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1949-08-05 第5回国会 参議院 選挙法改正に関する特別委員会 閉会後第13号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年八月五日(金曜日)    午前十時三十六分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○選挙法改正に関する調査の件   —————————————
  2. 柏木庫治

    ○委員長(柏木庫治君) 只今から開会いたします。電波廳の方と放送局の方がお見え下すつておりますから、このことについて菊井君に紹介をして頂きます。
  3. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) 昨日放送に関しまして、地方選出及び全國選出共政見放送経歴放送回数を増加するという点につきましていろいろ問題になつたのでありますが、運営技術的な面からいたしまして、この放送が如何なる程度まででき得る余地があるかどうかというような点につきまして、日本放送協会並びに電波廳からそれぞれ係の方がお見えになつておりますので、いろいろ細かな点につきまして御質疑頂いたら結構ではないかと思いますが、さような点につきましていろいろ御質疑願いたいと思います。
  4. 北條秀一

    北條秀一君 放送局の方にお伺いしますが、第一は各府縣放送局があると思いますが、ない所があるかどうか、その点と、それからもう一つは一昨年の総選挙の際に候補者政見放送をしたのですが、そのときの経驗に基いて、特にこういう点を直して頂きたい、技術上からこういう点を直して頂きたいとか、こういう点はこういうふうにして貰いたいというような希望がありましたら、それを適宜お話願えないでしようか。
  5. 白神昇藏

    説明員白神昇藏君) それでは放送局の者でございますけれども、第一番に今の御質問の各縣に放送局がないかどうかという点ですが、全部ありません。ない縣があります。逆に又一縣に二つ局があるというところもあります。全部に局のない縣を申しますと、東京近辺は、一都六縣あるのですが、東京都にあるだけで、群馬、埼玉、千葉、茨城、栃木、神奈川、とにかくその六縣にはありません。大まかに直接申して置きますが、それから大阪地方で申しますと、奈良縣岡山縣、それから兵庫縣滋賀縣、そういうないところがあるわけでございます。それから逆に一つの縣で二つあるという所が又ありますのですが、東北地方なら例えば青森縣などは、青縣と弘前、それから山形縣などは鶴岡、山形、それから福島縣には福島と郡山というような一縣に二つあるという局もあるというので、第一番の問題では、必ずしも画一的な形、縣單位行政地区との関係は画一的になつておりません。  それから第二番目の御質問になりました放送局の方で何か希望はないかというお話ですが、別にまだ皆さんに御希望したいという技術的な問題その他持つておりませんのですが、精々放送を御利用願いまして効果的にこれがお役に立つようにしたいという心構えを持つておりますので、その点御承知置き願つて御協力願いたいと、こう思います。
  6. 城義臣

    城義臣君 ちよつと放送局の方に伺いますが、昨日全國選挙管理委員会の方が、國家経費負担をするようなことを考えたならば、協会側としても、いろいろ議員希望するような、時間の延長であるとか、或いは又回数を殖やすというような点で難点があるのではないか、こういつた意味でのお話があつたのですが、そういう経済的な面からどういう御希望があるか、これも承つて置きたいと思います。
  7. 白神昇藏

    説明員白神昇藏君) それではお答えしますが、この問題については後程電波廳の方にも、監督官廳としての建前もおありと思いますので補足して頂きたいと思います。放送局としては、あの衆議院議員選挙の場合に、これが公営選挙意味が非常に痛感されまして、費用を全部國家において負担して頂いております。その意味から申しまして、参議院議員選挙の場合も放送局としてはやはり國家負担して頂いた方が、はつきりその放送の性格も衆議院と相並んで明確になるのではないか、こう私としては考えます。
  8. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 放送について各地方調査に歩きますと、或る縣によりましては、例えば島根縣などは過般の衆議院議員選挙におきまして、石見の奧の方では松江放送局放送が聞こえない、選挙に非常に困つた、だから中継所と言いますかそういうものを強化して貰つて、その衆議院議員放送が全縣、つまり全地区に聞こえるようにして貰いたいという要望があります。この点は非常に大事なことでありますから、是非ともその設備を完全にして貰いたい、これが一点であります。  それからもう一つ参議院議員地方区選挙のときにはどうであつたちよつと私失念しましたが、過般の衆議院議員選挙におきましては各選挙区におきまして、本人が直接放送をしなければならないので、その他の立会演説とか、個人演説とか、街頭演説とかに非常に支障が起きた。それでこれは参議院全國のときのごとく録音放送にして貰いたいという希望が各所で出ました。これは非常に尤もなのですが、そのとき確か秋田放送局長仙台放送局長からも意見が出ましたが、秋田放送局長資材がなくてとてもそれだけの需要に衆議院の場合は應じ切れないだろう、現在の資材では應じ切れないだろうという意見がありました。仙台放送局長確か資材の点は應じ得るかもしれないけれども、非常にその録音放送というのは困難であつて間違つて外の人の盤を掛けたり、いろいろなことが起つては大変だというので、どうも衆議院議員みたいな大勢の選挙のときには自信がないということを答えたのであります。そういう点につきまして、この放送局の本部の方ではどういう意見を持つておるか、それをお尋ねいたしたいと思うのであります。それだけお願いいたします。
  9. 松田英一

    説明員松田英一君) 只今の第一の方の御質問に対しまして、これは電波廳の方の監督関係もございますのでお答え申します。第二の方は直接に放送局の方から答えて頂きます。第一の方は確にそういう問題がございまして、特に縣の辺鄙の方では、そこの大体地元の縣廳所在地放送局があるのが多いのでありますけれども、そういう所からの放送はなかなか聞こえないという場合がままあるのでありますが、これは日本地形関係と、府縣の割方というものが必ずしもうまい工合にいつておりませんために、電波がいろいろ地形関係從つて変つて來ますために、うまく放送局のある場所の縣というのはマッチしないという点から起つて來るわけでございます。そこでそれでは簡單な中継所のようなものを置けばいいのではないかという問題が起るのでありますけれども、これは現在日本の國に割当てておりまする電波周波数が非常に限られておりまして、それを自由自在に沢山使うことができない、そのために成るべく日本國民全般放送が聞けるようにということは私達も考えまして、いろいろ計画を練つておるのでありますけれども、その縣の所在地にある放送が、そこにうまく聞こえるようにするというだけの小さな放送局をあちらこちらに配つて置くということは事実上できかねるわけであります。放送事業を運営して行く点から行きまして、非常にそういうことをやる場合に不経済な施設になりまして、勢い日本國民が拂う聽取料にも影響して來るという面もありますので、事実問題といたしましてその問題が非常に困難になつて來る、ただそれを運用上やるわけになつて放送局を持つているところを通してやつて貰うというようなとこも考えまして、手段はできるだけ考えておりますが、それも限度はありまして、いろいろ困難な面がありますることだれお答えいたします。
  10. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 只今お答えがありましたが、これはひとり選挙の問題だけでないのでありまして、現に今地方公共團体の單位になつているのでありますから、松江なら松江放送局島根縣の縣民に対していろいろな啓蒙をやる、又それで徹底を図るという役目があるのですから、私は選挙だけの問題でなくて、放送局がもつと営利を離れて親切に、私は縣單位ということを考えて呉れることが必要だと思います。現に全府縣にないということは諒察しておりますが、少くとも松江放送局島根縣全般に対して放送が、放送の機械でもあれば聞こえるというように親切に考えて貰いたいと思います。それから先程質問したことに対しまして放送局お答えを願います。
  11. 松田英一

    説明員松田英一君) ちよつと一言だけ申上げて置きますが、実は親切心ということだけでは解決できない面があるのであります。それは先程申しましたように電波の数が非常に少いのであります。数からいつてそういう小さいのを設けておつたのでは、電波波調割当が全國ではとてももつて行けないという点で、小さい波調でできるだけ多くの人に聞かせるという点から、どうしてもそういうポイントも生じて來るということは御了解を願います。
  12. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 中継所を拵えても……
  13. 松田英一

    説明員松田英一君) 中継所は同じ周波数を出すと混乱をいたしますわけであります。結局中継所を作りますと、周波も拵えなければならん、そうすると自種周波数沢山になつて來るという問題があるわけであります。
  14. 佐原貞治

    説明員佐原貞治君) 只今録音設備についての御回答を申上げます。今年の衆議院議員選挙放送をしましたあのときにおいて、尚録音盤製作枚数というものは、あの條件における選挙放送録音で行いますには、尚々生産不足でございまして、到底できない関係にありましたので、録音放送ということは御辞退申上げました。尚録音盤枚数生産数量という問題ばかりでなしの、録音装置でございますね、音を取る装置が全國の放送局に完全にまだ整理されておりません、只今でも尚本式の間違いなく奇麗な音が出るという設備が、はつきりしたことはちよつと申上げかねますが、現在の状況では六箇所程の放送局がまだ十分整備されておりません、從つてこの録音でやるという方法によつては全部できない場合も出て参りますし、やり方によつてはできる場合も考えられるわけであります。録音放送でやるとすれば、どういう方法でやるかという具体的な線がはつきりして参りませんと、只今のところでは直ぐこの場で御返事は申上げかねるわけであります。録音盤製作枚数というようなものは、何万枚程度要るか。現在放送局で使います数量だけで、現在のメーカーの生産量から行きますと、まあ生産設備の方で、資材といいますよりは、設備の方でぎりぎり一杯ではないかと思われます。
  15. 城義臣

    城義臣君 先程私が質問申上げたことに関連してもう一度お飼いいたしたいと思います。要は、本委員会希望になつておる要点は、ラジオの放送というものが如何に経費が掛からないで、而も一般に候補者政見を周知徹底せしめることに便利であるかという点を非常に皆さん認められて、まあ例えば地方選挙区などの場合でも、現在のような四、五分というような時間をできれば十分ぐらいにして欲しいとか、或いは具体的に言えば、回数が三回のものを五回ぐらいにして欲しいというような希望があるわけであります。そういう点について、先程私は経費の点について伺つたんですが、仮にこの参議院の場合でも、衆議院のように公益放送だから、これを全部國費で支弁するというようなことの財政的な措置が可能であるならば、放送局側としては、そういう委員会希望に應じ得るものですか、技術的に、或いはその他局側のいろいろな都合上できるかという点を伺いたい。  それからこれは放送局以外の方の方に伺うことかも知れませんが、参考までに伺いたいのは、前回の衆議院議員選挙の場合、どの位の総経費が掛かつたか、そしてそれが一人当り費用がどのくらいになつておるか、これはいわゆる選挙公営徹底化という線が大変強く要望されている折から、こういう点からしましても、私共も参考にして置きたいし、又後の予算的措置をいろいろ要求する際にも重要なデーターになるので、こういう建前からそういう点を明確にして頂きたいと思います。
  16. 白神昇藏

