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1949-06-27 第5回国会 参議院 選挙法改正に関する特別委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年六月二十七日(月曜日)    午後一時二十六分開会   ————————————— 昭和二十四年四月二十八日(木曜日) 議長において、本委員を左の通り指名 した。            岡本 愛祐君            小野  哲君            柏木 庫治君            西郷吉之助君            島村 軍次君            新谷寅三郎君            鈴木 直人君            北條 秀一君            小串 清一君            北村 一男君            城  義臣君            遠山 丙市君            藤井 新一君            伊東 隆治君            鬼丸 義齊君            木内 四郎君            佐々木鹿藏君            鈴木 順一君            天田 勝正君            大野 幸一君            大畠農夫雄君            吉川末次郎君            太田 敏兄君            川上  嘉君            小川 久義君            兼岩 傳一君            小川 友三君 五月十八日(水曜日)委員長及び理事 互選の結果左の通り決定した。    委員長     柏木 庫治君    理事            大野 幸一君            小串 清一君            木内 四郎君            鈴木 直人君            太田 敏兄君   委員の異動 五月三十一日(火曜日)委員川上嘉辞任につき、その補欠として羽仁五郎 君を議長において選定した。 六月二十四日(金曜日)委員小野哲君 及び新谷寅三郎辞任につき、その補 欠として飯田精太郎君及び宿谷榮一君 を議長において選定した。   —————————————   本日の会議に付した事件 ○選挙法改正に関する調査の件   —————————————
  2. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) 選挙法改正特別委員会を開催いたします。  午前中委員長理事打合会でいろいろ相談いたしましたので、その事項について、先ず事務局の方に打合事項を読んで頂きます。
  3. 菊井三郎

    法制局參事菊井三郎君) 理事打合会に関する事項  一、事務局機構の件   予算及び人事について  二、事務準備の状況の件   議題及び資料について  三、委員会運営方針の法本事項の件   (一)選挙法改正について長期に亘つて審議し完全なものを立案し長期間改正を加えないような法案作成方針をとるかどうか。     右についての方針をとりつつ    差当り來年選挙を控えて参議院議員選挙法改正に当るかどうか。   (二)参議院議員選挙法改正を行う必要上、衆議院議員選挙地方自治法選挙教育委員選挙に関する法律等を統一的に改正立案し、來る臨時國会において全部の法案を提出する予定法案作成方針をとるかどうか。  お手許に配布しておる四を削られましたので省略いたします。  五、審議予定の件    別紙要綱案中     重点第一選挙制度六月二十七日——二十九日檢討     第二選挙手続六月三十日——七月一日檢討     重点第三選挙運動七月二日——七月五日檢討      右のように予定し、八日間(日曜日を除く)に議了すよるうに進めることはいかが。  六、調査のため議員の派遣についてはどうするか。 以上であります。
  4. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) これに対して午前中に打合せました内容を御報告いたします。この前の委員会で委されました通り事務局学識者二名、経驗者二名補助者といたしまして二名を以て、これに法制局のメンバーが加つて事務局が構成されました。学識者は、東大の宮澤教授が事実上関與いたします。いま一人は、宮澤教授にお任せいたしまして、実際上教授がいいか、助教授級がいいか、又実際に働く助手級のものがいいかという点につきましては、宮澤教授に一任をいたしてありますので、近く決定すると思います。実際家では友野君と、それから朝日君にお願いをいたしまして、この二人は両方とも選挙に……全國選挙管理委員会朝日君は活躍をいたしている方であります。  議題及び資料は皆様のお手許にお届けいたしてあります。それから委員会運営方針基本事項の件でありますが、理事会では、第一の方で進んだらよかろうということに意見纏つたのでありますが、これは動かざる法典を作るという含みを以ちまして、参議院議員選挙法から手をつけたらどうか、この方法については皆さん理事会方針を申上げて、これから御協議をお願いする。四を抜かします、これは取止めました。第五、審議日程予定の件でありますが、選挙制度選挙運動重点を置きたい。從つて日数も長いのでありますが、これは実際やつてみまして、もう少し早く行くやら、もつと日にちがかかるやら、やつてみて初めて分ることでありますけれども、先ず予定を組んで置く必要があるのじやないかという意味において、第一、選挙制度六月二十七日から六月二十九日までに檢討する。第二、選挙手続を六月三十日から七月一日までに檢討する。選挙運動を七月二日から七月五日までに檢討したならばどうかと御協議を願いたいのであります。  それが済みましてから、調査のために議員諸君にあちらこちらを研究調査に出掛けたらどうかということでありますが、これはどこどこにどういう方法で行くかということは、これから審議中にみんなのお考えを持寄つて決めたらよかろう、こういうことであります。  選挙法改正についての調査地に関する調べでありますが、地区とその次の次に二段に分れておりますが、地方行政委員会でこの調査のために以前出ております。これは北海道東北と書いてありますが、北海道東北地方行政委員会では出ておりません。上の段が地方行政委員会で出たのでありまして、下の方の段の地区は出ていないのであります。從つて理事会打合せは、地方行政委員会で一度行かれましたところはこの委員会では避けまして、行つてないところに行つた方がいいんじやないか、というのは受ける方から申しますと、選挙法でもう二回來たということになりますし、又成るべく廣範囲に行きたいという意味と、地方行政委員が多くこの委員会におられますので、成るべく今度の出張は、地方委員会で行かれない下の方の段の地区を選んだ方がよかろう、これも決定はこれから先の協議に俟ちたい、こういうことで午前の打合会を終りました。御報告いたします。  この御報告を申上げたことで御意見をお述べ頂きたいと思います。
  5. 北條秀一

    北條秀一君 選挙法改正に関する特別委員会がすでに発足したのでありますから、或いは言うところはないかも知れませんが、選挙法改正するということは、即ち今日まで我々が数回の選挙を行いまして、その経驗に基いて現存選挙法には種々の不備があるということを考えたが故に、改正の挙に出たのでありますが、併しながら現存選挙法に如何なる点に改正すべきところがあるかということについて、本委員会委員各位考え方というものは統一されていないというように考えるのであります。そこで先ず本委員会は、当初に如何なる点に選挙法不備があるかということについて檢討して、意識を先ず統一してかかる必要があるのじやないかということを私は考えるのでありますが、その点について本日の理事会においてその問題を考えられたか、その点について委員長の御意見を聽きたいのです。
  6. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) 今日の理事会におきましては、お手許に配付いたしております選挙法改正に関する要綱案原案がなくては纒まりませんので、これによつて審議を進めて行つたがよかろうということに意見纒まりました。
  7. 北條秀一

    北條秀一君 私の言いますのは、この資料によりまして改正に関する要綱案があるわけでありますが、既往の経驗に基いてどういうところに最も欠陷があるか、これは問題が沢山出ているのでありますが、問題が出ているということは、その欠陷を十分に指摘しているというふうにも考えられますが、この要綱ではただAかBかCかDかという各國の経驗に基いて言つているわけでありまして、これは私は非常に総論的であるというように考えるのであります。むしろこの選挙法改正に関する要綱案は、一昨々年ですか、現在の選挙法を作るときにこういう問題が十分に檢討されたものであるというふうに私は考える。併しながら今日の選挙法は、その後の実際の経驗に基いてどこに不備があるかという点を、先ずこの委員会では最初檢討すべきではないかというふうに考えるのでありますが、私はそういうふうに第一回の委員会においてその欠陷を十分に指摘して、ここに我々は改正すべき意識を統一して行くというふうに行けば、最も能率的にこの改正委員会というものが運営できるのではないかというふうに考えますので、各委員に諮つて頂きたいというふうに考えます。
  8. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) 北條君の御意見に対しまして、御意見のある方は……。御意見ありませんか。
  9. 木内四郎

    木内四郎君 北條委員の御意見誠に御尤もな点があるようですが、我々の手許に配付して頂きましたこの要綱にいろいろな問題が列挙してあるのですが、この要綱について今北條委員の言われるように、その箇條ごとにこの点については檢討を加えたらとか、この事項についてはこのままでいいとかいうふうに順次やつて行く方が組織的であり、却つて議事を進めるにいいように考えるのですが……。(「賛成」と呼ぶ者あり)
  10. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 北條君の御意見は誠に御尤もでございますが、今木内君の御意見がありまたしように、この折角お拵えになりました選挙法改正に関する要綱案によりまして、第一から順次やつて参りますうちに、これまでやつてつたことがいいとか悪いという議論が当然出て來ると思います。それによつて皆樣の御意見をお聞かせ願つたらよかろうと思いますが、そういうふうにしたら如何でございますか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
  11. 木内四郎

