運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1949-10-18 第5回国会 参議院 選挙法改正に関する特別委員会 閉会後第17号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十月十八日(火曜日)    午後一時四十五分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○選挙法改正に関する調査の件   —————————————
  2. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) 只今から委員会を開きます。  今日は一つ一つ意見を決めまして、文書に作ることはこちらにお任を願う、こういうような方法で参りたいと思います。それでは昨日の引続きまして第一から始めさして頂きます。
  3. 寺光忠

    法制局参事寺光忠君) 第一條につきましては、冒頭の「この法律は」の次に、「日本国憲法精神に則り」という字句を入れることが適当ではないかという御意見が昨日出ましたので、その点を御決定願いたいと思います。
  4. 大畠農夫雄

    大畠農夫雄君 入れることの必要はありません。    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  5. 北條秀一

    北條秀一君 私も大畠君の意見と同じですが、同時に第一條はもつと文章を簡明にして、よく分り易いようにするためにいろいろ余計なものを中に織込むと、国民大衆に理解されないようなことになりますので、そういう点はあと文書委員長の方にお任せ願うということですからお任せいたしますが、簡潔にして頂きたい。ついては、第一の今の「日本国憲法に則り」ということは余計なことですから、これは要りません。同時に第二行目の、「民主政治の健全な発達を期することを目的とする」ということは誠に必要なことかも知れませんが、こういうことは私は不必要と思いますので、簡潔に且つ公明に且つ適正に行われることを目的とする、そういう行き方でやつて頂きたいと思います。
  6. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 私は「日本国憲法精神に則り」という字句を入れて頂いた方がよいと思います。それは選挙基本法が今度できる、その基本法の第一章総則の第一でありますので、この選挙日本国憲法精神に則つて行わなければならない。これはその後において出て来る各條の解釈或いは適用とかにおいても絶えず憲法精神というものによつてつて行くべきだと思います。それで衆議院の方にもそれが入つております。その点においては、参議院も同一歩調を取つて頂くことが妥当でないかと思います。
  7. 城義臣

    城義臣君 第一條は昨日から大分議論の出ておるところでありまして、はつきり対立しておりますから、「この日本国憲法精神に則り」という字句を挿入するかしないか、この点も議事の進行上議論は盡きておると思いますから賛否をお諮りして頂けばいいと思います。
  8. 木内四郎

    木内四郎君 この委員会はこういう字句について一々やつて行くのですか、今の段階において……。
  9. 北條秀一

    北條秀一君 只今木内委員お話は、先程委員長が言われましたように字句その他については委員長にお任せ願いたいということでありましたが、特に「日本国憲法精神に則り」ということを入れるか入れないかは非常に重要なもので、議論の対立になつておるものだから、これは賛否を決したらどうか、こういうのじやないかと思います。
  10. 大畠農夫雄

    大畠農夫雄君 どんな法律でも日本国憲法精神に則つておらない法律はない。特に憲法選挙法限つてのみここに出すというのはおかしいと思います。どんな法律でも初つぱなに「日本国憲法精神に則り」と入れなければならんことになる。私は必要ないと思います。
  11. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) だから必要があるないということで、その理由は昨日で済んでいるものと見て一つあるかないかということで賛否伺つて……。
  12. 木内四郎

    木内四郎君 そういう問題はどうですか。字句のそういう問題についての採決などは後廻しにして、そういう意見が出たということで委員長に一任して、あと法文の整理の際に考えるということで、(「異議なし」と呼ぶ者あり)法文だということになると僕は相当異議がある。一つ一つつて行くならば一條やるにしても一日かかつてしまう。
  13. 小串清一

    小串清一君 今の御意見賛成で、どうです……そういう意見が出たということで先に行きましよう。
  14. 城義臣

    城義臣君 先程一つ一つ決めて行くということで私はお諮り願いたいということを言つているのです。その根本精神を今日ここでそうじやないのだと、意見だけ述べて進んで行こうというなら、それをはつきり決めて頂きたいと思います。
  15. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) 速記を止めて。    〔速記中止
  16. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) 速記を始めて。憲法に則りの問題は委員長に一任させて頂いたのでありますから、第二に進みます。
  17. 寺光忠

    法制局参事寺光忠君) 第二につきましては、参議院全国選出議員参議院地方選出議員選挙法という建前からいたしまして、別の独立の選挙という建前にいたしてこの仮案が出来ておりますので、その点が不都合であつて從つて参議院議員選挙という建前の下にそれを必要な場合に二つに分けて規定するというようにしろという昨日の御意見につきましては、この仮案が最後まで二本建で行つておりますので、一応二本建のままで御審議願つたら如何かと思います。そうしてその必要な二本建にすることが不都合であるということから生まれます字句の訂正は委員長に御一任願つたら如何かと思います。そういうように議事をお進め願つたらどうかと思います。
  18. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 やはり昨日お話鬼丸さんその他から出ましたように、第二の條項如何にも不穏当でありますように考えますので、今お話がありましたように、やはり参議院議員選挙一つのものであるという基本的な観念の上から、必要のある場合は二つに分けるということを原則として進めるように変えたらどうかと思います。
  19. 小串清一

    小串清一君 私も吉川君と同じ意見です。この方は何か議員の値打が対立しておるような変なふうになるから、必要なときには仕分けして、参議院議員と一本で行つた方感じがいいのではないかと思います。
  20. 鈴木直人

    鈴木直人君 この第二は適用するものでありますから、参議院議員だけでいいのであつて全国選出とか地方選出とかいうことを基本的なものの中に入れるということは却つていけないと思うのですが、私昨日おらなかつたけれども、あとから必要な場合には何時でも分けられる、それを今から……。衆議院議員参議院議員と、こういうふうに行くのが穏当であり、地方選出全国選出というふうに分けるということは……大事な根本的な適用を書いてあるのでありますから、その方がいいと思います。
  21. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) それでは第三。
  22. 鈴木直人

    鈴木直人君 私もう一つ質問して置きたい。この地方公共団体という意味は、この際に普通地方公共団体特別地方公共団体二つを含むものであるということをはつきりして置きたいと思うのです。なぜかと申しますと、東京都の特別区は市に準じて行われることになつておるのでありますが、法文を見ますとこのことがはつきりしてない。そこでどこかにあると思いますけれども、特別区は市に準じて行われるわけでありますから、特別区域い特別地方公共団体というふうに地方自治法上なつておりますから、それを含めるものだということをこの中にはつきりして置きたいというのが私の主張であります。如何ですか。
  23. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 只今鈴木さんの御議論でありますが、これは広義における地方公共団体という義に解釈すべきであつて、いわゆる広狹二樣あつて広義地方公共団体であるというふうに解釈して差支ないと思います。
  24. 寺光忠

    法制局参事寺光忠君) 鈴木さんの御意見通りでざいます。  第三については昨日も御意見がございませんでした。第四についても一応このままで行きたいと思います。第五におきまして……。
  25. 鈴木直人

    鈴木直人君 第四について申上げたいと思います。ここには都道府県まではいいのですが、あと市町村議会とか市町村長とか市町村に設置する教育委員会とか、市町村選挙管理委員会という言葉があるのでありますが、ここの中に特別区の区が入つておらない。特別区については地方自治法の二百八十三條によつて特別区に関するところの選挙に関する規定は市に準じてこれを行うということになつておるわけでありますが、そういうふうなことをどこかに入れて、特別区にも適用せしめるということになつておるか、或いはここの中に特別区に関するものも……市町村という中には特別区も入るのだということを何かここに列記して市町村という場合には特別区も入るということをはつきりさせて置く必要がありはしないかということを考えておるのであります。その点を一つ
  26. 寺光忠

    法制局参事寺光忠君) 從來の立法例等におきましても大体特別区等につきましては、附則の中に入れることになつております。本仮案においても附則においてこれを補つております。
  27. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) それでは第五。
  28. 寺光忠

    法制局参事寺光忠君) 第五につきましては、第四と関連いたしまして一般的に管理委員会について規定を詳細に規定する必要があるのではないかということが昨日から御意見が出ております。これにつきましては仮案の立案に当りました者といたしましては、全国選挙管理委員会法改正整備いたすことによりまして、別途所要の規定を設けなければならんとかように考えておりますが、具体的にはそれではどういうふうな改正を加えるかということについてはまだはつきりしたものを持つておらないのであります。ただこの仮案が予定いたした線に副つて規定いたさなければならんことは、少くとも全国選挙管理委員会以下の各委員会の相互の指揮、監督関係、その他連絡等についての規定、それから選挙管理委員会全部を通じましてその権限の強化と申しますが、選挙執行に関する責任の確立と申しますが、そういうふうな面において規定をもう少し強く規定しなければならんのじやないかと、こういうふうに考えておる次第でございます。今までの管理委員会法に関する改正につきましては、別途考慮せられるということにお願いいたしまして、そうして更に第五に関しまして、選挙事項の周知及び棄権防止に関して全国選挙管理委員会が行う事項が「投票方法選挙違反その他選挙に関し特に必要と認める事項」に限られておるということは面白くないから、ここに「投票意義及び投票方法選挙違反」というふうに投票意義という字句を入れるという程度の修正をしたらという御意見が出ておるのでございます。第五に関しましてはさような意見がありましたので、その点を御協議願えればと存ずるのであります。
  29. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) 第五は「選挙意義投票方法」というふうに意義という字句を入れるということに羽仁君からの意見でありますが、御意見は……。
  30. 鈴木直人

    鈴木直人君 私は賛成です。ただもう一つ申上げたいのは、選挙管理委員会に関して法令特別法規で又別に作るというやり方でやらずして、この法令の中に適当に入れるという方針の下に今後適当に考えられることが基本法を作るという……基本法というものの観念の上から見て、この方がいいという意見を私は持つておる次第です。
  31. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) 今の鈴木君の意見をお諮りいたします。
  32. 小串清一

    小串清一君 私は原案に賛成です。このままでいいと思います。それであと寺光君が説明したように行政管理委員会法は作らなければならんのだからその管理委員会法の方に讓つて、これはこのままでいいと思います。
  33. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) それでは第六。
  34. 寺光忠

    法制局参事寺光忠君) 第六は現行衆議院議員選挙法の百四十條の三の規定のままでございますが、これにつきましては総則の中に規定することが不穩当であるという御意見と、むしろこれを基本法の中から消除すべしという御意見がありました。昨日の第六に関する経過はそのようでございました。
  35. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 第六は全くこれは無用の條文だと思います。凡そ刑法その他のすべての刑罰法規等につきまして、特に警察官とか検察官がそれを取締るとか、或いは励行しろとかいうようなことを一々書かなければならんというような立法技術は、從来ないのであります。全くこれは駄文に属することだと思いますから、これは私は当然削除すべきものだと思います。
  36. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 只今鬼丸委員の御意見賛成です。尚その点について理由を補足いたしますが、只今述べられました理由の外に、先頃この本委員会から派遣せられまして関西地方のそれぞれの意見を伺いましたときに、どうかこの選挙において、依然として国民の間に選挙管理委員会選挙をやるのであるという点が不徹底である、とかく警察選挙に出過ぎる傾向が多い、選挙管理委員会としてもやりにくいというような御意見もありましたので、その意味でこの総則選挙管理委員会の方が大きく出ておりますから、それで結構であります。第六、警察公安委員は是非削除して頂きたいと考えます。
  37. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) 第六全体を削るという鬼丸委員の御意見でございますが、この御意見に対して御審議願います。    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  38. 小串清一

