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1949-10-11 第5回国会 参議院 厚生委員会社会事業団体及び施設の振興に関する小委員会 閉会後第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十月十一日(火曜日)    午前十時二十二分開会   —————————————   本日の会議に付した事件社会事業團体及び施設の整備に関す  る調査の件   —————————————
  2. 山下義信

    委員長山下義信君) これより開会いたします。前回に引続きまして、社会事業團体資金造成に関する事件調査を引続き行います。本日は参考人として田邊武雄君に重ねて出席をお願いしておりますので、田邊君から関係事項につきまして聽取することにいたします。  委員長から田邊さんに伺いますが、田邊さんは社会事業との御関係はこの問題の以前に何かございましたでしようか。
  3. 田邊武雄

    説明員田邊武雄君) 私は父の代から法華宗に属しておりました。本門佛立講の一員でございまして、終戰後本門佛立講法華宗から離脱いたしますにつきまして田中日晨佐藤雪得という人と私と三人で対法華宗分離委員会委員になりました。そのときに文部省を通じましてGHQ民間情報部宗教課の御厄介になりました。その折に長年法華宗の下で全然機構なりやり方が違う佛立講佛立宗として発足することを許されました。そのときに宗團社会事業をしなければ宗團としての意義がないということを申されました。尤もだと思いまして尚佛立講というものが非常に堅法華でございまして、教義の宣布とか、儀式の執行とかいうものにつきましては、非常に排他的のように思われておりますし、同時に又戰爭中に飛行機なども献納いたしましたりなどして、非常に何と申しますか右翼化的の考えを持つておるものがあるのであります。そこで田中日晨師相談いたしまして、檀家であるところの檢事長をしておられました森山武市郎氏と相談いたしまして、森山武市郎田中日晨、私の三人で社会事業を本門佛立宗の名において起すことを企画いたしました。それが私の社会事業に関して干與いたしました最初でございます。
  4. 山下義信

    委員長山下義信君) 別に他の社会事業團体の役員などにおなりになつたり、又施設等に直接御関係なつたことはないのですね。
  5. 田邊武雄

    田邊説明員 以前はございません。
  6. 山下義信

    委員長山下義信君) 佛立宗と関係只今なり、前回にも伺つてのでございますが、あなたは佛立宗の何と申しますか、いわゆる信徒代表のような立場おいでになるのでございますか。
  7. 田邊武雄

    田邊説明員 私はこの八月までは本門佛立宗宗会議長をいたしておりました。
  8. 山下義信

    委員長山下義信君) 有力な方ですね。キリスト教連歴主事ですか、そういう肩書をお持ちのようでございますが、キリスト教と御関係がおありでしようか。それはどういうものでしようか。
  9. 田邊武雄

    田邊説明員 これは本門佛立宗社会事業をいたしますために、森山武市郎氏が司法保護関係で、行刑局長をしておられました関係上、司法保護の面につきましてはいろいろなお師匠さんがあるのでございますけれども、一般的の社会事業及び厚生的な社会事業に関しましてはお師匠さんがございません。それでその面の社会事業のお師匠さんをキリスト教の方に求めました。これは只今申上げましたような佛立講が非常に排他的に考えられる面を佛拂拭いたしますために、敢て社会事業の面は、誰にでも手を繋ぐのだという面を強調したい面もございました。尚御質問キリスト教社会事業連盟分室主事としい名前は、この拂下げのために便宜上私がキリスト教社会事業連盟から許された名前でございます。
  10. 山下義信

    委員長山下義信君) 拂下げ関係の便宜のためにお使いになりましたお名前だけでなくして、只今お述べになりましたように、キリスト教との間には社会事業というものを通じて御関係があつたわけですね。
  11. 田邊武雄

    田邊説明員 はあございますけれども最初はお師匠さん式に民生委員連盟の会長なり、社会事業協会理事長がいろいろ先覚者を求めて歩きましたわけでございますが、これはなくなつた森山武市郎紹介によるところでございます。併しキリスト教とは生江先生は別といたしまして、他の方々はむしろその最初の意図が失われまして、この拂下げに関してのみ私を求め、私もこれに沒入いたしました関係上、むしろ社会事業との面は連盟発会式のときにおいていろいろなことを教わつた以外には目下ございません。
  12. 山下義信

    委員長山下義信君) 分室主事というのは、單なる形式の名義だけで、別に分室費用とか、いわゆる事務費とか、あなたの俸給とか、そういうことには御関係は全然ないのですね。
  13. 田邊武雄

    田邊説明員 ございません。
  14. 山下義信

    委員長山下義信君) それから拂下げにあなたが着目されましたのはどういうところからこの閉鎖機関に、こういう品物があつて、こういうふうな方面には拂下げができるのだ、又そういうことに御着目になりましたような最初のきつかけといいますか、動機というものを伺いたいと思います。
  15. 田邊武雄

    田邊説明員 昭和二十一年の九月か、或いは十月かと思うのでありますが、ある人の紹介で私のところに、松平頼壽さんの妹さんかお姉さんか知りませんが、松平俊子さんという方がお出でになつて、これは外のことでお出でになつたのでありますが、その時に閉鎖機関になつておる旧公益営團にこういう品物がある、それが社会事業の面に放出されるやも分らない、こういつたお話がございました。私は深く氣に止めておりませんでしたが、前に申上げました本門佛立宗社会事業をしなければならないについてはお金が要る。こういうような面から田中氏に相談しまして、この方の調査をし始めましたのが初めでございます。
  16. 山下義信

    委員長山下義信君) いろいろ長い間この問題の解決にお盡力になつてお出でなつたようでありますが、非常に多額の経費をお費やしになつておいでになるのでありますが、どの位経費が要りましたのでありますか。
  17. 田邊武雄

    田邊説明員 これは前回も申上げました通り相当多額な経費を要しております。非常に時間が長かつたことと、それから私自身前回申上げましたような理由の下に、四、五人の生活を見なければならん立場にございます結果、このことに関しまして外の仕事をいたしまして、今となつてはこれを申上げることはおかしいのですが、何かこれがために闇事件その他を起さなかつたために何事もし得なかつた、大変沢山費用を掛けて申訳けないと思つております。
  18. 山下義信

    委員長山下義信君) 六百数十万円というあなたの御計算書が出ました、受益者團体協議会の方ではいろいろ御無理を申して五百万円くらいで我慢して頂くようにというようなことに話がなつておるようでございますが、実際は六百数十万円以上になつておるのでございましようか。大体あなたの方の経費の全体は大体六百三十万円でございますか。
  19. 田邊武雄

    田邊説明員 六百十七、八万円でございます。
  20. 山下義信

    委員長山下義信君) それで大体全部でありますか。
  21. 田邊武雄

    田邊説明員 全部であります。前回申上げましたかも知れませんが、重ねて申上げますが、どうも賣上金費用とのバランスが取れないからそれで若しこれで辛棒してくれ、それで幾分でもあなたの方が、これは私のことですか私のの方が辛棒できるならば、それでしてやつて貰わなければ厚生省に話をするにも工合が惡い。こういうようなお話が現実にございましたから。うち裏で私に費用以外に長年の労苦をねぎらつて私共に礼を下さるというお約束があつたのでありますからそのことを了承しました。
  22. 山下義信

    委員長山下義信君) この経費の何と申しますか資金といいますかこれはあなたが御負担になりましたのですか、今日まで。
  23. 田邊武雄

    田邊説明員 一部私が負担しました。それから何分長い間のことでございますから西村儀三郎澤地氏から融通を受けました。
  24. 山下義信

    委員長山下義信君) それはどの位の割合ですか。あなたのお出しになりましたのと、他から何といいますか出資を仰がれました関係は。
  25. 田邊武雄

    田邊説明員 これも実は前回申上げましたように、費用の点の分類の杜撰さと共に前お約束申上げましたように百貨店その他費用の詳細、共に只今質問の誰に幾ら借りて、それからどういうことになつておるというような面もお手許に出したいと思つておりますわけでありますが、まだその運びに至つておりませんですが、いずれお手許に出したいと思います。記憶したままを申上げますというと、約八十万円を西村儀三郎から私が借りておりますのでございます。この仕事に関しましては。それから約二百万円弱を澤地久男から借りておる。この仕事に関してのみでございます。
  26. 山下義信

    委員長山下義信君) 嚴密に申しますと、この拂下げを受けられてから後に要つた経費がこれが本当経費ですね。それまで拂下げ許可を受けられるまではあなたの特殊のこれは運動だと思います。若し正式に申しますならば、品物を受領することになることが決まつてから以後バザー開催その他諸般の事務が終了するまでが、この拂下げに関連しての事務上の経費と、こう正式に言わなければならんと思いますが、その辺は如何でございましようか。
  27. 田邊武雄

