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1949-09-06 第5回国会 参議院 在外同胞引揚問題に関する特別委員会 閉会後第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年九月六日(火曜日)    午前十時四十九分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○引揚者に対する水産資材優先割当に  関する件 ○恩給問題に関する件 ○國民金融公庫に関する件 ○更生資金及び住宅対策に関する件   —————————————
  2. 紅露みつ

    委員長紅露みつ君) それでは委員会を開会いたします。  本日の案件は、一、引揚者に対する水産資材優先割当に関する件、二、定着援護補正予算に関する件、三、國民金融公庫に関する件、四、更生資金及び住宅対策に関する件、五、引揚者に対する援護物資に関する件、六、小林菊三郎人民裁判に関する証人喚問の件、とこうなつておりますが、水産廳から資材課長がお見えになつておりますから、一から始めることにいたします。
  3. 岡元義人

    岡元義人君 一應その全部の出席者を言つて下さい。
  4. 紅露みつ

    委員長紅露みつ君) 一の水産廳関係資材課長石川さんがお見えになつております。それから定着援護に関しては大藏大臣が閣議で欠席大藏省主計局長会議出席ができません。それから厚生政務次官が御出席の筈ですが、まだ見えておられません。それから三の國民金融公庫に関する件、これが大藏大臣同上主計局長同上、それから飯田特殊金融課長がお見えになつております。それからちよつと前後しましたが、二のところ主計官磯田さんがお見えになる予定になつていますが、まだ見えておりません。前の特殊金融課長であつた磯田さんです。これは何ですね、この二項目は大藏大臣主計局長欠席ですが、この二方が見えますから。それから岡田指導課長見えることになつております。それから岡林業務課長見えております。政府委員はそれだけ今御出席になつております。  それでは水産資材の件から御審議願いましようか。
  5. 岡元義人

    岡元義人君 水産廳長官連絡をお願いしてあつたのですが、來ないのですか。
  6. 石川東吾

    説明員石川東吾君) 長官は今日司令部を行つておられます。
  7. 岡元義人

    岡元義人君 まあ課長見えておられますから、一應先ず以て御連絡申上げました通りに、二・四半期と三・四半期の前年度中間において一應御面倒を見て頂いたわけなんです。本年度に入りましてからは全然まだ一回もこういうような特別な処置が行われていない。そこで穗積委員淺岡委員等から前にも水産廳には連絡があつたらしいのでございますが、問題は本年度定着援護、これは厚生政務次官に実は早く出席を要請したいのですが、厚生省としての考え方も関連して考えて頂きたい。と申しますのは、本年度定着援護は最も強化されなければならないことは、もう新聞その他においてもでかでかと政府自体が何らか今年の援護対策は強化するということをはつきり声明しておる。併し実質的には何ら定着援護なるものについて一つもそういうような具体化されたものはないのです。それで水産廳におきましても、水産廳と引揚の定着援護というものが全然無関係だというふうに考えて頂いたのでは困るのであつて、私達先日淺岡委員と二人舞鶴に参りまして、関係方面からも、一昨年來たところ定着援護通牒と今年度來たところ定着援護通牒を見て見ると、一言一句全然違わない通牒をよこしておるじやないか、どこに定着援護改善され、強化されたのか、こういうきつい詰問を受けたのです。その点については関係方面においても中央との連絡をとつて頂きたい、我々も政府を鞭撻して何とか今年のいわゆる定着援護に対するところ改善を積極化するように帰つて政府にも要請するという約束をして帰つて來た。何も水産資材に限定したわけじやありませんが、外の方の物資についても一樣に我々といたしましては関係方面にも連絡をとり又政府当局にも連絡をとつているわけなんです。ただこの委員会において課長はつきり申上げて置きたいことがある。それは今まで終戰以來年度二・四半期三・四半期中間において特別枠を設けて頂いてそれを放出されたのは終戰後たつた一回、そのたつた一回の放出に対して引揚者のいわゆる不正流用というようなことを取上げて、今度の枠が決定できないというのであつたならば、これは根本的に間違つておる。なぜならばたつた一回しか出していない。そのいわゆる特枠がそういうようなふうにむしろ責任を轉嫁されておるというようなふうにしか解釈できないのであつて経済調査廳が全國的に調査した結果をばはつきり調査して頂けば分ると思うのですが、とにかくそういうことはないということは私はここで責任をもつて申上げていいと思う。でそういうふうなことに拘泥して、そうして特枠が設定できないというようなことは私達としては了解に苦しむのでありますから、とにかく帰つて來た者が二玉なり三玉なり或ははい繩をやるとか或はえびをとるとか、そういうようなことによつて一家を支えて行けるというのでありますならば、当然これは考えらるべきである。ところが承るところによりますと、企業権許可になつた者一般の枠から貰つたらいいじやないかというようなお話つたそうですが、併しながら引揚者等新規許可を受けるということは非常に困難なんです。むしろそういうような余力のあつた引揚者達一般のいわゆる統制物資から配給を受けてそうしてやるというのではなくて、すでに殆んど全部が闇のものを買つて着業しておる。我々がこの委員会で取上げておるのはそういうものではなくて、そういう零細ないわゆる末端において更正援助の面にこの水産資材が必要であるということが一番主題になつておるわけです。たからこの点を十分に考慮されるならば、何らかの特別な処置を講じなければ末端引揚者や或いは復員者等にそういうものが行き渡るということは、恐らく課長考えられても分つて頂けると思うのですが、行き渡らない。だからこの点は是非共前同同樣、特に参議院の本会議においてこれが請願も採択になつておるのです。その参議院の趣旨を体して何らかの処置があつて然るべきじやないか、こう考えるわけであります。課長の御意見一つつて置きたいと思います。
  8. 石川東吾

    説明員石川東吾君) 私は引揚者に対する漁業資材は、これはいろいろ資金難等とも関係があると思いますが、実際漁業ができる程度現実に十分に行き渡らさせたいと考えております。ただ実際問題としましては、現在漁業用資材、特にこれは綿糸が一番問題になつておると思いますが、現実には全國平均して約六七十%の充足率を示しておるのであつて一般從來つておる漁業者に対しても十分に行つておらないわけであります。それから又現在の資材割当の機構は御承知通り水産廳では各府縣に対してその地の資材調整事務所に一應資材枠下しをしまして、その資材調整事務所で縣内の漁業重点的に選んで、最も効率的な漁業にその資材を出して行く、こういうようなやり方でやつておるわけであります。そういうやり方をやつております。理由は、御承知通り日本食糧に非常に困つておるし、主食は現実食糧として輸入しておりますが、蛋白質資材食糧で輸入するよりもむしろ日本漁業を活かして、その代りに資材を輸入してその資材蛋白食糧をとる、こういうようなことでやつておりますので、関係方面ではその割当てられました資材を有効に使うという点について非常に関心を持つておるわけであります。從つて水産廳が各府縣に対して枠を決める場合には必ず事前に関係方面了解を得て枠を決めたわけであります。それで先刻御指摘になりました昭和二十三年度の三、四・四半期の第二次にこれは今年の二月の二十三日附で特に引揚者用の枠を設定しまして、各府縣に通知したのでありますが、そのときの関係筋了解事項は、そういう引揚者に対する資材特別割当はよく分る。併しながら現在のような資材需給状況ではこういうことは採算は考慮できない。それで今回限りは特別認めるというようなことで、実はその枠の設定を認めて貰つたわけであります。それで実は私、日をはつきり記憶していないのですが、確か八月の上旬だつたと思いますが、矢野さん穗積さんその外御一名の方が確か次長の所にお見えになりまして、私そこで呼ばれまして、先刻岡元議員からお話がありましたように、更にもう一度特別にそういう紐付をやつて貰いたい。こういう陳情をしたのであります。それでたまたまそのときに用件もありましたので、直ぐに関係方面に出向きまして、実は前回こういうような紐付をやつたときには、そのときに限つてやるという御了解を得たのであるが、今回関係者見えて、その後引揚者が大分殖えておる。又前回紐付数量は非常に少ない。又改めて一つ紐付をやつて貰いたい。こういう希望があるという話の打合せをしたのでありますが、遺憾ながらそのときには了解が得られませんでしたので、そのまま帰つて來たのであります。いろいろ相当細かい点に触れまして実は話合をしたのでありますが、遂に了解を得られなかつたので、帰つて参つたのであります。関係方面のそういう話合もありますので、その前回に二月二十三日附で各府縣に出しましたときの通牒にも、一應はこれは今回に限つてやるのだと、こういうような通牒は一應やつておるのであります。併し私は現実地方資材事務所におりました経驗もありますので、    〔委員長退席理事草葉隆圓委員長席に着く〕 これは何か特別の措置を講じたいと考えておりますが、現実割当に関してそういうような関係方面の制約も受けますので、今直ちにどういうふうな方法があるか、実は思い浮ばないのでありますが、もう少しいい方法があれば皆さんの御意見を承つた上で水産廳で案を立てて、尚関係方面了解を得て実施に移したい、こういうふうに考えます。
  9. 淺岡信夫

    淺岡信夫君 今石川議長の大体の説明はよく分つておるのですけれども、併し二月の二十三日附だというその当時の委員会においては今後こうした問題に対してこうきつぱり打切られては困る。今後ますますこうした問題は発生するのだからということは、そのときの委員会速記を見て頂けば分ると思います。それで今の関係方面了解を得られないというだけでは本委員会としては納得できない。それを得させるように説明するなり或いはデーターなり、そうした資料は水産廳自体にないのだ。又水産廳自体にそうした熱意がないのではないかというようなことも一應考えられる。少くともこれは昨年の五月の二十四、五日当時のああした熱意なり、そうしたものを湧き起して頂ければ、少くとも関係方面としてもこれに対して絶対不可能なりということは私一個の委員としては考えてもあり得ないと思うのです。何かそうした点につきまして、水産廳なりの説明なり、或いは委員会自体空氣そのものが、関係方面に反映しないのであります。その結果がそういうふうな打切られるという結果になつておるのではないかと思うのです。その点について伺います。
  10. 石川東吾

