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1949-10-24 第5回国会 参議院 水産委員会 閉会後第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十月二十四日(月曜日)    午前十一時三十二分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○漁業法案漁業法施行法案   —————————————
  2. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 只今から委員会を開会いたします。  本日の漁業法案審議の前に、漁業に最も関係あります燈台の件について燈台部長から説明を伺いまして、今委員質問がありましたが、更に建設交通局山崎次長から安本としての燈台建設のことについての御説明を聽きまして今御質疑があつたのでありますが、尚この際委員会として更に質問をいたしますか、どういたしましようか。    〔「いいでしよう」と呼ぶ者あり〕
  3. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 大体御説明なり質問が終りましたのでこの問題はこれで打切ります。有難うございました。   —————————————
  4. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) それでは、これから漁業法改正案修正についての御審議を願います。この前の委員会において大分案審議を願いましたが、今日ここできちんとした案ができましたのでこれを一つ最初に御審議願いたいと思います。
  5. 江熊哲翁

    江熊哲翁君 本日ここでこの漁業法修正を行うについていろいろ御研究になることだと思いますが、これらのことは極めて重大な問題でありますし、他の方面にいろいろとこれを発表することによつて或いは問題を起す点もあるかとも考えますので、本日のこの法案修正要綱の討議の内容は一般に公開しないように取計らい願いたいと思います。
  6. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) それでは速記を止めましようか。
  7. 江熊哲翁

    江熊哲翁君 速記実質的に非常に遅れますからそれは構いませんが……。
  8. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) それではこの会は速記はつけますけれども、この案は委員各位は祕密にお願いいたします。昨日までの委員会におきまして、地方陳情請願委員地方に出まして、公聽会その他によつて意見を纏められたものを土台として、数日前から委員会においてその修正條項審議しておりまするが、その結論が大体ここに出て來ておりますが、とにかく案でありまするけれどもまだこの外にもあると思いますけれども、先ずこの漁業法修正要綱案から御審議を願いたいと思います。  第一が定置漁業の範囲を水深二十七メートル以上に改めること。これは原案では十五メートル以上になつておりますがいろいろ御審議の結果、普通今分けております一級網、二級網、三級網、四級網、こういう工合に通俗的に分けてありますが、このうち四級網、即ち四、五人で漁業経営し得る極く小規模の定置漁業でございます、これを漁業共同権の中に入れたいというような案であります。これが大体二十七メートル以上に改めればそういう工合になるということになつておると思いますが如何でしようか。大体二十七メートル以内の網というものは從業員が約五名くらいでできる網になつております。そうして台網、落網は入らず枡網角網という程度の極く小規模な定置漁業でございますから、これは共同漁業権に入れても差支ないではないかという意見であります。
  9. 尾形六郎兵衞

    尾形六郎兵衞君 大体この水深は妥当なものとしましてこれに対しては賛成したいと思います。但しこの際において論議いたしたいことは、二十七メートル以上の水深のものは同時に共同漁業権に入らないことになりますね。
  10. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) さようでございます。  それではこの第一項は、大体まあ異議がないものとして決定してよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 御異議ないと思います。それでは第一項はさよう決定いたします。  第二項の主務大臣の指定する河川共同漁業権を認めること。これは主務大臣が指定いたします河川は、湖沼同樣共同漁業権を認めるという問題であります。これは各縣の淡水方面漁業者の切なる主張でありまして、大体今日までの委員会においては皆さん御異議がなかつたと思いますが如何でしようか。
  12. 尾形六郎兵衞

    尾形六郎兵衞君 これも非常によい修正案だと思つて賛成いたします。今度河川には漁業権がなくなるので、今までは河川漁業者は非常に困つてつたのですが、この修正が通過しますれば非常に大きな喜びになると思いますので、多分河川漁業者も非常に喜ぶと思いますので双手を上げて賛成します。
  13. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 御異議ないと認めまして第二項をさよう決定いたします。  それから第三項は、区画漁業免許適格性及び優先順位眞珠養殖業を加えること。この問題は三種の区画漁業漁業協同組合優先なつておりますが、眞珠養殖だけが別個に個人優先権を認めております。これは各方面陳情請願等を見ますと協同組合に一律に與えて貰いたい、第十四條と第十八條の趣旨なんでございますが、このような陳情があります。併し眞珠養殖業者から原案支持陳情がありますが、これは如何いたしましよう。
  15. 江熊哲翁

    江熊哲翁君 非常に大事な問題であると思います。私はこれは大体この河川共同漁業権を認めるというこの考えと同じように、原案そのものがもうすでに出発の当初から誤つておつた、そういうふうに考えておるものでありまして、この眞珠養殖業は当種区画漁業の中に、他のものと同樣に加えて同一扱いにすべきものである、そういうふうに私は考えるものであります。從つてこの修正案に賛成いたします。
  16. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 御異議ございませんか……。
  17. 淺岡信夫