    木内四郎君 ちよつと私この際甚だ僭越でございますけれども、理事の打合会において話題になつた問題をちよつと参考までに申上げた方がいいと思いますが、打合会におきましては、ここにいろいろ問題を列挙してあるが、尚この外にもあり得るだろう。尚衆議院の方との関係で、こちらで考えていなかつたことを向うで或いは問題になつて、この点に付け加えて來られるだろう、そういう点に鑑みまして衆議院とも十分連絡しまして、或いはこれに更に付け加える事項があつたら付け加えて行こうというような話合になつておりますから、そのことも念のために添えて置きます。
  12. 大野幸一

    大野幸一君 序でに理事打合会のときに私から最後に申上げましたことについても、参考までにここで申述べたいと思いますが、この今日の打合会に関する事項の第三のうち、一の参議院選挙法來年に間に合せるように改正するかどうかということ、二のその他のいわゆる選挙法統一的改正をするかどうか。この二つの題目について、まあ一の参議院選挙法の方の改正を主にしてやるというような話合もありましたのですが、考えて見ますると、この選挙特別委員会というものは参議院選挙法改正が主眼であつたのでなくて、從來の選挙法が度々改廃されるけれども、その前匆々のうちにできた選挙法が幾つもありまして、それを統一して、やや恒久的に一つ選挙法の大法典にするのがいいのではないかという、こういうような意味で特にこの特例委員会が設けられた。これはウイリヤムズ氏がこの間來られまして、この懇議会においてもそういう意味においてもまあ意見といいますか、そういう意味前提においていろいろ参考事項を述べられたことと思うのであります。若し参議院選挙法改正でこの前についてのみ、この前の選挙の不便ということがありますならば、一部、本当の一部改正、例えば選挙の制限がどうとか、或いは取締が余りに形式的に流れるとか、こういうような点であるならば、敢て特別に特別委員会を設けるまでもどうか、こういうことでありまして、そのときも述べられたように、この特別委員会に対しては任務が重過ぎて或いはどうかというような批評もあるけれども、恐らくやり遂げるであろうこういう話まであつたので、そういうことから考えますると、どうしても選挙法全体に通ずるところの統一的改正という大事業に取かかつたと我々は考えているのでありまして、参議院選挙法、それは即ち今問題になつております全國区を、どうして……。或る特定の政党の利害というようなものから、或る特定の幹部がまあ一つ先入感を占めておつた。これに我々が乘つて、と申しまするか、その雰囲氣に乘るようなことがあつて参議院選挙法はどうしてももう改正しなければならないのだ、こういうような先入感を以て、こういうふうに審議することはどうかというような意見を発表しましたところ、幸いにそれもそうである。なるが故に第一と第二は決して切り離すものでなくて、これから順次審議を続けて行く上において当然関連して來るものであると、こういうことで大多数の賛成を得たことも亦事実である。この点も皆さんにも参考として私は申上げて置くのがいいかと思いまして今発言さして頂いた次第であります。
  13. 大畠農夫雄

    大畠農夫雄君 私は北條さんの言われた点が選挙法改正につきましては基本的問題だと思います。現在の選挙法改正する必要があるかどうかということをまず以て考えないうちに、ただ選挙法改正委員会ができたから、この運営方針基本事項によつてつて行くべきだという、そういう先入感は批判的に考えなくちやならん。從つて北條さんの言う現在の選挙法をどう改正するのだ、どこに改正する必要があるのだということをまず以て檢討する必要がある。その結果改正するとすれば、第一案によるか、第二案によるか、こういうふうに進むべきであつて最初から改正するものだという前提によつて、この基本事項審議して行くということは、一應我々は考えなければならんと、こういうように思うのであります。
  14. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) 別に御意見ございませんか。
  15. 小川友三

    小川友三君 先程も委員長さんの報告中心に、又事務局報告中心考えますときに、この審議進行事務局機構の点の中で、予算及び人事について、それから運営方法、この二つが、取敢えずこれを纒めてかからなければ進行しないように思いますが、この点につきまして委員長さんから事務局の方の進行状態というもののあらましを御報告願いたいと思います。
  16. 北條秀一

    北條秀一君 只今小川委員から発言があつたのでありますが、先程來この選挙法改正に関する問題が進行中でありますので、もう少しそれを進められたらどうかと思います。勿論それは途中で今の事務報告はされることは結構だとしても、それは最後でもいいのじやないか。この点小川委員に御了解願いたいと思うのですが……。
  17. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) それでは小川委員の今の御意見は一應保留いたしまして、議事進行方法について御意見を……。
  18. 木内四郎

    木内四郎君 どうですか、この予算とか、人事とか、或いは運営方針その他については委員長報告皆さんにお認め願うことにして頂いたらいかがかと思うのでございますが……。(「異議なし」と呼ぶ者あり)どうですか、それで皆さん異議ないようですから、北條委員からお話なつたこと、北條委員の御意見も御尤もだけれども、私の申上げた点、或いは岡本委員からもお話があつて大体御了承願つたようですから、そういうことをお進め願うようにお取計らい願つたら……。
  19. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) 御異議なければ、小川君の意見委員長報告了承して頂いたといたしまして、さつき通りに進んで頂きたいと思います。
  20. 小川友三

    小川友三君 今度の選挙法改正委員会ですが、改正重点理想選挙の型を中心にしたい、こう本員は思うのでありまして、今までの選挙理想に近いものではあつたが、理想のところまで行つていないという点が相当あるのであります。この間の埼玉縣の知事の補欠選挙の場合ですが、そういう場合でもなかなか理想選挙行つていない、一部の党派に属する新聞が一部の特定候補者を支持しているとか、或いは候補者にガソリンを全然呉れないでやるとかいうように、型が外れているという点が沢山ありますので、本員はそういう点から、特に衆議院選挙におきましても、参議院選挙におきましても、地方選挙におきましても、幾多改正する点があるとかように思つております。特にこの参議院選挙の例ですが、参議院選挙候補者が出ましても、候補者選挙人名簿を與えない、有権者は大体あらましは分るが、その氏名は分らないというわけで、立候補の挨拶もできないというような状態におりまして、國家選挙人名簿候補者に必ず與えるという形態を取らなければいけない……。
  21. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) 小川さん発言中ですが、今のそういうふうな御意見はこの選挙法改正に関する要網案を以て進む、進んで行くならば、北條君の言われたこともこの中で一つ一つ大畠君の言われたことも一つ一つ解決して行くのに便利がよかろうということを木内君が発言されて、岡本君も賛成されて言つているんだから、それを先ず決めて、それでこの中に御意見はあられると思いますが、さつきの線に副うて一つ議事をお進め願いたいと思います。
  22. 小串清一

    小串清一君 先程來いろいろお話がありましたが、委員長から御報告があつて、尚木内君からもお話があつたようなわけで、この打合せの御報告順序從つて先ず選挙法の例えば制度とかいろいろのものをここで決めた順序檢討をする、その間にいろいろの実際の触れた御意見制度については制度議論があろうし、手続については手続議論がいろいろ出ましようから、これを御了承をお願いできるならばそんな順序議事を進めるようなことにお願いいたしたいと思います。
  23. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) 御意見ありませんか。
  24. 北條秀一

    北條秀一君 いろいろ御意見が出ましたが、私は先程主張したことは先程來皆さんにお聽通り願つたのでありますが、只今の問題は三の委員会運営方針基間事項の件をここに理事会決定に基いて出されているわけなんですが、これを認めろということなんですか、それはそういう方針を採るかどうかということを言つているんです。決を決めて下さい。そういう方針を取るということを先ずお決めになつて行けばあとはどんどん進むわけですから……。この原案によりますと、こういう方針を採るかどうか、それから(一)と(二)は不可分の関係において進めるか、その点如何ですか。
  25. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) いや、採るかどうかということを皆さんに御相談をいたしまして、木内君がこれを採つたらよかろうということで、岡本君その他の賛成があつたのであります。
  26. 北條秀一

    北條秀一君 それをはつきりして頂けばいい。
  27. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) じやこの選挙法改正に関する要網案を土台といたしまして、理事会打合せ通り審議を進めてよろしかどうか、賛否を……。
  28. 木内四郎

    木内四郎君 よろしいかどうかでなく、よろしいかを諮つて貰いたい。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  29. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) それでは異議なしと決定いたしました。それではこれでお進め願いたいと思います。
  30. 小串清一

    小串清一君 この專從員として御選任下さいました方が今日おいでになつておれば、そういう方々を御紹介願いたいと思います。この審議の初めに、若しおいでになつておれば、お願いしたらいいのじやないか……。
  31. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) 皆さんに御紹介をいたします。今度この改正審議会に專從して下さいます宮澤教授であります。(拍手
  32. 宮澤俊義