    田邊説明員 お説御尤ものように考えられますのでありますが、前回最初に私が申上げましたように本門佛立宗社会事業連盟常務理事としての私と、それから私と神経が違い、又境遇が違い、ものの考え方が違う人と共に仕事をしなければならん私の立場とは相剋しておるということは前回申上げました通り只今の心境にも変つておりません。併しこのことも私の全責任でございますので、責任は私甘受するというより潔く私自身におきましてこれを決済して行きたい。こういうふうに考えておりますが、ちよつと御理解の行かん点もあると思いますので、一言言わして頂きますというと、最初これが全然西洋人のただイエス、ノーばがりであつて、後の仕事全部は日本のその向き向きの方によつて決済された時代のものを考える必要がある。それから民間財産管理局國分ビルにあるところの事務所のみで決済し得られる時に、私が初めてラッドレーという人に会い始めました。それから機構が段段変つて参りました。しまいには人も変り又やり方も変つて参りまして、閉鎖機関整理委員会資産処理局によつてこれが処理されるというまで、これは途中で止むに止まれんような泥沼にぐずぐず引込まれるようなことになりましたことが、皆さんに大変御迷惑を懸け、私の誠に不徳のいたすところである、かように存じております。
  28. 山下義信

    委員長山下義信君) 受益者團体の七團体方々とは事務的な打合せの会合にお会いになりました以外には、別に私的ないろいろな御会合などで会いましたことはございませんですか、如何ですか。
  29. 田邊武雄

    田邊説明員 別に私的なということはございませんが、一々詳しく申上げましようか。その必要はございませんか。
  30. 山下義信

    委員長山下義信君) 大体でよろしうございます。
  31. 田邊武雄

    田邊説明員 田中日晨は私三十年來の友人でございます。それから生江先生社会事業の長老であられていろいろな教を受けております。田崎先生は御存知の通りキリスト教第一の人格者であります。又安村先生も大変に親切にして頂いております。仲よく日曜日などにはお伺いすることもございますし、又いろいろ修養のお話を承わることもございました。今日に至るまで仲よく氣持よくお附合をして來た、かように考えております。
  32. 山下義信

    委員長山下義信君) 新潟の小林デパート残品処分をしたことに関係のあります新野勝藏氏という方はあなたとは特に関係はございますか。
  33. 田邊武雄

    田邊説明員 全然ございません。
  34. 山下義信

    委員長山下義信君) 大体清算はもうつきましたのでしようか。
  35. 田邊武雄

    田邊説明員 大体清算がついたと申し得られますか、得られませんか分りませんですが、大変勝手なものの考え方をいたしまして御批判には如何かと思うのでありますが、五百万円の費用を頂くお約束をお願い申上げましたものを差引きました後の金は、一應教團の方へお納めしておるという実情でございます。尚それにはその後の情勢なり或いはその後起つて來ます調査廳の方にも御調査中でございますので、ものによつて起るところの、尚殖える金錢等に関しましては即座にこれを補填するというお約束の下に一應かようにいたしましたわけでございます。
  36. 山下義信

    委員長山下義信君) 残品の六十六万円程の品物ですね、あれはあなたに伺うのは少しお門違いかも知れませんが、受益者團体の方に現品で、いわゆる現物配給といいますか、現物でお渡ししておしまいになりましたですか。
  37. 田邊武雄

    田邊説明員 まだ渡してありません。いつも渡せる用意がしてありますが。
  38. 山下義信

    委員長山下義信君) まだ渡してないのですか。
  39. 田邊武雄

    田邊説明員 まだ渡してないのであります。いつも渡せる用意ができております。
  40. 山下義信

    委員長山下義信君) どこにありますか。
  41. 田邊武雄

    田邊説明員 私の店にあります。木挽町四丁目二番地でございます。
  42. 山下義信

    委員長山下義信君) 十月の四日、前回のあの日に一千二十万円の現金を交付するとおつしやいましたが、済みましたか。
  43. 田邊武雄

    田邊説明員 はあ済みましたです。
  44. 山下義信

    委員長山下義信君) 一千二十万円の内容を承わりたいのですが、皆キャッシュですか。
  45. 田邊武雄

    田邊説明員 はあ、キャッシュであります……ちよつとお待ち下さい。何が一千二十万円……、九百五十万円が銀行保証小切手でございます。それから七十万円が先附小切手でございます。
  46. 山下義信

    委員長山下義信君) これは誰にお渡しになりましたですか、
  47. 田邊武雄

    田邊説明員 キリスト教社会事業連盟の会長である生江さんの代理の田崎健作さんにお渡しいたしました。
  48. 山下義信

    委員長山下義信君) これは前回にも伺おうかと思つたのでありますがそのままに承わつておいたのでありますが、これは受益者團体渡していいことになつているのでしようかね。
  49. 田邊武雄

    田邊説明員 これは受益者團体渡していい惡いということは別問題のように一應なつて参りましたわけでございます。ということは私の責任においていたしました仕事がこういう皆樣に御迷惑をかけるような状態になりまして、非常に外の團体の方は別といたしましても、カトリックの方がこれに関して非常に積極的にいろいろ心配のことをおつしやつたものでございますからして、赤十字社において行われました受益者協議会におきまして、受益者側で一應預かろうじやないかという話が出ましてそのためにいたしました処置でございます。
  50. 山下義信

    委員長山下義信君) 閉鎖機関整理委員会からの指示書には、関係方面からすべての証人のあるまでは現金百貨店が保管して置かなければならんように指示があつたように思いますが、そうではないのでありますか。
  51. 田邊武雄

    田邊説明員 大変勝手なものの考え方をいたしてお叱りを受けるかも知れませんが、バザーのものは百貨店に何するのは当然であります。これは勝手かも知れませんが、残品整理等に関しましては、これは我々が預かつておいていいとかように考えました。
  52. 山下義信

    委員長山下義信君) 確認書というものがあるようでございますが、これは受益者團体確認書なんですね。
  53. 田邊武雄

    田邊説明員 そのことは確認書を一應取りましたわけでございます。けれどもこれはその後確認書は取らんことにということで皆樣にお返しをするという立場を取つておりました。
  54. 山下義信

    委員長山下義信君) ああそうですか。あなたは今後尚社会事業のためにいろいろと引続いて御盡力なさいますお考えでございますか。これきりでもう社会事業との関係はお切りになる考えですか、いかがですか。
  55. 田邊武雄

    田邊説明員 私は仕事の面では物資の取扱その他については一切今後止めたいと思います。併し私は本当の意味での身体でやる社会奉仕、そういうことについては尚一層一生懸命やらして頂くつもりであります。
  56. 山下義信

    委員長山下義信君) 拂下物件のいろいろ内容前回お述べになりましたように、これは当局も申しておりますように、実際は現品に一々当つたわけではないのでよくは分らないのが当然のようでもありますが、併し相当毀損品やら程度の落たものやら、いろいろ故障があるということは書面その他におきましても予めお分りになつてるんじやないかと思います。その点いかがでございましようか。
  57. 田邊武雄

    田邊説明員 閉鎖機関のあそこの近所に展覽会場見たいなものがございましたが、そこでものを拜見しました事実がございます。いいものもございますし惡いものもございますし、併しその大部分は商品番号九というものが殆んど多かつた、これが人絹或いは交織のテーブル・クロース用のもので作りましたものでございますのですが非常に多かつた、これが第一に我々の考えましたよりも多かつた。それからエプロン、プロテクターというものが非常に大量に出たために賣卸をいたしますのに非常に困難をいたした。尚同種のものが残品が出ましたあと政府から放出されたということは残品処理のことに非常に幸いしない結果を招來した、かように考えております。
  58. 山下義信

    委員長山下義信君) 委員の方から御質疑がございましたらどうぞ。
  59. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 私前回ちよつと出席いたしかねましたので或いは重複しておるかも知れませんが、この点はお許しを願つて、先程田邊さんの御答弁の中にもありましたが、賣上の費用の中から大体五百万円を雜費その他の経費としてお受け取りになり、併し実際は六百十七万円程費用が要つておる、こういう状態でございます。この点について。
  60. 田邊武雄

    田邊説明員 さようでございます。
  61. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 そうすると、この経費の六百十七万円というのは、先程委員長からのお尋ねにもありましたが、事業を開始される前の費用を含めてでございますか。
  62. 田邊武雄

    田邊説明員 さようでございます。私共の生活費も入つております。
  63. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 そうしますと、どうしても百十七万円というのは不足をするが、先程のお話では、大体内輪でいずれ再度をという約束である、この約束は現在も続けて、何と申しますか、有効としてお考えになつておりますか。
  64. 田邊武雄

    田邊説明員 これは非常にだらしのない、あとからこういうことになるというと、非常に不思議にお思いになる状態だと私は思うのでございますが、これだけの仕事をいたしますのに、予め費用はいくら、或いは田邊が苦労したのでどれだけの礼を出すということが本來あり得べき筈であり、ないのが不思議だと思うのでございます。ところがそういうことがございませんで、今日まで來ました理由は、一つキリスト教社会事業連盟だけの仕事でございまして、それから掩護射撃的に横須賀のキリスト教協力会会議の方の支持を受けましてやらして頂いた。これはどちらも新教の團体でございまして、皆一つ内輪のものでございますので内輪で話がいくらも纏まるわけでございます。敢てそこで妙な契約をする必要も認めなかつた。ところが許可が下りますときに、條件附許可になりまして、その條件の中には外の團体をも含むということで、外の團体がお入り下さいました。当然そのときに、こういつた只今御不審のある点をきちんといたしまして仕事に掛ればよかつたのでございますが、そのことなくして今日まで参りました。併し恐らくはどの團体責任者を御招致頂きましても、カソリックを除く外は私に対しまして二割くらいの礼はする積りでいるということははつきり皆さん宗教家であられるために、嘘をつかずにおつしやつているだろうと私はかように確信しております。
  65. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 ちよつと聞き洩らしましたが幾らの礼をするというんですか。
  66. 田邊武雄

