここにあると私は思う。ですからこれが果して何であつたか、若しこれであるならば何をか言わん、これらの、した者全部が必要じやないか、こういうことすら思う。併しその問題は、仮に別問題にいたしまして、更に議長の着席を阻止したかどうかというような渦中にあつた者は、ひとり私はこれらの方々ばかりでない、党をいう必要はありませんが、他の党ですね、與党側の人もこれらの近くにおつた写眞が相当見られるのであります而も衞視多数が議長のお体に若しや怪我でもあつたらいかんということで、取り囲んでおつた実情は見られたが、これらの議員が登場を阻止したということは……この間に、小委員会を開けとか何とか相当怒号があつたかも知れませんが、事態は実に紛乱を極め、的確にスクラムを組んで阻止したという確然としてとり決め得る事態だとは私は判断しないので、やはりこの点は重要な問題だと思う。ですからこの点を極めなければ進行しないのじやないかしらと思います。
  91. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 どうも今岩木君のお説で参りますと、如何にも尤ものようにも見受けられるのでありまするが、これはその訴訟の進行内容を審議いたしまして、一つの我々の結論に到達する手続法としては、全く素人的解釈でありまして、これはとるに足らざるものであると私は言わなければならんと思います。  況んや我々が最も注意をしなければならん問題は、一つの事実を究明して行くその方法といたしまして、原告である草葉君や、若しくは事犯を引起した人々、これは恐らく幾多の形においていろいろなことをやりまするけれども、反対の陳述で終始されることも信じて疑わないのであります。これはその訴を起した者と処罰を免れようとする防票の形におられる人々の間の一つの爭いでありまして、これを本当に眞実を把握して解決して行くというには、いわゆる物的証拠と人的証拠によつて決定せねばならん。草葉君なり若しくは事犯者をどこまで責めて行つたところで、これはそうでございます、ああでございますというようなことは、言い切れない、ただ或る程度確められて、そうしてその心証を得られる具に供せられることは結構だと思いますが、これはどこまでも極めて行つて決定を見るということであれば、当人も、証拠も何も要らんということになる、或る程度心証を掴めば私は結構であると思うのであります。あとは第三者の証言、物的証拠、これによつて判断を願うより外に途はないと思う、この点だけを一言申上げます。
  92. 大野幸一

    大野幸一君 遠山委員の最後の言葉にある心証を得るというために、これは非常に必要です。私は草葉議員が本会議において、共産党、社会党への言葉を取消され、追及し除名すという言葉を取消されたときに、さすがは僧侶だと思いました。併しながら本日ここに第一松井委員の質問に対して、「スクラムを組みながら、集團的に議長の歩行を阻止いたしたのであります」というこの一言は、これは日本國中に響き渡つた一言であります。その責任や重大であります。これは若し間違つてつたなら、間違つてつたと、これは自分の言い過ぎであつたと……、こういうことがすべての供述から明かになつたでしよう、明かになつたればこそ、この四人を除く他のすべての人々に対しては動議は否決されたのである、あなたももう少し素直に取消される度量がありまするならば、こんな悶着は起きないのであります、この意味においてこのあなたの、一般に言う提訴状の信憑論というものに対しては、審査の具に供するためには、これは必要であつて岩木委員なんかが説明された、或いはスクラム言葉については、竹下議員も質問されたのであります。この点については私も十分に一つあなたから、今ここで取消すなら取消して貰いたいと思います。スクラム型というのではありません、スクラムということがあつて、あなたのおつしやつたことは、「スクラムを組みながら、集團的に議長の歩行を阻止いたしたのであります。」とこれが出て來ます。スクラムを組んで集團的にというのは、余りひどいことではなかつたか、それを取消されたらどうでしよう、それをあなたにお答え願いたいと思う。
  93. 草葉隆圓

    委員外議員草葉隆圓君) 私の懲罰動議として提案しましたのは九名であります。併し本会議におきましては御案内の通り四名に決定いたしました。私の九名提案しました理由は、今お話になつたそれぞれの條項を出しておる次第でございます。で、今日この四名の議員諸君を懲罰委員会で、その事犯をお調べになつておりまするが、從つて私の申上げた全部の方々が懲罰委員会に付されて、そうして更に五名の方方の中心が、私の申上げた集團的であり或いはスクラム的である、スクラムであるというようなことが中心になつてつたのでありまするから、私はそれを取上げて懲罰動議に出したのでありまするけれども、それは本会議で多数を以て四人に決まつたのであります。併し私は懲罰動議としては、どこまでもそう信じて出した、併し院議におきまして懲罰に付すべきものは四名と決まりました、四名に対しまする私の懲罰事犯としての論拠は、今松井さんにお答え申上げた点であります。從つてここでは今の御質問の取消す取消さんという問題ではないと思います。
  94. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 私は遠山さんにお聞きしますが、そんなことは素人意見であると、人を侮辱したようなことはお愼みを願いたい、今回の騒擾事件について演壇を登上した活躍者は今申上げましたように緑風会、民自党、社会党、共産党、無諸属懇談会等で、我が民主党は一人もかような渦中に入つておりません。私は別に罰せられる方でも罰する方でも、党の関係は聊かもない、極めて我が民主党は公正なる立場で嚴粛な批判をいたしておろうということについて、若し草葉議員がこれらを根拠としたいわゆる懲罰動議の信念であるとするならば、大いに重罰に処すべきである、これが誠に本件の岐路に属する問題でありますが故に、どうしても確証を得なければ私はこの事件進行はできないと思います。その外副議長を腕力でどうだとか何とか、マイクをどうだとかいうことは次に起つた第二の問題であります。間髪を入れざる次の事件であります。先ず今回は本会議場における事犯はここから出発しておるのでありますから、どうしてもこの点は、如何にしてスクラムを組み、集團的に議長進行阻止したかという事実を、どうしても心証的に掴まなければ本件の取調べの進捗はしないものだという私は確信を持つております。
  95. 鈴木直人

    鈴木直人君 これは我々委員会に付託された案件について現在審議を進めておるわけでありまするが、併しその審議の過程において、現在は提案者が提案をした趣旨説明の疑義を質すという程度において、そうしてこの提案の趣旨説明に対するそれぞれの意見というものは我々はまだはつきり分らない、それが正しいものか正しくないものかということは、まだ審議に入つたばかりですから分らないのですが、先ず趣旨説明の字句その他について提案者の考え方なんかを一應質問をする程度にして、そうして質問すべきものが終つたら一應引下つて頂いて、そうして今度は我々が誰を今度証人に呼ぶか、草葉君なら草葉君を証人に呼ぶというような場合において、今度そういうふうに意見を聞いたりするというような段階に入るように進まれることが議事進行の上において非常にいいのじやないか、それで今はただこの趣旨説明者にその説明した趣旨を一應聞いて疑問とするところを一應質問して行く、そうしてお互いに討論とか議論とか意見とかいうものを発表しないということにして一應これをやつて行くということにしたいと思います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  96. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 今の御趣旨に基いてお尋ねだけいたして置きましよう、議論は後廻しにします。  草葉議員にお尋ねいたしますが、次に私が重視いたしておるのは、カニエ議員に関することでありまするが、「カニエ邦彦君が左側から空間にもぐり込むようにして議長の足許へ向つて飛び込んだのであります。そうして議長の足をしつかり捉まえて動かさなかつたために議長は全然歩行ができなくなつた」ということでありますが、その観察の実情を承わりたいのであります。カニエ君はかようなことは絶対ない、足を踏まれて倒れたんだということを言つておるのですが、この点の一つ事実を承りたいと思います。
  97. 草葉隆圓

    委員外議員草葉隆圓君) この点は先に申しました下倉衞視長、山田班長がよく現認いたしております。
  98. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 それでは次にお尋ねいたしますが、次は中西君、金子君らに重大な問題でありますことは、「副議長の松嶋喜作君は議長席に走つて参りまして議長席に着かんといたしたが、これを見まするや、中西君、金子君らの諸君は、議長席及び演壇に殺倒いたしまして、それから後から後から次々に殺倒」した次第であるということを言われておりまするが、議長席に着かんとしたときに中西君、金子君らが殺倒したと言つておりますが、この外に顯著な人方もあるように私は現場を見ておつたし、写眞もその通りであるようでありますが、何故にこの両君のみを指摘されたのでありますか。
  99. 草葉隆圓

    委員外議員草葉隆圓君) 私は両君が最も重大なる職務を阻害しておられると信じましたら、両君だけにしました。
  100. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 私今の御言葉につきまして、実は民自党の淺岡君がこれより先に私は上つてつて中西君、金子君以上の活躍をしたと見ておりますが、そういう観察は全然ありませんか。
  101. 草葉隆圓

    委員外議員草葉隆圓君) 淺岡君は昨日一身上の弁明にありましたが、むしろ議長職務を阻害したということじやなしに、議長職務執行せしめるための助勢をした、助力をしたと、私はかように考えます。
  102. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 それではお尋ねしますが、淺岡君が助勢、助力をしたという権能はどこにあるのでありますか。
  103. 草葉隆圓

    委員外議員草葉隆圓君) 私はそれは答弁の限りでないと思います。
  104. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 それでは次にお尋ねいたしますが、副議長議長席から引摺り降そうとして中西金子両君が活躍したとありますが、その事実は間違いありませんか、それらの証人はどのような方を選定されますか。
  105. 草葉隆圓

    委員外議員草葉隆圓君) その証人は、私も一部現認しました。それから更に先に松井さんにお答え申しました方々が証人であります。その証言を基にしましてかように決定いたしました。
  106. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 もう一点お尋ねいたしますが、結論におきまして、こういう暴行、暴挙と民主國会を破壊せんとする行爲であるといつて、いろいろ信念のあるところを取られておりますが、これは先に私が申上げました通り、あなたが懲罰動議に提訴された六名に限つたことはないのでありまして、こうしたあらゆる騒擾事件暴行暴挙というものは、実に演壇に登り降りつ、喧々囂々、怒声、罵詈の中に醜態を演じたこの三十五名全部にもあると思うのであります。最も顯著な者はこの六名であろうという御意見であろうと思いますが、かような意味合から見まして、こういう不祥事件というものは、こうして演壇中心として登り降りした三十五名の全般にかかつておる問題であるわけでありますが、草葉議員はこれらの方々に対して何ら言及されておらないのはどういうわけでありますか。
  107. 草葉隆圓

    委員外議員草葉隆圓君) 議場全体が騒然とし、大いに紛叫をした、一種の殺氣立つてつたということは御案内の通りであります。私はその状態の最も尖端的なものが私が指摘いたしましたこれらの諸君が代表的に尖端的の者であるから、國会の権威と参議院の使命達成のためにこれらの諸君を懲罰に付すべきである、かように信じまして、この九名の諸君を私は動議として出したのであります。
  108. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 一應私は終ります。
  109. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 草葉君にちよつとお尋ねしますが、この寫眞に現われておる人数はよく点檢しておりませんが、これで岩木君の話によると三十数名だといわれる。その中で最も主として活動せられた人という言葉を使われたようでありますが、お説の者が演壇を占領した中で、特に九名だけが公務執行妨害として、その罪として重きをなしておるというので、それだけを選び出されたんじやないでしようか、どうでしようか。
  110. 草葉隆圓

    委員外議員草葉隆圓君) 私はこれは議長議長席に着く意思を持つて進行しておるのに、少なくともそれを妨害しておる、こう考えて懲罰に出したのであります。公務の執行を少なくとも阻害をした、あの結果において重大な阻害を來した。
  111. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 今の点で草葉君に対する御質疑はよろしうございますが、先程岩木君から私を名指してのことがありましたので、まあ委員同志討論を闘わすのは趣旨でないので、そんなつもりじやありませんが、ちよつと釈明だけをいたして置きたいと思うのであります。私の先程申し上げました言葉の中に、何の言葉のあやでありましたか、こういう同僚を侮辱したというようなお言葉があつたのでありますが、そういうようなつもりで、私の意思からそういうものは出ているのじやない、そんな氣持はちつともありません。初めから私が申上げているように、この眞実こそは声を大きくしたり草を叩いたりして片付けるべきものでない、本当に冷靜に本当の裁判をするという頭で、党派的考えを除去して進まなければならんという考えを以て私は進んでいるつもりでありまするが、よく考えて見ますると、素人というような言葉を使つたことが見ようによつては惡く聞えますが、それは私は草葉君に対する岩木君の御質問が本人尋問と証人尋問と少しごちやごちやになつてつたのじやないかと思われたのであります。それで先程御質問の中に幾つものお言葉がありましたが、それは主としてそういう疑問は、草葉君をして証人尋問の形において証言して貰うべきことでありまして、本人尋問の形ではちよつとまずいような氣がいたしたので、ああいう言葉を使つたのでありますから、御了承を願いたい。
  112. 大野幸一

    大野幸一君 私の方から聞きますが、「衞視一人が少々通路をあけました時、カニヱ邦彦君が左側から空間にもぐり込む……」と、こういう衞視の一人とありますが、名前が分つておいでになるのですか。
  113. 草葉隆圓

    委員外議員草葉隆圓君) 分つております。それは下倉衞視長であつたと思います。ちよつと私ここへ書類を持つて來ておりませんが、それであつたと思います。その名前が間違つておりましたら、後で訂正いたします。
  114. 大野幸一

    大野幸一君 それからその次に、小委員会を開けと口々に叫んでおり、その傍らにおりし一人の衞視が、誰か下にしやがんでおるように恰好でありますから、とありますが、これは誰でありますか。
  115. 草葉隆圓

    委員外議員草葉隆圓君) 山田班長であつたと思います。
  116. 大野幸一

    大野幸一君 山田班長……。それからあなたが本会議で追放し除名すということは取消しますということをおつしやいましたが、これはどういう御意思で、どういう意味を以て取消されたのですか。
  117. 草葉隆圓

    委員外議員草葉隆圓君) これはあのときも申上げましたように、私のただ主観をそのときに申上げたので、本当はこれから採決をする、各懲罰事犯動議に出された諸君が一身上の弁明を済まして、いよいよ本会議の採決をする場合に、私が、これは追放除名すべしという條件を以て採決に当つたら、採決にとられた人達は、そういう條件によつて採決されたという誤解をしますから、さような誤解を一掃するため、この懲罰事犯の内容及びその結論というものはすべてこの懲罰委員会の権限の範囲内であります。それで取消したのであります。
  118. 大野幸一

    大野幸一君 その点もう一つ。「板野勝次君に続いて、中村正雄君、カニエ邦彦君、中西功君、細川嘉六君、岩間正男君、原虎一君、並びに天田勝正君等は相擁して、スクラムを組みながら、集團的に議長の歩行を阻止いたしたのであります。」こうありますところで、あなたの今の何では、後の五人にもあつたのだという話ですが、併しこの事実は今でもあなたは御主張なさいますのですか。スクラムを組みながら集團的に議長の歩行を阻止いたしたということは、これは五人でも九人であつても、事実とあなたが述べられたが、この事実を今でもあなたは主張されるのか、これは即ちそれが公務執行の妨害方法であると今尚あなたはされるのでありますか。現在の御意見はどうですか。
  119. 草葉隆圓

    委員長議員草葉隆圓君) 私はさような観点でいたしました。併しこの院議としては……。
  120. 大野幸一

    大野幸一君 院議を聞いておりません。
  121. 草葉隆圓

    委員外議員草葉隆圓君) 私は最初からその理由によつて懲罰動議をしたわけであります。その懲罰動議の心境は最初も今も変りはない。
  122. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 議事進行について……。今この書類が配付されましたが、これはどこから配付されたのですか。
  123. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 それでは私から……ちよつとこれを出すのは聊か早いと思つたのですが、実は草葉君がああいうような御主張せられたものでありますので、眞実果してありや否やということを数人の人と立会いで聞いて見たのです。そうしてそれを書きまして、私は後日こういうことを言つていることが、果して委員会委員諸君の前でこういうような証言をされるものなりや、又違つたことを言うものなりや否や、これを以て証拠にしようというのじやありません。こういうような意味で証拠申請理由書としてちよつと作つたものであります。而してこの点について非常に触れておられるようでありますので、前以て御参考になればと思つてちよつとお廻しをしたような次第であります。
  124. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 「証言」と印刷された書類が、委員の中から委員長に知らない中にかようなものが配付されて、未だに委員会において証言を求めたことがないのに、かような書類を配付されるという根拠はどこにあるのですか。委員長の責任をお尋ねします。「証言」という字句で配付されておりますが……。
  125. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) これはただ遠山委員から参考として……。
  126. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 参考であれば、参考としないと……。委員会はまだ証言を求めておらないのです。
  127. 鈴木直人

    鈴木直人君 議事進行について……。我々が嚴正な判断を下すためにいろいろ資料を集めて、ことによつたらお互いの資料をここに出し合うというようなこともする場合があると思いますが、まだ少し早かつたのじやないか、お互いに出し合うことがこれはお互いの話合いで、又自分達はこういう証言も得ているということを話合つたり出し合うということもいいと思いますが、まだ少し早いが、違法でもないので、少しまあ早かつたかも知れないけれども、この点はお互いに仲良くやつて行こうという委員長のお話だつたから少し早かつたけれどもこういうこともあるから……。
  128. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 仲良くとか言われますが、こんなことは違法でありますので、こういう重要な懲罰審議する場合に、「証言」と印刷されたものが一委員から全員に配付されたということは、どこで誰が証言したのですか。
  129. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) これは民自党の方での証言じやないのですか。
  130. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 実は私はこういうような証言という言葉委員会証人台に上つて供述したそのものだけが証言とは思はない。それでその他のところでも証人となるべき者が供述したるものもこれ亦証言の資料になると考えたのであります。而してこれを配付しようとも何とも思わなかつたのですが、丁度私が後日参考のために委員長許可を得て廻そうと考えておりましたところ、ここに持つて参りましたのを大野君が見ておられて、俺にここで見せろと言われたものですから、一人にだけお渡しするのもどうかと考えまして、それで委員長さんの所へ持つて参りまして、こういうものができましたが、ということを申上げたんであります。併しこれを悉く委員長さんに廻して下さいと特にお願いしたわけでも何でもありません。委員長さんの責任を問うわけでも何でもありません。私の軽卒であつたと考えるのでありますが、ここに証言と書いてある言葉に支配されて、如何にも先入観で行かれるといかんと思います。私は鈴木さんの言われましたように、とにかくみんなが幾多の資料を持つておられるであろうから、拔き討ちに証人を申請いたして、そうして一体その証人から何を聞くんだということが、お互い聞くということが分らんのもいかん。こんなことを言つておるらしいが、みんなから聞いて貰いたいというので、却つてみんなの御理解を深めるために、私がこういうものを刷らしたのでありましたが、どうもそれが……私は違法というお言葉がありましたが、違法若しくは不当であるといたしますれば、今一先ず回收いたしまして、後日御了解の上で提出するか、若しくは提出すべからさるものといたしますれば、口頭を以て私が証人申請のときにその理由として申上げたいと思つております。
  131. 松井道夫

    松井道夫君 議事進行について……只今草葉君に疑義を質すという時間でありまするから、至急岡田君の発言に御進行を願います。
  132. 岡田宗司

    岡田宗司君 先程のスクラムの点でありますが、私ずつと聞いておりますと、草葉さんの言われるのは、結果においてスクラムのような状態になつたと、そしてそれが議長進行阻止したからスクラムと言つたんだと、そういうふうに聞えたのでありますが、そうであります。
  133. 草葉隆圓

    委員外議員草葉隆圓君) そうであります。最初からスクラムを組んで上つたのではありません。
  134. 岡田宗司

    岡田宗司君 そういたしますと、草葉さんの本会議における趣旨説明の最後に、計画的、集團的とこういうことを言つておられるが、この計画眼的ということはですね。そのスクラムを組んだと、組んで上つたと、若しくはスクラムを組んだということとどういう関係で言われたんですか。
  135. 草葉隆圓

    委員外議員草葉隆圓君) その計画的というのはスクラムそのものが計画的という意味ではありません。全然違います。計画的というのは、少くともあの議場で議長議長席に着けない状態が私は計画的……これは昨日の一身上も弁明にはつきり関係しておる議員諸君から言われておる通りであります。その点を私は計画的と申しましたのであります。
  136. 岡田宗司

    岡田宗司君 そこでこの計画的ということを、尚はつきりさせて置くことが、いろいろ審議の上に必要であろうと思うので、更にお伺いしたいのでありますが、若しこれが計画的に行われたと主張されるならば、その計画的に行われたということは、何人によつていつ何されたか。そうしてそれがどういう構想の下に行われ、それがどう現われたかということがはつきり立証されてなければ、計画的に行われたということを言われる筈はない。その点、計画的に行われたということについての草葉さんの目撃された事実、或いはそれに対する証言、そういうものについてお伺いしたいのでございます。
  137. 草葉隆圓

    委員外議員草葉隆圓君) これは昨日の一身上の弁明の中にそれははつきり出ておりますから、この関係の証言をなさつた、一身上の弁明をなさつた方々、恐らく今の岡田さんのお話はそういうのをどこかで見聞きして、計画的にやつたかどうかという意味でございましよう。そういう意味じやないということを先程申上げたので、御了承を願いたいと思います。
  138. 岡田宗司

    岡田宗司君 そうしますと、九名に、そうして現在は四名になつております方々との関係が非常に問題になつて來るのでありますが、この計画的なるものには、これらの九名、そうして現在懲罰委員会に付されております四名の方々は、どういう関係になつておるのでしようか。
  139. 草葉隆圓

    委員外議員草葉隆圓君) その一つ中心に考えられておつたのは、昨日の一身上の弁明の中に、我々はどこまでも計画的にこれを阻害するつもりであつたということを言つておられるから、その関係の方々は、少くともそういう方針で進んでおられた。それに関係のなかつた方々は、そういう方針ではなかつたと思う。併しながらその結果においては、その一種の計画的のところにくつ着いて來たと、かように存じます。
  140. 岡田宗司

    岡田宗司君 そういたしますと、この計画的とまあ本会議が言われた方ですね。その方は当然この暴行中心になつておるわけであります。從つてその方こそまあ懲罰の最も大きな対象にならなければならん筈であります。そうしてそれが十分に証人によつて立証されるといたしますならば、それこそ重大なる問題にならざるを得ない。その点につきまして、草葉君はどういうお考えを持つておられますか。
  141. 草葉隆圓

    委員外議員草葉隆圓君) その昨日の一身上の弁明の中に、そういうことをお話になつた諸君は、皆樣がお選びになりました、懲罰委員に付すべしという四人の中にそれぞれあつたと思います。その外には大体なかつたと私記憶しております。
  142. 松井道夫

    松井道夫君 只今集團的ということが問題になつておりますが、私が草葉君に確めた趣旨は、要するに、事実上議長進行を阻害した事実そのものを懲罰に値する事実として主張されておるので、その外の事実は、これは審理して頂かなくてもいいという趣旨に私聞いたのでありますが、只今計画的というような、今いろいろ御答弁になつたり、質問になつたりしておるのを聞きますと、先に確めたことが又違うのではないかというような疑点も出て來たのですが、この計画的というのは主張されるのですか。
  143. 草葉隆圓

