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1949-07-25 第5回国会 参議院 厚生委員会 閉会後第2号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十四年七月二十五日(月曜日) 午前十時四十二分
開会
————————————— 本日の
会議
に付した事件 ○
社会保障制度
に関する
調査
の件 (
失業対策
及び
生活保護法
の
適用状
況に関する件) —————————————
塚本重藏
1
○
委員長
(
塚本重藏
君) これより
社会保障制度
の
調査
に関しまする
委員会
を
開会
いたします。 本日は、去る二十日の
社会扶助
の
調査
をいたしましたときに、現下緊急を要する重要問題の
一つ
として、本
調査会
においては先ず
失業対策
に
相当力
を注いで行かなければならん、こういう必要に迫られておりまする現況からいたしまして、先ず
政府
の持
つて
おりまする
失業対策全般
を一應聽取する必要がある、こういうことになりましたので、それぞれ
関係当局
の
出席
を求めて置いた次第でありますが、
只今官房長官
並びに
社会局長等
は、
司令部
の方にそれぞれ
用件
を帶びて出ておられますから、
只今労働省
の
職業安定局
の
失業保險課長亀井
氏、
局長
の
齋藤
氏、それから
厚生省保險局
の
庶務課長
の堀岡氏、それから
厚生省
の
社会局厚生課長黒木
氏、それから
兒童局長
の小島氏、以上内席しておりますので、これよりそれぞれの
相当事項
についての
失業対策
を聽くことにします。
山下義信
2
○
山下義信
君 これは
皆さん
にお諮り願いたいのですが、
前回
は
失業対策
と
生活保護法
の
適用
の
関係
で、
政府
の
失業対策
の
方針
を聽かなければなりませんので、
官房長官
、
政府代表者
、或いは
労働大臣
、
厚生大臣
の
出席
を求めて置きました。詳細なことももとより
承知
したいのでありますが、大体
政府
の肚を聽いて、どの
程度生活保護法関係
について我々がその
関係
の
調査
をしなければならんかという
見通し
を得たいというのが
主眼点
であつたように思うのでありますが、その点どういうふうに今日の議事の運び方をなさいますのですか。
塚本重藏
3
○
委員長
(
塚本重藏
君) 今
山下委員
御
指摘
の
通り
、この前の
委員会
で、
失業対策
としての
生活保護法
を如何に
適用
せしむるように
改正
するかというようなことが審議せられまして、それを進めて行く上において、今
山下
氏御
指摘
のように、先ず
政府
の
対策
を一應知
つて
置く必要がある。それを我々考慮しながら我々の
社会保障
を如何にすべきかということを審議を進めて行こうと、こういうことで御
出席
を願つたものと思います。
厚生大臣
は
病氣
であられまするし、それから
労働大臣
は
出席
を約束しておられましたが、これ又昨日來
病氣
とのことであります。そういう
関係
で両
大臣
の
出席
のないのは甚だ遺憾でありまするが、さつき申述べましたような方々の
出席
を得て、一應我々が
生活保護法
を
失業対策
に
適用
せしむるように進めて行く上に必要と思われる点が
中心
でありまするから、それを
中心
にして一應
政府
の持
つて
おられまする
失業対策
、今後どういうふうにして行こうという
具体案
を持
つて
おられるのか、そういうことを聽きたいというのがこの会の趣旨であります。
山下義信
4
○
山下義信
君 了承しました。ですから、その線に副うての御
説明
を伺いたい。もうすでに
新聞
に出ておりますることとか、第五
國会
の
委員会
の
速記録
に現われておりますることとか、或いは本
会議
で御
説明
がありましたようなことをここで繰返して御
説明願つて
も、時間的に無駄でありますから、今の線に副うて我々の
参考
になる点を御
説明
下さるならば聽取いたしたい。その後で
前回
なり
只今
申上げましたような、
政府
の今後の
方針
の大体の
所見
を是非これは聽かなければ、我々は
関係
の
調査
の進め方がないと思いますので、どうかそういうふうにお取運びを願いたいと思います。
塚本重藏
5
○
委員長
(
塚本重藏
君)
皆さん
御
異議
ございませんか……。御
異議
ないものと認めます。
官房長官
並びに
社会局長
も、
司令部
の方の
用件
、済めば御
出席
になると思いますから、先ず
労働省
の
職業安定局
の
失業保險課長
或いは
局長
、どちらからでもお話を願いたいと思います。
齋藤邦吉
6
○
説明員
(
齋藤邦吉
君) 私
労働省
の
職業安定局長
でございます。私から
政府
の考えております
失業対策
の
概要
につきまして御
説明
申上げまして、尚
生活保護法
との関連で重要でありまする、
失業保險
につきまして
簡單
に御
説明
申上げたいと思います。 私の方の考えておりまする
失業対策
は
段階
的に申上げますると、これはもう私から申上げるまでもなく第一
段階
としては、結局
國民経済
を
拡充
することによ
つて民間雇用
を
増大
せしめるというのが根本であることは当然であります。即ち
國民経済
が
拡充
され、
民間雇用
が
拡充
されて参りますれば、当然に
失業労働者
はそこに
吸收
されるのでありまして、
失業問題究極
の
解決
は、
國民経済
の
拡充
にあるという点は申すまでもないことであります。これがために
政府
におきまして努力いたしておりまする問題といたしましては、
二つ
あるのでございます。
一つ
は御
承知
の
自立経済確立
のための
輸出産業
を急速に振興せしめようという問題であります。この問題につきましては、当初御
承知
のように本
年度
六億ドルの
輸出計画
を
中心
として、諸般の
計画
が進められておつたと
承知
いたしておるのでありますが、最近におきまして御
承知
のように滯貨の累増、或いは
解約等
の現象も起りまして、我が國の
輸出産業
の
見通し
というものが、非常に困難な、或る意味から申しますと悪化しておるような
状況
に相成
つて
おるのでありまして、この点につきましては、現在のところ
経済安定本部
が
中心
になりまして、我が國の
輸出産業
を如何に急速に
拡充
して行こうかという総合的な
施策
を練
つて
おるような次第でございます。 第二点の問題は見返
資金
の
拡充
によりまして
運用
によりまして、我が
國國民経済
を
拡張
さして行こう、こういうことであります。これにつきましても、御
説明
を省略いたしまするが、先般
來民間投資
並びに
公供的事業投資
というこの
二つ
の
方針
を決めまして
関係方面
と
目下折衝
中であります。御
承知
の
民間投資
といたしましては、我が國の
基幹産業
でありまする
電氣
、
石炭
、鉄、
造船等
の
拡充
を図
つて
行こうというのであります。こうした
民間投資
の結果といたしましては、
電源開発等
によりまして、
相当
の
民間雇用量
の
拡充
が
期待
されるのであります。それと同時にその外の
基幹産業
につきましては、さほど
民間雇用量
の
増大
は
期待
し得ないにいたしましても、少くともそこからこの
失業者
を生み出すことのないように、即ち失業防止的な大きな
効果
を持
つて
おるということを
期待
されておるのであります。それと同時に公共的な
投資
、即ち
労務者用
の住宅の建設或いは水道の
復旧
、或いは電話の
復旧
といつたふうな公共的な
投資
につきましても、御
承知
の百億
程度
の見返
援助資金
の
運用
によりまして、或る
程度
の
民間雇用量
を
拡充
いたしたい。こうした、公供的な
事業
の
投資
によりまする
民間雇用量
は、大体十万以上と推定されております。
基幹産業
における
民間投資
による
雇用量
の
拡充
と相俟ちまして、約三十万の
民間雇用量
の
増大
を
期待
しておりまして、その線に副うて
目下
のところ
関係方面
と
折衝
をいたしておるような次第でございます。以上申上げましたことが、いわゆる
失業問題究極
の
解決
でありまする、
國民経済
の
拡充
という面についての
政府
が今日努力いたしておりまする点であるのでございますが、こうした
國民経済
の中に、將來どの
程度失業者
が出るかは分りませんにいたしましても、出ました
失業者
を全部が全部
吸收
し得るということは、私共といたしましては
期待
することは困難であるのであります。そこでどういたしましてもここで
政府
におきましては、臨期應変な
失業対策
的な
事業
を、
政府
の手によ
つて
これを行
つて
行くということが絶対必要にな
つて
参
つて
おるのであります。これがいわゆる應急的な
失業対策
でございます。これにつきましては諸
外國
ともいずれも同じでありますが、
金銭給付
によりまするところの
対策
と
仕事
を起しまして、
仕事
によ
つて
救済
して行こうという方法と
二つ
ありますることは御
承知
の
通り
であります。即ち
金銭給付
