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1949-04-11 第5回国会 参議院 商工委員会 第8号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十四年四月十一日(月曜日) 午後一時三十五分開会
—————————————
委員
の異動 三月三十一日(木曜日)
委員北村一男
君の辞任につき、その補欠として
山田
佐一
君を議長において選定した。
—————————————
本日の会議に付した事件 ○
昭和
二十四
年度
総合生産計画
及び資
金計画
に関する件
—————————————
小畑哲夫
1
○
委員長
(
小畑哲夫
君) これより開会いたします。
速記
を止めて…… 午後一時三十六分
速記中止
—————
・
—————
午後二時一分
速記開始
小畑哲夫
2
○
委員長
(
小畑哲夫
君)
速記
を始めて。
石原武夫
3
○
説明員
(
石原武夫
君)
電力
につきましても
石炭
と同じような需給の
状況
をここに書いてあるわれでございまするが、二十三
年度
の
推定実績
は
計画
を少し上廻つておりまするが、これは主として二十三
年度
が、
渇水期
に入りましてから非常に水の
状況
がよかつたということによりますもので、
從つて
二十四
年度
の
目標
と比較いたしますと、二十四
年度
の
目標
の方が、二十三
年度
推定実績
を下廻つておりますが、これは二十四
年度
について平水で計算をして
行つた関係
上、かような結果が出ておるわけであります。
火力
につきましては、二十三
年度
の
計画
に対しまして相当
増加
しておりまするが、これは
火力発電用炭
を殖して、一應できるだけ
電力
の
供給力
を殖すという
意味
で、この五十七億九千万キロワツト・アワーという
数字
を
計画
いたしたわけであります。
供給力
全体といたしましては二十三
年度
に対して約三%
増加
の
予定
でございます。以下消費の方はここに
進駐電用電燈
、電熱、
産業用
、その他、そのように分けてありまするが、その下の方に
産業用
の
増加率
を出してございまするが、これはやはり二十一年を一〇〇としておるのと、五、九年を一〇〇といたしておるのと
両方
書いてございまするが、二十一年を一〇〇といたしますと、二十三
年度
が一一七、二十四
年度
につきましては一二四、そういうふうに
増加
をしておるのでございます。 次に、
主要物資生産量一覧表
というのがありまするが、これは主要な
品目
につきまして掲げましたので、
物資
の
生産品目
と申しますと沢山
品目
がございまするが、一應主な
品目
につきまして五、七年と二十一年、二十二年、二十三年、二十四年という
目標
をずつと並べまして、最後に過去におけるものを出すという
意味
で以て
生産量
をここに掲げておるわけであります。 一々
説明
すると非常に長くなると思いますが、
普通鋼鋼材
につきましては、
本年度
の
計画
は、二十三
年度
計画
は百二十万でありまして、これは
実績
が少し上廻つております。これによりますと百二十五万トン、百二十万トンというものは完全に
達成
されて、それを少しオーバーした
実績
になる
予定
でございます。これに対しまして
明年度
百九十二万トン
計画
を立てまして、相当オーバーした
生産計画
を立つたわけであります。これにつきましては百九十二万トンという
数字
は相当大きな量で、これを
計画
といたしますにつきましては、
石炭
でありますとか、
電力
という面で非常に困難でございますが一面
輸出
の
振興
を図る上から申しまして、かような
基礎資材
、
鉄鋼
であるとか、セメントであるとか、そういう
基礎部門
の
輸出
の
需要
が非常に多いものでございますので、
司令部
の意向もございまして、できるだけ多くの
輸出
をするというので、百九十五万トンという
数字
に一
應持つて
行つたわけであります。 以下申します二十四
年度
の
数字
のところは、
ちよ
つと
速記
を止めて頂きたいと思います。
小畑哲夫
4
○
委員長
(
小畑哲夫
君)
速記
を止めて。 〔
速記中止
〕
小畑哲夫
5
○
委員長
(
小畑哲夫
君)
速記
を始めて。
石原武夫
6
○
説明員
(
石原武夫
君) 次は、
年次別
に見ました
輸出
入の
総括表
でございまして、
貿易総額
と
輸出
と
輸入
と
入超
というふうに分けて、これを
終戰
から二十一年末までと、二十二年、二十三年というふうに分けて書いてございます。ここで御覧願いますように、
輸出
は二十三
年度
は二億五千八百万ドルというところまで参りましたが、全体の
入超額
は御
承知