    説明員白神昇藏君) 初めの方の問題について、放送局としてお答えいたしますが、まあ具体的な問題に入りますと、ちよつとむずかしいところもあると思いますが、つまり予算面はつきりして、参議院の方の選挙國家負担なつた場合に放送局の方がいろんな注文を聞いて呉めるかということに対して、その御注文というものが非常ないろいろな問題があると思いますので、ちよつとむずかしいと思いますが、例えば時間か、國家費用負担するから放送局はそれでは選挙放送時間をこれだけというようなことにはならないと思うのでございます。この点はやはり編集権というものは放送局が持つておるという建前になつておりますので、殊に今の放送局関係当局の方のあれを持つておりまして、番組の企画編集についての一應の監督を受けておるわけでありまして、その間の了解が要るわけですが、その関係当局の一番今放送局に指示しておる大きな狙いとして、つまり編集権の確立ということを非常にやかましく言つておりますので、國家費用を持たれたからその参議院のお方さんの御希望の時間をすつかり放送時間に組み入れると、そういう意味のことはちよつと困難だと思います。
  17. 城義臣

    城義臣君 具体的に、そういたしますと、只今の五分前後といつたようなものは十分前度というようなものにするこま可能なんでしようか。
  18. 白神昇藏

    説明員白神昇藏君) 具体最に申しますと、五分前後のものを十分前後にすると、そう程度のものならば、これは放送局が自主的に参議院議員選挙重要性を考えて実現可能性選挙重要性を考えて実現可能性は私はあると思います。この前の参議院議員選挙のときには、御承知のように、衆議院選挙参議院選挙、それから知事の選挙、全部が一度に纏つておりまして、而も参議院も、來年予定されておるよりも、あの法規によりますと倍あつたわけでありまして、若しもあの場合に一人当り沢山な十分ぐらいにいたしますと、殆んど一日の時間が選挙放送になつてしまう、それでは聽取者は放送というものを全然聽かなくなつてしまう。非常にデリケートなんですが、余りそうなりますと逆効果になつてしまうので、あのときには特にしなかつたということがあつたと思うのです。その意味で、來年予定される参議院選挙は、参議院のだけでございますから、あのときよりも少しは考慮できるのではないかということは私考えられると思います。
  19. 松田英一

    説明員松田英一君) 経費の方でございますが、衆議院のときの経費として拂いましたのは八百八十五万八千円でございます。候補者は、確かな数字はちよつと分りませんが、約二千名でございますから、一人に割りますと約四千五百円見当ということになつております。併し、これは大藏省から非常に査定をされました加減でこうなりましたので、実は放送協会側といたしましては、もつと沢山金が掛かつてもつと欲してのだという要望があつたのでございまするが、その点は実際問題としてどれだけこの点に掛かりましたかということは、放送協会の側からお話し願つた方が或いはよいかも知れません。
  20. 藤井新一

    藤井新一君 それに関連して御発言を求めますが、選挙運動等臨時特例に関する法律の第十六條においては、「当該選挙区のすべての議員候補者に対して、同一放送設備を使用し、同一時間何を與える等同等の利便を提供しなければならない。」という規定があるのです。衆議院はこれを完全に施行されたかどうかということお聽きたいのですが、というのは、三宅島に行つて見たところが、三宅島の方は四区か五区になつておりますが、午前中は放送は何もないそうです。午後八時頃からしか放送がないというのです。そういたしますと、東京都でも他の一区、二区のところは同一設備を受けられるけれども、三宅島の選挙区の方は違つた時間して聞けないということになりますと、この第十六條に違反しやしないかと思うのです。若しそういうことがあるならば、参議院議員選挙のときにも必ずそういう問題が起つて來ると考えます。それはどうなりますか、ちよつとおききしたいと思います。
  21. 白神昇藏

    説明員白神昇藏君) お答えしますが、その衆議院議員選挙法の中にある建前というものは、今年の選挙におきましては、放送協としては嚴守しております。で必ず同一区内の候補者には同一施設使つて頂きまして、同一時間の公平な扱いをしております。それに対しまして、具体的に今お話がありましたが、三宅島の例はこういう関係になります。これはちよつと多少私の想像が入るのですが、三宅島というところは東京電波を聞いておるのです。AK電波管内に入つておりまして、あすこに放送局はありません。東京電波を聞いているのであります。ところが三宅島の中の配電設備晝間送電ができないのじやないか、石炭その他の関係で、放送は全部公平に朝からAK管内全般に対して同一條件放送を出して、電波の方は出しているのですが、それを受信する方の三宅島の電氣の方の配電関係が、恐らく晝間送電がどうしても手配がつかなかつた、そのために三宅島の人は結果的に晝の放送が聞れないために夜の放送だけになつたということがあるのだろうと思いますが、選挙放送する場合には、選挙放送としても配電会社の方に、関東配電並びに全國的に配電会社と連絡をとりまして、できるだけ電力事情をよく都合して貰つて、全時間が開けるように電氣を出して貰うように努力はしておるわけです。三宅島の場合は恐らくそうじやないかと私思います。
  22. 藤井新一

    藤井新一君 それから関連いたしまして、録音放送を成るだけやつて頂きたい、若し財源がなければ、財源國家予算から解つてでもいいから徹底的にして貰わなければ、候補者地区を歩いているときに到底間に合わんことがございます。ですからこの際我々の要望は、そのための委員会ですから、それを一つ注文しておきますが、私の要望に應えるべく努力をお願いいたします。  それから地方選挙区と全國の選挙区の放送回数は同じでございますか。
  23. 白神昇藏

    説明員白神昇藏君) 時間は全國的に共通ではありません。衆議院の場合を実例に挙げますと、各地区毎には公平になつておりまして、各候補者一人当りは同じでございますが、地区が違いますと、東京は一都六縣を持つておりまして、候補者の数も四百六十何名でありますから、東京AK電波の持つ数がありますので、一人当りが少くなつております。お隣りの甲府に行きますと、甲府放送局があるものですから、山梨縣だけの候補者を担当しますので、一人当りの時間はもつと多く、回数が多くなつておる、こういう実情にありますので、地区毎には公平ではありますが、全國一律ではございません。  それから初めにお話承りました録音放送ですが、これは放送局としても大いに努力して見ます。これは衆議院議員選挙のときにも勿論でございますし、もう参議院の前の選挙のときにも、いろいろ皆さんの御希望を頂いておりますので、技術の方の方も先程から御答弁方しましたように、全國的に施設を整備するように努力しているところでございまして、できるだけ努力はして見たいと思つておりますが、何分先程いうように、技術関係その他のいろいろな制限もありますので、できるだけ努力はするように、御希望は間違いなくお傳えして置きます。
  24. 藤井新一

    藤井新一君 この放送に関することですが、地区議員に対する時間と全國に対する時間とは平等であるべきだと思います。何故ならば選出された議員は同じ資格を持つております。然るに放送時間において地区と全國と、地区は五分、全國は七分というような差別をつけるということは、すでに出発点において誤りがあるから、同じ時間数を與えるということを私は希望するのであるが、それはどうですか、全國候補者が多い場合にはそういうことはできますまいか。
  25. 白神昇藏

    説明員白神昇藏君) これはやはり具体的に候補者の方の数が出て來なければ、ちよつとはつきり申上げられないのですが、大体放送建前としましては、全國区の候補者の方は全國放送になつておるわけです。例えば電波東京で出しても日本全國出ます。四十五の放送局が一齊に電波を出すというのが全國区の候補者放送の場合であります。地区候補者の方の放送は、地区関係放送局だけの電波が出る、それが全國四十五が地区毎にやつておるという関係になるわけであります。今おつしやいました地区候補者と全國候補者との割当時間が完全に平等でなければならんという、御意見としましては頂きまして研究して見ますが、何分候補者の数を一遍はつきり檢討して見ないと、はつきり機械的に完全にここでお答えできないのじやないかと思います。
  26. 城義臣

    城義臣君 今藤井先生から話が出た公平ということは、僕には納得行かない、そういう意味の形式的な公平というなら、選挙事務所の数にしても、その他いろいろな点で非常に違つて來る、これは全國と地方区はそれぞれ本質的に差異があるから、私はそれを必ずしもたとい可能であるとしても、そういう観点から、それが公平であるというようなことは承服し難い点があるのですが、その点ちよつと発言だけ申上げておきます。
  27. 小串清一

    小串清一君 私はこういうことを伺いたいと思いますが、今の城君のお話通り、全く放送局が全國的に丁度よくあるわけでなし、どうしても私は地区の問題ではそう時間的に全部同じようにできないだろうと思いますが、ただこの間の選挙、この前ので、現在の日本放送設備が、即ちフルに使つてどのくらいに行くか、例えば録音をやるのでも、録音盤が間に合わない、時間的に言えば、他のプログラムがあるから、それを無視してやるわけに行かない、そうすると、大体我々の伺いたいのは、現在選挙放送を利用したいというのが殆んど全部の声なんだが、全國放送をことごとく潰すわけに行かず、同じ放送を使うとしても、第一と第二で、電波関係上、第二の方が聞きづらい場合がある。從つて公平にやるとすれば、第一と第二とを、若し二回やるならば、候補者録音ならば、むしろ全國にしろ地方にしろ、一つずつ別にやらなければ公平でないということがある、そういうことに如何はともかく、放送をフルに使つて、例えばこの間に選挙では幾らですか平均三回くらいやつたのですが、これは無論多いところ、少いところもあつたでしようが、五分乃至七分としてフルに使つて、どのくらいの利用ができるかということが、選挙法を決めるのに非常に重大な関係がある。それは候補者が何人出るか分らんけれども、凡そ最近は三回は全國的に利用できる、或いは四回はできるという推算が立つわけでありますが、フルに使つてどのくらいに行くかというお見込を伺つて見たいと思います。
  28. 白神昇藏

    説明員白神昇藏君) 御希望のありました通り、お見込として御容赦願つて話さして頂きます。大体見当としましては二回乃至三回、全國平均割当てられるだろうと思います。二回、三回だろうと思います。少い方制限です。多い方はもう少し余計かも知れませんが、それを全國平均して二回は間違いありませんが、三回ぐらい努力しているのでありますが、二回乃至三回ぐらいだろうと思います。その一回当りの時間は精々十分だろうと思います。一人当りの一回当りは十分ぐらいとお考えになつて頂きたいと思います。大体その程度見込としての話で御勘弁願いたいと思います。
  29. 藤井新一

    藤井新一君 今城君が私に対する反駁をしたのですが、城君の意見と私は違う、城君は、地区事務所と全國の事務所と違う、それだからして放送も違うのは当然でと言われたが、放送こそ政見を発表するものであつて選挙民もそれを聽いている、事務所は何ぼあろうが、そんなことは何でもない、地区も全國も同一である方が、選挙建前から公平である、こういう見地から申上げたのだが、城君は、事務所も違うのだから当然これは違うべきものであるという発言は、聊か私は意見を異にするものであります。
  30. 城義臣

    城義臣君 私伺いたいのは、新聞の廣告を、これは党で一回と本人一回ということになつておりますが、未だそういうことは全然お話に上つておりませんが、この際参考に伺いたいと思いますが、仮に選挙限つてはそういう個人の申出があつた場合、若し制度の上で個人の申込を一回なり二回なり受付けるということになり得るものとするならば、局側としては技術的にそういうことが可能でしようか、そういう点を伺つて見たいと思います。
  31. 白神昇藏