    委員外議員草葉隆圓君) それは先程松井さんにお答え申上げた通りであります。
  144. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) それではその二つで御質問を打切りますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  145. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) それではどうも有難うございました。
  146. 草葉隆圓

    委員外議員草葉隆圓君) いやどうも。
  147. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) それではこれで休憩いたします。    午後一時九分休憩    ——————————    午後三時二十四分開会
  148. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) それでは再開いたします。
  149. 松井道夫

    松井道夫君 議事に入る前、証拠調べに入る前に、会期もすでに切迫していることでありますから、会期延長乃至は継続審査、或いはまあ今日一日にこれに対する審議が終るかという点の御決定を願いたいと思います。
  150. 大野幸一

    大野幸一君 それは又奇怪な話で、先程懇談会のときに、この数人の証人を調べて頂いた後で休憩をして、そしてそのときにそのお話をしましようと、こういうことで我々は先ず一應何したのだから……。
  151. 松井道夫

    松井道夫君 只今大野議員のお話はその通りでありますが、情勢がやや変りまして、実はこちらの方の各議員意見運営委員会の方へ傳えれば、運営委員会の方で各派の情勢を考えて、何分の決定ができると思つてつたんでありますが、運営委員会の方でその確乎とした委員会意見がないと態度を決せられないということを、最も正式じやなかつたかも知れませんが、竹下委員の方へ関係委員から申出て來たのであります。それで今の手続上で四時半と言つてつたそうですが、四時半頃までに聞かして呉れないと、手続上困るということだつたんです。証人も調べるというと大分時間もかかりますから、その前に決定を願つた方がいいんじやないかというので申出たわけですが。
  152. 大野幸一

    大野幸一君 数人の証人を最初調べて頂いて一時間で十分だろうと思います。私の方はそういう敏速化を覚悟しております。そして四時半までに、そのことを間に合せるべく先程の懇談会のそのままをやられて、一部の人達がそういうことで更に又議事進行と変更されるのはどうかと思います。四時半まででいいんでしよう。
  153. 松井道夫

    松井道夫君 四時半まででいいんです。
  154. 大野幸一

    大野幸一君 それじや四時半までで……。
  155. 松井道夫

    松井道夫君 その前の四時半頃までに申出て呉れと御注文だつたらしいですから、証人が終らんでも、全部終らんでもその頃までに決定するということに御了承を得たいと思います。
  156. 大野幸一

    大野幸一君 証人順序は、それじや私の方の指定の順序從つて四時半までに間に合せるつもりでやる……。
  157. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) それではこれから証拠調べに入ることにいたしまして、先ず最初に参考人として來て頂いておりまする寺光議事部長に御質問願いたいと思います。
  158. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 どうでしよう。いろいろ証言を願いまする前にですね、多数の呼ばれておりまする証人が來ておりますが、これはやはりここに置いといちやまずいのだろうと思いますが、どこか退席されて置かなければ、やはり聊かその前の人に迎合する虞れもあると思います。形の上から言つてもこの部屋に止めて置かん方がよいと思いますが。    〔「賛成」「賛成」と呼ぶ者あり〕
  159. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) それでは一應席をお立ち願つて……。
  160. 鈴木直人

    鈴木直人君 これは皆さんの御意見もあると思いますが、祕密会を私は要求したいと思います。
  161. 松井道夫

    松井道夫君 今の御意見に賛成です。(「必要なし」と呼ぶ者あり)いろいろお述べにくいこともあると思いますから……。
  162. 大野幸一

    大野幸一君 これは証人こそ私は合議の場合と違いまして必要ないと思います。大いにこれこそ欲するところであります。この証言はどうであろうということは今後知りたいところでありまして、これがために別に祕密会にすべきことではないと思います。公開原則だという先程の申し合せに從つて……。
  163. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) どうしますか、公開にするか非公開にするか……。
  164. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 祕密会なるものの取扱いは大体この委員会が、この人はどういう処罰に判決処置するかというような重要な論議を発表するときこそ、或いは必要かも分らん。併しそれも必ずしも祕密会の必要はないかも分りませんが、今はこうして証人を喚問して事実を審理するに祕密会の必要がありますか、常識論として成り立たない。
  165. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 委員外の中野議員から発言を求められておりますがよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  166. 中野重治

    委員外議員中野重治君) 祕密会のことが今提言されましたが、私の方は言わば被告人を出しておる会派ですから、委員を出しておりません。それで私が委員外の発言を求めておるのです。祕密会ということになつた場合に私は退席せしめられるのかどうかということのお尋ねが一つです。それからもう一つは証言の問題に関して祕密会が開かれるということになれば、それは証言たる性質を失う。即ち証言たる性格を失わしめて、これを証言としようというものであるという危險があると思いますが、そういうことには私共は納得することができませんから、そうでないように委員会が動かれんことを希望するものであります。
  167. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) それでは寺光議事部長に、事実を審理する上に御質問ある方は御質問願います。
  168. 中野重治

    委員外議員中野重治君) 先般のところはどうなりましよう。祕密会ということになりました場合、私のような立場の者は外に出なければならんかどうかということです。
  169. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 今はとにかく公開で参りますから、祕密会を必要とする場合になりましたら祕密会にするか知れませんが、今のところは公開でございますから……。
  170. 中野重治

    委員外議員中野重治君) それはよく分りましたが、祕密会になつてしまつたら私の問は発することができるかどうか分りませんから、若し祕密会に決まれば、私は発言権がないわけでありますから、出てしまわなければならないかどうかを公開中にお尋ねして置きたいわけであります。
  171. 松井道夫

    松井道夫君 祕密会になつても特に委員長許可があればよろしいのじやないかと思うのです。
  172. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 それは祕密会というものの本質は、この委員会委員が出ておるいないということで決定されるべきものじやない、本質から言えば出て貰わなければならんと思いますが、今松井委員の言われましたように、特に委員長さんがこの場合に限り祕密会だが中野君に対しては許可するということであれば、これは差支えないと思います。そういう程度で御進行を願います。
  173. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) ではどうぞそういうことで御了承を願います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  174. 大野幸一

    大野幸一君 証人発言は先ず概略その当時の模様を証人自身の方から述べて貰う、そうしてその後に各委員が質問されるようにして、先ず最初にはその当時の情景を証人自身の方から述べて貰う、こういうふうにしたらどうか、初めから委員の質問に移らないで……。
  175. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) では議事部長。
  176. 寺光忠

    参事(寺光忠君) それでは二十三日の夜の本会議のべルの鳴ります前後からお話しいたします。私の知つている限り、そして記憶している限りでございますので、或いは間違つたことがあるかとも思いますが、そこは御質問等がございましたなら改めて訂正その他をいたします。  議院運営委員会に私が入りましたのは、事務総長及び法制局長が会期延長の問題に関する國会法第十三條の説明をしているときに、非常に離れたところからそれを聽いておつた、それが私が議院運営委員会に入りました最後であります。それから議院運営委員会は一、二回開かれたようでございますけれども、私はその委員会に列席いたしませんでした。で十一時半前後の頃は、私は議長室におりまして、今後の措置についてどうするかというようなことを皆さんで御相談と申しますか、いろいろどなたがどう御相談なすつたか今記憶はございませんけれども、議長室の沢山の人がおつていろいろ話し合つておられるのを横で見ておつたのであります。  ところが十一時三十分か三十五分頃から私は議長室を出まして議事部長室に帰つて参りました。で自分の部屋に帰りましてから暫くしますと、ほんの数分間くらいの後に中西議員が見えまして、議長不信任案を出すと言うので、私の机のところで議長不信任案をお書きになつて、その表紙だけを置いて、署名を取ると言つて出て行かれました。そうこうしておるうちにベルが鳴りましたので、私びつくりしまして、十分前でございましたが、いよいろ本会議を開くことになつたなと思いまして、駈け出して行つたのであります。でもとよりその事前に、本会議が開かれた場合になさねばならない議長の例によりまする覚え書というものは、会期延長の件については、その前から議長の手許まで提出してございました。それから板谷順助さんに対する懲罰動議の本会議の覚え書は、その咄嗟のときに私手に持ちまして、そうして議場の方を行つたわけでございます。  ところがいつもでございますと、私は事務次長室の前から参りまして、議場に入るドアのところは大抵の場合にまだ閉まつておりまして、それから玉座裏を通つて議員席に向つて右の方のあの入口から入るのでございます。ところがその日はべルが鳴る迄早く議員皆さんが中にお入りになつてつたのが初めのドアの所でもう見えました。それでその日に限りまして私は初めの方のドアから入つてつたのでございます。そうして様子を見ますと演壇の右の方即ち議事部長席の前の方にはすでに五、六名の方が壇上に立つておられました。それで私ちよつとそこの五、六名の立つておられる議員さんのところに眞つ直ぐに進んで行くことを躊躇したということはまあ申上げられると思うのでございます。併しながらとにかく私の席に着くことは私の職務でありますから、眞つ直ぐにその席に行きまして、丁度そこにたしか下條さんであつたと思のですが、下條恭兵さんが私の机の前に立つておられましたところまで覚えているのでございます。それからそのあと中村さんが見えまして、懲罰動議をどうするかということを言われましたときに、私は懲罰動議書類はここに用意しておりますということだけを申上げたのでございます。  それから間もなく議長が一人で入つて來られましたので、衞視がこれを守つておりました。私の前の所まで進んで來られましたけれども、もうそのときには衞視がこれを囲み、それから衞視の前の方には議員さんが数名、どなたかはつきり覚えはございませんけれども、おられまして、私が議長議長席に着かせろということを数回連呼しましたけれども、遂に衞視の足は前に進まなかつたのでございます。それから演壇の方については私は殆んど注意しておりませんで、議長をただその壇上に上げるということに努力しておつたのでございます。ところがふと耳に入りましたのは、官房長官が丁度やはり入口の方から入つておられたらしくて、私は向つてではございませんけれども、このままにして置いたら議長が死んでしまうぞということをはつきり言われたのでございます。これはいかんと思つたので、又どういうのですか、渦中に飛び込もうとしましたけれども、どうにも方法がございませんでした。それから私が氣がついたときには、壇上に副議長と事務次長が座つて、そうして議事が進められておつたのでございます。そして会期延長の副議長の宣告が一應済んだ頃に、私はそれだけで議事が済んだのかとちよつと考えたのでございますけれども、その後又引続いて板谷順助さんの懲罰動議に関する発言が中村さんに許されて、そうして進行しておりました。その頃から私が初めて議長の後ろ、事務総長の後ろというところに近付くことができ、そうして十二時になることを注目しておりまして、十二時になりましたので副議長に散会の宣告、その他についての打合わせをいたしたりすることができたのであります。大体の筋はそんなところであります。
  177. 大野幸一

    大野幸一君 カニエ邦彦議員に関する分についてあなたの御承知の範囲内でどうですか。
  178. 寺光忠

    ○參事(寺光忠君) カニエさんについては全然存じません。
  179. 大野幸一

    大野幸一君 寺光君にお尋ねいたしますが、壇上にすでに五六名立つてつた、衞視が議長を囲んでおつた、その前に五六名ぐらい立つてつた、その五六名なるものが、スクラムを組んで議長進行阻止したというように見られましたかどうか。
  180. 寺光忠

    ○參事(寺光忠君) 私が申上げましたのは、私が議長席に向つて左の方ですが、その方のドアから入つたときに、議員が五六名すでに私共の席の前から演壇の方に寄つた方の側に立つておられたのを目撃しただけでございまして、私が議事部長席に着きましたときには議長はまだ入場しておらない、從つて衞視も入つておりません。
  181. 大野幸一

    大野幸一君 そうするとお尋ねしますが、スクラムを組んでおつたという何ではなかつたのですね。
  182. 寺光忠

    ○參事(寺光忠君) スクラムとはどういう恰好か存じませんけれども、とにかく手を繋ぐとかくつ付くとかいうのではなくて、五六名立つておられて、少くともその中のお一人が私の席の前に立つておられたということです。
  183. 大野幸一

    大野幸一君 あなたはその場合に板野議員について知るところはありませんか。
  184. 寺光忠

    ○參事(寺光忠君) それも板野さんを見たということを申上げると非常に不正確なんでございまして、はつきり記憶がありません。
  185. 松井道夫

    松井道夫君 五六人の議員議事部長席の前あたりにおつたということでしたが、而もそれが誰であつたか、下條さん以外には名前を聽いておらないのでありますが、記憶を呼び起して見て、その人々が大体誰であつたですか。下條さん以外の人で。
  186. 寺光忠

    ○參事(寺光忠君) それが実ははつきり記憶がないのでございまして、中村さんがおられたことは、これは確かだと思いますのは、私が議事部長席に着きますと直ぐ懲罰動議をどうすると言つて來られました。下條さんはその前から私の前にいられたのでございます。それから暫くしてから天田さんが議長不信任の決議案だと言つて席の下まで來られまして、議長不信任決議案を出されました。それ以外に終始あの混乱の間ちらちら顏を見た程度のことでありまして、はつきりした記憶がないのでございます。
  187. 松井道夫

    松井道夫君 それから、あなたは議長が、議員席の方から見て正面の左側の入口、そこから入つて來られたことは現認しておられるのですか。
  188. 寺光忠

    ○參事(寺光忠君) 見ております。
  189. 松井道夫

    松井道夫君 議長の前に衞視長と言いますか、どういう職名ですか、入つて來たのではないのですか。
  190. 寺光忠

    ○參事(寺光忠君) 議長が眞先きであつたかどうかについてははつきりした記憶ございません。併しながら実はその三十分ばかり前に十一時半頃に、若し本会議が開かれるとするならば、衞視としては相当の用意を必要とするということは、私直接に警務船長に話してもありましたので、恐らく衞視が先きであつたかどうか知りませんけれども、殊に先程申上げましたように、すでに議員さんが壇上に上つておられましたから、衞視も恐らく前後して入つて來たのじやないかと思います。
  191. 松井道夫

    松井道夫君 それからですね、議長の廻りを衞視が取り巻いたということを言われたのですが、その前にですね、議員から議長の方に何か話掛けるとか、或いは議長の前に立つて議長の進むのを遮ぎるとか、まあ交渉するために遮ぎつたのかどうかそれは分りませんが、そういつた事実を見なかつたですか。
  192. 寺光忠

    ○參事(寺光忠君) 小委員会を開けとかいうようなことで私にも來られた方がありますし、入場して來た議長に対してそれを言われておつたようであります。そうして直接に議長にぶつつかつて議長進行阻止せられたということはないにしても、とも角そういう議員さんがおられたために衞視が前に進めなかつたということ、それから衞視が議員を直接議長に触らせないようにしておつたということ、これはその通りだと思います。
  193. 松井道夫

    松井道夫君 議員がおつたために衞視が進めなかつたということでなしに、議員がおつたために議長が進めなかつたのじやないですか。議長が進めなかつたから衞視も進まなかつたということなんじやないですか、事の筋合いから言つたら……、あなたの見られたところは……。
  194. 寺光忠

    ○參事(寺光忠君) もう一度……、議長が進まなかつたとおつしやるのですか。
  195. 松井道夫

    松井道夫君 議長議員がいたために進めなかつたと、それで衞視が進まなかつたということになるのじやないですか。先程からのお話では議員がおつたために衞視が進まなかつたというような証言だつたと思うのですが。
  196. 寺光忠

    ○參事(寺光忠君) 分りました。私の見たところでは、私の今まで申上げたような感じを受けておりました。直接に議長議員阻止したということ、例えば後の話ですけれども、カニエさんが前に轉がつたということは私は目撃しておらない。議員議長に対して直接に、誰もいない場合面を向つてものを言うという事態は入場した初期にはありましたけれども、あとはなかつたのじやないかと思います。
  197. 松井道夫

    松井道夫君 初期にはあつた……。
  198. 寺光忠

    ○參事(寺光忠君) 初期にはあつたろうと思いますが……。
  199. 松井道夫

    松井道夫君 あなたが見られたのですか、想像ですか。
  200. 寺光忠

    ○參事(寺光忠君) はつきりした記憶はないので、想像ではなくて、はつきりしてないからちよつとぼかしておるだけです。
  201. 松井道夫

    松井道夫君 初期にはあつたというような記憶もあると、こういうわけですね。
  202. 寺光忠

    ○參事(寺光忠君) そうです。
  203. 松井道夫

    松井道夫君 それから何か助けて呉れといつたような声をお聽きになつた記憶はありませんか。
  204. 寺光忠

    ○參事(寺光忠君) 記憶はありません。
  205. 鈴木直人

    鈴木直人君 あなたが入つて來られたときには数名の人が壇上に立つていた、その後議長が入つて來た、議長が段々進んで來た場合、それは見ておりますね、そうして議長が壇上に進まなかつたという事実があるのですが、それはどういうふうな径路を取つて壇上にまで進まなかつたのか、あなたは目撃したところが分らんですか。
  206. 寺光忠

    ○參事(寺光忠君) とに角議事部長席の左、即ち壇上の方に向つて一メートルくらいまでは議長は進み得たのであります。議事部長席の方から更に壇上に向つて一メートルぐらいのところまでは進み得たのであります。併しそこに階段がございます。議長席に登るのにちよつとした階段があるのです、二段ばかり。その階段の所までは行けなかつた
  207. 鈴木直人

    鈴木直人君 それはどういう情勢の下に行けなかつたか。目撃した通りを……。
  208. 寺光忠

    ○參事(寺光忠君) それは衞視が、その階段においては、議長を警衞しながら前に進もうとしたけれども進めなかつたという事態ではないかと思います。進めなかつた理由は、その前方に議員の方が数名おられた、こういうことであろうと思う。
  209. 鈴木直人

    鈴木直人君 そうしますと衞視ということになりますが、衞視が集まつたというのは議長がどの程度まで進んだときに集まつたのか。段々ずんずん議長が進んでおるときに衞視がぱつと來たのか、或いは議長が進んでいる間に、議員が何かそこにいろいろ議長に交渉ですか、そういう段階が一分暫くの間あつて、そうしてその後衞視がずつと上つて來たのか、その時間を……。
  210. 寺光忠

    ○參事(寺光忠君) 衞視が入場するときから議長を取囲んで入つたという事実はありません。議長は入られるときには私共の参事席の二、三人の所までは、一人でというか、衞視に別に囲まれるという態勢ではなくてずつと入つて來られました。その後から衞視がついて來たことも、確かに申上げていいか、確かついて來ておつたろうと思う。
  211. 鈴木直人

    鈴木直人君 何人くらいですか。
  212. 寺光忠

    ○參事(寺光忠君) どうもはつきりいたしません、記憶がありませんから……。そうして私の前あたりまで議長が進まれて、議員と一、二の問答のあつた頃にはもう……。
  213. 鈴木直人

    鈴木直人君 問答のあつた頃にはではいかん。問答がどの所でどういうのがあつた……。
  214. 寺光忠

    ○參事(寺光忠君) 議長が私の前まで進んで來られるまでは少しも停まつておりません。なぜかというと、私の席の前の方の方には誰も議員がいなかつた。そこまではずつと進んで來られたわけです。そこで停滯した。
  215. 鈴木直人

    鈴木直人君 そのときの停滯した状況を見たまま一つ。停滯したときにはまだ衞視は來ていなかつたんだな。
  216. 寺光忠

    ○參事(寺光忠君) 衞視はもう入つておりました。それはなぜかというと……。
  217. 鈴木直人

    鈴木直人君 停滯したときに衞視は、ついて來た衞視と、それから議場からずつと何ら向うの方から沢山衞視が議場内を通つてあそこに上つてつたでしよう。それが分らなかつたか。
  218. 寺光忠

    ○參事(寺光忠君) それは知りません。
  219. 鈴木直人

    鈴木直人君 僕もそれははつきり分らんが、議長がずつと進んで來てあなたの前まで來て、あなたの所から一メートルくらいの所に來て議長が止つた、その瞬間における状態議員議長との関係はどうなつてつたか、或いは衞視と議長との関係はどうなつていたかということを聞きたい。
  220. 寺光忠

    ○參事(寺光忠君) そのときの状態を細かくはつきり記憶して申上げることはできないんであるけれども……。
  221. 鈴木直人

    鈴木直人君 時間的段階が……。
  222. 寺光忠

    ○參事(寺光忠君) とにかく私の前まではいつもの調子でまつすぐにずつと進んで來られて、そこで議員の方から小委員会を開けというような要求が出て……。
  223. 鈴木直人

    鈴木直人君 それは出ましたか。
  224. 寺光忠

    参事(寺光忠君) 出たのは事実だと思います。誰が言われたかは知りません。私に向つて委員会を開けと言つたと同じように、議長に小委員会を開けと連呼しておられましたことが耳に残つております。
  225. 鈴木直人

    鈴木直人君 その場合に議長が進もうとする姿勢と、議員が交渉する場合の態勢と、人数とはどうなつていますか。
  226. 寺光忠

    ○參事(寺光忠君) 人数はやはり議員五、六名からすでに十名くらいになつてつたか分りませんが、そこのところははつきり記憶しません。ただ私は專ら議長を壇上に上げようということを思つてつたものですから、それで衞視に早く議長を壇上に上げることをしろということを言うことが主でございまして……。
  227. 鈴木直人

    鈴木直人君 その前の話を聽いているんです。
  228. 寺光忠

    ○參事(寺光忠君) そこは殆んど一分三十秒もないくらいの問題であつたと思います。私の所で議員議長とが特に一分なり数分に亘つて問答するというような事態ではもうなかつたのです。
  229. 鈴木直人

    鈴木直人君 そこでその事態を見て、そうして壇上に上げようとあなたが思つて場合に、壇上になぜ議長を上げようと考えたか。その事態をどういうように認識して……。そういうことを考えなくても議長は壇上に自然と上がる筋のものであるし、そんなことを考える必要はないじやないですか。
  230. 寺光忠

    ○參事(寺光忠君) それは今申上げました通り、議員の数名の方が、十名くらいの方がおられるということで議長が前に進むことができないのであります。これはもう現実の問題として前に進めない。
  231. 鈴木直人

    鈴木直人君 ちよつとそこのところ……。現実の問題として議長が進めなかつたという事実があつたのですね。
  232. 寺光忠

    ○參事(寺光忠君) それは確かにありました。
  233. 鈴木直人

    鈴木直人君 それは事実があつたのは、議長が進まんとするところの途に数名の者がそこで議長の進むことを事実上進めないような状態に配置されていた。そこで議長は進もうとしてもなかなか進めない。進むことができないから、そこで何とかして議長議長席に着かせようと、こういう氣持になつたのですね。議長席に着かせようと議事部長が考えたというのは、議長が自然に、普通では、單独では、議長つた一人の意思によつてはなかなか壇上に上がり得ないという現実をそこに認識して、目撃したか、認識したかして、それで誰かの力を借りなければ、或いは衞視なら衞視の力を借りなければ、議長が壇上に上がることができないというふうに考えたのか。そうしてそういうふうに扱つたのですね。
  234. 寺光忠

    ○參事(寺光忠君) 兎も角これはその場の一種の勘と申しますかですね、何かでしようが、これはいかんという感じがしたことは確かです。それだから、例えばその壇上におられた議員の方が、それの力が議長を止められておつたかどうかということについてのことは私にはつきりした記憶がございませんし、又目に止まらなかつたと思いますけれども、あの情勢では議長議長席に着けないという一種の勘を持つたことだけは確かです。それで議事部長の職責からいたしまして、議長議長席に着かせるということについて氣持の上で焦つたことは確かです。
  235. 鈴木直人