    説明員宮澤俊義君) どうぞよろしく。
  33. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) 実際家であります友野君であります。(拍手)こちらは朝日君であります。(拍手)  それでは又もう一人決定する筈でありますから、それは後程……、それでは会議を進めます。
  34. 北條秀一

    北條秀一君 先程の御決定なつたことですが、三の委員会運営方針基本事項は、内容は(一)と(二)になつておるのですが、(一)と(二)を不可分の関係においてやるということに了解していいわけですね。
  35. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) よろしいと思います。審議して行く間には当然そういうことになると思います。
  36. 北條秀一

    北條秀一君 それは全委員に確認して置いて頂かないと……。
  37. 小川友三

    小川友三君 オー・ケー。(笑声)
  38. 島村軍次

    島村軍次君 御進行を願います。
  39. 木内四郎

    木内四郎君 さつき委員長から理事会打合せについて御報告があつたことについて、ちよつと大変失礼だけれども補足して頂きたいのですが、実は審議予定のことについて相談いたした際に、大体こういう日取りで審議をして行く、併しその審議というのは衆議院との関係もあつたりいろいろなことがありますので、余り問題を決定的にしませんで、さつき北條委員から言われたように問題のありかを段々明らかにして行くようにしたらどうかというような話し合いがありまして、委員各位は大体御異議がなかつたようであります。  それから尚日程を五日までかからないで、或いは早く済ましたらどうかというような御意見もあつたのです。そういう点も付け足して御報告いたして置きたいと思います。  それから毎日午後一時からやつたらどうかというようなことでありましたので、委員長の御報告に更に付け足して置きたいと思います。委員長、そういう委員長報告只今私が補足した点で皆さん異議がないかどうか諮つて頂いて、進めて頂きたい。
  40. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) 今の木内君の前の二つはまさしく私報告したと思うのでありますが、会議を午後一時からにいたしたらよかろうということに意見があつたのでありますが、異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  41. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) ではそういうことにいたします。  それからもう一つ諮りいたしますが、この審議方法につきまして、一つ一つ應事務当局にこれを読んで頂いて、そうして一め進めて行きますか、どういう方法で進めたらよろしいか御意見を述べて頂きたいと思います。
  42. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 この要網として配付されたものを見ますと、選挙制度の項目だけでも極めて廣汎亘つて、重要な選挙制度という言葉の中に考えられる非常に多くの又重大な事項が掲げられておると思うのであります。それで私の申上げることは形式的に少し決定したことを更にむし返して言つているような感を與えるかも知れませんが、実質的に一つ皆さんのお心得でお考え願いたいと思います。それは先程大野君、大畠君が言われました。そうして北條君のお考えの中にも多少そういう考えがあるのじやないかと思うのですが、こういう廣汎な重大な選挙制度に関する全面的な事項を我々が討議するに先立つて、果してこの選挙法改正する必要があるかどうかということの問題をその以前に、先程だけの論議に止めないで、もう少し深く皆樣が考え止めないで、もう少し深く皆樣が考えて討議して見る必要があるのぢやないかと思います。大体それはまあ形式上もうすでに決定したようなことで、直になつているのでありますが、大体大野君や大畠君が意味せられたことはこういうことじやないかと思うのです。今民自党の廣川幹事長なんかがこういうことを地方で声明したりしたことその他と相俟つて、非常に政治的にセンセーシヨンを起したりしておりますが、それからウイリアムス氏なんかの提言があつて選挙法の全面的な改正について論議する一つの段階にあるとは思うのでありますが、それに先立つて、今言うそんな改正をやる必要があるかどうかということなんですが、併し大野君や大畠君の話された言葉の中には、こういうことだけをオミツトされておると思うのです。それは非常に廣川君の話や、或いはウイリアムス氏の言等から離れて、現在の選挙法改正するところの必要はないという一つ考え、これは私は非常に有力に考えられると思いますが、併しながらそういう考えを取りましても、この範囲内のことはどうしても最小限度改正しなくちやならんことに、これは不可避的に我々が迫まられておるところの問題であります。それはどんなことであるかというと、委員長も御参加になつておる地方行政委員会で問題にしましたのは、來年行われるところの参議院議員選挙に際して、それに先立つて今春行われた衆議院議員改正選挙法によるところの選挙に当然に適用されなければならないところの、選挙運動方法その他についての條項があるわけなんです。即ちこの間行われた衆議院議員選挙においてはいわゆる選挙公営主義に則つて、從來の選挙運動方法をば非常に制限して、あらゆる事項を制限した選挙公営主義の選挙をやつたのであります。その制度が当然に適用されなければならないものが非常にあるので、それを衆議院議員選挙法においてどのように適用して改正するかということを中心にして、地方行政委員会では先にいろいろな討議をせられたわけなんであります。それはどうしてもやらなければならん。それからして今のような選挙公営主義によるところの衆議院議員選挙制度改正を、参議院議員選挙制度に適用する場面だけに止めて置くか、或いは言われているようなこの選挙区の問題であるとか、その外いろいろなここに挙げられておるような廣範囲選挙制度その他の問題について、改正する必要があるのかどうかというその点を、先に多少お話もありましたが、もう少し堀り下げてやるならやるで、どうしてもそれはやらなければいかんのだということの討議が少し足りないように思うのですが、どうでしような。
  43. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) 私も午前中の報告に、もう一つ漏れたところがありましたから、併せてこれを報告いたしますと、今の吉川君の話から思い付いたのでありますが、こういう北條君なり、大畠君のおつしやられたこともでありますが、この選挙法改正特別委員会が出発をいたしたのでありますが、これは白紙で出発いたしますので、この要綱によつて一つずつ審議をいたして参りました結果としては、今までの選挙法と少しも改正に変つてない結果になるかも分らないし、全面的に変つた結果になるかも分りませんが、変つてない結果になつたからやらなくてもいいのじやないかということではなくして、委員会が成立したのでありますから、白紙の状態でどうしたらいいかということで進んで仕上げて行くということであるというのでなくてはならんと私は思うのであります。そうして吉川君が今おつしやられたことは、至極御尤もでありますが、午前中も実際これを進めて行く間に、ひらたく言葉で言えば、即定の事実で決まつたようなこともありましようし、大問題のところもある。これは進んで行く途中でそれを分つて來るから、どうでもいいものは、どうでもいいという言葉は大変おかしいのでありますが、当然決めるべきものは決めて、大問題のところは重点を置いて、それに沢山の時間を置いて大いに練る。そういうような審議方法によつたらよかろうということになりましたので、これが後に申上げましたことが吉川君の言われたことと丁度私は同じ心持であると思うのであります。でありますから、さつき申しました改正すべきなにがあるかどうかということにしますと、これで恐らくここに改正する必要がある、ここは改正する必要がないと思いましたでは、私は治まるところがないと思いますので、先ずこれによつて午前中進めましたようにやりましたならば、この中に吉川君の言われたようなことは解決がつくし、北條君の言われたことも自然と解決がついて行くと、私は考えて、それで私はこれで進んだらどうかということを願つたのであります。
  44. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 委員長のおつしやることはよく分るのですが、私の申していることを更に附言して申上げますと、皆さんのいろいろのお考えを聽いて、後程になつて私もいろいろ意見も変るところがあるかも知れませんが、ただ莫然今日まで考えております、決定的な私の見解でありませんが、まあ莫然とした感想のようなものを申述べることをお許しを願いますと、私が先程申上げました通り選挙法は大体において、先般改正せられたるところの選挙公営主義による、衆議院議員選挙法改正から当然にそれが参議院選挙法改正に適用されなければならないところの部面というようなものだけは、どうしてもこれはしなければならないのであるけれども、今日世間で多く言われているところの選挙法改正意見というものには、直ちにそれに從うというような氣持にはまだ十分に私はなりかねているような有樣なんであります。と申しまするのは、例えば民自党幹事長の廣川弘禪君が参議院の全國選挙区は廃止するとかというようなことを言つており、又その外選挙法改正についていろいろな意見が言われておりますが、地方行政の委員会委員といたしまして、先般來若干の討議を委員会においてなされた、尚又その参議院から派遣せられまして、九州地方を……私が公聽会等を開きまして、大分縣、福岡縣及び宮崎縣等で地方選挙事務に当られたところの主要代表者の諸君、それから各政党の地方支部の代表者、或いは職能團体の代表者、それから地方選挙管理委員会の代表者、言論機関の代表者等々のそうした代表の選挙に関するところの意見を聞きました結果等から得ました結論は、世間の一部においては、先般行われたところの衆議院議員選挙のやり方というものは非常に拘束主義である、非常な統制主義であつて選挙運動の自由なるやり方をあまりに強く拘束し過ぎている、そのために選挙運動が非常に萎靡してしまつて自由な選挙民の意思表現がなされておらんというような立場から、あれをもつと自由にしなくちやならんというような意見が相当に廣く今日行われていると思うのであります。そういうような考えにつきましても、私は個人といたしましては、そういう考えが間違つているという見解を持つているものでありまして、この間の行われたところの選挙公営主義によるところの選挙は、地方のそれらの代表者の意見等を総合いたしましても、いずれもこれまで行われた如何なるところの選挙よりもよかつた理想に近いところの選挙のやり方であつて、部分的には尚修正を要するような点があるけれども、全体的に言うならば、非常に從來の選挙よりも正しい國民の選挙に対するところの政治の意思表現が行われたという見解に、殆んど集まる人全部の意見がそうでありましたが、私も亦全くそのように考えるのであります。ところが世間に行われているところの議論、これは私は俗論と言うてよろしいと思うのであります。むしろ私の見解や地方のそうした代表者の意見に反するような極めて謬見的な意見が行われていると考えております。そういう点からもそうした方言への改正というものは私は必要はない、又殊に全國選挙管理委員会の方から、当時新聞にも発表されたのでありますが、例えばそういう自由主義的な方面から戸別訪問を許すとか、或いはその外選挙の費用について最高額を限定して置くだけであつてその外のことはもうすべて自由にする、ポスターも随意に貼らす、演説会でも何でも勝手にやらさすようにしようという意見が発表されたのでありますが、今申しましたような趣旨から、私はそれは誤れる俗論であると、このように大体私は今日でも考えているようなわけなんであります。それから從つてこの間行われたところの選挙公営主義を、更に徹底化して行くという立場から選挙法改正を行わるべきものであつて、そういう点からすると、非常な基本的な廣範囲に亘つた選挙法改正というものについても、同樣の見解から極めて私の考え方からは狹ばめられたことになつて來るわけであります。又廣川君等が言つておりますところの参議院の全國選挙区の廃止の問題であります。これは廣川君のみならず、その外の人が言われておるのでありますけれども、これ又極めて私の結論だけを言うことをお許しを願いますならば、浅薄なるところの俗論であつて、殆んど耳を籍すに足らないところの議論であると考えておるのであります。理由を申しますと長くなりますからこれを省略いたしますけれども、結論だけを申しますと、私はかように考えておるわけであります。尚ここに挙げられておりますところの廣汎にして極めて重大なるところの事項でありますが、こういうような問題は、今日まで日本の選挙制度というものは、廣義におけるところの憲法の一部でありますが、いろいろ長い間に私は今日まで研究調査審議せられて來た結果、現段階においては、先般行われたところの衆議院議員選挙法によるような制度に落着いているのじやないかと思われるのでありまして、それを例えばここにありますような比例代表制を採るとか、或いは比例代表制を採るならばどの比例代表制によるか、或いは選挙区をどうするか、いろいろな重大な廣汎事項がここに掲げられておるようでありますが、こういう問題を我々がここに討議して行きますと、極めて長時間に亘つてやらなくちやならん問題であつて、とてもこれは來國会にでも何か選挙制度改正に関する法律案を出すというようなことには時間的にも間に合わないのじやないかと思われるのでありますが、これは今私の持つております漠然とした考えであります。だから以上申しましたようなことから、選挙法改正については、この間やられた衆議院議員の公営主義によるところの選挙区の改正、それに基くところの差当りの改正をしなくちやならん改正だけをして置くだけでいいのじやないか、こういうように漠然と考えておるのであります。いろいろ皆さんの御意見を承つて自分の考えも直して行かなくちやならん場合も起つて來ると思いますが、私はそういう見解を持つております。そういう点はもう少し私としては皆さん意見を洩して頂いて、それからここに挙げられておりまするところの要項の一々について意見を開陳し合つて行くというようにして行く必要が実際上あるのじやないかとこう思うのですが、如何でしようか。
  45. 鈴木直人