のように順次殖えて來るという傾向で、二十三
年度
につきましては四億二千三百万ドルという
程度
の
入超
に
なつ
ております。二番目のはこれを指数化した
数字
でございまして、これを特に御
説明
をするところもないと思います。三番目に書いてありますのは、
輸出実績
の
内訳
で、これは主要なものにつきまして、今申しました全体には一
應御参考
に大きな
品目
を書いてあります。恐縮でございますが、この表で一つ御訂正を願いたいのでありますが、五番目の欄の
纎維製品
、それの一番右の欄でございますが、
数字
が入つておりませんが、そこに六一・九を入れて頂きます。その次の四は、
輸入実績
の
内訳
で、これは大きな
品目
につきまして今までと変つておりますところだけ出ております。それからこの裏を御覧願いたいと思います。これは
主要物資
の
輸入実績一覧
で同じような形式で出しております。下の方は、それを指数化したものでございます。
本年度
の
数字
はまだはつきりいたしておりませんが、
輸入
が十億から十一億の間くらいということで、
目下計画
中でございます。これは
司令部
との
関係
もあつて、個々の
数字
として出ておりませんので、はつきりした
数字
は分りませんが、大体十億五千万
程度
くらいの
計画
に、一応
政府
で作つておりますのは大体出す
予定
でございます。
輸出
に対應いたしまして、五億ドルというくらいの
計画
をいたしております。以上非常に簡單でございますが、一應御
説明
申上げて、又御
質問
でもございましたら……
小畑哲夫
7
○
委員長
(
小畑哲夫
君) 如何いたしましよう。
資金計画
の発表を
願つて
、それから質疑にしますか、それとも
生産計画
だけで一應質疑して頂きましようか。
玉置吉之丞
8
○
玉置吉之丞
君
両方
ともやつて頂けたら……
小畑哲夫
9
○
委員長
(
小畑哲夫
君)
両方
やつて頂かないと分りにくいですね。それでは
ちよ
つとお
休み願つて
、
安本
の
財政金融局
の方から御
説明
願います。時間を節約する
意味
で何か
質問
して頂きましようか。
栗山良夫
10
○
栗山良夫
君 この案はどういうような形の、
資金計画
の下に推定されたのであるか、それを先ず伺つて置きたいと思います。
石原武夫
11
○
説明員
(
石原武夫
君) それは先程御
説明
申上げましたのですが、非常に早くこれを作りまして、
司令部
に出す
関係
もございますし、第一
四半期
がすでに始まつておりますので、又そういう
関係
で
予算
もまだその当時決まつておりませんでしたし、
資金面
もはつきりした
見通し
が付いておりませんので、
資金
その他の調整が付いておりません。それで今度
予算
も決まりましたようですし、それに
資金
も
見通し
が付きますので、それがはつきりいたしましたら、それを訂正するつもりでございます。現在はまだ今の
予算
なり或いはそれに
基ずく産業資金
なりの
関係
は、これに十分織込まれてございません。
栗山良夫
12
○
栗山良夫
君 それは先程伺つて分つたのですが、二十三
年度
の
予算
と二十四
年度
の
予算
と性格的に相当大きな違いが出ておるのですが、
從つて
この
計画
というのは大体二十三
年度
の
予算
と同じような
條件
の下で決まつておると、大体理解していいわけですか。そうするとこれは相当大きな変更が來る。そう取られるわけですね。
石原武夫
13
○
説明員
(
石原武夫
君)
予算
の面から申しますと、いろいろ例えば
鋼材
にいたしましても、鉄道とか、通信とかその他
公共事業関係
とか、その他の
関係
のものにつきましては全部
予算
よりも大きな
数字
が
配当
に
なつ
ております。その点は
予算
の
関係
で調整しなければならんという点があると思いますし、それからこの
計画
の
裏付
になる
資金
の面につきましては、これは
あと
で
財政金融局長
がおいでになりまして御
説明
になると思いますが、この
計画
を大体やります
程度
の
資金
が付くか付かんかという点が問題でございまして、
あと
で詳しく御
説明
があると思いますが、今我々が一應聞いております限りにおきましては、御
承知
の見返
勘定
の金がどのくらい大体
産業資金
に廻るかということで、これの
裏付
の
関係
については、ほぼ付くのか、相当開いて來るのか、今のところは決まつておりません。御
承知
のように
復金
がなくなりまして、
産業資金
が見返
勘定
からそれに代る
程度
に出るということになりますと、或いは
資金面
から非常に大きな開きが出なければならんと思います。その点は
あと
で御
説明
があると思います。
小畑哲夫
14
○
委員長
(
小畑哲夫
君)
速記
を止めて下さい。 〔