    説明員石川東吾君) 資材に関する関係方面考え方が全然違うのでありまして、どこまでも或る一定数量資材で最大限の漁獲を挙げる。こういう漁業重点的にやれという思想が最後まで残つております。そのためにつまり特に水産廳が特別のものに指定するということを非常に好まないという傾向が多分にある。つまりその重点的に出すべき漁業がその縣、縣によつて非常に違うわけであります。そのために現在のような資材調整事務所に出して、資材調整事務所で縣廳その他の委員会に諮つて重点漁業を決めてどういう工合に資材を出すか、こういうような構想で行くわけでありまして、何といいますか、特別の或る業種の人、つまり引揚者というような特別なものに限つて出すということを余り好まない、引揚者の中でも恐らく縣の重点漁業に入るものは考えてもいい、こういうことになると思います。原則的に現在出ております資材昭和二十四年度に年間大体二千万ポンドの見通しであります。二千万ポンドという基礎数字漁業に要する補充資材だけを見ておるので、だから一應新規の産業は認めない、補充資材としてそれを最も有効に使つて貰いたいという基礎計算から二千万ポンドという数字が出ておるのであつて、各府縣では原則的には新規漁業は認めないというような一應の考え方をしておるわけであります。併しながらその府縣に対する一應の枠の範囲内において他の能率の悪い漁業を止めて新らしい能率のよい漁業にやるならば、それは少しも差支えないわけであります。水産廳としては府縣に対する新規着業資材は一應認めないわけであります。併し今申しましたように地方によつてし、その枠の範囲内において高能率漁業にやることは少しも差支えない、こういう意味で、若し引揚者の方で能率のいい漁業をやる方が出て來られるならば、それは自由に資材調整事務所において出し得る。ただそこを水産廳の方で頭からこれだけの数量をこれにやれというふうな決め方は、今のような見解からどうも関係方面の諒解を得にくい、こういうことであります。
  11. 淺岡信夫

    淺岡信夫君 私はそうした関係方面考え方というものに対しましてどうも理解できないのです。と申しますことは、すでに今までこうした問題が処置されており、ここに至つて高能率云云ということがありますが、併し日本の新憲法においては一切平等である。一切平等であるということは引揚者或いは戰災者というものに若干の差等を設けてこそ平等になり得る。その差等を設けないとすると、いつまでも引揚者或いは戰災者というものは下積になつて行くのです。その根本原則お話合になれば十分お分りになると思います。その党から発足して行けば特に引揚者であるから高能率でなければいかん、或いはいいとかいうような結論じやないと思う。例えば今までの各地方農林資材調整事務所におきましても、理解のある所長なり、或いは有爲な資材を担当する方においては処理されております。併しそれを理解せしめるまでに引揚者というものはそういう努力をしております。努力した結果が漸く理解されるのです。ところがそういうふうな面がどこにも一樣一率にあるとは言えない。政治というものは行政面においてはこういうふうな声なき声を聞くというようなところに最も重点を置いて貰わなければならん。そこを強く理解せしめるようにして貰えば、この点は関係方面も御理解できる。こういうふうに私は從來の実績から鑑みて思つているのです。  それから先程岡元委員引揚者が若干の資材を流したということがあるということでありますが、それは確かにあるかも知れません。それは私はよく知りませんが、併しそれは既存業者が流した事実から比べて見れば物の数ではない。ただそうした大海の一魚くらいのものを掴まえて引揚者を云々するということは、これは引揚者に対して苛酷な言葉じやないかと思います。そういうような点からいろいろの点を総合して考えて見ましても、私は今の水産廳関係方面に対して一回話をした結果断われた、或いは二回話をした結果断わられた、そういうふうなことじやなくして、もつと回数を進めて話をして貰いたい。それに対して行政面だけではいかんというならば、私共もいつでもお供いたしまして、できるだけ努力したいと思いますから、そういうふうに点について簡單でよろしうございますから、所信を承りたいと思います。    〔理事草葉隆圓退席委員長着席
  12. 石川東吾

    説明員石川東吾君) 只今御指摘のありました通り私共も実はこれで関係方面との折衝を止める積りは実はないのでありまして、今後続けて大いにやつて行きたいと思つております。或いはそのときに私共だけでは皆さんのお考えが十分ここに傳わらないという場合もあり得ると思いますから、或いは場合によつたら御一緒にお願いしたいと思います。
  13. 紅露みつ

    委員長紅露みつ君) 速記ちよつと止めて。    〔速記中止
  14. 紅露みつ

    委員長紅露みつ君) 速記を始めて。
  15. 岡元義人

    岡元義人君 これは厚生政務次官にお伺いしますが、政務次官水産廳次長にこの問題についてお会いになられたのは、厚生政務次官としてお会いになつたのが、それとも特別委員立場、或いは水産委員立場として御出所をして頂いたのか、この点を矢野厚生政務次官一つ明らかにして頂きたいと思います。と申しますのは、定着援護の面が今日の委員会の議題なんですが、一体次官会議等においてそういうふうな定着援護に鉄して政務次官等から発言があつて内閣自体がありだけ堂々と本年度定着援護は必ず改善し、強化するということを声明しているが、我々委員会としては全然どこにも改善の跡が見られないということを遺憾に思つておるのであつて、僕は矢野政務次官厚生政務次官としていわゆる水産廳折衝されたか、その点を伺つてみたいと思います。
  16. 矢野酉雄

    説明員矢野酉雄君) 自然人である矢野立法府仕事をすると共に又行政府仕事をしておりますので、立法府自然人たる矢野特別委員もやつておりますし、水産常任委員もやつておりますから、淺岡議員と同じように実は水産委員会を通し、引揚問題に関する特別委員会を通して、岡元委員も亦常任委員特別委員として又水産常任委員でないけれども特に資材面について御熱心におやりになつているようなことは万人の知るところでありますが、私はしばしば水産廳官とも会い、ここの石川資材課長とも会つて要望をして参りました。それは政務次官としても要望すると共に立法府の一員としても実は何回も何回も要望しておりますから、はつきりとこれは政府の役員として要求するというようなけじめをつけていないことはしばしばあつたと思います。併し今資材課長から説明のあるような程度の御返答を聞いて実は非常なる不満足の意を持つてつたのであります。故に政務次官会議においても引揚問題に関する特別委員会の意思を、或いは本会議における請願事項の通過したもの等に根拠を置いて何回も要望し、実は明日の政務次官会議においてもこの問題を大きく取上げてみたいと今実は案を作つておる次第でありますし、九日の日は総理大臣政務次官を晝間に会見を申込んでおりますので、その政務次官会議においても総理要望したいと実は肚を作つておる丁度ところであります。この機会に私はお答すると共に厚生省立場から水産廳の方に特に強くお願をして置きますことは、ここの立法府委員会としての強い御要請がそのままの水産当局において受諾して頂いて、むしろ引揚者漁業の従來して行く人々の立場に立つて、果して憲法の保障している平等の原則に即する手当を今までどれだけやつて來たか、僅かに二回だけは引揚者のために別途の枠をはつきり設けて、他の方面にその枠が流れないような処置をして頂いた次第でありましたが、併しそのデーターをお作り下さいますならば、引揚者水産業に從事しているところの者が要望しているその要望に一体何%の程度資材割当られたかというような確実なデーターを御作成頂いて、そうしてむしろこの委員会参議院の本会議で採決しましたるところのその強き正しき要望に副うて行政府といても是非一つGHQ関係部局に御折衝願いたいと思う。その場合に厚生省が協力を申上げるところの部面がありますならば、喜んでお供いたして、それらの折衝に與したいと思つております。併し大臣始め長官或いは直接の関係者である資材課長等委員会や本議会の要望……厚生省が又引揚者の立上りのために盡して見たいと存念しておりますこの熱意を同じ程度にお汲取り下さらないで御折衝頂くならば、必ずや向う樣のいろいろな突込んだ御意見が出ると思いますので、そうした御意見で出ないように一つ一二〇%に水産当局熱意を以て一つこの問題が正しく受入れられるような御折衝をこの方ながら進めて頂くように、厚生当局としてはこの機会に懇請して止まないような次第でございます。これがお答えの筋に適うかどうか存じませんが、是非そういうふうに私自身は運んで行きたいと覚悟しておる次第であります。
  17. 淺岡信夫

    淺岡信夫君 先程石川課長からお話がありましたし、今矢野政務次官からもお話がありました。石川課長お話のときには自分の方で努力をしておる、更に國会或いは委員会側からお話がございましたが、私はいつでもお供しますということを申上げました。これは從來、今後共変りありませんが、今幸いに矢野政務次官お答えの中に厚生当局としても敢えて行くことに吝さかでないということがありますから、取敢えず今日の委員会の向きを石川課長並びに厚生省からどなたか御担当になるか存じませんが、一つ厚生並び農林水産当局関係方面に御折衝なつた曉きに、それを今後の委員会に、或いは私共いつもおりますから一つ御回答頂いて、その上で私共或いはその他の委員諸君でもお供いたして、とにかくこの問題を早急に解決したいと思いますから、一つその点各委員に御了承頂きたいと思います。
  18. 穗積眞六郎