    鈴木直人君 只今吉川議員から選挙法改正して行く上においての審議上の順序についての御意見がありましたのでありますが、実は午前中の理事会におきましても委員長から御報告があつたと思いますが、今のような御意見があつたのです。即ち最初総括的に意見をお互いに述べて、後からこの要項に行つた方がいいのじやないかというような意見もありました。併しながら総括的な意見を非常に徹底的に述べてしまいますと、將來その意見に囚われることになりはしないかと思う。例えば一つ法案がここに提出されておりまして、そうしてその法律案を審議する上において意見を述べて行くということであるならば、非常にそういう意見を述べることは必要であるけれども、現在はその法律案というものが提案されておつて、それを審議して行くものではなくて、これから一つの法律を作り出そうという、まあスタートに現在ある訳であるから、從つて余りと強い意見をお互いに出し合うというと、今後それを審議して行く場合において、おのおのが意見に捉われてしまつて、そうして体面とか、いろいろなことになつてしまうと、これを纏めて行く場合に非常に困りはしないかというような、まあ憂いも午前中出たりいたしまして、そのしてこの十日間は先ずその小手調べのような意味において先ず要綱に基いて、そうして一應の選挙法に関するところの全体をお互いに頭に入れて、そうして軽い意味においてお互いの意見話合うとかいうようなことで結論を出さないで、そうしてずつととにかくやつて見たらどうだろうかというような話になりまして、そうして審議予定の件という、この場合におきましても、最初原案は議了ということになつてつたものを議了というのは困る。とにかくこれは檢討ということで行こう。どこまでも第一はお互いに檢討して行くのだ。基礎案という意味においてお互いが謙虚な氣持でとにかく一つの立派なものを作り上げるというような考え方でもつて、とにかく一つ最初は進んで見ようじやないか、それには幸いにこの要綱案というものがあるからこれを一つ順次やつて行く。これを順次やつて行く場合において、この第三のような、先程御決議になりましたような運営方式で行つたらどうか、大体この要綱は殆んどこれは一大法典のような形になつておりまして、教育委員会のことまでも書いてある。勿論今の吉川委員が申されたようなことも部分的に、沢山ここに載つておるわけでありまして、その場合に今のような御意見を聽かれる、例えば比例代表制というのは、これは大変であるからあとに廻そうじやないかというような御意見なら、それはあとに廻してそれからだんだんして行く。とにかくここで全体を一つ一應頭に入れて置いて、それから今度は第二段に移つた方が便宜ではないかというような話になりまして、そうしてお互いが自分の強い意見を総括的に予め発表するというようなことはこの次のごとくらいにして、そうして進んで行つた方がよいのじやないかというようなことで、実は午後はこの議事運営の方針が決まりましたならば、要綱案に基いてずうつと進んで行くというような順序をとつた方がよいのじやないかというようなことになりまして、実は進んで行つたわけでございます。それでこの選挙制度に関する事項は、一應こういうふうに一々これをやつて行きますと、当然今のような御意見も出て來ると思います。第一の選挙区の制度についてもあとから可成り問題が出て來て、到底これは解決されるものではありませんが、併し小手調べの意味においてお互いに考えておることを話し合つて、そうしてそれをこれはあとにしようというようなことにして、而も來年参議院選挙ということに主力を注いで行きたいというような方法が、事務をとる意味において却つてよいのじやないかというような話合もありましたので、理事会話合を申上げまして、そういうように行つた方がよいのじやないかという私の意見を申上げます。
  46. 北條秀一

    北條秀一君 今吉川議員及び鈴木委員の話を聽いておりますと、先程決定されて問題が進行しておるところが更に又逆行して参りますので、はつきりとこの際今まで決定されたところを確定されたかどうかというふうに考えます。  即ち私の了解する範囲では、先程決定しましたのは、理事会報告に基く三の委員会運営方針基本事項の件  (一) 選挙法改正について長期に亘つて審議し完全なものを立案し長期間改正を加えないような法案作成方針をとる。    右についての方針をとりつつ差当り來年選挙を控えて参議院議員選挙改正に当るのである。  (二) 参議院議員選挙法改正を行う必要上、衆議院議員選挙地方自治法選挙教育委員選挙に関する法律等を統一的に改正立案し、來る臨時國会において全部の法案を提出する予定法案作成方針をとる。    但し衆議院との関係があるので、この委員会においては暫くは決定的な結論を保留して置くことが合理的である。  これは木内委員から特に発言ありまして、各位が御了解されたことと私は了解しておるのです。  以上であると考えますので、私はこの理事会は準備されたところの改正に関する要綱案に、逸早くこれを進めて行つたらどうか、但し私は冒頭に発言しましたように、何よりも選挙法改正するということについての基本的な考え方を統一する必要があるというのが私の考え方であります。吉川委員大畠委員、或いは大野委員からはその同樣の御意見があつたのですが、併し今私が縷々申上げましたように、先程皆さんの御意見方針決定したんでありますが、併しこの要綱に基いてやる際に、恐らく私は私共の考え、及び吉川委員の今の縷々御説明された点が、基本的な問題が、要綱案を進める上において必ず出て來るというふうに考えるのです。從つてその際には各人が御意見をここで十分に被瀝して、それを檢討するということをここで御了解を願つて置けばこの要綱案に基いて先程の決定通り議事を進めていいというふうに私は考えるのです。
  47. 木内四郎