    小串清一君 私は「公正を確保」ということはあつていいんじやないかと思います。我々の地方選挙では警察の方がちつとも構いませんし、その代りに選挙管理委員は、とても選挙違反なんということを、叱言を言うような人は一人もありません、実際問題として私の方には……。それですからこれはとにかく選挙取締ることは、この文書が惡ければ、昨日も申上げた意味でもいいか、やはりそういうことを法の上に取締るということは置いた方がいいと思うのです。実際問題としては……。
  39. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 制裁法規の問題で、代表的なものは刑法であります。その代表的な制裁法規中においてすら、かような文言はありませんし、法規全体の上から見ましても、こういうものを一々制裁法規その他に図かなければならんことになつたら煩に堪えません。当然検察官職務権限、或いは警察官公安委員、その他の者の職務権限が、それぞれの法規によつて限定されておりますから、実行機関の行為を一々法に書かなければならんということは、実に法文の体裁の上から言つてもむしろ笑われやしないかと思います。当然これは……。
  40. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) 第六は消除するということは多数意見と認めます。第七。
  41. 寺光忠

    法制局参事寺光忠君) 第七につきましては、かような特定地域に関しまして、別段の規定政令で一任するということは面白くない、從つて、これを或る程度に制限する方向に持つて行くべきだという御意見でございました。ただ、それにつきまして、「適用し難い事項については」というのは「適用し難い事項に限り」というふうにすれば、という御意見でありましたが、この際、立法技術といたしましては、大した違いはないと思いますが、言葉のニユアンスという点については別でございます。
  42. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 別にこのままでいいでしよう、「限り」と言つても、「ついては」と言つても同じです。
  43. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 それは同じ言葉のようですけれども、実は「については」というなら、あとで制限を受けるのだから、そういう意味ならば、「については」は、「限り」とした方がいいと思います。そういうように印象付けられると思います。
  44. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 それでは結局收まりが付かんと思います。やはり必要限度において政令に委任するということがよいと思います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  45. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) 「限り」と訂正することを多数と認めます。
  46. 寺光忠

    法制局参事寺光忠君) 只今の第七のところで、「政令で特例の定」云々としてあるのは、「特別」の誤まりであります。
  47. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) 第二章、定数をずつと朗読します。
  48. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 その前にちよつと第六について削除ということに決定すれば、仕合せなんですが、若し削除せられない場合には……。
  49. 小串清一

    小串清一君 削除と決定した。    〔菊井法制局参事朗読〕    第二章 定数   (参議院議員定数)  第八 衆議院議員定数は、四百六十六人とする。   (参議院議員定数)  第九 参議院議員定数は、二百五十人とし、そのうち、百人を全国選出議員、百五十人を地方選出議員とする。   (地方公共団体議会議員定数)  第十 都道府県議会議員定数は、人口七十万未満都道府県にあつては、四十人とし、人口七十万以上百万未満都道府県にあつて人口五万、人口百万以上の都道府県にあつて人口七万を加えるごとに各々議員一人を増し、百二十人をもつて定限とする。  2 市町村議会議員定数は、左の通りとし、人口三十万以上五十万未満の市にあつて人口十万、人口五十万以上の市にあつて人口二十万を加えるごとに各々議員四人を増し、百人をもつて定限とする。   一 人口二千未満町村 十二人   二 人口二千以上五千未満町村 十六人   三 人口五千以上一万未満町村 二十二人   四 人口一万以上二万未満町村 二十六人   五 人口五万未満の市及び人口二万以上の町村 三十人   六 人口五万以上十五万未満の市 三十六人   七 人口十五万以上二十万未満の市 四十人   八 人口二十万以上三十万未満の市 四十四人   九 人口三十万以上の市 四十六人  3 前項の議員定数は、條例で特に減少することができる。  4 前三項の規定により議員定数変更は、地方公共団体議会議員一般選挙の場合でなければ行うことができない。   (教育委員会委員定数)  第十一 教育委員会委員定数は、都道府県教育委員会にあつては七人とし、地方教育委員会にあつては五人とする。但し、委員のうち一人は、当該地方公共団体議会議員のうちから、議会において、選挙するものとし、その委員任期は、議員任期中とする。
  50. 寺光忠

    法制局参事寺光忠君) 第二章の定数衆議院要綱によりますと、第一章の総則の中に入れておるものでございます。それを別途にはみ出すことにしたのが仮案でございます。第八の衆議院議員定数は四百六十六人とするというのは、現行法ではかような規定はございませんで、御承知のように選挙法の別表の各選挙区の定数を合計いたしますと、四百六十六人になるということになつておるのでございます。第九は現行法通りでございます。第十も地方自治法の中に規定してあるその通りのものであります。第十一の教育委員会委員定数につきましては、これも現行教育委員会法規定のままでございます。但書におきまして変なものが加わつておるような感じがいたすのでございますけれども、選挙基本法といたしまして、選挙によらない議員がそのうち一人を占めるということは、ちよつと場所としては必ずしも恰好ではございませんけれども、ここに入れて置くことにいたしたのでございます。尚地方公共団体の長の選任につきましては、現行法規定いたしておりませんし、もとより当然なこととしてここには規定いたしませんでした。
  51. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 第十の終りにありまする三項の議員定数條例で特に減少できますることを留保されておるようでありますが、これが手放しで以て無條件條例で以て減少することができるというのならば、折角決めましたる定数がこの條例によりまするために非常に浮いて来る場合もありますが、尚全国的に統一されるべき一項をここに書添えて置くことが必要でないかと思いますが、この点は考慮されましてのことでありましようか。
  52. 鈴木直人

    鈴木直人君 それに関連して私は質問いたします。この定数は私は根本的には選挙法のうちにあることではなくして外にあるものだと思うのであります。それは組織に関するものだと思うのです。併しながら衆議院選挙法参議院選挙法には定数が書いてあるから憲法その他においては定数はありません。けれども都道府県市町村というようなもの、或いは教育委員会というようなものは、何人の議員を置くとか、教育委員会委員を何人置くというようなことは、地方自治体を総合的に檢討して、そうして全体的に見て自治体をどういうふうに組織するか、議会をどんなふうに組織するかという観念からこの定数というものは決められるべきであつて、その決められたものをどういうふうにして選挙するかという段階選挙法はあるものだと私は考えております。教育委員会においても然りであつて、そう思つておるのです。併しながらやはりみんなこれを知る上において書いた方がいいということでありまするから、ここに一応は規定いたしますけれども、この地方自治法においても地方自治体全体を考える人の意向が加わつて、そうしてここにただこれを入れるという程度のことが必要だと思うのです。そこで只今質問がありました議員定数は、條例でこれを減少することができるという点につきましては、これは地方自治法の第九十一條の第二項に規定されておるのであります。私は地方自治法を担当しておりまする関係から、これはどうしてできたかと申しますと、從来なかつたのです。ところが関係方面の強い内示がございまして、そうして特にこれを入れた。地方自治法の中に入れたわけでございます。從つて第九條、第十條と、第十一條地方自治法考え方、そうしてそのところの條文をそのまま選挙法のうちに取入れたというように私はこの字句関係から解釈しておるのであります。今の趣旨もそうなつたのであつて選挙法という観点から強くこの條項をいろいろ考え直すということは、私は考えものだというふうに思います。尚第十條に非常に重要な点について抜けておる。これは第四項までありまするが、第五項、第六項というものが地方自治法規定されておる。これは市町村廃置分合或いは境界変更の場合においては特に一般選挙の場合でなくても増減することができるとか、その他のことが書いてある。これによりますると総選挙の場合でなければ定員を変えることができないということになつておりますが、最近におきましては市というようなものが相当できて来る。從つて市が発生した場合にはその郡から分れる。そういう場合には直ちに定員が決するわけです。そうして郡が小さくなりますと、又郡の定員も減るわけでありますから、そういうことでありますから、やはり市町村廃置分合、いわゆる地方自治法の第九十一條の四項、五項はここに附加えて置くことがやはり必要であると考えるのであります。特に先程の鬼丸議員の場合においては、増減ということになつておりませんで、減らすということに限定されております。特にこれを減らさなければならんというような事情が起る場合が出て来るのでありまして、そういう場合においては、この定員を少くしてもよろしいということをやつて置くことが実情において必要であるということからして、これがこういうふうに特に先般改正されたということを私は記憶しておりますから、それを申上げます。
  53. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 今の定数お話ですが、第一に鈴木委員のおつしやる事項であります。これは選挙法であるからして選挙のことを決定することが中心でなければならない。参議院議員定数及び衆議院議員定数については、この法規の中に規定することはいいが、地方自治体議員についてはこれを規定するということは不穏当である。何故ならばそれは国会議員の場合と異なつてむしろ地方自治体行政組織に関することであるというような御趣旨であつたと思うのですが、それは私の見解を申すならば、非常に誤まりではないかと思うのでありまして、たびたび羽仁君が言われる從来の中央集権的な官僚の地方自治体に関するジヤーナリズムの表現であつて地方自治体というものは、現在の地方制度においては地方における中央政府に対する一つの独立的な自治制度であると考えられているのでありますから、地方自治体行政組織であるというような考え方は、現在の地方自治法精神からして拂拭されるべきところの私は條項であると考えているものであります。從つて当然に地方自治体議員定数というものが、国会議員定数と同じように規定されなければならんと思つているのであります。  それから鬼丸委員がおつしやいますところの、減少の場合だけが規定されておつて、増加の場合というものを規定しておらんということについての見解でありますが、これはやはり現在の地方自治法においては地方分権主義則つて地方自治体自治権というものを非常に重視しているということがこうしたことのやはり一つ理由になつているのではないかと思うのです。特にもう一つは、減少するということについて地方自治体自治権によつてずつと減らした方がいいというような意向が自治体住民の大多数の意思であるならば、そのようにしてもいいのではないかということが一つと、もう一つは、これは私の推察でありますが、アメリカからのサゼツシヨンもあつたところでありますが、向うではいろいろ地方自治体組織というものが非常にバラエテイがあるのでありまして、議員の数というものが非常に少ないところの地方自治体もある。又同じ州においても自治体の構成が非常に変つているのでありまして、例えば同じカリフオルニア州の二大都市であるサンフランシスコとロサアンゼルスとは全く市会議員に該当するものの名称からして違つており、又数なんかも非常に浮動があるのであります。そんなところの考えも幾らか頭にあつて、そうして地方自治体自治権を非常に尊重するという建前、それから非常に増加することはアメリカの大体の地方自治制に対する現在の議員の増加よりも減少の方が多いという傾向なんでありますから、そういうところと相俟つてこういうことをサゼツシヨンしたのではないかと思うのです。特に重点を置かれることは、地方自治体自治権の尊重ということが中心観念になつているのではないかと思うのであります。だから私は原案でいいと思います。  それから第三番目にはやはり鈴木委員のおつしやつたことで私今地方自治法條文に載つておりませんが、隣接町村、或いは隣接しておるところの他の自治体を併合合併したような場合においての議員の数の増減の問題でありますが、それは当然にその第二項によりまして人口数の増加をもたらして来るのでありますから、増加したところの人口数に比例してその議員の数が増加されるということについては、この原案で大体差支がないんだというように考えるのでありますが、私の了解に間違いがありましたら御指摘が願いたいと思います。その意味におきまして大体において只今鬼丸委員及び鈴木委員がおつしやつたことに対しまして原案を支持いたします。
  54. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 只今の吉田委員の御説に賛成いたします。それでこの三項、鬼丸委員が問題になさいました点は他の場合と違いまして、他の場合には條例というのでなく国会乃至議会意見を聽かないで勝手に決める場合ですが、この場合は只今吉田委員が述べられましたように、現在我々ができるだけ自主独立で動いて貰いたいと思つている地方自治体がその議会において決定する條例でありますから御心配のようないわゆる官僚主義に陥ることは必ずないと思いますので、これはこれで結構じやないかと思います。
  55. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 私はこの規定でよし惡しという問題でなくしてこれで以て果して定数制も布きながらも、一方において減少の場合に手放しにして置くということは結局定数制を置いた根本を乱す慮れがあるから、何かこれについて統制せらるべき全国統制の規定の根拠を置いたらどうかと言つたのです。そこで然らば何故そういうことを理由にするかと申しますと、とかく議員の数というような問題は、やはり多くの場合政治問題に関係する場合が多いのであります。そこで政治の勢いの赴くところへ手放しで置きますことは、結局選挙の統制を軽んじ乱すべきことにも想像されんことはないと思います。そこで條例で以て減少を要するということでありますならば、これを統一すべき例えば全国選挙管理委員会の了解を得るとか何とかいうような承認を得るとか何とかしたならば、やはり定数制というものが金体において嚴格に行われることになりはしないか、こういうふうに考えましたものですから、別段皆さんの御意見に異論を言うわけではありません。その点を考慮して伺つたわけです。
  56. 小串清一