によりまして
救済
をして行こうというのが
失業保險事業
であり、
仕事
を授けて一時その
救済
をして行こうというのが
公共事業
と
失業対策事業
の
二つ
であるのでございます。先ず
金銭的給付
の方から申上げますると、これが
昭和
二十二年十一月に我が國に初めての
失業保險制度
というものが生み出されまして、その後極めて順調な経過をたど
つて
今日に
至つて
おります。尚去る第五
國会
におきましては、
失業保險性
の
改正
をみまして、その
内容
におきまして
画期的改正
をいたされたのであります。
失業保險事業
の今日までの大体の
事業
の運営の
概要
につきまして、お
手許
にお配りいたしてありまする
資料
によりまして
簡單
に御
説明
申上げたいと存じます。
失業保險事業概況
というお
手許
にお配りしたしてありまする
資料
を御覧頂きまして、一枚目の
裏ページ
を御覧頂きますれば、本年四月の
適用事事所数
と被
保險者数
が記載されております。即ち
適用事業所
の数は、四月末で十三万七千七十四工場でありまして、被
保險者総
数五百四十九万であります。更に
失業保險
につきましては、この前の
臨時國会
におきまする
改正
によりまして、
適用事業
の
拡張
をみることになりまして、
土木建築
、映画、旅館、
料理店業
の
接客事業
もこの
適用事業
に加えられることになりましたので、八月一日から
適用
されることになります。これによりますと、
適用事業所数
が三万三千、被
保險者数
が五十万でありまして、この
改正
によりまして、八月一日以降におきましては、約六百万
程度
の被
保險者
がこの
失業保險制度
の
恩惠
に浴し得ることにな
つたの
であります。 尚この
事業
の
保險料
、これは御
承知
の
保險経済
として動いておりまするので、收支合するように組立てられております。そこで先ず
民間
からの
保險料
の
徴收
の
成績
でございますが、これは
昭和
二十二年十一月に開始せられまして以來、四月
末日
までの
保險料徴收
の
成績
は、五十三億三千二百五十一万五千四百十四円であるのでありまして、
給付
といたしまして、四月
末日
までに支出いたしました金は、三枚目の
裏ページ
にありまするように、
保險金
と
保險給付
、すべてを併せまして約四億八千七百七十万三千三十一円というもの
保險給付
として支給いたしておるような
状態
であるのでありまして、前
年度
、三月末まで約五十億の
剩余金
を生み出しておるのでございます。この五十億の
剩余金
は、
預金部資金
に預けてあるのでありまして、
將來企業整備等
の
深刻化
に伴いまして、本
年度
の
特別会計
において賄い得ない
状態
になりますれば、その
預金部資金
に預けてありまする五十億を又繰入れまして、これを支出して行こうということにな
つて
おるのであります。併しながら現在までのところでは、前
年度
の
積立金
五十億まで支出するという
段階
には
至つて
もおりません。むしろ左様なことが本
年度
中に起るとも
期待
をいたしていないのであります。何故かと申しますれば、本
年度
の
特別会計
の全貌を申上げますれば、本
年度
の
特別会計
における
民間
からの
保險料徴收
は百億であります。成立いたしました
予算
における國の繰入は二十億でありまするけれども、國の繰入は
業務支出
でありまするので、
民間
から
徴收
いたしまする
保險料百
億を全部使い切るためには、百億の半分でありまする五十億を
政府
は支出しなければならないのであります。
予算
的には二十億の繰入れにな
つて
おりますが、
將來失業
が深刻になりますれば、当然更に三十億を追加して行かなければならないのであります。この三十億は
予算
の補正を必要とせず、
業務支出
でありますので、当然それを支出しなければならない形になります。そういたしますと、本
年度
の
特別会計
といたしましては、
民間保險料百
億、これに見合う國の
業務負担
五十億といたしますれば百五十億でありまして、百五十億の
金額
と申しまするのは、大体六ケ月間
給付
することになりますると、大体
平均
三万円になるのであります。そういたしますと、約五十万人の者を半年間
救済
することができるということになるのであります。五十万人
吸收
するということは、結局毎月二十五万人の
失業保險
の
受給者
に金を支給するということでありまして、二十五万人の幅で今年の四月から來年の三月まで
吸收
し
救済
することができることになるのであります。そこで現在
失業保險
の支給によりまして、その
生活
を保護されておる
労働者
の数はどのくらいであるかということでありますが、昨年の八月、九月頃までには
失業保險
の
適用
を受けまして
救済
されておりました数は極めて少なか
つたの
であります。併しながら最近におきましては、逐次殖えて
参つて來
ておりまして、お
手許
にお配りしてあります
資料
の一番
最後
の少し長い表にな
つて
おりまする
失業保險業務速報
というのを御覧頂きたいと存じます。
失業保險業務速報
の裏から二枚目の表の
ページ
に
初回
第二表の一というところでございます。第二表の一のところの(4)に、
初回受給者数
というのがございます。それを御覧頂きますと、即ち昨年の四月から今年の五月末までにおける
初回受給者数
がずつと列挙されております。即ち
失業保險給付
を受けまする‥‥域首せられました後に初めて
安定所
に現われまして、そうして
失業保險
の
給付
を初めて受けた者の数、その月において止めて受けた者の数が出ておるのであります。即ち昨年の四月、五月
程度
は殆んど数はありませんでした。大体において
民間
の
企業整備
が時期的にずれておりました
関係
上、昨年大体十二月頃から
企業整備
が逐次行われて、それが進んで來ております。即ち去年の九月におきまして初めて
安定所
に現われました
数字
は九千二百人でありましたが、一月になりますと殖えまして一万人になり、二月も一万人、三月が一万三千、四月になりますと二万三百七人、五月になりますと約三万人という
数字
に相成
つて
おるのであります。そうして五月に初めて現われましたのが三万人でありますが、これによりまして五月中に
失業保險
の
給付
を受けた者の実
人員
の総数は約八万五千人
程度
であるのでございます。即ち今年五月
失業保險
の
給付
によりまして、その五月中の
生活
を保障されたものの数が約八万五千人という数に相成
つて
おる次第でございます。尚御
参考
のために申上げておきますと、最近におきまする
失業保險金額
は先般の
改正
によりまして、
退職
当時の
賃金
の
平均
一律百分の六十ということになりました
関係
上、
失業保險給付
の額も極めてよく相成
つて來
ております。
一つ
の例を引いて申上げますと、本年三月におきまする
工業労働者
の
平均賃金
は八千二百二十五円でございます。そういたしまして
失業保險金
といたしまして、支給されまする額は五千十円でございます。そういたしますと、
工業労働者
の
平均賃金
八千二百二十五円でありまして、
手取り賃金
は
平均
いたしまして六千六百八十二円であります。
從つて失業保險給付
が五千十円といたしますれば、
工業労働者
の
退職
時の
手取賃金
に対しまして、約七四・九%、即ち
手取賃金
の七五%に該当する
金額
を
失業保險金
として支給されることにな
つて
おるのであります。更に
商業労働者
の例を引いて申上げますれば、
商業労働者
の本年三月の
平均賃金
は
工業労働者
よりも高いのでありまして、一万四百三十一円でございます。それに対する
手取り賃金
は八千百六十九円でありまして、
失業保險金
は六千三百円の
失業保險給付
になるのでございます。尚
石炭鉱業分
は九千六百三十二円でありまして、
手取額
は七千六百六十八円、これに対しまして
失業保險金
は五千八百五十円でございます。これは二、三の例を申上げたのでありますが、本年、三月の
工業労働者
その他の
労働者
の
平均賃金
を基にいたしますると、大体におきまして
退職
当時の
手取り賃金
の七五%
程度
に該当する額が、
失業保險金
として支給されるということになるのであります、この
失業保險金
につきましては御
承知
のように
税金等
が課か
つて
おりませんので、一應失業時の
最低生活
を保障するには十分なものと私共は考えておるのでございます。尚この
失業保險
につきましては、先程申上げましたように、
保險経済
として極めて強固な
経済
に立
つて
おるのでありまして、私共は本年程中に約五十万人もこれによるものが出て來るとは
期待
いたしておりませんが、さようなわけで五十万人即ちこれを毎月に計算いたしますと、毎月二十五万人の
人々
がこれによ
つて
吸收
されることにな
つて
おりますが、さように
失業者
が、沢山出て來るとは今日まで私共のところでは
期待
もいたしていない
状態
であります。尚
失業保險
につきまして問題であります
日雇労働者
につきましては、失業しますと深刻な
情勢
になりまするので、本年十一月から