    木内四郎君 今いろいろ御意見がありましたけれども、四までの問題は勿論只今北條委員お話があつたような理由の下にすでに変つたものでありますから、この後で審議予定の件と、外の委員派遣の件について一應お諮り願つた上に、早く要綱案について議事を進めるようにお諮り願いたいと思います。    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  48. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 私遅れて來ましたのでよく分らないのですが、今のような方向に進むことに異議はありませんが、その前に委員長に向つて二、三伺つて置きたいと思います。  この参議院選挙法については、今まで参議院では両院法規委員会で、或る程度の研究をして來ましたが、その研究の結果が、この委員会に十分報告されておるかどうか。その点を承わりたいと思います。その中でも、全般ということもなんですが、私が両院法規委員会で研究されて來た中で、特に注意を喚起したいと思いますのは、去る三月三十日に参議院選挙法について、金森徳次郎君その外の方々に御意見を聞いたことがあるのです。そのときの速記があるのかどうか、若しあるのであるならば、やはりこの委員会皆さんに御参考に供することを私は希望するのです。と申しますのは、金森君の参議院選挙法に関する意見は、かなり明確な又理論的にも筋の通つておる意見でありましたので、私としましては、是非この本委員会の各委員参考に供せられることは非常に有意義だと考えるのです。去る三月三十日の両院法規委員会において金森徳次郎君、それから全國選挙管理委員会の金丸三郎君の意見もあります。それが速記にあるのかどうか、若しあるならばプリントして配つて頂きたいというふうに考えるのです。その点が一つ……。  その次はやはり去る四月十二日に両院法規委員会から、両院の議長に宛てて参議院議員選挙、殊に全國選挙区について勧告がなされたのですが、その勧告についての報告が十分この委員会になされておつたのでありましようか、どうでしようか。それから今お配りを頂いた資料のうちにはその勧告の資料がないようですけれども、これも配つてあるのですか……。それではそれは了承いたしました。  それから第三に伺いたいことは、先日來の新聞紙などを読んでおりましても、衆議院側から参議院選挙区制について、頻りに可なりはつきりした意見が放送されたりするのですが、その点で委員長及びこの委員会のお考えを伺つて置きたいと思いますのは、この選挙法改正は、大体参議院衆議院選挙法改正するということも十分考えられることなのか、從つて衆議院参議院選挙法改正について相当の意見をいろいろ出されるということは望ましいことなのか、それともその点は衆参両院それぞれ各自の院についての、選挙法についての各自の意見を尊重されるという方向に進まれるのか、又はそういう点について今まで両院における選挙法改正委員会委員長なり、理事会なり、或いは委員会なりとしても、お話合が或る程度まであつたものかどうか、その点を伺いたいと思います。第二の点は今了解いたしましたので、最初の点と、それから後の点について承わりたいと思います。
  49. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) 委員長意見ですか。
  50. 木内四郎

    木内四郎君 先程私が言つた方を先に片附けて貰いたいと思います。
  51. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) それでは後からお話いたしますが、この選挙法改正に関する要綱案審議を進めて行くか、さつきの御意見で進めて行くか、この点をお決めを願いたいと思います。
  52. 木内四郎

    木内四郎君 私の言つておるのはその問題じやない、そんな問題は済んだから、五と六を早く決めて、それから後の問題を早くやつて貰いたいというのです。
  53. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) 第五と第六について報告を申上げましたが、これに対して異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  54. 北條秀一

    北條秀一君 それは事務的なことですから、第四は全部削除したんでしよう。ですから第五は第四になり、六は五になるんです。それをはつきりして置いて貰いたいと思います。
  55. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) その通りです。ですから、第四は削除したのですから、今ここにお手許に差上げてある五が四になり、六が五になります。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  56. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) それでは御異議ないと認めます。この方針について決定いたします。
  57. 鈴木直人

    鈴木直人君 議事進行についてでありますが、今の皆さんの御決議によりまして、要綱案についてこの順序で進めることになるわけでありまするから、一應要綱案について第四の予定通りに、先ず要綱案についてやることを一つ進めて頂いて、そうして眞先に羽仁さんの御質問に委員長からお答えして頂きたいと思います。
  58. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) 羽仁君の質問にお答えいたしますが、両院法規委員会からこの委員会には何らの通知もありません。そうしてこの委員会はこの委員会独自で進むのでありますから、これで進みまして、でき上つたものが從來のいろいろのものと同じになるか、違うかはこれは別でありまして、この委員会委員会独自でこの制度從つて進んで行き、これを基本として審議して進んで行く、こういうことにお答えしてすべてが含まつておると思います。  それからいろいろの人の今の意見の問題でありますが、それは今はまだ取寄せてないのですが、お手許に差上げたのは資料としてだけお上げしておるのでありますが、この議事を進めて行く途中において、議員の中でそういう今羽仁君が言われたようなものが必要であるからこれを集めて呉れというような問題が起つたときには、そこで諮つて集めるということは皆で決めて行く問題ですから、そうお答えして置きます。
  59. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 今のお答えで大体了承いたしますが、勿論独自で進まれるわけですが、併し我々議員としてはこの委員会において相当の論議を盡されて、そうして相当の知識を得、結論も出たというふうな問題について又同じ議論を何度も繰返すということは時間の関係もありますから、一應資料として今私の申上げましたのは可なり有益な資料だと思いますので、事務局の方で至急に作つて頂いて配つて頂いた方がいいんじやないか、但し三月三十一日のものは速記録があつたかどうか、それは分らないんですが、若しあつたら出して頂いたらどうですか。
  60. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) 必要な資料は極力集めることにいたします。
  61. 大野幸一

    大野幸一君 只今委員長の御報告中、両院法規委員会から当委員会に対して何らの通知がない、こういうお話でありましたが、両院法規委員会は法律の案について両院議長の勧告するということになつておるのでありまして、両院議長に勧告することそれ自体は非常に権威のあるものであるのであります。この勧告も新らしき立法、又は改正の点を勧告する委員会というものは、両院法規委員会においてこそあるのでありまして、これは衆参両院を以て混成されたるところの一つの特殊な委員会でありまして、特に重要なものを持つておるものであります。こういうことについては委員長一つ御認識を新らしくせられまして、委員長委員会に対して通知がないから独自でするというわけに参らないのでありまして、衆参両院で一致して、全員一致をして勧告したところのしのものは、國会法の法制に基いて十分尊重せられんことを希望する次第であります。
  62. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) それではお答えいたしますが、この委員会は私は法規委員会の命にその儘服するのではなくして、これは飽くまでも独自で行くべきものであると信じております。
  63. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 それはそうですけれども、両院法規委員会から両院議長に勧告したんですから、それを尊重せられるという点を大野委員も御主張になるのですし、私もその意味です。今一つさつきつた点ですが、衆参両院の選挙法に関する委員会がそれぞれの分野を守つて、そうして何らの無用の混乱が起らないようにするというような意味の談合ですか……、談合といつては悪いかも知れませんが、話合いというものは委員長乃至理事会においてお進め下さつておると信じますが、それを是非お願いしたいと思います。
  64. 鈴木直人