    説明員白神昇藏君) 今のお尋ねの件でございますが、いわゆる候補者個人の御希望通りのもの、いわゆる原稿をそのままやれるかというお尋ねでございましようか。
  32. 城義臣

    城義臣君 それは新聞廣告という意味ですから、それは録音の場合もありましようし、本人がやる場合もありましよう、併し時間的にたとえ五分でも三分でも……、そういうことが考えられるものでしようか、
  33. 白神昇藏

    説明員白神昇藏君) 今のところ日本放送協会建前としては、その点は困難だろうと思います。個人的に御希望がありまして、それをお受けするという扱いは困難だろうと思います。必ず全候補者に対して同じ割当というその点の建前でしか考えられないと思います。
  34. 城義臣

    城義臣君 いや制度の方では一回は皆さん認めてある、そういう場合にあなた方の方では枠として個人間におけるそれを受付けてもいいような時間的なやり繰りが考えられるかどうかというような点です。
  35. 白神昇藏

    説明員白神昇藏君) その制度の上で一回乃至二回、三回割当てた上での個人の御希望という点でしようか。
  36. 城義臣

    城義臣君 そうなんです。
  37. 白神昇藏

    説明員白神昇藏君) それは今申上げたように困難だろうと思います。
  38. 北條秀一

    北條秀一君 この前の総選挙の際に一日に放送を四回されたと思うのですが、その放送する時間ですね、これは選挙を最もよく國民大衆に徹底させるためには、一番大衆が聽くのに便利である時間を選挙放送のために取るが一番いいと考えるのですが、そういう観点からして一番大衆に都合のいい時間というのは放送協会の方で分つていると思いますが、それは一日のうちの何時と何時というふうに考えられるか、それを知らせて頂きたい。
  39. 白神昇藏

    説明員白神昇藏君) 今放送時間で最も聽取者が沢山聽いている時間はいつかというお尋ねですが、一番多いのは大分全聽取者の八〇%が聽くというすばらしく高いピークの時間ですが、それを中心にしまして大体夜の七時のニュースから九時の間でございます。夜の七時から九時までの間が一番にピークの高い時間でございます。その次に高いのが朝の六時半から七時半頃までが一番高いピークのときです。三番目の高い時間はお晝の零時から一時までが第三番目のピークです。この二番目、三番目のピークは夜の八〇%に比べたら非常に落ちております。朝は高いと言いましても五〇%くらい、ちよつとこれは詳しいデーターを持つておりませんので、不確かですが五〇%くらい、お晝の高いというピークも恐らく四〇%そこそこで、そういう時間の関係になつております。
  40. 北條秀一

    北條秀一君 放送協会の方ではいろいろな関係もあると思いますが、只今の御説明によつて最も聽取者の大勢が聽いている時間を、選挙のときだけに限つてこれを全部選挙放送のたるに占めるということは可能でしようか。
  41. 白神昇藏

    説明員白神昇藏君) 全部を占めるということは逆に選挙放送から言つたら逆効果になるだろうという判断を放送協会に持つておるわけでありますが、何分聽取者は、大体人間として我我の判断ですが、十分くらい耳を傾けると継続的な思考力というものは全般的に弱まつて、注意力が散漫になるという、こういう判断を大体いろいろなデーターから持つております。從つて仮に夜七時から九時を全部選挙放送にしますということは、放送番組の上からという我々の立場だけからではなくて、聽取者自身が聽かないであろう、それは逆効果になるであろうと私は思う、夜のいい時間は今までも入れておりますが、今後も入れるように努力しておるわけですが、どうしても演藝とか音樂とか聽取者の好む番組の中に入れて行く、こういうやり方になるだろうと思うわけです。
  42. 北條秀一

    北條秀一君 それではこの番組を組むことには放送協会が全く自主的にこれは決定できるのであつて、他の何らの制約はないわけですか。
  43. 白神昇藏

    説明員白神昇藏君) 先程申しましたように一應我々としては建前は自主的ということになつておりますが、その背後に関係当局がございますので、その点をお認め願いたい。
  44. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 先程地方区の場合又衆議院議員の場合に録音放送をやることは、設備関係なんかで一樣にできていないからなかなか困難だというお話がありましたが、併しそのできておる所から開始されることが結構じやないかと思うのです。これは全國的にはそういうわけには行きませんが、地方設備のできておる所はどんどん録音放送をやる、それは藤井君の挙げられた十六條に二項に決して反しない、ですから一應全國一樣に設備が揃つておら録音放送にするというのでなくて、できておる所から録音放送をやられたらいいのじやないかと私は思う、その御配慮を願いたい。  それからもう一つ、こりは少し問題が違いますが、自治体の市町村におきましては人口約十万くらいの市では選挙放送がやられておりますが、市会議員などの場合、市長などの場合、これも設備に完備でき次第、せめて三万くらいの市までは放送ができるようにできるだけやつて貰いたい、これは選挙には放送ということは一番私は効果があると思う、だから選挙というものは本当に民主主義の基本になるものでありますから、それは有効な放送によつてできるだけ徹底を期して貰いたい、こういうふうに私は希望して置きます。そういうことがこの近い機会にできるかどうか、それを伺つて置きたい。
  45. 白神昇藏

    説明員白神昇藏君) せめて可能の地区だれでも録音放送を実施したい、この点努力はいたします。この録音放送の点についても全く今日はいわゆる努力するという変な挨拶で御勘弁願うわけでありますが、非常にこれも具体的に承りまして、私間違いなく関係責任者と相談いたします。この点御尤もな御意見でもありますので努力します。  それから地方自治体の十万以上の都市だけというお話がありましたが、ちよつと誤解がおありのようでありますが、只今つておりますのは市長選挙については十万以上の人口を持つておる市の市長の場合には、直接市長候補者候補者放送ができる、その市長候補者が直接放送局を來られて候補者政見の発表ができる、但し十万以上の都市の場合には紹介放送と申しまして、その候補者の履歴その他を御紹介するという扱いだけをしている、こういう差別がありまして、全部の市に対しては放送を扱つておるという実情にありません。これも段々拡げて行くつもりでおります。
  46. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 私の言うのは紹介放送でなくて自分が政見を発表する放送をやつて貰いたい、そういう意味です。
  47. 白神昇藏

    説明員白神昇藏君) そうですか。それも今後は大いに行うべきだろうと思いますが、今は余りにも候補者放送沢山ありますので、一々全國的にやつておりますと、放送時間の中に始終選挙放送が入つて來るということになりまして、却つて聽取者の方では重要な放送に対する感が鈍くなるのじやないかということも我々としては考えておるのでありますが、効果があると考えて頂けば漸次殖やして行くということは可能じやないかと思つております。
  48. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 金体この選挙法改正について特に放送局の方に御了解願つて置きたいと思うことは、議員の質を上げ國会としての任務を達成するためにはどうしても金がそう掛からないでも人材が選出されるということが一等の眼目でということは常識になつておるわけです。選挙が金が掛かるために人材であつても出られない、それをこの委員会でも非常に重大な問題としておるわけですが、ところで金の掛からないで立派な方が選挙されるということについては、近代のいろいろな機械設備の中で最も進んで放送技術、そこにどれくらいの効果が発生するかということは重大な問題なのです。それで今までも十分その放送関係の御協力を頂いているわけですが、そういう意味で最大限の協力を頂きたい。  それから尚先日この委員会で述べられましたことの中に、現在日本國民選挙の際に何によつて自分の投票を決定したかということの四〇%は放送によつて決定したという事実がある、すでに述べられたかも知れませんがあるわけです。これも必ずしも全國すべての人がそうであるわけじやないのですけれども、少くともそういう事実が報告されております。これはやはり選挙民國民選挙の際に四〇%くらい放送によつて決定したということがある、この点も十分お考え願つて選挙が立派に行われて、そうして立派な議会ができるためには、放送に我々が期待する点が非常に大きいということを御了解願いたいと思うのです、  それから第三には、アメリカなどの場合には今のお話の中にもありますが、選挙放送が余り多くなり過ぎる。聽取者がむしろ述の感じを抱くのじやないかという御心配もありましたが、日本の場合には必ずしもそうでもないのじやないか、このアメリカの場合などには非常に選挙放送が多くて聽取者が殆んど選挙放送に悩まされているというところまで行つておるようですが、日本の場合はまだそこまでは行つていないので、もう少し盛んにされることが望ましい。  それから最後にこれはちよつと伺つて置きたいのですが、大体いわゆる録音放送がなされるのは東京とかそういう大きい放送局に限られているというように具体的になつているように伺つたのですが、録音盤があれば小さい放送局からも放送することができるのでしようか、その点をちよつと御説明して頂きたいと思います。
  49. 佐原貞治

    説明員佐原貞治君) 先程それにつきまして実は御質問がございまして御返事申上げましたが、只今の音盤の生産設備でございますね、各メーカーにおきまして生産設備が、今年の初め頃におきましては放送局で使います録音盤だけでも、平常に使いますのだけでぎりぎり一杯だつたのであります。そこで選挙放送にどの程度音盤を使うかということからして、その現在の生産高の一割乃当二割程度のものであれば、特別間に合うように今から用意して行けば作れるだろうと思いますけれども、はつきりしたことは申上げかねると思います。先ず二割二割程度でした増産できるだろうと思います。從いましてその枚数でしたら音盤につきましてはできるのじやないかと思われます。併しこれは尚この計画自体をもう少し伺わして頂きませんと、非常にその線がはつきりしたことを申上げられませんです。  尚録音装置につきましては先程もちよつと申上げましたが、全國の放送局で八十八箇所でございますけれども、そのうち約六箇所だけがまだ充実されていないわけでございます。その点非常に何か公平を欠くもので出て來るのじやないかと思います。
  50. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 今の御説明の中で一、二割程度のことならばどうにかなるというわけですが、その録音盤製作についてもつとこういうふうな点が打開されれば能率を上げ得るというようなお考えがありましたら伺いたい。  それから第二の点は八十八箇所のうち六箇所が整わないというのはどういう事情によるか、又近將來において設備が整うような可能性があるか、その点をちよつと伺いたいと思います。
  51. 佐原貞治

    説明員佐原貞治君) 只今の御質問について御返事申上げます。録音盤枚数が十分できないという原因はニユーム盤の平らなものが非常に技術的にうまく作れない、これは技術的に日本の工業設備自体が十分なレベルに行つていない、それからその上に塗ります軟かな藥、化学藥品類、これがまだ國内の生産量として十分に生産されていない、大分余裕は出て参りましたけれども、現在尚十分とは言えない状態です。結局作つております方法が機械的な多量に作るというような方式を採ることができなくて、どちらかと言いますと、家内工業的なものに少し工業的なものを加えた程度の製作方法でやつておるわけであります。どうしてそんな程度方法でしか作れないかということになりますと、國内でその種類の音盤を必要とする向きが放送局以外に実はないわけであります。そのためにそうでかでかに作るわれに行かないという状態になつて、勢い生産設備の方もまあまあ現在程度設備ということで積極的に動いていない、その点で音盤の方の資材の難点というのが一つあるわけです。  次に設備の方は私共としまして関係の方に、殊に電波廳の方々に御援助を頂いて録音設備の充実でございます。これについて一昨年から五箇年計画を樹てまして着々進めておるわけなのです。來年になりますれば、大体本年度一杯ぐらいには先ず六局分も、現在設備してない分も行き渡るのじやないかと思われます。何分特殊な小さな機械でありまして、それが社会的にあつちでも要る、こちらでも沢山お使いになつているものでなく、極く特殊な設備がございまして、放送局以外では殆んどお使いにならない、そのために注文数量の少い、家庭的な作り方になる、そのために生産数応というものもどつと注文が出てどつとできるというわけに行つてないわけでございます。その点一生懸命骨を折つておるわけですけれども急速に進んでいないわけであります。
  52. 小串清一