    淺岡信夫君 この眞珠養殖漁業というものに対しましては、これは相当技術の面を考慮しなければならぬのではないかと思いますが、そうした点から考えて見まして、この免許適格性という方が誰でもよいというようなことが果してよいか惡いかということが私には分らないのでありますが、そうした面に対して委員長並びに各委員の御意見はどういうものでございましようか。
  18. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) これは誰でもというわけではなくて、この法文において「ひび」健養殖漁業牡蠣養殖漁業とかいうものは全部漁業協同組合優先的に與えると、かようになつておる。ただ眞珠養殖漁業のみ個人に張先的に與えるとなつておるのですが、陳情内容を見てみますと漁業協同組合もやつている。又個人でやつているものも、技術その他についてはやはり漁業協同組合委員がその衝に当つておるというので、技術面においては現在の漁業協同組合員が一番技術者である。ただ経営ということは資本その他の関係個人がやつているものは相当あるというような状態でありまして、牡蠣とか何とかと一つも変らない、そういうような陳情内容であります。それで牡蠣養殖漁業漁業協同組合優先的に書いて、眞珠養殖業を別途にするということは、これは不合理ではないかというような議論があります。
  19. 淺岡信夫

    淺岡信夫君 分りました。
  20. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) それでは只今江熊君の御意見通りで御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  21. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 御異議ないと認めまして第三項はさよう決定いたします。  それから第四項、これは第三十八條第三項の次の左の一項を加えるというのでありますが、これは三十八條の第三項に「漁業権者以外の者が実質当該漁業権内容たる漁業経営を支配しており、且つ、その者には第十五條から第二十條までの規定によれば当該漁業免許をしないことが明らかであると認めて、海区漁業調整委員会漁業権を取り消すべきことを申請したときは、都道府縣知事は、漁業権を取り消すことができる。」こういう條文があります。その次に「前項規定の適用については、漁業権者たる漁業協同組合が他の者の出資を受けて当該漁業権内容たる漁業経営する場合において、その出資額出資総額の過半数を占めておることをもつてその他の者が実質当該漁業経営を支配しておると解釈してはならない。」この意味は、漁業協同組合が自分で経営をやる意思の下に漁業権の下付を申請した、そうして漁業権を取る、そうして経営するに当つて八方金融をしたけれども金融はできなかつたという場合において、他の個人或いはその他の者に出資を求める、求めた場合において、その出資額漁業協同組合出資額より多くとも、実際の経営の衝に県つておるのが漁業協同組合である以上は、出資の高によつて経営を支配しておるという前項の解釈は漁業協同組合に適用してはいかんという意味であります。
  22. 江熊哲翁

    江熊哲翁君 この三十八條第三項の問題については極めて重要な問題でありますし、尚私共少し研究いたしたいと思いますので少し御懇談したい点もありまするので、一應これは速記をもうここでお止めにして頂いて、少し懇談してみたい点もあると思いますが、その点如何でしようか。(「賛成」と呼ぶ者あり)
  23. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) ちよつと速記を止めて……。    〔速記中止
  24. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) それでは速記を始めて……。継続審査なつておりますこの漁業法案並びに漁業法施行法案は、休会中にその審議状態議長報告することになつておりますので、ここに審査報告書というものを議長に出したいと思います。それはこういう案文であります。    漁業法案     漁業法施行法案   右の件は、まだ審査を終えないが、一應ここに多数意見者署名を附し、その経過及び結果を報告する。  委員長名前と多数意見者名前を書きまして、理由として、   本件法案は、本年五月七日第五國会において、予備審査として本委員会に付託されたのであるが、本法案は、かの農地改革に匹敵する大改正案であり、今後の日本の水産業が民主的に且つ生産的に百パーセントの効率を挙げ得るか否かは、一にかかつて本件の愼重なる審議にありと考え、付託後直ちに連日委員会を開会して審議を行なつたのである。然るに前記のごとく本法案が提出されたのは会期切迫の際であつたので十分審査することができなかつた故、委員会は同月十九日議長宛継続審査の要求をしたところ同月三十一日の本会議において本件継続審査が議決せられたのである。  本委員会は六月一日から十月二十四日の閉会期間委員会を開会すること九回、打合会を三回、その他懇談会を二回開会し、政府係官を招致して質疑を行い、或いは陳情を聞いて関係者意見を徴し、又この間議員派遣の承認を得て、本年初頭より出張して未だ実地調査を終えていなかつた三地方、即ち新潟、富山、島根の三地方議員を派遣して、つぶさに現地の漁業者懇談を行い、その意見を徴したのである。  本委員会は、これらの意見等を参考にして、更に修正点について協議を重ねたのであるが、本委員会結論を得るに至らなかつた。  以上本件審査経過及び結果を報告する。  こういう報告であります。御承認願います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  25. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) 御異議ないと存じます。  それでは多数意見者署名をお願いいたします。  多数意見者署名     江熊 哲翁  淺岡 信夫    尾形六郎兵衞  西山 龜七     田中 信儀  矢野 酉雄
  26. 木下辰雄

    委員長木下辰雄君) それでは本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十四分散会  出席者は左の通り。    委員長     木下 辰雄君    理事           尾形六郎兵衞君    委員            淺岡 信夫君            西山 龜七君            田中 信儀君            江熊 哲翁君            矢野 酉雄