    小串清一君 私は原案に賛成をいたします。それで大体こういうふうに章を決めるのも必要ですが、或る特殊の地方自治体條例によつて多少その数を減らすということはあつて差支ないと思います。殖やす方はいけないと思うのですが……ですからこれでよいのだと思います。
  57. 鈴木直人

    鈴木直人君 私は先程申上げたことに対して吉川委員が非常に考え違いをしたと思いますが、いわゆる地方自治体行政組織であるというようなことを私は言つておらない。要するにこの議員の数ということは、地方自治体自治体というものの組織一つであるということを申上げたので、官僚組織とか行政組織であるというようなことを申上げたのではないのです。
  58. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 ちよつとそういうふうにとれたので……。
  59. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) 第二章は原案賛成多数と認めまして第三章へ進みます。第三章。    〔菊井法制局参事朗読〕    第三章 選挙権及び被選挙権   (国会議員選挙権)  第十二 日本国民で年齡二十年以上の者は、衆議院議員参議院全国選出議員及び参議院地方選出議員選挙権を有する。   (地方公共団体議会議員及び長の選挙権)  第十三 日本国民たる年齡二十年以上の者で三箇月以来市町村の区域内に住所を有するものは、その属する地方公共団体議会議員及び長の選挙権を有する。  2 引き続き三箇月以来市町村の区域内に住所を有していた者で天災事変等によりやむなく住所を移したためその属する市町村議会議員及び長の選挙権を有することができなくなつたもの、又はその者若しくは海外引揚者で市町村の区域内に住所を有するに至つたがその期間がまだ三箇月に達しないものは、当該市町村選挙管理委員会にその旨の申出をすることにより、前項の規定による住所に関する要件にかかわらず、当該市町村議会議員及び長の選挙権を取得することができる。  3 前項の規定により選挙権を取得した者は、当該市町村を包括する都道府県議会議員及び長の選挙権を有する。  4 第二項の規定により住所を有する市町村以外の市町村において選挙権を取得した者は、その住所を有する市町村においては、第一項の規定にかかわらず、地方公共団体議会議員及び長の選挙権を有しない。  5 第一項の三箇月の期間は、市町村廃置分合又は境界変更のため中断されることがない。    〔教育委員会委員選挙権〕  第十四 都道府県又は市町村議会議員選挙権を有する者は、都道府県教育委員会又は地方教育委員会委員選挙権を有する。   (被選挙権)  第十五 日本国民は、左の各号の区分に從い、それぞれ当該議員又は長の被選挙権を有する。   一、衆議院議員については年齢二十五年以上の者   二、参議院全国選出議員及び参議院地方選出議員については年齢三十年以上の者   三、都道府県議会議員についてはその選挙権を有する者で年齢二十五年以上の者   四、都道府県知事については年齢三十年以上の者   五、市町村議会議員についてはその選挙権を有する者で年齢二十五年以上の者   六、市町村長については年齢二十五年以上の者   七、都道府県教育委員会又は地方教育委員会委員については、都道府県又は市町村議会議員の被選挙を有する者  2 前項の年齢は、選挙の期日により算定する。   (選挙権及び被選挙権を有しない者)  第十六 左の各号に掲げる者は、選挙権及び被選挙権を有しない。   一、禁治産者   二、懲役又は禁錮の刑に処せられその執行を終るまでの者   三、懲役又は禁錮の刑に処せられその執行を受けることがなくなるまでの者   (選挙犯罪以外の犯罪による刑の執行猶予中の者を除く)
  60. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) 委員長から一言申上げますが、御意見を承わります前に総則の第二におきまして参議院全国選出議員参議院地方選出議員は昨日岡本君もこの意見がありまして今日これが参議院議員一つなつたのでありますから、今日今の第三章の中にそのまま読みましたので二つ並べて書いてあるようなことを一つにまとめます。文字の書き方は委員長に一任されたいと思います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  61. 寺光忠

    法制局参事寺光忠君) 第三章は選挙権及び被選挙権に関する規定を網羅したものでございますが、先ず第十二のような場合におきまして選挙権を有するというのを、参議院地方選出議員参議院全国選出議員との各二個の選挙権を有するというような規定がここでは明瞭になつたつもりでおつたのであります。  それから第四項でございますが、第四項の冒頭の「三第項」は「第二項」の誤まりです。  それから第四項の二行目の「第二項の規定にかかわらず」は「第一項の規定にかかわらず」の誤まりです。  第五項の「第二項の三箇月の期間」とありますのは「第一項の三箇月の期間」の誤まりであります。それから第十六につきましては、現行の「禁治産者」の次に準禁治産者とございますのを削つて、それから現行の衆議院議員選挙法の第八條及び九條に規定しておりますような被選挙権の制限は立候補制限のところへ移して立候補制限に替えております。
  62. 岡本愛祐

    ○岡本愛祐君 地方自治廳の方は来ておられますか……。この住居制限を六ヶ月を三ヶ月に改める、この件は国会議員選挙権、府会議員選挙権についてはこれでよかろうと思いますが、市町村議員選挙権につきましてはこれで何か支障があるというようなことがないかどうか、それを確かめたいと思いましたが、まあ差支ないだろうと私は思いますけれども、念のために確かめて置きたいと思います。
  63. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 この点については普通市町村の被選挙権の場合にはもつと年限が長いのが一般の慣例ですけれども、併しそれは市町村自治体制における旧来の惡弊とも言えるものであつて、もう一つには御承知のように市町村自治体というものが、或る意味で排他的、制限的に、又ギルド的になつた場合に非常にこの制限を長くした時代があるのです。現在としてはそういうものはありませんし、技術的にもこの程度の努力をして頂いた方がよいと思います。やはり制限を長くして頂いた方がよいと思います。
  64. 大畠農夫雄

    大畠農夫雄君 国会議員の場合でここで確かめて置きたいのは、国会議員選挙に対しては住居の期間に條件を必要としないということですね。
  65. 寺光忠

    法制局参事寺光忠君) その通りでございます。
  66. 大畠農夫雄

    大畠農夫雄君 国会議員選挙の場合はそうですね。
  67. 寺光忠

    法制局参事寺光忠君) さようでございます。
  68. 大畠農夫雄

    大畠農夫雄君 そこにいればいつでもできると、そういう意味ですか。
  69. 寺光忠

    法制局参事寺光忠君) 住所の要件といたしましては、現行法もこの仮案規定をいたしておりません。從つて住所の要件としてはフリーでございます。併しながら選挙人名簿に登録いたしますにつきまして、現行におきましては六ヶ月という期間を置いておりますが、それをこの仮案では三ヶ月に縮めております。その点が少し……。
  70. 大畠農夫雄

    大畠農夫雄君 国会議員の場合は三ヶ月という住所要件を必要としないのでしよう。
  71. 寺光忠

    法制局参事寺光忠君) その通りなんであります。
  72. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) 岡本君は三ヶ月で異議ないということでありましたから、別に御異議もないと認めまして、第四章へ移ります……。
  73. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 委員長に一任したことについて申上げるのは甚だ恐縮なんですが、この場合特に第十二條において参議院全国選出議員、及び地方選出議員選挙権を持つというのはこの総則の場合と違いますから、国民衆議院議員について一票を投じ、参議院全国議員について一票と、参議院地方議員について一票を投票する。一票をというのは誤弊がありますが、選挙権があるというのは国民に成るべく分り易い方がいいというのにありはしないかと思います。
  74. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) 一任されたから分り易くやります。
  75. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 十六の二と三の区別ですね。私ちよつと気付かないので疑問ですから、二と三の区別はどういうことになりますか。
  76. 寺光忠

    法制局参事寺光忠君) 十六ですね。
  77. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 第十六條の二と三の区別ですね。
  78. 寺光忠

    法制局参事寺光忠君) これは現行法のままですが、どんなふうに解釈して……現行法では「懲役又は禁錮の刑に処せられその執行を終るまでの者。」は執行中の者であり、「懲役又は禁錮の刑に処せられその執行を受けることがなくなるまでの者。」というのは執行の停止と言いますか、ああいうような執行猶予は入らない。執行停止、そういうふうなものですね。
  79. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 だからその法文自体においてはつきりしないような文字は、成るべくその前例があるにせよはつきりして行つた方がよいと思います。例えば二なら二に執行中の者なら執行中の者で結構です。これは執行を終るまでの者はすべて非適格者は選挙権がないのですから、さすれば第三は全く無用なんです。
  80. 寺光忠

    法制局参事寺光忠君) 申訳ないのですが、この際明確に一つ一つ挙げて申上げることができないだけでございまして、從来立法例では全部これで通して来ております。この際に下手に変えると変える方が却つて危いと思いまして、実はこういうところは現行法のままにそのままやつておるのですが、これは明確……。
  81. 木内四郎