    小串清一君 放送の方はこの程度にしてその次に板つてはどうです。
  53. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 ちよつと伺つて置きたいのですが、録音設備については最近もつと簡便なワイヤー録音と言いますか、そういうようなものが実行されていて、それをもつと急速に実行されるというような可能性がないのでしようか、その点伺いたいと思います。  それから尚もす一遍重ねて申上げて置きたいのですが、先つき申上げました点を十分お考え下さつて、できるだけの御協力をお願いしたい、これは皆さんもそうですが、私もそれを特に切望いたします。
  54. 佐原貞治

    説明員佐原貞治君) 只今のワイヤー・システム、或いはテープ・システムの携帶用の録音装置を最近盛んに米國の新聞などで発表しておりますが、そうした設備日本でも眞似をいたしまして、多くのメーカーが作りましたが、何分にも残念ながら材質が悪くて雜音が多い、そのたれに折角録音してできましたけれども、聞き出す段になりますと雜音が入るので非常に汚ない音に感じるのです。その点で尚一層の研究が必要の状態にあります。從つて放送局といたしましては現在試作はさせて非常に骨を折つておりますが、まだ完全なるものになつておらないのであります。
  55. 柏木庫治

    ○委員長(柏木庫治君) それでは昨日に引続きまして第十一に進みます。
  56. 菊井三郎

    ○法制局參事(菊井三郎君) 第十一の問題は、新聞廣告に関する問題でありますが、「新聞廣告公営として新聞の選択は候補者に一任し、その回数を二回に増加すること。」こういう案であります。  (一)の問題は、「新聞廣告をする場合において、全國選出の場合には全國選挙管理委員会地方選出の場合には都道府縣選挙管理委員会の定める同一の寸法によることとすること。」寸法の規格を選挙管理委員会の定めた寸法によるという案であります。  (二)の問題は、公営による新聞廣告以外においても各候補者は新聞による選挙運動は自由とするということであります。新聞の廣告公営をいたして、その公営にだけ限定しないで、候補者が自分で更に掲載したいという場合には掲載もできるという建前をとつたものであります。尚ここに少し漏れておる点がありますが、これは掲載者は何人になるかという点の問題でありますが、この案におきましてはその点はつきり出ておらないのでありますが、これは候補者が掲載するということを前提として考慮いたしておるわけであります。現在の衆議院選挙法臨時特例法におきましては、議員候補者と政党その他の政治團体又はその支部の代表者が掲載できる、こういうことになつておりまして、議員候補者は一回、それから政党その他の政治團体又は支部の代表者が一回は、結局都合二回掲載できるようになつております。ところが文書図画に関する法律の方におきましては、候補者又は政治結社の代表者と、こういうことになつておりまして、文書図画に関する方は、候補者が一回掲載すれば政治結社の代表者は掲載できないということになります。政治結社の代表者が一回掲載すれば候補者は掲載できない、こういうことになつておるのでありまして、その点考慮いたしまして、その回数はこの案では更に一回増加いたしまして二回になる、こういうことを考慮した訳であります。
  57. 小串清一

    小串清一君 これはこれではつまり公営による廣告以外の場合、新聞による選挙運動は自由とすれば、これは一回でも二回でも三回でも五回でもやつてよい、こういうことでありますか、自由とするとあるから今の御説明はそうでもなかつたようだが、一回だけのような話でありましたが……
  58. 菊井三郎

    ○法制局參事(菊井三郎君) 公営では二回であつて、それ以外自費で掲載することは自由、こういうことであります。
  59. 小串清一

    小串清一君 そうすると私はこれはやはり反対いたします。公営による新聞廣告以外は候補者自身でやることは自由である。これは選挙費用に加算されますから相当な金持でも新聞廣告するとなると相当金も掛かりますのでできない訳です。で、私はやはり公営による新聞廣告以外は止める方がよいと思う、金が掛かつて困りますから。
  60. 大野幸一

    ○大野幸一君 私も小出委員の説に全く同感です。
  61. 城義臣

    城義臣君 費用の点から御反対の声ばかりで、一回ぐらい出したらどうかという意見がないようだが、私は費用の点は皆で相談して決めるとすれば、一回ぐらいやはり出せるというゆとりがあつてもよいのじやないか、私はそういうふうに考えます。敢て反対論を唱えて恐縮ですが、私はそういう点に重点を置きたいので、ただ私の意見を述べさせて頂きました。
  62. 北條秀一

    北條秀一君 只今小串委員からお話があつた第十一の(二)については私共同感であります。そこでお聞きしたいのでありますが、第二回の衆議院の総選挙に対しまして関係方面から新聞は候補者の支持を表明することは自由だという表明があつたのでありますが、この点について事務担当者では何らかの考慮を拂われたのですか。
  63. 菊井三郎

    ○法制局參事(菊井三郎君) この前の衆議院議員選挙の際におきまして新聞による選挙運動というものが問題になりまして、いわゆるインボデン声明というものが生じたのでありますが、新聞によつて特定の議員候補者を支持し、又は推薦するということはよろしいという趣旨であるわけでありますが、そういたしますと、その趣旨と申しますか、そういうものが是認されるといたしますと、或る特定の政党が新聞を発行する、そうして自分の政党から出ている候補者を支持するということは自由になるとすれば、外の新聞によりまして政党から出る機関新聞でなくてもやはり候補者に関する推薦の記事が載つたという場合には、これも亦自由を認めなければならないだろうと思いますが、そういうふうになつて來ますと、新聞が自主的に候補者を推薦し支持する廣告が許されるということになるならば、自分で新たに新聞を発行して自分を載せるということの線まで拡張して來るようになるのではないか、こういうふうにも思われますし、いわゆる新聞の定義がはつきりいたしませんが、選挙の際にしばしば簡單な新聞が沢山出て來るわけです。そういう新聞も新聞ということになりますれば候補者がみずから皆新聞を発行するということになつて來る虞れもあるのではなかろうか、そういう問題も出て参りますので公営では二回掲載される、而しそれ以外にも亦新聞で選挙運動をすることができる、廣告することができる、こういうふうに認めざるを得ないのではないか、こういうふうに考慮いたしました結果、(二)の問題をかように定めたわけであります。
  64. 藤井新一

    藤井新一君 アメリカはこれはどうなつていますか、諸外國の例を我々は参考にしたいが、何かございましたか。
  65. 吉岡惠一

    説明員(吉岡惠一君) そうはしてないと思います。
  66. 藤井新一

    藤井新一君 公営と……
  67. 北條秀一

    北條秀一君 これは速記を止めて貰つて少し懇談する時間を與えて貰いたいと思いますが、如何ですか。
  68. 柏木庫治

    ○委員長(柏木庫治君) それではちよつと速記を止めて下さい。    〔速記中止〕
  69. 柏木庫治

    ○委員長(柏木庫治君) 今から速記を始めます。
  70. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 ここのところで我々が立つた原則の問題が非常にはつきり出て來たと思うのでありますが、公営をどの程度拡張し、充実してそうして金の掛からないような方法をとるようにするか、そういう意味公営にして、そうして回数を二回に殖やすことは確かに拡張し、徹底された方向に進んでおると思うのでありますが、(二)が出て來る以上は、やはり二回ぐらいでは満足できないという氣持があると思うのです。そこで私は回数を三回ぐらいに増加した方がいいと思う、その点についてこの間からちよつとこの委員会の議論の中で私の承服しない点があるのですが、個人が金の掛かる選挙をやらなければ当選しないというのは困るが、併し公営には十分の金を掛ける方がいいと思う、國費としても、國家の経済も現在大いに節約しなければならないというのだけれども、折角國権の最高の機関である議会の議員選挙費用が、節約々々で行けば尻つぽまりになつて、貧乏のどんづまりになると思うのでありますが、選挙については相当の費用を掛けた方がいい、併し公営で新聞の紙面を相当に與えて、各候補者が十分に政見を述べて、又國民がそれによつて十分に判断するという意味で、(二)を削除すると同時に回数を三回ぐらいにして頂きたいと思うのであります。
  71. 木内四郎

    ○木内四郎君 私は先つき速記のないとき申上げましたけれども、(二)を削除すべしとする小串、大野両委員に賛成いたします。
  72. 北條秀一

    北條秀一君 私も今の木内委員の意見と同様であります。それから羽仁委員が言われました、公営による新聞廣告回数を多くするということは、原則として賛成でありますけれども、今まで私共が始終協議いたしまして、大体二回でよかろうという結論を出したのですが、從つてこの原案通り二回でいいというふうに私は考えるのであります。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  73. 藤井新一

    藤井新一君 私も第二をとつた方がいいと思う、小串委員が述べた点結構だが、羽仁委員が三回と言われたので、二回で結構だが、寸法を拡大することによつて、羽仁委員の何が発現されると思うのであります。私はその点まで行けば公営意味徹底すると思うのであります。それが選挙法改正の本旨に副うものと思います。
  74. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 今の藤井議員発言に賛成です。回数を殖やすか寸法を殖やすか、とにかく名前とスローガンみたいなものしか書けないという程度でなく、そういう意味では回数を殖やすよりも、政見について書くことができるようなそういうスペースが要求されると思うのであります。
  75. 柏木庫治

    ○委員長(柏木庫治君) それでは次に第十二、文書図画の頒布について。
  76. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) 文書図画の頒布の問題につきまして、無料葉書につきましては全國選出は五万枚、地方選出は三万枚とすることが適当ではないかと考えましたので、一の案を作成したわけであります。  (二)の問題につきましては自筆の推薦状の郵送及び演説会告知の引札の頒布は、これを認めましてその他の文書図画の頒布は禁止したらどうか、かような観点からこの案を出したわけであります。  (三)の問題は、回覧板その他文書図画又は看板(プラカードを含む)の類を多数に回覧することは、制限をいたしまして禁じた方がよろしいではないかと考えまして、この案を作つたわけであります。併しながら自動車、拡声器、船舶、こういうようなものに使用するポスター、立札、ちようちん及び看板の類の掲示の問題と関連いたしまして自由といたしたらどうか、かように考えて案を作成した次第であります。現在の衆議院議員選挙臨時特例に関する文書図画の頒布につきましては、事務用の葉書以外には一切の文書図画の頒布につきまして禁じておるのでありまして、筆書した書状、名刺その他の文書図画は、これを頒布することができないというように第十九條に規定しておるのであります。又参議院議員選挙に適用ある文書図画の法律の第二條では、無料葉書の外はこれを頒布することができない、こういうふうになつておりまして、この点も又制限をいたしておるのでありますが、余りにも制限を付するというよりは、自筆の推薦状の郵送及び演説会告知の引札の頒布は認めてよろしいのではないか、かように考えた次第であります。
  77. 木内四郎