    田邊説明員 二割程度でございます。それは純益の入りましたものの二割程度でございます。
  67. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 これは平野さんの意見で最初お話があつたのでございますか。
  68. 田邊武雄

    田邊説明員 これは申上げにくい話でございますが申上げなければいけませんか。
  69. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 それは別に、随分前の話でありますし……
  70. 田邊武雄

    田邊説明員 これは私の使いで参りました人がおりまして、契約した人の名前は何というのか分りませんが……
  71. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 それで結局半々とか…
  72. 田邊武雄

    田邊説明員 そうでございます。
  73. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 話がありましてもそれが全部その他の時にはまあ結局御破算になつた形でございますか。それともそれは表面はそうだけれども実際は二割くらいというのは皆認めておる問題なのか、二團体の外に他の三團体が加わりました時に最初の二團体から、実は今度の許可はこうだけれども本当田邊さんに対しては先ず我々は二割というものを差上げるという一つ予定で行こうじやないかという御相談でもあつてのことですか。この点をはつきり一つ……
  74. 田邊武雄

    田邊説明員 只今あなたのおつしやいました通り、お終いにおつしやいました通りであります。
  75. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 御相談が済んでおるということですね。
  76. 田邊武雄

    田邊説明員 さようでございます。
  77. 山下義信

    委員長山下義信君) 速記を止めて。    〔速記中止
  78. 山下義信

    委員長山下義信君) 速記を始めて。審議の都合上田邊君に一應休憩を願つて置きますから、若し後で伺うことがございましたら今一度伺うかも分りません。  東京管区経済調査廳査察部管理課経済調査官の相川君及び大村君が出席しておりますから御質疑がありましたらどうぞ。それから閉鎖機関資産処理局雜貨部長繊維課長平野君が出席しておりますから関連しまして御質疑がありましたらどうぞお願いいたします。尚委員外委員として塚本君が出席されて居りますが御発言許可いたすことに御了承を得たいと存じます。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  79. 塚本重藏

    委員外委員塚本重藏君) 閉鎖機関の方にお尋ねいたしたいのですが、大阪大丸百貨店並びに高島屋百貨店に渡されました品物並びに数量、それからその最低額と申しますか、予定價額ですか、最後に両百貨店金額として受取られました價額等をお伺いしたいと思います。
  80. 平野英哉

    説明員平野英哉君) 今の中でお答えのできない、できないというのは私の方で分らない点がございます。それで分る点だけをお答えいたしましよう。非常に清算に手間取りまして、最近やつと最後清算が終了したわけでございまして、大阪大丸渡しましたものの私の方の処分金額は四百六十五万七千五百七十六円六十四銭でございまして、その品物の明細を一々申上げますか、大変複雜なんでございますが……
  81. 塚本重藏

    委員外議員塚本重藏君) 全部でなくてもよろしい、細かい点は……
  82. 平野英哉

    平野説明員 極く概略でよろしうございますか。
  83. 塚本重藏

    委員外議員塚本重藏君) はい。品物はよろしうございます。写してございますから。
  84. 平野英哉

    平野説明員 次に高島屋渡しましたものの私の方の処分金額は三百五十一万一千六百六十五円二十三銭でございます。それで幾らバザーで賣つたか、或いはその残品幾らでどこえ処分したかは、これは委員会の手を離れた後の問題でございますから私の方には詳しい資料がございません。今の御説明で少し補足いたしますが今のは純然たる物品價額でございまして、これに更に取引高税として一歩を加算したものがその價額になるわけでございます。
  85. 塚本重藏

    委員外委員塚本重藏君) その今の大丸の四百六十五万余円それから高島屋の三百五十一万余円は、そつくりそのまま閉鎖機関に納まつておるのですか。
  86. 平野英哉

    平野説明員 これは一番最初荷渡しをやりましたときの委員会販賣承認は一應こちらにということになつておりますのですが、当時荷渡しのときはまだ品物ブック面だけで算定された金額でございますから、そのブック面によつて査定され、且それによつて司令部許可を取つた額は全体として二千万円程です。ところが実際はその減收に際しては、賣渡物件を引渡して、物品相当の銘柄、額等を決定するというやり方を取つたものですから、その後いろいろな減つた物もあるし、殖えた物もあるし、結局尚総額十六万円程のものが未回收になつておるわけです。これはやつと最近先程申上げたように回收のリストができたものですから、これに基いて十六万円程百貨店から接收する。こういう段取りになるわけです。
  87. 塚本重藏

    委員外委員塚本重藏君) この十六万円の未回收というのは大丸高島屋のみではなく、その他の百貨店を含めた……
  88. 平野英哉

    平野説明員 そうです。各百貨店全部を含めたものです。各百貨店全部に過不足がございましたものですから……
  89. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 平野課長に伺いたいと存じますが、総司令部からの九月二日付の條件付指令に対して、九月二十七日通知があつて、それに対する相当詳細な指示をしながら、條件を付けてお話しになつておるようでございますが、大体その條件の主なることを一つお聽かせ願いたい。
  90. 平野英哉

    平野説明員 総司令部條件でございますか。
  91. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 総司令部條件付指令の場合に、更にあなたの方から何か條件なり指示をなさつておやりになつたのかどうか。
  92. 平野英哉

    平野説明員 総司令部條件以上には別に指示はしておりませんです。ただ総司令部の付した許可の精神と目される所を委員会として解釈しておつたのです。それから又純然たる細部の末梢の手続的なこと、こういうことを指示しております。
  93. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 そうすると、この総司令部條件というのは、利益金の配分に関する社会事業團体関係なり、或いは配分金の配分計画の問題なり、こういう問題でございますか。
  94. 平野英哉

    平野説明員 そうでございますね。私の説明書に書きました項目でございます。利益金の分配を受ける慈善團体社会事業連盟を通過せよとか、或いは配分計画には公営事業を参画させよとか、こういつたものです。
  95. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 この配分のいわゆる品物資金化の方法、或いは百貨店というものを責任者にするとかしないとか、こういう問題はどこからの指示になつておりますか。
  96. 平野英哉

    平野説明員 こういう問題については、資金については別に指示はないわけです。そういうものは別に慈善團体百貨店との間に契約があるわけです。その契約が又司令部許可の條項になつておるわけです。それで百貨店と慈善團体との契約には、慈善バザーを開催する。そうしてその賣上金と仕入金との差額の一〇%を取つて計算して慈善團体に寄附する。更に毎一ケ月毎に賣上高の一〇%を取つて残額は慈善團体に渡す。それから最終六ケ月を待つて賣れ残つたものがあれば、その処分方法については整理委員会等の指示を受けてと、こういうような契約書があるわけです。
  97. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 これはあなたの方からの御指示のときに、品物拂下げ社会事業團体ではなくてむしろ百貨店であつて、その社会事業團体百貨店拂下げを受けた物の処分による利益金を寄附として受ける。こういうふうな御指示でもありますか。
  98. 平野英哉

    平野説明員 そうでございます。当時は総司令部に対する申請の條項、それから商工大臣の命令の関係、こういうものはすべて一應形式面においては百貨店に対して讓渡するという形式を取つておるわけです。そうして百貨店から今申上げた利益金を慈善團体に寄附するという文句になつております。契約書も寄附という文句を使つております。こういう趣旨の下に私が一應説明書を書きましたところ、慈善團体からもそれから百貨店側も、百貨店は独立した主体として品物を購入しそれの益金を寄付するという体形をとると、税金をとられて百貨店としては非常に迷惑を蒙るし又その税金を納めるに堪えない。その税金に該当するだけのものをそれの賣上高から引くとすれば、計算上技術的にも非常に困難であるし、從來から委員会、或いは慈善團体から聞かされておるところによれば、百貨店はいわばバザーの場所を提供しておる、いわば実務担当者のようなものに過ぎないものであるのに、独立した賣買当事者のように書かれると困る、こういう話なんです。それで当初この計画をやりましたときは、勿論百貨店というものを考えませんで、慈善團体というものに渡すという計画の下に当初から進んでおつたのであります。ところが衣料品配給規則の関係もあるし、又バザーを開催するとすれば場所的乃至又人的の機構乃至能力という点からいつても慈善團体ではやりにくいだろう、だから中間に百貨店を設定しよう、こういう計画で來たものだから、本体は飽くまで慈善團体であつて百貨店は自動的に、いわば実務担当者に過ぎないという趣旨で來たものですから、説明書をそういうふうに形式面においては飽くまで百貨店に讓渡し百貨店が寄付するということになつておるけれども、実際の主体は慈善団体が主である、こういうふうに説明書を改め直したわけなんです。
  99. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 でこの指示があつて慈善團体にその指示を更に敷衍しながらお話になりまするようなときには、これはいろいろと品物の取扱いで、かような場合に將來何かいろいろな問題でも起るかどうかというようなことは……、凡そあつたんでございましようか。
  100. 平野英哉