    穗積眞六郎君 引揚者生活援護に対する責任というものは私は日本政府全体が持つていらつしやるのだ、こう思つております。厚生省は初め援護院を通して上陸まで或いは上陸を完了して故郷に帰るまでの責任を負われたのでございますけれども、併し外にこれといつてつたところがないために、段々に厚生省の御負担が殖えて來て、今の定着援護の方にまでお世話に願つておるように思うのでありまして、厚生省引揚者定着援護を一身に引受けるという法律上の御責任は私はないものと、こう思つております。ところ從つて定着に対する責任と申しますれば、行政府といたしましては、各省別別に御自分の受持つていらつしやる部分についての根柢的の御責任があるのだと思つております。而もややもしますると、例えば水産の問題にいたしますると、先程石川課長から御説明がありました通り、今漁獲ということは非常に食糧問題から必要だ、それに專念しなければいけないから、それで引揚者に対しての割当部分は残すことはできないというような一つの御意見が出るのでございます。定着の対する責任というものはいろいろな職業、それから能率などとは少し違つた立場において、これだけは或る程度どうしてもやらなければいけないという責任が私は各省にあるのではないかと思つておるのであります。ところがややもしますれば、こういう話のときに引揚者に対する問題の責任厚生省にあるのだから、俺の方は本件の仕事に專念していて、そちらまでやる余地はない、厚生省が何とかすべきだというような議論が表向きの、それから何となく裏からも出勝ちなんであります。私はこれが根本の間違いではないかと思つておるのであります。厚生次官に伺いたいのでございますが、厚生省としてもこの引揚者定着の問題を御自身一省の限りの責任だと、こうしたお考えになつておられないことと存じます。この点を一遍伺わせて頂きたいと存じます。
  19. 矢野酉雄

    説明員矢野酉雄君) 穗積委員の御意見は確かにそうだと思いますが、厚生省としてはあながち援護廳だけが引揚者主管部局ではございませんで、御承知のごとく社会局がありますし、兒童局がございますし、引揚者等國民全般の保健上の問題についてもそれぞれ部局を持つておりますし、殊に今回は、最前岡元議員の御意見は大きい理想から言えば御尤もでございますが、引揚者舞鶴上陸し、或いは函館に上陸し、自分の家に安着するまでの一切の、食事等も、特別の財政処置をいたしまして、政府がこれを全部負担するというような緊急妥当な処置をしまして、その後の定着の問題は直ちに社会局管轄に移りますので、生活ができなければ生活保護法の、本年度約百三十二億の予算内において引揚者等でお困りの方はこれによつて救うというようなことなども社会局の重大な仕事として熱意を傾けておるような次第でございます。勿論引揚者失業者中の失業者と言うべきでありまするので、この就職斡旋等のことはこれは労働省の管轄であります。或いは持ち帰り金等の権利の問題は主として外務省が所管し、或いは恩給等の問題も外務省がこれを所管しておるというのでございますから、各省々々それぞれの部分的分担はございますが、総合的に見ますならば、政府全体が引揚者生活を助成して行く、できない者は丸抱えにこれを救済して行くというような構想の下に行くべきだと思つております。殊に金融的問題、生業資金の枠を大きくするとか、或いは金融公庫の誤れる一つの観念を打開して、そうして御要望に應ずるような途を開くことは、直接には大藏省の行政所管になりますけれども、それに対して最も有機的な関連を持つものは厚生省でございますので、常にそれぞれ局長、課長を通し、或いは主任事務官を通して他の官廳と折衝を試みておるような次第であります。以上のように、冒頭に申上げましたように概念といたしましては、穗積委員のごとく政府全体が引揚者の引揚事務或いは定着に至るまでの一切のものは、政府全体が負うベきだという考えの下に各廳と十分の折衝を続けつつあるのでございます。
  20. 細川嘉六

    ○細川嘉六君 私は資材課長一つお伺いしたいのですが、政府引揚者資材その他を配給しますが、それが往往にして少数者が独断的に自分の利益の方に引張つていて、偏つていて、実際に必要なものは貰つてない、配給していないということを、私は身近な方面からもよく知つているのでありますが、先程岡元委員漁業資材について一部に横流しが……私が聞きそこないであるかも知れんが、何か不正なことがあつたので、それを口実にして水産廳の方で配給を少なくしたとか、何か差控えるとか、そういうふうなことがあつたようなことを私は聞きましたし、それから課長自信からもこのような配給の状態では資材の量を殖やすわけにも行かんというような言葉もあつたように思うのですが、その辺りもつと具体的にはつきりここでお示し願うことはできませんか。こういうことがあつて漁業資材を殖やすにしても、こういう暗いものがあつては碌にできませんから、そういう事実があるとすればこれを除かなければならん。  それからもう一つは、先程もお話があつたように、どうせ資材を分けるのですから、殊に引揚者には引揚者としての立場から平等の原則に從つて多少の加減をするというようにいたしましても、ただ資材を渡しただけでなしに、生産が実際に有効に上らなければならない。そうせぬと資材の配給は拒まれたり或いは縮小されたりするというようなことでありまするから、水産廳においては引揚者資材をやる場合、これが有効に使われるよう、漁穫の量が多くなるよう、何か盡力なさつたことがあるのですか、又はやりつ放しなのですか。そこらの点もお伺いしたい。この二つの点は資材割当する人達に、より多く渡すためにははつきりして置かなければならぬことだと思うのであります。お答を願います。
  21. 石川東吾

    説明員石川東吾君) お尋ねの点は先刻も漁業資材割当の機構を御説明しましたので、その割当の機構をお話しすれば大体お分りと思いますが、お尋ねの第一点は、漁業資材がもう殖やせるのか殖やせないのかという問題であります。これは確か一九四七年度、アメリカの会計年度でありますが、それから五ヶ年計画ですでに相当先まで各種資材についての枠が決まつているのであります。從つてそれはアメリカのいろいろガリオア・ファンドその他の関係があつてそう簡單には変更できないような性質のものがあつて、すでに枠が決まつているのであります。
  22. 細川嘉六

    ○細川嘉六君 横流しとか不正事件の有無の点について具体的にお示し願いたいというのが第一点。
  23. 石川東吾

    説明員石川東吾君) 資材の枠が殖やせない理由に今のような点が考えられたかどうかということだつたと思うのですが……
  24. 細川嘉六

    ○細川嘉六君 それも含んでおりますが、主要なものは、そういう不正なことがあつて資材の枠がだんだん小さくなるという心配がありますから、それでややこしいことをはつきりして具体的に御説明願いたい。
  25. 石川東吾

    説明員石川東吾君) そういうわけですでに五ヶ年計画で予め枠が決まつているわけであります。從つて余程特別の事情がない限り、アメリカの予算が削減されるというようなことがない限り、そう極端に減少されることは一應ない筈なんです。從つてお話のありましたような何か不正事件だとかその他の問題のために、特別に從來枠を減されたいという具体的の事例は今までのところはないわけであります。併し新聞紙上にいろいろ漁網横流し事件等が頻々と出ますが、ああいう新聞記事がいろいろ特別に枠を貰うとか、その他の折衝に非常な差支えが出ることは事実であります。ですから私共としてはああいうことがなくなるようにいろいろ努力してやつてるわけであります。
  26. 細川嘉六

    ○細川嘉六君 具体的に実際起つたことを、関係当局としては扱つておられるかどうかは御説明できませんか。
  27. 石川東吾

    説明員石川東吾君) 先刻岡元委員お話のありましたのは、或いは何か私が関係方面その他と折衝したときにそういうことも話題に上り、そういう点も触れてお話があつたと思うのですが、私自身としてはまだ具体的にそういう事例は伺つていません。それからもう一点……
  28. 細川嘉六

    ○細川嘉六君 資材を渡す際に渡し放しか、それが有効に即ち漁獲が沢山上るように何か研究しておられるのか。
  29. 石川東吾

    説明員石川東吾君) その点は水産廳としては、資材割当の事務は私の方でやつておりますが、その獲れました各水産物の統制関係は統制課でやつておりますから、統制課の方で関係府縣の甲級陸揚地とその他の陸揚地別にいろいろ漁獲の統計を取つております。そういう面からして資材の効率的な使用の面から抑えております。
  30. 細川嘉六

    ○細川嘉六君 あなたの関係ではないのですね。
  31. 石川東吾

    説明員石川東吾君) ええ。それから石油につきましては、各陸揚地別に漁獲高二千貫に対して一キロ出すとか或いは二千五百貫に一キロ出すとか、そういうようなことでリンクにやつておりますから、これは特に資材課としてその統計を取つております。
  32. 矢野酉雄

    説明員矢野酉雄君) これは私水産廳の役人じやありませんが、農林省、水産廳を中心として綿糸なら綿糸の資材委員会によつて決定したものは、各縣の農林省の資材調整事務所で所長を中心として委員会を結成して、そうしてその委員会には引揚者の代表も加えてその綿糸の割当の最後の決定をしますけれども、如何せん引揚者等委員のうち委員会出席する数が一人か二人というような程度でありますので、委員会における発言権が弱くて若しも特別の枠を引揚者のために設けない場合においては、平等の原則に副うような資材の配給を受けることができないので、実は水産委員会でも特別委員会でも要望し、私達厚生省引揚者をお世話している立場からも成るべく特別の枠を嚴然と決めて、最前淺岡委員の言われたように、平等の線に引上げて欲しいということを行政官廳としても水産廳方面に常に要望しておるような次第であります。    〔「議事進行」と呼ぶ者あり〕   —————————————
  33. 紅露みつ

    委員長紅露みつ君) それでは資材優先の問題はこの程度にいたしまして、二の定着援護補正予算に関する件、これに移りますが、その前に恩給局長の三橋さんがお見えになつておりますから、この間の委員会で大体御説明も伺つた審議願つたのでございますが、この際恩給局長にちよつと伺つて置きたいことは、今度いわゆる外地にありました恩給金庫の担保に入つてつた証書が再発行されることになつたそうでありますが、そうしますと、この委員会として非常に問題になつて参りますのは、外地におけるところの恩給担保の債務を日本においてどういう工合に処理されるかということが我我の最も関心を持つておるところなんです。これに対する見通し等がついておられましたならば知らして頂きたいと思うのです。
  34. 三橋則雄