日雇失業保險制度
が我が國において始めて実施されることにな
つて來
ると思うのであります。先般來
東京
その他で失業問題がやかましく叫ばれておりましたが、主として
東京
都、或いはその他で叫ばれました
日雇労働者
のあぶれ問題であ
つたの
であります。しかし
日雇員業保險制度
が実施されました曉には、いわゆる
日雇労働者
のあぶれ問題につきまして、極めて大きな
効果
を奏するものと
期待
いたしておるような次第であるのでございます。 次にこの
失業保險制度
は
金銭
によるところの一時の
應急措置
であります。併しながら
失業保險制度
は御
承知
の五人以上の
工鉱業
につきましての
適用
でありまして、五人以下の
工鉱業
には
適用
はございません、更に又引揚者についても
適用
ございません。或いは又御
承知
の
農村等
におきまする潜在しております
失業者
が、顯在して参ります際にも
適用
はないのであります。そこでこうした
人々
に対しましては御
承知
の
公共事業
と、
失業対策事業
という
二つ
の
仕事
を授けるやり方による
應急措置
を講じておる次第でございます。
公共事業
につきましては、大体本
年度
の
予算
約五百億で約四十五万人の実
人員
を就労せしめる
計画
にな
つて
おりまして、
失業者優先
の原則に則りまして、この
公共事業
に
失業者
を
吸收
せしめるごとく努力しております。昨
年度
の
実績
を申しますと、昨
年度
におきまして実
人員
約五十万人でありましたが、
公共職業安定所
の窓口から約十万人の
失業者
を
公共事業
に就労せしめてお
つたの
であります。本
年度
におきましても、先般第五
國会
におきまして通過いたしました
緊急失業対策法
による、いわゆる
失業者吸收率
を法律の
規定
といたしましたので、この
規定
によりまして
失業者
を更に一層
公共事業
に就労せしめたいと思
つて
努力いたしておるような次第であります。
公共事業
はその
程度
にいたしておきます。 次は
失業対策事業
でございます。この
失業対策事業
は御
承知
にように、
最後
の
土壇場
においていわゆる
仕事
を授けて
失業者
を
救済
して行こうという
事業
でございます。初めから
失業対策事業
を起そうというのではないのであります。即ち
民間産業
に斡旋をし、更に又
公共事業
に斡旋し、或いは又
失業保險制度
によりまして
民間
の
企業整備等
によります
失業者
を、いわゆる
失業保險
によ
つて
救済
する、そうしてその六ケ月の期間が切れて後、どうしても
仕事
がないという場合に、始めて発動するところのものであるのでございまして、この
事業
は飽くまで
失業者吸收
ということのもを目的といたしまして行われるところの
事業
であります。この
失業対策事業
の
予算
は、先般通過いたしました
予算
におきましては約八億でございまして、これによりまして実
人員
四万人の
失業労働者
を
吸收
することができる建前にな
つて
おるのであります。この
失業対策事業
は、先般
皆さん方
すでに
新聞紙上
で御
承知
にように、
東京
で日傭い
労働者
があぶれまして、いわゆる
東京都知事
、或いはその他のところに居座り戰術をやりましたときに極めて大きな
効果
を奏しましたのであります。当時
東京
都におきましては本
年度
の
公共事業
が
一つ
も行なわれていなか
つたの
でありますので、特に日傭い
労働者
がどこにも
仕事
がないという
状態
が今日まで約四・五ケ月程続いてお
つたの
であります。その間あぶれました日傭い
労働者
の数は約二千から四千人
程度
であ
つたの
であります。そこでこの
緊急失業対策法
によりまして、この
失業対策事業
を急遽五月から約四千人、最初は約二千人、次は三千人、次は四千人というふうに
員業者
の出る工合に應じてこの
事業
を起しましたところ、幸いにも一應
東京
の日傭い
労働者
のあぶれというものは今日解消するに
至つたの
であります。併しいずれにせよこの
失業対策事業費
は
金額
として約八億でありまして、
労働者
の数も今申上げましたように極めて僅かな数であります。もともとこの
事業
は
最後
の
土壇場
で
救済
するところの
関係
上、さようなことにな
つて
おるとは存じておりまするけれども、将來の
失業情勢
と睨み合わせまして、
臨機應変
の
措置
を取
つて
参りまするには、この
失業対策事業
も
臨機應変
に起したり、或いは停止したりして行くというようなことが必要であるますので、この八億
程度
の
予算
では十分ではないのじやないだろうかというふうに考えております。即ち
事務当局
といたしましては、今日のところ八億の
予算
を更に
拡充
して頂くように
目下大藏省
その他に
折衝
いたしておるような次第であるのでございます。私共の
考え方
からいたしますれば、以上申上げましたように
失業対策
の
考え方
といたしましては、先ず
民間
の
雇用
の
拡充
を第一に置き、第二
段階
といたしましては、いわゆる
企業整備
によるものはここ暫くの間は
失業保險制度
により、
金銭給付
による
救済
を行ない、更に
金銭給付
によ
つて
賄い得ない場合におきましては
仕事
を授ける、これによ
つて仕事
を授けて
救済
をして行こう、その
仕事
を授けるのが
公共事業
と
失業対策事業
である、かように考えておるのであります。而して以上の各
措置
によりまして
吸收
することのできない
失業者
に対しましては、
厚生省所管
の
生活保護法
によりまして、その
最低生活
を保護して頂きたい、かように考えておるのでありまして、そうした面から私共の方では
厚生省
の
社会局
と緊密な連絡を取りながらそうしたことを考えておる次第でございます。 これを要約いたしますれば、私共の
將來失業対策
として考えて参りたいことは、先ず
緊急失業対策法
による
臨機應変
なる
措置
を執り得る
失業対策事業
を
拡充
して行くということが
一つ
、それから第二には、いわゆる
民間雇用
の
拡充
のために
輸出産業振興
の
総合施策
を早く作
つて
貰うということ、並びに見返
資金
の
運用
についてでき得る限り
失業者
の
吸收
に役立つような、見返
資金
の活用ということをや
つて
頂きたいというふうなことを考えて、
目下
そうした線に副うて努力をいたしておるような次第でございます。甚だ粗雑でございましたが、以上最近の考えておりまする
内容
につきまして御
説明
申上げて次第でございます。
塚本重藏
7
○
委員長
(
塚本重藏
君) お諮りいたしますが、以上の
説明
で御質問もあろうかと思いますが、一
應厚生省関係
の方の話も聽いた上で質問いたしますか。如何でございますか。
山下義信
8
○
山下義信
君
只今
の
説明
で
質疑
をさして頂きたいと思います。又それで明瞭な点はあとの人が問わんでも済むだろうと思います。ちよつと総括的な御
説明
でしたから、一、二
質疑
をさして頂きたいと思います。
塚本重藏
9
○
委員長
(
塚本重藏
君) それでは
質疑
をお願いいたします。
山下委員
。
山下義信
10
○
山下義信
君
労働大臣
が御
出席
でしたら、伺いたいと
思つたの
ですが、有能な
安定局長
が見えておりますので、
局長
に私伺うのでありますが、
政府
の予想する
員業者
の数ですね、これは本年の四月に
当局
が
予想数
をお出しにな
つたの
と、それから第五
國会
の
開会
中にもいくらかお
見込
が
変つて來
、又最近
新聞
で伺いますと、今月の初め頃の
労働省
の御見解の
数字
が
違つて來
たように思うのでありますが、この
失業者
の
見込数
は非常にむずかしいことでありまして、その正確なものとかはつきりしたもの、確定的なものをおつしやるということはむずかしいわけでありますが、最近のお
見込数
はどういうふうにな
つて
おりますか、又その当初の
見込数
と
変つて來
た
原因等
について若干の
当局
の御
所見
を伺いたいと思います。それが第一点です。 それから今御
説明
になりましたことで、
失業保險金
のいわゆる
平均給付額
が五千十円になるということであ
つたの
ですが、この
給付
は
見込
でありますか。実際の
実績
から出ているのでしようか。その点どうでしよう。この
平均給付
五千十円を支給することになると、やはり
保險料
というものも、それに
從つて
の
收入
があつたかという点なんですが、その点どうでしよう。 それから第三点は今
失業保險
に関する
経理状況
が堅実であることは我々も実は意を強うしておるのでありますが、大体まあ五十万人分はあるのだ、大丈夫なんだということでありますが、若しこの
失業保險
の
適用者
が非常に
増大
して來ますと、いわゆる被
保險者
と
受給者
との比率パーセンテージが変化して來ますと、今後の
失業保險
経済
の上にいろいろな又変化が來はしないかと思うのでありますが、そういう点について何か
当局
は
見通し
とか、
計画
とかいうものを持
つて
おいでになりますか。先ずその三点を先に聞いて置きたいと思います。