    平野説明員 当時としては全然そういう想像もいたしませんでした。それで貰う品物も大分惡いものがあるということは、当初から私自体知つておりましたし又関係者にも申しておりましたし、一回のバザーで片がつくものだとは思つていなかつたわけなんです。但し残品が出てもその処分に、今回の事件に発生したような非常な困難性が起るのだと思わなかつたことなんです。
  101. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 実は終戰後いわゆる接收物件、軍事物件というものは、相当社会の耳目をいろいろ自然と集めておりました関係で、この問題でなくとも外の場合においても、最後に又その道程において種々の問題を起し易い状態にあり、又起したことがままあると思います。從つてこれは終戰以來相当の期間を経つた、それだけの経驗をお互いに経た後でございますから、田邊さん、宮崎課長、平野課長におかれても、そういうことを幾分かお考えになつてつたのじやないかと思いますが、併しことがいいことだから、成るべく速かにという善意の御心境もあつたかも知れませんが、この場合に品物の選定なり、或いは特にこういう社会事業團体の特別な計らいによる拂下げでございますから、何か関係省、厚生省、そういう方面とも品物なり或いは今後の取扱いなりということで、お打合せでもあつたのでございましようか。
  102. 平野英哉

    平野説明員 品物の選定については勿論物價廳の方の連絡はとつておりますから、物價廳の方に話をしてあります。それから又それに対しては衣料品ですから、これも繊維局の方と打合せ済なんです。それから厚生省の方の関係は、私直接は打合せはいたしませんけれども、田邊氏がしよつちう官廳及び委員会の間の連絡を努めておりましたから、厚生省の方の了解なんかも田邊氏の方で十分とつておつたと考えます。
  103. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 拂下げを表面上受けるという百貨店、つまりそこにおいてバザーを開くという百貨店の選定は、これはどこでするのでございましようか。平野さんの方で大体の原案をお示しになつたんですか。
  104. 平野英哉

    平野説明員 私も意見は述べましたけれども、慈善團体の方で一應選んで來たものなんです。例えば私の方の意見と申しますと、大阪関係であればうちの事務所が借りておる高島屋を使つて欲しいとか、そういう方が便利であるとか、名古屋であれば丸栄はうちの事務所が置いてあるから事務上の連絡も便利だから、そういうふうなところを使つて貰いたいというような指示はいたしました。
  105. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 実はこれはいわゆる利益を受ける團体が少うございますが、この日本の社会事業界に相当なセンセーションを起したほどの相当な資材でもあるし、又地方の社会事業関係者が相当関心を持ち得ることなんでございますが、私は名古屋の地方をよく承知しておりまする関係で、このような一方における大事業が、ほんの一商店の丸栄で、殆んど地方の社会事業家がさほど関心のないというような状態の中に行われておつたというような点も一方はありはしないか。從つてこの取扱い方については相当いろいろの考え方も起ると存じますし、むしろ丸栄よりも名古屋でありますと松坂屋というのが妥当ではないか。そうしてもう少しこの一般の社会事業家にも理解をさせ、縣民にもかくかくかようの次第ということを納得させる意味において、なすべき筋合が多く含まれておつたと思う。こういう点については平野課長は当時何かお考えでもお持ちであつたのか、全然そういうことはお考えなしにただ一つの拂下物資の処分という、これにいたしましてもむしろ私はデパートを名古屋でありますと二つを利用しても決して差支ないものだと思うのでありますが、どういうお考えであつたか。
  106. 平野英哉

    平野説明員 今の点は当時私の考としては成るべく一地方は荷渡し関係だとか交渉上の便益の問題とか、そういう点からいつても一地方に成るべく一ケ所に限定したという氣持を持つてつたわけなんです。ですから今おつしやつたような点については考が及ばなかつたわけですね。ただ大阪だけは相当品物も多いし大きな所だから二社を選ぼうと單純にそういうふうに考えたわけなんです。
  107. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 それから最初の御指示の場合に、残品がある、これはもうきつと恐らくこの現品の取引は、現物による取引なり立会ということは困難でございましようから、從つて接收物件の処分の場合には相当不用品も沢山ある、この場合には、いわゆる残品の処理ということが当然起つて來ると思いますが、この残品の処理については特別に何か御指示があつたのか。それともなしに残品がこういうふうな状態なつたときには價格はこうだというようなことでも御指示があつたのか、この点を一つ
  108. 平野英哉

    平野説明員 残品の処理については私の方の指示しましたのは、單に関係官廳と連絡してその処分方法を決めろと。ということは非常に配給規則なんかの統制物資として制限を受けておるから、そういう意味において関係官廳と連絡をして決めて欲しいと、こういう指示を與えただけなんです。ただ値段の点については、これは今後賣る値段については、事業團体の方としては成るべく品物を高く賣つて、そうして事業資金を少しでも多く得たいという考え方のように見受けられたんです。品物惡いしそれから高く賣ろうとすれば販賣上相当困難だし、それよりもむしろ早く片づけた方がいいんじやないかというような意味において、若干安くても構わないから早く品物を処理してしまつた方がいいんじやないかということは、指示というよりも私の意見としてちよつと話したことはありますね。
  109. 山下義信

    委員長山下義信君) 平野課長に伺いますが、百貨店からのいろいろな諸般の報告は、バザーを開催した後においてはその実情はやはり報告することになつておりますか、又報告はありましたか。
  110. 平野英哉

    平野説明員 報告することになつておりますけれども、実際向うも忙しいのか詳細な報告はよこしておりません。
  111. 山下義信

    委員長山下義信君) 未だに詳細な報告はありませんか。
  112. 平野英哉

    平野説明員 ございません。私の方もそれを先々まで責任をもつて追及するのが当然なんですけれども、こちらも莫大な繊維品を抱えてその仕事に忙殺されておりますので、過ぎ去つたものを後々までも行先をチェックして行くというところまでは、とても手が及ばなかつたという関係であります。
  113. 山下義信

    委員長山下義信君) 百貨店の利潤として一〇%ということになつておる、それと事務費等、諸要経費というものと別なんですか。
  114. 平野英哉

    平野説明員 百貨店の一〇%と申しますのは、この百貨店と慈善團体との間の契約書では、賣上金とそれから委員会からの仕入價格、この差額の一〇%をとるという契約になつておるわけであります。その後実際に当つていろいろ疑義が出て來たわけであります。例えば委員会の放出價格は元來委員会の織物なら織物消費税も納めなければなりませんし、物品税なんかも納めなければなりません。こういう税金を委員会の方で納めてそういうものを込の値段で賣るのが本当でありますけれども、迅速を期するために委員会のこの場合の放出價格はそういう織物消費税などは除いた價格で、この際そういう税金は買受人の方で拂つて欲しいという申し渡しになつておるわけです。そうすると單にうちからの仕入價格と、バザーに基く販賣價格の差額の一〇%だけでは、到底税金だけでも賄いきれないということになるわけです。ですから一〇%算定の基礎も單にバザーにおける販賣價格と、委員会からの仕入價格だけでなしに、それ以外に今申し上げましたような物品税だとか織物消費税というものは控除する。それから本來ならば賣買の常道としては買受人の指定する場所で渡さなければならんのが常道なんでありますけれども、委員会の放出條件は在場所在姿渡しというような條件でありますので、在場所から百貨店は引取らなければならん、引取つてからの倉庫における保管料、保險料、そういうものも出て來る。ですからそういうものも引いてその残りの一〇%、こういうような了解に後日なつたわけであります。
  115. 山下義信

    委員長山下義信君) 價格差益の問題は出ませんか。
  116. 平野英哉

    平野説明員 價格差益の問題は、当時物價廳へこの價格の問題について私参りまして協議しましたときも当然出たわけなんです。併しこの放出の趣旨が極力慈善團体のための事業資金を多く獲得さしてやろうというようなところにも狙いがあつたものですから、その出た差益をそつくりそのまま政府の方に取られては、放出の精神が生かされないことになる、そういう点については十分御考慮を願いたい、こういう話もしたわけです。ところが物價廳の方としては現実に幾らでも賣れてどれくらいの利益が出たかということが分つてから、そういう点については考慮しよう、こういう当時お話がございました。
  117. 山下義信

    委員長山下義信君) まだ未決定なんでございますね。
  118. 平野英哉

    平野説明員 未決定でございます。
  119. 山下義信

    委員長山下義信君) それからその処分の状況或いは現品の実情、その結果によつては拂下價格について或いはもう一度相談しようというようなことでもありますか。
  120. 平野英哉

    平野説明員 物價廳との間にでございますか。
  121. 山下義信

    委員長山下義信君) あなたの方との関係
  122. 平野英哉

    平野説明員 私の方と慈善團体の方とですか。
  123. 山下義信

    委員長山下義信君) ええ。
  124. 平野英哉

    平野説明員 そういうものはございません。
  125. 山下義信

    委員長山下義信君) 尚あなたの御所管のいろいろな物件の中で、將來とも社会事業團体などに対して拂下可能のものがありますか。又拂下げをするという方針は以前と変りはありませんか。
  126. 平野英哉