    説明員(三橋則雄君) GHQからこちらの方に今の外地恩給金庫の担保に供せられております恩給の凍結解除につきまして示されました條件の中には、恩給金庫の持つておるところの債権即ち借入金につきましては、完全に支拂つてから後でないと恩給局においては恩給証書は出してはいけないというようなことが言われておるのであります。そこで恩給局といたしましては、このことは当然なことでありまするのでこの問題を取上げました。もう終戰直後から恩給金庫に対しましては、速かに恩給証書を恩給局から再発行した場合においては債権債務の処理を適当に取るようにして、そうして拂うべきものはどんどん拂うように準備を進めて貰いたいということを言つて來ておつたのであります。從つて恩給金庫におきましては、その準備をできるだけ進めて來ております。私はこの凍結解除が現実に許されまして、大藏省から凍結解除の告示が出るようになりますれば、一二ヶ月ぐらいでも恩給金庫の債権債務につきましては整理ができて、恩給局長からは恩給証書を本人に出す、恩給受給者に対して支拂いができる、こういう見通しをつけて來ておりました。ところでこの前の委員会におきましては、恩給金庫の事務を承継されておりますところ國民金融公庫の当局の話におきましては、相当期間整理のために要するというようなお話があつたように聞き入つたのでありますが、この点は私はまだ了解していないのであります。恩給金庫が國民金融公庫に引継がれます際におきましても、私は恩給金庫の当事者を呼びまして、いろいろ話をしまして、大体の事務をよく聞いておるのでありますが、それをどういうふうなことでこの間ここで御説明になりましたような事情が起つて來ておるのか、具体的に納得行くまで聞いておりませんので、これも私直接に話をいたしまして今年度一杯ぐらい……來年の三月を待つまでもなく一、二ヶ月の間に片付けて貰うように努力いたしたいと思つております。
  35. 岡元義人

    岡元義人君 恩給局長には非常に努力して頂いたことは我々は感謝しなければいけないのでありますが、実際に相当数の未整理があるのですね。これは勿論外務省等でも説明を聞きますと、外務省あたりがしつかりやつて貰わなければならんと言つておることは分つておるのですが、恩給局長からも鞭撻して頂きたいと思います。今私が申上げました問題は、六百二十万の引揚者が外地におけるところの債務というので一應全部今のところは棚上げされておる。ところが今度恩給証書が再発行されるその時に内地の恩給で今までの債務を決済した後で証書を発行するようにするのか、この点が伺いたい。これは大藏当局から見えておられる方で御回答ができる方があつた委員長一つはつきり聞いておいて頂きたいと思います。要するに從來外地におけるところの恩給担保は恩給証書を担保に入れておるわけですが、それを今度解除になりました曉には、一切それを帳消しにして再発行するつもりかどうか。それとも恩給支給を始めまして、債務を返済した後においてこれを交付するのか、その点を伺いたいのです。
  36. 三橋則雄

    説明員(三橋則雄君) これはGHQからの許可條件の中に、今申上げたように債務を返済した後でなければ恩給証書を再発行をしてはいけないということを言われておるのであります。これは私当然なことではないかと思つております。ところで恩給の金額につきましては、先般國会の方におきまして非常な御理解のある取計いによりまして、増額されておるのであります。終戰前に比較いたしまして、相当金額が増額されておりますから、私は終戰前の恩給金額を担保にして入れられたところの債務は、増額されました今日におきましては稀な例はあるかも知れませんが、全部これは債務は完済されてしまうものだ、こう思つております。從つて今度恩給証書を再発行しますれば、終戰の直後から直ぐに恩給の金額を拂えるかどうか、これは疑問だと思いますけれども、その後何年間分は場合によつては引かなければなりませんが、相当多額の金を樂に直ぐに返済できて、恩給証書の発行ができるものと私は考えております。ただその間の債権債務の整理に國民金融公庫の手筈がかかるということを言つておるのではないかと思います。そのために恩給証書を渡すことができないのではないかと思います。これは整理の方は場合によると後でよいと思います。例えば今月ならば今月恩給証書を再発行する場合に、十月ならば十月からの分は恩給を拂つてやるが、その前のものについては整理するというようなことは考えられる。これは十月からといたしましても恩給金額は殖えておりますし、大まかに言えば、本人の方が貰えるものがあるのではないかと私は思つております。そういうようなことができるのではないかと思いますから、今の債務の整理がついてからいたしましても、恩給証書は直ぐに本人の手に渡るように取計いができるのではないかと思います。
  37. 岡元義人

    岡元義人君 私はこれは局長と見解が違うのです。私はそういう工合になつても結構ですが、勿論整理はそういう工合にして借入れの時と同じような状態にあるものは同じように取扱つて頂きたいということになる。と申しますのは、外地のこうした負債は内地で拂わせるが、一般の在外資産がどのように処理されておるか。單に問題は引揚者の拂う借金は返さして、この担保だけは拂つて、あとは知らん顔を決め込むということであれば、これは困るのであつて、併しながら恩給証書がそのような処置をとられるということは関係方面におきましての見解が相当飛躍した。こういう工合に我々は解釈すべきであつて、恩給者としてはそれを機会にこれに関連したものを一斉に解決つけなければならん。こういう問題が引つかかつて來るのであります。そこで私はむしろ今までの観念から行凍結という言葉は使つていないけれども、凍結同様の状態に置かれたものであるから、この際一應外地のかようないわゆる債権債務というものをそこで抹殺して、そうしてここで改めて交付するというような行き方が考えられるのではなかろうか。こういうことを考えておつたのであります。若しそれが今度の恩給証書でそういう先例をつけられるというならば、大藏当局あたりはどのような解釈をされるか知りませんが、非常に関連した問題が沢山起きて來るだろうと思います。この点について伺つて見たかつたのですが、今の局長の御説明で行きますと、とにかくこの分に関する限りは、外地での借金を内地で差引く、内地で金を拂わせる、こういうことになる。そういうような処置をとられて、後でいろいろなことが生じないかということを一應考えておられるか。この点を伺いたい。
  38. 三橋則雄

    説明員(三橋則雄君) 今の債権の全般的なことにつきましては、大藏当局から又御説明、答弁があると思いますが、私はそれに関連します恩給問題につきまして、一應附加えて御説明申上げたいと思います。外地に置いて來ましたところの恩給証書は外にもあるのであります。或いは個人にあちらで預けて來たり、或いはあちらの官憲に押收されたというような恩給証書があるのであります。これにつきましては、私は恩給証書は日本の法律におきまして、担保に取り得るものは恩給金庫だけである。從つてその外の個人がこれを担保にとつたというような場合におきましては、これは無効でありますから、これは勿論そういうようなものは法律上の効力はない。又それから向うにどういう名目か知りませんが、預けて來た、或いは官憲にとられたというような場合におきましても、今の凍結されておつた、恩給金庫に担保になつてつたところの恩給証書と同じような取扱いをして貰つてもいいものじやないかと思つて、今まで大藏省にもいろいろ盡力を煩わして來たのでありますが、今回はそれから除かれているのです。引続いて大藏省の理財局の方におきましては、これの折衝を始めて、そして向うの方からとるとこう言つております。又そのように努力すると言つております。又これは速記に書いて貰つては困りますが……
  39. 紅露みつ

    委員長紅露みつ君) ちよつと速記を止めて。    〔速記中止
  40. 紅露みつ

    委員長紅露みつ君) 速記を始めて……
  41. 三橋則雄

    説明員(三橋則雄君) こういうふうに考えておりますから、御了承願いたいと思います。
  42. 岡元義人

    岡元義人君 じやその点は改めて機会を得て、一應局長に御質問申上げてみたいと思いますが、もう一つだけこの際聞いて置きたいことは、傷病恩給について増額、これは恩給局でいろいろ今まで考えておられますか、何かそういう手を打つておられますか、その点一つ知らせて頂きたい、特に臨時國会と関連して……
  43. 三橋則雄

    説明員(三橋則雄君) 傷病恩給につきましては、これは傷病軍人の恩給のことかと思いまするが……
  44. 岡元義人

    岡元義人君 ええ。
  45. 三橋則雄

    説明員(三橋則雄君) 傷病軍人の恩給の増額につきましては、私も何とかできるかと思つておりますが、現在のところにおきましては、今度の國会に増額をし得るような見込みは立てられておりません。と申しますのは、この元になつておりますところの金額が御承知通り厚生年金保險法と関連して來ておりますので、厚生年金保險法の金額が変つて來ない限りにおきましては、これも変えられない状態であります。厚生年金保險法に関連した根本的の考え方を変えて、別な考え方を以て傷病軍人恩給の増額のことを考え得るかということがあるのですが、これにつきましても從來からいろいろ檢討しておりまするけれども、今まだ私といたしましては、変るべき、関係当局の納得し得る案を持合せておりませんので、次の國会まではこのままにする外ないのじやないかと思つております。
  46. 淺岡信夫