    ○木内四郎君 ちよつと伺いますが、演説会告知の引札の頒布を自由とするというのは、どの程度までのことを考えておるのですか、新聞の中へ入れて配つても構わんとか、そういうことを考えておるのですか。
  78. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) さようであります。新聞の中に折込むような引札とか、或いは戸々に配布して歩くような小さなちらしというようなものを考えておるわけです。考えておるのですか。
  79. 木内四郎

    ○木内四郎君 そうすると、演説会の告知と称して、そういうものを到る処で、演説会演説会ということで配るような虞れはありませんか。
  80. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) 多少その点は問題になる虞れもあると思うのですが、この演説会も街頭演説会というようなもの、或いはそれ以外の演説会をしばしば開催するということに藉口して引札を盛んに配付しますと、そういうことになろうかと思うのであります。
  81. 木内四郎

    ○木内四郎君 演説告知の引札の頒布の使用ということが立案者の言われるような廣い範囲のものになる虞れのあるものであれば、私は賛成いたしかねます。
  82. 天田勝正

    ○天田勝正君 私はこの(二)と(三)の項目が非常に矛盾するのではなかろうかと思うのです。それは一体これらは自分の経費に加算してやるべき筋合だと私は思うので、そういたしますると引札を頒分するなどというのは事実上やれば、これは無意味経費に……いわゆる昨日議論になりました、適当なる修正を加える点ですが、この適当に修正を加えてもまさか数百万というわけには恐らく行かないと思う、今日ビラ一つ配ればどんなことをしてもまさか一円以下ではできません、そういたしまするともう引札をした人は、経費の面では、どう決まるか分らないけれども、私は選挙違反と見なして差支ないようになるのではないか。逆にそれで費用を少く、少くというのはむしろ(三)の方の回覧式で行けば、費用が少くても済む、こういうことになる。從つて選挙違反を起させる方をどんどんやらせるようにして、選挙違反が起りそうもない方は何か制限する、こういう匂いが私はするのです。勿論第三の多数で回覧するその回覧の仕方にも部落会とか何かいたしますると、特定の有力者によつて左右される危險もありますけれども、そういうことではなくて、それらは全然使用してはいけない、こういう向にいたしますれば、いわゆる同好の士だけで回覧する、こういうようなことだつた経費も省けて私は差支ないのではないか、こう考えますが、立案者の方ではその点どうしてこういうふうに規約されたのか……
  83. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) 大体文書図画の頒布につきまして、現に臨時特例法では非常に制限を加えておりまして、新聞のいろいろな批判、或いは地方を廻ります際に、各地方の声といたしましては、非常に文書図画の頒布が制限されて、その結果新人は非常に出ることが窮屈になるというようなことも言つておりますし、又これは外の制限の問題とも関連いたしまして、運動が先行的になるということも言われております。ポスターの問題も次に出て参るのでありますけれども、少くとも推薦人の推薦状というようなものは認められていいのではないかというような声もいろいろあるようでありますし、大体この文書図画の頒布につきまして、無料葉書を除いて全部禁止する建前がいいのか、或いはその中で一部認めるといたしましても、文書図画の中には、名刺であるとか、張札であるとか、挨拶状、推薦状、その他いろいろなものがあると思うのでありますけれども、そのどれをも自由にするか、ということになりますと、極めてむずかしい問題が出て参るのでありまして、最小限度その使い方が割合にはつきりしているというような面から見ますと、自筆の推薦状を郵送するというような場合であるとか、演説会を告知する引札を配るというようなところが割合にはつきりいたしておりますので、こういうような点は認められるという方面に入れていいのではないかと実は考慮したわけでございます。  それから(三)の「回覧板その他の文書図画又は看板」の類を回覧するということにつきましては、現在の文書臨時特例法ではこれを文書図画の頒布とみなしておりますし、文書図画の方も同様にこれを頒布とみなしているのでありまして、両法の法規でこれは頒布とみなしておりますので、その線に沿つてかように考えた次第であります。
  84. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 この点について今の天田委員の御説に私は賛成なのです。それでやはりこれも度々原則を引合に出して恐縮ですが、金の掛かる方はできるだけ公営でやつて、金の掛からないことは皆に自由にさせるという原則をはつきり貫いて頂いた方がいいのじやないか、從つて二つのものは(一)の無料葉書は自筆の推薦状ということで当然これは行くべきで、そうでなければ無料葉書を五万枚或いは三万枚頒布するという意味がないからそれで五万枚、三万枚というのが不足ならば十万枚でも殖やして國の費用は惜しみなくこれを支出して、それで十分葉書を使つて貰う。併し「演説会告知の引札の頒布」というふうなことは禁止さるべきである。從つて(三)も回覧板、看板でやれば費用も掛からないことである、從つてこれは許さるべきことであるのであります。「但し自動車拡声器船舶に使用する張札、立札、ちようちん及び看板の類の掲示」というのは次の地方選出三千枚というふうに張札を制限するならばそれを用いるのは構わないけれども、そうでないものを用いると個人的な費用を要するということになるからこれは止めた方がいいのじやないか、要するに金の掛かる面は公営でやつて金の掛からんものは自由にして行く。
  85. 小串清一

    小串清一君 私は臨時特例の法律が大体いいと思うのです。それで(二)の無料葉書を五万枚、三万枚と実際自分で万年筆で書くにしても自分で書ける筈がない、困難だから……。それで現在ただ事務所事務所の連絡用として買つた三千枚だか余り少いと思うからこれを相当殖していいと思います。その次「自筆の推薦状」ということについては私は全くこれは無意味だと思う、自筆ということが万年筆で書いたものは本人だか誰だか鑑定すると言つても平沢の筆蹟を鑑定するよりまだむつかしい、又自筆の推薦状は誰が書いてもいいと女の手で男のことを書くと何だか……。ともかく自筆ということは私は全然無意味ですから第(二)は全部削除、第(一)は私はもう少し減らさなくちやいけないのでやないか、第(三)は大体においてやはり自動車拡声器船舶に使用する張札ですからこれは今羽仁さんのおつしやつたようにこれは自動車はやらないのだからちようちんや何かいろいろなものを買つても大したことはないからといいと思いますが、回覽板とか看板というのは回覽させるということになるとやはりこれは文書図画の方の何になりますから私はまあ大体現在の臨時特例によつてそうしてこの無料葉書の使用はもう少し緩和するということでなければ候補者が大変余計な金を使うことになつていわゆる費用を節減するという選挙の目的に反する、多少窮屈でもそうしなければならんと思う、これは余りにも寛大なまあ自由な自由運動といつた意味に解しまして第(二)は勿論添削し第(一)はもう少し葉書を批評し、それから第(三)は大体この意味でいいのじやないかというふうに考えております。
  86. 北條秀一

    北條秀一君 立案者にお伺いしますが、この「自筆の推薦状の郵送」の自筆というのは何を意味しているのですか。(「自分で書いたやつだ」と呼ぶ者あり)
  87. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) これは本來自分で筆を執つた推薦状、こういうことなのであります。
  88. 北條秀一

    北條秀一君 そうでなしにですね、候補者自筆という、候補者の自筆というのが第三者というのかどつちか。
  89. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) 推薦者の自筆なのです。
  90. 天田勝正

    ○天田勝正君 私もちよつと伺いたいのですがね、この前のこの自筆と、これは推薦状は行かなかつたのですが、併し他のことを書いて、そうしてたまたまそのことに触れるにはまあ差支ないと、こういうようなことを皆考えてこの前はやつたのです。それからそのときも、実は随分これは研究したのですが、自筆の推薦状というても、こう並べて書く、こういうこともあるのですね、そういうのは一体どうなんですか、並べて書くのは、三人ならば三人で推薦するのだが、大野君なら大野君が一人自筆で書く、そうして署名は自分で書くという行き方ですね、もう一つは大野君が大野君の簡單な推薦状を書いて自分が署名をする、次に大畠君が書いて署名をする、次には私が書いて署名をする、という行き方はそれでは差支ないのか。或いは一人の者が自筆で書けば、後の者は自分の署名をやればそれでも自筆というのか、どうなのですか。
  91. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 それは要するに問題に目的は、つまり自筆でなければならないというのは、第三者が印刷したものを盛んに出すと随分金が掛かるというわけでしよう、それを選挙費用として加算すれば大変なことになる、從つて金のある人はいろいろな人に推薦状を出して貰うが自筆ならばそう余計書けない、で、自筆たるや筆で書いたものということになるのです。それで今のようないろいろのものが出て來るが、原則的に問題は印刷もあるが、併し現在では葉書だから葉書の方を公営にしてしまつて公営の葉書を作つてやるならば、誰が書こうと、筆で書こうと印刷してあろうが構わないということになればはつきりするのでやないか、それをしないから中間的に、自筆ならばそう数も出せないからよかろう、或いはちよつと外のことを書して、そのことに及ぶというのもそうも書けないからよかろう、それから今お話のように一人が書いて、或いは何人が列んでというようなことも起るが、要するに(二)を削つて、それで(一)の趣旨拡張するという、先つきの天田さんの御意見で解決するのじやないか。    〔「答弁」、「賛成」と呼ぶ者あり〕
  92. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) 只今の点につきましては、調査をした上で後程お答え申上げます。    〔「進行」と呼ぶ者あり〕
  93. 北條秀一

    北條秀一君 大体今まで皆さんの論議を聽いておりまして、ここで結論の大綱が出ると思うのです。この問題については、(一)の問題はいい、併し(二)、(三)は、これは廃めたらどうか、こういう御意見に落着いておるのじやないかと思います。    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  94. 柏木庫治

    ○委員長(柏木庫治君) 休憩。    午後三時五分休憩。    —————・—————    午後三時二十一分開会
  95. 柏木庫治

    ○委員長(柏木庫治君) それでは委員会を再開いたします。
  96. 天田勝正

    ○天田勝正君 今懇談中にも聞きました菊井課長のお話は、それでは個人が持てるもの、或いは民間の会社が持てる自動車等にはこれを貼付してよろしいという意味かどうか、伺つておきます。
  97. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) ポスターの使用につきまして、現行の文書図画の法律では種々なる制限を設けているのでありますが、大体選挙を割合に濶達にならしめようという趣旨からいたしますと、その使用につきましては余り制限をしない方がいいのではないか、かように考えまして、ポスター使用につきましては可成り自由な建前をとるという意味におきまして、(一)の制限を加えないという案を提出した次第であります。從いましてこのポスター掲示場所につきましては、(四)に掲げましたように各種の制限をしております。掲示につきまして制限をしておりますが、それ以外につきましては自由でいいのではないかと、実はかように考えておるわけであります。
  98. 木内四郎