齋藤邦吉
11
○
説明員
(
齋藤邦吉
君) 私からお答え申上げます。
失業者
の將來の推定の問題でございますが、先般第五
國会
におきまして、
政府
におきましていろいろお答え申上げました
数字
よりも、その後多少減
つて來
ている点があります。即ち行政整理の問題であります。これは当初におきましては、約三十万人
程度
の離職者が出て、その三十万人のうち七〇%の二十一万人
程度
が
失業者
になるのではないだろうかというようなことを申しておりました。併しこれがその後定員法の
改正
が行われ、その定員法の実施に当りまして、その後逐次整理されて参
つて
おりまして、今日のところでは地方公共團体における行政整理をも含めまして、大体二十万人
程度
の離職者が出るものと推定をいたしております。そうして二十万人のうち、
失業者
の数は大体十五万人
程度
になりはせんものだろうかと、かように考えております。これが非常に大きな点でありまして、尚御
参考
のために申上げて置きますると、この
失業者
十五万人と見ましても、私共の最近の例を申しますと、もつと減るのではないか、かように考えておる次第でございます。即ち、御
参考
のために國鉄の例をちよつと申上げたいと思います。この二十万人の行政整理のうち、國鉄が約九万六千六百五人を整理したのであります。九万六千六百五人のうち約一万七千
程度
は、鉄道省関経の鉄道弘済会その他の外郭團体に就職する者もあり、或いは
病氣
等の長期欠勤等によ
つて
やめた者もありますので、約一万七千
程度
は
救済
を全然必要としないということになりまして、一應
救済
する数が九万六千六百五人から一万七千人を引きまして約七万九千六百五人とな
つて
おります。約八万人とな
つて
おります。而も
関係
者からの樣子を承りますと、約八万人のうち、約三分の一
程度
は自然
退職
に伴なう帰郷と申しますか、全然
仕事
をしようという者がない、即ち約八万人の中の三分の二
程度
が、いわゆる
失業者
として再就職というものを希望するのではないだろうか。勿論これはまだ全國的には詳細に分りません。分りませんが、即ち十万近い整理を行な
つて
失業者
として八万人の三分の二でありますから、五万六千人、この
程度
の
数字
になるのではないだろうかと、今予想されております。そうな
つて
参りますと、現在のところ私共は、地方公共團体の行政整理を含めて二十万人の離職者が出、その約七〇%の十五万人という
失業者
が出はせんかと考えておるのでありますが、或いはもつとこの
員業者
として出る数は少くなりはせんだろうか、こういうことを
目下
のところ考えております。それから尚先般
國会
で御
説明
申上げました
見込数
と
違つて來
ると思われまするのは、引揚人の問題でございます。これは御
承知
のように当初日本
政府
におきましては、千島、樺太、サガレン、ロシア等に約三十万人の日本人が抑留されてお
つて
、その者が大部分本
年度
中に全部帰るものと推定をいたして今日まで來てお
つたの
でございますが、御
承知
のように、ソ連邦におきましては、日本人は九万五千きりおらんと言うておりますし、その九万五千きり本
年度
中に帰
つて來
ないとするならば、約十万人といたしまして、その七〇%の七万人
程度
が
失業者
になりはせんだろうか、かように考えられるのでございます。即ちそうした面におきましと、最初に行政整理が、地方公共團体も含めて三十万ということを申上げておりましたし、或いは引揚人につきましては、いわゆる三十八万人帰
つて來
るものと思
つて
、その中二十万人が
失業者
になるということを申上げてお
つたの
でありますが、その点が先般の
國会
におきまして御
説明
申上げましたのと、その後の
情勢
によ
つて
変つて來
ているということが申上げられると存じます。尚そのほかの問題につきましては、左程今日までのところは変化はないようでございます。ただ
企業整備
の問題につきましては、これも最初申上げましたように、最近輸出不振というようなことから、企業合理化が私共の推定よりももつと出はせんだろうかという声が
経済安定本部
その他の方に一部ございます。ございますが、私共の方の
失業保險
の
関係
で現われておりまする
数字
を申しますれば、私らが推定しておりましたものも或る
程度
多き目な
数字
であるような感じもいたします。これは併し將來どういうような形で出て來るか分りませんが、一應私らの考えております
数字
はそう余り多過ぎる
数字
ではないような氣がいたしております。大体以上が先般の国会で御
説明
申上げましたものと違う点でございます。 その次が
保險金
の問題でございますが、大体先程申上げました工場
労働者
の
平均賃金
は三月の工場
労働者
の
平均賃金
でございます。家族は三・五人の家族で計算いたしております。三・五人の家族で計算した工場
労働者
の
平均賃金
でございまして、これが本年六月から先般
改正
の
失業保險
法が
適用
になりますので、六月以降は今申しましたような
給付
になる、こういうことでございます。即ち六月の工場
労働者
は
平均給付額
が五千十円になり、そういつた
給付
の率で支給されるものと考えております。これは
平均
給與でございます。將來はどうだろうか、こういうお尋ねでございます。大体において現在の
保險給付
を百分の六十という一率に
改正
いたしましたのは、
保險料
と見合
つて
そういう
改正
をいたしたのでございます。そうして將來どの
程度
この企業合理化によ
つて
失業者
が出るだろうかということを考えて見ましても、先般私共が議会で答弁を申上げました
数字
でありまするならば、優にこの
保險経済
によ
つて
これを賄
つて
行くことができる、こういうように考えております。本
年度
の
保險経済
といたしましては、即ち工場
労働者
の
平均
給與を先程申上げましたように五千十円といたしますと、それを六ケ月掛けると三万円の
平均
給與になります。そうなると百五十億ございますから、三万円とすると五十万人
救済
できることになり、前
年度
の
積立金
五十億がございますので、その五十億も更に使い切るものとして國はこれに対して二十五億支出しなければならん。合計して七十五億になる。本年百五十億に七十五億を足しまして二百二十五億、そうなると三万円ずつ支給するとして約七十五万人
吸收
するということになるのでありまして、私共現在のところではこれ程
失業者
が出ることはない。先ず企業五人以上の工場でありますから、五人以上の工場にして、七十万人の企業合理化が本年中に現われるものとは私共は
一つ
も
期待
をいたしておりません。否むしろ現在のところではむしろ前
年度
の剩余
積立金
が五十億もある。本年
民間
として
保險料百
億
徴收
するというわけであります。そんなに出るとも私共は
期待
できませんので、否むしろ
保險料
を或る
程度
下げたいという一部の声すらあります。併し現在のところでは將來どうなるか、私共は予想つきませんので、
保險料
は一應この際下げることは止めよう、一應本
年度
はこの樣子で行
つて
本年中の保險
事業
の
成績
によ
つて
、
保險料
を下げるということは明
年度
の問題にしたい。こういうように考えている次第でございます。大体今のところでは七十五万人
失業保險
で出るということは今のところ考えておりません。
山下義信
12
○
山下義信
君 大体了承しました。
最後
に
一つ
だけ、肝腎の我々が
調査
したいという当面の
関係
のことでございますが、いろいろ時間的のずれがある。その点も問題になるだろうと思いますが、且つ又
当局
が大体樂観的の態度でおいでになるのですが、私は先般も或る席で
指摘
したのでありますが、成る程今は樂観的な
見通し
になるのでありますが、段々先に行くと
段階
的の困難性が増して來るので、当初のような
情勢
で今日の失業が
適用
できるならば、
最後
にはいろいろな
情勢
が困難になると思います。殊に國鉄の今の整理
状況
は私達も非常に実は内心若干の安心もしておりますが、あれは御
承知
のいろいろの國鉄の
関係
の
仕事
があるので
救済
し易い
状況
でありますから、その例を以て他の公務員の整理などは
適用
は一率にはできんと思うのですが、結局
最後
に今
局長
の言われたいろいろなもので
救済
しきれない。
最後
に
厚生省
関係
の公的扶助
関係
によらなければならんという
状態
について、そういうことがはつきり
見通し
のつくのは大体いつ頃のような、時期的に見ていつ頃とお考えになりますか。それはもとよりいろいろな今後の
事業
計画
の変更などにも関連はいたしますが、凡そどう考えられますか。いつ頃のようにお
見通し
‥‥、それから今
一つ
は
生活保護法
によ
つて
扶助を與えようとすると、與え方は
労働者
としてはいろいろな
対策
によ
つて
救済
し得られる。その
失業者
と同じような
生活
の保障を希望されますか。いわゆる最低の困窮
生活
さえ扶助して貰えればいいのだ。そういう考えを持
つて
おられますか。
生活保護法
に対しまする
労働者
側の
期待
はどのような
期待