    淺岡信夫君 局長にこれは御要請して置きたいと思うのですが、この前の委員会におきまして、とにかく恩給という問題に対して三万七千円今度処理されることになりましたことは、非常に喜ばしいことでありまするが、私共が各地に講演に行つたり、或いは座談会なんかもやり、殊に台湾或いは朝鮮地区から引揚げられるそうした未亡人、或いは遺兒を抱えた老人なんかの話を聞きますと、とにかくこの恩給の問題に関して言及されますと、非常に國家として、或いは政府として、もう我々は捨てられておるというようなことですね。例えば恩給の書類の交付という面につきまして、或いはこういうような金額を紙に変えるというような面につきまして、非常に憤懣の情を訴えられ、実際それはもう涙をふるつて実に我々聞いておつて堪えられなくなる。そういうような点につきまして、どうかいろいろその施策上やつておられるとは思いまするが、どうも私共はその点につきまして、今までの恩給局のなされ方というものはよく分りませんけれども、まあ遺憾な点があるのではないか、こういうふうに考えられるのです。この点は先程一二ヶ月の間にいろいろなことを処理されるというようなことを言われましたので、非常に明るく考えておりますが、私共この委員会でおつしやられましたことを強く要請して置くのです。それに対しまして、でき得ればこういうような決意を以てやるのだというようなことを御披瀝を頂ければ非常に幸せだと思います。
  47. 三橋則雄

    説明員(三橋則雄君) 只今恩給請求書類の取扱いにつきまして非常に遺憾な点があるという点につきましての御意見、又それに対する私の所信を將來どう考えておるかという御質問でございますが、これは誠に御尤もな御意見でございまして、私恩給局長になりましたときに、第一に考えましたことは、幾ら恩給局でじたばたいたしましても、この恩給の金を支拂うのは逓信省、郵便局であります。從つて逓信省とマッチして、郵便局の窓口も、恩給業務の者もぴつたりと恩給受給者と本当にタイアップするような態勢に持つて行かなければならない。これは恩給局長になつたときの第一の考え方であつたのであります。それで私は当時の逓信省……そのとき逓信省ではございませんでしたが、塩原総裁と小林次長として実は向うの方から私の方に会議を貰う。又向うの方との間に特別な連絡考えるということを講じて來たのでありますが、それと同時に又窓口の郵便局の窓口はいろいろな事務を持つておりますのと、長年の慣習を持つておりますので、いろいろと逓信省の骨折りもあり、又私もいろいろ骨折り、昨年、一昨年とは特別に大藏省から予算をとりまして、始めて恩給の受給権の調査という名目の下に、若干の地方の特定郵便局長の会合をやりまして、そうして恩給の事務につきまして、関心と事務の指導を促して來たのであります。そういうふうにやつて來たといたしましても、まだ十分に行きませんので、実は今のようなお小言を頂くのは、本当に申訳ないことと思います。今度は私何と申しましても、郵便局の窓口事務の刷新につきましては、第一に重点考えて行かなければならないと思つております。この点につきましては郵政当局とよく打合せいたしまして、御趣旨に副うようにいたしたいと思つております。又それと同時に各省の事務の件につきましても考えなければならん、又私共の事務のことも考えなければなりませんが、これは私達の方につきましては当然のことでありまして、今お話のあるまでもなく、私といたしましては尚注意をいたしまして御期待に副うようにいたしたいと思つております。尚各廳中におきまして、一番皆さんから鞭撻されており、又私共としましても注意しなければならないと思つておりますことは、外地から引揚げて來た人、又外地に居住して外地で以て恩給を貰つてつた人の恩給のその後の取扱いの事務をやつておりますところ中間的な機関と申しますか、外務省、それから朝浅、台湾、その他の残務整理事務所、こういうところで取扱つております恩給事務でございますが、これはどうも私申訳ないのでありますが、いろいろ努力しておりますが、なかなか思うように行かないのであります。これは一面引揚げに來た人達が引揚げられるときにおきまして、いろいろな書類を持つて來ればよかつたのですが、持つて來ない。履歴も分らないという人もありまするし、いろいろその人によつて事務当局が調べられてないような事実の点もあるのであります。そういう困つたような問題につきましては、下の方の事務局だけで判断してもなかなか差別ができない。從つてそういう場合には上の方に持つて來いと言つているのであります。上の方に持つて來るとどういうふうにするかというと、課長ができなければ局長に持つて來い。そういうふうな態度を以て進めておるのでありますが、なかなかそういうように行かないので、下の方はぴつたりとやるようになつておるので、自然皆さんの御期待に副うようなわけに行かないことがあるんじやないか。從つて、忠実でなくてはいかんのでありますけれども、許されるべき……ちよつと緩めてもいいような線がむずかしくて非常にまごつているところがあるのじやないかと思います。そういう点につきまして、尚私も注意いたしまして、どんどん捌いて行くようにいたしたいと思つております。
  48. 淺岡信夫

    淺岡信夫君 今の三橋局長のお話でよく分りましたが、この次の委員会一つこれはなかなか大きな問題ですから、厚生当局及び外務当局おのおのを呼んで頂きたいと思います。具体的な事実を挙げて一つ……
  49. 矢野酉雄

    説明員矢野酉雄君) 今の恩給局長の御説明の中に、引揚者がいろいろな書類を拔つて來ないから困るというような御意見がありましたけれども、持つて來らせられなかつた、一枚の書類も持つて來ることを許されなかつたのですから、この問題は今淺岡議員岡元議員からの御要請でありますが、先ず第一に本人がその外務省の関東州残務整理事務局、事務所、それから朝浅残務事務局、事務所それから台湾残務事務所がありますから、そこで先ず第一に書類の一切の整備のできる行政事務をやつて呉れます。その次は岡元議員が非常に詳しく調べておりますが、外務省の人事課で又第二次の実は行政整理をやらなければなりません。それが決済を経て恩給局に行くわけでございます。それから恩給局がいよいよ恩給証書をやつて、これを本人に回付して、その次に來るのが郵政局の窓口というふうに四段階になつております。故に政務次官としては先ず第一番の行政事務をやつておるところにはしばしば出掛けて実は懇請をしております。立法府としては岡元委員が人事課を督励して頂いておるようでありますが、総合的の事務管掌についての実は立法府の御忠言もまだなかつたし、厚生当局としても実は総合的の連絡をやつてなかつたのを率直にお詫び申上げます。故に厚生当局といたしましては、主として援護局の岡田指導課長並びに社会局の保護課長を督励いたしまして、しばしば第一の行政事務に携つておる者、第二次の人事局、課に、更に恩給局に対して行政的の折衝をいたしまして、一分間も早く扶助料証書並びに恩給証書が関係者に手交され、現金化されるように私自身大臣と協力いたしまして督励する覚悟を持つておりますので、御了承を願いたいと思います。    〔「了承」と呼ぶ者あり〕
  50. 岡元義人

    岡元義人君 恩給局長が帰られるようですが、ちよつとこれは聞いて置いて頂きたいのですが、岡林課長にお尋ね申上げたい。それは恩給の問題なんですが、又陳情團も参つておるのですけれども、実は昭和十二年蘆溝橋事変の、ちよつと速記を……
  51. 紅露みつ

    委員長紅露みつ君) 速記ちよつと止めて。    〔速記中止
  52. 紅露みつ

    委員長紅露みつ君) それでは速記を入れて頂きましよう。大藏省から先程も申上げたように大臣主計局長お差支がありまして、磯田主計官がお見えになつております。それから尚援護局からは田辺局長と、それから指道課長がお見えになつております。……只今磯田主計官がお見えになつていると申上げましたが、まだお見えにならないそうであります。そうしますと、大藏省関係は、飯田特殊金融課長だけがお見えになつておるわけでございます。  それでは第二は保留いたしまして、第三の問題、國民金融公庫に関する件ですね。只今御承知通り特殊金融課長がお見えになつておりますから、どうぞ。
  53. 岡元義人

    岡元義人君 飯田課長、この間大藏大臣と七月十六日の委員会に一緒に御出席になつたのですか、なりませんか。
  54. 飯田良一

    説明員(飯田良一君) おりませんでした。
  55. 岡元義人

    岡元義人君 当時委員会において大藏大臣が述べられましたところ國民金融公庫の財源補填につきましては、その後一体あれは空手形になりそうな氣がするのですが、この委員会で述べられましたこれだけの大臣の御回答をとつておりますが、これはまさか空手形じやないと思うのですが、その後どういうふうに発展しておりますか。実際ここに会議録にもあります通り大藏大臣はとにかく四億三千万円の國民金融公庫の償還財源は第二・四半期中に放出してしまえ、あとはとにかく臨時國会において法案の改正によつて一部融資の途を講ずるのと、一般会計からの流用を考えておると、こういう方針で進むということを言われたわけです。その後実際にそういうような方向で進んでおられるのか、金融課長から伺つて置きたいと思います。
  56. 飯田良一

    説明員(飯田良一君) 大藏大臣の言われた方向と申しますのは、つき詰めて言えば、國民金融公庫の資金量、これがとにかく絶対的に不足を告げておるので、これを増す方向へ行こうというお考えであると思うのでありまして、第一番目に、これは法律改正を要する問題でありますが、借入金をなし得る途を開こうということと、それから自己資金の増加のための増資の問題とであります。いずれも法律改正乃至予算の問題が伴うわけでございます。今の中にありました一般財源からの補填という意味がちよつと分りませんのですが……
  57. 岡元義人

    岡元義人君 一般会計からの流用ということを大藏大臣は言われたのですね。それでこの間この委員会で述べられた金額が、國民金融公庫から実際に現在の段階において放出されておらないと、その不足金額は一体どうされるつもりか。それと、臨時國会に対して法案の改正はすでに準備されておるのか、それとも二十億円を要求しておるのですが、二十億円の財源補填に対する見通しはついておるのか、そういうことを更にこの機会に大藏当局の見解を聞いておきたかつたのです。
  58. 飯田良一

    説明員(飯田良一君) 私共のつまり銀行局といたしましては、先回の國民金融審議会の熾烈な要望がありまして、決議を以て約二十億円の増資を望むという具体的な要望もありましたし、それから抽象的に、或いは具体的に、各方面からその御要望を聞いておるわけでありまして、第一点の借入金の途を開くという点は、御承知かと思いますが、現在の國民金融公庫法ができます当時非常に難関に逢着いたしまして、現在削除の形になつておると思うのであります。これの復活は極めて困難があると予想せられるので、私共といたしましては、増資ということによつて取敢ず資金の増加を図つて行くという行き方をとるのが近道ではないかと考えております。それで目下のところ至急予算的措置をとる必要がありますので、大藏省の主計局の方と目下折衝の段階にありまして、努力中であります。私課長としてはそれ以上はちよつと申上げかねます。
  59. 岡元義人