    鈴木直人君 そうすると、あの状態では勘というのは非常に大切ですが、勘で、これは議長を助けないというと議長席に着けないという状態にあつたということは、いわゆるそこにおる数名の議員がおるのであるからして、その議員がおるために議長は壇に上がることができないのだから、それで衞視をして何らかの途を開かせて、そうして壇上に上がらせようと、こういう方法以外にはないと考えたのですね。
  236. 寺光忠

    ○參事(寺光忠君) それは初めの私の勘ですが、それから爾後の状態は私の勘の通りで、議長が進めないから、そこで進めろ進めろということを衞視の方に連呼したのです。
  237. 鈴木直人

    鈴木直人君 そうすると、その後の状態は、事実上議長が進めないという状態になつたということは、いわゆる衞視が沢山來たために進めないという状態になつたのか、或いは議員が相当おつて、そうしてそれを阻止するというような、事実上そういう意思があつたかどうか分らんが、そういう状態があつた。そこで衞視がそこに近付こうとしても議長の所には近付くことができないという事実がそこにあつた。そこで議長は終に議長席に着くことができなかつた。こういうふうなことになるのですね、先程からの話によると。
  238. 寺光忠

    ○參事(寺光忠君) 衞視の問題につきましては、衞視が議長登壇阻止するという結果的にもそういうことになつたということはこれは絶対に言えないと思うのであります。併しながらあの場で若し衞視の方がもう少し、どう言いますか、議員というものを恐れず、議長職務執行という点についてもつと勇敢であつたならば、議長席に着けるだけの行動をもう少し取り得たのではないかということは、これは少しは言い得ることであるかも知れないけれども、併しながら衞視が囲んだから行けなかつたというようなことはないと思います。
  239. 鈴木直人

    鈴木直人君 衞視は議員をやや恐れていた。そこで議長を壇に着けようとしているけれども着けることができないので、遠廻りのような形でいたということであるとすれば、衞視の前に議長の壇上に行くことができないような状態にしていたのは、そこにおつたところの議員のかたまりであつたということになりますね。
  240. 寺光忠

    ○參事(寺光忠君) それはまあその事実から離れてお答えすると申訳けないけれども、とにかく誰もいなかつたら、議長を前に持つて行くことは、止めることはできないことになると思います。
  241. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 えらい誘導的に而も意見を混えつつ尋問しておりますから、先程のと同じようなことで、こういうことをやり出したら、始末がつかないようになるのではないかと思いますが、現状だけを聽いて……。
  242. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 証人はですね、議長議長席に着かしめるためにいろいろ苦労せられた。そのときにですね、副議長の松嶋君が議長席に入つて來た、若くは入つて來てから議長席に着いたというような事実を目撃されたことがありますか。
  243. 寺光忠

    ○參事(寺光忠君) 目にいたしておりません。
  244. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 ではよろしうございます。
  245. 松井道夫

    松井道夫君 一点更に補充して伺つて置きたいのですが、先程私がお尋ねしたことのお答えと、鈴木委員がお尋ねになつたことに対してのお答えと、やや食い違つておるような印象を與えて、誤解を招くのじやないかと思いますので、お尋ねして置きたいと思います。私が先程お尋ねしたときには、衞視が進めなくなつたというようにお答えになられたのでありますが、只今鈴木委員のお尋ねに対しては、議長議員がそこにおつたので進めなかつたということを言われた。結局私の問に対してお答えになつた趣旨は衞視がやはりその議員のかたまりがあつたために進めなくなつた。そうしてその印象の方が、議長議員團がいたために進めなくなつたという印象よりも、まあ明白に残つておるという趣旨になりますか。
  246. 寺光忠

    ○參事(寺光忠君) 衞視の眞ん中に議長がおられたのであります。ですから議長が進めなかつたと言つても、衞視が進めなかつたと言つても、実際は同じことになります。
  247. 岡田宗司

    岡田宗司君 議事部長が最初に見たのは、下條君、中村君、天田君だつたですね。
  248. 寺光忠

    ○參事(寺光忠君) 天田さんは壇上では覚えがございません。
  249. 岡田宗司

    岡田宗司君 その際に尚数人の人が議事部長の席の前におつた、こういうことでございますね。
  250. 寺光忠

    ○參事(寺光忠君) そうです。
  251. 岡田宗司

    岡田宗司君 そうしてその人達は、議長には何ら手を触れるとか或いは体で阻止するという事実はなかつた……。
  252. 寺光忠

    ○參事(寺光忠君) 事実は私は見なかつた
  253. 岡田宗司

    岡田宗司君 それからその間に衞視が駆けつけて來て、議長の廻りを取巻いて、議長は衞視の眞ん中にいた、そういうことですね。
  254. 寺光忠

    ○參事(寺光忠君) そうです。
  255. 岡田宗司

    岡田宗司君 それから更に議長席の方へ進んで行つたが、そこで又議員が数人おつたために、その衞視に囲まれた議長が段を上ることができないで止まつた、こういうことですね。
  256. 寺光忠

    ○參事(寺光忠君) さようでございます。
  257. 岡田宗司

    岡田宗司君 そうすると、最初に寺光君の前に立つてつた数人の議員というのと、それから更にあとで議長が進まれて段を登ろうとされたときにそこにおりました議員とは、同一の人であつたかどうかということですね。
  258. 寺光忠

    ○參事(寺光忠君) 非常に不明確なことをお答えすれば答えられますが、明確にということであれば、全然覚えございません。
  259. 岡田宗司

    岡田宗司君 そうすると、そのあとから駆けつけて來た、最初の諸君でなくて、或いはあとから壇上へ登つて來た人がそこにおつたために阻止されるとも考えられるわけですね。人数はその際の方が余計だつたようですか。
  260. 寺光忠

    ○參事(寺光忠君) 余計だつたようです。
  261. 松井道夫

    松井道夫君 もう一点、議長乃至衞視が進めなくなつて、そのうちにかたまりが段々大きくなりまして、そのかたまりで議長が動けなかつたという状態は、何分くらい続きましたか。
  262. 寺光忠

    ○參事(寺光忠君) 恐らく私が議事部長室から飛び出したのが十分前であります。それですから二三分、せいぜい四分……、三分間くらいでしようか。
  263. 松井道夫

    松井道夫君 今のかたまりが続いて議長が動けなかつたというのは。
  264. 寺光忠

    ○參事(寺光忠君) 三分間か、四分間くらいだつたと思います。
  265. 竹下豐次

    竹下豐次君 あなたはその間何もしないでずつと立つてつただけですか。何かやられたのですか。
  266. 寺光忠

    ○參事(寺光忠君) ちようど議事部長席の前に、御承知のように長い參事のテーブルがございます。テーブルの私は壁側の方におりました。そこでその前で今の渦ができておるわけでございます。それで私としては手の施しようがないので、こちらに廻つて壇上に行くにも行かれない。行かれる道が御承知のようにございますけれども……。それで私はテーブル一つ距てて、衞視に前へ行け、前へ行けと言つてつたのでございます。
  267. 竹下豐次

    竹下豐次君 もう一つ議長席を取り囲んでおつた衞視諸君、更に議長席に近いところに議員が何人か立つてつた、それで行けなかつたと、こういうことでありますが、衞視はその際に、議員を押しのけてでも議長を進ませようとする努力はなかつたのですか。ただ取り巻いておつただけですか。
  268. 寺光忠

    ○參事(寺光忠君) それは一生懸命に前へ進もうとしたと私は申上げることができるのです。ただ先程ちよつと申上げましたけれども、参議院の衞視諸君が不馴れと申しますか何と申しますか、議員がああいう状態の下で興奮しておられまするときに、これを体ででも突き飛ばしてでも自分の職務執行するというだけのなには、まだ不馴れであつた。よく私達の方で後で言うのでございますが、若し衆議院の衞視であつたならば、恐らく五六人の議員などは突き飛ばして議長を壇上へ持つて行くような努力をもつとしたのではないかということは、これは言えるかも知れません。
  269. 竹下豐次

    竹下豐次君 その努力を拂つた現場は御記憶にないわけですね。
  270. 寺光忠

    ○參事(寺光忠君) それは一生懸命に衞視が前に進もうとしておつたということは、これはもうございます。
  271. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 中野君から発言を求められております。中野君。
  272. 中野重治

    委員外議員中野重治君) 簡單な質問をお許し願いたい。  一つは、事柄が開会前であつて、そのとき議事部長には、小委員会を開けという声が聞えたというように述べられたと思いますが、そういうふうに受け取つていいかということが一つと、第二には、議事部長自身が衛視を激励して、議長議長席に進ませるようにしたと言われたということから見て、議長自身はその権限によつて、衞視を直接指揮し、自分が議長席へ進むことを阻止しておる者を除けようと、自分ではやらなかつたと、こう受け取つてよろしいかということが一つ、私の第二の点は曖昧ですが、曖昧ならば、議事部長の言葉では、議事部長の努力はよく分るのですが、又衞視達も恐らく努力していただろうということも分りますが、議長自身が自個の職権において我が途を開くということを少しもなされなかつたということが、聞こえるわけです。そうであつたかどうか、これが第二点。第三の点は、あなたのさつきのお言葉で、そうこうしておるうちに副議長議長席へいつの間にか着いていた、或いは着いたと誰かが言つたのが自分に聞えた。前の方でしたか記憶がありませんが、そうこうしておるうちに副議長議長席に着いたということを、あなた自身が認めたというふうにお話になつたように記憶しますが、そうであつたかということ。第四は、そうであつたとすれば、議長がここに今原因が何であるにしろ、議長席に向つて進行を停止せしめられておる、他方いつの間にか副議長議長席に着いたことが認められた。このとき議長から副議長への仕事全般の引継ぎはどんなふうになされたか。これに関してあなたが実際に見たところを……。
  273. 寺光忠

    ○參事(寺光忠君) 小委員会を開けという、私自身に要求のあつたことは記憶いたしております。と申しますのは、私は小委員会はすでに若し私が開くことを努力しても、できない状態にあるということをあのときの状態で私は知つておりましたので、小委員会を開けと言われたけれども、私はお答えしなかつたような記憶を持つております。
  274. 中野重治

    委員外議員中野重治君) 開会前でございますね。
  275. 寺光忠

    ○參事(寺光忠君) 勿論開会前です。私が議事部長席に着き、議長に入場して來る前でございます。それから議長が努力したか、しないかというのは……、議長が前に進む努力をしなかつたように聞えるということでございましたら、私の言い廻しが惡いのでございまして、議長は懸命に努力せられたであろうというふうに御了解願います。
  276. 中野重治

    委員外議員中野重治君) 私のお尋ねするのは、そのための具体的な手段が講ぜられたか、例えば衞視に命ずる……。
  277. 寺光忠

    ○參事(寺光忠君) それは聞いておりません。それから副議長登壇の問題でございますが、私が氣がついたときには副議長は壇上について議事を進めておられたのであります。そこでその間の事情は後で聞いたところによりますと、今ここに持つて來ておるのですが、議長があそこで読み上げます覚書でございます。覚書がいつの間にか議長の手から副議長の手に渡つてつたのでございます。これを私が知らないのでございます。ですから況んや副議長が壇上に座つたというような、前後の事情は私の全然関知しなかつたところであります。ただ事後の話として引継きの、只今中野さんから引継ぎのお話がございましたけれども、引継ぎとしましては、覚書が議長の手許から副議長の手許に渡つたということで、引継ぎは私は完了していると、こう見ております。
  278. 中野重治

    委員外議員中野重治君) その完了したものと認められるということは、一應分りましたが、議長から副議長への引継ぎの過程について、あなた御自身は見ておられない……。
  279. 寺光忠

    ○參事(寺光忠君) 全然知りません。
  280. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) ちよつと速記を止めて下さい。    〔速記中止
  281. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 速記を始めて下さい……。衞視班長の廣元正之君ですが。
  282. 廣元正之

    ○事務局員(廣元正之君) はい。
  283. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) ちよつと御注意しますが、ここでは特に宣誓の手続をしませんけれども、宣誓をしたつもりで、良心に從つて眞実を述べて頂くように希望します。
  284. 廣元正之

    ○事務局員(廣元正之君) 承知しました。
  285. 大野幸一

    大野幸一君 又後で聽くかも分りませんが、約五分くらいでよろしうございます。あなたが二十三日の騒擾事件と、カニエ議員との関して知つているところを述べて下さい。
  286. 廣元正之

    ○事務局員(廣元正之君) 私が議場の壇下まで駈け付けたとき、私の丁度その位置を申上げますと、議長の斜左側におりました。そのときは大分揉み合つておる最中でありまして、暫くするとカニエ議員議長の右側の方から左側にかけて、よろよろと倒れて参りました。これはこういう揉み合つておる中で、お倒れになつたら危險だと私思いまして、直ぐさま直ちに助け起こそうとしたところが、最初助け起こそうとしたときに、私も人に揉まれて失敗しました。二度目に助け起こそうとしたときに、これがカニエ議員が下から助けて呉れというようなことを言つておりまして、まあ一生懸命になつて助け起しました。私がカニエ議員を雛壇の上で見て、カニエさんに対して取つた行動はそれだけです。
  287. 岡田宗司

    岡田宗司君 カニエ議員がよろしくと倒れるのは、草葉議員の言うところによると、意識的に股の間に入つたというふうになつておるが、あなたの見たところは、何か混雜で、あそこの混乱でつまずくか、或いは押されたかとうか。姿勢が取れないで、よろよろと轉がつたように見えたのですか。
  288. 廣元正之

    ○事務局員(廣元正之君) ちようどそのときの形容をいたしますると、人混みの電車の中で、電車が急に停まつて、恰も足が固定されていて上体が保たれない。中心が保たれなくなつたような形で倒れたという感じでした。私の見たときの感じはそうでした。
  289. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 ちよつと簡單に、そうしますと、草葉委員の陳述によれば、議長の足許をしつかり掴えて動かさなかつたために、議長は全然歩行ができなかつたと陳述しておりますが、さような行爲があつたと判定されますか。
  290. 廣元正之

    ○事務局員(廣元正之君) 何しろああいう大勢の人達の間のことですし、そもそも倒れた人の姿というものは全然見ることもできなかつた。ですから下ではどういうことになつているかということを全然私は見ておりませんです。
  291. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 分りました。
  292. 竹下豐次

    竹下豐次君 あなたが助けられたときはどういうふうな状態つたのですか。カニエ氏は……。
  293. 廣元正之

    ○事務局員(廣元正之君) 私は助けたときの状態も眼では見られませんでした。助け起したときの状態は、カニエ議員状態はどういう形でいらつしやつたかということを私はこの眼ではそのとき見ておりません。殆んど手さぐりでカニエ議員のどちらかの手か腕を取つて引起した。自分もそのときには大勢の人混みで再三再四かがんだ体が左右の搖れておりまして、何しろ下のことだつたからどういうことか分らない。殆んど手さぐりでカニエ議員の腕を握つて起したということだけのことです。それ以上は分りませんです。
  294. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) カニエ君はそのときうつ伏せになつていたのですか。
  295. 廣元正之

    ○事務局員(廣元正之君) うつ伏せであつたか、仰向けであつたかということは全然分りません。
  296. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 助け起したと言われますが、あなた一人でおやりになつたのでありますか。外に……。
  297. 廣元正之

    ○事務局員(廣元正之君) 一人ではありません。
  298. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 他にも……。
  299. 廣元正之

    ○事務局員(廣元正之君) 他にもおりました。
  300. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 他の人というのは誰ですか。
  301. 廣元正之

    ○事務局員(廣元正之君) それは松崎衞視、山田副長その程度です。
  302. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 大体三人ですか。
  303. 廣元正之

    ○事務局員(廣元正之君) 大体その程度だと思います。
  304. 大野幸一

    大野幸一君 もう一つカニエ君のことに直接関係があるかどうか知りませんが、お尋ねいたしますが、草葉議員の陳述によれば、板野君外八名の者が相擁して、少くともスクラムを組みつつ集團的に議長の歩行を阻止していたという陳述がありますが、そういうようにスクラムを組んで議長阻止していたというふうにあなたは見られましたか。
  305. 廣元正之

    ○事務局員(廣元正之君) 私が駈けつけたときには最早衞視の相当数も入つておりましたし、誰々議員がどの程度に、どういうふうにやつて阻止していたとか何とかということもはつきり認められなかつたのです。
  306. 大野幸一

    大野幸一君 「助けてくれ」と言つた言葉本当に聞きましたか。
  307. 廣元正之

    ○事務局員(廣元正之君) 本当に聞きました。間違いなく聞きました。
  308. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 先の話ではどうもはつきり聞いていないように言われたようですが、これはどうも何かそういう声がしたらしいということをさつき、これは速記なんかにあるのですが、只今では又はつきりそういうことを聞いたと言われておる。
  309. 廣元正之

    ○事務局員(廣元正之君) 若し前にそういうことを申上げておりましたら取消します。
  310. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 後ではつきり「助けてくれ」という声だけは聞いたということが正しいのですね。
  311. 廣元正之

    ○事務局員(廣元正之君) はあ。
  312. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 それならそれでいいのですが……。
  313. 松井道夫

    松井道夫君 お尋ねしますが、カニエ君が倒れてからあなたが引起されるまで時間にしてどのくらい掛りましたか。
  314. 廣元正之

    ○事務局員(廣元正之君) 倒れてから私が引上げる時間は、私が助け上げようと努力していた……。一度失敗して二度目に引上げるときに「助けてくれ」という声を聞いてやつた程度のことですから、時間のことはそう長いことじやないと思います。
  315. 松井道夫

    松井道夫君 一分以上ですか、以下ですか、大体の感じは……。掛らないのですか。
  316. 廣元正之

    ○事務局員(廣元正之君) そうですね、ああいう混乱のとき相当興奮しておりましたから、時間的な観念も私としてはよく言えませんが、まあ一分以上は経つたと思いますね。
  317. 松井道夫

    松井道夫君 それから揉み合つてつたということですが、どういう人達とどういう人達と揉み合つてつたことになるのですか。衞視自身でお互いに揉み合う筈はないのですね。どういう模様だつたのです。
  318. 廣元正之

    ○事務局員(廣元正之君) 衞視自身揉み合つておるということは勿論ないので、それは丁度議場の壇下、議席の方から壇上に登つて來る階段の方からの圧力が、又それを入れまいとする衞視に傳わつたところの力が相当原因して揉み合つた形だつた
  319. 松井道夫

    松井道夫君 そうすると衞視の方は議長を壇上に上げようとしておられたわけですか。
  320. 廣元正之

    ○事務局員(廣元正之君) さようです。
  321. 松井道夫

    松井道夫君 ところが反対の力が加わるので、その間で揉み合つたと、こういうことになるのですか。議長を壇上に助けて行こうという力と反対の力と働いて、その双方の力でこう揉み合つたとこういう意味になるのですか。
  322. 廣元正之

    ○事務局員(廣元正之君) 大体そういうことになるのですが、議長のうしろの方には相当数の衞視がいて、うしろの方の衞視、又は衞視の幹部の人々は「議長の道を開け」ということを頻りに叫んでおりました。そうすると、議長の右側の方にも相当数の衞視もい、その右側の衞視のうしろの方には多数の人々、衞視以外の人々がおつて押しておるような形で、議長をうしろから押そうとする力と、又議長さんをそのときに幾らうしろから押したからといつて進んで行けなかつたのです。そうすると、側面からの力が相当の我々に與えられたところの揉み合いの原因を作つた
  323. 松井道夫

    松井道夫君 前面からはどうです。
  324. 廣元正之

    ○事務局員(廣元正之君) 前面からは殆んどない。私は前面からは殆んどない。
  325. 松井道夫

    松井道夫君 そうすると、前面というのは、要するに議長席ですね。議長席の方から入口の方へ押す力はどうだつたのです。
  326. 廣元正之

    ○事務局員(廣元正之君) 議長席ですか。
  327. 松井道夫

    松井道夫君 議長席の方から議長の方へ來る力はどうです。
  328. 廣元正之

    ○事務局員(廣元正之君) ですから、我々が議長の廻りにいたことは、議長の身辺を守りつつ議長の歩行を樂にさせるように努力したわけで、側面から、はつきり側面とこれは定規で以て引くような側面じやなくて、もうグルリと円形式な力がありますから、それは前面と言えば、言えるような形です。側面から前面にかけて……。それからうしろの方からは衞視が盛んに、衞視なり、衞視の幹部なりが「道を開け、道を開け」ということによつて、それは努力したんですけれども、こういうような力のために、これがこうちよつと、この間におる衞視は自然にこう押されるために、前面に流れて來るような形でそれを押し戻そうとしておるというような揉み合ですね。こちらの方は御承知のように非常に狹い所です。そこにも相当数の衞視はおります。ですけれどもそれはそれ程詳しく私はここで申上げる程冷靜に見ておりませんでした。
  329. 松井道夫

    松井道夫君 とにかくまああなたとしては。
  330. 廣元正之

    ○事務局員(廣元正之君) そういう力のために揉み合つているのじやないかと思われたのです。
  331. 松井道夫

    松井道夫君 どうもはつきりしないのだが、まああなたの考えている方向と僕の考えている方向とで違うので、まあその他の状況も僕がそこにいたのでないので分らんだろうと思うのですがね、結局なんですね、議員達か誰か知らんが、議長の進む前面に或る力があつて議長と議席の間に或る力があつて、それで進めなかつたというのが眞相でないのですか。
  332. 廣元正之

    ○事務局員(廣元正之君) ですから前面ということは、まあ廣い意味にはもう全部前面なのです。
  333. 松井道夫

    松井道夫君 ああそうですか、いや分りました。その側面からそういう力が働いた、こういうわけですね。
  334. 廣元正之

    ○事務局員(廣元正之君) 勿論側面からもあり、前面からもあり、後からもあるというので、後からは議長を進めようとする力ですから、そのために揉み合うのです。
  335. 松井道夫

    松井道夫君 有難うございました。
  336. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 衞視副長の山田忠雄君ですか。ここで宣誓は省きますけれども、どうぞそのつもりで、まあ良心に從つて眞実を述べることを希望します。  それでですね。あなたは議場に入られたのはいつ頃入られたのですか。
  337. 山田忠雄

    ○事務局員(山田忠雄君) 私が入つたときには大分混乱しておりまして、議長議事部長の机の角におつたのですが、それでそこまで行つて通路をあけようと思つてそこまで行つたわけなのです。もう大分人が、衞視が入つて大分混乱したところでした。
  338. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) カニエ君がそのときにまあ押されて倒れて、衞視の誰かが引起したということがあるのだが、それはあなた知つておりますか。
  339. 山田忠雄