    鈴木直人君 それについて午前中の理事会では大野君から曾ての法規委員会においては、衆議院選挙法改正する場合には衆議院が主としてやろう、参議院はそれに対してまあ援助するというくらいの軽い氣持で、併しその代り参議院の場合においては参議院が力を注いで行こう、衆議院はその足らざるところを補うということではないだろうが、まあその程度に進めて行くという話合があつたということを午前中に御報告がありましたのですが……。
  65. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 その通りなんです。お互に批判の自由を奪わない、批判の自由なんですが、選挙法に対する各員各自の見解を尊重するという、その原則は明らかにされて行くことが正しいと思われますが、両院法規委員会もそういうふうにやつて來たわけです。
  66. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 今の両院法規委員会の勧告についてでありますが、それは大野君が言われるのが正しいのでありまして、委員長はやはり両院法規委員会決定を尊重して、羽仁君が要求されているような資料は当然にこの委員会に取寄せて一つ配付を願いたいと私も思うのです。  それから第二の参議院選挙制度について衆議院が了解するということも問題でありますが、それは原則的にできないというようなことを決めることは非常な間違いであつた、当然に衆議院参議院選挙制度に対して政治的に、制度的に了解することができることは当然なことであり、又その反対の場合も当然なことであります。ただ実質的に今日まで発表せられたるところの新憲法によるところの参議院制度というものについては、大体において衆議院の各政党ともその発表されているところの意見というものが、極めて基礎の浅い、浅薄な議論が多かつた、或いは見当外れの意見が多かつたということは、大体断言して私は間違いはないと思うのでありまして、それは私が所属いたしておりますところの日本社会党におきましても、我が党の内閣が、主として衆議院の諸君が中心になつて組閣をいたしておつたのでありますが、総理大臣或いは副総理その他を初めといたしまして、参議院のやつた行動等を新憲法の参議院が二院制度一つとして設けられている立場からの十分な理解を持たないで、我々に対処しておつたことがたびたびあつたのでありまして、そういう場合には我々は相当いろいろな場合において総理大臣やその他の閣僚、或は衆議院の諸君とも、同じ党内におきましても随分激烈な鬪爭を私達はしたんでありますが、どう考えましてもあの人達の考えが我々程深く参議院の問題について考えていなかつたということは、これはもう決して主観的な見解ではなくして、十分冷靜に考えても断言して間違いがないようなことが随分あるのでありますが、その具体的な例は煩瑣でありますから省略いたしますが、今度の選挙法改正につきましても、参議院の問題について衆議院の諸君が言つていることは、非常にやはり同じような極めて浅い考察に基いて思いつきのようなことを言うていることが非常に多いと思うのです。例えば新憲法最初の第一國会において、國会が開かれる前に、時の内務大臣でありました民主党の木村小左衞門君が、参議院議員の任期が六年であるのは長過ぎる。これは二年か四年に直すべきものであるというようなことを新聞記者とのインターヴイユーにおいて発表があり、それが新聞に出たのでありますが、私も参議院の問題について、第一國会において片山総理大臣に質問したのでありますが、その点に関して木村國務大臣のこの言に対する質問をしたかつたのでありますが、これは省略しましたが、外の会派から文章によつた質問があつたのであります。ところが木村君はそういうことを言つておりますが、憲法の中に参議院議員の任期は六年であるということが規定されておるのであります。それから又世界各國の二院制度の上院の議員の任期というものを調べてみましたけれども、終身の所もあり、中には四年の所もありますが、一番数の多いのはアメリカのように六年の制度を採つておる所が圧倒的にこれは多いのであります。資料が必要であるならば私は個人的に出してもよいのでございますが、多いのであります。ところがそういうことも殆んど考慮の中に入れていない。殊に今言いました木村小左衞門君のごとき、新憲法最初の第一國会において、國務大臣みずからが新憲法の條章を蹂躙したところの重大なる憲法改正意見を軽々しく発表しておるというようなことをいたしておつたのでありますが、大体においてそれと同じような極めて浅薄な、思いつき的な立場から衆議院の諸君が言つておることが多いのであります。参議院の方は幾らか衆議院議員の持つておる政治力について、ジエラシー的な見解が、そういうものも全然ないことはないと思うのでありますが、衆議院参議院が解散がないとか、任期が長いというようなことについて、相当の強い感情的な嫉妬心を持つておることは皆さんも日常御体驗になつたおるところだと思うのでありまして、そういう極めて偏した感情があり、一時の思いつきやそういうことから言われておることが多いのでありますが、今行われておるところの参議院議員選挙の方の改正案につきましても、同じような動機から言われておると解釈されるものが多いと思うのでありまして、そういう点からいたしまして、そういう制度的には、形式的には羽仁君が言われておることは原則的に認めることは絶対にできないと思いますが、実情はそういうことを考慮しまして、委員長及び理事の諸君におきましても適当に誤りのないように善処せられるように、我々の議事を進めて頂くということに絶えず御考慮を願いたいと、こう思うのであります。
  67. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) 羽仁君にちよつとお答えいたします。吉川君のお答えにもなりますが、両院法規委員長から議長に何か勧告がありまして、それはまだ議長から本委員会として承つていないのであります。併し私がさつき申上げたのは、尊重するということに向つては私は一番最も熱心に尊重いたします。ただ命これ聽くのじやないという意味であつたのであります。(「そのことを要求したのじやない」と呼ぶ者あり)
  68. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) それから今の問題はこれを進めて行きまは間に、そこに丁度逢着する時分に実行すべき問題でありますから、今初めに皆の意見を一々言われておつたらこれは進めようがない。例えば衆議院参議院との問題でありますが、もうあの問題は、この両院法規委員ができましてから私衆議院委員長と会いまして、衆議院のことに向つてこれは両方がやつてつたら大変時間が掛るので、衆議院の方に向つてはあなたの方を尊重する。参議院の方に向つてはあなたがこちらを尊重してお互いに相手に、簡單な言葉で言えば成るべく文句を言わないという方法で進めたいと思うがどうか、そういうことにいたしたいと思いますということになつております。この報告は何回もしたのだ。ところがあなたが遅れておいでになつて、遅れて來た者に一々言つたらとても進めようがないから、だからこの方法で進んで行つたならば、その問題は一切含まつていると思います。どうぞ御了承願いたいと思います。(「了解」と呼ぶ者あり)  それでは一つ事務当局に御説明を読んで頂きます。
  69. 杉山惠一郎

    法制局参事(杉山惠一郎君) それでは選挙法改正に関する要綱の第一点を読み上げます。第一選挙制度に関する事項 一、選挙区については、大選挙区制、中選挙区制、小選挙区制のいずれによるか。  (一) 衆議院議員選挙についてはどうか。  (二) 参議院議員選挙についてはどうか。   (1) 全國区制を採用するか。   (2) ブロツク制を採用するか。採用した場合選挙区はどうするか。   (3) 地方区制を採用するか。採用した場合選挙区はどうするか。  (三) 地方公共團体の議会の議員選挙についてはどうか。  (四) 教育委員委員選挙についてはどうか。 二、職能代表制をとるか、どうか。  (一) 職能代表制をとることとした場合において、選挙母体をどうするか。  (二) いかなる選挙に採用するか。 三、定員をどうするか。現行通りとするか。 四、選挙方法をどうするか。  (一) 直接選挙によるか。  (二) 間接選挙によるか。 参考 参議院議員選挙に関し考案された間接選挙の諸方法  (1) 一般選挙人をして参議院議員選挙人を選挙させる。  (2) 地方公共團体の議会の議員をして参議院議員選挙人を選挙させる。  (3) (1)及び(2)の併用。  (4) 地方公共團体議会の議員をそのまま参議院議員選挙人とする。  (5) 衆議院議員地方公共團体の議会の議員及び(イ)の参議院議員選挙人をして選挙させる。  (6) 地方公共團体の議会の議員の外、農業会、商工経済会、水産業会その他の職能團体関係者を参議院議員選挙人とする。  (三) (1) 多数代表法によるか。     大選挙区連記投票     小選挙区單記投票     A 絶対多数主義     B 相対的多数主義    (2) 小数代表法によるか。     (イ) 制限連記法     (ロ) 累積投票法     (ハ) 逓級投票法     (ニ) 單純單記投票法     (ホ) 得点公示單記投票法    (3) 比例代表法によるか。     (イ) 單記移讓式比例代表法     (ロ) 拘束式名簿投票法     (ハ) 名簿式單記投票法     (ニ) 名簿式自由速記投票法     (ホ) 自動式名簿投票法 五、選挙権の要件をどうするか。  (一) 年令は、現行通りでよいか、どうか。  (二) 地方公共團体の議会の議員、長及び教育委員委員につき住所要件を必要とするかどうか。    住所要件を必要とする場合において、住所の期間は六箇月でよいかどうか。  (三) 欠格事由は、現行通りでよいかどうか。   (1) 禁治産者   (2) 準禁治産者   (3) 懲役又は禁この刑に処せられその執行を受けることがなくなるまでの者    (イ) 刑の執行猶予をうけた者    (ロ) 仮出獄中の者    (ハ) その他の者   (5) 選挙犯罪により刑に処せられた者 六、選挙権の要件をどうするか。  (一) 年令をどうするか。   (1) 衆議院議員選挙についてはどうか。(現行法二十五年以上)   (2) 参議院議員選挙についてはどうか。(現行法三十年以上)   (3) 地方公共團体の議会の議員選挙についてはどうか。(現行法二十五年以上)   (4) 都道府縣知事の選挙についてはどうか。(現行法三十年以上)   (5) 市町村長の選挙についてはどうか。(現行法二十五年以上)   (6) 教育委員委員についてはどうか。(現行法二十五年以上)  (二) 地方公共團体の議会の議員及び教育委員委員選挙につき住所要件を必要とするかどうか。    住所要件を必要とする場合において住所期間は六箇月でよいかどうか。  (三) 欠格事由は、選挙権の場合と同一でよいかどうか。 七、公務員の被選挙権又は立候補届出制について  (一) 選挙事務関係者につき一定地区内における被選挙権を認めないこととするかどうか。  (二) 当該選挙の公職と相兼ねることを得ない國又は地方公共團体の公務員につき、立候補を制限するかどうか。  (三) 一定の公務員につき被選挙権を認めないこととするかどうか。   (1) 裁判官   (2) 檢察官   (3) 会計檢査官   (4) 收税官吏   (5) 警察官   (6) 都道府縣又は市町村の公安委員会委員   (7) 警察吏員   (8) 経済調査官はどうか。  (四) 議員候補者が職員と相兼ねることのできない公務員となつた場合において候補者を辞するものとみなす現行規定を改める必要があるかどうか。 八、各選挙管理委員会の組織、権限、運営等につき改善を加えるべき点はないか。  (一) 全國選出議員選挙管理委員会をどうするか。  (二) 予算については教育委員会のように予算の独立を認めるかどうか。  (三) 人事に関する権限についてはどうするか。独立の事務局を設置するかどうか。  (四) 選挙管理費用の支出の監督をどうするか。 九、選挙管理費用について  (一) 國の負担する選挙管理費用の配分について一定の基準を設ける必要があるかどうか。あるとすればいかなる基準を設けるか。  (二) 國の負担する選挙管理費用の支出方法について規定するか。  (三) 地方公共團体の負担する選挙管理費用についてはどうか 十、補欠選挙を現行制度を改める必要があるかどうか。  (一) 補欠選挙を行う欠員の数を現行規定より増加するかどうか。  (二) 次点者の繰上補充を認める事由及び繰上補充を認める期間を改める必要があるかどうか。 参考  (一) 補欠選挙を行う場合   (1) 衆議院の場合、原則欠員二人に達して行う。   (2) 参議院の場合、在任期間同一議員の欠員の場合    (イ) 全國区については当選人の不足に通じて定員の四分の一を超えるとき行う。    (ロ) 地方区については欠員が四分の一を超えるとき行う。在任期間同一議員の欠員が四分の一を超えなくとも在任期間を異にする議員選挙が行われる場合には例外として行う。   (3) 地方公共團体の議員の場合には欠員が当選人の不足数と通じい定員の六分の一を超えるとき行う。  (二) 繰上補充を行う場合   (1) 議員が当選告知の日から十日までの期間内に欠員となつた場合において、法定得票数以上の得票者で当選人とならなかつた者があるとき。   (2) 議員が当選告知の日から十日までの期間を経過し後に欠員となつた場合において、同点者でくじの結果落選した者があるとき。
  70. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) 只今読上げました一について、(一)から(四)まででありますが、それについてどうするか。
  71. 小川友三