速記中止
〕
小畑哲夫
15
○
委員長
(
小畑哲夫
君)
速記
を始めて。
小林英三
16
○
政府委員
(
小林英三
君) 二十四
年度
におきまする
生産計画
に関して御
説明
申上げます。 先ず、二十四
年度
の
計画
といたしましては、いわゆる
昭和
五年乃至九年におきまする
基準年次
の約七五%というものを
目標
といたしております。これは二十三
年度
、いわゆる前
年度
の
計画
に比べまするというと約一二〇%に
なつ
ておるわけであります。二十四
年度
の
計画
を
達成
する上におきまして最も問題になりまする事項は、申上げるまでもなく、
資金
の問題でございます。
資金
の問題につきましては、私の申上げました
あと
で、
資金課津
も來ておりますから、尚、これ以上に詳しく御
質問
がございましたならば、或る
程度速記
を止めて頂いて御
説明
申上げようと思つております。特にこの
産業設備資金
の問題につきましては各
部門
の
要求
がございます。その
要求
を集計いたしまするというと、大体におきまして一千四百億円以上に達しておるのであります。現在示されておりまする御
承知
の
復金
の
機能縮小
並びにこの
貿易資金
の
黒字利用
、これもまだはつきりいたしておりませんが、大体
貿易資金
の
特別会計
の千七百五十億円の中で、五百億とか或いは六百億とかいうようなことになると思いますが、その
貿易資金
の
黒字利用
の線におきましては、その
運用如何
によりましては、全体といたしまして前
年度
から比べまするというと、そう著しく
資金不足
にならないと期待しておるのでありますが、併し少なくても第一
四半期
或いは
前半期
特に
不足
を招きまして、
産業界
に著しい
影響
があるだろうと考えております。勿論この
資金不足
の下におきましては、前
年度
以上に効果の現われる
長期設備
或いは
開発
が先ず抑えられまして、
本年度
の
生産
のための
設備
の復旧或いは拡充、こういうものに重点が置かれることになりまして、
本年度
の
生産計画
の
達成
に全力が注がれることになるのでありますが、それでもやはり
石炭
の四千二百万トン、或いは
鉄鋼
の百九十二万トンなどの
基礎部門
の
生産計画達成
は非常に困難を加えることと存ずるのであります。それから
資材
の
配当
の面におきましては、この
資金
とのギヤツプが生じまするがために、一般的には左程
不足
を告げないと思うのでありますが、一部
輸入原材料
の
不足
が相当大きな
影響
を與えると思うのであります。例えて申上げまするならば、
ソーダ工業
の主
原料
でありまするところの
工業塩
、
鉄鋼原料
といたしましての
コークス用石炭
、それから
鉄鉱石等
を初めといたしまして、石綿、黒鉛、
螢石生ゴム
、
線花
、羊毛などの
輸入確保
のためには
格段
の
努力
を必要といたすのであります。又
國内原料
の中でも、
製紙用
のパルプ、或いはその原木、
硫化鉄
、硫黄、これらの
生産確保
は特に留意しなくちなやらん問題と考えます。その外に一般的の問題といたしましては、
労働対策
、賃金問題、或いは
労働効率
の
向上対策
、
價格対策
というようなものがございまして、更に
爲替レート
の設定に対処いたしまして、
企業
の
合理化
、
生産技術等
によりまする
コスト
の引下げが要請されまして、單一
爲替レート
の下におきまする
輸出振興方策
が
眞劍
に考究せられなければならんと考えます。 尚、
主要産業
の
生産計画
並びにその
達成
上の問題の点を個別的に御
説明
申上げまするというと、次のようなことになるのであります。先ず、第一番に、
石炭
の問題でございます。
石炭
の
本年度
四千二百万トンの
生産
というものは、御
承知
のように総
司令部
から示されたものでありまして、これの
達成
のための措置を指令されておるのであります。勿論
企業
の三
原則
及び
経済
の九
原則
の線に沿いまして、これが
達成
に邁進しなくちやならんことは言うまでもないのでありまするが、特にその一といたしまして、
メリツト・システム
によりまする
炭價
の
是正
、
品位
の
向上
による絶対量の
減少
、
メリツト・システム
と申しますのは、御
承知
のように、
從來石炭
の
品位
の
良否
ということにつきまして、
炭價
が余り懸り離れていなかつたのでございますが、この実質の
良否
によりまして
炭價
の決定をするという、この
メリツト・システム
によりまする
炭價
の
是正
、
品位
の
向上
による絶対量の
減少
、それから第二番目に
労働
時間の制約によりまする出炭の減、第三番目に
資金難
によりまする
機械化
の
遅延
、それから
炭鉱
の
経営