    ○事務局員(山田忠雄君) それは議長の所に行きますと、その下にしやがんでおる人があるのです。これは危險だと思つてそれを起そうと思つたのですけれども、混んでおつてその所に行けないのです。こつちは議長もこれは通路をあけなければならんけれども、この人を助けないと、これは踏み潰されるだろうと思いまして、それから暫くするとひよつと又一應隠れましたけれども、又ひよつとこう後で人が退いてそれが見えたのです。それで直ぐに私が入つて、それをすつと引上げて簡單にすつと上りましたから、割合に簡單に上るなと思つて、随分軽い人だなと思つたのです。後で聽いてみますと、それに廣元班長と松崎衞視がこれに加勢したようにあとで聞いたのですが、それで成る程自分の力で簡單に上つたなと思つて、あとでそれを聞いて氣が着いたのです。
  340. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 倒れたときの様子は見なかつたのですね。
  341. 山田忠雄

    ○事務局員(山田忠雄君) それは私が來て議長の傍に行つたときにその下にいるのをちよつと見たのです。そのときは起されなかつた、人がおつかぶさつたようになつておりまして、一度退けたけれども、又おつかぶさつて見えなくなつたのです。それから氣を着けていたところが、ひよつと又あきましたから直ぐに抱えて、両脇に手を入れて上げたのです。
  342. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 倒れたときの様子は分らなかつたのですね。
  343. 山田忠雄

    ○事務局員(山田忠雄君) それは見なかつた……。
  344. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) それから引き上げるときには、カニエ君は下におつかぶさつたか、それとも上に。
  345. 山田忠雄

    ○事務局員(山田忠雄君) そのとき私が見たときには、尻もちをついたようにしやがんでいたのです。
  346. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 ちよつとお尋ねしますがね。当時衞視の皆さん議長を取り囲んでおつたというのは、議員の数名が議長議長席に行くのを阻止しておつたようなことであつたから取り囲んでおつたのか。若し議長の身体に何らかの危險があつたらいけんというので、どちらを重点的に取り囲んでおつたのですか。
  347. 山田忠雄

    ○事務局員(山田忠雄君) 私が行つたときには、もうそんなふうに混雜しておつたのですが、私はその議長の通路をあけようと思つて、横から議長さんを押しましたけれども、とても押したくらいでは動かなかつたのです。通路をあけようと思つて、まあ努力したわけでございます。
  348. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 そのときに五六名が何名か分らんが、議員各位が議長議長席に行かんとする方向を阻止しておつたという傾向はありましたか。
  349. 山田忠雄

    ○事務局員(山田忠雄君) それは私はもう議長の傍に附いていて、それまでは氣が着きませんでしたが、入つたのがもう遅かつたものですから、小委員会を開けという声だけは聽きましたですけれども。
  350. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 議員が直接議長の体に何か手でも掛けておつたようなことは見ましたか。
  351. 山田忠雄

    ○事務局員(山田忠雄君) そのときには私は見なかつたようですね。
  352. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) それからカニエ君をあなた引き起したとき、カニエ君が議長の足へ取掴まつてつたとか、まつわつてつたとか、そういうような樣子はなかつたですか。
  353. 山田忠雄

    ○事務局員(山田忠雄君) そのときはそんなようなことはなかつたと思いますが。
  354. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 カニエ君が初め下にいるのをちよつと見たと言いますね。それからごちやごちやになつたのはいいが、ちよつとあいて又見たとこう言うのですね。初めちよつと見たときカニエ君はどんな恰好をしておつた。初めは、瞬間ですか。
  355. 山田忠雄

    ○事務局員(山田忠雄君) そのときはやはり……。それから間が短いのですが、やはりしやがんで尻餅ついてこう……。
  356. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 尻餅ついてどうだ。つぶされて苦しそうな恰好をしておつたか。ただ尻餅ついても悠々と構えておつたかどうか。
  357. 山田忠雄

    ○事務局員(山田忠雄君) そうですね。それは上から見たのですが、やはり危險は危險だつたですね。
  358. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 危險のように見える。そうして大分もがいておつたところまで見受けましたか。そこまでは見受ける暇がなかつたかどうか。
  359. 山田忠雄

    ○事務局員(山田忠雄君) そんな暇はありませんね。
  360. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 それからごちやごちやになつて見えなくなつて、それからちよつと置いて、そのときのカニエ君はどんな恰好でした。それはやはり尻餅ついた……。
  361. 山田忠雄

    ○事務局員(山田忠雄君) ついたまま……。
  362. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 誰かにぶら下がつて、起き上ろうとしておる恰好もなかつたですか。ただ依然としてそうやつておるだけですか。
  363. 山田忠雄

    ○事務局員(山田忠雄君) そうです。
  364. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 それではそれでよろしうございます。それからその助け起してから後ですね、あなた副議長さんが議長席に着いているのを見ましたか。
  365. 山田忠雄

    ○事務局員(山田忠雄君) そのとき見ないですね。もう氣がつかなかつたですね。ただ議長登壇させる、通路をあけるのが一生懸命でしたから、そちらの方は氣がつかなかつた
  366. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 そうしたら中西君が副議長の近所におられたのは見なかつたですか。
  367. 山田忠雄

    ○事務局員(山田忠雄君) それも氣がつかないのです。
  368. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 あなた山田班長ですね。
  369. 山田忠雄

    ○事務局員(山田忠雄君) 副長です。山田が二人おります。山田粂次郎と忠雄で、僕は副長の山田であります。
  370. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 それでよろしうございます。
  371. 大野幸一

    大野幸一君 あなたは翌々日ですかね、そういうことを、その当時の状況を警務課で報告してメモをとられたですか。
  372. 山田忠雄

    ○事務局員(山田忠雄君) そのときは私は報告しませんが、山田粂次郎君が報告して、私はそのときちよつと席を外してそこでは言わなかつた……。
  373. 大野幸一

    大野幸一君 山田粂次郎氏から、当時から、カニエ議員が「助けて呉れ」と言つたということを、二十五日頃山田君がそう言つていたことを聞きましたか。
  374. 山田忠雄

    ○事務局員(山田忠雄君) 山田粂次郎君からではなくて、廣元班長から聞いたのです。
  375. 松井道夫

    松井道夫君 あなたは「助けて呉れ」という声は直接耳では聞かなかつた……。
  376. 山田忠雄

    ○事務局員(山田忠雄君) 私は聞えなかつた……。
  377. 松井道夫

    松井道夫君 そうすると何ですか大分揉み合つていたようですが議長の通路はあいたのですか。
  378. 山田忠雄

    ○事務局員(山田忠雄君) なかなかあかない、それでカニエさんを引上げたそのまま議長の方を見たら、もう議長がいらつしやらなかつたようです。もう大分遅かつたものですから、もう揉み合つた、ずつと揉み合つて冷靜になるとすぐ前でございました。
  379. 松井道夫

    松井道夫君 カニエさんを助け起したときは議長はどうだつたのですか、そのときは議長はおつたのですか。
  380. 山田忠雄

    ○事務局員(山田忠雄君) 起したときにはいたような氣もしますが、すぐにもう見えなくなつて、氣を付けたらもういなかつたと思いますが……。
  381. 松井道夫

    松井道夫君 その辺の経緯ははつきりしないのですか。
  382. 山田忠雄

    ○事務局員(山田忠雄君) ちよつとはつきりしない……。助け起してから或いはもういらつしやらなかつたような氣がします。
  383. 松井道夫

    松井道夫君 今の記憶じやいないように思う……。
  384. 山田忠雄

    ○事務局員(山田忠雄君) ええ。
  385. 松井道夫

    松井道夫君 板野議員はあなた知つていますか、顏見れば分りますが。
  386. 山田忠雄

    ○事務局員(山田忠雄君) 議長の方に氣をとられていたから、他の議員さんのお顏もよく覚えていないのですが……。どなたがいたか、議長の側を離れないようにしていたものですから……。
  387. 松井道夫

    松井道夫君 板野議員がどこにおつたということは分りませんか。
  388. 山田忠雄

    ○事務局員(山田忠雄君) 分りません。
  389. 大野幸一

    大野幸一君 カニエ君がしやがんでいたときには議長がどこにいたか分りませんか。
  390. 山田忠雄

    ○事務局員(山田忠雄君) 議事部長の机の角に……。
  391. 大野幸一

    大野幸一君 カニエ君は……。
  392. 山田忠雄

    ○事務局員(山田忠雄君) カニエさんは演壇から登つた議長さんのテーブルと、議事部長のテーブルの眞中ぐらいじやないかと思います。
  393. 鈴木直人

    鈴木直人君 あなたはいつも議長さんを護衞するようにして近くにいたのですね。
  394. 山田忠雄

    ○事務局員(山田忠雄君) そうじやないのです。揉んでおりますから、議長登壇しようとするので、通路をあけようと思つて議長の側まで行つた、その通路をあけようと思つて努力したけれども、なかなか通路があかない。
  395. 鈴木直人

    鈴木直人君 あなたがあけようとしているときの議長行動ですね、あなたが行つてから議長登壇なさろうとするその間は、議長だけを見た場合にどんなふうな……、誰もいなかつたか、議長だけそこに一人いたか、議長はどういうふうな恰好してその間おりましたか。
  396. 山田忠雄

    ○事務局員(山田忠雄君) 議長演壇の方に向つて進もうとしていたのです。
  397. 鈴木直人

    鈴木直人君 進もうとしてずつといたのですね。
  398. 山田忠雄

    ○事務局員(山田忠雄君) そうでございます。
  399. 鈴木直人

    鈴木直人君 進めなかつたか……。
  400. 山田忠雄

    ○事務局員(山田忠雄君) 進めなかつた……。
  401. 鈴木直人

    鈴木直人君 進めなかつたのはどういう情勢で進めなかつたのですか。
  402. 山田忠雄

    ○事務局員(山田忠雄君) それはやはり前に人がいたためだろうと思うのですがね、他の衞視も通路をあけようとしておりますし、大変混んでいたからよく覚えないですけれども、議員がやはりその前にいらつしやつたと思います。
  403. 鈴木直人

    鈴木直人君 それは誰か、カニエ君などがその前に倒れておつたりして進めなかつたという事実があつたのですか。
  404. 山田忠雄

    ○事務局員(山田忠雄君) そうですね、それはカニエさんがいたために進めなかつたかどうかは、それはよく分らないのですが……。
  405. 鈴木直人

    鈴木直人君 その議長の進む前におつたわけですか、倒れておつた……。
  406. 山田忠雄

    ○事務局員(山田忠雄君) ちよつと斜めでございましたね。議長のいらつしやるちよつと右、階段に降りる側の方におつたわけです。そこにカニエさんが倒れておつたわけです。
  407. 鈴木直人

    鈴木直人君 倒れたのですね。
  408. 山田忠雄

    ○事務局員(山田忠雄君) 座つてつたのです。尻餅ついたように地べたに座つてつたのです。
  409. 鈴木直人

    鈴木直人君 倒されて座つてつたのですか、意識的に座つてつたか……。
  410. 山田忠雄

    ○事務局員(山田忠雄君) それは分りません。あとから尻餅ついておるのを上からちよつと見たのです。倒れておつたのを見たのじやありません。
  411. 竹下豐次

    竹下豐次君 あなたがカニエ議員を助けられたときには、もう本会議場で話が出た議長の足を抱きついておつたとかということが済んだあとのことですね。どうもそのようですね。
  412. 山田忠雄

    ○事務局員(山田忠雄君) そうかも分りません。カニエさんを抱き起してから間もなく騒ぎが終つたわけです。
  413. 竹下豐次

    竹下豐次君 あとの話ですね。一つ二つお尋ねしますが、あなたは途中議員さん達に道をあけて貰うように努力したとおつしやるが、やはり腕力……、というと強過ぎるかも知れんが、議員さん達をあなたとの間に多少押合いがあつたわけですか。あけて呉れとか、あけて下さいとか言つて……。
  414. 山田忠雄

    ○事務局員(山田忠雄君) 自分で押して通路をあけようとしたのです。
  415. 竹下豐次

    竹下豐次君 それに抵抗があつてあけなかつたわけですね。
  416. 山田忠雄

    ○事務局員(山田忠雄君) そうです。
  417. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) それではよろしうございます。ちよつと速記を止めて……。    〔速記中止
  418. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 速記を始めて……。暫く休憩します。    午後四時四十七分休憩    ——————————    午後六時五十五分開会
  419. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) それでは再会いたします。
  420. 鈴木直人

    鈴木直人君 運営委員会委員長は報告をされましたですか、それは一つどういうことをされたか……。
  421. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 御報告します。先程議院運営委員会の方から、会期との関係において懲罰委員会審議の状況を聽きたいという申入れがありましたから、私議院運営委員会に出席しまして、昨日來の審議の状況を一應報告しまして、そうしてこの会期との関係につきましては、昨日來問題になつてつたことと、そうして今も休憩をして、休憩中懇談会を開いてこれを協議した結果、大体本日中に是非仕上げるべきであるという人が二人と、会期を延長して審議すべきであると主張する人が三人、それから閉会中の継続審査を要求するのが三人、こういうふうな色分けである、そういうような状況を具体的に報告しまして、これに対して会期との関係においては自分の方で然るべき取計らい願う、こういう報告をしたのであります。これにつきましていろいろ質問はございましたが、会期の問題はこの委員会決定するわけでありませんから、そういう審議進行状況だけを報告しまして引揚げたのであります。それから私が議院運営委員会を出ました直後に滿場一致で会期を延長しないということを議院運営委員会では決定したそうであります。そういう状況でありますので、先に会期は延長しても是非会期中に審議をしたいという委員の方もございましたが、これはまあ会期の問題は衆議院との関係もありますから、自分の決定だけならば最終的な決定ではありませんが、併し参議院議院運営委員会が滿場一致で会期の延長はしないということを決定しました以上、先ず会期は延長ないものと見なければならんと思いますので、その点そうすると、この委員会における審議を今後どういうふうにいたしまするか、それを御報告と併せてお諮りいたしたいと思います。
  422. 鈴木直人

    鈴木直人君 もう一つお聽きいたしたいと思いますのは、議院運営委員会において委員長さんのお考えとして我々が主張したこの三日乃至五日位では到底審議がつくし得ない。状況によつては一週間、二週間以上かかるのではないかというような御意見は、御発表なされたのですか。
  423. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) これにつきまして、会期延長の意見をもつている人の審議に必要な期間は、どれ位かという質問がありましたから、これに対しては、委員側の意向は三日乃至五日間であるというお答えをして置きました。尚委員長の意向を聞かれましたから、私としてはこれはまあ重要な、その決定如何によつて議員の身分に関する問題であるから、愼重を期して、審議せねばならんし、そうしますると、相当の時日が必要だろうということは申したのであります。必ずしも三日若しくは五日で必ず審議が結了するということは、私の立場としては言いかねましたから、相当の余裕をみて言つたようなわけであります。
  424. 松井道夫

    松井道夫君 すでに会期延長が事実上実現できないという情勢にあります以上は、私は先の懇談会の結果によりまして、継続審査の説に賛成したいのでありますが、すでに会期も残すところ僅かになりましたので、至急継続審査の請求を、この委員会としてなすことに決定するよう希望いたします。
  425. 大野幸一

    大野幸一君 私は先程会期延長にも反対いたしました。又継続審査にも反対いたしました。私は本國会に起きたことは本國会で解決したいと思うからであります。只今は継続審査を請求することについての意見がありましたが、継続審査は國政の、國民のためになすべきことが本來のことであります。この國民の利益のために止むを得ずやりますところのものであろうと思います。今度の参議院の不祥事件というものは、全議員のいわば責任であります。我々のふしだらであります。我々のことを我々が今國会に解決せずして、これを継続会にするということは、私としては賛成をし得ないのみならず、委員長はついこの間本会議に報告されました継続審査可能なりや否やということについては、断定的意思表示はされておりませんが、併しながらさようなことは、避くべきであり、面白からざるものであるという報告があつたかどうか分りませんが、当時の出席したる議員は、そういうふうに受けたらしいのです。多くの議員からその話しを聞きます。これは、本問題はいつ起きたでありましようか。二十四日のまあ朝といたしましよう、本日までにすでに七日間であります。決して、その間短かいわけではありません。私はその一週間を経過したるこの懲罰事犯に対して、更に継続会までもして審査する必要はありません。只今私はこの休憩中に廊下を歩いておりまするというと、この参議院の中に宗教家議員團というものが、本問題について組織いたされまして、その声明書が頒布されております。「第五國会の終末に於ける参議院の紛糾は眞に遺憾に堪えない、本件は院全体の責任として深く反省自粛し今後超党派的和吏精神をもつて本院の円滿なる運営を期し以て國民の信頼に應えたい。宗教家議員團、岩本月洲、西田天香、堀越儀郎、小野光洋、柏木庫治、梅原眞隆、來馬琢道、草葉隆圓、山下義信、左藤義詮」こういうように民自党、緑風会、社会党等も含んでおります。こういう人のいわゆる院全体の責任として深く反省自粛し、今後超党派的和吏精神をもつてという。その言われるところのものは、賢明なる諸君が察せられるでありましよう。私達はここにおいて同士を失うところの決議をするということならば、それは愼重でなければなりませんでしようが、この懲罰委員会は裁判所ではありません。それによつて私はもう今國会において我々が熱心になすならば、優に以て我々はこの國会で解決することができ得ると思います。從つて私はこの松井君の提案には賛成し難いものであります。
  426. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 民主党は継続審査を要求いたします。
  427. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 他に御意見ありませんか。
  428. 竹下豐次

    竹下豐次君 継続審査の意見に賛成いたします。
  429. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 私も同じく継続審査に同意を申上げます。
  430. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 大野君の言われたことも一應御尤もと思いますが、併し懲罰事犯が起りましたのは二十三日で、それから動議提出が二十五日でありますが、仰せのように一週間以上経過しましたが、懲罰事犯が起つてから直ちに動議提出され、直ちに懲罰委員会に付託されたならば、この会期中に我々はその結論を出したかと思いますが、併し本委員会に付託されたのは昨日午後であつて、そうしてこの委員会としては本会議散会後、直ちに各会派の委員代表を含めた委員長理事の打合会を開きまして、この審査の方針決定して、本日十時から本委員会を開いておるわけであつて、何分会期の終る前日の午後に付託されたようなわけでありますから、直ちに着手したのでありますが、実際の上において時間がなかつたというわけであつて事犯が起つてから一週間以上を経過しておるけれども、これは懲罰委員会の責任ではなく、付託されたのが遅いのであるから、これは致し方ないと思います。それで大野さんの御意見もございましたが、まあ御意見によりますと、継続審査を要求するという御意向が多いのでありますが……。
  431. 大野幸一

    大野幸一君 委員長の御説明では納得ができない。我々は常に眼を國民の上に載せなければならん、問題は二十三日の夜半に起きたことであると思います。それが委員会に付託されたのが、いつであるからと言つても、それはなかなか承諾しないと思うのであります。私はそういう意味において昨日、今日委員会に付託されたからといつても、我々は本会議を見ている。この眼で……。而もこの又趣旨弁明も聞いております。それに対する陳弁も聞いております。そうしてすでに証人も幾分調べております。本日一時間が二時間あれば私は結論に到達する十分な見込みがあると思う。どうお考えなさるか知らんが、私は承服できないと思います。併しながら少数必ずしも私は正しくないということは言えませんが、民主主義の原則從つて、これは今決定されることが後日のためになるとの私は私の意見本当の少数ですから述べて置く次第であります。
  432. 鈴木直人

    鈴木直人君 私は止むを得ず継続審査の松井君の意見に賛成するものであります。私は大野君の考えと同じように、本國会中において行われたところの懲罰事犯であるからして、本國会中に結末をつけたいと、こう常に考えておつたのであります。併しながらそれにいたしましても委員会といたしましては、一身上に関するところの問題を審議するのでありまするから、愼重に誠意を以て、眞心を以てその眞相を究明をして、そうしてその結論を得て、その後に我々は判断を下したいと考えておるのであります。ところが只今委員長のお話のように、委員会に付託されましたのが昨日なのでありまして、もつと早く実はこれは委員会に付託さるべきものであるということを我々は念願しておつたんでありまするけれども、いろいろな情勢がそのような結論になつてしまつた。そこでいよいよ本日から審査に取掛つたわけでありまするが、午前中の審査の状態によりましては、到底この重大なる懲罰事犯の結論を下すということは困難だと私は思つております。從いまして会期を延長いたしましても、本國会会期中に結論を出したいと考えていたのでありまするが、そうして我々は勉強することによつて三日乃至五日間審議をいたしまして、結論を得たいとこういうふうに考えておりました次第であります。併しながら先程委員長の御意見といたしましても、これは愼重を要するのであるからして、もつと多くの時間を要するであろうというお見通しのようでございまして、その愼重なる態度につきましては、私は敬意を表するものであります。議院運営委員会におきましてもそういう御意見がありましたということを緑風会の総会において議院運営委員から報告を受けて來ておるわけであります。委員長におきましても我々が考えておる五日間より以上の時間は必要だ。そうして愼重にこれは判断するのであるという御意見であるのでありまするから、私は委員長のお言葉、お考えというものを尤もだと存じまして、この会期中に、三日前、五日前の会期延長という説を捨てまして、そうして継続審査というふうな方法を止むを得ず取るような決意を持つたわけでございます。そういうふうな理由によつて、私は継続審査を止むを得ず賛成するものであります。
  433. 竹下豐次

    竹下豐次君 先程私は継続審査の意見に賛成ということを一口で極めて簡單に申上げましたが、誤解を招くことを防ぐために一言附加えて申したいと存じます。先程の懇談会の席で私は会期を少くとも五日間延長してこの会期中に審議を終了しなければならないということを強く主張したのでありますけれども、運営委員会の方で会期は延長しないということにお決めになつたということでありまするので、それでは止むを得ないから継続審査の御意見に賛成すると、こういう意味で申上げたのであります。それだけ附加えて置きます。
  434. 大野幸一

    大野幸一君 しばしば発言して申訳ないのですが、これは少数党の特権だと思つておるのであります。我々は愼重審議は必要でありますが、併しながら政治的識見というものもなければならんと思うのであります。又判断力もあると思はなければならない。我々の政治的識見と判断力において本日終結するに私は自信を持つておるのであります。そこで三日、四日の間にできるものであるにも拘わらず、一日でエネルギーを出せばできないはずはないのであります。今まだ七時でありまして、十二時までは会期はあるのでありまして、我々はもう少しこれから審議をやつて見て、それからでも遅くない。委員長は聞くところによると運営委員会から早く審議にかかつて今日中努力してくれというお話があつたということでありますが、その趣旨從つて我々は実行して行きたいと思うのであります。又継続審査をして次の國会までの間にしよう。その間参議院の不名誉を天下にさらして置くことになる。天下という言葉は止めましよう。いわゆる社会、國民にさらけ出しして置くことになる。ここで我々が終末をつけて参議院の自粛を図ることが、私は今日やることが一番いいと思うところの心情であります。これを申上げて私は終ります。
  435. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 中野君から発言を求めておられますが、許可して御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  436. 中野重治