    岡元義人君 ちよつと速記を止めて下さい。
  60. 紅露みつ

    委員長紅露みつ君) 速記を止めて。    〔速記中止
  61. 紅露みつ

    委員長紅露みつ君) それでは速記を始めて下さい。
  62. 飯田良一

    説明員(飯田良一君) 公庫の一般生業資金の問題でございますけれども、これは御承知通りその年度の回收金でございますね、それが入つて來るものを出して賄つて行くわけで、増資その他による以外には、現在のところそれが間に合うまでは回收金によつてそれを財源として出して行くわけであります。その意味で各期に回收されて行くものはどんどん出しているわけであります。今後と雖もそれは続けるわけであります。
  63. 岡元義人

    岡元義人君 そうしますと、結局今課長が答弁なすつたところの、三・四半期にそれを出すというのじやなくて、還つて來れば今でも出す、大藏大臣は七億円二・四半期中にまだあるのだということを明言しておつたのですから、その後は三・四半期以後の分については臨時國会等において法案の改正その他一般会計の流用によつて補填するということを言つているのです。その七億円がまだ出切つておらんから足らん分はどうするのかということを聞きましたところが、課長は三・四半期に廻すのだと回答されましたから、それじや大臣の話と違うじやないか、回收して來る金は二・四半期中でも後追い掛けて放出するのだと解釈してよろしいかと聞いておるのです。
  64. 飯田良一

    説明員(飯田良一君) そういう意味でですと、回收が良好であれば実際は繰上げて使えるわけであります。尚手続の問題等もございますけれども、これは別にして、公庫としてはそれは当然財源になつて來るわけであります。
  65. 岡元義人

    岡元義人君 それでは課長にお願いして置きますが、とにかく二・四半期について折角大藏大臣委員会にこれだけの明言を與えておるのですから、そういう回收したものは二・四半期に一次、二次という名前でも結構ですから、とにかく出して頂くように課長からうんと力を入れて頂くようにお願いして置きます。
  66. 紅露みつ

    委員長紅露みつ君) それじや第三の問題この程度にいたして置きます。それじや時間も大分過ぎておりますから休憩いたします。    午後零時二十七分休憩    —————・—————    午後三時八分開会
  67. 紅露みつ

    委員長紅露みつ君) 委員会を再開いたします。融資関係についてそれじやどうぞ続けて下さい。
  68. 岡元義人

    岡元義人君 岡田課長厚生省としての厚生資金と、それから災害関係と住宅補修関係について、厚生省が今までどの程度まで臨時國会を前にして具体的に進んでおるか御説明願いたい。
  69. 岡田好治

    説明員(岡田好治君) 第一点の生業資金の問題でありますが、生業資金は今年度は財政支出三億と既往の貸付金の償還金二億を充てまして、全体といたしまして五億の事業計画を立てて年度当初進んで参つたのであります。ところが財政支出の三億につきましては第一・四半期に一億円を放出いたしました。第二・四半期で五千万円を放出いたしました。第三・四半期は今回のこの引揚の状況等を勘案いたしましたことと、もう一つは各地方における風水害等を考慮いたしまして、一應財政支出の三億は第三・四半期を以て全部これを放出する方針を立てまして、第三・四半期で残つた一億五千万円はすでに放出を決定いたしまして、それぞれ各府縣通牒を過日出したようなわけでございます。從いまして第四・四半期は財政支出の以外の償還額でありますところの二億というものを当て込んでの事業計画になるわけでありますが、この二の償還状況を一應四、五、六の実績から考えて見ますと、果してこの二億の償還を確保することができるかどうかという点について、事務的に私は非常に危惧を感じておるような次第であります。四、五、六の実績を申上げますと、この三ケ月間で三千三百万円の償還に相成つております。その率は六月末現在の状態におきまして、四六%程度の率になつておるようであります。從いまして私共の二億ということを見ましたのは、六五%程度の償還を予定いたしまして二億と見たわけでございますが、そこに現実の開きがそれだけありますことは、財政支出を全部放出した後の事業計画の面に非常に狂いが出るのではないかということを一應心配いたしたのであります。特に第四・四半期におきまして事業計画に齟齬を來さないように私の方から償還の督励には努めておりますけれども、この二億までに持つて参りますことは、相当困難性が伴うということは一應危惧いたしておるようなわけであります。そういうふうな償還が多少予定よりも成績が悪い上に、更に今度の引揚の状況を見ますと、第一船、第二船の引揚者の方々が引揚援護廳に強行な申入のありました際にも、生業資金の全面的な貸付についても強い御要求があつたのでございます。更に又就職問題等について労働省といろいろ研究はいたしておりまするが、労働省方面におきましても、失業救済の大きな事業を実施いたしますためには、相当やはり國会の承認を得て予算を執行しなければならんという関係から、時期的に相当のずれを生じて参るわけであります。從いましてその間、今度帰りました引揚者等も無就職のままで放任して置くわけにも行きませんので、この面への資金の融資によつて、でき得れば失業救済の大きな線に吸收される以前において資金融資等によつて生活の安定を図らせることもこれも一つ定着援護方法であると考えまして、その方面の資金融資もいろいろ考えて参りますと、この現在の五億ではどうしても事業の実施が思うように参りかねるという一應事務的な結論に到達したようなわけであります。尚又失業救済に相当吸收されました後におきましても、労働省等の御意見を聞きますと、やはり何といたしましても、自営業という面についても或る程度引揚者の方方の指導をして頂かないと、皆々が失業救済の事業に吸收ができ得ないという見透しもあるようであります。そういつたことをかたがた考え併せますと、本年三月までの更生資金の事業計画としては現状の五億では非常に事務的に支障がある。一面又その二億も予算だけの收入がないというようなことになりまして、ここに多少のそういつた償還の成績の悪い手の補填と、一面又需要の増しました面への供給ということを考えまして、一應事務的には今の岡元議員からお話のような二億円程度のものを予算を殖やして頂くといつたような措置をしなければ、事務的には円滑に参りかねるという計画を以ちまして、一應の研究を遂げました結果、その計数を出しまして、財務当局の事務当局と私の方の事務的な折衝を今続けて参つておるようなわけであります。勿論財政当局におかれましても、我々のこういつた事業計画の遂行が相当困難であるということは十分お認めのようでございますけれども、何せ財政の面におきまして相当苦しいような実情にもありますし、從いまして或いは仮にこれを財務当局の方でお認めを願うにいたしましても、財源は如何ような面でこれを求めるべきかという点において、相当財務当局にも頭を悩まされる点があるだろうと思つております。從いまして、一應私の方といたしましては、財源の如何に拘わらずかような結果になつておりますということ、御協力をお願いしたいという申入れだけは即刻事務当局と御連絡申上げておるような実情であります。從いましてこれは補正予算によつて何いたしますか、或いは又引揚援護廳全体の今年度予算の余剩額を以てこれを賄いますか、こういつたことは結論においては全体の財政の見比べから出る結論でありまして、只今のところその結論には到達いたしておりません。が財務当局では相当誠意を以て私共のこの事業の非常な困難性は一應お認めを願つておるようなわけであります。尚速記を止めて頂きたいのですけれども……
  70. 紅露みつ