    木内四郎君 もう少し研究してね、明瞭に答弁ができるのだよ、代つてつてもいいよ。
  82. 寺光忠

    法制局参事寺光忠君) できないのではないのです。具体的にこれとこれと私申上げる資料を持たないのです。
  83. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 辞義に等しい問題ですが、理解しにくいので伺つたんですが……。
  84. 大畠農夫雄

    大畠農夫雄君 「選挙犯罪以外の犯罪に因る刑の執行猶予中の者を除く。」と、これは私は削除して貰いたいと思います。特に選挙関係について執行猶予中の者は、外の犯罪とどこが違うか、選挙の執行猶予と外の犯罪の執行猶予はちつとも違わない。選挙関係があるから選挙権を持たさない、これは甚だ不当なんです。というのは刑事裁判でも検察事務で引掛かかつた者は必ず犯罪者であるということは言えない。今の裁判の状態ではただこれは選挙の法に引掛かかつたというときに出せないというのは甚だ不当だ、外の犯罪と同じようにやはり持たせる必要があると思う。
  85. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 只今大畠委員の質問にかかります事項ですね。元来選挙犯罪以外の犯罪でありましても、すでに裁判が確定をして刑余者となることになつておる場合は、恐らく從来どの法規によりましても、公権というものが停止になつておる。これは特にここで敬いております。立法趣旨が理解し難いですが、せめてこの点はもう少し説明して頂きたい。
  86. 大野幸一

    ○大野幸一君 大分誤解があるようですが、この第三号の執行猶予中の者は被選挙権があるということなんです。執行猶予中の者は……。それで別にここに選挙犯罪をどうするかということは別だが、立法のむずかしいところだけれども、解釈は二号三号も括弧内も正しいのです。
  87. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 今の大野さんの御解説ですね。執行猶予中の者にこれをさせるならば、仮出獄中の者もこれがはまるわけですね。
  88. 大野幸一

    ○大野幸一君 仮出獄と執行猶予は、法律家の鬼丸先生が……ちよつとおかしい。執行猶予というものは、或る期間を経過すれば刑の執行を受けない。仮出獄というのは、刑を受ける代りに、外において一定期間を過ぎれば刑を受けることなきに至ることである。
  89. 大畠農夫雄

    大畠農夫雄君 今大野さんからの言うように、執行猶予中の者は選挙権を持たせるというならば構わない。ここに「選挙犯罪以外の犯罪に因る刑の執行猶予中の者を除く。」とあり、選挙違反に掛かつた者は持たせないというから、それはおかしいというので、誰にも持たせる必要がある、こういうのです。
  90. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) ちよつと速記を止めて。    〔速記中止
  91. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) 速記を始めて下さい。
  92. 小串清一

    小串清一君 参議院議員の年齢の問題については、年を引上げるという説が我々の方にありますので、或いは決定のときに、もう少し年齢を引上げるという設が出るかも知れませんから、それだけ保留して置きます。
  93. 大野幸一

    ○大野幸一君 御参考までに言つて置きますが……。   (「進行を願います」と呼ぶ者あり)
  94. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) これは明快なる法文にするという意味において第四章に進みます。
  95. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 十五について小串委員から御発言があつたのですが、私は若い人にも期待を持たれる、そういうことから離れてはいけないという意味で、どうか年例の引上げはやらないようにして頂きたいという希望を述べて置きます。
  96. 鈴木直人

    鈴木直人君 三章ですが、三章と四章は引つ繰返えした方がいいと思う。四章を三章にして、三章を四章にして頂きたいということを希望する。定数に関することが多いのです、この区域は。それから選挙権、被選挙権はあとからの選挙人名簿とか、人に関することになる、だからしてこういう人数に関することと、人に関することはずつと一括すべきものである。第四章を第三章にして、第三章を第四章にした方がよい。こういうふうに考えておるから、一応申上げて置きます。    〔「進行」と呼ぶ者あり〕    〔菊井法制局参事朗読〕    第四章 選挙に関する区域   (衆議院議員選挙区)  第十七 衆議院議員は、各選挙区において、選挙する。  2 選挙区及び各選挙区において選挙すべき議員の数は、別表第一で定める。   (参議院全国選出議員選挙の区域)  第十八 参議院全国選出議員は、全都土府県の区域を通じて、選挙する。   (参議院地方選出議員選挙区)  第十九 参議院地方選出議員は、各選挙区において、選挙する。  2 選挙区及び各選挙区において選挙すべき議員の数は、別表第二で定める。   (都道府県議会議員選挙区)  第二十 都道府県議会議員は、各選挙区において、選挙する。  2 選挙区は、都市の区域による。  3 前項の区域の人口が著しく少いときは、條例で数区域を合せて一選挙区を設けることができる。  4 都道府県議会議員任期中あらたに第二項の区域の設定があつた場合において、從前その区域が属していた選挙区の配当議員数が同項の規定による関係選挙区の数に達しないときは、同項の規定適用については、次の一般選挙までの間、その区域は、なお、設定されないものとする。  5 前三項の場合において必要な事項は、政令で定める。  6 各選挙区において選挙すべき議員の数は、人口に比例して、條例で定めなければならない。   (都道府県知事の選挙の区域)  第二十の二 都道府県知事は、当該都道府県の区域を通じて、選挙する   (市町村議会議員選挙区)  第二十一 市町村議会議員は、選挙区がある場合にあつては、各選挙区において、選挙区がない場合にあつては、市町村の区域を通じて、選挙する。  2 選挙区は、市町村が特に必要があると認めるとき、條例で設けることが出来る。但し、大阪市、京都市、名古屋市、神戸市及び横浜市(以下五大市という。)については、区域をもつて選挙区とする。  3 市町村議会議員選挙における選挙人の所属の選挙区は、その住所により定める。第十三條第二項の規定による選挙権を有する者で市町村の区域内に住所を有しないものについては、当該市町村選挙管理委員会は、本人の申請により、その申請がないときは職権により、その所属の選挙区を定めなければならない。  4 各選挙区において選挙すべき議員の数は、人口に比例して定めなければならない。   (市町村長選挙の区域)  第二十一の二 市町村長は、当該市町村の区域を通じて、選挙する。   (教育委員会委員選挙の区域)  第二十二 教育委員会委員は、当該地方公共団体の区域において、選挙する。   (行政区画の変更と現在者の地位)  第二十三 現在の衆議院議員参議院地方選出議員及び地方公共団体議会議員は、行政区画の変更によりその選挙区に異動があつても、その職を失うことはない。   (投票区)  第二十四 投票区は、市町村の区域による。  2 市町村選挙管理委員会は、必要があると認めるときは、市町村の区域を分けて数投票区を設けることができる。  3 前項の規定により、投票区を設けたときは、市町村選挙管理委員会は、直ちに告示しなければならない。   (開票区)  第二十五 開票区は、市町村の区域による。  2 衆議院議員参議院地方選出議員都道府県議会議員及び長並びに都道府県教育委員会委員選挙につき特別の事情があるときは、都道府県選挙管理委員会は、前項の規定にかかわらず、市の区域を分けて数開票区を設け又は数町村の区域を合せて一開票区を設けることができる。  3 市町村議会議員、市長及び地方教育委員会委員選挙につき特別の事情があるときは、当該市町村選挙管理委員会は、第一項の規定にかかわらず、市町村の区域を分けて数開票区を設けることができる。  4 前二項の規定により開票区を設けたときは、当該選挙管理委員会は、直ちに告示しなければならない。
  97. 寺光忠

    法制局参事寺光忠君) 先ず初めにこの第四章の中で、都道府県知事と市町村長選挙に関する区域を落しておりますので、第二十條の二といたしまして、都道府県知事は、当該都道府県の区域を通じて選挙するという規定を入れて頂きたいのでございます。これは別途印刷いたしておりますので、明日でも又正誤をいたしましたものをお手許に改めてお配りいたします。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  98. 寺光忠