    委員外議員中野重治君) 簡單に私の意見を申上げます。私は皆さんの御意見をお聞きしましたが、皆御尤もだと私として考えます。それらのことに対する反対ではなくして、別の点を申したいとこう思います。それは問題を取扱うのに愼重審議をしなければならないということは言うまでもありません。それですから今日今の時刻までにすでに明らかになつたことをも我々は愼重に顧みなければならん、こうなると思うのであります。そこでこの懲罰事犯と言われているものを考えて見ますと、草葉君の動議の根抵にあつた大きな問題は、草葉君自身がこれを取消し、撤回されたのでありますから、或る意味で言うと、あのことによつてこの懲罰事犯と言われているもの、そのものがすでに消滅しておるとこう言わねばならんと思いますけれども、そうではあつても、尚事柄として議長阻止等々に関することが残つている。そのことが懲罰事犯として残されているというふうになるかとも思いますが、今日さつきまでの証人言葉によりますと、事柄が開会以前であつたこと、又若干の人々が小委員会を開けという要求を出していたということ、又議長がみずからその権能を具体的に行使して自分が演壇へ登つて行く阻止力を排除しようと何もしなかつたということ、即ちそのことは議長が自分の行動阻止されたと感じられたか否かということは不明であるということ、又こういう議長状態に並行して副議長がすでに議長席に着いていたということ、及び議長と副議長との間の事務引継というものは議事部長によつて一つも認められていないということ、それから演壇の中と外との関係というものは、これは寫眞によく現れているのですから、こういう前提がすでに失われて、動議そのものが消滅したと思われますけれども、尚それでも残つた事柄というものについて見ましても、事柄が成立たんということは、これは今後出て來る証人によつて又履されるかも知れません。それは愼重に我々聞かなければなりませんけれども、今日までにすでにこのことが、今日までの証人の限りでは明らかになつているということをも愼重に顧みて見なければならん、こう思います。それですから私としては今の條件において、今すぐここで継続審査ということを決めてしまうのはまだ早いのではないか、今のまま瞬間的に明らかになつた事柄は、本筋が明らかになつたのだから、この線でずつと調べて行けば、愼重に且つ我々が懈怠なく進めば、今日のうちにきちんと始末ができやしないかと、こう感じます。その点申上げます。
  437. 松井道夫

    松井道夫君 速やかに決定されんことを望みます。
  438. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) それでは大体一應御意見も伺つたようでございますから、採択によつて決定したいと思います。継続審査要求書を提出することに御賛成の方の挙手を願います。    〔挙手者多数〕
  439. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 多数と認めます。では継続審査要求することに決定いたしました。一應継続審査要求書を読んで見ます。    継続審査要求書  一、審査事件 議員金子洋文君、中西功君、板野勝次君、カニエ邦彦懲罰事犯の件  一、理由 本委員会は、目下右の件に関し、審査を進めているが、この審査は、その性質上愼重なる審議を必要とし、到底本日中に終了せしめることは、困難であるので閉会中もなお、継続して審査を行いたい。   右本委員会の決議を経て、参議院規則第五十三條により要求する。   昭和二十四年五月三十一日      懲罰委員長 太田 敏兄    参議院議長松平恒雄殿  以上であります。
  440. 竹下豐次

    竹下豐次君 私継続審査に賛成の挙手をしたのでありますが、氣持は、大野さんのお氣持のできるだけ急いでやらなければならないということについては全然同感なのであります。從つて十二時までやりましても私は決していといません。やらなければならないことだと思います。で尚継続審査に明日から入るにいたしましても、できるだけ早く、併し軽卒でないように審査を進めて頂き、これをだらだら延ばして行くということをしないで、でき得べくんば成るべく早い時期において、少くともこの委員会だけの意見でも纒めて、そうして國民に一應の安心を與えるという態度をとりたいと思います。    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  441. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) それでは休憩前に引続きまして証人を喚問いたしまして質問することにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  442. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 御異議ないと認めます……。暫時休憩いたします。    午後七時二十七分休憩    ——————————    午後七時三十七分開会
  443. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) それでは再会します。では、松崎さんですね。
  444. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) はい、松崎です。
  445. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) それでは二十三日の夜の騒擾事件について、証人として質問に答えて貰いたいのですが、ここでは特に証人としての宣誓は行いませんけれども、良心的に眞実を述べて頂くように希望いたします。
  446. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) はい。
  447. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) あなたが議場へ入られたのは、松平議長が入られたよりも先だつたですか、後だつたですか。
  448. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) 同時くらいに入りました。
  449. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) そうしましたら、松平議長がですね、演壇へ、議長席に登ろうとして行かれた途中で阻止されたという状況を、あなたが見られたままを、簡單にお話し願いたいと思います。
  450. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) はい。あのときはですね、議院運営から出まして、直ぐ議長さんのあとをつきまして、北側のドアーの方から入りまして、そうして議長さんを演壇に上げるべく、向うの議場の方に面した方で、まあ大体衞視がずつとここを、まあ側面と言いますかね、議場の方へ面しまして、こういうふうに並んでおつたわけです。そのときに丁度位置とすれば議事部長さんがいつも坐つておられるところあたりにおきまして、丁度揉み合うような混乱状態になつたわけです。そうして後ろの方から議長さんを速かに通せと、こういうふうな声がかかりましたときに、ここのところに一人寢ておる人があるから、これを起さなければ駄目だ、こういうふうに言つて、その前に議員さんはどなたか知りませんでしたが、議長ばかり助けてお前達は俺を助けないのかと言われましたから、自分達もすぐその議員さんを助け起したわけです。そのときの詳しいといつても……特にあの辺はもう混乱しておりまして、ただ速かに議長さんを議長席へ着けるように自分達は努力しておりましたから、特に誰彼と、こういつて名前をお挙げするわけには行かないのですが……。
  451. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) その轉んでおつた議員というのはカニエ議員つたそうですけれども、そのカニエ議員が轉げたというときは見なかつたんですか。
  452. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) 轉げたとき自分は向う側におりましたから、逆の方におりましたから、お入りになる方じやなかつたんです。どちらからお入りになつたか自分はそのときは知りません。ただこちらの下のところにおられるということだけは確認しました。
  453. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) カニエ君が轉げておつたのは、議長の足許へ轉げておつたんですか。
  454. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) そうであります。
  455. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) カニエ君が轉げて議長の足を掴んでおつたとかそういうことはないですか。
  456. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) そういうことは分りませんでした。
  457. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) ないですか。
  458. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) いや、ないとも言えませんし、掴んでおられたかどうかということは、ともかくお前達議長ばかり助けて俺を助けないのかということを言われておりましたから、それで速かに助け起したわけです。
  459. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) あなたが見たときは、カニエ君はうつ伏せになつていたんですか、仰向けになつてつたんですか。
  460. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) 仰向けの状態じやなかつたと思います。
  461. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 委員の方は何か御質問はありますか。
  462. 中山壽彦

    ○中山壽彦君 カニエ君は、あなたが起される直前の状況はどんなふうに倒れておられたんですか。
  463. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) そうですね。むしろ幾らか斜めにつぐんでおられるという形じやなかつたかと思います。
  464. 中山壽彦

    ○中山壽彦君 足を出しておられましたか。
  465. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) どちらの方へですか。
  466. 中山壽彦

    ○中山壽彦君 どちらか知らんが、足を踏まれるような位置に足を置かれておられたんですか。足を踏まれるということは、足を長くしておるわけですが……。
  467. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) 足をですか。長くしておられたとは思いません。
  468. 中山壽彦

    ○中山壽彦君 どういう恰好にしておられたんですか。
  469. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) ただ中へ入られて、こういうふうな状態に幾らかなつておられたように思いますが、でもまあ速かに、ただ起すことが、そういうふうに言われましたから、こちらは速かに起すことがあれで、どういうふうに足が伸びておつたかということはちよつと言えないんですが……。
  470. 竹下豐次

    竹下豐次君 あなた一人で起されましたか。何人かで……。
  471. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) いや、そのときはともかく衞視二人か三人、ともかく同時にそういうふうなことを言われたから、一緒に起されたと思いますが……。
  472. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 つぐんでおつたとも言われるが、横になつておるように恰好になつてつたとも言つておるが、それはあなたはお顏をよく御覽になりましたか。何議員ということは分りましたか。
  473. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) 議員さんをですか。
  474. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 そこへつぐなんでいたらしい議員の顏を……。
  475. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) それは、ともかく自分はそのときカニエ先生であるということは確認できなかつたんです。
  476. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 確認できなかつたと……、誰か分らんが……。
  477. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) ともかくそこにつぐむような形になつておいでになつて、ただそれで議長ばかり助けて俺をどうして助けないのだと言われたから、まあともかく……。
  478. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 分りました。それから議長だけを助けて俺を助けん、こういうことをそこへつぐんでいた者が言つたんですか。あなたはそのときは議長だけを助けてというのは、議長は助けなくちやならんようなことになつてつたか、そんな危險な状態にあつたんですか。本人が下でつぐなみながらも、議長が助けられておるのを見ておる、自分を助けんで行こうとするから、そういう声が出たと思いますが。
  479. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) これは別に危險じやないんです。
  480. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 これは倒れておる人間が言つたんでしよう。
  481. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) そうです。
  482. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 倒れておる人間は背が低くて、上の方の状況がよく分らんと思うが、低くなつて倒れておる人間が、議長だけを助けて俺を助けんことはないといつておられたというんですが、立つてつたあなたは、あなたの眼で議長を助けねばならんような危險でも迫つてつたのかどうか、どう見たですが、
  483. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) それはともかくそのときの状況は、もう議長さんは向うへ……自分らの方はともかく陣を作りまして、こういうふうに速かに通そう、後ろの方から押され、片つ方からも押されるような状況だつたんです。押し合いへし合いするような状況でございました。
  484. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 まごまごすると、議長は毆られでもしやせんかというようなことは看取できなかつたですか、どうですか、助けて呉れとか、何か大分危機迫つたような声を下の方から言つておるようですが、一体あなたが御覽になつて、まあ我々は遠いところから見ておつたんですが、あなたはもう議長さんの同時に議場内に入られたと、こういうんですから、前の方に相当数の議員が、いとも恐ろしい顏でもしておつたのか、高声でも出しておつたのか、それとも笑いのような顏をして、恐るべき態度でもなかつたか、一体どうなんですか。下でつぐなんでおるという人間が、議長だけを助けて俺を助けんというのはどういうわけだ、こういう悲鳴まで挙げておるというような始末だから、議長をあなたは助けるに至つたんですから、余程議長の身に危いことでも及びそうな状況であつたかどうかをお尋ねしたい。
  485. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) ただ押し合いへし合いだつたんですね。
  486. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 押し合いへし合いだけであつて議長席に容易に着き得なかつたというような程度のものでありますか。
  487. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) そうであります。
  488. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 そういう程度であつた
  489. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) はあ。
  490. 岡田宗司

    岡田宗司君 カニエ君が下にそういうふうな状況になつてつて、とにかく助けて呉れと、助けを求める声を出した、それははつきり聞いたですか。
  491. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) それははつきり聞き取りました。
  492. 岡田宗司

    岡田宗司君 それであなたは直ぐ氣が付いてそれを助けた。
  493. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) そのときは衞視が部分ばかりでなく、まだおりましたから、同時ぐらいに助け起したと思います。
  494. 岡田宗司

    岡田宗司君 その声を聞き付けたので直ぐ助けた、そういうわけですね。
  495. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) そうです。
  496. 岡田宗司

    岡田宗司君 その助けるときに、あなたは下を向いて、こうやつて助け上げるわけですね。その際に後ろから押されたり何かして、あなた方も危くなるというようなことはございませんか。
  497. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) ございませんでした。要するにこちらが扉の方でございますから、こちらの軋轢は強かつたが、向うの方は衞視がおりますから軋轢がないから、私らは前へ倒れて行くというようなことはございません。
  498. 岡田宗司

    岡田宗司君 それから今遠山君の質問で、押し合いへし合いであつた、こういう状況だつたんですか、議員議長暴行するような氣配を示して押して來たというような状況にはなつていなかつたんですね。
  499. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) 暴行という、そういうことはない。
  500. 岡田宗司

    岡田宗司君 そうしますと、議員が押し戻して議長の身辺に近ずいたということは、あなたは全然確認できなかつたんですか、つまり議長の身辺に議員が近付いておらなかつたのですね。
  501. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) いや近付いています。
  502. 岡田宗司

    岡田宗司君 併し触れる程には行つておりませんね。議長に手を触れたり、或いは議長を身体でぐんぐん押すという状況ではなかつたわけですね。
  503. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) けれども、議長さんの前に入られておつたのだから、議長さんの足下あたりには体が触れておつたのではありませんか。
  504. 岡田宗司

    岡田宗司君 いやカニエさんではない。外の議員さん達。
  505. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) 外の先生方がですか。
  506. 岡田宗司

    岡田宗司君 ええ。
  507. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) とにかくそれは自分の側にも淺岡先生がおられたと思います。
  508. 岡田宗司

    岡田宗司君 淺岡君がですね。そうすると外の人は誰もおらなかつたのですね。
  509. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) おられなかつたと思います。
  510. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 淺岡君が一人だけおつたとするとですね。そうあなた方が努力を拂わなくとも、すつすつと議長席に着き得るものだと思うのだが、それはどうしたのですか。淺岡君が手を拡げてやらんようにしておつたか。淺岡君の名前を挙げられたからお聞きするが、淺岡君一人だけが頑張つて、容易に議長さんを議長席に着かせることができなかつたとして見れば、淺岡君は如何なる態度をとつてつたかということを、それをお尋ねします。
  511. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) 淺岡先生は自分の方の側におりましたから要するに……。
  512. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 壇に行くには下におつた者は邪魔にならなかつた
  513. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) なりません。
  514. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 そうすると、議長席に進んで行こうというその前面に当つて、何人かの議員が容易に通し得ないような状況で待機しておるが、まごまごしておつたが、それは知らんが、とにかくおつて、容易に行けんのかどうか。
  515. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) それはともかくこちら側が議場でありますね。
  516. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 こちらとかあちらと言つて速記が困りますが。
  517. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) 議長席の方から議席の方に面しまして、自分がおりましたから、要するに議場の方からの軋轢があつた、妨害されておつたということは事実なんです。
  518. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 そうすると議長席を背中にして……。
  519. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) 議長席ではなくて、まだ議長席に上らない手前ですね。
  520. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 手前だけれども、議員の何人かが、議長席を背中にして、向うを向いておつたと、こういうわけですね。
  521. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) 議席ですね。議席の方からの軋轢があつたのです。
  522. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 まあその点は申しませんが、そうすると、あなたはカニエさんか誰か分らんと言いますが、側にそう沢山の人間がえらくへし合つていたらしいが、默つて置いてもカニエ君は起き得た状態でありましたか。放つて置いたら起きれないような状態でありましたか。そこにつぐまつていたか、倒れておつたかは別として、そこにまるまつてつた男が、放つて置けば直ぐ起きられそうな状態であつたか。
  523. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) それは議場側の方からはつきりと、これが何々議員さんであるかということは、ともかく言えないのですね。顔は……。
  524. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 顔は分らんね。
  525. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) 分らないのですけれども、とにかくそういうあれで以て、押して來ておるということは事実なんです。
  526. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 私の尋ねた趣旨は、あなた方は助けて引起したというが、助けんで置いても一人で起きれるような状況であつたか。恰好でもしておつたのですか。
  527. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) いやいや、押し合い揉み合いしておつたのですから、こちらに誰もいなくて直ぐ立上がれる状況ではありませんでした。
  528. 鈴木直人

    鈴木直人君 外の人の話によると、助けて呉れというように、はつきり言つたという人があるのですがね。ところがあなたの話によると、議長ばかり助けて俺を助けないかというような言葉つたそうですが、そういう言葉の方があなたにはつきり聞えて、助けて呉れということは聞かれなかつたのですね。
  529. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) あれですか。それは議員さんですか。
  530. 鈴木直人

    鈴木直人君 ええ。
  531. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) それが一番最初、ともかく議長ばかり助けて、それで俺をどうして助けないんだ、そういうのを聞いて、自分はとにかく助けて起したのです。
  532. 鈴木直人

    鈴木直人君 そうすると、助けて呉れという、そういう言葉じやなかつたか。
  533. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) はあ。自分の聞いたのはそうです。
  534. 鈴木直人

    鈴木直人君 そうしてどういうふうな恰好で助け起しましたか、やつて見せて下さい。
  535. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) 自分のあのときの状態は要するに……。
  536. 鈴木直人

    鈴木直人君 どんな恰好でおりました、つぐまつた人はどんな恰好をしておりましたか、ちよつと眞似をして下さい。カニエ君はどんな恰好をしておりましたか。
  537. 大野幸一

    大野幸一君 では俺がやろう。
  538. 鈴木直人

    鈴木直人君 君じや分らん。
  539. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) 大体こんな恰好をしておりました。大体体が斜にこんな恰好をしておりました。ともかくはつきりしたことは何ですけれども、恐らくこんなふうになされておつたのではないかと思いますが……。
  540. 鈴木直人

    鈴木直人君 それかどういうふうな恰好で助けましたか。
  541. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) それをただ自分が持ち上げる状況でいいのです。衞視がともかくおりましたから、自分達はこういうふうにやや斜身にしておりましたのですから……。
  542. 鈴木直人

    鈴木直人君 そのときに議長さんはどこにおりましたか。
  543. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) 議長さんはここにおられ、ちよつと自分より斜めはすという恰好でありました。ここのところに議長さんがおられました。
  544. 鈴木直人

    鈴木直人君 議長さんは向うですね。
  545. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) まだそこからは……。
  546. 鈴木直人

    鈴木直人君 方向は。
  547. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) 方向はこちらです。
  548. 鈴木直人

    鈴木直人君 それで議長さんは行けませんでしたね。
  549. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) 行けませんでした。要するにこちらが議長さんの入口に面して、向うが議場ですから、自分の方はとにかく扉の近い方におりました。
  550. 鈴木直人

    鈴木直人君 それでこちらの方にこうして行くのですか、壇上には……。
  551. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) 壇上には、あすこは机があるのですがね。
  552. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 ここに地図があるから、これで説明して。
  553. 鈴木直人

    鈴木直人君 議長はどつちに向いて、つぐまつた人はどこにおるかということを示して下さい。
  554. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) この辺の所でありますね。
  555. 鈴木直人

    鈴木直人君 そこに誰がおつた
  556. 大野幸一

    大野幸一君 議長はそこか。
  557. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) そうです。そうしてここから上がつて來られたものですから……。
  558. 大野幸一

    大野幸一君 議員が横から上つて來た……。
  559. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) それで議長さんがここから入られるのですからね。
  560. 鈴木直人

    鈴木直人君 それは知つておりますよ。
  561. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 カニエ君はどこにおつたか。
  562. 鈴木直人

    鈴木直人君 あなたはどこに。
  563. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) 私はここです。
  564. 鈴木直人

    鈴木直人君 議長さんはどつちからどつちに行こうとしておつたか。
  565. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) 議長さんはここからここに上がられるわけです。
  566. 竹下豐次

    竹下豐次君 そうすると、カニエ君が倒れて、あなたが起した所は、議長議長席の間になりますか。
  567. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) そうであります。
  568. 中山壽彦

    ○中山壽彦君 カニエ君は議長のすぐ足許に倒れておられたのですか、議長の立つておられた所と、カニエ君の倒れておられた所は間がありますか。
  569. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) それはその前に衞視長さんがおられました。
  570. 中山壽彦

    ○中山壽彦君 議長の前にですか。
  571. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) そうでございます。
  572. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 ちよつとお尋ねしますが、カニエ君が実際倒れた動作を確実に身近かに見ておるという方は誰ですか。あなたの方で……衞視長か。カニエ君が倒れた……。
  573. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) 衞視長殿が知つておられると思います。
  574. 岡田宗司

    岡田宗司君 どうです、衞視長を呼んだら。
  575. 竹下豐次

    竹下豐次君 カニエ君だけじやなく、外のことであなたが氣が付いたことはありませんか。カニエ君のことだけじやなくして、外の人のことについても、あの混乱の際にあなたが特に目に付いたことがあつたならばお話し下さい。
  576. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) その外にでございますか。
  577. 竹下豐次

    竹下豐次君 カニエ君の直接関係のこと以外に外の人について……。
  578. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) その外に、副議長殿がもうすでに議長席に着かれたから、早く、そのときは何て言われましたか、つまり原稿ですね、あれを早くお借りなさいというふうに言われておる方がおりまして、それを手渡すのは見ないのですが、そういうことは聞きました。
  579. 中山壽彦

    ○中山壽彦君 それは誰が言われたのですか。
  580. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) それは誰が言われたか分りませんが、そういう言葉があつたことは聞きました。
  581. 中山壽彦

    ○中山壽彦君 そうして、それをどういうふうに渡されたか見ておられませんか。
  582. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) それはただそのときに聞いた言葉ですから、確実にどなたに渡して、どなたの手に入つたかという経過は知らないのですけれども、そういう言葉を聞きました。
  583. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 ちよつとお尋ねしますが、草葉議員動議提出の理由の中に、議長議事部長の机の前のあたりに参りまするや、共産党板野勝次君に、続いて中村正雄、カニエ邦彦中西功、細川嘉六、岩間、原並びに天田、これらの各議員が相擁して、スクラムを組んで活劇をした、こういうようなことが書いてあるのですが、そういう実情はあなたは見なかつたのですか、あなたが議長と一緒に議場の中に入つたと言われておる、その議長が寺光議事部長の前あたりの所に來るや否や、板野君が先頭を切つて壇上に駈け上つて、そうして有志の面々が一緒に附いていた、そういうところの現場は見なかつたのですか。
  584. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) 自分達が見たときに、議員さんだか、どなただか知らないけれども、議長さんの壇上のところに、人は四、五人ぐらいおられました。
  585. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 それが手か腕か肩か組んで、議長議長席に着かんとすることを非常に強く阻止しておつたのですか、そういうふうなことは見られなかつたのですか。
  586. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) それよりも、とにかくそういうことをはつきり確認できないのです。
  587. 松井道夫

    松井道夫君 どうもはつきりしないのですが、それじや初めからちよつと聞いて見ますが、議長の前に衞視長が入つたのですか。
  588. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) はあ、衞視長殿がおられました。
  589. 松井道夫

    松井道夫君 衞視長が入つた
  590. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) はあ。
  591. 松井道夫

    松井道夫君 それから議長が二、三歩後から入つたのですか、いつもどうなんですか。
  592. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) そのとき衞視長さんが議長さんの先導で行くわけになつてつたのです。
  593. 松井道夫

    松井道夫君 それで、衞視長が先導ですから、先に行つたわけですね。
  594. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) ええ。
  595. 松井道夫

    松井道夫君 それからそれに続いて議長が入つた
  596. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) そうであります。
  597. 松井道夫

    松井道夫君 何歩くらい遅れて入つたのですか、その辺は分らない。
  598. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) 何分といつて、時間を置いて入つたかと……。
  599. 松井道夫

    松井道夫君 歩。
  600. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) さあそれまでは分りません。
  601. 松井道夫

    松井道夫君 あなた方が入つたのは議長に何歩くらい遅れて入つたのですか。
  602. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) 自分達が入つたのですか……いや、入つたというよりも、自分達はむしろ先に、議長さんが入られると同時にこちらの裏側の方から、裏側の方といつても、事務机がありますから、それから先に行つたような形になつたかも知れません。
  603. 松井道夫

    松井道夫君 入り口は違うのですか。
  604. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) いえ、入り口は一つなんでございますが、各参事殿とかの事務机がありますから、それの方から先に廻れます。
  605. 松井道夫