    委員長紅露みつ君) 速記を止めて……    〔速記中止
  71. 紅露みつ

    委員長紅露みつ君) 速記を始めて……
  72. 岡田好治

    説明員(岡田好治君) そういうわけでございまして、結局これは私共の熱心さと財務当局の御理解と両方によつてこの問題は解決したいと折角努力いたしておるようなわけであります。それから住宅の問題でございますが、住宅の問題は本年度四億五千七百万円の公共事業費を以ちまして、当初は樺太無縁故者だけを対象としてこの予算を立てたのでありますが、御承知のように樺太から帰りました者は只今のところ一船、二船、三船で僅かに四千数百名であります。そのうち指定縁故者と申しますのは、約三千五百名程度しかないのであります。從いまして四万八千人以下を対象としたこの四億五千七百万円の予算に対して実際に帰つて参りましたのは四千なんぼ、その中この予算の対象として家を建ててそれへ收容する対象者は僅かに三千五百名程度しかないというわけであります。そこで將來帰ります者を予定いたしましても、大体私共の方で計算をいたしますと、六千四、五百名程度は一應來年の準備にも備えて置く必要がありますので、六千五百名程度の者は一應樺太用としてこれを当てなければならん。そういたしますと、後の四万八千人から六千五百人を引きました残りは一應予算としては対象外のことになるのであります。そこで私共としては安本と折衝申上げて折角立てた予算でありまして、樺太方面の無緑故者がたまたま少なかつたわけでございまするが、一面各都道府縣におきまする引揚者の方々の中には、実際に無緑故の状態でありながら当時予算的な措置がなかつたためにそのまま放置されている状態の方が府縣の調査によりますと、間借りしただけのもので実際に住宅に困つているのが六十一万程度現実におられるわけであります。その中で私共といたしましては、間借しているような方はとにかくそのままで何しておいて頂きたい。とにかく住宅以外の建物で、実際に雨露を凌ぐ場所もないというような窮迫した方だけを一應府縣の調査資料に甚いて査定いたしましたところが、六十一万人の中で、取敢ず府縣が本年何とかしなければならんというのが約二十四万人も出ているわけであります。そこでその二十四万人の方々は、これは全く住宅以外の施設に現在雨露を凌ぐと言いますか、止むを得ずそういつた施設に壕生活或いは又お寺、そういつたところに非常に窮屈な思いをしておられる、そのことが生活再建上非常に障害になつているということを私共十分承知いたしておりますので、とにかく二十四万人を対象として何とかしようと思いましたけれども、態底二十四万人をまるまるこれを対象として予算的な措置ということはどうしてもできませんので、結局前段申上げましたような本年度の四万八千円の公共事業費の中で六千五百人程度を差引いた残りを、今申上げた各都道府縣の実際の住宅無緑故者に当てて貰いたいということで、この四億五千七百万円は多少当初の予算編成の際の基礎数字とは違いますけれども、目的をむしろ逆に執行するようなふうに今計画変えを安本と交渉しているわけであります。これは大体において内意を得まして、各都道府縣にそれぞれ割当戸数並びにそれに伴なう國庫補助の予算というものを一内應示しているわけであります。が併しその際に今のその四億千五七百万円で無緑故者の六千五百人を入れて一体どのくらいの措置ができたかと申しますと、四万六千人くらいな措置しかできない。四万八千も何か單價の値上等がありまして、全体といたしまして本年度の四億五千七百万円では四万六千人程度の措置しかできない。そういたしますと、二十四万が四万六千ございますから、大体五分の一程度しかできない、非常に窮屈な住宅の措置しかできない。そこで各府縣ではどうしても本年中にやりたいというのが二十四万なんでありまするけれども、余りにそこに差額がありますので、殆んど知事、副知事或いは民生部長から現在決りました建設戸数の設置増加の要求が非常に熾烈に私共の方へ参つております。殆んど毎日民生部長、副知事あたりとの折衝に日を送つているような現状であります。そういうような現状でありましたので、何といたしましても四億五千七百万円ではどうにも私の方としてもこの上陳情を入れるということは、絶対に予算的に枠のないことでありますのでできませんし、さりとて現実に知事なりが行政上引揚者援護上どうしても困るというものをそのまへ放任して置くということもできませんし、定着援護というものは資金と住宅というものがその基底を成しております以上は、特にこの定着援護の重責を持つております私共といたしましては、どうしてもその間の知事の苦衷も解決して差上げなければならぬというようなことから、実は公共事業費を今更枠を殖やしてこの方で出して頂くということは、関係方面との関係もありますし、その他いろいろな関係を考慮いたしまして、どうしても困難だ。從つてこれは数字は違いますけれども、一般の公共事業費以外の予算でこれを一つ見て貰うようなふうに考を持つて頂いたらどうだろうかというようなことで、一應都道府縣のぎりぎりの御希望の線を取纏めたものが、今朝程來局長がお話申上げたように大体三億六千万円、新築と改築を併せまして、新築が大体一億六千万円、それから改造の方が二億円であります。この改造の方は今年の四億五千七百万円、公共事業費はこれは新築だけであります。從つて從來あるものの雨漏りを直すとか或いは関係方面からやかましく言つておられます。衞生上の設備の改善をするといつたようなことはあります。併しこれは四億五千七百万円の公共事業費ではできませんので、別にこれの補修費として一般予算を取つて頂かなければならぬ。今年はそういう予算も今のところなかつたので、そこで今申上げたような補修と新築を併せまして、三億六千万円を別途の方法で何らか財務当局の御考慮を一つ願いたいということで、これも亦一應の計画を事務的に立てまして、財務当局へも事務的に御説明を申上げて置きたいと思つて、よくお願いを申上げておるようなわけであります。この点につきましても亦財務当局の方面におかれましても、引揚者の現状を十分お認め願いまして、非常に私共が困つておる点はよくお認めのようでございますけれども、仮にこれを取上げるといたしますと、即財源的にどうするかというような問題にお悩みのように私共見受けておるわけであります。とにかく今申上げましたように、生業資金にしろ住宅の問題にいたしましても、先程岡元委員からきつく定着援護に対する低調さを御質問を頂いたわけでありますが、事務的には考えられる範囲におきましては、又手を打たなければなりません範囲内におきましては、一應私共といたしましては考量をいたしまして、手を打つておると思つておりますが、何せ年度の中途でもございますし、そういうことに相当困難性もあるというようなことで共に財務当局にも一緒に御苦労を願つているような現状であります。  それから災害の点でありますが、災害に関しましては、私共も特に引揚者の方々が血縁のないところで、漸く立ち直られた矢先に、災害という大きな天災によりまして、根柢から又元の木阿弥に立ち帰つてやらなければならんというような、非常にお氣の毒な状態にあることを私共もいつも災害の起きます度に引揚者の方々のそういつた点について、私共心配いたしておるわけであります。今度の九州地方の災害におきましても、丁度私共当時更生資金の新らしい要綱の打合せで、ブロック会議で九州に参つておりましたときに、あの旅行中大雨に降られて相当鉄道等の故障も新聞等で見ましたので、即刻縣の係官には、今度の災害によつて引揚住宅等が非常な破損をいたしました場合には、即刻私の方へ計画を樹てて、災害の状況を詳細に報告して貰いたいというふうに、現地で指示して参つたのであります。とにかく災害がありますれば、私の方といたしましては、直ぐそれに対する一應の対策は私共といたしましては樹てておるつもりであります。今朝程も申上げましたようにデラ台風並びに続きました三次、三次のあの台風に対しましては、一應の各府縣の要求を取り纏めまして、一千九百九十万円、約二千万円を目下安本の方へ要求をいたしておるのであります。尚又更生資金につきましては、これはデラ台風の第一回の際には、この台風によりまして引揚者が相当な損傷を受け、そのために即往の借受者は折角の償還の種意がありましても、復旧その他に資金を要するために償還が不可能になつておる、又遅延をして來るというような、災害による償還の遅延ということも考え合せて、又災害によつて資金の需要が更に殖えるというような両々の面から考えまして、ここに資金も多少の枠を殖やさなければならんというようなことも考えまして、デラのときはこれは私局長にも御相談をしないで独断であの当時決めたのでありますが、鹿兒島、宮崎、大分の特に災害のひどい縣に対しましては、幾分の枠の増額を御約束したような次第であります。又その後のフェイ台風その他につきましては相当の被害も大きいわけでありまして、この台風による被害のためにデラと同樣な実情にあることが考えられますので、そのためにも多少の九州地区へは資金の増額をいたさなければならんということも考えておるようなわけであります。又先般襲いました関東地区のあの風水害に対しましても、同様の手をやはり差延べなければならんというようなことで多少の留置きをいろいろと操作いたしまして、今私共の方で留置きをいろいろ操作いたしておるようなわけで、從つて府縣の方と折衝いたしまして、府縣の御希望の有無を調べまして、尚詳細に折衝した結果、この漸く準備いたしました留置きの範囲内で賄い得る程度において取敢ず資金の増額も考えたい、かように考えておるわけであります。  御質問になりました厚生資金の関係、住宅の関係、災害対策の関係について以上申上げました。
  73. 岡元義人

    岡元義人君 今厚生省かに大体の説明を承つたのですが、これは我々としても一應納得の行くのですが、併し出されておる数字が結局今年の定着援護に何ら目新しい何をば我々に反映しておるとはまだ思えないのです。併し今課長説明されました程度のものはこれは一番最低額で、それで実際やれるのかやれないのか、厚生省はどういう工合に考えておられるか知れませんが、併しこれに対して大藏当局はどの程度これに理解を持つておられるか、一つ岩動政府委員から御説明を願いたいと思います。今質問いたしました箇條につきまして……
  74. 岩動道行

    説明員(岩動道行君) 只今岡田課長から詳しくいろいろなお話があつたわけでありますが、その内容等につきましては私共を詳細に説明を承つて、その事の緊急性、重要性について十分に了解をいたしておるわけであります。ただ何分にもこの金額を直ちに予算に計上するということは、すでに十分に御承知のように、日本の全体の予算の枠というものが非常に押えられておる状態でありますので、なかなかこれを計上するということは困難を伴つた問題だと考えておるわけであります。  それでは現在組まれてある予算の中から何か不用なものを見附けて、それでそれを流用するというような考え方も成立つわけでありますが、これも只今厚生省の方からお話がありましたような金額になりますると、なかなか、元々窮屈にできておる予算の中でありますので、そう簡單に出て來るわけにも参らないのであります。それで第一に考えられまするのは、只今の引揚関係予算は相当多額に計上してありまするが、これが引揚の人数が減少いたしますれば、それだけ予算が不用になる計算でありまするが、ただこの引揚の人員をどのように取扱つて行くかということは極めて愼重な問題でありまして、簡單に九万五千人ということで事を処理するわけにはなかなか行きかねるような事情が関係方面にあるわけであります。それで余裕財源が相当ありそうで而もこれは一面においてはないというようなことも考えなければいけないような状態でありまするので、財源的に非常に困難な事態である。かように私共は考えておるわけであります。  併し、先程も申上げましたように、事柄が極めて重大なことでありますので、折角何とかいたしたいと考えまして、只人主計局長等ともいろいろ研究をいたしておるわけであります。
  75. 岡元義人