    法制局参事寺光忠君) 一応は第二十條の二ということにいたしまして、「都道府県知事の選挙の区域」という規定でございます。「都道府県知事は、当該都道府県の区域を通じて、選挙する。」  次に第二十一條の次へ第二十一條の二を入れて頂きまして、それは「市町村長選挙の区域」という規定でございます。「市町村長は、当該市町村の区域を通じて、選挙する。」  第四章におきましては、選挙区、開票区、投票区の三者についての規定を入れたものでございます。規定といたしましては、現行法を基準といたしたものでありまして、現行法と改まつているところはございません。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  99. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) 別に御異議もございませねば、第五章に移ります。菊井君。    〔菊井法制局参事朗読〕    第五章 選挙人名簿   (選挙人名簿の種類)  第二十六 選挙人名簿は各選挙を通じて、基本選挙人名簿及び補充選挙人名簿とする。  2 地方公共団体議会議員及び長の選挙には前項に規定する名簿の抄本を用いることができる。   (基本選挙人名簿の調製)  第二十七 市町村選挙管理委員会は、毎年九月十五日現在により、その日まで引き続き三箇月以来その市町村の区域内に住所を有する者の選挙資格を調査し、十月三十一日までに基本選挙人名簿を調製しなければならない。  2 前項の場合において、選挙人の年齢は、基本選挙人名簿確定の期日により算定する。  3 第一項の住所に関する要件を具備しない選挙人は、基本選挙人名簿に登録されることができない。  4 基本選挙人名簿には、選挙人の氏名、住所、性別及び生年月日等を記載しなければならない。  5 第一項の住所に関する期間は、行政区画の変更があつても中断されることがない。  7 基本選挙人名簿は、市町村の区域を分けて数投票区を設けた場合には、その投票区ごとに調製しなければならない。   (船員の基本選挙人名簿登録の特例)  第二十八 船員(船員法(昭和二十二年法律第百号)第一條規定するものをいう。以下同じ。)で前條第一項に規定する住所に関する要件を具備しないものについては、毎年九月十五日現在により、その日まで引き続き三箇月以来その船舶所有者に雇用されている場合に限り、同條第三項の規定にかかわらず、船員の雇用事務を取扱う船舶所在者の主たる事務所又はその他の事務所(何れも登記されたるものをいう。)の所在地の市町村において、その基本選挙人名簿に登録することができる。  2 船舶所有者は、前項の規定により基本選挙人名簿に登録されるべき船員について、その申出により船員名簿を作製し、毎年十月十日までに当該市町村選挙管理委員会に提出しなければならない。  3 前條第二項及び第四項の規定は、前項の船員名簿の作製について、準用する。  4 第一項及び第二項に規定する船舶所有者に関しては、船員法第五條の規定を準用する。  5 基本選挙人名簿のうち第一項の規定により登録された部分は衆議院議員及び参議院議員選挙に限り、その効力を有する。  6 前五項に規定するものの外、基本選挙人名簿に船員を登録する場合に関し必要な事項は、政令で定める。   (基本選挙人名簿の縱覽)  第二十九 市町村選挙管理委員会は、十一月五日から十五日間、市役所、町村役場又はその指定した場所において基本選挙人名簿を縱覽に供さなければならない。  2 市町村選挙管理委員会は、縱覽開始の日から少くとも三日前に、縱覽の場所を告示しなければならない。   (異議の申立)  第三十 選挙人は、基本選挙人名簿に脱漏又は誤載があると認めるときは、縱覽期間内に、文書で当該市町村選挙管理委員会異議の申立をすることができる。  2 市町村選挙管理委員会は、前項の申立を受けたときは、その申立を受けた日から二十日以内に、その申立が正当であるかどうかを決定しなければならない。その申立を正当であると決定したときは、直ちに基本選挙人名簿を修正し、その旨を申立人及び関係人に通知し、併せてこれを告示しなければならない。その申立を正当でないと決定したときは、直ちにその旨を申立人に通知しなければならない。   (不服の申立)  第三十一 前條第二項の規定による決定に不服がある申立人又は関係人は、当該市町村選挙管理委員会委員長を被告として、決定の通知を受けた日から七日以内に地方裁判所に出訴することができる。  2 前項の裁判所の判決に不服がある者は、控訴することはできないが、最高裁判所に上告することができる。   (選挙関係訴訟に対する法規適用の準用)  第三十二 第二百三十一の規定は、前條の訴訟について準用する。   (基本選挙人名簿の確定)  第三十三 基本選挙人名簿は、十二月二十日をもつて確定する。  2 基本選挙人名簿は、次年の十二月十九日まで据えおかなければならない。但し、確定判決により修正すべきものは、市町村選挙管理委員会において、直ちに修正し、その旨を告示しなければならない。   (補充選挙人名簿の調製)  第三十四 市町村選挙管理委員会は、選挙(第百二十九第一項の選挙を除く。)を行う場合において基本選挙人名簿又は補充選挙人名薄に登録されていない者で選挙権を有し、且つ、当該選挙の期日の現在によりその日まで引き続き三箇月以来その市町村の区域内に住所を有するものがあるときは、申請により、これらの者を登録する補充選挙人名薄を調製しなければならない。  2 引き続き三箇月以来市町村の区域内に住所を有していた者で天災事変等によりやむなく他の市町村に住所を移したもの又はその者若しくは海外引揚者で市町村の区域内に住所を有するに至つたがその期間がまだ三箇月に達しない者は第十三第二項の規定による申出により前項の補充選挙人名薄に登録することができる。  3 前二項の場合において、選挙権の要件は、補充選挙人名薄調整の期日により調査しなければならない、この場合において第十二及び第十三の規定による年齢は、選挙の期日により算定するものとする。  4 第二十七、第四項から第六項までの規定は、補充選挙人名薄の調製について準用する。  5 前項の規定により補充選挙人名薄を調製する場合には第三十五第三項の規定により告示したその登録の中請期間中基本選挙人名薄を縦覧に供しなければならない。   (補充選挙人名薄の縦覧)  第三十五 市町村選挙管理委員会は、補充選挙人名薄を調製したときは、その指定した場所において、これを縦覧に供さなければならない。  2 第二十九、第二項の規定は、補充選挙人名薄の縦覧の場所について準用する。  3 補充選挙人名薄の調製、縦覧、異議の決定及び確定に関する期日及び期間並びに申請の方法及び期間等は、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会が定め、予め告示しなければならない。   (補充選挙人名薄の整理)  第三十六 市町村選挙管理委員会は、毎年十二月二十日現在により補充選挙人名薄を整理して作製し直さなければならない。   (補充選挙人名薄の効力)  第三十七 補充選挙人名薄は、基本選挙人名薄が効力を有する間、効力を有する。  2 補充選挙人名薄に登録されていた者で、十二月二十日現在の基本選挙人名薄に登録されない者があるときは、その者に関する部分については、前項の規定にかかわらず、その効力を有する。   (選挙人名薄の再調製)  第三十八 天災事変その他の事故により必要があるときは、市町村選挙革理委員会は、更に選挙人名薄を調製しなければならない。  2 前項の選挙人名薄の調製の期日並びに縦覧確定に関する期日及び期間等は、命令で定める。   (補充選挙人名薄に対する異議、不服の申立等)  第三十九 第三十、第三十一及び第三十三第二項但書の規定は、補充選挙人名薄にについて準用する。
  100. 城義臣

    城義臣君 第二十七條第四項の記載事項に、性別の必要はどういうところにあるのですか。
  101. 寺光忠

    法制局参事寺光忠君) これは現行地方自治法の二十六條の五項に規定しているものでございます。地方自治法の場合においては、その規定を置いておりますので、それを全面的に取入れただけであります。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  102. 寺光忠

    法制局参事寺光忠君) 正誤が一ケ所でございますのでお改めを願いたいと思います。第三十四條の裏のページに入りまして第二行目でございますが、第九第三項とございますが、第十三第二項の誤まりでございます。
  103. 岡本愛祐

    ○岡本愛祐君 その第三十四條の第五項には閲覧とあるのですね、「閲覧に供しなければならない。」それからその次「補充選挙人名薄の縦覧」と書き分けてあるのですね、これは何か書き分ける必要があつたのか、間違つたのか、どちらですか。
  104. 寺光忠

    法制局参事寺光忠君) 別段に特にその理由はないと思いますが、字句の整理は後程又……。
  105. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) 委員長に御一任を願います。
  106. 城義臣

    城義臣君 一つお尋ねしますが、第三十條の異議の申立ですね、これは文書によるようにしてあるのですが、口頭ではいけないのですか。実際問題として困るのじやないですか。
  107. 寺光忠

    法制局参事寺光忠君) 一応かような異議の申立等につきましては、初めから一貫しまして文書によつてするように、今回はずつと文書でということを入れることにいたしておるのであります。
  108. 城義臣

    城義臣君 実際問題として困るのじやないですか。
  109. 木内四郎

    木内四郎君 口頭では……紙切れでもなければ困るよ。言つた言わないで争うようなことが起きる。
  110. 城義臣

    城義臣君 そういう場合があるけれども、実際は便宜を図る意味であるならば口頭でいいじやないのですか。
  111. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 文書でと入れる必要ない。
  112. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 第二十七條の三項ですが、これはどうしてこんな必要があるのですか、すでに選挙人の要件を欠格しているならば入れなくても当然なことである。「選挙人名薄に登録されることができない」、これは要らんことじやないですか。要件を欠いている者が名薄に登録されないのは当然のことである。住所に関する要性を具備しない者が選挙人たることができないのは当然なことである。
  113. 菊井三郎

    法制局参事(菊井三郎君) これは選挙権ということと、それから選挙権行使の要件というものが建前が違つておりますので、選挙権を持つていても登録されなければ結局選挙権の行使ができないというような関係選挙権はあつても住所に関する要件を具備した人でなければ登録されないということをまあ規定しただけのことで、そう深い意義はないのですが、その辺の関係をここに現わそうという意図が多少あるだろうと思いますが……。
  114. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 私はね。選挙人は選挙人たるの身分獲得については必要條件がある、その必要な條件を滿たしていることにおいて初めて選挙人である。選挙人にかたわの者があるわけはない。そんなことは住所の要件を、いわゆる選挙人の要件を具備しないということは全然選挙人たり得ないと思うんです。名薄に書かないのは当然なことだと思う。成るべくやはり法文は権威ある法文にしなければ、徒らにただ條文を述べる……立法府はそんなことをしてはいけないんだと思う。
  115. 鈴木直人

    鈴木直人君 それに関係するのですが、私は二十七の第一項を読んだだけですが、第三項の文字が含まれていないと思うんです。市町村選挙管理委員会に対する義務を第一項で掲げておるのですが、これだけによつて選挙人名薄に登録されることができないのだということは出て来ないのであつて、結局選挙人の立場から立つた場合には第三項が必要なのであつて、ただ便宜的に第一項の住所に関する要件を具備しないということを便宜的に書いたのであつて、これは第一項の住所に関する要件ということは言わないで、毎年九月十五日現在により云々と書くのが本当であるが、はつきりするために第一項の住所というものはここに持つて来たに過ぎない。從つて選挙人の名薄登録の権利義務があるということを第三項に規定してあるのであつて、むしろこれが基本的なものだ、こう思うのです。
  116. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 第三章において選挙権及び被選挙権については明確にここに要件を書いておる。その要件を備えられることは当然で、ここにそうした成立條件を、欠格している者を名薄に登録しないことは当然過ぎることだと思う。
  117. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) お諮りいたします。鬼丸君から御意見が出ましたが、原案賛成を多数と認めるのであります。別に御異議ございませんければ……。
  118. 城義臣

    城義臣君 私はさつき「文書」というものを除いちやいかんですかということを……三十條です。誤載又脱漏があつたというのはこれは選挙人の責任ではない。違つておるのを違つておると申し出た場合には当然直して然るべきじやないか。必ずしも「文書」ということは要らんのではないか。
  119. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) 文書又は口頭とやつたらどうかと思います。
  120. 木内四郎

    木内四郎君 書く必要はない。文書又は口頭でというなことは默つていても……併しそれは後でその不服の申立ができるという場合に整理に困るし、証拠が残つていないと裁判に出すときには困るんですよ。
  121. 城義臣

    城義臣君 深く考えるとそうだけれども、実際は大体脱漏があつたり、誤載があつた場合には口頭で済むんだな。    〔「進行」、「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  122. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 文書又は口頭でと決まつたのですね。
  123. 木内四郎

    木内四郎君 書かないで置けばいいよ。
  124. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 親切だよ、その方が……。書いて来いなんというのは人民をいじめるからね。
  125. 鈴木直人

    鈴木直人君 私は疑問と思うことがあるんですが、これは間違つておるんじやないですか。二十五なんですがね。市町村長じやないかと思うんですがね。第二十五の第三項なんですがね。市町村議会議員市町村長だと思うのですがね。市長と書いてあるのですがね。町村長のことが書いてないので、よく研究したのですが、これは町村長というものが抜けているのじやないかと思うのですが、どうですか。
  126. 寺光忠

