○政府
委員(阪田泰二君) 只今
失業保險適用問題の経過について、その後の
状況を御
報告申上げておりませんで、お叱りを蒙りまして恐縮でございますが、この問題につきましても、我々も御承知のように、昭和二十四年度の予算の編成に当りまして、非常に重要な
一つの問題でありますので、檢討しておりましたわけでありますが、何分にもおいでになりました節に申上げましたように、現在の
失業保險法が直ちにそのままで引揚者に対して適用があるというふうに解釈するのにはいろいろの問題がありまして、この問題が簡單に
解決できない、こういうような
状況でありましたので、勿論法律上当然支出すべき経費であるということになれば、これは予算に盛られなければならない問題であります。併しながら予算が纒まります当時におきましては、その辺につきましてまだ
はつきりした
結論を得るに至りませんでしたので、今回の予算には遂に予算化するということはできなか
つたわけであります。それで只今
お話がございましたように、今後の檢討によりまして、
失業保險法が当然引揚者に対しても適用せられる、こういうようなことに
はつきり
決定いたしますれば、これは当然國の債務と申しますか、義務でありまするから、これに要するものは支出しなければなりません。
從つてそれに要する予算措置も必要と相成
つて参るわけであります。又これは
失業保險法が必ずしも適用がない、併しこれに類する失業手当法のようなものを別途
國会に提出して
決定するという方向にでも参りますれば、これに要する予算措置が必要になると思います。それらの問題がいろいろ
解決に参りませんために、現在の予算においてはかようなことにな
つておりますことは誠に止むを得ない次第であると思いますが、それならば將來これに対して何らかの必要が起きた場合に、今の予算が直せるか、或いは追加できるか、この問題でございますが、これにつきましては、大藏大臣もたびたび
國会で声明いたしておりますように、今後の問題としましては追加予算、要するに積極的に今回の本予算の枠よりも金額を全体として殖すというような、そういうような意味の追加予算を出すことは、大体本年度としては先ずないものと考えなければならない。ただまあ復員
関係の経費のみについて見ましても、今後の経過によりまして、予算にも一應の見込みを以て盛られました経費には、或いは余裕がでぎて來ることは可能であります。更に進んでその他の経費につきまして何らかの余裕が出て來ることは考えられます。或いは決業保險
関係におきまして、これは相当の失業者が出て参
つても大丈夫のような組み方をしてございますが、その方が余裕ができれば、その方で支給することも失業保險の方の形としては可能なことになります。ただこの問題につきましては、政府が何と申しますか、雇用主として、或いは政府として保險料の三分の一と合計三分の二を負担しなければならないのですが、そういうような問題が引つ掛か
つて参りますので、必ずしも失業保險会計だけでは片が付かない、さような面につきまして、一般会計の方で何らか先程申上げましたように、現行の予算の範囲内で補正をするというような措置でありますれば可能であると思います。ただ補正予算を提出して実施すべきものであるか、或いは現行予算の範囲内で流用とかい
つたような措置で可能なものであるか、その辺のところは、具体的の方向が決まりまして、その結果どれだけの経費が、どういう形において必要とな
つて参るかという点の
見通しが付かないで、
はつきりしたことを申上げかねます。現状といたしましては、我々の
事務当局から申上げ得る点はこの程度のことでございます。御了承願いたいと思います。