    小川友三君 第一の一の(二)の点でありますが、参議院選挙について全國区制の問題が書いてありますが、この全國区制は是非やつた方がいい。なければならない。かように考えております。廣川という人は全國区制を廃止するのだ。そうして衆議院で、参議院で否決した場合は專制的に衆議院で又やり返して勝つのだというような説を新聞記者に言うて大きく新聞に載せられておると聞きますが、この全國区制は全國的に選ばれたこれは議員であつて、これを廃止することは絶対反対するという建前であります。このブロツク制というのはまだやつたことのないことでありまして、大したことはないと思いますので反対します。
  72. 鈴木直人

    鈴木直人君 私はこの選挙制度考える場合に漠然と考えていることなんですが、この衆議院議員選挙参議院議員選挙というものを二つ考えた場合、当然二院制度における衆議院というものの性格、それから参議院の性格というものを檢討する必要がある、漠然と考えたところによるというと、二院制度における参議院の使命というものは、衆議院の過ぎたるを是正して足らざるを補うと言いますか、まあそういうようなところにあるように我が國の憲法は考えておるわけであります、勿論外の國におきましては或いは参議院の上にある、或いは対等というところに置いてあるのもあるということでありまするが、現在の憲法におきましては、何と言つて参議院というのは第二院的な性格を持合せておるものであるというふうに考え得られるのであります。衆議院におきましてはこれは政党がありまして、そうしてその政党の政策を強く推進して行くということが主であると思いまするけれども、参議院は勿論それは運営の方法によりまするが、参議院といたしましては、むしろ超党派的な考え方を以て、そうしてその衆議院においてやりまするところのものを監視するとか、補足するとか、補うとかいうような観点から常に行くことが必要ではないか、そうして往々にして政党の政爭等において目こぼしがあるとか、或いは出過ぎがあるというようなものは参議院においては、これを正しく引直して行くというような役割を持つべきであろうと思う。從つてこの選挙制度につきましてのこの参議院の性格が、使命が全うできるような方法、そのような者が選出されるような選挙制度が必要ではないだろうかと思うのであります。例えば参議院議員たる人につきましても相当……、現在の方にも当然でありまするが、抽象的に申しますと相当識見を持つておる者もある。例えば教育なら教育におきましても相当識見を持つておる。勿論保守的な教育制度の理論上、議論上もありましようし、相当急進的な識見を持つておられる方もあると思いますけれども、相当の識見を持つておる、或いは外交界におきましても相当識見を持つておるとか、いわゆる各常任委員会におきましては相当の経驗と、識見と、熱意を持つているような方々が選出されるような選挙制度がやはり必要ではないかというふうに考えるのであります。六年制を採つたというのも、やはり参議院議員が六年間腰を落着けて本当に國政のために研究し得るということができるようなことを考えて、六年制を採つたのではないかと思うのであります。そういうふうな観点から参議院議員選挙に対する制度というものも檢討したらどうであろうかということを、漠然と考えるわけであります。從つて必らずしも衆議院議員選挙制度と同じように、参議院議員選挙制度考える必要はない、こういうふうに思うのでありまして、後における選挙手続きとか、或いはいろいろなことはそれは一緒でもいいと思いまするが、根本的な選挙区制とか、いろいろなものにつきましては、必らずしも衆議院と揆を一にする必要はないではないかというふうに考えるわけであります。そういう点から申しますと、全國区制というようなものも非常にこれは捨て難きいいものを持つているというふうに思います。勿論先程法規委員会におきましては、全國区制を存置するというような勧告がすでに行われておつて、これが相当尊重せられなければならんという御意見もありましたのでありますが、まあそりは別といたしましても、全國区制というようなものはやはり存置した方が、以上のような理由からいいのではないかということをまあ漠然と考えている者であります。
  73. 大畠農夫雄

    大畠農夫雄君 私は(一)(二)、これは(一)は衆議院でありますが、衆議院は当然小中選挙区であるのですが、参議院は大選挙区であるべきだ、こういうふうに前提して考えて見たいと思います。何故かと申すならば、衆議院参議院も共に中選挙区、或いは小選挙区、こういう形で行われるならば、これは選挙がダブッテしまつて参議院の存在を結果において否定することになるのであります。從つてむしろ私は参議院の場合は、中選挙区、大選挙区などという……、今の大選挙は府縣單位でありますけれども、これは全部が全國区制、こういうふうにやるのが当然と思いまして、從つて参議院選挙区は勿論大選挙区、衆議院か中選挙区、或いは小選挙区、こういうふうにしたいと思います。それからあとの(三)と(四)ですが、こいつは地方公共團体でありますから、これは意見を述べません。
  74. 北條秀一

