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田中利勝君
ちよつと
希望がありますが、
輸出振興のための
実地調査は誠に結構でありまして、今その
目的地をいろいろ御説明になつたのでありますが、無論
貿易輸出の
振興でありますから、
輸出品の直接
関係ある、そういう
工場は視察しなくちやならないのでありますけれども、私
一言希望を申上げたいことは、
日本が
経済再建をし、
國際経済に参加する。而も
日本の
自立経済にと
つて一番大きな問題は、いわゆる金の問題じやないかと思うのです。この生産された物の問題もその面からして重要であるけれども、同時に
國際貿易決済の
手段としての金の問題が又一面重要じやないかと思うのですが、そこで現在
日本に
一体金がどのくらいあるのかということも重要な問題にな
つて來るし、更に
日本の
金山の現在の
稼行状態で、果して
將來日本の
貿易決済の
手段としても金がどれだけ賄えるか、そういうことも関連して大きな問題じやないかと思うのです。私の記憶にある数字から申上げますれば、
昭和十六年度に
日本の
産金は二十六トンであつたけれども、今日僅に二トンしかない。こういうような
事情もあるしこのままの姿に置いて決していい筈はないのでありますから、現在
日本の
産金というものがどういう状況にあるか、而もこの視察される
東海地区には非常に小さいけれども、
金山があるように聞いておりますが、そういう点もできましたならば廻
つて見て
実地調査をして、更にその我々の報告の中にそういう面までも取入れて頂きたい。こういう
希望を持
つておりますが、こういう点も
委員長の方で勘案して頂きたいと思います。