    法制局参事寺光忠君) それは、町村については、町村長の選挙については数開票区を設けないということになります。
  127. 鈴木直人

    鈴木直人君 設けることはできないのですか。
  128. 寺光忠

    法制局参事寺光忠君) 地域が狭いから……。
  129. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) それでは第六章。    〔菊井法制局参事朗読〕    第六章 選挙期日   (総選挙)  第四十 衆議院議員任期滿了による総選挙は、議員任期が終る日の前三十日以内に行う。  2 前項規定により総選挙を行うべき期間が国会閉会の日から三十日以内にかかる場合においては、その総選挙は、国会閉会の日から三十一日以後三十五日以内に行う。  3 前二項の総選挙及び衆議院の解散による総選挙の期日は、少くとも三十日前に公示しなければならない。  4 衆議院議員任期満了による総選挙の期日の公務がなされた後その期日前に衆議院が解散されたときは、任期満了による総選挙の期日の公示は、その効力を失う。   (通常選挙)  第四十一 参議院議員の通常選挙は、議員任期が終る日の前三十日以内に行う。  2 前項の規定により通常選挙を行うべき期間が国会開会中又は国会閉会の日から三十日以内にかかる場合においては、通常選挙は、国会閉会の日から三十一日以後三十五日以内に行う。  3 前項の規定参議院の緊急集会の場合に準用する。  4 通常選挙の期日は、少くとも三十日前に公示しなければならない。   (地方公共団体議会議員及び長の一般選挙)  第四十二 地方公共団体議会議員又は長の任期滿了による一般選挙は、その任期が終る日の前三十日以内に行う。  2 前項の規定により一般選挙を行うべき期間が地方公共団体議会の閉会の日から三十日以内にかかる場合においては、その一般選挙は、地方公共団体議会の閉会の日から三十一日以後三十五日以内に行う。  3 地方公共団体議会の解散による一般選挙は、解散の日から四十日以内に行う。  4 前三項の選挙の期日は、都道府県議会議員及び長の選挙にあつては少くとも三十日前に、市町村議会議員及び長の選挙にあつては、少くとも二十日前に告示しなければならない。  5 地方公共団体議会議員任期満了による一般選挙の期日の告示がなされた後その期日前に当該地方公共団体議会が解散されたときは、任期滿了による一般選挙の告示は、その効力を失う。   (教育委員会委員の定例選挙)  第四十三 教育委員会委員の定例選挙は、二年ごとに、選挙による委員定数の半数について行う。  2 教育委員会委員任期満了による定例選挙は、前條第一項及び第四項の規定を準用する。   (その他の選挙)  第四十四 第十二章に規定する再選挙、補欠選挙(第百二十二の選挙を含む。)父は一般選挙は、これを行うべき事由が生じた日から四十日以内に行う。  2 前項に掲げる選挙のうち、第百十六、第百十七又は第百二十一の規定による衆議院議員参議院全国選出議員参議院地方選出議員地方公共団体議会議員若しくは教育委員会委員の再選挙又は補欠選挙は、その選挙を行うべき事由が当該議員任期が終る前六箇月以内に生じたときは行わない。但し、地方公共団体議会議員の再選挙又は補欠選挙については、議員の数がその定数の三分の二に達しなくなつたときは、この限りでない。  3 第一項に掲げる選挙は、衆議院議員参議院全国選出議員及び参議院地方選出議員の場合にあつては、その選挙を必要とするに至つた選挙についての第二百十八又は第二百二十二の規定による訴訟の出訴期間若しくは訴訟が裁判所に係属している間、地方公共団体議会議員及び長並びに教育委員会委員の場合にあつては、その選挙を必要とするに至つた選挙についての第二百十六第一項若しくは第三項、第二百十七、第二百二十又は第二百二十一の規定による異議の申立期間、訴願の提起期間若しくは訴訟の出訴期間、異議の決定若しくは訴願の裁決が確定しない間又は訴訟が裁判所に係属している間は、行うことができない。  4 第一項の期間は、その選挙を必要とするに至つた選挙につき第二百十七、第二百十八、第二百二十一又は第二百二十二の規定による訴訟の提起があつた場合においては、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会が第二百三十二第二項の規定により訴訟が係属しなくなつた旨の通知を受けた日から起算、第百十六第五号に掲げる事由による再選挙については、第二百三十二第二項の規定による通知を受けた日から、第百十六第六号に掲げる事由による再選挙については、第二百六十六の規定による通知を受けた日から起算する。  5 第一項の期間は、同項の補欠選挙については、前項の規定適用がある場合を除く外、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会が最後に第百十九第一項の規定による通知又は国会法(昭和二十二年法第七十九号)第百十條の規定による通知(参議院全国選出議員の場合に限る。)を受けた日から起算する。  6 第一項の選挙の期日は、特別の定があるものを除く外、衆議院議員参議院地方選出議員都道府県議会議員及び長並びに都道府県教育委員会委員選挙にあつては、少くとも三十日前に、市町村議会議員及び長並びに地方教育委員会委員選挙にあつては少くとも二十日前に告示しなければならない。    〔選挙の同時施行決定までの市町村選挙の施行停止〕  第四十五 前二條に規定する選挙のうち市町村議会議員、長又は地方教育委員会委員選挙は、第百三十二第二項の規定による通知があるまでの間は、これを行うことができない。但し、同項の期間内に通知がないときは、この限りでない。
  130. 小串清一

    小串清一君 教育委員会委員の半数は七人、五人ですから、三人半とか二人半とかいうことになりましよう。
  131. 寺光忠

    法制局参事寺光忠君) それはうち一名は当該公共団体の議会議員のうちから選任することになつておりますから、それは除かれております。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ちよつと説明いたします。第四十條衆議院議員任期滿了による総選挙は、現行法においては任期滿了の翌日になつております。これを参議院議員選挙の場合は、議員任期が終る日の前三十日以内に行うということに改めました。それは衆議院案の通りであります。第二項の前項の規定により総選挙を行うべき期間は現行法においては国会開会又は国会閉会の日からになつておりましたが、これを国会開会中という言葉を入れますことはそれが国会の任期滿了による最終日が国会閉会の日と重複いたします場合の外は殆んど意味がないということが言われますので、国会開会中でなくとも解釈が付くということ、及び参議院議員選挙の場合の国会開会中、又は国会閉会の日ということとの対照上のことからいたしまして、むしろない方が誤解を生まないのではないかという考え方から、一応現行法と違いますけれども国会開会中という文字を削除いたしました。  第四十一條参議院議員選挙につきましては現行法は「参議院開会中又は参議院閉会の日から」とございますが、それは参議院の開会、参議院の閉会ということによつて、その当時の政府の見解としては緊急集会を含める意味において国会という言葉参議院というふうに改むべきであるというような説明がいたしておるのでございますが、併しながらここでは国会開会中又は国会閉会中というふうにいたしまして、そうして第三項で緊急集会の場合の準用規定を置いたのでございます。  それから第四十三條の教育委員の定例選挙につきましては、衆議院案におきましては、これを任期滿了の翌日というふうにいたしております。その四十三條の仮案の方の規定はこの現行法規定によつたのであります。以上説明申上げました。
  132. 大野幸一

    ○大野幸一君 この参議院の通常選挙の場合ですが、これは両院法規委員会でしばしば論議されて正式な勧告として両院に勧告されているのでありますが、それは一体議員任期中に次の議員選挙になるようなことが当時調べた各国の例であつて、例えば来年の五月三年議員の人が資格を失つてしまつてから、それからやるというようなことは例外である。なぜならば期間が確定できてそのときには参議院は半数に達しないという奇現象を呈する。こういう場合それまでに選挙を行うように選挙法を第二項を改めるべきであると言つて、今記憶しておりませんが、その案文までも作つて勧告しておるのであります。当時両院法規委員が一致して賛成を得てしてあるのであつて、これが今原案によりますと旧法と別に字句を改めただけで、国会というのは改めただけで同じであるが、この点についてはもう一応皆さんが素通りしないで、いずれの機会か御審議願いたいと思います。
  133. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 今の大野委員の御意見賛成です。
  134. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) 大野君の意見は原案を通すと認めまして議事を進めます。第七章。ちよつと速記を止めて。    〔速記中止
  135. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) 速記を始めて。
  136. 鈴木直人

    鈴木直人君 先程両院法規委員会から勧告があつて、多くの委員から御発言がありましたが、その内容を岡本君が持つておられるようですから一応読んで頂いて、それによつて検討して見たいと思います。
  137. 岡本愛祐

    ○岡本愛祐君 両院法規委員会が勧告第四号としてこういう勧告が四月に出ておるのであります。  「国会法の一部を改正する法律、国会法の一部を次のように改正する。第二條但書を次のように改める。   但し、その会期中に議員任期が満限に達しないように、且つ、参議院議員の通常選挙が、改選されるべき議員任期満限前に行われるように召集しなければならない。この場合には、十二月より前に、これを召集することができる。」こういう改正をするようにという勧告が出ておるのであります。その要旨を読んで見ます。  「参議院議員の半数の任期が満了する場合において、その時期までに通常選挙が行われないで議員の半数が欠如する結果を生ずることは望ましくない。よつて参議院議員の通常選挙が、改選されるべき議員任期満了前に施行され得るようにするため、国会法中常会の召集に関する規定改正すると共に、会期の延長についても特別の考慮が拂われるように措置されたい。」こういうわけであります。
  138. 鈴木直人

    鈴木直人君 この問題についてはこの特別選挙法案に対する特別委員員ができる前において、地方行政委員会においても、選挙法について検討した見たときに相当の議論があつたわけであります。併しながら今のように改正いたしましても、そのときの政治情勢によりましてはどこまでも会期が延長されるようなことがございまして、実際の状態としてはきちつとそこで終るということは考えられん場合があり得る。それよりも前の案によると、とにかく国会が閉会したときから三十一日以後三十五日以内というふうにした方が実情に合うのではないか。勿論第一回の選挙、第二回の選挙においてはいろいろ支障がありますけれども、いろいろ検討の結果原案の方がいいだろうという実は結論に達しておつたのでありますが、私も原案の方がいいという意見を持つております。
  139. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 只今の点についてですが、両院法規委員会がそういう結論に到達された一等主な理由は、参議院の半数の議員しか持たない場合が生ずると、それが非常に困るということになりますが、私もその点はたとえ今回及び次回と二回だけであつても、現在非常に重大な時期に、参議院が半数の議員しか現在議員を持たないという事態が生ずることは非常に問題だろうと思うのであります。從つて直ちにここで決定されないで、その点について十分研究して頂いた方がいいのではないかと思います。
  140. 木内四郎

    木内四郎君 只今羽仁委員からの御説、御尤もな点もありますけれども、先程鈴木委員からもお話があつたように、国会の開会を制限し得ない限りは、仮に両院法規委員会の勧告を入れましても、この原案に第二項のような規定がなければ重大な支障を来す虞れがありますので、私は原案に賛成いたします。
  141. 小串清一

    小串清一君 私も木内君の意見賛成いたします。そうして衆議院の方も解散によらなくて任期満了で三十日の空日を生ずる。これはまあそういう特別の場合は止むを得ないので、議員が銘々の良心によつて議事を早く進めてこれに触れないようにするより途がないのですから、たとえ勧告があつても不可能なことだと思いますから、私はやはり原案に賛成して置きます。
  142. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 只今小串委員議員の方がそういう努力をするということで主張されておるが、議員の方がそういう努力をしても政府の方がそういう努力をしない場合には、やはりそういう不都合な事態が発生すると思うので、まだ研究して頂く必要があるのじやないかと思うのです。
  143. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) 委員長で今の法規委員会の勧告と原案とにつきまして原案賛成を多数と認め、それからそれは研究は続けるという意味議事を進めたいと思いますが……。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  144. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) 第七章。
  145. 寺光忠