    ○木内四郎君 私は、先つき懇談中にいろいろの意見を述べましたが、あれは別に私の意見ではないのでありまして、大体選挙の際には張札を自由に貼るのはいいけれども、あまりに方々に貼り散らかしまして町をよごしたり、いろいろなことをして面白くないと思いますので、公けの費用を以て相当に要所々々に掲示場を拵えて、そこへすべてのものを貼らせるということにしたらどうかという考えを持つているのですが、そういう点はどうでしよう、又皆さんの御意見も伺いたいと思います。
  99. 城義臣

    城義臣君 私は実際選挙をやつて見た自分の僅かな経驗から言えば、やはりどうしても自分の選挙地盤と申しますか、同じ枚数でも主力をどこかへ注ぐということを重点に考えたいと思います。そうなりますというと、今のお話にように一定の掲示場所に貼つてもしの点実際困るのじやないだろうかというようなことを惧れるのであります。それから木内さんのお話のように、よく選挙が済んだあとで、ベたベた貼りまして町中大変なざまになるというようなことはやはり差控えた方がいいと思いますので、「國若しくは地方公共團体の所有」というような意味はそういう意味に解釈して、そういうふうに決めた方がよろしくないかという意見を持つているのであります。
  100. 木内四郎

    ○木内四郎君 実は地方選出議員について三千枚という数になつておりますが、仮に三千枚というものをとりまして、これを縣下なら縣下に配るという場合に、今城さんからおつしやつたように、一定の地方に主力を注いでそこに三千枚貼れば別ですけれども、全縣下に貼ろうとすれば極く少数になる、それが殆んど効果的に貼られないことが多いのですよ、実際問題として……。そこで若し選挙のものならあそこへ行つて見ろということで、もう部落々々毎に決つてつて、そこに行つて見るということになれば、却つて徹底するのじやないか、三千枚なら三千枚というものを、よく活用することができるのじやないかという氣がいたすのであります。それで私は以上述べまして皆さんの御意見を伺いたいと思います。
  101. 北條秀一

    北條秀一君 只今お話でありますが、これは、木内さんの今言われた点は、選挙公報或いは経歴公報、そういうようなものによつてつて行くということで、成るべく費用を少くするという建前から、既存のものを活用して行くという方がいいのじやないか、現状に即しはしないかというふうに私は考えるのです。
  102. 天田勝正

    ○天田勝正君 昨日來自由闊達にするということが常に言われまして、私共その趣旨に勿論賛成です。併し自由闊達と平等の原則に違反しない、こういうところに基点を置かなければならないのじやなかろうか、こう思うのであります。そこで第一の地方選出が三千枚、全國選出が三万枚で、どこへどれだけ貼つても一向構わないのだ、こういうことになりますると、それは極端な例からしますと、一方が三千枚貼る、一方が三万枚貼る、こういうこともあり得るのであります。そこでそれは地方と全國との比較でありまするから、この際は問題でありませんが、十府縣に貼つた人と、一府県に主力を注いでそこへ貼つた人とえらい差ができて参ります。そこで私はやはり地方が三千枚とするならば、やはり一府縣には三千枚、こういうふうな制限をする必要があると思います。それは自由闊達を私は決して阻害しない、むしろ平等の原則の方に合致するのじやないか、こう考えます。  それから今木内さん等から言われましたが、私はやはり(四)のところの「地方公共團体の所有」云々ということは、現行通りやはり制限して置いた方がいいのではないか、というのはこれも私の経驗でありますが、どうしても三千枚ということになりますると、一町村十枚以上は貼れない、これはどこの縣でも同じだろうと思います。山梨或いは奈良……、奈良は別のことでありますが、普通の縣ですれば、一町村十枚で、それを私の経驗からすれば八枚ぐらいにいたしまして、その余りを市に持つてつて、少し余計貼る、こういうことでありますから、一月間成るべくはがれないところを、家の軒先等を貸して貰いまして、そこへ貼付する、こういうことは私はどなたもやつているのじやないかと思います。そこでそこへ行きますと、成る程一方公共の建造物でありまするガードのそばなんかだつたらいいが、外へ貼つたら直き色も何もさめて効果がない、こういうことでこれはちよつと衆議院議員選挙とは違う、衆議院の場合はこの前は確か参議院の半分だつたかと思いますが……、いや半分じやない、同じです。枚数はこうだと多少無駄にしてもいいから効果的なところというけれども、我々の方は何としても一町村十枚ですから、むしろその間はがれないところへ貼るということであるから、そんなに國、公共團体の管理するところに貼る必要がないのじやないか、同時に誰もがそこに貼らないということになれば、これ亦平等の原則にも合致する、そういうことも考えられます。その2の「選挙の当日、投票所内にする掲示の禁止。」こういうことですが、これだけでは選挙投票所のある所の直ぐ前の人と知合があるというような人はそこにべたべた貼れて注意を喚起することができるが、そうでない人はやはり貼れん、こういうことができるので、やはり一町以内とか何とかそこに距離の制限を設けた方が平等の原則にやはり合致するのではないか、こういうふうに考えます。
  103. 藤井新一

    藤井新一君 この立看板ですが、立看板について、幅と高さですが、全國管理委員の金丸君がいますが、この高さはどうですか……。自由であるが、少し制限をしたらどうでしようか、一つあなたに從來の制限を伺つて置きたい。
  104. 金丸三郎

    説明員(金丸三郎君) 非常に大きいものを作つてお立てになつたというような実例も聞いておりますけれども、別に制限をしなければならない程著しく面白くないという例は聞いておりません。そう制限をする程の必要もないのではないかと思います。
  105. 北條秀一

    北條秀一君 (四)の4ですが「張札の印刷は、二色を超えてはならない。」ということを言つておりますが、これは私は実際にそんなに色を制限する必要はないと思う、実際問題として恐らく選挙運動のポスターにいろいろと三色、四色というような色を使うということは費用の点もありますし、又色を余計使えば使う程愚劣なポスターになるのじやないかと考えますので、この規定は取つて置いた方がいいというふうに考えます。(「賛成、取らない方がいい」と呼ぶ者あり)
  106. 佐々木鹿藏

    ○佐々木鹿藏君 私はこのポスターの枚数ですが、全國の三万は賛成ですが、地方の三千は少いと思います。三千枚ポスターを貼つたつてどこにも見えないくらいのものです。これは三万との比較もあるし、少くも私はこの倍六千以上を貼らなければならんのじやないか、こう考えております。
  107. 木内四郎

    ○木内四郎君 私も佐々木議員の御説に賛成いたします。例えば私の方の縣なども先つき天田君の言われたように一つの村に十枚は貼れません。そうすると一部落に一枚貼り得るところもあるし、貼り得ないような状態になつております。張札の意味をなさんことになりますから、そこで先つき申上げたように尚掲示場を拵えてそこへ皆一枚ずつ貼れるようにするか、然らざればもう少し枚数を殖やすということにしなければ意味はないと思います。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
  108. 小串清一

    小串清一君 私はやはり前の文書図画等と同樣に、全國が五万枚で地方が三万枚というのを今度は全國が三万枚で地方が三千枚というのは、これは比率の上で非常に差が甚だしいから、只今の御説に賛成して、地方選出は五千ぐらいにして三万との関係はいいじやないかと思うのです。そこで張札を掲示する場合の制限は、私は賛成ですが、公共團体の所在又は管理するものへの掲示の禁止はいいが、掲示場へは私は掲示してもいいと思います。掲示場は公共團体で管理する掲示場がある、これまで禁止する必要はない、掲示場は使つてもよろしい、外の方はこれでいいのじやないかと思うのです。
  109. 小川友三

    ○小川友三君 このポスターの件ですが、今佐々木先生、小串先生の御提案の通り運動期間が非常に長いのでありまして、三千枚のポスターを早く貼つてしまえば、あとは雨風でとれてしまつてないという非常な運動する側で不利がありますので、地方区議員の場合は六千枚以上一万くらいは貼らして欲しいと思います。六千枚程度は最小限度必要であると私は思います。  それから今の小串先生のお説の通り立札、ポスターを貼る場所は國若しくは地方公共團体の所有又は管理するものの掲示は禁止ということになりますと、細い電信柱に貼つたり非常な苦心をしますので、地方公共團体の掲示場には、天下の國会議員の選出ですから、これは貼らして頂くということに賛成です。  それから今の北條先生の「張札の印刷は、二色を超えてはならない。」ということですが、七色も八色も使う人はありませんが、大体これは羽仁先生も賛成しておられますが、張札の印刷は制限を加えない方が私は却つて自由な動きという点から見て進歩的であろうと思います。
  110. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 天田君から全國区の場合三万枚を人によつては一縣で貼つたりするようなことは、やはりそれは全國区という立場から公正じやない、だから地区枚数が三千枚だからそれを限度にして呉れという議論が出ましたが、それは賛成です。これが五千枚ということになりましたが、一府縣については五千枚限度、こういう規律を設けるのが当然だと思います。
  111. 柏木庫治

    ○委員長(柏木庫治君) それでは(二)について。
  112. 天田勝正

    ○天田勝正君 これは「使用できる。」という言葉で結んでありまして、結局使用制限を規定いたしております。この中で自動車、それから拡声器及び船舶、こういう言葉があるのです。私はこの自動車もどうしても御免蒙りたい、選挙事務所の使用する許されたる範囲の自動車ならば別問題でありますが……。(「それはそうでしよう」「そういう意味だろう」と呼ぶ者あり)
  113. 天田勝正

    ○天田勝正君 そうですか。そうすると船舶もそういう意味ですか。
  114. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) そうです。(「拡声器もそういう意味だ」「進行進行」と呼ぶ者あり)
  115. 小川友三

    ○小川友三君 (二)の「自動車」というところに、同じ車ですから、飼料が安くなりましたので馬車を使う場合もあります。(笑声)乗馬、山の上なら自動車は登れませんから、候補者が馬に乗つて行くという場合に札を附けるというわけで馬車、それから自動車……「自動車」の下へ諸車或いは車馬といことにお入れを賜わりましたら如何なものでございましよう。
  116. 柏木庫治

    ○委員長(柏木庫治君) 第十四に願います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  117. 柏木庫治

    ○委員長(柏木庫治君) 第十五。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  118. 柏木庫治

    ○委員長(柏木庫治君) 異議なしと認めまして第十六。
  119. 天田勝正

    ○天田勝正君 これは異議があるのです。これは公営でないとすれば……(「公営じやないでしよう」と呼ぶ者あり)公営である氣遺いがないですね、この項目は……。その前提に立つて考えますと、船舶五隻とはこれは恐れ入つたる……、(笑声)船舶五隻をどう借りて幾日借りるか知りませんけれども、借りた日にはやはり超過金額になる、(笑声)それでそんな必要が一体あるかどうか、私はないと思うのです。これはやはりどうしても、全國でも二隻くらいにして貰いまして……、(「公営にしようじやないか」と呼ぶ者あり)いや公営なら異議ありませんが……
  120. 柏木庫治