    岡元義人君 まあ今の岩動政府委員お話を聞いておれば、何とか考慮されておることは我々としても非常に有難く感ずるのですが、併し金額の点において成程財源的には、一面においてはないと言えばない、一面においてはあると言えばあるんだ……。昨年丁度岩動政府委員を知つておられるかどうか知りませんが、前年度もやはり引揚に対する余剰財源は一應いろいろな方面でこれをば補正して頂いたわけなんです。前例もあることですから、どの淑でいわゆる線を引けるかという点は非常にデリケートな点だと思いますけれども、併しできる限り今の厚生省が出しております案で、我々は満足できないのですが、併しもう部内においてそういう何があるとすれば、これは最低限度のものである。我々委員会としてはとても承服できるような金額でないのですが、併しまあ全力を一つつて貰いたいと思うのです。どうぞ一つ……。まあ本年度のああいう工合に定着援護改善された、強化されたなんと言つておりますけれども、実質的には何も改善されていない、却つて悪くなつておる。先程午前中に援護局長、厚生政務次官も述べておりましたのですが、時間がなくて我々としては余り言いませんでしたけれども、何ら改善されていない、むしろ後退である。これもこれからお聽きしようと思つてつたのでありますけれども、当然改善されなければらならんものが引揚の……本年度帰還者等に対しては放置されている分が沢山あるのです。これも当然人から御意見を承りたいと思うのですが、一例をとつて申します。未復員者給與法におきましても今年度に入つてある法案の改正が通りました後においていわゆる留守家族渡しの政府職員は六百、六百、四百となつております。この線までは引上げてよろしいということも関係方面とも私が折衝に当つて十分了解を得ております。これも当然改善してやらなければならん。それからもう一つ我々が了解に苦しむのは先程來局長も何も話ありませんでしたが、汽車賃の値上げです。汽車賃の値上げと遺骨引取り旅費、それから帰郷旅費はこれは改善さるべきであります。片一方において汽車賃は上つて帰つて來る帰還者にはそのままの給與を與えている、こういうようなことは当然誰が考えて見たつて改善じやない一歩後退です。だから今度の補正においては当然これは改善されるべきであるということを主張したいのでありますが、その点等につきましても、大藏省では十分考慮に入れて貰いたい。でなければ定置援護を強化したなんということは言えないと思うのです。むしろ本当に後退です。遺骨の引取り旅費につきましても汽車賃と宿泊費なんですが、そういうものをば一つデーターとしてこういう予算が法案の中にも盛られておるわけですから、当然改善されたならば改善されなければならん。その外まだいろいろ未復員者給與法の問題についてもこの法律が改正されてから後におけるところの價格調整によつて相当な変化を來したおるということをば知つて頂きたいと思います。この点一つ大藏省如何ですか。それは補正等において考慮される余地があるかないかお考えになつておりますか。
  76. 岩動道行

    説明員(岩動道行君) 只今お話になりましたいろいろな点につきましては、特に大きな問題としては留守宅渡しの六百円、四百円、四百円というのを六百円、六百円、四百円にするという問題が金額監にも大きいと思うのでありますが、この点につきましては今岡元委員からお話もありましたように、私共といたしましても、近い機会に法律改正をいたしたいと思つてその準備を今進めております。但しこれも予算額に相当食い込んで参りますので、若し補正をしないでも予算の実行上においてできればそれを実行する、このように考えております。その他汽車賃の値上り等につきましては、これも金額を計算して見なければ分らんのでありますが、予算を補正しないでも実行上可能ならば或いは補正する段階まで行くのか、そういう点は今後研究して行きたいと思います。
  77. 岡元義人

    岡元義人君 よく分つて頂いて有難いのですが、遺骨引取り旅費といたしましても、現在千五百円で実際の汽車賃はあれから六割増しになつておりまして、二千五百円という計算が出て來る。それから先程も帰郷手当もそう大した金額としては殖えないのですが、実際一億円ぐらいの予算になるのではないか。而もこれは仕方がないといたしましても、この外にもう一つあるのです。それは是非念頭において頂きたいのですが、この委員会で立法いたしました特別未帰還者給與法の地域拡大の件、これは実は関係方面からOKを頂いてこの前第五國会の末期にかけないでそのまま置いてある法案があるのであります。これに要しますところの概算が、その後いろいろ中共地区が通信できるようになりましたしそういう関係上相当地区を拡大しなければならんというような意見の下に一應お預けの形になつております。あのままでかけるといたしましても、一億五千から約二億円程度の金額が必要なのです。それを一應まだ改正をもう少し幅を拡げなければならんというので持越しておるわけですから、これなんかも当然臨時國会等においては頭を持ち上げて來るのですが、こういう点等も一應併せて岩動さん念頭に置いて頂きたいと思います。  もう一つ大藏省に聽いて置きたいのですが、更生資金の財源は生活保護の関係のある費用から出すのですか。
  78. 岩動道行

    説明員(岩動道行君) その点はどれだけ出すか、まだ全然見当がつかないような状態になつております。殊に出すか出さないかという点についても、先程主計局長からお話がありましたような点で御了解頂きたいと思います。
  79. 岡田好治

    説明員(岡田好治君) 更生資金予算は現在生活保護法の中に組んであります。そういう関係で……
  80. 岡元義人

    岡元義人君 公共事業関係では、私は今度の災害等に相当臨時國会政府がしばしば言明しておるように厖大なあの繰上げをやると言いますけれども、他の方面においていろいろな便法が講ぜられておるわけであります。例えば預金部の金までもああいうふうな方法を以て処置されて相当に何か考慮されておるのですが、そういうところからの実際のウェイトをもつて行くとするならば、私は何年間という間家がなくて橋の下に寢ておる、寺に寢ておるが、今家があつて潰れた者には、とにかくそういう應急災害によつてこれが救済される。今まで何年間も救済されずに、そうして橋の下に生活しておるというものには、こういう工合にやかましい順序を経てやつて行かなければならん。これはどう考えて見ても合点が行かないのです。これはどういう工合にお考えになりますか。主計局では……
  81. 岩動道行

    説明員(岩動道行君) なかなかむずかしい問題で……
  82. 岡元義人

    岡元義人君 むずかしくないですよ。実際相当量橋の下に行つて御覧なさい。引揚者が今日においても穴の中で生活をしておる。ところが家が潰れた。そうすると預金部の金まで繰上げて何とか出される。私も災害で走り廻つた口ですが……。引揚者の家のない者は四年間とにかく自分達はいつ家に入れるだろうかと言つて、寺の中に入つておる、或いは学校の中におる、橋の下におる。そういうものがここに先程岡田課長から挙げられた数字ですが、こういう者に対しては何とかかんとか実にむずかしい問題が起る。これは誰が考えても合点がいかない。主計局あたりの観念がそこに持つて貰えば、私はそうむずかしい予算的に、財源的に困難だとは言えないのではないかと思いますが、どうでしようか。
  83. 岩動道行

    説明員(岩動道行君) やはり國としてはいろいろな政策、行政の対象というものが多いわけでありますから、どうも。勿論引揚者の方はお氣の毒でもありますし、優先的に考えたいということは、これは世間の常識でもありますし、私共もそのように考えておるわけでありますが、併し一面において突発的な事故によつて急に家を奪われてしまつたというような面においても、これはやはり國として緊急に何か手を打つてやるというようなことも亦必要なのであります。これは一つものの兼ね合いでありまして、どれもこれも一緒に全部が満足に行くというようなふうになかなか金が出ないのじやないだろうかというふうに考えておるわけであります。
  84. 岡元義人

    岡元義人君 どうも苦しい御答弁のようですが、これは勿論我々そのためにやかましくも言つて來たわけですが、まあ岩動さんは今日は非常に分つて頂いた氣がいたしますので、これ以上私は追究いたしませんが、併しそういう矛盾を……ウェイトを置くというならば、そういうことも一つ例を挙げて主計局の立場で局長なら局長に、大臣なら大臣までぶつかつて頂くようにして頂いて、この予算の財源だけは一つの我々の最低要求であるというような観念から一つ確保して頂くように、結論はお願いしたいわけなんです。どうぞ一つ我々もこうして心配し、休会中も委員会を開いておるわけですから、それがなければ私達は地方にまだ仕事が沢山あるので、皆地方に帰りたいのですが、併し臨時國会を前にして非常に心配だから、こうして委員会を開いているのだから、その点一つ悪しからず御了承を頂きたいと思います。それからもう一つ附加えますれば、今度のボ政令を出して、そうして帰還者を押えなければならなかつたということを、この際大藏省も胸に叩き込んで頂きたいと思うのです。本当にこれは何を物語つておるかということを、一つ眞劍に取組んで頂きたい。御無理な御相談ですが、一つ取組んで頂くようにお願いしたいと思います。
  85. 紅露みつ

    委員長紅露みつ君) 主計局長の方を一つ動かして頂きます。
  86. 岩動道行

    説明員(岩動道行君) 十分に傳えて置きます。
  87. 紅露みつ

    委員長紅露みつ君) あなたならおできになると思いますから、是非動かして頂きます。これは本当に捨てておけないですからね。
  88. 岡元義人

    岡元義人君 委員長もう一つ……、高橋課長見えておりますので一言お尋ねいたしたいと思いますが、一應今大藏当局に申上げましたように、時期的にいわゆる價格の調整によるところの調整ということは、一應復員局におかれましても、政府部内におけるところの横の連絡をばこの機会に十分連絡をとつて頂きまして、そうして臨時國会に対処する態勢だけは整えて置くということを切にお願いして置きます。
  89. 紅露みつ

    委員長紅露みつ君) それで、一應御質問はございませんか、よろしうございますか。それではこれで委員会を散会いたします。御苦労さまでございました。    午後三時五十三分散会  出席者は左の通り。    委員長     紅露 みつ君    理事            草葉 隆圓君            岡元 義人君    委員            淺岡 信夫君           池田宇右衞門君            水久保甚作君            伊東 隆治君            木内キヤウ君            穗積眞六郎君            矢野 酉雄君            細川 嘉六君   説明員    総理府事務官    (恩給課長)  三橋 則雄君    大藏事務官    (主計官)   岩動 道行君    大藏事務官    (銀行局特殊金    融課長)    飯田 良一君    厚生政務次官  矢野 酉雄君    厚生事務官    (引揚援護廳援    護局長)    田邊 繁雄君    厚生事務官    (引揚援護廳援   護局指導課長)  岡田 好治君    農林事務官    (水産廳生産部    資材課長)   石川 東吾君