    法制局参事寺光忠君) 只今お手許にお配りいたしました厚い仮案と申しますのがこれが仮案の全部でございます。第一章から全部ございます。そうしてこれが只今まで誤謬及び印刷誤まり等に手を入れられるだけ入れたものでございます。そういう意味で、新らしい意味によつて審議願いたいと存じます。
  146. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) 新らしい、今お上げした方の第七章。    〔菊井法制局参事朗読〕    第七章 投票   (選挙方法)  第四十六 選挙は、投票により行う。(一人一票)  第四十七 投票は、各選挙につき、一人一票に限る。   (投票管理者)  第四十八 各選挙ごとに、各投票区に投票管理者を置く。  2 投票管理者は、当該選挙選挙権を有する者の中から市町村選挙管理委員会の選任した者をもつて、これに充てる。  3 参議院全国選出議員選挙参議院地方選出議員選挙を同時に行う場合においては、市町村選挙管理委員会参議院全国選出議員投票管理者を同時に参議院地方選出議員投票管理者とすることができる。  4 投票管理は、投票に関する事務を担任する。  5 投票管理者は、当該選挙選挙権を有しなくなつたときは、その職を失う。   (投票立会人)  第四十九 公職の候補者は、当該選挙の各投票区における選参人名簿に登録された者の中から、本人の承諾を得て、投票立会人となるべき者一人を定め、その選挙の期日前三日までに、投票管理者に届け出ることができる。但し同一人を届け出ることを妨げない。  2 前項の規定により届出のあつた者(公職の候補者が死亡し又は公職の候補者たることを辞したときは、その届出に係る者を除く。以下同じ。)が十人を超えないときは、直ちにその者をもつて投票立会人とし、十人を超えるときは、届出のあつた者において投票立会人十人を互選しなければならない。  3 前項の規定による互選は、投票により行い、得票の最多数の者をもつて投票立会人とする。得票の数が同じであるときは、投票管理者がくじで定める。  4 同一の政党その他の団体に属する公職の候補者の届出にかかる者は、一の投票区において三人以上投票立会人となることができない。  5 第一項の規定により届出のあつた者で同一の政党その他の団体に属する公職の候補者の届出にかかるものが三人以上あるときは、第二項及び第三項の規定にかかわらず、届出により直ちに投票立会人を定め得る場合にあつてはその者の中で投票管理者がくじで定めた者二人、互選により投票立会人を定めるべき場合にあつては、得票最多数の者二人(二人を定めるに当たり得票数が同じであるときは、投票管理者がくじで定めた者)以外の者は、投票立会人となることができない。  6 第二項、第三項又は前項の規定により投票立会人が定まつた後、同一の政党その他の団体に属する公職の候補者の届出に係る投票立会人が三人以上となつたときは、投票管理者がくじで定めた者二人以外の者は、その職を失う。  7 第二項の規定による互選又は第五項の規定によるくじは、選挙の期日前二日に行う。  8 第二項の規定による互選又は第五項若しくは第六項の規定によるくじを行うべき場所及び日時は、投票管理者において、予め告示しなければならない。  9 公職の候補者が死亡し又は公職の候補者たることを辞したときは、その届出に係る投票立会人は、その職を失う。  10 第二項の規定による投票立会人が三人に達しないとき若しくは三人に達しなくなつたとき又は投票立会人で参会する者が投票所を開くべき時刻になつても三人に達しないとき若しくはその後三人に達しなくなつたときは、投票管理者は、その投票区における選挙人名簿に登録された者の中から三人に達するまでの投票立会人を選任し、直ちにこれを本人の通知し、投票に立会わしめなければならない。但し、第二項の規定による投票立会人を届け出た公職の候補者の属し又は投票管理者の選任した投票立会人の属する政党その他の団体と同一の政党その他の団体に属する者を当該公職の候補者の届出にかかる投票立会人又は投票管理者の選任に係る投票立会人と通じて三人以上選任することができない。  11 当該選挙の公職の候補者は、投票立会人となることができない。  12 投票立会人は、正当の理由がなければ、その職を辞することができない。   (投票所)  第五十 投票所は、市役所、町村役場又は投票管理者の指定した場所に設ける。   (投票所の開閉時間)  第五十一 投票所は、午前七時に開き午後六時に閉じる。   (投票所の告示)  第五十二 投票管理者は、選挙の期日から少くとも五日前に、投票所を告示しなければならない。  2 天災その他避けることのできない事故により前項の規定により告示した投票所を変更したときは、選挙の当日を除く外、投票管理者は、前項の規定にかかわらず、直ちにその旨を告示しなければならない。   (選挙人名簿の登録と投票)  第五十三 選挙人名簿に登録されていない者は、投票をすることができない。但し、選挙人名簿に登録されるべき旨の決定通知書又は確定判決書を持つて選挙の当日投票所に来た者があるときは、投票管理者は、その者に投票をさせなければならない。  2 選挙人名簿に登録された者であつても、選挙人名簿に登録されることができない者であるときは、投票をすることができない。   (選挙当日選挙権のない者の投票)  第五十四 選挙の当日、選挙権を有しない者は、投票をすることができない。   (投票所においての投票)  第五十五 選挙人は、選挙の当日、自ら投票所に行き、選挙人名簿又はその抄本の対照を経て、投票をしなければならない。   (投票用紙の交付及び樣式)  第五十六 投票用紙は、選挙の当日、投票所において選挙人に交付しなければならない。  2 投票用紙の樣式は、衆議院議員参議院全国選出議員及び参議院地方選出議員選挙については全国選挙管理委員会が定め、地方公共団体議会議員及び長並びに教育委員会委員選挙については当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会が定める。   (投票の記載事項及び投函)  第五十七 選挙人は、投票所において、投票用紙に自ら当該選挙の公職の候補者一人の氏名を記載して、これを投票箱に入れなければならない。  2 投票用紙には、選挙人の氏名を記載してはならない。   (点字投票)  第五十八 投票に関する記載については、政令で定める点字は文字とみなす。   (代理投票)  第五十九 身体の故障又は文盲に因り、自ら当該選挙の公職の候補者の氏名を記載することができない選挙人は、第五十七第一項及び第七十九の規定にかかわらず、投票管理者に申請し、投票管理者が投票立会人の意見を聽いて選任する者をしてその候補者一人の氏名を記載させ、投票箱に入れさせることができる。  2 前項の場合において必要な事項は、政令で定める。   (不在者投票)  第六十 選挙人で左の掲げる事由により、選挙の当日自ら投票所に行き投票をすることができない旨を証明する者の投票については、第五十三第一項但書、第五十五、第五十六第一項、第五十七第一項及び第六十一の規定にかかわらず、政令で特別の規定を設けることができる。   一 選挙人がその属する投票区の在る都市の区域外(選挙関係のある職務に從事する者にあつてはその属する投票区の区域外)において職務又は業務に從事中であるべきこと。   二 前号に掲げる者を除く外、選挙人がやむを得ない用務又は事故のためその属する投票区の在る都市の区域外に旅行中又は滞在中であるべきこと。   三 前号に掲げる者を除く外、選挙人が疾病、負傷、妊娠若しくは不具のため又は産じよくにあるため歩行が著しく困難であるべきこと。   (選挙人の確認及び投票の拒否)  第六十一 投票管理者は、投票をしようとする選挙人が本人であるかどうかを確認することができないときは、その本人である旨を宣言させなければならない。その宣言をしない者は、投票をすることができない。  2 投票の拒否は、投票立会人の意見を聽き、投票管理者がこれを決定しなければならない。  3 前項の決定を受けた選挙人において不服があるときは、投票管理者は、仮に投票をさせなければならない。  4 前項の投票は、選挙人をしてこれを封筒に入れて封をし、表面に自らその氏名を記載して投票箱に入れさせなければならない。  5 投票立会人において異議のある選挙人についても、また前二項と同様とする。   (退出せしめられた者の投票)  第六十二 第七十一の規定により投票所外に退出せしめられた者は、最後になつて投票することができる。但し、投票管理者は、投票所の秩序をみだす虞がないと認める場合においては、何時でも投票させることができる。   (投票の秘密保持)  第六十三 何人も、選挙人の投票した被選挙人の氏名を陳述する業務はない。   (投票箱の閉鎖)  第六十四 投票所を閉じるべき時刻になつたときは、投票管理者は、その旨を告げて、投票所の入口を鎖し、投票所にある選挙人の投票の結了するのを待つて投票箱を閉鎖しなければならない。  2 何人も、投票箱の閉鎖後は、投票をすることができない。   (投票録の作成)  第六十五 投票管理者は、投票録を作り、投票に関する次第を記載し、投票立会人とともにこれに署名しなければならない。   (投票箱等の送致)  第六十六 投票管理者が、同時に当該選挙の開票管理者である場合を除く外、投票管理者は、一人又は数人の投票立会人とともに、投票の当日、その投票箱、投票録及び選挙人名簿又はその抄本を開票管理者に送致しなければならない。   (繰上投票)  第六十七 島その他交通不便の地について、投票の当日に投票箱を送致することができない情況があると認めるときは、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会は、適宜にその投票の期日を定め、開票の期日までにその投票箱、投票録及び選挙人名簿又はその抄本を送致させることができる。   (繰延投票)  第六十八 天災その他避けることができない事故により投票を行うことができないとき又は更に投票を行う必要があるときは、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会は、更に期日を定めて投票を行わせなければならない。但し、その期日は、当該選挙管理委員会において、少くとも五日前に告示しなければならない。  2 衆議院議員参議院全国選出議員参議院地方選出議員都道府県議会議員及び長並びに都道府県教育委員会委員選挙について第一項に規定する事由を生じた場合においては、市町村選挙管理委員会は、都道府県選挙管理委員会にその旨を届け出なければならない。   (投票所に出入し得る者)  第六十九 選挙人、投票所の事務に從事する者、投票所を監視する職権を有する者並びに当該警察官及び警察吏員でなければ、投票所に入ることができない。   (投票所の秩序保持のための処分の請求)  第七十 投票管理者は、投票所の秩序を保持し、必要があると認めるときは、当該警察官又は警察吏員の処分を請求することができる。   (投票所における秩序保持)  第七十一 投票所において演説討論をし若しくはけん騒にわたり又は投票に関し協議若しくは勧誘をし、その他投票所の秩序をみだす者があるときは、投票管理者は、これを制止し、命に從わないときは投票所外に退出せしめることができる。
  147. 寺光忠

    法制局参事寺光忠君) 第七章の投票は大体現行法從つて規定したものでございますが、第四十九の投票立会人に関しまして、届出主義を採用することにいたしております。衆議院の要綱案はこの投票立会委員に関してだけ職権選任の制度にいたしております。  それから第五十九條でございます。第五十九條は「身体の故障又は文盲に因り」というので、あとの「文盲に因り」という言葉を入れましたことによつて從来固く守られておりました自筆主義を捨てたのでございます。前段の身体の故障に因りというのは、衆議院議員選挙法の二十七の二というのに規定がございますのですが、新たに「文盲に因り」ということを入れたのでございまして、これは衆議院の要綱案と同様でございます。その他申上げることはございません。
  148. 鈴木直人