    ○委員長(柏木庫治君) ちよつと速記を止めて。    〔速記中止〕
  121. 柏木庫治

    ○委員長(柏木庫治君) 速記を始めて下さい、
  122. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) 十六の船舶五隻とありますのは、島興の多い府縣がありますので、さような点を考慮いたしますと、現在の衆議院臨時特例では一隻ということになつておりますが、全國選出の場合につきましては、北の方では北海道、南の方では九州というようなことを考えますと、一隻、二隻というようなことでは足りな過ぎるというようにも考えまして、一律に大体五倍くらいにしたらどうか、かように考えた結果、自動車五、拡声機五、船舶五、こういうふうに考えたわけであります。
  123. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 これはやはり原則に基いて……自動車、拡声機、船舶は非常に費用を要するものです。從つて費用を要するものを許すとすれば國営にする、國営でないとすればできるだけ制限する、これはその原則に從つて決定して頂きたいと思うのです。だからこの五隻とか五台とかいうのは、國営であれば大賛成です。そうでなければこれはもつと制限しなければ到底私達は自動車五台に船を五隻借りて……、だからやはり公営を主張するのです。
  124. 天田勝正

    ○天田勝正君 これは私は反対です。なぜかというと、勿論公営であれば賛成ということは先程も言いましたけれども、どうしたつてそうなれば、誰にも公営で許すというならば五百人が五百人全部要求します。そういうことになりますと二千五百艘要ることになります、昨日コンサイスの英語辞典の話もしましたが、そういうことをお考えになつ公営にするとすれば、賛成であつても実情はできない、若しそういうことはまだ今の段階からいたしますると、日本の輸送というものは相当支障を來す、漁船のようなものでありましても、これは非常に支障を來すということは、これは明らかです。そういうことを考えますると、どうしても自分の金の選挙費用制限内においてやるのだからそれだれ使えないということになる、そうだとするとやはりこれを相当制限いたしませんと、多少その金が不自由であるにしても制限しないというと、うんと使えない者はまるつきり使えない、恐らく五隻とか三隻とかいうのは、同時に五隻或いは二隻という意味だろうと思う、そうしなければこの意義が分りませんか、そこでそれならば候補者がここにおる場合にはやはり一隻しか使わない、外へ移つてやる場合には一隻でいいです。それだから私はそう選挙費用を超過するような運動をしないとするなら、やはり同時には一隻が妥当ではないか、若し全國で代りの人にやつて頂いたにしても二隻くらいが妥当ではないか、こう考えます。
  125. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 全國区の場合の自動車、拡声機、これはこの原案通り五台一揃ということが適当だろうと思います。勿論同時に五台使い得るということであります。それを費用の上からとても全選挙期間五台の自動車を使うことはできませんけれど、或る時期において五台は普通だろうと思います。いよいよ選挙が間際になつて來たというときに北海道でも使う、東京でも使う、自分の故郷でも使う、こういうことは必要だと思います。まあ当選するためには故郷では五万は取らなければならん、或い縣では二万は取らなければならん、それから三縣では一万は取らなければならん、そういうところにはどうしても自動車で自分並びに勿論自分が行かなければ代理の人に一生縣命やつて貰わなければならん、こういうことになりますから全国としてどうしても五台は必要だろうと思います。それから船舶は私は一隻でよろしい、これは五隻の必要はないと思う。
  126. 小串清一

    小串清一君 私は大体天田君の意見に賛成です。それで船舶は無論一隻ですし、外のものも自分がそういうものを持たなくても交通機関やらいろいろなものがありますから、特にこれを独占して、これだけのものを五台、拡声機とかいろいろなものを揃えて出すということになると大変な金が掛かることになりますから、私は自動車等を全國区は五台か三台、五台は最大限にして、自動車にくつつけたら拡声機もそうですけれども、船舶に至つては無論一隻で、あとは結構じやないか、地方選出の分もこれで結構で、私も衆議院のように一台でいいのじやないかと思いますが、要するにこの案は少しルーズ過ぎると思いますから、適当にこれを減らす必要があると思います。
  127. 城義臣

    城義臣君 この自動車という意味は、オート三輪車であるサイド・カーというものも含めて五台ということにしたものですか。
  128. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) そうです。
  129. 北條秀一

    北條秀一君 自動車、拡声機、船舶についていろいろ意見が出ましたが、私も大体妥当な意見と思います。ただ拡声機ですが、拡声機については、自動車が五台であつて、船舶が一隻というと六になります。ところが拡声機は五しかありませんが、この点について立案者はどういうふうに考えられますか。
  130. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) 船舶につきましては艫櫂のみを以て運行する船舶もありますし、相当小さな船を考えられるわけなので、そういう場合全部拡声機を備え付けておるというふうには実は考えておらなかつたわけであります。又自動車にいたしましても、必ずしも自動車が拡声機を附けて歩いていることのみを考えておらないわけであります。從つてその点必ずしも、自動車の数、船舶の数、それだけの拡声機が必要だとは考えておらなかつたのであります。
  131. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 これは先つき申上げました原則に從いまして、若し國営でないとするならば自動車はどういう理由があるにせよ、五台も選挙機関を通じて傭うということになることは、到底普通の市民のよくなし得るところではない、これは一台に制限されることが適当と思います。拡声機の場合はそれだけの費用に要しせんから五台にしていい、船舶の場合は、自動車又は船舶としたらどうですか、その方が目的に叶うて、いずれかに……    〔「議事進行願います」と呼ぶ者あり〕
  132. 柏木庫治

    ○委員長(柏木庫治君) 第十七。    〔「異議なり」と呼ぶ者あり〕
  133. 柏木庫治

    ○委員長(柏木庫治君) 第十八。
  134. 木内四郎

    ○木内四郎君 氣勢を張る行僞というのはどういうことを言うのですか、それは直ちに賛成しかねます。
  135. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) その点につきましては、自動車を列ねたり、又は隊伍を組んで往來するというような形態において氣勢を張るという行爲なのであります。
  136. 木内四郎

    ○木内四郎君 それはいいのですが、自由とすることが……。
  137. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) そういうことを氣勢を張る行爲と考えております。
  138. 木内四郎

    ○木内四郎君 それは自由なのですか。
  139. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) そうなります。
  140. 木内四郎

    ○木内四郎君 それはちよつと困るね、隊を組んでやつて歩いたら……、ちよつと賛成しかねるな、その点。(「賛成」と呼ぶ者あり)
  141. 城義臣

    城義臣君 今の木内さんの意見に賛成です。
  142. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 私は原則に従つて、金の掛かる行爲は公営にするが、金の掛からないことはできるだけ個人の自由を侵害しないということですから、この趣旨に従つてこの問題を解決したらいいと思います。
  143. 小川友三

    ○小川友三君 十八人の氣勢を張るとう行爲ということの範囲が非常に狭いようで廣いですから、これだけは消してしまつて、名称連呼はいいというようなことに思いますが、氣勢を張られて花火を挙げられたら困るですから、花火を挙げるのも入つてしまうということになると困ると思いますから、これは「氣勢を張る」だけ削つて頂きたいと思います。(「賛成」と呼ぶ者あり)
  144. 柏木庫治

    ○委員長(柏木庫治君) 第十九。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  145. 柏木庫治

    ○委員長(柏木庫治君) 第二十。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  146. 柏木庫治

    ○委員長(柏木庫治君) 第二十一。
  147. 北條秀一

    北條秀一君 今他の話をしているうちに異議なしで第十九が済んだのですが、特殊乗車券の交付について、全國選出の場合は私は二十枚は若干少いと思うのです。それでこの前にいろいろここで討議された中に、例えばポスターは五万枚、片方は三千枚というふうなことが議論されておつたのですが、そういうふうな割合から参りますと、一方には二十枚で片方は十五枚ということになりますと、全國は非常に不利になつて來る、これは相当数殖やす必要があるというふうに考えるのです。    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  148. 柏木庫治

    ○委員長(柏木庫治君) どれくらい殖やすのです。
  149. 北條秀一

    北條秀一君 それは地方区を十五枚にするとなりますと、それに應じた率に、何と言いますか、全國の場合には或る一定の比率を事務的に求めて、これを三十枚にするとか或いは五十枚にするとかいうふうにしたらどうかと考えます。
  150. 天田勝正

    ○天田勝正君 これは先つきのポスターと比較されると、甚だこれは違うのです。ポスターの場合は一定の箇所へ貼つて比較になるのです。これはそういうことでなしに、同時にこれだけの使いを選挙事務所から出すか出さないかということを考えて見ますると、縣でも私はこれは一時にこれだけ使つたことはない、一定の人を指定して、それでその人して使えないという式ならば、これは百枚もいくらも要りますけれども、そうでなしに、他の人がそれを使つてもいいのです。無記名でやりますから……。そうするとこれは同時に百枚というものを使つたら、これは又先つき言う要するに個人費用になりませんけれども、そういう必要は恐らくはないのではないか、こう考えます。そこで若しこれを買えるにいたしましても……。(「同時じやない、全期間ですよ。」と呼ぶ者あり)全期間を通じたつて同時に使えばそういうふうになる。
  151. 北條秀一

    北條秀一君 只今天田さんから御意見がありましたが、私が先程申しましたのは、全國を百枚とか二百枚とかいうのでなしに、地方区が十五枚ならば全國の方ではまあ少くとも三十枚乃至五十枚くらいに殖やしたらどうか、こういう見解なんです。
  152. 木内四郎

    ○木内四郎君 この前にときはどういう制限つたか念のために聞きたいのですが……
  153. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) 衆議院臨時特例では十五枚を限り……(「参議院」と呼ぶ者あり)参議院については何もないのであります(「いや、あつたよ。」と呼ぶ者あり)
  154. 金丸三郎

    説明員(金丸三郎君) この前にときは、鉄道省に話をいたしまして回数券を格安に候補者の方にお賣りした、こういうことであつた筈だと思います。(「違う違う」と呼ぶ者あり)
  155. 北條秀一

    北條秀一君 今の金丸君の説明は、それは違うので、全國の場合には二十五枚の切符を買う優先券を呉れたのです。それだけの話なんです。ですから切符は皆は正当な賃金を拂つてつたのです。
  156. 小串清一

    小串清一君 それは今おつしやる通り、三十枚ならいいと思うのですが、それはなぜかというと、その地方選出の十五枚というのはその区域内しか通れない、全國の三十枚は北海道から九州まで行ける切符を貰うのですから、これは三十枚でもこつちの十五枚の何十倍、何百倍になる。
  157. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 北海道から九州まで降りもしないで汽車に乗つていたつて選挙運動になりはしないよ。
  158. 木内四郎

    ○木内四郎君 十枚殖やして三十枚としたらどうです。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
  159. 柏木庫治

    ○委員長(柏木庫治君) 第二十一。
  160. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 先つき申上げましたように、原則に從つて費用を要するものとしては……。
  161. 佐々木鹿藏

    ○佐々木鹿藏君 今の結論が今少し早いように思うが、私は三十枚というのは、仮にそういう候補者はないかも知れないが、当選なども目的としない候補者がある、それも妨げない、それに全國通用のあれを三十枚出すと何ぼの金額になるか、國家負担でも大したことになる、ですからその問題を斟酌する必要があるから、二十枚でいいと思います。
  162. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 これはパスを出すということなんですか。
  163. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) そうであります。
  164. 北條秀一

