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説明員(服部力君)
船舶のことについて一應お答え申します。先程各部長の方から
工場方面の
関係についていろいろお話がありましたが、そのとき
船舶関係だけ洩れましたけれども、総括的に
船舶を見ますと、普通鋼
造船と木
造船に分けて考えておりますが、先程資料と申しますか、
帳簿類が燒失しまして、大分仕事が遅れたというお叱りを受けましたが、そのことにつきましては、
船舶関係は殆んど
帳簿が
戰災によ
つて燒けまして、その
帳簿の
整理ということに
閉鎖以後努力に努力を重ねて参りまして、どうやら大体各
造船所並びに
船主との間で話が通るようにな
つて來たというのが、去年の終り頃の現状でございます。それで具体的に
船体並びに造機の
関係につきまして、甲船につきましては五百五十隻、乙船につきましては二千五百三十九隻を、どういう方面に賣
つて、住所番地がどういう所かというお話がございましたが、それにつきましては、明細は別といたしまして、概略お話いたしますと、大体
終戰という時を以て、
船体にしても造機にしても一應
契約取消し、製造取消しの
命令が
海運総局から一時出まして、その中でいろいろ又例外もございますですけれども、大体原則としては進水前と進水後とに分けまして、
終戰による取消しという指令が出まして、それからGHQあたりといろいろ交渉した結果、今度個別的にこの船は続行する、この船はもう止めてしまうというような問題に入
つて來たわけなんです。それで初めに甲船を申上げますと、ここに出ております八億四千万円という数字は、これだけが
閉鎖時において甲船に対して
産業設備営團が投下した資本である、前渡金であるという工合に解釈して頂きたいのですが、それでその前渡金を今日までに
幾ら回收したかということが、この経過において出て來ておるわけです。乙船においても同じように四億の金を各
造船所に出しまして、それが結局
幾らか回收になりまして、今日これだけの残が残さておるというのが現状でございまして、そうしますと大体私のお話でお分りだと思いますが、前渡金にな
つておる
契約船と、それから委員会で保有しておる保有船と
二つに分れるわけでございます。そうしまして、この保有船が先程問題になりましたように、高いものが非常に安く賣られておるじやないかというようなお話でございますが、その保有船についてお話いたしますけれども、甲船につきましては、大体
船主に割当を
終戰時までにしましたし、それ以後も若干やりまして、後の残りは未竣工分を含めまして大体
船舶公團に引継ぎまして、それから乙船の方は、大体でき上
つた保有船を競賣の
方法によりましてこれを
処分しております。それでこの競賣のことにつきましては、実際これは委員会に來て見て頂けばよく分るのですが、その船が非常に惡い船でございまして、惡い船と言いますのは、戰時中に要するに海軍の
命令によ
つてこういう型に造れと言われたいわゆる戰標型の船でございますから、今日の時代に非常に不向きである。且つそれが日本のような風水害の多い所で、且つ砂浜の近くなんかにもう放擲してあるものですから、それが風水害によ
つて、非常に大きな被害を受けておるというような船を
処分するときに、ブック・ヴァリユーが十五万円或いは十六万円という船が、実際にこれを競賣して見ると一万円か五千円にな
つてしまうというようなのが現状なのでございます。ですからこれにつきましては、御指示があれば早速資料は持
つて参りますけれども、現実にこの競賣の
方法も、
價格査定委員会というものをや
つておりまして、大体このくらいならば適当であろうというような
方法を採
つて、総局が大体指示しまして、各地方海運局が実際にこれの競賣を実行しておるわけです。
それから割当の船でございますけれども、これは当時の
海運総局並びに艦本、その当時
海運総局はあれずが、艦本がこういう所に渡すべきだというように
船主を割当てまして、その割当てた
船主に対しては、物價の
関係がありますものですから、指示
價格という
價格、建
造船関係の
書類がお手許に行
つておりますが、指示
價格というものによ
つて各
船主に渡した。この場合に指示
價格というのは、主に運航業者に……失礼いたしました。指示
價格の資料は出ておらないそうでございますけれども、後でこれが建造
價格に振替るものですから、その運航業者以外の人たちに対しては、これを建造
價格に間接の
営團事務費、調査監督費といういうようなて、そうしてこれを賣るとものを加え
方法で賣
つておるわけであります。