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吉川末次郎君
委員長のおつしやることはよく分るのですが、私の申していることを更に附言して申上げますと、
皆さんのいろいろのお
考えを聽いて、後程にな
つて私もいろいろ
意見も変るところがあるかも知れませんが、ただ莫然今日まで
考えております、
決定的な私の見解でありませんが、まあ莫然とした感想のようなものを申述べることをお許しを願いますと、私が先程申上げました
通り選挙法は大体において、先般
改正せられたるところの
選挙公営主義による、
衆議院議員の
選挙法の
改正から当然にそれが
参議院の
選挙法の
改正に適用されなければならないところの部面というようなものだけは、どうしてもこれはしなければならないのであるけれども、今日世間で多く言われているところの
選挙法の
改正の
意見というものには、直ちにそれに從うというような氣持にはまだ十分に私はなりかねているような有樣なんであります。と申しまするのは、例えば民自党幹事長の
廣川弘禪君が
参議院の全國
選挙区は廃止するとかというようなことを言
つており、又その外
選挙法改正についていろいろな
意見が言われておりますが、
地方行政の
委員会の
委員といたしまして、先般來若干の討議を
委員会においてなされた、尚又その
参議院から派遣せられまして、九州
地方を……私が公聽会等を開きまして、大分縣、福岡縣及び宮崎縣等で
地方の
選挙事務に当られたところの主要代表者の諸君、それから各政党の
地方支部の代表者、或いは職能團体の代表者、それから
地方の
選挙管理
委員会の代表者、言論機関の代表者等々のそうした代表の
選挙に関するところの
意見を聞きました結果等から得ました結論は、世間の一部においては、先般行われたところの
衆議院の
議員の
選挙のやり方というものは非常に拘束主義である、非常な統制主義であ
つて、
選挙運動の自由なるやり方をあまりに強く拘束し過ぎている、そのために
選挙運動が非常に萎靡してしま
つて自由な
選挙民の意思表現がなされておらんというような立場から、あれをもつと自由にしなくちやならんというような
意見が相当に廣く今日行われていると思うのであります。そういうような
考えにつきましても、私は個人といたしましては、そういう
考えが間違
つているという見解を持
つているものでありまして、この間の行われたところの
選挙公営主義によるところの
選挙は、
地方のそれらの代表者の
意見等を総合いたしましても、いずれもこれまで行われた如何なるところの
選挙よりもよか
つた、
理想に近いところの
選挙のやり方であ
つて、部分的には尚修正を要するような点があるけれども、全体的に言うならば、非常に從來の
選挙よりも正しい國民の
選挙に対するところの政治の意思表現が行われたという見解に、殆んど集まる人全部の
意見がそうでありましたが、私も亦全くそのように
考えるのであります。ところが世間に行われているところの
議論、これは私は俗論と言うてよろしいと思うのであります。むしろ私の見解や
地方のそうした代表者の
意見に反するような極めて謬見的な
意見が行われていると
考えております。そういう点からもそうした方言への
改正というものは私は必要はない、又殊に全
國選挙管理委員会の方から、当時新聞にも発表されたのでありますが、例えばそういう自由主義的な方面から戸別訪問を許すとか、或いはその外
選挙の費用について最高額を限定して置くだけであ
つてその外のことはもうすべて自由にする、ポスターも随意に貼らす、演説会でも何でも勝手にやらさすようにしようという
意見が発表されたのでありますが、今申しましたような趣旨から、私はそれは誤れる俗論であると、このように大体私は今日でも
考えているようなわけなんであります。それから
從つてこの間行われたところの
選挙公営主義を、更に徹底化して行くという立場から
選挙法の
改正を行わるべきものであ
つて、そういう点からすると、非常な基本的な
廣範囲に亘
つた選挙法の
改正というものについても、同樣の見解から極めて私の
考え方からは狹ばめられたことにな
つて來るわけであります。又
廣川君等が言
つておりますところの
参議院の全國
選挙区の廃止の問題であります。これは
廣川君のみならず、その外の人が言われておるのでありますけれども、これ又極めて私の結論だけを言うことをお許しを願いますならば、浅薄なるところの俗論であ
つて、殆んど耳を籍すに足らないところの
議論であると
考えておるのであります。理由を申しますと長くなりますからこれを省略いたしますけれども、結論だけを申しますと、私はかように
考えておるわけであります。尚ここに挙げられておりますところの
廣汎にして極めて重大なるところの
事項でありますが、こういうような問題は、今日まで日本の
選挙の
制度というものは、廣義におけるところの憲法の一部でありますが、いろいろ長い間に私は今日まで
研究調査審議せられて來た結果、現段階においては、先般行われたところの
衆議院議員の
選挙法によるような
制度に落着いているのじやないかと思われるのでありまして、それを例えばここにありますような比例代表制を採るとか、或いは比例代表制を採るならばどの比例代表制によるか、或いは
選挙区をどうするか、いろいろな重大な
廣汎な
事項がここに掲げられておるようでありますが、こういう問題を我々がここに討議して行きますと、極めて長時間に
亘つてやらなくちやならん問題であ
つて、とてもこれは來國会にでも何か
選挙制度の
改正に関する法律案を出すというようなことには時間的にも間に合わないのじやないかと思われるのでありますが、これは今私の持
つております漠然とした
考えであります。だから以上申しましたようなことから、
選挙法の
改正については、この間やられた
衆議院議員の公営主義によるところの
選挙区の
改正、それに基くところの差当りの
改正をしなくちやならん
改正だけをして置くだけでいいのじやないか、こういうように漠然と
考えておるのであります。いろいろ
皆さんの御
意見を承
つて自分の
考えも直して行かなくちやならん場合も起
つて來ると思いますが、私はそういう見解を持
つております。そういう点はもう少し私としては
皆さんの
意見を洩して頂いて、それからここに挙げられておりまするところの要項の一々について
意見を開陳し合
つて行くというようにして行く必要が実際上あるのじやないかとこう思うのですが、如何でしようか。