    平野説明員 今私の所管しておりますのは雜貨物、と申しますのは雜貨と藥品関係とそれから、纎維でございますが、もう纎維を除きましては殆んど処分を結了しておりますから他の物ではございません。それから纎維ももう残つておるものはすべて安本の方で割当計画が決まりましたものですから、これから慈善團体などに出すというものはございません。
  127. 竹中七郎

    ○竹中七郎君 今の物資を出す場合には、連合軍の方から出し、あなたの方は民間のどなたでも構いませんというわけで拂下げになるのですか。
  128. 平野英哉

    平野説明員 そうでございます。そういう関係を大分詳しく話を申上げますと長くなりますので……。現在は纎維の統制物品はすべて安本で一應割当計画を決めまして、これは大枠の計画なんですがそれで割当計画が決まりますと、今度はその計画に基いて、纎維局とか或いは厚生省とか発券の機能を持つておる官廳がどこそこへ出すということにして、そこへ出すわけです。そうして一般申請であれば、纎維局が割当をしますと、その両方の書類によつて委員会は総司令部の方へ、これについてはこういうふうに安本、纎維局の割当が決定したからそこへ放出をしたいという申請を出す。司令部はそれに対してオーケーという承認があつて……
  129. 竹中七郎

    ○竹中七郎君 結局一民間人が運動を司令部へした、そのためにあなたの方から、安本で実際は計画を立てて、これは慈善團体にやる、或いはこういうふうにやるというふうにお立てになればよかつたが、それが終戰直後でもつて二年間も運動しておつたというのですね。そこに我々は疑義があるのです。安本でお立てになつてこれだけは慈善團体にやる、ただ分らない宗教、本門佛立宗というのですか、或る一つ團体の人が運動を始めてそれが司令部の或る許可が出て來た。そのときあなたの方では係の司令部方々の方へ、我々の方ではこういう安本の計画でやつておるのだから、どうかそういうふうにして貰いたいということをせられればこういう問題は起らなくて、社会事業團体が或る疑惑の目を持たれぬ、こういうことに対してお伺いするわけです。もう少し官廳なら官廳らしくやつて頂きたかつた。ここが実際は我々の聽きたいところです。それを一つお伺いしたい。
  130. 平野英哉

    平野説明員 その点については今申上げましたのは、現在のやり方がこれはさつき田邊氏からもお話がありましたように発端は随分古いことです。併し私としてこの問題を取上げたのは昭和二十二年の八月一日、ということは昭和二十二年の八月一日に初めて私のところへ田邊武雄氏が全日本キリスト教社会事業連盟の嘱託として、たしか五六名の人と一緒にやつて來て、CPCのダッドレー氏も承認しておる、纎維局も承認しておるから放出して欲しいという話がありました。ところが当時の状態は、CPCというところは我我の閉鎖機関の財産を押えておる。ですからCPCに申請をすればCPCが許可をして直ぐに出るという建前であつて、今とは全然違うのです。そういう話があつて閉鎖機関交易営團としては、当時私は閉鎖機関交易営團の纎維部長をしておつたのですけれども、ダッドレー氏も非常に賛成をして、ダッドレー氏自体が出してやりたいからリストを出せという話もあつたくらいです。ですからうちの方としてはこういう莫大な纎維品を抱えており、その中には織物もあり纎維雜品類もあり、織物は輸出にも内需にも向き、こういう纎維雜品の種類は非常に多種多樣で、そうして而も相当惡いものも含まれておるからして、これを直ぐ一々が分割して処分をしていたら大変な手数がかかる、そこでどういうふうに処分をしたらいいかと考えておるときに今言つたような話が起つたわけです。ですからこの事業の性質から甚だ有意義でもあるし、それから閉鎖機関としては迅速に品物処分もつくしするから、この処分の方法がいいという考えでそこから出発したわけなんです。その後段々と今度はCPCの機構の下に更に経済科学局の財政部の清算課というようなものが入つて來、その後それを安本で決めるというような段階になつて來たわけです。
  131. 山下義信

    委員長山下義信君) 閉鎖機関に対する御質疑はございませんか、別にございませねばこの程度にいたして置きます。ちよつと速記を止めて。    〔速記中止
  132. 山下義信

    委員長山下義信君) 速記を始めて。経済調査廳関係の御質疑を願います。先ずこの調査の大体はもう終りましたが、あなたの方で調査なさいました結果としての大体の状態はどういうふうでありましたでしようか。極く概略を承わりたいと思います。
  133. 大村哲雄

    説明員(大村哲雄君) 大体私の方で初めにこの調査に当りましたのは新潟経済調査廳から報告がありましたので、名古屋の丸栄百貨店残品を新潟市の小林百貨店、大和百貨店に賣捌いた、そこでバザーをして余つたものを山形と福島へ両百貨店が流したわけであります。そこでこのバザー残品の流れて行つたものと、片方は纎維貿易公団が全國卸商業会という二つの組合を通じて出したものが現場でぶつかりまして、價格の差が非常に大きい、片方は五六十円で買える、布帛製品がこのバザーの系統から行つたものは二百二三十円、同じ商品でこんなに違うのはどういうわけだろうかということが発端で、山形の経済調査廳から私の方の管下の新潟経済調査廳の方に報告がありまして、新潟経済調査廳で調べて見ましたところが、大体名古屋の丸栄の品物が來たのだ、東京都の港区麻生笈町百四十二番地の江一株式会社の田中正三という者がこの賣買の斡旋をしたので、賣つた價格は両方の百貨店合せて約一千百万円だとこういうふうなことが分りましたので、経済事犯の容疑で私の方に報告がありましたので調査に着手しまして、先程申しました田中正三氏を任意出頭の形で來て貰いまして聞きましたところが、大体新潟経済調査廳の報告のような事実があるということが分りましたので、それではその元の商品代は大体幾らつたのかということを聞きましたらば約五百万円だと、五百万円未満、それを千百万円に賣つて約六百万円弱を田中正三氏が懐ろへ入れておるというので、この金は一体経済法令にいうところの物價統制令の周旋料の暴利受領であるか、背任横領であるか、この点につきまして調査をいたしましたのですが、どうも任新調査でありますので、強制力を用いれば用いられるのでありますが、強制力を用いないためにはつきり分らない。そのうちにこの事件が五百貨店バザーをやられたということが分りましたので、関係しております経済調査廳に書面で紹介いたしましたところが、福岡にも同一のケースがある、大阪にも同一の事犯があるというようなことで、田邊武雄さんに聞きますと金は皆百貨店に置いてあるということでありますが、百貨店調査して見ると一文もない、全部傍から持つてつてしまつておるというようなことで、経済事犯も大阪高島屋残品処分のときにもありますし、田邊氏の協力者の西村儀三郎澤地久男というような者に背任横領事犯もあるし、それから澤地久男という者から委任された田中正三の新潟と福岡における両方合せて約八百万円以上の得体の知れない役得事犯があるということを、私共の方といたしましては、経済調査廳では経済調査廳法の第一條に経済法令に関する違反だけが私達の仕事だと言われてありまして、而も経済法令というのは十列挙されておりまして、それから出ている子供の規則等を合せると相当ございますけれども、これは大体経済事犯としてのパーセンテージよりも、刑事事件としてのこのパーセンデージの方が多いというふうに感ぜられましたので、私の方の結論といたしましては、これは我々のやる任務の限界外であるから相当機関に引継ぐべきであるという意見を持ちまして、上司の決裁を得て引継ぐことになつておりますが、こちらの方へ出て参ります関係上、書類を引継いでしまうと檢察廳へ書類が行つてしまうので、そうなると私共は説明ができませんので、実はこうやつてこちらの御調査が済みましたら即時引継ぐように準備はしてあるのであります。
  134. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 今の御説明に引続いて、もう少しその内容を詳しく御調査になつておる関係者なり百貨店の状況なり、それから商品の暴利の状態なり、筋は今のことで結構ですが、もう少し……
  135. 大村哲雄