を持
つて
おられますか。その点も御
所見
を聞いて見たいと思います。
齋藤邦吉
13
○
説明員
(
齋藤邦吉
君) 私共といたしまして
生活保護法
によ
つて
公的扶助に陷る危機の問題でありますが、これは甚だあれでございますが、全然私共の方で予想は今日のところつきかねるのであります。併しながら私共の氣持といたしましては、先程も私申上げましたように、即ち見返
資金
の
運用
によ
つて
、例えば
民間雇用
がいつ頃から
拡充
されましても、それはその
通り
にも行くとも思
つて
おりません。そういう時間的のずれをどうするかということが私共の
失業対策
の問題でございます。そこで私共といたしましては、
失業対策事業
にどの
程度
の
予算
が次の
國会
で
拡充
されるかどうかということに大きな問題がかか
つて
行くのではないかと私は考えております。尚私共の方といたしましては、
生活保護法
の
運用
につきまして、特に
労働者
の立場からお願いをして置きたいことは、
生活保護法
の
運用
に当りまして、
臨機應変
にこの金が支給できるようなことにできないものだろうかということを私共考えておるわけであります。御
承知
のように今年の四月五日以來
皆さん
御
承知
の
通り
の
東京都知事
が罐詰に
なつ
たり、ああした騒ぎがありました。あの記事を見ますと、私達特に感ぜられますことは、特に日傭
労働者
になりますと、日雇の
失業保險制度
も現在のところ行われておりませんのは、どうしても
臨機應変
に、例えば四日間働けなかつた。全然
生活
が困難だつた。或いは一週間、十日という短い期間しか働けなかつたなんという者に
臨機應変
の
措置
が取
つて
頂けないだろうかということを特に四月以降の経驗で痛感しております、私共
事務当局
といたしましても、
社会局
の方と常時連絡は緊密に取
つて
おりまして、即ち方面委員その他
公共職業安定所
にいろいろお願いいたしてありますけれども、それに連絡を緊密に取
つて
頂くようにお願いしておりますけれども、
生活保護法
の
運用
について
臨機應変
に金が支給できないものか。私共失業
救済
という面を特にお願いをしたいという感じを持
つて
おります。その
金額
は私共は
生活保護法
の
金額
等はどうかということは
承知
いたしておりません。私共の氣持といたしましては、
失業対策
の
事業
に働いておる
労働者
は一般の
労働者
の
賃金
より一〇%、二〇%下げるということにいたしております。即ちどどのつまりに
最後
の
土壇場
にその
失業対策事業
に働くものは一般の
賃金
より一〇%、二〇%下げることに低めにいたしております。そういう
労働者
などにつきましては、家族数についていろいろ計算が現われると思いまするのでありまするけれども、
失業対策
を一般よりは低目にしなくては惰民要素になりはしないかとそういうことになり、現在の私は
生活保護法
の批判をいたしておるのではないのであります。一般的の見地から申しますと、その
最後
の
救済
手段であります
失業対策事業
の
賃金
は一般よりも低目にしております。それよりも高いというとちよつと拙くはないだろうかという感じを持
つて
おりますので、その点だけ御
参考
に御答弁いたして置きます。
小杉イ子
14
○小杉イ子君 ちよつと
二つ
だけお尋ねいたします。
失業対策
につきまして
輸出産業
の点でございますが、これも今のところでは輸出不合格品が余りにも多く帰
つて
参りますところでございます。これはその筋の專門家がよく審査したものを輸出させるものと思うが、こういうことになるとこの振興を増すことになりませんので、さような憂目になる前に取調べられないものか、これらは
失業者
を出すばかりになるのであります。この大問題に対する御返事を私頂きたいのであります。二番目は愛知縣の半田の用水期成会のこれは至れり盡せりの失業
救済
対策
の保護制度と申さなければならん、それは用水、畜産、漁業、農業などの有らゆる
事業
に及んでおります。
政府
はこれに対して無條件に援助なされていいと思
つて
おりますが、これに対しては如何お考えでありましようか。
齋藤邦吉
15
○
説明員
(
齋藤邦吉
君) 私からお答え申上げます。 先ず最初の最近の國際貿易の
関係
でございますが、お尋ねのように
相当
不合格品等もあり、國際貿易の
関係
は極めて樂観を許さない
状態
にな
つて
おります。これにつきましては、
目下
のところ
経済安定本部
におきまして詳細これに対する
対策
を総合的に練
つて
おるということでございます。私の方の氣持といたしましても、できるだけ早くそうした面に明るい光明を見出すようなそういう
施策
の樹立することを希望いたしております。 二番目の半田の問題につきましては、私共よく詳細に
承知
いたしておりません。又帰りまして
関係方面
ともよく連絡を取
つて
答弁いたします。
草葉隆圓
16
○草葉隆圓君 まだ沢山ありますが、一應の
説明
を承わつたらどうですか。
塚本重藏
17
○
委員長
(
塚本重藏
君) 保險財政は十分賄えて行くというお答えがあ
つたの
でありますが、
失業保險
の件失業手当の
関係
はどうな
つて
おりますか、現に失業手当を貰
つて
おるものが
政府
から職業
安定所
の方に金が廻らないので十分に渡せない。或る地方では
政府
から金が來るまで待
つて
呉れとか、当分半分くらい持
つて
行
つて
我慢しろといつた工合で、失業手当を貰う者が不安に襲われている。その点実情はどうな
つて
おりますか。
齋藤邦吉
18
○
説明員
(
齋藤邦吉
君)
只今
の点にお答え申上げます。
失業保險金
の支給の
状況
が、
政府
から金が
安定所
へ行くのが遅れるからしてまずいのじやないか。こういうお尋ねでございます。確かに一部そういう点があつたことはあ
つたの
でございます。特に本
年度
の四月の
予算
におきましては、御
承知
の半月分の
失業保險
の
予算
を組んだ
関係
がございまして、四月は本当に失業している
労働者
の方々には御迷惑を各方面におかけしておつたような次第でございます。併しその後といたしましては、私の方といたしましては大きな
企業整備
が行なわれることになりますと、直ぐ会社、工場とも連絡をいたしまして、それで直ぐ金を拂えるように準備を進めております。金の流し方におきましては、最近におきましては大体貰えるのじやないか、さように考えております。今年の四月、五月にかけましては確かに
相当
ありました。併し
資金
前渡の
関係
も順調に進んでおりまして、今日のところでは
失業者
に金がないから一週間待て、或は半分で辛抱して呉れということは今のところはないと、かように存じております。
塚本重藏
19
○
委員長
(
塚本重藏
君) 実際問題として大阪府の池田職業
安定所
における七月分の手当が半分しか渡
つて
ない。現に私の友人がそうであ
つて
、この
状態
では先に引続いて貰えるか貰えないかということを尋ねて來、現に手帳を私見ましたが、半分しか貰
つて
ないということは事実なんです。余程うまくや
つて
貰わぬと
相当
な不安があるそうです。 次に
厚生省
の保險局
庶務課長
の堀岡さんにお願いいたします。
堀岡吉次
20
○
説明員
(堀岡吉次君) 保險局の
関係
におきましては、当面の失業問題に対しまする
対策
としてあれこれと言いますものは、
只今労働省
の
職業安定局長
さんからおつしやいました
失業保險
に対應しますところの海上の船員
労働者
に対するところの
失業保險
の問題が当面の問題でございます。この問題は大体
労働省
の方からお話しに
なつ
たことと大体揆を一にしておりまして、特に船員
労働者
につきましては、運輸省の方とも連絡をと
つて
おりますが、失業の
見込
みと言いますものは、大体予想の
見込
みよりも
相当
下廻る
数字
で現在のところ予想されております。
從つて
その面だけでは取上げて言う程の問題は出ないのじやないかというふうに考えております。ただそれ以外一般の問題としまして、最近における
企業整備
その他の
関係
から
保險経済
全般が非常に大きな赤字にな
つて
おると言いますか、逼迫を來しておりますので、それが絡み絡んで疾病その他の面からするところの
労働者
の
生活
安定を破りまして、不安にする虞があるということ、それからそういうことのために離職後における一部の
給付
がありますが、それらが非常に不安になる、そういう点と、それが更に発展しまして、一部の
給付
は制限しなければならぬのじやないかというふうな虞があり、そういうことによ
つて
労働者
の
生活
安定というものの根底の
一つ
をゆすぶるのじやないかという虞を現在抱いているのであります。この点につきましては、先般の
社会保障制度
審議会に取敢ず緊急の問題として最近の
状況
をお話して、どうしたらいいかという御相談を申上げてその結果に基ずきまして、次の
臨時國会
に財政上の
措置
等を講じて何らかの應急
対策
を立てて行きたいというふうに考えております。將來の問題としましては、國全体の
経済
の根本的建直しの問題と裏腹の問題として考えなければならぬ点が多々ありますので、十分