    北條秀一君 この前のように優先のあれでなく、個々の切符じやなく……。(「只切符」と呼ぶ者あり)
  165. 大野幸一

    ○大野幸一君 全國区では全國的に著名な人で出るのだから、どれだけ運動が効果があるかということは疑問で、著名でないのは私だけであるから(笑声)全國だけは特に五万枚、或いはポスターを多くするとか、或いは又全國は無料パスを多くしなければならんという理窟はない、そう派手にやることが目的でなくて、全國というのは立候補しただけで大抵選挙民が……。ただ特に全國区の者については、すでに平生から知つて置かなければならん、こういう考えから全國については無料パスとして二十枚でも十五枚でもいいと思います。
  166. 木内四郎

    ○木内四郎君 私はいろいろなことを考慮しまして、このパスと言いますか、この乗車券は、前回のように二十枚なら二十枚、二十五枚なら二十五枚というものを優先的に購入させるということにした方が適当じやないか。
  167. 伊東隆治

    ○伊東隆治君 今の御意見ですが、これは例えば二十枚の全國パスを発行すると実際これは大変なんです。これは木内君の意見との折衷案ですが、二十毎或いは二十五枚の回数券をやつてそれを又購入させるということですが、二十枚くらい全國の人には呉れるというくらいにすれば適当じやないかと思います。二十枚の全國パスをやるということは、二百回くらい回轉しますから、そういうことは容易でないと思います。
  168. 北條秀一

    北條秀一君 只今議論がありましたが、要するところ、特殊乗車券の定義がはつきりしていないからいけないのです。私の理解している範囲では、特殊乗車券とは或る一定の所から一定の地域までの往復の無賃乗車券である、一回限りの……。そういうふうに私は解したものだから二十五枚では足りないということを申したのです。全國どこでも通ずるというようなパスを三十枚出すということは、これはちよつと私には考えられないのです、そういう意味なんです。
  169. 天田勝正

    ○天田勝正君 これはこの前の地方の例でありますが、これはやはり十五枚でありまして、これはパスで全縣通ずるものであつて、多分一枚が百円だと記憶いたしております。それでその当時の私が自分の選挙に使つた例から言いますと、このパスを貰うのは三枚くらいで丁度妥当であつて、それ以上は一回ずつ買つた方が実は得でありました。そういう例からして、この特殊乘車券の定義が北條君の言う通り明らかになつておりませんが、金を出すならば弊害が起きないのですが、それが今南さんが理解されておりまするように、無料乘車券だとこういうことになりますと、丁度前の紙の横流しのようなことが相当起きやせんか、そういうことから考えまして、ここで異議なしで決めるよりももつとこの点は考慮する、そういうことにして進行して頂きたい。(「賛成」と呼ぶ者あり)
  170. 柏木庫治

    ○委員長(柏木庫治君) それでは二十一。
  171. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 たびたび同じことを繰返すのですが、費用を要するものは公営とするという原則をこの場合にも貫いて頂いて、ここに挙げた五つのものに限らない、尚研究して頂きたいと思います。
  172. 木内四郎

    ○木内四郎君 今の五の特殊乘車券の経費については天田君の発言に関連して私も更に研究して頂きたいと思います。
  173. 北條秀一

    北條秀一君 二十一については、ただ項目を並べただけでは実際我々判断できないので、もう一歩事務的に進めて、これだけのものを出するとすればどれだけの経費が掛かるかということを一應事務当局において資料を出す、作つて頂きたいと思います。(「賛成」「進行」と呼ぶ者あり)
  174. 柏木庫治

    ○委員長(柏木庫治君) 第二十二。
  175. 木内四郎

    ○木内四郎君 ちよつと立案者にお伺いしたいのですが、公営費用負担をさせることというのは、公営費用の一部ということでしようね。
  176. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) さようであります。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
  177. 北條秀一

    北條秀一君 私異議あります。只今第二十二については異議なしという意見がありましたが、私はこれは選挙公営という立場から申しましても賛成でないのです。現在の衆議院選挙法によりまして各候補者から二万円の公営費を負担させておるのですが、実際に今回の兵庫縣におけるところの補欠選挙の例を一つつて見ますとはつきりしますが、兵庫縣においては三千万円の選挙費を使つて八人の候補者で立つた、そういたしますと僅かに十六万円の選挙公営費が負担されたということなんで、そういうふうなことが今後と雖も起きると思うのですが、私はそれだけのことをやつてどれだけの價置があるかということを考えると、公営費を負担させるということは意味をなさんというふうに考えるので、私はこれには賛成しない。
  178. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 この選挙について選挙に立候補する人は、実は理論的に言えば非常に迷惑なんで、そのためにいろいろ選挙をしたり費用が掛かる。國民のためによんどころなく立候補して、それで活動するということなんだから、國民が喜んで立派な人を選び得るために公営費用を十分に出すということは当り前である、今までの日本では残念ながら必ずしもそうではなかつたが、我々は全くそういうふうに考えておるので、選挙運動に関するいろいろの経費というものは、実に迷惑にものであると考えておる訳であるから、そういう点でこれは考え方が全く反対であるというふうに思われるのですが……
  179. 天田勝正

    ○天田勝正君 これは私はもつと愼重にやはり考慮して貰いたいと思います。それは理論的には私は今羽仁君のおつしやつたのと全く同じ主張を年中持つておるのです。ただ現実にはこのくらいの、使えば二万円ぐらいを取るにいたしましても、このぐらいの金で全國に名前を賣ればということを私は現実に相当見ておる。埼玉の例なとで衆議院を見ましても僅かに二百五十、これぐらいして取れないのをあけだけを捨てればよいと言つて平氣で出る、それと同じ供託金で参議院で全國で宣傳されるということになれば、その弊害も相当大きいので、理論的には全く私は羽仁君のおつしやつた通りにしなければならないと思いますが、もつと研究したいと思います。
  180. 小串清一

    小串清一君 私も天田君の意見と同じです。そうして要するに乱暴にこれを濫用するものを防がなければならないので、現実としては理論がそうであつても相当にやはりその人に保証金と言いますか、そういうものを、公営費の一部を負担するということはどうしても考えなければならない。さもないというと、誰でも出てそうして幾らでも國費を使う、國庫負担でも先程の選挙に二億何千万円要つておるので、三億要つても五億要つても構わない、そういうことは國費を濫費するということになつて私は拙いと思うので、或る程度なはりそういう宣傳的に利用するような人達を防がなければならないので、或る程度相当の費用はやはり供託することはどうしても法の上では必要だろうと思う、併しそれを幾らにするかということは研究の上で尚……
  181. 北條秀一

    北條秀一君 天田、小串両氏の意見がありましたが、私は先程お話のあつた選挙公営の一部を負担させるというとに反対いたします。で、今の天田、小串委員の御意見は、供託金の方似おいて十分その目的を達することができると私は思います。現在の供託金制度については、先般の懇談会のときに私は特に申しましたが、これは次にやるということになつておるので、そのときに私は意見を申上げます。今の公営費の一部を負担する、その目的が御両氏が言われたように、ただ爲にする選挙運動をする議員があるということを氣にするならば、供託金の方で十分その目的を達し得ると私は考えますので、公営費は負担させない方がいいというふうに飽くまでも考えます。
  182. 吉岡惠一

    説明員(吉岡惠一君) 公営関係選挙管理委員会の水から立場を一つお考え頂きたいと思います。  只今出ました選挙を要する費用の問題、國の財源の面から見てやはり公営費用となると相当掛かる、従つてそういうものが相当多額に出し得るかどうかということを一つお考え願いたい。  それからもう一つは、選挙管理委員会としてはどうしても公営となると公平ということを考える、從つて偏頗になつていないかということを考える結果、いろいろ心配されます。実際においてその公平な取扱い方ができるかどうかということも相当詳細に、やはりお考えを頂きたいと思います。それで最近最高裁判所の判決がありましたが、公営の粗漏のために選挙全体が無効になつた事件、從つて負担が余りに掛かつたために選挙管理委員会が十分な措置ができない、その結果不公平な措置をとつたために選挙無効になるという事例を起り得ると考えますので、その辺も十分お考えを頂きたいと思います。  それから先程お話の中で十五等でありますが、つまり制限以上の貼札をした場合にそいつをはがせる、これは制限以上の貼札であれば、はがせる場合もあるが、貼札をはがせるには非常な困難な費用を要し、又人を要しますので、この辺もなかなか困難な点があるということをお考え願いたい、又それから自動車等の公営というお話は、これは國で費用を出すというのか、雇い上げまで選挙管理委員会で考えるというのか、これは分りませんが、若し雇い上儀等までやるという場合に、若し雇い上げができなかつたという場合、どうも費用が安いのでどうしても應じて呉れないという場合の強制の規定等もお考え頂かないと万全な措置ができないと思いますので、そういう点も苦労があるということをよく一つお考え願いたい。
  183. 小串清一

    小串清一君 今おつしやる何は、強制を認めることにどこかで先刻あつたと思うが……  それから今のはがす問題については、これは私は私の体驗を申上げようと思つておる。それは半年私は議院員に出るときにポスターに制限がないので、電信柱から人の家から滅茶苦茶に貼つてつた。で選挙が終つて自分でそれをはがした代議士もあつたが、私共はがした方だが、はがさないでいつまでも放つて置く代議士がおつてつた。で、代議士も候補者の負けた者も縣廳を皆集めて、自分の名前の書いた者は自分で取るということを申合せて、そして、自分の名前の者を去ることを実行した例があります。実際にこれをべたべた貼つてあるのを……、まあ今度のは枚数限つておるのでいいが、べたべた貼つてあるのを、滅茶苦茶に糊で貼つてあるのを取るのは大変な経費です。それですからこれはやはり場合によつては撤去する権利は公営委員会に認めるけれども、候補者にもその数は幾らもないのではがす義務を負わすくらいのことをやつてもいいと思う、そうしないと汚ならしくて困るのです。
  184. 柏木庫治

    ○委員長(柏木庫治君) それでは今日はこれを以て散会いたします。    午後四時十分散会  出席者は左の通り。    委員長     柏木 庫治君    理事            大野 幸一君            小串 清一君            木内 四郎君    委員            天田 勝正君            大畠農夫雄君            北村 一男君            城  義臣君            藤井 新一君            伊東 隆治君            佐々木鹿藏君            飯田精太郎君            岡本 愛祐君            島村 軍次君            北條 秀一君            兼岩 傳一君            羽仁 五郎君            小川 友三君   法制局側    参     事    (第二部第一課    長)      菊井 三郎君   説明員    全國選挙管理委    員会事務局長  吉岡 惠一君    総理府事務官    (全國選挙管理    委員会事務局選    挙課長)    金丸 三郎君    電氣通信事務官    (電波廳法規経    済部審査課長) 松田 英一君    日本放送協会企    画部地方課長  白神 昇藏君    日本放送協会工    務部運用課長  佐原 貞治君