○
森下政一君
本案に対する
政府から承
つております
説明はですね。今回のこの
予算を契機として、財政と
金融との区分が明確にされたとか、或いは経済九
原則に基づく当面の通貨政策というものを確保して行く、そうい
つたこと、或いは経済の安定復興を図るために、是非
日本銀行の機能に一層重味が加わ
つて行き、
日本銀行の占める地位というものが
從來の比較して一層重大とな
つて來た。
日本銀行における通貨信用操作の如何が、我が國再建のために非常に大きな
関係を持
つておるように
なつた。そういう要請に應ずるために、今回
日本銀行に政策
決定の機関として、政策
委員会が設けられたというふうなことが述べられておる。或いは政策
委員会なるものが、経済九
原則に伴う財政と
金融との分離の確立等最近の経済情勢の変化に伴う要請に應じて、
設置されたものだと甚だ重々しく感ぜられる御
説明なんでございまするが、ところで先刻來米倉
委員が指摘せられた点のごときは、極めて適切な御質問であ
つたと思うのでありまして、これに対する御答弁を聞いておりましてもです。この今度設けられる政策
審議会なるものが、ほんの申訳的な
日本銀行総裁の諮問機関に過ぎないような浮き上
つたような格好になるのではないかという虞れが多分にあるのであります。例えば
審議会委員の人選にいたしましても、その在任中その意に反して罷免されることがないというふうに
委員というものが相当その任期中罷免されないというふうに、
一つの身分上の保障を得ておると同時に、又在任中これこれの行爲をすることはいけないということで、十三條の九によりますと、いろいろ禁ぜられておる事柄がある。それ程重要性を持
つた委員の人選というものが、
政府から一方的に定められてしまう。
考えようによりましては、
意見の対立、摩擦等を成るべく來たさないような人を人選したいというようなことをおつしや
つたが、
政府の都合のいい人だけを人選するということは、この
法律の下ではできることであります。この重さを加えるということのために、例えば人選についてです、
國会の承認を得なければならないというようなことにするのも、
一つの方法ではないかと私は
考える。更に又その第一期の任命の任期等につきましても、
政府が、
内閣がこれを
指定する。米倉
委員が
一つの疑問を指摘されましたが、私も同樣に感ずるのでありまして、仮に先刻あなたのおつしや
つたような手続を経て、適当な
委員が任命されたといたしましても、何の某が何年、誰が何年というようなことを、
内閣が
自分の好みによ
つて指定するなどということは言語同断のことだというふうに
考えられる。或いは
審議会の、政策
委員会の
議長がですね、先ずこのままであれば、米倉さんの言われたように、
日本銀行総裁に落着くであろうということは、私は火を賭るよりも明らかであろうと思う。そうな
つて來ると
委員会においていろんなことが
審議されましても、大体
日本銀行総裁の思惑通りにものが決
つて行く。
從來とちつとも変りはない。そういう点は波多野君が指摘したように、理事会と似て非なるものが上置きにできたという問題だけであ
つて委員会を作
つたことによ
つて、先刻來御
説明に聞いておるような、非常な
日本銀行の持つ重大な使命というものを完遂さすための、本当の必要な機関が設けられておるというふうなことが、
運営の上においては現われて來ないのではないかという心配が、非常に濃厚に感ぜられるのであります。それらについて御所見どうでありますか。私は
委員の任命は、一方的に
政府がするだけでなく、
國会の承認を得るとか、或いはその第一期の任命の
委員の任期のごときは、抽籖によるとか、はつきりここに謳
つた方がいいのではないかということを
考えますが如何でありますか。