社会保障制度
審議会なり或いはその他の
委員会
等と相談をしまして、根本的な
対策
を立てて行きたい、こう思
つて
おります。ただ取敢ずの当面の
失業対策
としては、非常に微温的な話でございますが、大体今申上げたような
程度
のことしか現在のところとしては、問題といたしておりませんので、御了承願いたいと思います。
塚本重藏
21
○
委員長
(
塚本重藏
君) 次に
社会局
の厚生課長の黒木さんに
社会局
の
関係
のお話をお願いいたします。
黒木利克
22
○
説明員
(黒木利克君)
社会局長
と主管課長が
司令部
に行かれておりますので、私から代りまして申上げます。
失業対策
で
給付
をします人達の対象につきましては、
厚生省
といたしましても、予想がつきかねておるのでありまして、
目下
のところは現在の
生活保護法
の対象にな
つて
おりまする百六十五万の数の約一割増百八十万
程度
の人達が
生活保護法
の対象になるであろう。これは
予算
の概算を作ります建前からそういうふうな
数字
は持
つて
おりますが、実のところ基礎はないのでございます。それから
労働省
から
只今
お話がありました
生活保護法
の
臨機應変
の
運用
につきましては、扶養労務者問題について
只今
研究をいたしておりますが、近く成案ができると思います。その
考え方
は扶養労務者に対して
生活保護法
の
適用
のある者に対しては、できるなら毎日
生活
扶助費を支給するようなことが考えられないだろうかということで、大体成案ができかけておりますが、未だ申上げる程の案にはな
つて
おりません。それから
生活
扶助の基準額の問題につきましては、現在は五人家族で五千二百円
程度
でございますが、近く六千五百円
程度
に上げたいということで案を作
つて
おります。
簡單
でございますが、大体保護課で考えております当面のことについて御答弁いたした次第でございます。
塚本重藏
23
○
委員長
(
塚本重藏
君) それでは以上のお話について何か御
質疑
はありませんか。
姫井伊介
24
○姫井伊介君
労働省
関係
でお話のありました、
失業者
の処理につきまして、私は配置問題について伺いたいと思うのでありますが、いろいろな
対策
が講じられると言いましても、その
失業者
自身の地方的の
関係
並びに職能的の
関係
が非常に大きいものだと思うのでありまして、それが果して適材適所へと配置がうまくできるか、どうか、実はでかさなければならないが、それに対してはどういう考慮が拂われておるか、それを先ず第一にお伺いいたします。
齋藤邦吉
25
○
説明員
(
齋藤邦吉
君) お答え申上げます。
労働者
の配置轉換につきましては、地方的の問題と今いろいろお話のように職能的の問題と
二つ
私はあると、かように考えております。地方的の問題につきましては、住宅等の
関係
がありまして、労務者の移動ということが極めて困難な実情にあります。そこで私共の方の
考え方
といたしましては、
失業者
を
吸收
するためのいろいろな
事業
を起しまするときには住宅の変更を來さないように與う限り
失業者
の多い地域にできるだけ
事業
量の多い
失業対策
を起すというような仕組で今日のところ考えております。これにつきましては特に
失業対策事業
のみならず、
公共事業
についてすらそうしたことを
経済安定本部
等にお願いもいたしてあります。
労働者
の多数存在する地域に大量の
失業対策事業
、
公共事業
を起す仕組で行きたい、かように考えております。尚地域的の移動を容易ならしめるために失業保護法によりますと、よその地域に職業を見つけて行きまするときに、その移轉に要する旅費を、
失業保險
の方面において旅費を支給する、こういうことによりまして移轉可能な者についてはその移轉を促進して行くということにいたして行きたいと思います。併し根本的な、御
承知
のように住宅等の不足、その他等もありまして、成るべく
失業者
の分布
状況
に即して行きたいと思います。それから職能的の問題でありますが、これは非常に困難な実は問題でございます。特に御
承知
のように日本の
経済
構造が極めて著しい変化をしております現
段階
におきまして極めて困難であります。併しながら私共の方といたしましては、與う限りその労働市場の動きを見まして、労働市場の要求する職種に適職にはめ込ましめるように私の方で適職を
中心
としての技能養成と申しますか、職業補導をいたしておるのであります。特に最近におきまして、私共非常に氣がついたのでありますが、事務職員等につきまして、例えば簿記とか製図というような知識を持
つて
おる者は
東京
でも割合賣れるのであります。ところが一般
安定所
に現われて來るのが簿記とか製図の知識が全然ないようなそういうよなう
状況
も最近あります。早速
東京
都あたりでその簿記とか製図といつたような補導をしてやる、これは大体半年か一年補導をしておるのでございますが、そういうふうに労働市場の要求する職種について職業補導を行な
つて
、これによ
つて
その職種の配置轉換を容易ならしめて行きたいというように考えておる次第であります。例えば工場等においては非常に技能工の不足を訴えております。これは御
承知
のように戰爭中養成しました技能工は工場の
賃金
労働者
たることをいやがりまして、自由業にな
つて
おるのが非常に多いようでございます。そこで技能工ということになりますと、案外こうした失業難でありましても就職が容易に行
つて
おります。そういう面もあります。私共の方といたしましては、職種の轉換につきましては、労働市場の要求する職種の補導ということに力を入れて行きたいとかように考えております。
姫井伊介
26
○姫井伊介君 職業補導並びに共同作業場の問題につきましては、幾多の改善すべき点があると思いますが、これはこの際略しまして、次には今年の十一月から実施されます先程お話の日傭
労働者
に対する
失業対策
でありますが、これは二ケ月間の
実績
を持
つて
いなければならない、ここにその條件にあてはまり得ないものが
相当
ある、殊に日傭
労働者
につきましては、そういう傾きというのが多いのであります。そうしますと、折角こういうふうな制度ができましても十分それに
吸收
し得ないようなうらみがないでもない、これにつきましては、もう少し條件緩和についてお考えはありませんか、それをお伺いしたいと思います。
齋藤邦吉
27
○
説明員
(
齋藤邦吉
君) 十一月から実施いたしまする日傭
失業保險
につきましては、お話のように二ケ月間に三十日以上稼働するという條件が必要にな
つて來
ております。大体のところ今日まで私共の方におきましては、日傭
労働者
は一ケ月大体二十一日か二十二日稼働するというのが最近における
平均
実績
でありますので、大体やれるのでないかということで、今日まで來ております。併しながら
將來失業
の
情勢
が深刻にな
つて
参りますれば、当然二十日
平均
稼働という線が或いは崩れて來るかも知れません。現在のところではまだそこまで
至つて
いないのでございますが、將來の要請によりましては、
改正
が私は必要にな
つて來
やしないか、かように存じておる次第であります。法の
適用
が十一月でありますけれども、それまでにおいてもいろいろな今日までの実情は注意いたしまして見ておるような次第でございまして、それまでの間に二十日稼働という実情が崩れるということでありますれば、当然法の
改正
をお願いしなければならんと思
つて
おりますが、現在のところではまださようなところには
至つて
いないのでなかろうか、かように考えております。
姫井伊介
28
○姫井伊介君 先程のお話のうち、
金銭給付
を前にして、更に行詰つた場合に職業を與える、いわゆる授職方法を講ずるというお話のように承
つたの
でありますが、
失業対策
につきましては、私共はこれを逆に考えたいのであります。即ち、何よりも先ず先に職を與えるということを考え、それに向
つて
の
計画
、用意をして行かなければならん。然る後に止むを得ないものには
金銭給付
の方法を取る。これを逆のように考えられるのでありますが、この辺についての御
所見
を承りたいのであります。
齋藤邦吉
29
○
説明員
(
齋藤邦吉
君) お話の
通り
仕事
を受けるということがやはり一番大事な、一番根本だと私も考えております。從
つて民間雇用
に就職を斡施させるということ、これは恒久的な最も健全な職業でありますので、これが何とい
つて
も第一
段階
でございます。そういう
民間雇用
に行けない者についていわゆる
金銭給付
と
仕事
を授けるという方法、この
二つ
を取
つて
おるわけでございます。そうすると、
失業労働者
の中におのずからここに類型がございまして、即ち
民間
の
企業整備
の対象に
なつ
たような方などは、
失業保險
の
恩惠
に直ぐ浴し得るのであります。ところが、引揚民のような方々は
失業保險
の
恩惠
には浴し得ない、こういう問題が起
つて來
るわけであります。そこで今申上げましたように、その引揚民或いは顯在化して來る
失業者
に対しては、
失業保險
の
適用