    北條秀一君 私は中選挙区とか、小選挙区の話が出たのですが、これは一應皆さんが漠然と概念を持つておられると思うのでありますけれども、実際には中選挙区、小選挙区というのはどういうものでと皆さん考えておられるか。それをはつきりしなければいけないと思うのです。勿論この問題は衆議院参議院とは、先程鈴木委員から話がありましたように、不可分の関係において考えなくちやならん点でありますから、從つて衆議院選挙をどういう根本方針に基いてやるか、それを私はまあ私共から積極的に檢討しないでという先程の話がありましたので、衆議院の方のこれについての意見を私共は一應明らかにしたいと考えるのですが、それについて議会で討議したことがあるのでしようか。
  75. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 小選挙区と言えば大体において一人一選挙区のことを小選挙区というのがそういう観念になつておると思いますが、衆議院選挙区については、吉田首相は二大政党主義をイギリスのように、或いはアメリカのように理想に置いていられるようでありますから、二大政党対立主義ということを、憲政の運用上一つのルールにして行こうという考えから言えば、これは小選挙区制と結びつけて行かなければならないことになるだろうと思うのでありますが、私は現在の段階においては、さつき申したことでありますが、現行の衆議院選挙区制で大体いいと結論だけを申上げると考えておるのであります。鈴木委員からお話がありましたように、二院制の機能を発揮するという点からして、全國選挙区というものを、現在のままで存置して行くという、今の両院法規委員会意見が私は正しいと思つておるのでありまして、いろいろ選挙区の問題につきましても、どの制度を採るにしても、それに伴なうところの弊害というものはいろいろ考えられると思うのであります。現在の参議院選挙区の制度でありますが、百五十人を地方庁縣から、百人を全國から出すという制度もいろいろ違つた方法考えて見ましたが、私といたしましては、これを結論だけ申上げますると、現在の制度はなかなかよく考えてあつて、私達は曾て昔いわゆる無産政党運動をやつておりましたときに、貴族院の職能代表制ということを頻りに主張して來たのでありますが、職能代表制も自分が國会議員になつて來ますというと、職能代表にいい点もあるけれども、又非常に國家的な立場から弊害があるということも痛感いたしております。と言つていい点もあるのでありますが、そのいい点も現在の全國区というものの制度があることによつて、或る程度までその職能代表が出て來ることができるように考えられておる。そういう点も考えられておる。又その外いろいろな点一々申上げませんが、これ亦結論的に申しますと、なかなかよく考えてあつて、弊害もないではないけれども、大体において現段階においては考えられるところの、やはり比較的に一番いい一つ制度がうまく考えられておるというように私は考えるものであります。その弊害の一つとしては、恐らく民自党の諸君、廣川君個人としましても、曾て社会民主党の世田谷町会議員もしていた人で過去における私の同志でありまして、又東京の市会議員や府会議員としても私の同僚で非常に懇意ななかでありますが、同君の意見は或る程度まで民自党の意見を代表して、或いはやはり民自党の幹事長として差当り言うておられるのだろうと私は思うのでありますが、民自党のああいう意見廣川君が述べますのは、やはり民自党がやつておる反共主義の政策、反共政策の立場から、現在の参議院の全國区をこのまま存置して置くというと、労働組合等を背景にして共産党の参議院議員が現在よりも飛躍的に増加しやしないかということが、私の推察するところ一番彼をしてああいう結論をなさしめておるところの最大の動機ではないかと考えられるのであります。最初私たちは共産党には、もとよりここに共産党の諸君もおいでになりますが、私は反対でありまはけれども、飽くまでも共産党の把持しておるところの共産主義が、理論的に正しくないものであるということを論駁して行く立場において共産党に対するところの態度を保持して行きたいと思うのでありまして、選挙区を変えて國民の政治意思の代表を無理矢理に何か阻止するような制度によつてのみ、自己の持つておるところの反共政策を遂行して行こうというような民自党のやり方には、私たちは賛成することができないのであります。でかれこれいろいろなことを考慮しまして、結局のところ両院法規委員会が勧告いたしておりまするような百人と百五十人、百五十人を府縣から、百人を全國選挙区によつて出して行くという現在の制度が現在の段階において考えられるところのベストの制度ではないか、このように私は考えております。
  76. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 私はその問題につきましては只今まで自分が考えておりますことを申上げまして、皆樣方の御高説を承つて、反省修正するところは修正をして行きたいと考えております。先ず参議院議員選挙区であります。これは只今まで諸氏が述べられましたように、私はやはり全國区制は保存すべきだと考えております。その理由は、只今までに考えておりますところは、この制度の全國区制の特長は、鈴木君が言われましたように、参議院の使命である衆議院の不足を補い、又行き過ぎをチエツクするという作用を持つこと、これは全國区制ということによつて選出された人が一番その役目をするにふさわしい、一番と言つては誤弊がありますが、ふさわしい人が多いじやないかということが第一の点だと思うのであります。それで全國的の見地に立ちまして、地区的な利害に捉われないで、そういう方々が多く出得ると思うのであります。  それから学者とか職能的な知識が深い人、これも全國区であれば出る機会に惠まれることが多くあるということが非常に優れたことであろうと思うのであります。そこで全國区制について何か欠点でもあるかということを考えて見ますと、只今吉川君が言われましたように組織を有する政党といいますか、それが不当に有利な点がありはしないかということが考えられておるのだろうと思います。  それから又選挙手続が非常に煩瑣であるということが言われておりますが、これは取るに足らない問題でありまして、煩瑣であつてもこの独自な参議院制度におきまして、選挙委員会の人々が手続が煩瑣であるから、それは困るというのは取るに足らない理由であるからこれは暫く置きます。  それからもう一つ、その全國区制の只今の日本の社会の知識程度では悪いと言われておりますところは、田舎におきまして殊に女子におきまして、殆んど全國から出ておるその人の名前も知らなければ、誰を選挙していいか分らん、それでこの間青森縣に行きまして二、三の村を歩きまして、何か希望はないだろうかと言つて聞きますと、一番初めに言うことは全國区は止めて下さい、それでどういう理由だというと、人を誰をやつていいか分らん、それで一番名前の易しい人というのが多いのであります。それであの通り氏名が並んであつて、ただ誰も知つてる人がない、易しい方の名前を書くというのが多いのであつて、あれは困つたもので、適当な人が代表されないからあれは止めて呉れ、こういうことを言うところが多いのであります。これはちよつと今の状態では困るのでありますが、併しそれを地区制にしたら多少はいいかも知れませんが、地区制もやはりそういうような程度にあつては五十歩百歩だと思うのであります。そして又地区制はそれ自身欠点を持つておりまして、だから全國区制に直ぐ地区制が取つて代る、ということは私はこれは大いに研究する余地があるとこういうふうに思つております。組織を有する人が不当に有利であるかどうかこの点が第一の問題であると思います。これはざつくばらんに言えば共産党の方々が出るから困るというのじや、これは議論になりません。現有勢力がやはり選挙法によつて、共産党が仮りに五なら五の力を持つておるならば、選挙によつて当選する人も五のように当選をするということは、これはフエヤープレーでありまして、ちつとも困るのではなくて当然なことであります。それがときにいろいろな戰術ならいいのでありますが、不当に五の現有勢力が十も出て來るというところに問題がありはしないかということが、まあ民自党の廣川幹事長あたりの簡單な考え方ではないかと思います。併しこれもいろいろの選挙戰術、フエアプレイの戰術ならばこれは差支えないのであつて、そこが選挙法に抵触してまでやることは、これはもとよりいけませんが、選挙法の許される範囲内で戰術を使つて、有利に自党を増大して行くということは、これは必要であつて差支えないと私は思うのであります。そこでそういうようなことを考えて見ますと、只今のところでは私は全國区制は悪いことはない、こういうふうに考えます。それで仮りに参議院におきましては全國区制は今の五十人づつ改選、地方区が百五十人で七十五人づつ改選という制度はよかろうかと私は考えます。  そこで今度は衆議院議員選挙法でありますが、若し参議院議員選挙区におきまして、今の地方区をその儘保存するといたしまして、奈良縣とか、滋賀縣とか、鳥取縣とか、島根縣とか、こういうところでは衆議院の方も全縣一区の選挙区でありまして、衆議院議員選挙のときも全縣一区の選挙区によつてつて行く。参議院地区の方も同じ選挙区でやつて行くというのは、まあ定員に勿論一人と片方は五人とか、四人、五人というのは人数の多寡はありますが、選挙区は大体どこもこれはいけないと思います。その点におきまして、私は今の五人選挙区制というものを廃止しまして二人、三人選挙区制というのを、衆議院の方では採つた方がよいんじやないかと、こういうふうに考えております。一應私の持論を申上げまして御意見を伺いたいと思います。
  77. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) お諮りいたします。まだいろいろ御意見もおありと思いますが、今日はこの程度で散会して明日続行したらと思いますが如何でございますか。    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  78. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) では今日はこれで散会いたします。    午後三時二十二分散会  出席者は左の通り。    委員長     柏木 庫治君    理事            大野 幸一君            小串 清一君            木内 四郎君            鈴木 直人君            太田 敏兄君    委員            大畠農夫雄君            吉川末次郎君            北村 一男君            城  義臣君            遠山 丙市君            鬼丸 義齊君            佐々木鹿藏君            飯田精太郎君            岡本 愛祐君            西郷吉之助君            宿谷 榮一君            島村 軍次君            北條 秀一君            兼岩 傳一君            羽仁 五郎君            小川 友三君   法制局側    参     事    (第二部第一課    長)      菊井 三郎君    参     事    (第二部第一課    勤務)     杉山惠一郎君   説明員    東京大学教授  宮澤 俊義君