    鈴木直人君 この投票立会人については、私は最初から実際上職権選任主義の方が便宜である。そうしてそうやつたことによつて投票意義乃至精神が傷付けられるようなことはないというふうに考えまして、主張して参つておるのでございまするが、この規定によりましても、相当の手続が必要でございまして、第八項、或いは第十項なんかもやらなければならないのでありますし、そういうようなことで、むしろ私は職権選任主義の方がいいのではないかということを今も考えておるものでありまするが、皆さんの御意見を承つて見たいと思います。  次に第五十一でありますが、「投票所は午前七時に開き午後六時に閉じる」というふうに規定することは、この前私も申上げたのでありまするが、春夏秋冬によりまして相当時間が違う。午前七時と言いましても、暗い時もありますし、又場所或いは春夏秋冬によつては非常に明るい時がある。午後六時におきましてもそういうような時があります。そういうようなことがありますために、これは画一的にこうやらないで、各都道府県選挙管理委員会に任せるとか、或いは何らかの方法をした方がいいのではないかということを主張しておりましたのでありますが、これはこのままに規定しておるのですが、この点について何らかの融通がきけるような方がいいのじやないかと、こう考えるのでありまして、御意見を伺いたいと思います。
  149. 城義臣

    城義臣君 私は今鈴木君によつて指摘された点は、二点ながら私も同感であります。賛成いたします。
  150. 岡本愛祐

    ○岡本愛祐君 私も鈴木君の説に賛成であります。
  151. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 私も賛成ですが、時間を限定することが結局日出前とか、日沒後とかいうことがいけないということになるのですね。その趣旨で時間を限定するの要がある。日出前、或いは日沒後はいけないとか。
  152. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) この歴史をちよつと委員長からも申しますが、今鈴木君のような意見が以前出たことがありますけれども、各県に任せますと、東京と横浜が時間が違つたときに隣同士の人もあるというので、夏冬の関係で、少し不便ではあろうけれども、画一した方がいいじやないかという意見も一方又有力であつたのであります。
  153. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 立会人の問題でありますが、前の小委員会でありましたが、鈴木さんの職権で決めるというのでなくして、やはり届出を原則とするということが民主的であるというので、それが多数で決まつたように大体了解いたしておるのでありますが、丁度今来る途中で先般配付されました問題になつておりますオーストラリアの選挙法の問題を読んで見ますと、やはり任意主義で届出主義をとつておりますし、やはり届出主義を原則に置くことがいいじやないかと思われます。
  154. 岡本愛祐

    ○岡本愛祐君 吉川さんのは開票立会人じやないですか。
  155. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 やはり両方とも入つておりますね。
  156. 岡本愛祐

    ○岡本愛祐君 この前委員会で早急に進んだ関係で余りよく議論されないで議案賛成ということで行つてしまつた。今日説明を聞きますと、衆議院の方ではこの問題について届出主義を改めて、職権主義にしようと、こう言つておるのですから、私はこの点は讓つてもいい、私はその方が実はいい、こういうふうに思つております。
  157. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) 私から申上げますが、それは届出主義にしても、選挙は大方投票所が多いので出ないだろう。そうすれば結局職権で行くのだから届出主義でやつて置いたならば、届出と職権と丁度併用して行くことになる。職権にすればそれ一色になるのだからという意見も非常に多数の意見であつたので、実際問題として届出とすれば併用になるから、届出の方がいいじやないかという方が多数であることを申上げて置きます。
  158. 鈴木直人

    鈴木直人君 それに関連しまして、四十九條を見ますと、届出主義をやるために第八項のごときは場所或いは日時等を告示をしなければならんというようなことができたり、第十項のごときは、当日に三人来なかつた者は別に選任をして、そうしてどうしなければならんというようなことができたり、要するに届出主義を採るために、事実上届出がないのに、それを期待して選挙管理委員会がどこまでも手続をしていなければならない。ところが参議院の全国選挙の例をとれば、五百ぐらい、全国に千近くの投票管理者があるのだから、そんなに沢山の人を立会人に出すということは不可能だ。全国を通じて何千という、何万というところの投票所があるのだから、それに全部立会人を出すということは困難な状態にある。であるからそういうようなことを期待することによつてどこの選挙管理委員会においても無駄な手続をするということは、選挙の管理下に合わないだろう。精神としてどこまでも届出主義でやることは、これは民主化であるけれども、そうすることによつて民主化ということが失われるということはないとこう考えるために、私は質疑をしたわけであります。
  159. 大野幸一

    ○大野幸一君 私は届出主義から届出をしなかつた場合に、職権主義に来るのだからという折哀説が多数あつたと記憶しております。    〔「その通り」と呼ぶ者あり〕
  160. 木内四郎

    木内四郎君 私は職権主義に賛成です。
  161. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) 原案と原案修正の二つ意見でありますが、職権主義に修正するということに御賛成の方は手を挙げて下さい……、修正の賛成の方は挙手を願います。    〔挙手者多数〕
  162. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) 修正。
  163. 大野幸一

    ○大野幸一君 五十七ですね。「選挙人は、投票所において、投票用紙に自ら当該選挙の候補者一人の氏名を記載して、これを投票箱に入れなければならない。」というこの一項と、四十七の「投票は、各選挙につき、一人一票に限る。」、ここで問題になるのは、これは全国選出議員地方選出議員と、これは区別して別の建前ですから、こういうふうになりましたのですか。このままではこれを通すと、よくこの頃珍しい議論ですが、参議院のときには全国に入れる者は地方に入れられない、地方に入れる者は全国に入れられないと、こういうようなこともあると聞いておりますから、そこでこれは全国を一票入れ、地方選出を一票入れるということははつきりして置かないと逆の解釈になる、こういうことです。この字句の整理を一つお願いしたい。
  164. 寺光忠

    法制局参事寺光忠君) 只今の大野さんの御意見のようなことがありまして、字句は原案者の方は二つに分けたのでございますが、一本にいたしますことによりまして、直ぐに影響いたしますのは第四十七の「投票は、各選挙につき、一人一票に限る。」ということの但書を置かなければならないのであります。但書を置きまして「但し参議院議員選挙については地方選出議員及び全国選出議員ごとに一人一票とする。」と、こういう但書を置くことによつて後をカバーして行く、こういうことになると思います。
  165. 大野幸一

    ○大野幸一君 それから五十七の方。
  166. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 それは但書の形式でなく、本文の中に入れる形で、あなたの方で十分研究して、前の二つ一つにしたのと牴触しないように、その辺はお任せしますから……。
  167. 大野幸一

    ○大野幸一君 同時に五十七條の「投票用紙に自ら当該選挙の候補者一人の氏名を記載して、これを投票箱に入れなければならない。」この候補者一人の氏名を……。
  168. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 その他いろいろ後にも起つて来るか知れないが、そこは表現は但書を入れないとまずいと思いますから……。
  169. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) 五十七はこれはいいのだ、投票用紙は二枚あるのだから。
  170. 大畠農夫雄

    大畠農夫雄君 第五十九ですが、「文盲」の文字に入れたために、結局代理筆者を認めるということになつておる。五十九條の後段の方に「選任する者をして」と言えば、その場合これは字が見えない人に一人の選任された者が代筆するということは危險なんです。これは二人以上ということを入れなければいかんと思いますが、「選任する二人以上の者をして」こういうようにしないと危險がある。
  171. 小串清一

    小串清一君 二人でも共謀者の場合があれば同じだよ。やはり管理者が正しい、そういうごまかしをしない人を選ぶということにしないといけないのじやないか。
  172. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 六十一條ですが、六十一條の二行目の「その本人である旨を宣言させなければならない。」というのですがね。宣言ということはどういうことですか、ただ自分だということですか。
  173. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) そうです。
  174. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 それでは誓言ですか、宣言ですか。ただ自分だということを言えばいいのですか。
  175. 寺光忠

    法制局参事寺光忠君) 自分だということを言えばいいのです。
  176. 北條秀一

    北條秀一君 六十一の3の「仮に投票をさせなければならない。」と書いてありますが、仮に投票の処置は後にどこに出て来るのですか。
  177. 寺光忠

    法制局参事寺光忠君) 開票の際出て参ります。
  178. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) 原案賛成多数と認めまして、この項を認めて、決めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  179. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 四十七の方は読んで直ぐ分るようにやつて頂きたい。
  180. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) お諮りいたしますが、戻るのでありますが、第三章のさつき一六懲役のあの文章を分り易くするという、あの二、三は私みたような素人は分らんのでありますが、このために分り易くするようにお任せを頂いた恰好の問題でありますが、大畠君は選挙犯罪で執行猶了になつた者も、普通の者もいいじやないかということで、木内君の賛成意見もあつたのですが、これはもう一度お諮りいたしますが、選挙犯罪により執行猶予になつた者も、普通の犯罪によつて執行猶店になつた者も同じと見まして、両方とも選挙権を與えるという意見もあつたものでありますから、これを一つお諮りいたしたいと思うのですが……。
  181. 大野幸一

    ○大野幸一君 これは從来までは選挙犯の者は選挙権がなかつたわけです。そこで情状によつて裁判所は裁判と共に選挙権、被選挙権を停止さすということをやられたのです。今は選挙というものは比較的刑は軽いのです。刑は軽いのですが、併し選挙に関しては制裁を強くしろという意味で、選挙権をなくしていたわけです。そういう意味から行きますと、選挙犯という重大なることをなした者は、せめて選挙というものに対しては制裁を重くするという一つ方法がありまして、從来もこれをやつていたのですが、そこで選挙というものを軽く見るか、重く見るかというと、こういうことになると、やはり重く見るというならば、從来のがあながち非難できないと思うので、ここで原案がこういうふうにできたのだろうと思いますから、原案も相当有力だということを見ております。
  182. 小串清一

    小串清一君 同感であります。選挙犯罪で猶予中の者で……。
  183. 岡本愛祐

    ○岡本愛祐君 賛成です。
  184. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) それでは從来……原案通りで、実際は分り易く委任された通りにやります。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  185. 北條秀一

    北條秀一君 第七章は、全体に原案に賛成ということでありましたが、第四十九の届出主義は職権主義に変るということは確認されたわけですね。
  186. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) そうです。
  187. 大畠農夫雄

    大畠農夫雄君 第四十六ですが、「選挙は、投票により行う。」とあるが、選挙は無記名ということを一つ入れて頂きたい。無記名ということを書いてない。
  188. 寺光忠

    法制局参事寺光忠君) 五十七の二項にあります。
  189. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) 今日はこれを以て閉会いたします。    午後四時二十三分散会  出席者は左の通り。    委員長     柏木 庫治君    理事            大野 幸一君            小串 清一君            木内 四郎君            鈴木 直人君    委員            吉川末次郎君            大畠農夫雄君            城  義臣君            岡本 愛祐君            島村 軍次君            宿谷 榮一君            北條 秀一君            羽仁 五郎君   法制局側    参     事    (第二部長)  寺光  忠君    参     事    (第二部第一課    長)      菊井 三郎君