が全然ないのでございまして、先ずこういう
人々
には
公共事業
なり
失業対策
というものに行
つて
頂きたい。それから
民間
の
企業整備
の方には暫くの間は
失業保險
で
生活
をしてお
つて
頂いて、そうして持
つて
行く。こういう一應、これは形式的な
考え方
でございますが、そういう考えで勿論いたしております。併しながら
失業保險
の
適用
を受ける方々であ
つて
も、六ケ月後になると保險がなくなりますから、当然
仕事
を授ける。即ち
仕事
に就職をせるということを先ず第一前提として、いわゆる
民間
の
雇用
に斡施する。これを如何なる場合においても第一次にいたしております。それに溢れた場合の
失業者
については、一應國の財政面もありますので、
失業保險
の
適用
あるものについては暫くそちらにして頂くということがいいんじやないだろうか、こういう
考え方
でございます。勿論根本的に趣旨としては
仕事
が第一であるという点につきましては、私共異存のないところでございます。
姫井伊介
30
○姫井伊介君 更に
失業対策
で行詰つた
最後
の
段階
として
臨機應変
的な
措置
を取る。この
臨機應変
の
仕事
でありますが、その場合において取るということはすでに遅しの感があるのではないか。さればと言
つて
前以て十分に
計画
が立てられるべきものでもないということは想像されるのでありますが、併し少くとも
最後
はこういうふうな方面にこういうふうな
措置
が取りたいということの用意だけは少くともなされなければならない。それがためには地方の行政廳その他に対しましたも十分に用意をさして、或いは
段階
的に第一の
失業者
の
仕事
はこれだ、第二の
公共事業
はこれだ、更にこれでもうまく行かなたときはこういう
仕事
があるということを予め多少おぼろげな点があるにいたしましても、
計画
を立てて置く必要はなかろうか。この点に対して御用意がおありでありますかどうか、尚言葉尻を取
つて
これは変な言い方でありますが、御
説明
によりますと、絶えず保險制度の
恩惠
という言葉をお使いになるのでありますが。私共は労働行政に対しまして
恩惠
ということの観念は切捨てたいと思うのであります。議論になりますから私は略しますが、やはり
労働省
はかねて勤労者のためのサービス省だという点から言いましてもどうかと思うのであります。これは附加えてちようつと申上げて置きます。
齋藤邦吉
31
○
説明員
(
齋藤邦吉
君)
恩惠
とい点につきましては御尤もでありまして、取消したいと思います。それから用意があるかというお尋ねでございますが、
臨機應変
に
最後
の場合に
救済
して参りますのが先般申上げました
失業対策事業
でございます。これにつきましては、お話の
通り
一應全部の主要都市につきまして、一應
事業
種目について準備いたしておる次第であります。即ち或る都市におきまして、千人
程度
溢れた場合にどうするかといつた場合の
事業
種目を予め選定いたしております。即ち第一順位といたしましては、公営運動場とか第二順位に道路清掃
事業
というふうに数種類の
事業
種目を收容し得る
労働者
の数と相俟ちまして、準備をいたしております。そうして將來その土地で五百人
程度
溢れた者がある場合には第一順位をやる。千人のときには第二順位の
仕事
まで殖やして行くというようなことをしております。例をと
つて
申しますれば、
東京
では現在のところ
失業対策事業
に四千人程就労いたしておりますが、二万人
程度
就労し得る
事業
計画
はいたしておりますが、今日は
予算
の枠がございますので、そういう点に拘束されるとは思
つて
おりますが、この点につきましても先程申上げましたように、
拡充
方を考えておりますけれども、
予算
の額と睨合せまして、一應私共の方では
事業
種目を数種目に亘
つて
準備をいたしておる次第でございます。
姫井伊介
32
○姫井伊介君 現在制度における
労働者
賃金
の給與の中に含められております家族手当、これは將來どういうふうに御処理になるお考えでありますか、お伺いいたします。
齋藤邦吉
33
○
説明員
(
齋藤邦吉
君) これは私の局の所管ではありませんですが
労働省
といたしましては、家族手当或いはその他のいろいろな手当はいわゆる給與体系としては飽くまで理想的なものとは考えてはいないのであります。併しながら現在の
経済
事情その他の事情からいたしまして、今直ぐ廃止するということはできないし、それは無理なことではないだろうか、
賃金
の給與の理想的な体系といたしましては、そうした手当はなくして行くのが普通ではないだろうか、併し現在の考えとしては今直ぐ止めようということも考えておりませんし、ちよつとそれは困難なことではないかと考えております。
姫井伊介
34
○姫井伊介君 この
最後
の失業
救済
事業
に対する
賃金
を一般の
給付
額の一割乃至二割を引下げたものを以てしたいというお話でありましたが、若しそういうことになりますと、現在の
給付
が十分か十分でないかは別問題でありますが、とにかく私共は十分でないと先ず考えます。その点につきましては余程研究の余地があるのでありますが、然るにそれよりも更に一、二割減額されるということになりますと、それらの人の人間としての
生活
はいわゆるどん底
生活
に落し込まれるのではないか。そういう人を將來起ち上がらせる、いわゆる労働の再生産と申しますか、そういう場合に果してそれが役に立つか、一日も早く労働の再生産の十分な
生活
環境を持たさせるようにして置かなければならんに拘わらず、一番困つた者が一番困つた
生活
に追い込まれる。
從つて
それらの不遇者は更に不遇を加重されるということになるわけであります。これに対しまして
生活保護法
との関連もできて参りますが、この点につきましては、何だか從來の古い
一つ
の封建的な考えが残
つて
おるのではないか。やはり國民がひとしく
最低生活
を保障されるという点から申しましても、この点はもう少し何とか善処の途はないか。何故一割、二割を減額しなければならないかという、その理由を承りたいのであります。
齋藤邦吉
35
○
説明員
(
齋藤邦吉
君)
緊急失業対策法
によりまして、
失業対策事業
は大体におきまして
失業者
を
吸收
することを目的とする
事業
でありまして、大体において何と申しますか、資材を余り使わないで労力だけでや
つて
行こうという、
簡單
に申しますと、大体の
人々
がやれる普通の
事業
を選んでおります。その
事業
に働く場合の
賃金
は
民間
関係
の同種
事業
よりも一〇%実は低くいたしております。これにつきましては、先般の
國会
でもいろいろお尋ねがあつたところでございますが、私共の根本的な
考え方
といたしましては、
失業対策事業
というものの
賃金
と
民間
の
賃金
というものを同じにするということは、むしろ
民間
の
事業
を圧迫する形に私はなるのではないか。これが根本の
考え方
でございます。即ち御
承知
のように
失業対策事業
というものは誰でもまあできるといつたようなことが多いのでありまして、本人の能力、作業能力というものが余りはつきり特徴を発揮される場合があることは少い
事業
が多いのであります。そうなりますと、何と申しますか、
失業対策事業
にこげついてしま
つて
、
民間
事業
に働いて競爭しようという意識を失わしめるということが多分に多いのでありまして、これは封建的というお話でありましたが、むしろそうでなくて自由競爭に立つところの
民間
企業というものの立場を考えて行く
考え方
から実は出ておるのでありまして、若しこれが
民間
事業
と同じような
賃金
ということになりますと、いわゆる
失業対策事業
に何かこげついてどうにもならなくな
つて
しまうという、むしろそちらの虞れが多い。それから
民間
事業
に有能な人が行くということもむずかしくなりやせんか。そういうことからむしろ
民間
企業より低くしておる、こういう形にいたしております。アメリカ等におきましても、御
承知
のこうの
仕事
をやりました時には、やはり同じような政策をと
つて來
たようなことを承
つて
おるような次第であります。
姫井伊介
36
○姫井伊介君 これ以上は議論になりますから止めまして、私の質問は打切ります。
井上なつゑ
37
○井上
なつ
ゑ君
社会局
の厚生課長に伺いたいのであります。
生活保護法
による医療費でございますが、この医療費が段々高くな
つて來
るのであります。この頃まで五四二百円の計算でございましたが、今度六千五百円に引上げるとおつしや
つて
おりますが、この医療費が段々嵩んで参りまして、
只今
の百六十五万の一割増員する
見込
だとおつしや
つて
やられますが、果して
予算
の範囲内でできるものでしようか、それをどういうふうにお考えにな
つて
おられますか、その点ちよつとお伺いいたしたいと思います。先程の生命保險の方もこれらのために
失業対策
の
見込
簿のようなお話でございます。ちよつとこの点明らかにして頂きたいと思います。
黒木利克
38
○
説明員
(黒木利克君) お答えいたします。先程御
説明