の困難、これは
閉鎖炭鉱
の
続出等
の問題が予想されまして、これを克服いたしまして四千二百万トンの
生産
を
達成
するということは、決して容易なことではないと考えるのであります。 次に、
電力
の問題でありまするが、
資金難
によりまする
開発
の
遅延
が直接
本年度
の
発電
に及ぼす
影響
は少いのでありまするが、
火力用炭
の
購入
が非常に困難となりまして、いわゆる
資金
の
問用
のために
火力用炭
の
購入
が困難となりまして、
火力発電
が抑えられますれば、地域的に相当大きな打撃を
産業界
に與えると思います。それから
水力発電
も、この冬の
異常豊水
は、逆に五、六月頃の
異常渇水
をもたらしまして、この面から
本年度
の
計画
の
達成
は困難視されておるのであります。即ち、この冬は例年に比べまして非常に雨量が多くて
豊水
でありましたけれども、逆にこの雪が少いものでありますから、五、六月頃の
豊水期
に逆の
影響
を及ぼすという結果のために、今
年度
の
計画
の
達成
というものはこの面から考えましても相当困難であろうと考えておるのであります。 次は、
鉄鋼
の問題であります。
普通鋼鋼材
は
伸鉄
及び再圧延を含めまして、大体百九十二万トンが
本年度
は
計画
せられているのであります。この
基礎
となりまするところの
製銑
、いわゆる銑鉄を作ります
計画
は二百万トンでありまして、これを
達成
いたしますためには、現在
稼動
しておりまするところの高炉の八基の外に更に八基を追加する必要がございます。又平炉におきましては、現在
稼動
中の五十四基を極力駆使いたしまして、
新規稼動
は十基
程度
に止めるのでありますが、これだけでも約九十億円の
資金
を要するのであります。而も
前半期
にその手当を必要とするのでありまするから、この
資金
の
確保
が困難になりまするというと、百九十二万トン
計画
というものは大幅に縮小せざるを得ないと考えます。その他の問題といたしましては、先ず第一番に、
鉄屑
の
回收
の
強化
、これは今国会に確か出す筈に
なつ
ておりまするが、いわゆる
鉄屑
の
回收法
というものによりまする
鉄屑
の
回收
の
強化
、これはいわゆる
鋼屑
を
回收
する上におきまして法律化いたしまして、そうして
鋼屑
の
回收
を
強化
しよう。それから第二番目は、國内の
配炭
と
輸入原料
の
確保
、即ち
輸入
の前堤といたしまして
輸出
の促進を図る。それから第三番目は
電力
の
確保
の問題でありますが、これは現在の
配電計画
におきましては、先程
安本
からも御
説明
がありましたが、約一億キロワツト・アワーの
不足
があるのであります。第四番目は、
鉄鋼需要部門
の
資金
の充足によりまするところの賣
上代金
の
確保
が重要問題であります。これは先般來非常に問題に
なつ
ている問題であります。これを現在のような
状態
に放置いたしまするならば、
鉄鋼業界
の
資金逼迫
によりまする
経営
の著しい困難を來すと考えております。尚、五番目には、今後の大きな問題といたしまして、
東亞地域
から
廉價
な
原料
、燃料を豊富に
日本船
で運搬いたしまして、
操業度
の
向上
、
企業
の
合理化
によりまする
コスト
の引下と並行して、
日本
の
鉄鋼界
がペイする
状態
を一日も早くもたらすよう、
格段
の
努力
を拂う必要があると存じます。 それでは尚
資金
の面につきましては、
資金課長
から或る
程度
説明
申上げますが、場合によりましてはお願いいたしまして
速記
を止めて頂きたいと思います。その際はよろしくどうぞ。
小畑哲夫
17
○
委員長
(
小畑哲夫
君)
ちよ
つとお諮りしますが、当局の
要求
もありますし、尚
安本
の方へ折衝しましたが、
資金計画
は
只今
のところ立つていないということで、
経済安定委員会
も今開かれているのですけれども、どなたも見えていないようであります。そこで
只今
から
商工省側
の腹案と申しますか、そういうものを発表願おうと思うのであります。
速記
を止めて下さい。 午後二時三十六分
速記中止
—————
・
—————
午後三時三十五分
速記開始
小畑哲夫
18
○
委員長
(
小畑哲夫
君)
速記
を始めて……それでは今日はこの
程度
にて散会いたします。 午後三時三十六分散会
出席者
は左の通り。
委員長
小畑
哲夫
君 理事 島 清君
山田
佐一
君
栗山
良夫
君
委員
平岡 市三君
廣瀬與兵衞
君 小杉
繁安
君 境野 清雄君
佐伯卯四郎
君
玉置吉之丞
君 駒井 藤平君 阿
竹齋次郎
君
政府委員
商工政務次官
小林
英三
君
説明員
経済安定本部生
産局次長
石原
武夫
君
商工事務官
(
総務局財務課
長) 今井 博君