    松井道夫君 そうすると、殆んど議長とあなたは同時に入られたのですか。
  606. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) まあ後から入つたのですが……。
  607. 松井道夫

    松井道夫君 先になつた
  608. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) はあ。
  609. 松井道夫

    松井道夫君 それで、衞視の方はそのときに何名くらい議長從つてつたわけですか。議長と同時に入るようになつたのか、或いは從つてか同時か知りませんが、一緒に入るようになつたのは……。
  610. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) あのときは、從つてつたというのは何名かと言われても、議場勤務者もおりますから……。
  611. 松井道夫

    松井道夫君 特に議長の護衞と言いますか、そのために何名か入つたということじやなかつたのですか。
  612. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) まあ、議院運営からのあれで以て、議院運営の所にごたごたがありましたですから、あれで以て振鈴が鳴りまして、直ぐ今度向うの方が危いということが予想されたから、こちらの方に先に皆廻つたのではないかと思います。
  613. 松井道夫

    松井道夫君 別に計画を立てて、誰が何人附いて行くというようなことで入つたわけではないのですね。
  614. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) はあ。
  615. 松井道夫

    松井道夫君 そうですか。それであなたは何ですか、参事席の前におられたわけでございますか。議事部長の机の前あたりにおられたわけですね。
  616. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) はあそこでございます。
  617. 松井道夫

    松井道夫君 そうしますと、あなたが自分の位置に着く前にもうごたごたは起きておつたのですか。あなたが議長に先んじたような形になりましたね。
  618. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) はあ。
  619. 松井道夫

    松井道夫君 そうしてまあ議事部長の席あたりに行つたと、そのときにはごたごたはまだ起きておらなかつたのですか。
  620. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) 議事部長さんのおられる所までは割にスムースに議長さんも行かれたと思います。
  621. 松井道夫

    松井道夫君 ですから、その頃まではまだごたごたは起きないわけですね。
  622. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) はあそこでございます。
  623. 松井道夫

    松井道夫君 あなたは議長がそこまで行かれるのをずつと見ておらわたわけですか。
  624. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) はあ見ておりました。
  625. 松井道夫

    松井道夫君 そうするとこれは確かめて置きますが、議長議事部長の机の辺まで、或いはそれよりちよつと先まで行つたのですね。
  626. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) はあ。
  627. 松井道夫

    松井道夫君 そのときにあなたはどこにおられたのですか。
  628. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) 一番初めですか。
  629. 松井道夫

    松井道夫君 議長議事部長の席から先に進んだ、スムースに行つた所、要するにごたごたが起きて議長が立往生してしまつた、そこの位置から行くとどの辺におつたのですか。
  630. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) やはり自分は議事部長さんの机のあたりの所だと思います。
  631. 松井道夫

    松井道夫君 机のやはり前。
  632. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) はあ。
  633. 松井道夫

    松井道夫君 ところで、その辺まで議長が行くのはスムースに行つて何も起らなかつた
  634. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) はあ。
  635. 松井道夫

    松井道夫君 それで、そこまで議長が行くと、どういうことが先ず起つたのですか。
  636. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) 結局前にもお話ししました通り、押し合いへし合いが始まつたわけなんです。
  637. 松井道夫

    松井道夫君 ですからそれが分らん、余りに早過ぎるので……。そうすると、先程言うたように、そこに五、六人の議員がおられたのですか、議長の行先に。
  638. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) 議長席の所ですか、玉座の方に上る壇の所ですか。
  639. 松井道夫

    松井道夫君 議長が進む前に議員さんがおつたか。
  640. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) おられました。
  641. 松井道夫

    松井道夫君 その人達と議長の間に何か起きたのですか。
  642. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) そのときはともかく瞬間ですから、果してその先生達がこういうふうにぐつと逆に押されて來たかどうかということは、ちよつと分りませんですが……。
  643. 中山壽彦

    ○中山壽彦君 押し合いへし合いというのは誰がやつたのですか。
  644. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) ……。
  645. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 議事進行について。これは松崎さんにお聞きしたところで、非常に実相を把握し難いのですが、むしろ衞視長にお聞きになつた方がいい。なんぼ押しても駄目だと思います。
  646. 松井道夫

    松井道夫君 今お聞きしました五、六人の議員のうちで、あなたの覚えている人の名前を言つて貰いたいと思います。
  647. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) その押し合いへし合いのときの……。
  648. 松井道夫

    松井道夫君 押い合いへし合いではなくて、あなたが初め議事部長の席のあたりに行つて議長もその辺までスムースに行つたそのときに、その行手に、議長席の一段高い所との間に、要するに議長の行手に五、六人の議員がおられたと、こういうのですね。
  649. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) ええ。
  650. 松井道夫

    松井道夫君 その議員のうちで、あなたが名前を覚えている人を言つて貰いたい。
  651. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) 共産党の先生がおられましたですね。
  652. 松井道夫

    松井道夫君 共産党の先生と言つても沢山おるのですからね。誰々がおりましたか。遠慮する必要は何もありませんからね。却つて本当のことを言わないと惡いですからね。隱す必要は何もありません。
  653. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) 中西先生。
  654. 松井道夫

    松井道夫君 中西先生がおつた。それから……。共産党の先生はね。岩間先生という方がおいでですね。あそこにいらつしやるのですけれども、岩間先生は氣が付きませんでしたか、どうです。
  655. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) 氣が付きませんでした。
  656. 松井道夫

    松井道夫君 氣が付かん。それから細川嘉六先生という方がおられるですね。細川先生、老人の人です。
  657. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) ともかく先生はおられますけれども、名前はちよつと分りません。
  658. 松井道夫

    松井道夫君 中西先生はおつたのですね。それは覚えているのですね。
  659. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) はあ。    〔「進行々々」と呼ぶ者あり〕
  660. 松井道夫

    松井道夫君 それから今のことをお聞きしたいのですが、いきなり降つて湧いたような混乱が起きたと言われるけれども、ちよつと想像できないのですが、一体その衞視が、議長がスムースに歩いておつた頃、そんなに沢山おつたのですか。何人ぐらい衞視が初め議長の近所におつたのですか。
  661. 松崎昇

    ○事務局長(松崎昇君) 議長さんの周りですか。
  662. 松井道夫

    松井道夫君 ええ。
  663. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) 十人ぐらいではないかと思いますが。
  664. 松井道夫

    松井道夫君 初め、まだごたごたが起きない頃ですよ。
  665. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) あの議長さんの周りですか。
  666. 松井道夫

    松井道夫君 ですからね。議長はずつと入つて來たんですね。あなたも入つたんですね。あなたと同時において、同じ機会に入つた衞視は何人ぐらいおつたのですか。先程あなたはよく分らんようなことを言つてつたが……。
  667. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) 十二、三人おつと思います。
  668. 松井道夫

    松井道夫君 十二、三人入つた。それだけの者が議長について入つて來たのですか。
  669. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) いや、その入口は別にしたけれども、約十人ぐらいは入つてつたのです。
  670. 松井道夫

    松井道夫君 要するにごたごたが起きないうちにですか。起きないうちに入つてしまつたのですか。ごたごたが起れば、それは又方々から飛んで來たりして、それは大勢になるだろうけれども、その前は何人ぐらい入つてつたかと聞いているのです。ごたごたが起きないうちは。
  671. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) あの壇上の上に……。
  672. 松井道夫

    松井道夫君 要するに政府委員席もあるし、それから参事席があるでしよう。その間は通路ですからね。衞視の席じやないですからね。衞視があの区画に何人くらい入つてつたかということを……ごたごたが起る前ですよ。
  673. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) ごたごたが起る……議長さんと並行して入る瞬間などは五、六名しか、一番最初は入れないわけです。
  674. 松井道夫

    松井道夫君 五、六人しか……普通入る筈はないのだからね。五、六人入つた、それが忽ち押し合いへし合いになつたというには、何かきつかけがなくてはならんと思うのですがね。だから議長が動けなくなるとか、進めなくなるとか、或いは議長の周りに大勢の人が來るとかいうようなことで、何かなければそんな大騒ぎになる筈はないと思う。どうですか、そこのところは。
  675. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) そこには、今どの議員さんが知りませんけれども、とにかく議員さんが大分大勢來られて、押い合いへし合いしたわけです。
  676. 松井道夫

    松井道夫君 議長はその大勢の人がおられたために壇上に登れなかつたということなんですか。
  677. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) そういうわけです。
  678. 松井道夫

    松井道夫君 そのうちに大勢衞視が集まつて來て大騒ぎになつた、こういうわけですね。
  679. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) そういうわけです。議場の中にもとにかく衞視は鈴が鳴れば直ぐ入りますから……。
  680. 竹下豐次

    竹下豐次君 議長さんの危いというような感じが起るような騒ぎじやなかつたのですか。危險は感じませんでしたか。議長の身辺において……。
  681. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) ただ押し合いへし合いぐらいのことでございました。
  682. 竹下豐次

    竹下豐次君 危いということはなかつたのですか。
  683. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 議事進行……松崎さんにこういう誠に微妙なことを探究したところで、なかなか……それよりむしろ衞視長を呼ばれて聞かれた方がいい。そうした実情は寫眞があるし、松井さんが玉座の前からむしろ深く見下しておつたと思います。むしろあなたの方がよく知つておる。それは……。
  684. 松井道夫

    松井道夫君 さようなことは懇談会でしたら詳しくお話をして差上げますが、速記のあるところでさようなことを言われても議事を遅らすだけだ。
  685. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 松崎君はいいですか。
  686. 松井道夫

    松井道夫君 五、六人おられた。その後数名の方が來て、そこで議長との間に少しごだごだがあつて、大勢衞視が集まつて來た、こういうことでしたが……初めおつた、或いはその後おられた人の中で、共産党の先生の中で板野先生という方は覚えておりませんか。
  687. 松崎昇

    ○事務局長(松崎昇君) 先生、おられたと思いますけれども、そのとき別に、その何々先生であつたかということは、要するに名前を……。
  688. 松井道夫

    松井道夫君 はつきり分らない、よく分らないのですね。
  689. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 先程原稿を副議長に渡さなくちやならんとか、誰か怒鳴つてつたというわけですね。そのときに副議長さんが議長席に着いたのを見たというのですね。
  690. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) そういうわけです。
  691. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 そうすると、その副議長さんの近所には大分議員がおつたようですか。それとも副議長さん一人でぽつねんと座つてつたかどうか、御覽になつた……。
  692. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) 議員さんはおられました。
  693. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 そのうちにどんな議員さんがおられましたか、御記憶ありますか、あつたら……。
  694. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) 原虎一先生がおられただけです。
  695. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 原君がおられた……誰が……どうも寫眞では原君が傍らにおらんようですが、何か記憶違いじやないですか。何か外の人じやなかつたでしようか。記憶違いならば、御訂正を願いたいと思いますが……。
  696. 大野幸一

    大野幸一君 どの寫眞と言わなければ分らない。
  697. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 そうすると、誰か副議長さんにぶら下つておるか、引つ張るかする議員でもおつたのは見受けなかつたかどうか、どうですか。知らなければ知らんでいい。御記憶あればお答を願いたい。副議長の近所に沢山の議員がおられたと、こういうから、そのうちで、議員の中で引つ張るか、押すか何かしておつたような議員がいなかつたかどうかというのです。御記憶があればお答え願いたい。御記憶ありませんか。
  698. 松崎昇

    ○事務局員(松崎昇君) はあ。
  699. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 なければよろしうございます。
  700. 岡田宗司

    岡田宗司君 次の証人として、衞視長を呼ばれんことを希望いたします。
  701. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) それでは松崎さん御苦労様でした。
  702. 中山壽彦

    ○中山壽彦君 今度衞視長が來られましたら、先ずその衞視長の見たままを最初に一つ聞いて頂いたらどうでしよう。それからあとでいろいろ聞いたらいいと思います。
  703. 大野幸一

    大野幸一君 大略を言わせて、大抵分る程度に話して貰つて、一人々々が思い思いに自分の納得するまで聞いたら、これは全く何年やつてもきりがないでしよう。そういうわけには参りません。
  704. 松井道夫

    松井道夫君 反対。    〔参事下倉辰男君着席〕
  705. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) いろいろ二十三日のことについてお尋ねしたいこともあるのですが、先ず最初に、あなたは議長を先導して入られたから、一番よくごたごたの様子が分つている筈ですから、大体の様子を一應お話し願いたいと思います。
  706. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 そのお話しになる前、一体議長さんとどの辺から一緒になつて先頭を切つて來られたか、初めからのことをずつと承わりたい。
  707. 下倉辰男

    ○參事(下倉辰男君) 下倉衞視長は、二十三日の午後の、多分十時三十分頃と思いますが、警務課におりましたならば、丁度その当時、議院運営委員会が開かれておりまして、そうして非常に混乱したという情報が入つておりました。その前に予め委員部の要請によりまして、或る程度の衞視を配置しておつたのでございます。それで段々議長サロンが混乱になつたということで、私も心配になりましたから、一應行つて見ました。そうしたらば非常に混乱しておりました。そこで委員部長さんから議員以外の者は出せ、こういう指図でございました。警務部長はどうしたとおつしやられました。警務部長は丁度お部屋におりましたものですから、直ぐ使をやつて、來て頂きました。そのときに委員部長さんが、話はちよつとあとさきになりますが、警務部長を呼んで陣頭指揮をやらせろ、こういうお言葉でございました。それから先程申上げましたように、早速警務部長のところに衞視をやりました。警務部長は直ぐ來て呉れました。私も入口まで入つたのでございますけれども、何せごたごたしておりまして、自分の体がやつと入れるくらいだつた状態でございます。そこで運営委員の方か、或いはその他の議員の方か分りませんが、中でそれは委員長の命令かと言うような方もありましたし、そこで委員長の命令なるものが徹底しておつたかおらんかということで、私共聊か躊躇いたしました。そこで中味のことは私共にはよく分らないのですが、非常に出す、出さないということからあつちでもこつちでも衛視の方に新聞社の方が何か抗議をされた方もあるように、これは後で聞いたのですが、そういつたような状態でして、かくしている間に丁度時間は、はつきり記憶しておりませんが、十一時五十分にはちよつと間があるかと思つた時刻に記憶しておりますが、このときに本会議のベルが鳴つたのであります。それからもうそのベルが鳴つた中にまだざわざわしておりましたけれども、一應私はもう本会議の方が心配でございましたから、廊下へ出ました。議長サロンの前へ出たのであります。そこでやや暫らく経つてから議長さんが、どこからおいでになりましたか、それははつきり分りませんが、議場の裏でまあまごまごしておつたと申上げては申訳ないか知れませんが、ちよつと見ると、まごまごしておられたような恰好でおられました。誰かが遠くの方で議長を議場へ案内をしろ、遠くでどなたかがこう叫んだ声を記憶しております。それから私も、我々は議院警察を守つて、そうして國会の運営を保ち、それから議員さん方の身辺を保護するというのが任務でありますから、先ず我々は勝手にどこでも好きなことをやるというようなことはできませんと、殊に議場の中のことにつきましては、絶対議長の命令がなくては私共は動けないことを認識しておりますから、先ず議長をどうしても議長席に着けなければ、議場の混乱も整理することができない、かように私は考えまして、誰かが議長を案内しろとおつしやられた瞬間に自分の頭にぴんと参りまして、それから松平議長のところへ行つて議長さん私が御案内しますからと、こう申上げて、あそこは丁度議長サロンの、あそこは私共は北廊下と申しておりますが、北廊下の議長サロンの東口のところから沢山の人がなだれ出た。私はその前に出たのですが、私としては、議長はなだれるのを突き抜いて來て頂きたかつたのですが、そこで議長が止まつてしまわれた。そこで大変時間的にはどのくらいか、私としては相当……何秒と言いますか、何分と言いますか、一分もあつたかどうかと判断されるのでございますが、議長がそこへ止まつちやいまして、そうしてなだれも或る程度なくなつたときに、議長は私の直ぐ後へおいでになりまして、いつも議長のお入りになる北廊下の、私共は議場の西口と申しておりますが、そこから私の殆んど一歩もないくらいの後を私は議長の前を導いて、そうして取敢えず議長席まで着けますのが、衞視長の任務と考えまして、丁度あの参事席とそれから大臣席のところを、極めて狹いのですが、あそこをスムースに取敢えず議事部長の席の角まで私と議長が参つたのであります。丁度議場へ入つた瞬間、私は職務上傍聽席の方の関係、議場の内部、出入口等も一應自分の責任がありますから、先ずその方をちよつと睨んで参りました。そうして議長席の方も瞬間見たのですが、そのとき、遠くで見たのではつきりいたしておりませんが、中村先生、板野先生、天田先生、それからカニエ先生、原先生、こういつたように記憶しておりますが、こういう方が事務総長の席のところにおいでになりました。それから議長が丁度議事部長の席まで参りましたときに、その事務総長のところにおいでになつた方が議長の方に方向を変えられて、そうして何事か言われておつたのですが、その言われたことは私は分りませんが、そのうちに段々沢山の人が壇上に、壇上と言つても、一般的に議場を壇下と申しまして、それから大臣席、議長席と、それから演壇を低めたところを私共は壇上と申しておりますが、先ず今申しました事務総長席の前におられた方々が、そこで先程申しましたように、丁度議長の前に來られた。それから後段々沢山の方が次々に上つて來られまして、そこで前から押されますものですから、私は角におつてここへ行つたのですが、こつちは議長の席、こつちは大臣席、こつちは議席になりますので、そこまで行つたところが、どうしても前から押されて前に行くことはできないのです。議長を見たから議長さん早く早くと言つて私が押しながらやつていたのですが、そこへ衞視がずつと入つて來て後ろにおる方を、手も足も出せないものですから、後ろから体を押しておる態勢になつております。併し向うが沢山の押し方でとうとう私が出られなくなりまして、そこにカニエ議員がおりました。カニエ議員がいきなり押されて來たのか入つて來たのか分りませんが、私のところにぶつかつて、そうして「何だ」とか何とか言われましたけれども、議員さん方が何とおつしやられても、私は言われ放しでおるのですが、そこで先ず議長心配していた。私の後ろにいた筈の議長がずつと離れていたのですが、どうして議長があそこに立つてしまつたのだろうと、こう思つておりました。こちらを見たらカニエ議員がさつきからいたけれども、その姿が見えなくなりました。そのうちに衞視も段々殖えて参り、それから議長席を見ましたら、松嶋副議長議長席に着かれ、近藤事務次長が総長席にお着きになつておられました。それで私としては一應法的のことは分りませんが、議長なり副議長なり、いずれにしても議長席にお着になれば、これは議場整理ができるじやないか、こう思いまして、そうしてもう松平議長には構わず、瞬間振向いただけではつきりしておりませんが、衞視の名前は分りませんが、大体幹部の土橋衞視長と、それから伴副長、小野副長、混乱の場合ですから班長はどういう班長がおつたか分りませんが、もう一人山田副長、これが松平議長の周囲におりましたから、これは一應議長の身辺はいいと、こう解しまして、そうして私はああいう場合はとかく傍聽席も騒がしくなるものですから、その心配もありましたものですから、一應傍聽席などの方を見まして、そうして近藤事務次長が事務総長席にお着きになつたその後ろに立つて議場の状態を見ておりました。大体議長を導いた経路はそれだけでございます。
  708. 岡田宗司

    岡田宗司君 カニエ議員があなたの身体にぶつかられたと、こう言われましたね。
  709. 下倉辰男

    ○參事(下倉辰男君) さようでございます。
  710. 岡田宗司

    岡田宗司君 それはカニエ議員が押されて來てぶつかられたような状態なんですか。
  711. 下倉辰男

    ○參事(下倉辰男君) それが先程申しましたようにはつきり……まあああなつて参りましたので、私も随分力を入れて、こう出ようというのを押されて、渾身の力を込めてやつたのですが、なかなか押されまして、幸いに私の後から押す者は誰もなかつたのであります。前から押され、或いは却て前から押されるのが抵抗力があるのですが、後から押されるのは抵抗力がないのじやないかと思いますが、とにかく私のところに接近してしまつた、ぴつたり食つ付ついてしまつた。そうして私に、先程も申しましたように「何だ人にぶつかつて」と言つておられたのですが、私はそれよりも議長が早く議長席に着かなければ、議場の混乱も納まらないと思いましたものですから、その方に氣を取られて、ひよつと見たときにはカニエ議員はどこへ行つたか見えなくなりました。
  712. 岡田宗司

    岡田宗司君 カニエ議員が倒れた状況は全然見てなかつたのですか。
  713. 下倉辰男

    ○參事(下倉辰男君) それは私知りませんが、私にぶつかつたことは分りますが、それ以後はどこへ行つたか知りません。
  714. 岡田宗司

    岡田宗司君 カニエ議員議長の足下に倒れて、それから助けて呉れというような声を出したということだが、そういう声は全然聞きませんか。
  715. 下倉辰男

    ○參事(下倉辰男君) 私は外の方へ、傍聽席の方に氣を取られていましたから後のことは知りません。
  716. 岡田宗司

    岡田宗司君 カニエ議員を三人の衛視の人々が起したことも全然知らなかつたのですか。
  717. 下倉辰男

    ○參事(下倉辰男君) そのときは分りません。
  718. 岡田宗司

    岡田宗司君 それからあなたが議長を案内して入つて來たときに、中村君、天田君、板野君その他の議員が事務総長の席の下におつて、それが議長の方に向いて來た。その際に何か連呼しておつた。これは小委員会を開けと言つてつたと思うのだが、その人々は草葉君の言うところによると、スクラムを組んでいたというふうになつておるのですが、スクラムを組んでおつたのですか。
  719. 下倉辰男

    ○參事(下倉辰男君) あれは私の考えでは自然に、あそこに次々とお上りになつた人が固まつたという程度に考えております。
  720. 岡田宗司

    岡田宗司君 そうするとスクラムを組んだ状態ではなかつた、肩なり何なりを組んで、そうして議長の方に迫つたという状態ではなかつたのですね。そうしましてその結果は議長に対して小委員会を開けと言つてつてつたようだが、議長の身体に手を触れるようなことはなかつたですか。
  721. 下倉辰男

    ○參事(下倉辰男君) それは議長は何しろ後でございましたから、後にどういう議員議長の側におつたかということは私には分らない。後にも今申上げました幹部がおりましたから、私が氣を廻さなくても、その諸君がそれぞれの良心的の立場であの場合処理して呉れるものと思いました。
  722. 岡田宗司

    岡田宗司君 あなたは、そのあなたの前におつた議員諸君があなたをぐんぐん押したということはありましたか。
  723. 下倉辰男

    ○參事(下倉辰男君) それは間に衞視が入りまして、私は議員との間に一人、二人衞視が段々入りまして、それで最初は、勿論目的は松平議長をあそこへ上せるということを衞視も皆知つておりましたから、私は入口でそう言つてつたものですから……沢山の方方の所へこう衞視が五、六人並びまして、後向になつて議員の方へ盛んに押して、こうやつて揉合つて、ここに私は狹まつてしまつて、どうにも僅かの所ですけれども、出られなくなつてしまつたのです。
  724. 岡田宗司

