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中西功君
貿易特別会計法案につきましては、我々共産党は反対いたします。
反対の
理由はもともと今吉田内閣がや
つておりますところの貿易政策そのものに、実は我々は重大な批判を持
つているのであります。このよう貿易が決して
日本を本当によくしない。こういう貿易ならば、やればやる程
日本の
國民は損をする。その結果といたしまして、
日本の購買力の減少、或いはよく言われておりますような低賃金或いは
農村におけるいろいろの複雜な問題、更に又
中小商工業者、或いは國内向けの産業に從事しているところの
企業がこのような貿易政策の結果として大量の崩潰して行く、これは現に起
つているわけであります。こういうふうな今
日本経済に起
つている非常に悲劇の根源がこの貿易政策にあるわけでありまして、我々といたしましては、その貿易政策を裏付けようとするところのこの
会計法に盛られたいろいろの行き方に対しましては、根本的な反対を持
つておるわけであります。それが第一点です。
第二点は具体的に言えば、
会計法の仕組の問題であります。実は前にこれが貿易
資金特別会計として行われておりましたときにも、我々はその
会計のやり方について非常な大きな批判を持
つておりました。でそれは特にガリオア・フアンド或いはイロア・フアンドとして送られて來るところ円
資金なるものが、貿易
資金特別会計の中に減茶苦茶に入られ、そうして使われておる。こういうふうな点では批判を持
つてお
つたのであります。どうしてもそれを特別な
会計としてこれを十分
日本政府の
責任において
処理しなければいけない、これは
会計の仕組みについてそう
考えておりました。たまたまこのたび見返
資金特別会計というものができたのでありますが、これは我々の
言つていたことと表面的には似ておりますが、実質的には百八十度違
つております。で特に私がこのたびの
質問においても問題にいたしましたのは、そのような必ずしも正しくない見返
資金特別会計の設定の結果として貿易
資金特別会計には非常に無理が起
つて來ております。
從つて直接
國民に関連いたしますことなんでありますが、この中にこの仕組ではますます輸出が増大すれば増大する程、
國民の税金や或いはその他日銀の
資金がこの
会計に繰り入れて行かなければならん、こういうふうな実際の関係が起
つております。それは見返
資金特別会計関連において起る問題であります。我々といたしましては、そういう点に非常にこれは困ると思うのであります。大体大きな問題としてはそういう点なんであります。そういう
意味で一見いたしますと、この
貿易会計は曾て我々が主張した方向へ來ておるように見えるのでありますが、実際は全く逆な方向へ
行つておる。こういう
意味で私達やはり反対せざるを得ない、これが私の反対
理由であります。