    ○大村説明員 大体概略申しますと、さつき平野課長説明しました通り、大体放出のときに物價廳の許可の價格は二千万円でした。それから五つの百貨店というのは東京の白木屋、横須賀市のさいかや、名古屋市の丸栄、大阪市の大丸、同じく高島屋、この五つの百貨店で小賣販賣價格の統制額として査定を取りました額は約六千万円でありますが、それがバザーでは二分の一しか賣れなかつたのであります。それで四千万円以上の残品ができまして、その残品処分するのに当りまして、大体若干値引しましたり、或いは値引き以上に行つたこともありますが、三千六百万円に賣つておるわけであります。そうして厚生省を経由してGHQへ提出した決算書の残品の販賣價格は二千三百万円である。差額が一千二百八十四万円、私共はこの金の性格を追求しておつたのであります。これは周旋料としてです。周旋料も物價統制令によるところの價格でありますから、物價統制令にいう暴利價格を受領することはできないという面で、この斡旋者田中正三辺りについては、東京の白木屋の場合は二百七十七万円取つております。この五百七十六万円のものを八百五十三万円に賣つて、その二百七十七万円という差額が隠れておる。この隠れた金は何であるか。経済法令による周旋料の暴利であろうか。或いは背任横領だろうか。この眞相を一生懸命に追求したのですけれども、どうもはつきり分らない。形式的にはこれは澤地久男という者が出した委任状を見れば、販賣設の斡旋とそれから代金の回收ということだけが委任状に謳われておるのだからして、明らかに、形式的には成り立ちますけれども、併し眞にこの社会事業國体から委任せられておる田邊氏、及びその協力者の西村儀三郎澤地久男らが、どういうことを田中の頼んだかということが疑問でありますので、この点を追求しておつたのでありますが、段々やつて行きます際にまあ元金もなくなつてしまつたというふうなことになりましたので、これはもう我々の調査の段階ではないというので引継ぐことにしたのですけれども、これを具体的に申しますと、東京の白木屋のやつが残金の実際の販賣額が八百五十三万三千五百六十六円二十六銭です。それが厚生省を経由してGHQへ提出されている田邊氏の作つた決算書では、五百七十六万三千七円三十二銭、その差額が二百七十七万五百五十八円九十四銭、それから横須賀のさいかやの場合には、実際の賣上げ額は二百六十一万三千円二十四銭、それが決算書面には、二百二十八万六千三百七十五円二十一銭、この差額が三十二万六千六百二十五円三銭、これは直接田邊武雄さんのところの支配人の櫻井源一郎、染谷金藏というものが持つて参りまして、田邊氏はこのさいかやの場合には三十二万いくらというものが決算面より多いことを重々承知してその差額を斡旋者や自分のところの店員に分けております。店員の染谷金藏は田邊さんが十万円取つておるとはつきりいつておりますが併しこれは追求しません。これは然るべき機関に追求して貰おうと思いまして私の方ではその程度で止めました。それから名古屋の丸栄の場合には決算書面では四百九十八万九千六百三十一円二十三銭で、決算面に計上されておる実際の賣上額は一千八十七万一千九百十七円、差額が五百八十八万二千二百八十五円七十七銭、これは先程申上げました江一株式会社の田中正三氏のやつたことであります。それから大阪大丸の場合には実際の販賣額が七百七万七千九百三十八円四十銭、決算書面には六百六十万一千三百二十円、その差額が四十七万六千六百十八円四十銭、これは大阪の海外引揚者連盟へやつた手数料と言つておりますが、今大阪管区経済調査廳でこの点については調査してくれておりますので、今少しこれははつきりするのは書面が來ないと分りません。それから高島屋の場合には実際に賣りましたのは七百二十八万五千五百八円六十銭でありますが、これは厚生省経由でGHQに出しました決算書が三百八十九万八千五百十二円四十二銭で、その差額が三百三十八万六千九百九十六円十八銭。これで五つの百貨店で合計いたしますと、残品の実際に賣れました額が三千六百三十八万一千九百三十円五十銭であります。それで厚生省の方へ出ました決算書類は二千三百五十三万八千八百四十六円十八銭、その差額が合計いたしまして一千二百八十四万三千八十四円三十二銭。こういうふうになりましたので、私共の方といたしましては、この間に経済法名違反として價格超過取引の事犯も高島屋にありますし、それからこの商品を各地方の新潟、滋賀、福岡あたりの地方の價格査定委員会で再査定を受けておるのでありますが、この再査定を受けた理由如何、若し製品を構成しております部分品等の公定價格の変化がありまして、その値上りによつて小賣價格の再査定をしたならば、價格差益処理規則によつてその差益金は正しく処理されておるかどうか、こういうふうな点などを追求しておりましたのですが、先程申上げましたようにこちらへ帰つて來て大阪でこの金は一体誰が持つておるのかと聞きましたところが、東京都の港区芝高輪北町の澤地久男というものが全部この金は保管しておる、デパートにはない。事実私共はデパートへ聞いて見ましたがありません。それで帰つて参りまして、澤豊久男氏についてこの金はどういうふうに保管してあるかということを聞きましたところが、東海銀行の小舟町支店の定期預金の残高証明書を持つて参りまして九百万円、それから滋賀縣の大津にあります滋賀銀行本店の二百万円の残高証明書を持つて参りました。そこで私共の方では本当にその金であるのかどうかということを知ろうと思いまして、公文書をもちまして東京にあります東海銀行の小舟町支店へ行つて調べて見ましたところが、定期預金の残額は確かに九百万円ある。が、手形貸付口座を見ますとやはりされだけのものが引つ張り出されているということは、九月二十二日に九百万円どこからか持つて來て東海銀行へ入れて、三ケ月の短期の定期預金にして、その預金証書を担保に三ケ月先の満期日の約束手形を振出しまして、手形割引によつてその金を持ち出している。結局銀行には一銭もないというふうなことが分りましたので、澤地さんに一体どういたんだと聞きましたところがこれは実は使つてしまつたのだということで、今田邊さんが百六十万円ぐらい、それから西村儀三郎さんが百万円、澤地さんが六百万円使つておるというふうなことを申されますので、もうこれは私共の方の手で処理すべき事件ではないということがはつきりいたしましたので、檢察長の方で澤地さんや田邊さんや西村さんの言つたことを証拠の裏付等をすることなしに、向うの申立てで一應しようと思つております。
  136. 山下義信

    委員長山下義信君) 閉鎖機関の方も御調査になりましたら関連して……、別に問題はありませんでしたか。
  137. 大村哲雄

    ○大村説明員 別に問題ありません。又問題がありましても一般の刑事警察の方はタッチできないのでありますからそういうことについては全然考えません。若し調査の過程において止むなく目の前に出て來ますれば、それは刑事訴訟法に官吏の告発権はありますからそれは申しますが、私の方から好んでそういうようなことはいたしたくないと思つております。
  138. 山下義信

    委員長山下義信君) ちよつと速記を止めて。    〔速記中止
  139. 山下義信

    委員長山下義信君) 速記始めて。
  140. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 只今一應細かく承わりました実際の賣上と、それから田邊の方から報告をした報告の数字というものは、これは私らで調べておりますのとは随分違いますが、実際賣上げというのはいわゆる百貨店の手数料その他は引かない実際の賣上げでありますか。
  141. 大村哲雄

    ○大村説明員 これは私の方では実際賣上金額を出しましたのは金を拂つた人から聞いたのです。幾らつたのかと、あなたは残品をお買いになつたようだけれども幾らお拂いになつたのかということを金を拂つた方から聞いたのです。勿論、さつきも言い洩らしましたが、千二百八十四万三千円の中にはこれは誰が見ても妥当と思われるところの手数料というようなものも入つておるのであります。これは全部が全部不法領得した金とは私共は見ないのであります。この中には正当と思われるようなものもあるし正当でないと思われるようなものもあるというわけなんです。大体この千二百万円の中でも八百万円は田邊武雄さん、それから西村儀三郎さん、澤地久男さんから頼まれた田中正三さんという人がこれはやつた仕事なんです。あとの四百万円を田邊さんや西村儀三郎さんやら澤地久男さん方が、直接これは教團の方から委任を受けておる方々がやつた金と、その中には本当に外部の人で以て口を聞いて呉れたため謝礼として我々が見ても妥当と思われるところのお礼をしておる、そんなものまでも私共の方では惡いというのではありません。大体布帛製品あたりでありますと生産者の利潤が八分五厘でありまして、卸賣業者の利潤が八分五厘、小賣業者が一割六分五厘ぐらいでありますから、通じまして三三%ぐらいの利潤はこれはもう正当な利潤と見られますけれども、田中さんのような場合に五百万円の品物を持つてつて一千百万円に賣つて六百万円を自分が取つてしまつた、これではやはり周旋料として余りに高過ぎやしないか。これは若し周旋料でないならば委任の契約の内容によつては外の犯罪に引つかかる、こういうふうに思われます。
  142. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 私の伺いたいのは、その各デパートにおいて先のお話のありました実際賣上料というのは、全部の費用を引いてその百貨店澤地或いはその関係者に現金渡したその額でございます。例えば白木屋は八百五十三万三千五百六十円二十六銭、そうして田邊が厚生省を通じて関係方面に出したのは五百七十六万三千余円とこういう……
  143. 大村哲雄

    ○大村説明員 白木屋の場合に八百五十三方原千五百六十六円三十六銭という。
  144. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 この問題は実際に……
  145. 大村哲雄

    ○大村説明員 それはこういうふうになつているんですよ。決算書を作る場合に別に金も何も持つて行かずに、これだけの收益があつたからと、署名もせずに決算書を作らしておる場合があるんです。
  146. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 形式はどうでもいいんですか、あなたの方でお調べになつて、そうして各関係のデパートで合計三千六百三十八万一千九百三十円五十銭の賣上げをした、これは総賣上げである、いわゆる総純益であつた、こういう意味でございますか。
  147. 大村哲雄

    ○大村説明員 いやそうじやありません。それは先程申しましたように、三千六百万円と決算書面の二千万円の差額が千七百万円あるが、この中には正当に認められるところの手数料もある、手数料といいますのは百貨店の方で倉敷料として取つたものもありますし、又全然外部で口開き料として二万三万貰つた、こういうところも含まれておると申しましたが……
  148. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 こちらの方では、賣上げ総額は、これはむしろ残品も入れてもの話でございますけれども、これは残品を入れないデパートだけの額でございますね。三千六百万円の金は、いわゆる事務費その他一切の雜費を含めたものものでございますね。賣上げの総額でございますね。
  149. 大村哲雄