    岡田宗司君 そうすると、直接議長の前におつたあなたに対しては、カニエ君がぶつかつただけで、他の議員はあなたを押したりなんぞするようなことはなかつたと……。
  725. 下倉辰男

    ○參事(下倉辰男君) 間には衞視がそのときには入つておる。衞視が支えて、成るべく松平議長を出そうとやつたのですが、隙間ができなかつたのです。
  726. 岡田宗司

    岡田宗司君 いや、分りました。
  727. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 何かそういう工合に大部押合つてつてから、先程のお話によると、副議長さんが議長席に着かれたのを見たそうですね。
  728. 下倉辰男

    参事(下倉辰男君) いつの間にか前を見たらば着いておられたから……。
  729. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 着いておられたと、それからあなたは近藤次長さんが総長の席に着かれたのを御覧になつておりますね。
  730. 下倉辰男

    ○參事(下倉辰男君) それもどつちが先に着かれたか分りませんが、あの瞬間のことですから、外へもいろいろ氣を配つておりましたから、お着きになつたことだけは……。
  731. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 そうすると、近藤次長並びに副議長が議席に着いたのを、どちらが先か後か知らんが、着いたのを見ましたか。
  732. 下倉辰男

    ○參事(下倉辰男君) さようでございます。
  733. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 それからあなたの証言のお話によると、近藤次長の後まで行かれたそうですね。
  734. 下倉辰男

    ○參事(下倉辰男君) はあ、さようでございます。
  735. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 後へ行かれたところを見ると、次長さんともうほんの顔はすれすれの所まで行かれたのですか。近藤次長さんと副議長さんが並んでおりますね、その並んでおる近藤次長の後にあなたは立たれたんですね。
  736. 下倉辰男

    ○參事(下倉辰男君) さようでございます。
  737. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 そうすると、お尋ねするんですが、副議長の後におつた議員は誰ですか。
  738. 下倉辰男

    ○參事(下倉辰男君) 確かあのときは金子先生と中西先生かと思いました。
  739. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 金子議員中西議員がおられたかと思うということですが、この二人の議員はどんな恰好をしてそこにおられたか。あなたは正に近付いて見ておられたように思うから聞くのですが。
  740. 下倉辰男

    ○參事(下倉辰男君) 私が先程申上げましたように、あの近所に衞視もその他の幹部も或る程度つておりますから、それぞれその面々によつて、常識的と言いますか、何と言いますか、それぞれ処理して呉れると思いましたので、私は傍聽席とか、そういう方面を主に心配しておりました。
  741. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 そうですか。そうすると近藤次長さんの後におつたのだけれども、他の方を眺めておつたのでよく分らなかつたと、こう言われるのですね。
  742. 下倉辰男

    ○參事(下倉辰男君) さようでございます。
  743. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 そうすると、一歩進んで、こういう御記憶はありませんか。ここに写眞がありますが、後から見てもよろしいが、あなたはこの写眞を見てでなしに、その当時の記憶を喚び起して頂きたいのですが、金子議員又は中西議員が副議長の身体に触つてつたか、ぶら下つおつたか、引ずり下そうとしておつたか知らんが、身体に触つてごたごたやつてつたその実情を知つておられたならばお話し頂きたい。
  744. 下倉辰男

    参事(下倉辰男君) 本当にあすこは、僅かの何秒何分というような瞬間のことですから、時間的にはその人その人の位置がずれて行くと思うのですが、私が瞬間的に見たのは、金子先生が議長席の所へこうやつて向われて、何か言われておられたようです。それから中西議員が事務総長と議長の間へ入つて何かやつておられたように記憶しております。
  745. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 身体に触つてつたということは見なかつたのですね。
  746. 下倉辰男

    参事(下倉辰男君) 席の所へ掴まつたか、手を附いたか、どつちか本当に僅かのほんの一分か二分の出來事ですから、よくはつきり分りません。
  747. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 それから議長さんの前に、何も知らんが紙切れのような、書いたもののようなものがあつたのを御覧になつたことはありますか。そのテーブルの前に……。
  748. 下倉辰男

    参事(下倉辰男君) 私は丁度沢山の方があの議長席の前に、事務総長の前にずつと沢山固まつておりましたから、若しか危險があつちやいけないと思いましたものですから、事務総長席の硯箱を下へ入れました。それから水差し、コツプが引繰り返つておりましたから、それを取りまして、それから後を通つた衞視にあつちへ持つて行けと言つて運ばせまして、何か書類があつたようでございますけれども、何の書類か記憶いたしません。
  749. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 あつたように記憶はあるが、何の書類か分らなかつたというのですね。その書類を誰かが引つたつたようなふうには見なかつたですか、そんなようなことはなかつたですか。
  750. 下倉辰男

    参事(下倉辰男君) それは氣が付きませんでした。
  751. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 そうすると、拡声機が上に載つておりましたが、あの拡声機を引繰り返すか何かされたというようなことは御覧になつたことはありますか、それともなかつたですか。
  752. 下倉辰男

    参事(下倉辰男君) 私はあの拡声機を何か、ごだごたしているときに、下に何か衞視がおつたと思いますが、そのときには事務総長の席に近藤次長が着かれたときだと思います。
  753. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 あなたのお話では硯箱を下へやり、倒れておる水差し等も片付けておるという程、いろいろ怪我過ちがないように、冷静沈著にいろいろあなたは行動しておられますから、恐らくその前にあつたものに対しては御記憶があるかと思つて聞いたのですが、その拡声機を引つたつたというようなことは見たことはないですね。
  754. 下倉辰男

    参事(下倉辰男君) 引つたつたというのは見ませんが、何でも小林事務総長が拡声機を議長の手許に寄せたのは記憶しております。
  755. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 外の者が触つたというのは記憶ありませんか。
  756. 下倉辰男

    参事(下倉辰男君) それは私記憶がありません。
  757. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 それではついでにもう一つ二つお聞きしますが、今あなたが議長を前導して議場の壇上に進んで來たときに、五、六名の人、即ち板野中西、原、中村議員等がおつたと言いますが、そのときに草葉隆圓氏の動議提出の理由に、板野勝次君が先頭となつて駈け上りということを強調しておるのですが、共産党板野君が先頭になつて、その六、六名になつた先頭を切つて壇上へ駈け上つたということは目撃しなかつたかどうか。
  758. 下倉辰男

    参事(下倉辰男君) それはどういうことか私はそれは見ませんでした。それから上つた人は沢山の人が上りましたので、そう記憶ありません。
  759. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 それではもう一つお尋ねしますが、この五、六名の人が、議長議長席に着かんとする行爲阻止するというようなことは、著しく感ぜられましたか。そういう事実があつたならばお聞きしたいのですが。
  760. 下倉辰男

    参事(下倉辰男君) 私はどうしても議長をあそこに上げたいと思つて、それで何とか上げたいと思つたのですが、何しろ先程申しましたように沢山の人があそこに集まつて來て、押されましたので、上げられなかつたのです。
  761. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 押されましたことは、それらの方々があなたを押したということになるのですか。押されたということは、それらの方が押したと判定してもよいですか。あなた並びに議長進行せんとするやつを……。
  762. 下倉辰男

    参事(下倉辰男君) ああいうふうに、とにかく人が段々集まるというと、どうしても動搖でああいう状態を展開すると私は思います。
  763. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 その押したというような感じを受ける後ですか、カニエ議員はあなたにぶつかつたというのは。
  764. 下倉辰男

    参事(下倉辰男君) そのときは人が多くなつて來まして、カニエ議員が私の側へいつ來たか、來たらしいのです。そこでぐんとぶつかつて、私は議長さん、議長さんと後ろから呼ぶのですけれども、この間の距離がすつかりできちやつて、そこでこつちにいたカニエ議員がいなくなつたというわけで……。
  765. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 そのぶつかつたというのは、偶然に両方進行しておつたからぶつかつたという印象を受けたのかどうか。カニエ議員から後から押されたからぶつかつたのか、或いは意識的にドカンとなつたのか、その感じはどうですか。
  766. 下倉辰男

    参事(下倉辰男君) 先程から申しますように、人が沢山になりますと、私は押されたのではないかと思います。
  767. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 カニエ議員か、外の議員に押されたから……。
  768. 下倉辰男

    参事(下倉辰男君) そう思います。
  769. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 それからもう一つは、松嶋副議長議長席に着いて前後のことについて、今遠山議員から、どういう方がくるりにおつたかというお尋ねに対して、あなたは中西議員と兼岩議員であるとこう言われておりますが、当時の事情を我々見ておることと、もう一つは写真等の実情を見れば、その外に北村一男議員、淺岡信夫議員、この四人が松嶋副議長を囲んでのいろいろの議論なり、動作があつたと思うのですが、この二人はあなたは見られなかつたのですか。
  770. 下倉辰男

    参事(下倉辰男君) 松井先生が玉座の直ぐ横におられました。それから兼岩さんがどこかにおられた。それから矢野さんだの北村先生だの、それから島先生、遠山先生、栗山先生、淺先岡生、こういうような人が、とにかくあそこにおられたのですが、一々どの方がどういうことをやつたということははつきりいたさないで、本当に先程申したように僅かの時間ですから、ちよつと見たと思つても直ぐ変つてしまいますから……。
  771. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 それから先程あなたが言われた板野、中村、原、それらの方々の動作と、今あなたが言われた例えば松井、兼岩、矢野、何々議員と言われたような方々動作というのは、著しく行動に相違があつたかどうか。例えば議長登壇せんとするのを阻止行爲をして、前段にあなたが話された板野、原、中村、といつたような方々の行爲は、議長登壇阻止せんとするような行動にあなたは陳述されましたが、松井、兼岩、淺岡、北村というような方々は、それと類似するような行爲をされておつたか、それはどう感じられましたか。
  772. 下倉辰男

    参事(下倉辰男君) ああいう場合、私共はどつちがどうだか分らなくなります。
  773. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 もう一つカニエ議員のことを聞きますが、カニエ議員は後ろに向いたらおらないとおつしやるが、カニエ議員があなたにぶつかつてから後に、どうしたはずみか何か知らないが、議長の足許あたりに倒れたか、うずくまつた行爲があるのですが、その実情を一番詳しく分つておると思われる衞視の方、或いは衞視以外の方はどなたと思われますか。
  774. 下倉辰男

    参事(下倉辰男君) あそこに先程申しました伴副長、山田副長、廣元班長、佐藤市之助班長、赤沼班長、土橋衞視長、こういう衞視はそれぞれの部署に動いておりまして、衞視も、大体誰がどういう行動をしたかということは、一應私共の方に書き取つてはありますが、いずれも皆良心的に行動を取つたようでありますが、衞視も大勢入りまして、中村多三郎、菅谷、江村、松崎、早野、井上、江坂、長澤、青山、内川、長谷川、三角、永野、黒澤、砂塚班長、林左右吉、惠比壽、こういつたような衞視がそれぞれ……、私の前におりましたのは、何でも今の沢山の人間が集まつて、こつちへ押されるところの眞ん中へ入つたところの松平議長をこつちへ出そう、前へ進めようとしたそこへ入つて來た黒澤、福田、原田、松崎、中村多三郎、こういう衞視で、あとの衞視の松平議長の周囲におつたのは、先程申しました福田、山田、廣元、佐藤市之助、赤沼班長、土橋衞視長、こういう人があそこにおりましたから、こういう人の方が、私よりはつきり……。私から松平議長はずつと離れて、一メートル以上も離れてしまいましたから、そのときの状態は私はちつとも分りません。
  775. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 もう一つだけお尋ねしますが、あなたが議長を先導されて、ああした中へ入られていろいろ混乱がありましたが、この間を通じてあなたが、感じたことは、どの議員が一番著しく、多少出過ぎたと思いますか、紛爭の原因をなしたような活躍者であつたかどうか。どの議員が一番、例えば不法の行爲に類するような活躍者であつたかどうか。それは非常に言いにくいでしようけれども、率直に感じたところを言つて貰いたい。
  776. 下倉辰男

    ○參事(下倉辰男君) 私は率直に申上げますと、ただ我々としましては、どちらの議員にも怪我のないように、毆り合いでもされるときは間へ身を以て割り込みます。自分が叩かれても割り込みますけれども、そういう行動に対してどういう氣持でやつたかというようなことは、ちよつと判断ができません。
  777. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 一番活躍された議員は、目ぼしい者は感じませんか。
  778. 下倉辰男

    ○參事(下倉辰男君) 私共には、どなたが一番どういうことをやつたのか、一向それは分りません。それに議場に三十分なり一時間なりおつても、そのときの状態は、なかなか記憶というものはないのですから、殊にほんの一、二分の瞬間のできごとですから……。
  779. 大野幸一

    大野幸一君 カニエ議員があなたに当つて、あなたが後ろの議長を見たときは、議長とあなたは大分つていて、カニエ議員は見えなくなつて、どこへ行つたか分らんと言うのだが、若しそのときに轉んでいたとすれば、議長の眞ん前へ行つて轉んだとは思えないわけですね。
  780. 下倉辰男

    ○參事(下倉辰男君) 私にはその見当は付きません。
  781. 大野幸一

    大野幸一君 見えなくなつたときには……。
  782. 下倉辰男

    ○參事(下倉辰男君) そのときは、議長と私の間に衞視も入つており、その間の間隔が一メートル以上できておつて議長がどうして進まないのだろうと……。
  783. 岡田宗司

    岡田宗司君 ちよつとはつきりお伺いしたいのですが、草葉議員趣旨説明の中に、中西君が副議長議長席へ着いてから、書類を引取つて破ろうとした。それからマイクを倒した、こういうことが言われておる。先程の証言ですと、あなたは書類がテーブルの上にあるのを見た、こういうので、誰も引つたつておるところは見なかつた
  784. 下倉辰男

    ○參事(下倉辰男君) さようでございます。
  785. 岡田宗司

    岡田宗司君 それからマイクを倒したと言うが、マイクは倒れておらなかつたのですね。
  786. 下倉辰男

    ○參事(下倉辰男君) マイクは立つておりました。演壇の端方に行つておりました。それで小林事務総長が松嶋副議長の方に寄せたのでありまして、そのときか何かはつきりしませんが、あのとき手をやつたときに水がこぼれたのかどうか、危險物でありますし、邪魔にもなりますと思つて、私は衞視をして片付けさせた。その衞視は、そのときは名前ははつきりしませんが、私が水差を受け取つたのは誰かと聞いたら、片瀬という衞視でありました。
  787. 岡田宗司

    岡田宗司君 それから板野君が卒先して議長に向つて突き進んで参つた。あなたは議長の直ぐ直前におつたから、若しそういうことがあれば直ぐ目に入るわけだと思うのですが、板野君が卒先して議長に向つて來たことはあつたのでしようか。
  788. 下倉辰男

    ○參事(下倉辰男君) それはあのときに大勢の方がずつとおりましたから、卒先してと言つても皆な同じような態勢になつてつたと思いますから、どなたが卒先したかということは、ちよつと判断ができません。
  789. 岡田宗司

    岡田宗司君 それから先程あなたは、金子君を見られたということだが、あなたが、金子君を見たのは金子君が副議長の横に上つて來るところを見られたのか、それとも副議長の席のところへ足を掛けて、副議長を引つ張ろうとしておるところでも見られたのかどつちですか。
  790. 下倉辰男

    ○參事(下倉辰男君) 何か椅子のところに、こうやられていた状態だけを見たのでございます。
  791. 岡田宗司

    岡田宗司君 それから副議長に対して手を掛けたり、暴行をしておるところを見たわけではないのですね。
  792. 下倉辰男

    ○參事(下倉辰男君) それは見ません。
  793. 中山壽彦

    ○中山壽彦君 カニエ君があなたにぶつかつて、その反動で後に行かれたわけですね。先刻のお話ですと、議長とあなたの間は約一メートルの間があつたということですね。
  794. 下倉辰男

    ○參事(下倉辰男君) カニエさんがぶつかつたのはぶつかつたのですが、それは後へ行かれたのか、どこえ行かれたのか、それは分りません。見ましたらそこにはいなくなつた
  795. 中山壽彦

    ○中山壽彦君 ぶち当られたということは、その勢いであなたの後の方へ倒れられたと、常識上想像されるように思いますが。
  796. 下倉辰男

    ○參事(下倉辰男君) 私は倒れたか、どこえ行かれたか分りません。後の方を見ませんから……ただ議長との距離が一メーター以上もできてしまつたので、どうしたのだろうと疑惑を私は持つたのであります。
  797. 中山壽彦

    ○中山壽彦君 カニエさんは助けて呉れと言われたということですが、その空間があるのですから、私はちよつと考えて見ると、倒れられても直ぐ起きられる余地があつたのではないかというふうに考えられる。
  798. 下倉辰男

    ○參事(下倉辰男君) 衞視も相当あすこにおりましたが……。
  799. 中山壽彦

    ○中山壽彦君 そういうふうにあなたは感じられなかつた……。
  800. 下倉辰男

    ○參事(下倉辰男君) 私はその状態は、どういう状態議長が遅れたかということは分りません。全然分らなかつた
  801. 松井道夫

    松井道夫君 カニエ議員があなたにぶつかつたというのは、あなたのどこにぶつかつたのでありますか。
  802. 下倉辰男

    ○參事(下倉辰男君) 先程申上げましたが、寺光議事部長の席で、丁度ここまでは参つて、先程申上げたように沢山おられて、カニエ議員がここから來られて、私のここえこうぶつかつたのであります。
  803. 松井道夫

    松井道夫君 カニエ議員のどこがぶつかつた……。
  804. 下倉辰男

    ○參事(下倉辰男君) 顏をこうやつておりましたから、横を向きながら私の方にぶつかつて來たのです。この辺にちよつとぶつかつて、私は鼻血が出やしなかつたかと思うくらい。
  805. 松井道夫

    松井道夫君 あなたの鼻の頭に当つつた……。
  806. 下倉辰男

    ○參事(下倉辰男君) そうです。痛いことはちよつと痛かつた
  807. 松井道夫

    松井道夫君 今の騒ぎは、いつどういう工合にして止んだのですか。
  808. 下倉辰男

    ○參事(下倉辰男君) それはもうざわざわしておりまして、言葉もはつきり聞き取れませんけれども、副議長が手を挙げてこうやられたときか、そのちよつと前かと思います。ざわついたのは、それを何されて、中村先生が演壇に立たれたときに皆退きました。
  809. 松井道夫

    松井道夫君 松平議長は、騒ぎが止んでからどうされたのですか。
  810. 下倉辰男

    ○參事(下倉辰男君) それは私は全然松平議長がお帰りになつたことは、誰が進れて行つたことかも分りません。これは今の伴副長、山田副長、小野副長、土橋衞視長、こういうところで松平議長のその後の関係はおやりになつて下すつたと思いますから……。    〔委員外議員中野重治発言許可を求む〕
  811. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 中野君の発言を許しますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  812. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) それでは中野君。
  813. 中野重治

    委員外議員中野重治君) 簡單にお尋ねします。証人は、副議長がいつの間にか議長席に登つていた。それから事務次長がその席に着いていたのを見たという、そのときには議長はどこにいました。
  814. 下倉辰男

    参事(下倉辰男君) それは私と一メーター、又それ以上段々に議場の入口の方に近くなつて、そこに衞視とか、今の伴副長等が取巻いておりました。
  815. 中野重治

    委員外議員中野重治君) その場合に、松平議長は議場から外を向いて帰られるところでしたか。
  816. 下倉辰男

    参事(下倉辰男君) それは私見ません。私が見たときには議場内の方に向つてつたと思います。
  817. 中野重治

    委員議長中野重治君) そうすると、議長から、議長席に着いた副議長に向つて、あなたの後ろ一メートル程の議長さんから、議長席に着かれた副議長に対して、何か事務の引継ぎがありましたか。
  818. 下倉辰男

    参事(下倉辰男君) 全然そういうことには氣が付きません。
  819. 中野重治

    委員外議員中野重治君) その場合、誰か原稿を渡すとか、そういうことを叫んだのを聞かたれのですか。
  820. 下倉辰男

    参事(下倉辰男君) それもちよつとも耳に入りません。
  821. 中野重治

    委員外議員中野重治君) それから、あなたと或る間隔を保つてつた議長が、なぜ更にその間隔を拡げて、一メートル以上離れたということは、あなたには分らないのですか。
  822. 下倉辰男

    参事(下倉辰男君) 分らない……。
  823. 中野重治

    委員外議員中野重治君) そのいろいろの騒ぎの間、議長みずから衞視その他の指揮されましたか。道を明けろとか……。
  824. 下倉辰男

    参事(下倉辰男君) 何もおつしやいません。
  825. 中野重治

    委員外議員中野重治君) 何もおつしやらない……。
  826. 下倉辰男

    参事(下倉辰男君) 私共ちよつとここで申上げたいんですが、大体國会も開会と同時に法律規則によりまして、一應議場内の警察権の全般の指揮者として、私共その下にあつて指揮命令を受けてやることですか、ああいつたような場合、私共非常に疑義があります。私共はこう判断しているのですが、議長議長席に着かれてから、初めて議場の整理を私共に命ぜられて、それによつて私共行動する、こういうふうに解しておりますが、あの場合、議長さんが何かおつしやられると、それによつて私共が又行動議長のその指揮によつて無論できると思いますけれども、あの場合、ああいうお言葉がなかつた、ないのが本当なのか、あるのが本当なのか、疑義があります。
  827. 中野重治

    委員外議員中野重治君) 分りました。どうか腰掛けたままで願います。その場合、議長席に着いた副議長からも何もなかつたのですか。
  828. 下倉辰男

    参事(下倉辰男君) 何もございません。
  829. 中野重治

    委員外議員中野重治君) そうすると、最後にさつきあなたのお言葉では、あなたが事務次長の後ろの方に行かれた、あれは近藤さんでしたね。
  830. 下倉辰男

    参事(下倉辰男君) さようでございます。
  831. 中野重治

    委員外議員中野重治君) そのとき、議長席の周囲に金子君、中西君なんかがおられたというわけですが、その際金子君が議長席議長に向つておる方の、議長自身の左側、それから中西君は議長と、それから近藤氏との間にいたというふうに言われましたが、写眞では、金子中西両君議長の左側におつて、そうして議長と近藤君との間に北村議員が入つておるわけなんです。併し勿論あなたの見た瞬間は違うということはありますが、議長と近藤氏との間にいたのは北村議員であつたというふうな記憶はありませんか。
  832. 下倉辰男

    参事(下倉辰男君) 何でも北村先生は副議長席の後ろにか何かおられたと記憶しております。
  833. 中野重治

    委員外議員中野重治君) 副議長の後ろに淺岡君がいたことは見ませんか。
  834. 下倉辰男

    参事(下倉辰男君) 淺岡先生は、私の記憶にあるのは、あそこの議長席議事部長の席から上るところにおられたのを見ております。
  835. 中野重治

    委員外議員中野重治君) それでよろしうございます。
  836. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 外にありませんか……それじやよろしうございます。
  837. 下倉辰男

    参事(下倉辰男君) さようでございますか。
  838. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 御苦労様でございました。ちよつと速記を止めて    〔速記中止
  839. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 速記を始めて。それでは暫時休憩いたします。    午後九時十六分休憩    ——————————    午後十時三十九分開会
  840. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) それでは再開いたします。山田君、今日証人としていろいろ質問にお答え頂きたいのですが、特に宣誓はして頂きませんけれども、そのつもりで良心的に眞実を述べて頂きたいと思います。あなたは二十三日の騒擾の日の夜は本会議の議場におられましたか。
  841. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) 議場へは開会のときは西側の議場の中に入つておりました。
  842. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) ベルが鳴つてから中へ入つていたのですね。
  843. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) ベルが鳴つたあと西側の入口にいたわけです。
  844. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 一つそのときの実情を一通り……、分らんところはこちらで補充して行くから……。
  845. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 混乱したときのあなたの見られたところを一應お話を願いたい。
  846. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) 私が議場の西の衞視五人ばかりと入りまして、それで中に議場の傍らが相当混乱しておる情勢が見えましたものですから、廊下の西側の外を出まして、北側を廻つて議場へ入つたわけです。そのときは相当大勢揉合つておりまして、自分は参事席の後ろから議事部長の椅子の方から廻つて混乱のところを着いたわけです。そうして議長さんの着席させるため何とかするために揉合いの中に入つたわけです。そうして下倉衞視長さんが議長さんの前から右へ二、三歩先を出られまして、そのあとへ議事部長か何か、議長さん早く着席して下といといつた言葉も聞いておりましたし、議長さんの道を開かなければ、とても前へ出られないと思いましたから、通路をあけるために少しあけました。その瞬間に自分の直ぐ左から社会党のカニエ先生がもぐるようにして入られたのです。それからその後又揉まれましたものですから、自分はそのとき、大勢揉まれたのですから、自分はそこから出て、今度は議長席の後ろの方へ移動したわけです。そうしたときに副議長さんの左側から中西さんが副議長さんの手を持つて引つ張つておられまして、自分が間へ入りまして、先生降壇して下さいと言つて演壇のところまで下したわけです。空手でぐつと下したのです。
  847. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) カニエ君が倒れたというのは、それはその倒れたときの様子はあなたは知つておりますか。
  848. 山田粂次郎

    ○事務局長(山田粂次郎君) 知つております。
  849. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) それは誰かに押されて倒れたのか、それとも自分で倒れたのか。
  850. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) 後のことははつきり分りませんが、とにかく自分が無理して、議長の前に通路をあけるために手で人間をどかしたわけです。その一尺か一尺五寸ぐらいの空間があいておるところへ自分の脇から飛び込まれたのです。それが押されて飛込まれたのかどうかは分りませんが、自分としては飛込まれたと考えております。丁度議長さんの左の脚の前のところへ顏が行つたというように考えております。
  851. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 今の証言は非常に重要な、前の四人の証言と著しく違つておる証言のように思いますが、今私、途中で來たのですが、議長の通路をあけようとしたときに、カニエ氏がもぐるようにして飛込んだというわけですね。そうすると満員電車が急に停つてよろよろとよろめいて倒れたというようなことではなかつたのですね。そういう印象ではなかつたのですね。
  852. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) とにかく自分が空間を設けたその途端、瞬間なんです。
  853. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) そうすると、カニエ議員の後えは誰か人がおつて押したというような……。
  854. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) それは自分は分りませんです。
  855. 鈴木直人

    鈴木直人君 飛び込んでからカニエ君はどんなふうな状態でしたか。
  856. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) 分りません。
  857. 鈴木直人

    鈴木直人君 それからあなたはどうされました。
  858. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) そのあと自分は周囲から押されましたので、そのまま議長席の方へ体が動いたのです。カニエ先生のあとのあれは私は知りません。
  859. 竹下豐次

    竹下豐次君 カニエさんがもぐつたというか、入つてつたとき、そうして議長の足のところへ頭を突つ込んだそのときに、下倉衞視長はどこにおられましたか。
  860. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) 議長席の後の方へ行つておられました。その間が二三歩あいたわけです。
  861. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 カニエ議員がもぐるようにして入つた、そのときにそこへ入つているとあなたは危險だとお考えになりましたか。
  862. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) 熱中していたので、そういうことは考えませんでした。
  863. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 そのとき下の方から助けて呉れいとか何とかいう声がしたような記憶はありませんか。
  864. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) 私は記憶がありません。
  865. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 議長だけは助けて、俺を助けないのは怪しからんというようなことも言つてつたような御記憶はありませんか。
  866. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) ありません。ただあとで岩間先生が、我々はどうするんだというようなことを言つておりました。これは大分あとでした。君達は國会の衞視だろうというような……。
  867. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 そうして何か議長さんの、飛び込んだときに足へでも掴まつたような御記憶はありませんか。
  868. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) それは見えませんです。
  869. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 それからちよつと念を押して置きたいのですが、あなたが議長席の方へ移動しましたときに、中西先生が副議長の腕を持つて引き下ろそうとしておつたということは間違いありませんか。
  870. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) ええ。
  871. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 それはどこのところで見ていたのです。
  872. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) 議長席の後へ行きましたら、中西先生が副議長さんの左側で左手を持つて何とかやつておられましたので、自分が間へ入つたのです。
  873. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 何とかというのは……。
  874. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) その言葉は分りませんが。
  875. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 言葉の分らないのはよろしいのですが、引摺り下ろそうとしておつたので、肩でも持つてつたのか、足でも引つ張つてつたのか。
  876. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) 手を持つて……。
  877. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 どつち側の……。
  878. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) 左の手を持つてこういうふうにやつておられました。
  879. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 そのときに、そんなことをするなとか何とか言つてつたような言葉は別に聞かなかつた……。
  880. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) 別に聞いておりません。
  881. 遠山丙市

    ○遠山丙市君 そのときに金子議員が何かしていたのは御記憶ありませんか。
  882. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) 私は記憶はありません。
  883. 松井道夫

    松井道夫君 今のカニエ委員がもぐつた後に議長はどんな樣子でしたか。
  884. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) 議長さんはあれで以て全然前に進めなかつたのです。完全に体が議長さんの前にあれしたのです。
  885. 松井道夫

    松井道夫君 それであなたの直ぐ近所におつてあなた見たというのだが、それと同時に見たと思われる衞視さんはおりませんか。あなたの近所におつた……。
  886. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) 名前は覚えておりません。後ろを見たり、あつちを見たりしておりました。
  887. 松井道夫

    松井道夫君 それで飛込んだとき、それは副議長が席に着くより前でしたか、後でしたか。
  888. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) 直ぐ飛込むときは副議長が着席されておるかどうか記憶ありませんが、飛込まれたときには副議長議長席に着いておりました。
  889. 松井道夫

    松井道夫君 飛込む瞬間は分りませんか。その直後見たのですか、多少の時間はあつたのですか。
  890. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) 直後です。飛込む間に、周囲から中に入る間に自分が瞬間押出されそうになりまして、議長さんが動けなくなりましたときに、副議長さんが着席されました。
  891. 大野幸一

    大野幸一君 これはあなたが空間が空いたからそこに飛込んだと言われたが、飛込むということは、自分が故意に入つて行くのが、そこで人から押されて、空間ができれば人から押されればなだれ込む。あなたが飛込むという言葉で誰かに説明されたか。この事件が起きた後で飛込んだということを誰かに報告されたことがありますか。
  892. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) あります。
  893. 大野幸一

    大野幸一君 飛込んだという言葉を……あなたが飛込んだというのは、あなたが故意に飛込んだと思つて言いましたか。これは重大なことですから……。
  894. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) 自分が見た瞬間は飛込んだとこう考えました。
  895. 大野幸一

    大野幸一君 飛込んで議長の足のところに頭をついたのですか。手はどうなりましたか。それからそのままで後は知りませんか。
  896. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) 手はどうですか知りませんが、とにかく自分が空けた瞬間、こういうふうに前につんのめつたのです。
  897. 大野幸一

    大野幸一君 そのつんのめつたという言葉を、私が言つたとして、それは、そうも思われるのですか。(「誘導尋問にならないように」と呼ぶ者あり)誘導尋問じやない。本人が意識的に入つたのか、空間がぽつと空いた瞬間だというのでしよう。自然に空間が空いたのでしよう。
  898. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) 私が空けたのです。
  899. 大野幸一

    大野幸一君 その瞬間に飛込んだというのでしよう。向うが空間を作つて來て飛込んだというのじやないのですね。あなたが空間を作ると直ぐぱつと飛込むという……。
  900. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) ぱつとと、そういつたことは証言できません。
  901. 大野幸一

    大野幸一君 本人が意識的に空間を作るときに待つていて、ぱつと飛込んで、あなたが頭を突きつける恰好は、それが意識的にすればそうは行かないですね。あなたは今所作をされるときにぱたんと音がしたくらいだから……。
  902. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) 音がしたかどうか分りません。
  903. 大野幸一

    大野幸一君 それはどうですか。夢中で分りませんか。あなたがぱつと空けたときにカニエ議員が空間に、そこへ頭を突込んで來た。こういうわけですね。
  904. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) 突込んだというと実際むずかしくなりますけれども、とにかく空けた瞬間にこういうふうにもぐられたというか、飛込んだと思います。
  905. 大野幸一

    大野幸一君 分りました。
  906. 松井道夫

    松井道夫君 初め聽いておらなかつたのですが、ちよつと重複するかも知れませんが、よろしゆうございますか……。今のカニエ議員はですね、あなたのいわゆるもぐるというその直前ですね、あなたが開けたと言われるのですが、その直前どこにいられたのですか。
  907. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) カニエ先生ですか。そのときには分りませんです。
  908. 松井道夫

    松井道夫君 もぐる動作で氣が付いたわけですか。
  909. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) そうです。自分の直ぐ脇からです。
  910. 松井道夫

    松井道夫君 あなた自身はどこにおられたのですか。
  911. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) 今考えますと、総理大臣席の……。
  912. 松井道夫

    松井道夫君 総理大臣席、はあ、総理大臣席の……。
  913. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) 総理大臣席からちよつと東寄り……事務総長席に寄つたところで、自分が北の方に向つて……。
  914. 松井道夫

    松井道夫君 北というと一般議員の議席の方ですか、或いは壁の方ですか。
  915. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) 壁の方です。
  916. 松井道夫

    松井道夫君 総理大臣席の椅子のところで……。
  917. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) 総理大臣席と議事部長さんの中間に議長さんがいられたと思います。あの角の辺の廣くなる出口のところに議長さんがいられたと思いますが、どこかあの辺だと思います。
  918. 松井道夫

    松井道夫君 出口と言われたですね、何の出口……。
  919. 山田粂次郎

    ○事務局長(山田粂次郎君) 議事部長席と総理大臣席の椅子のところの廣くなるところがございますね、出口のところに議長さんがおられて……。
  920. 松井道夫

    松井道夫君 そうしてあなたは……。
  921. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) 自分は一歩くらい前の方の、ちよつと議席に寄つたところに……。
  922. 松井道夫

    松井道夫君 そうして北側に向つて……、あなたの左側からもぐつたというのは……。
  923. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) そうです。左からです。
  924. 松井道夫

    松井道夫君 そうするとあなたの左側で、議長のどつち側ですか。
  925. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) 議長さんの前になるわけです。前で頭の方よりちよつと斜めになります。議長さんがここにおられますと、カニエ先生がこういつた工合になります。カニエ先生はここにおられて……。
  926. 松井道夫

    松井道夫君 あなたは……。
  927. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) 自分はここにおります。
  928. 松井道夫

    松井道夫君 そうして何か道を開けたというのです。
  929. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) そうです。議長さんの道を開けようと思つて議長さんの前を開けた。
  930. 松井道夫

    松井道夫君 議長さんの前に人がおつたけれども、それを排した、そこに空間ができたわけですね。
  931. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) そうです。大してあれはないと思います。自分が手でこうやつて……。
  932. 松井道夫

    松井道夫君 それでそのときは力が方々から働いていたわけですね。その議長の前あたりはどつちから來る力が多かつたのですか。
  933. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) それは議席の方から來る力が多かつた
  934. 松井道夫

    松井道夫君 議席の方からの力が多いわけですね。そうするとあなたの後には、大臣席には人が椅子の方にもいたわけですか。
  935. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) それは議長さんのところにもおりました。
  936. 松井道夫

    松井道夫君 そうするとあなたの左の方ですね、左の方も、やはり議席の方からの力が強かつたですか。
  937. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) 右の方はそんなに強くないような氣がしました。
  938. 松井道夫

    松井道夫君 左の方が強い……。
  939. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) 後からは押しておるような氣がしました。
  940. 松井道夫

    松井道夫君 力はあなたの方から言うて右後ろの方から來る力が強いんですか。
  941. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) そのときは後ろですね。
  942. 松井道夫

    松井道夫君 眞後ですか。
  943. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) 自分の体の後ろですね。
  944. 松井道夫

    松井道夫君 あなたの左側はどうだろうね。それは分らんかね。
  945. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) さあ、そのところはつきり……。
  946. 松井道夫

    松井道夫君 いや、結構です。
  947. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 カニエ議員がもぐり込んだか、跳込んだかということについて非常に確実におつしやるが、あなたの外にその事実を見ておられると思われる衞視の方はありますか。
  948. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) さあ、記憶しておりません。
  949. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 あなたはそれを確言しましたですね。
  950. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) はあ。
  951. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 それからカニエ議員がみずからの力で跳込んだのか、もぐり込んだのか、誰かに押されたようなことでよろよろと行つたというようなことは、そのような動作でもぐり込んだのですか。
  952. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) 自分ではそう見ませんでした。
  953. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 やはり自分の意識で、力で入つてつたというのですか。
  954. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) そういうふうに思います。
  955. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 カニエ議員の外のことをお尋ねしますが、あなたがそういう動作におつたときに、共産党板野議員中西議員、原議員、中村正雄議員だとかいう方々が、何だか固まりとなつて議長進行カニエ議員も跳込んだから、それで全く動けなくなつたという御意見ですか。それより外に、こういう議員が更に固まつて議長の著席を阻止しておつたように、こういうふうに見られましたか。
  956. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) そのときは見ません、自分は。
  957. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 それより先に板野議員が先頭に立つて壇上に駈上つたということは見られましたか。
  958. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) それは自分はあとから入りましたから氣が付きません。
  959. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 有難うございました。
  960. 岡田宗司

    岡田宗司君 あなたが、副議長議長席に着いてから、中西議員との間へ入つて中西議員を壇の下へ下ろしたんですか。
  961. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) 私が下へ下りて下さいと言つて下ろしました。
  962. 岡田宗司

    岡田宗司君 中西議員にすぐに手を離して下りたんですね。
  963. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) そのときは要するに議長席の前ですね、あの演壇の所におられまして、あそこで何かやつておられましたね。
  964. 岡田宗司

    岡田宗司君 で中西君は、その際に議長席の上にあつた書類に手を掛けたということは……。
  965. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) それは私は知りません。
  966. 岡田宗司

    岡田宗司君 それからマイクに手を掛けた。
  967. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) それも知りません。
  968. 岡田宗司

    岡田宗司君 カニエ君はそのとき中西君の傍にはおりましたか。
  969. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) 私の見たときは見ませんでした。
  970. 岡田宗司

    岡田宗司君 そうすると、カニエ君の行動については全然知らない、こういうことですね。
  971. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) はあ。
  972. 鈴木直人

    鈴木直人君 廣元衞視班長ですか、そのときどきにおられましたか。カニエ君が跳込んだと思つたとき。
  973. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) さあ、あの混乱ではよく分りませんけれども、多分議長の左側にいられたんではないかと思います。
  974. 鈴木直人

    鈴木直人君 どつちへ向つて
  975. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) それは記憶しておりません。
  976. 鈴木直人

    鈴木直人君 左側というのは。
  977. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) 議事部長さんの机の東寄りの方かと思うのですが、それは自分ははつきり知りませんけれども。
  978. 鈴木直人

    鈴木直人君 それで丁度カニエ君がそこに突込んだというか、倒れたのは、人混みの中で電車が止つたときに足許は固定しているけれども、こつちの方ががたつとなるものですから、こんなふうに倒れるとか、そんなふうな状態であつたと見ましたか。そうでなくて、さつき話したように自分からの意思でさつともぐり込んだというようなふうに見たんですね。さつきの……。
  979. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) 自分はそのように見ました。
  980. 鈴木直人

    鈴木直人君 そうすると、さつき何か足が固定しているが、後から押されてこういうふうに倒れたというふうには見なかつたんですか。さつきのはそういうのじやなかつたですね。
  981. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) そうじやないと思いますけれども、どう言つていいか、若し後から押されたためにあれされたということになると……。
  982. 鈴木直人

    鈴木直人君 それからさつきお話のあつた、その頃はもう衞視長はそこにおらないで……。
  983. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) 要するに議長席の前へ出ていました。
  984. 鈴木直人

    鈴木直人君 余程離れていましたか。
  985. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) 多分二、三歩離れておつたと思います。議長さんとの間に間が空いておつたと思います。
  986. 鈴木直人

    鈴木直人君 そうすると例えば今のカニエ君が、どこか人込みから人に押されて仮に衞視長とぶつかつたとすれば、衞視長にぶつかつたときにあなたの方にもぐつたのと違いますか。
  987. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) 違います。
  988. 鈴木直人

    鈴木直人君 例えばそういうことがあつたとしてね、衞視長に押されてでもしてぱつとぶつかつた。そういう事実があつたとすれば、衞視長にぶつかつたときは、ずつと離れておるから今のような姿にはならないというのですね。
  989. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) そのときにぶつかつたというのは議長さんの前でかも知れませんが、カニエさんがもぐられたときには衞視長も前におり、議長さんとの間も空いておつたのです。
  990. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 外にありませんか……ありませんければ……。
  991. 大野幸一

    大野幸一君 先程鈴木委員の質問に対して、一番終いに、後から押されたと言えばとあなたは言つたんですが、押されたと言えばそうも考えられるというのですか。
  992. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) 自分としては見た瞬間にはそういうふうに解釈したのですが、そう強硬にはどうこうということは言えませんが……。
  993. 大野幸一

    大野幸一君 そうすると、松井委員が聞かれたように、演壇の方からは人が押寄せていたということは間違いないね。演壇の入口の方から人が押寄せて來たというのは……。
  994. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) ええ、そうです。
  995. 大野幸一

    大野幸一君 その押寄せていた前の方にカニエ議員がいたんですか。
  996. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) さあ、カニエ議員の後ろはどうか知りませんが、とにかく私が明けた瞬間、その左側からカニエさんが入つて來たのです。
  997. 大野幸一

    大野幸一君 あなたが明けた瞬間カニエさんがそこへ來たと、こういうんですね。
  998. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) はあ。
  999. 大野幸一

    大野幸一君 あなたがいわゆる跳込んだということを、カニエ君が跳込んだということを人に話したですね。そのことを誰に話しましたか。
  1000. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) あのときは、自由党の北村さんに言いました。
  1001. 大野幸一

    大野幸一君 北村さんに。
  1002. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) はあ。
  1003. 大野幸一

    大野幸一君 分りました。
  1004. 松井道夫

    松井道夫君 もう一遍確めて置きたいんですが、先程言われてそれで分つた筈なんですけれども、議長さんは立つておられるし、それであなたはこの辺におるわけですね。
  1005. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) そうです。
  1006. 松井道夫

    松井道夫君 そうすると、今のカニエ氏はこの辺におつたらしく思われるんですか。もつとこつち、議長の脇になるんですか。
  1007. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) 議長の脇じやなくて、少し斜め前になるんです。
  1008. 松井道夫

    松井道夫君 議長の足許に倒れて来たのですか、もぐつて來たわけですか。
  1009. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) そうです。
  1010. 松井道夫

    松井道夫君 そうすると、左前の方へ倒れたという形になるね。
  1011. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) 議長さんの左足の前の方へ……。
  1012. 松井道夫

    松井道夫君 カニエ議員の体が要するに議長さんの右前……。
  1013. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) 左前です。左前の方へ接近しておるわけです。要するに体が左前の方が接近しているわけで、右前の方は幾らか空いて斜めになつているのです。
  1014. 松井道夫

    松井道夫君 ああそうか、カニエさんの左の方が接近しているというのですね。
  1015. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) いや、議長さんの左足の方へカニエさんの体というか、頭の方が接近しているんです、斜めになつておりましたから、
  1016. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 ちよつと済みませんが、一遍模擬をやつて頂いたらどうでしよう。
  1017. 竹下豐次

    竹下豐次君 非常に大事な証言でありますが、ここでですね、なかなか分りにくい点もおありの方もあろうかと思うのですがね。明日でも現場で説明して貰うことが、私などは一番はつきりするのだと思います。そうすると簡單に行きます。(「賛成」と呼ぶ者あり)
  1018. 松井道夫

    松井道夫君 カニエさんを見たという感じのする人に皆來て貰つて……別々でも結構でありますが。
  1019. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) そういうように計らいます。  委員外の中野議員から発言を求められておりますから、許可して御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  1020. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 中野君。
  1021. 中野重治

    委員外議員中野重治君) 私は簡單なことを……。証人は、カニエ君は一度ころんだと思いますか、二度ころんだと思いますか。
  1022. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) 私の見たのは一度です。
  1023. 中野重治

    委員外議員中野重治君) そのとき、あなたと衞視長はどの辺におりましたか。衞視長の位置とあなたとの位置は……。
  1024. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) 衞視長からは前へ離れておりました。
  1025. 中野重治

    委員外議員中野重治君) 前へというと……。
  1026. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) 議長席の要するに後のちよつと高い所へ上がつておられたのじやないかと思います。
  1027. 中野重治

    委員外議員中野重治君) 今日はそれだけでいいです。
  1028. 大野幸一

    大野幸一君 それからカニエさんがころんだところ、倒れた。とにかくあなたの言う顔を付けてもぐつたところだな。それからその辺は後で又騒ぎが始まつた
  1029. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) その瞬間自分が押されて、そのあとからみんなが眞ん中へこういうふうに寄つて來た。自分は一まわり外へ出ました。そこへ他の者があれしたから、自分は議長席の方へ動いたわけです。
  1030. 大野幸一

    大野幸一君 そのときカニエ議員が倒れたところへ、又人が集まつて來ましたか。
  1031. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) そうです。
  1032. 大野幸一

    大野幸一君 それはその通りですか。
  1033. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) そうです。
  1034. 大野幸一

    大野幸一君 カニエ議員が倒れたところへ、又人が集まつて来ましたか。
  1035. 山田粂次郎

    ○事務局員(山田粂次郎君) そうです。
  1036. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) それでは山田さん、これでいいです。御苦労さまでした。本日はこれにて散会いたします。    午後十一時十四分散会  出席者は左の通り    委員長     太田 敏兄君    理事            遠山 丙市君            松井 道夫君    委員            大野 幸一君            岡田 宗司君            中山 壽彦君            岩木 哲夫君            竹下 豐次君            鈴木 直人君   委員外議員            中野 重治君            草葉 隆圓君   事務局側    参     議    (議事部長)  寺光  忠君    参     事    (衞視長)   下倉 辰男君    主     事    (衞視副長)  山田 忠雄君    主     事    (衞視班長)  廣元 正之君    主     事    (衞視班長)  山田粂次郎君    主     事    (衞視)    松崎  昇君