    ○大村説明員 そうです、総額です。
  150. 山下義信

    委員長山下義信君) 残品の賣上げだけでしよう、三千六百万円は。
  151. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 残品の賣上げですか。
  152. 大村哲雄

    ○大村説明員 そうです。
  153. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 第一回の品物の……
  154. 大村哲雄

    ○大村説明員 バザーでは殆んど赤字です。これは決算書を御覽になりますと、田邊武雄氏が提出したあの厚生省へ出しました決算書を御覽になつておりますか。
  155. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 おります。
  156. 大村哲雄

    ○大村説明員 あれで御覽になつて頂くとバザーでは殆んど赤字で、東京の白木屋の場合などでは百貨店経費を補填するために、バザーを終つてから百万円からの商品を統制品外の物を賣つて、そうして金を白木屋へ持つてつてつておるような始末で、これは私共の方で調べましたのはこれは残品の整理の場合だけを言つておるんです。あの第一回のバザーの時のやつは問題にしておりません。これはまた百貨店からの決算書を田邊氏が集めまして、そうしてそれによつて厚生省へ出す決算をしております。
  157. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 そこで残品の処理では儲けたが第一回のバザーのときでは損をしたとなると、結局両方合計しないと話がつかんのじやないか。
  158. 大村哲雄

    ○大村説明員 そうですね。
  159. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 だからこれだけの金を残品のときうんと儲けた、儲けたからこれだけ残るべきものであつて、これだけ隱匿してこれだけ使つたということで……
  160. 大村哲雄

    ○大村説明員 そうは言つていません。その一千七百万円の差額の中には、必要と認められる経費も入つておりますしいろいろのものが入つているけれども、我々がこれをやるには純然たる刑事事件が入つているものですから追求できないわけなんです。経済調査官に與えられました司法警察権の範囲内ではやれないから、ただ数字としてはこうこうこうなる、この中にはこうこうのものも入つている、こういうわけなんですよ。
  161. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 それは分るんです。その場合にバザーの賣上げも加えて檢討することを経済調査ではやらんでもいいんですか。前にうんと損をしているんです。商賣というものはそんなものじやありませんか。
  162. 大村哲雄

    ○大村説明員 むしろ経済調査廳は経済法令に関する直接違反があればやれますけれども、もうこれだけの大体元金を千四百万円使つちやつているのだというような大きな事犯が出てしまえば、我々の方として小さなところを末梢的に突つき廻すのはおかしいんですね。早く相当機関に引継ぐ方が適当ですね。
  163. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 刑事問題はそれでいいが……
  164. 大村哲雄

    ○大村説明員 ですから細かい数字の檢討であるとか、それから証拠蒐集とかいうことも差控えているわけであります。
  165. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 それで第一回のバザーに九百万円程損をしている。もう合計全部で九百万円程損をして、この残品の処理のときにこういう数字が出て來た、そのときには一應この御調査になる一つの基本としては、残品処理のこの数字だけではどうも理論的に工合が惡いんじやないですか。
  166. 大村哲雄

    ○大村説明員 ちよつと待つて下さい、九百万円損をしているか……
  167. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 この報告によると二千三百万円賣上げて、雜費が三千二百万円であつたら約九百万円でしよう。
  168. 大村哲雄

    ○大村説明員 雜費ですが、閉鎖機関バザーの賣上が二千三百二十七万五千八百五十一円で、閉鎖機関の商品代が二千万円、百貨店経費が七百万円。
  169. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 三千二百万円要つている。
  170. 大村哲雄

    ○大村説明員 いや、二千七百万円じやないですか。
  171. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 二千七百万円は私の申上げるのは第一回の話ですよ。バザーの話です。バザーには二千三百万円賣つた。
  172. 大村哲雄

    ○大村説明員 そうです、バザーでは二千三百万円ですね。
  173. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 だから從つてバザーの金も残品の金も両方入れて考えないと、今の御報告の話はただ残品の金だけとこういう話で、これを論じて來ると工合惡くないかという氣がしたが……
  174. 大村哲雄

    ○大村説明員 分りました。それでは名古屋の丸栄さんの場合あたりは残品が四百九十八万九千六百三十一円となつている。残品の販賣額はこれで仕切つて純粹に五百八十八万円が脱けている、諸掛りも何もこれは認めない。それで東京の白木屋の場合も五百七十六万三千円賣れております。これが二百七十七万円ぐらい田中正三という人が儲けている。百貨店経費も何も入つてない。百貨店経費は、GHQへ出した残品の賣上額で以て決算をしたことになつてつて、やられているわけですから。
  175. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 私は大変先の御報告を有難く思つたわけです。一つの資料にしたいとこう思つて更に檢討すると、そんなら実際にこれだけ賣上げているじやないか、報告には早く言つて誤魔化してこれだけしか報告しておらずに、あとは隱匿というか隱れている金がこれだけあるじやないか。こういつた場合にはこれは残品の処理だけあなたは見ているのではないか。第一回のバザーにこれだけマイナスになつている、これを入れて差引いてこれだけ多くなつたということを答弁された場合に、さつきのいわゆる資料が生きて來ないので、そういうものを入れて大体第一回のバザー残品のときもこれで、普通の賣上げはこれだけあつて実際はこれだけあるべき筈だ、報告にはこれだけしかしていない。從つて余分にお話のように、あつちこつち使つた金がこれだけあるという数字が欲しいわけです。
  176. 大村哲雄

    ○大村説明員 ああそうですか。それなら例えば東京の白木屋の場合は純然たる隱れた金ですね。これは田邊さんあたりが知らない金、純然たる隱れた金二百七十七万円、東京の白木屋の場合ですよ。それから名古屋の丸栄さんの残品を処理した段階において実際に隱れた金が五百八十八万二千円、これは田邊さんの許にいる澤地さんから委任された田中という人が、この二つの二百七十七万円と五百八十八万円を取つたわけですから、だから田邊さんの方では、白木屋さんには決算書面で賣れたということで処理している。丸栄さんの方はGHQに出したあの金額で以て決算しているから、この田中正三氏が儲けた金は、これは全部完全に隱れてしまつている金ですね。それからさいかやの場合には斡旋者に十一万円ぐらいやつております。三十二万六千円の中に。ですからその差額はこれは田邊商店側がお取りになつたのものです。それから大阪大丸のやつは四十七万六千円隱れていますが、これは海外引揚者大阪連盟の方にマージンとして四十七万六千円やつたと言つておりますが、このマージンが正当であるかどうかということは檢討の余地がありますが、一應私の方でははつきり分つているからこれは引いていいと思います。それから大阪高島屋では三百三十八万六千九百九十六円が隱れておりますが、このうち正当と見られるのは、大建産業がエデンのバイヤーに賣つたときに使いました五十六万七千円の手数料がこれは正当と見ていいと思います。ですからこの中から五十六万円引いた後は、澤地久男という者が三十万円ぐらいこれは田邊氏のアツシスタントつまり協力者である澤地久男等が受取つておる。それから更に澤地久男が百八十八万円ぐらい取つております。ですからこの大阪高島屋残品処理では、大建産業に拂つた諸掛りと利益金五十六万七千円弱はこれは正当と見ていいでしようけれども、後は隱れた金で、それで決算をしたのですから。
  177. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 結構です。
  178. 山下義信

    委員長山下義信君) 三千六百万円の残品の賣上金額というものはどういうふうにして掴まれましたか。
  179. 大村哲雄

    ○大村説明員 これは東京の白木屋、久留米衣料品商業協同組合その外八組合が荷受けしておりまして実際に拂つた金です。それからさいかやの場合も私は行きまして、さいかやに拂つた金は二百二十八万六千円ですけれども別に田邊氏が取つております。これは金を拂つた人が経済外交と言つておりまして、さいかやの品物を引張るときに横浜シルク株式会社の鈴木不二彦という方がどこどこの銀行の小切手で幾ら幾ら爲替で幾ら々々併せて二百六十一万三千円拂つたというのであります。名古屋の丸栄さんのものは、新潟の小林百貨店、大和百貨店が小切手で幾ら約束手形で幾ら支拂つたという答申書に基いて進めて行つたのであります。大阪大丸高島屋のものはそれぞれ大阪、奈良、和歌山、滋賀等の引揚者團体がなつておりますから、そこへ行つて幾らどういう金で拂つたか、引揚者團体はおのおのの土地の銀行に約束手形を入れて金を作つて買入れましたというわけで、そういうふうな裏付のあるもので、支拂つた金には間違いありません。
  180. 山下義信

    委員長山下義信君) よく分りました。残品処分百貨店でなされたということになつておりますが、これが一々功利的な業者と考えていたので大変掴みにくかつたんですが、その処分は今おつしやつたように慈善團体が受けたのが多いのことが分るわけですね。
  181. 大村哲雄

    ○大村説明員 そうです。これは團体でなければ処分ができない。國内的に通商産業省の、今の通商繊維局ですね、そこから一々何々縣知事にこの振替割当をするというように、田邊氏や西村氏やそれから委託を受けた田中正三さんあたりが、全部販賣先を見つけて通産省の指令があれば貰えるようにお膳立をしまして、そして通産省に行つて膳立ができましたから公文で指示を願いたいと言つて関係知事、関係百貨店尼の公文書を出して貰つて、直接その指令を出して貰つて縣に行くというのです。
  182. 山下義信

    委員長山下義信君) バザーだけが販賣に直接関係があつたので、残品処分の場合にはただ正規の手続の品物を搬出することだけが百貨店関係があつて、実は幾ら賣るということも誰が利益を取るということも百貨店には関係がない。百貨店を舞台にして残品処分という一つの取引ブローカーをやつておつたということが実相なんですね。
  183. 大村哲雄

    ○大村説明員 それはその通りですがもつと善意に考えてやつても……。大体閉鎖機関の出ましたものは、通産省の指示によつて、これは衣料品配給規則による登録小賣業者ですから、そこへ品物が行つたわけです。それが日本銀行の口聞きで金を借りてそれでバザーを開いた。そこで通産省としては大阪のものは大阪、福岡のものは福岡というように、縣知事に振替割当をするぞという國内手続をして、こつちからこつちの新らしい百貨店、登録業者に行くように流さないと、形式的な衣料品配給規則、臨時物資需給調整法に違反することになるのですから、そういうような順序を履んでいるんです。百貨店の意向を聞きますと、自分の方で残品処理をしたかつたけれども、バザーだけを委託されたんですから、残品処理は委託されなかつたんですが、私共がやると言つたこともありますし、これはまあ賣るときにこれだけの品物が一回のバザーでもつて終るか終らんか、賣切れるかどうかというふうな正しい計画をやつたかと聞きますと、まあまちまちなんですね。賣れると思つたという人もありますし、大丸などでは明らかにこれは半分以上が残るという予想の下に第一回のバザーをやつたんだということも言つております。ですからまあその品物バザーのときに賣つていいものと惡いものと、残すやつを押えているんですね。賣つちやいかないということも……
  184. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 第一回のときは……
  185. 大村哲雄

    ○大村説明員 第一回のときはこれは善意に解釈してやつていいのです。惡いものだけ残つては困るからいいものも残せと、第一回のバザーに欲しいと言つて來たものだけ賣つて惡いものだけ残して困るから、A、B、C、上、中、下、一定の比率で以て残せと言つて残したということも言うております。東京の白木屋でも大阪大丸でも非常にそういう点ではもやもやしているところがありますけれども、これは余り大したことではないから言つて置きませんが……
  186. 山下義信

    委員長山下義信君) 残品処分の取引決済のルートはやはり百貨店を経由しておりますか。
  187. 大村哲雄

    ○大村説明員 いや経由しておるところもありますし経由としておらないところもあります。この中で東京の白木屋は経由しておりません、直接取つております。それからさいかやはさいかやを経由して田邊武雄氏のマネージャーが取つております。それから名古屋の丸栄さんは名古屋の丸栄さんのところへ送つてそれから受取つております。それから大阪大丸残品は殆んど大丸へ大部分が入つております。一部は大丸を経由しないが大部分は大丸さんを経由しております。大阪高島屋の場合は、これは全然高島屋を経由せずでこれだけ賣れたからということで、大阪の大建産業、大阪鉄道局天王寺管理部、滋賀縣引揚者團体がこれこ賣れたと言つて綺麗に金額を書いて來て、これで決算書を作つて呉れというふうにして決算書を作らしたのであります。
  188. 大村哲雄

    ○大村説明員 御参考までに申上げたいことがありますが速記の方をできれば止めて下さい。
  189. 山下義信

    委員長山下義信君) ちよつと速記を止めて下さい。    〔速記中止
  190. 山下義信

    委員長山下義信君) 速記を始めて。東京経済調査廳調査官には御苦労でありました。この程度であなたの方の御意見を承るのは終了したことにいたしておきます。
  191. 塚本重藏

    委員外委員塚本重藏君) 実はフラナガン神父の來朝記念の社会事業資金造成バザーの件につきましては、今関経者からそれぞれ聽取があり事情が明らかになつた点がありますので、私が大阪大丸百貨店及び高島屋百貨店について聞きました点、これはまだ全部終結いたしておりませんか、私自身も尚深く追求しなければならんと考えておりますが、時間の関係只今まで分つておる点だけを極く簡單に御報告をさして頂きます。大阪におきましては、大体品物の受渡しについては、閉鎖機関の整理委員会の代表者と受益者團体の代表者と大阪府商工課との打合せの下において、授受が行われておるということであります。そうして先に高島屋の分から申上げますと、極く簡單にいたしておきますが、大分明らかになつた点がありますから……。昭和二十三年の十一月の十六日から二十一日まで六日間でありますが、実際は日曜がありますので五日間バザーをやつております。これは大丸の場合も同様でありますが、高島屋におきましては國内向のバザーと外人向のバザーとに分けてありまして、國内向のバザーの賣上金が四百二十二万七千百六十九円二十銭、外人向のバザーの賣上金が一百九十五万八千二百八十八円十銭であります。そこで尚残品が残りまして、これを処分いたしまするのに、先に話がありましたように、大阪ではこれは大丸の場合も一緒でありますが、新生活協同組合というのがありましてこれに残品処分をさせようと、こうしたところが登録小賣店の資格を持つておりません関係から、更に引揚者更生連盟にもこれを取扱わせるということにし、大阪府の保護課を通じてこれを代行せしめておる、引揚者更生に代行せしめておる、こういう形をとつております。そうして今のお話で大体明らかになつておるように、この残品処理につきましては、大阪府の商工課も立会いまして残品をそれぞれの團体渡しておりますが、百貨店からの計算報告というものは、ただそれぞれの賣捌きました團体から、これだけの賣上げがあつたという報告だけを纏めて、それを計算書の中に書き上げて來たというような事情になつておることは先程の話の通りであります。それから高島屋の場合には大阪府の鉄道局天王寺管理部と滋賀縣と、それから大建産業株式会社神戸支店、主にこの大建産業の場合は外人向の品物渡しておるのであります。それの賣上金が三百八十九万八千五百十二円四十二銭、こういうことになつております。そうして高島屋がこのために使いました支出を調べてみますと、閉鎖機関整理委員会に支拂つた額が、先に話がありましたように、開鎖機関に対する原價に一部の取引高税を加えた額三百八十六万五千六百六十四円十五銭、それから高島屋が直接拂つた取引高税が三万八千六百五十六円六十四銭、更に高島屋の取引手数料とか取引諸経費そういうものが百七十八万六千八百五十一円八十五銭、その総額五百六十九万一千百七十二円六十四銭となつております。そうしますと受益者團体高島屋渡した金が四百三十九万二千七百九十七円八銭、こういうことになつてこの金はすべて受益者團体渡してある。渡したのは全日本キリスト教社会事業連盟参事の西村儀三郎を通じて渡した、こういうことであります。それから大丸の分も大体ここに報告がある数と一致しておるようであります。ただこの場合残金の処理については先程申しましたような引揚者更生連盟を通じてやらせる、流し先は滋賀縣、奈良縣、和歌山縣、それから鉄道運輸部の湊町管理部、天王寺管理部等に流しておるわけであります。そうして大丸が実際の純益として受益者團体渡した金の総額というものは五百三十一万三千五百二十円五十九銭、報告書には五十七銭となつておりますが、二銭の差額はどこにあるか分りませんがそういうことになつております。そうしてその金の授受でありますが、大丸では二月の十四日に西村儀三郎氏に五万七千八百七十一円八十二銭、四月の十四日に百十五万三千二百四十三円、五月十八日に二百六十八万九千七百五十五円三十一銭、七月六日に一万二千七百円四十六銭、こういうふうにそれぞれ直接大丸から西村儀三郎氏に渡した。それから滋賀縣、奈良縣、和歌山縣の分は、その当時経済調査廳の方に関係書類が行つておるので十分のことは分りませんでしたが、大体滋賀縣が百万円、奈良縣、和歌山縣は共に九十万円の純益があつたと思われる、こういうことであります。これらの詳細については尚書面を以て私の手許まで出す、こういうことになつておるわけであります。ただ私共の感じた点は、先きに我々の手に渡された経過報告書ですか、あれによりますと、本年の九月十六日に受益者團体がそれぞれ協議の上で、この清算経過についての説明書ができておりますが、そのときにはこれらの金は尚百貨店に保管せられてある、こう報告せられておるのが、事実は、先きに申しましたようなそれぞれの月日において、この枠で受益者團体の代表である西村に渡された。大丸の場合においても大体同様の事情にあるということが分るわけであります。この点について随分深い疑義が持たれるわけでありますが、大体私の調べました点では不十分でありますけれども以上の点が明らかになつており、報告申上げておきます。
  192. 山下義信

    委員長山下義信君) あり難うございました。それでは本日はこれを以て散会いたします。    午後零時三十五分散会  出席者は左の通り。    委員長     山下 義信君            草葉 隆圓君            竹中 七郎君            姫井 伊介君   委員外委員            塚本 重藏君   説明員    本門佛立宗社会    事業連盟    田邊 武雄君    閉鎖機関整理委    員会資産処理局    雜貨部長兼繊維    課長      平野 英哉君    東京管区経済調    査庁査察部監視    課経済調査官  相川万次郎君    東京管区経済調    査庁査察部監視    課経済調査官  大村 哲雄君