申上げました四人家族で、基準年六千五百円に上げたいというのは、医療費は含んでおりません。それで医療費の増嵩に対しましては、
生活保護法
の総
予算
の枠内で処理するわけでありますから、
生活
扶助の面と、別に医療の面で
生活保護法
の
予算
を取りまして、それで
運用
したいと思
つて
おります。
塚本重藏
39
○
委員長
(
塚本重藏
君) 外に‥‥。
草葉隆圓
40
○草葉隆圓君 日傭
労働者
の就労
状態
、最近の
状態
というのを、
東京
のものはお話しになりましたが、その点について
一つ
お答えを願いたいと思います。
齋藤邦吉
41
○
説明員
(
齋藤邦吉
君) 大体日傭
労働者
は、はつきり今統計を持
つて
参つて來
ておりませんが、大体に全國といたしますと、延
人員
にいたしまして二百二十万人
程度
の求人にな
つて
おります。二百二十万の求人に対しまして求職の
関係
は百九十万
程度
にな
つて來
ておりまして、全國的に見ますと、これは二十日稼働と
平均
して調べて見ますと、大体
人員
は十万人が働いておりようにな
つて
おります。あぶれの
状況
でございますが、二百二十万で百九十万でありまして、大体年國的にはあぶれは余りないことに今のところな
つて
おります。ただ問題になるのは、
東京
は先般來いろいろな外部的な力の
関係
もありましたのでいろいろ問題が起りました。現在のところで、多少あぶれておりますのは大阪、兵庫の両縣が多少千人
程度
のあぶれを今日見ております。
人員
のあれは神奈川、その他につきましては、今のところは、さして社会不案を激化する問題までは
至つて
おりません。
草葉隆圓
42
○草葉隆圓君 引揚者の問題、いわゆる失業対計の問題について、これは從來から問題にな
つて
おりました引揚者は、
失業保險
の対象にするという点についての、その後の進捗はどうな
つて
おりますか、その点を。もつとはつきり申上げますと、引揚者と雖も、從來俸給を貰
つて
おる、その俸給が引揚げて來た途端に俸給が切れてしもうから、引揚げて來たことは、同時に失業だ、こういう観念も考えられるのではないか。いわゆる解釈の仕方によ
つて
はそれがなし得るのではないか、
從つて
現在百円でありますが、それをいろいろな方法によ
つて
なし得る途はありはしないかというのが、從來からの論議の
中心
であるわけなんであります。これに対して、その後どういうふうな見解をお持ちにな
つて
お進みにな
つて
おるか、そうしますと、引揚者と失業問題及び
失業保險
というものが
相当
解決
の途もあり得るわけなんです。
齋藤邦吉
43
○
説明員
(
齋藤邦吉
君) 引揚民に
失業保險
を
適用
する問題につきましては、先般御
承知
のように、財政的な問題がありまして、そのままにな
つて
おりました。その後も依然としてやはり財政的な問題が
解決
されませんので、そのまま停頓
状態
にあるような次第でございます。
草葉隆圓
44
○草葉隆圓君 それから
生活
保護
関係
について伺いたいと存じますが、
只今
のお話で、現在まあ大体五千二百円を六千五百円に上げる、そうして失業
関係
において、一應一割
程度
を考えるというお話のようでございますが、実際の
状態
で、五千二百円にお上げに
なつ
た現在におきましても、市町村においての実情はどういうふうにな
つて
おりますか。もう上げられただけが
相当
恩惠
と申しましようか、恩沢を受けて
相当
増額にな
つて
おるように、御指導にな
つて
おるかどうか、この点を
一つ
伺いたい。
黒木利克
45
○
説明員
(黒木利克君) お答えいたします。実はその点につきまして、
社会局
を挙げて指導いたしておりますが、六月中の
実績
を見ますと、
平均
増額の支出額が二割程増しております。それから関連して申上げますが、最近におきましては、食の方は余り上
つて
おりませんで、その他の住とか、衣の問題について考慮を拂
つて
おりまして、今度
計画
いたしておりまする改訂も、その方に重点を置いております。
草葉隆圓
46
○草葉隆圓君 実は都市あたりにおきましても、この前の増額の場合にも、むしろ実際は減額されておるところが多い。今の
平均
は二割ということにお話しがありましたが、私もいろいろ質問を受けまして、実際はこの増額のために、
調査
をして、実際においては、減額をされておるというような
状態
が
相当
多くな
つて
おりまするのと、それからこの二十三
年度
の表にもありますように、これは実
人員
でこれを割りますと、大体一日八円余りだろうと思います。それでただ單にむしろ六千五百円に増額するというようなことよりも、もつと現下の
情勢
においては、この
生活
保護全般に対する根本的な檢討というようなことをお考えにな
つて
おるかどうか。これをやらないと、ただ増額だけをや
つて
も、本当は
効果
を狙らい得ないのではないか。少くとも百億
程度
の金を國家が使いまする上において、有効なる使いようが現在の
生活保護法
によ
つて
はできないというようなことをお考えにな
つて
いないかどうか、その点を
一つ
お伺いしたいと思います。
黒木利克
47
○
説明員
(黒木利克君) お答えいたします。私は実は特殊援護の課長をや
つて
おりまして、そういう大きな問題につきましては、
社会局
としてのお答えはできる資格がないのでございますが、私の個人的な
所見
を交えまして申上げさせて頂きます。
只今
御質問のありました事実において、大都市等において
收入
にいろいろなる、何と申しますか、
收入
の見積をいろいろやりまして、
生活保護法
の
給付
の実際額が減
つて
おるという都市もあることは
承知
いたしております。恐らく
收入
の見積の手心によ
つて
そういうことがあるのだと思います。 それから
生活保護法
の実際の運営におきまして、
生活保護法
の
給付
を受ける資格を認定する場合に、從來は子供が高等
程度
の学校に行
つて
おつた、或いは住宅があつた、或いは可なりの財産があるということを非常に嚴重にや
つて
おりましたが、最近におきましては段々自分の住宅で外に轉宅することができない、そういうような場合にも資格があるとか、或いは子供が新制中学に入
つて
お
つて
も事情によ
つて
は資格があるとか、そのような資格の問題につきまして段々一面においては緩和をいたしております。これは
生活保護法
の根本の性格にも段々関連を持
つて
おるわけでありますが、
只今
の考えといたしましては、
生活保護法
の
給付
は國が
最低生活
を保障する責任があるということの反射的な利益だというふうに解されておりますが、段々請求権的な性格を持たせられつつあるのであります。苦情処理機関とかいうようなものも段々各地で置くようになりまして、行く行くは請求権的な色彩を持つようなふうに
生活保護法
の
改正
がなされるという方向にあると存じます。 それから
生活保護法
のみならず、これは私の考えでありますが、社会
事業
体系というものをこの機会に確立する必要があるのではないか。失業政策と
生活保護法
の間にまだもう一線考える余地はないか、例えば
経済
保護
事業
とか、或いは防貧的な社会政策的な金融の
措置
とか、
只今
お話のありました各種
給付
の非常な延滯があるわけでありますが、それに対して
生活
資金
的な、或いは生産
資金
的な制度を
拡充
して行く必要はないか。それからもう
一つ
は縦割にいたしまして、傷痍者とか、未亡人の福祉とか、引揚者とか、そういう面の特殊援護というものをもつと強化する必要はないか。つまり從來のいろいろな各種の援護法規が
生活保護法
で一本になりましたが、更に今度は特殊保護法的なものに段々分化して行く必要があるのではないかというようなことにつきまして、現在
社会局
としては内々研究いたしております。最近におきましては、
生活保護法
から傷痍者福祉法、未亡人福祉法というようなものを段々分化さして行つたらどうかということで案を作りつつあります。それから引揚者の生業
資金
関係
をもつと
拡充
いたしまして、引揚者のみならず、
生活
困窮者の生業
資金
というものをもつと制度的に法的な基礎を持
つて
拡充
して行つたらどうかというような考えを持
つて
おりますが、要するに
生活保護法
を段々分化して行く必要があるのと同時に、
生活保護法
が請求権的な性格を持
つて來
る、そうして憲法のいわゆる二十五條の実際の実施というものを段段や
つて
行く、そういうことで研究いたしております。
草葉隆圓
48
○草葉隆圓君 実は五千二百円が六千五百円に上つたということは、結局今までは五千二百円の
生活
程度
をしておつたものから六千五百円
程度
の
生活
まで引上げるということにな
つて
、その範囲が廣くなることも考えられるし、同時に全然
收入
のない者はそこまでやれると、両方の考えがあると思う。併しこれは先にも申上げましたように、ただ
予算
面においての
程度
を上げるだけが最近の急務ではないかと思う。先に申上げましたように、実際お調べになると、私今日はその場所は申上げませんが、
政府
が
給付
の増額を狙
つて
おるにも拘わらず、実際貰
つて
いる方は減額をしておる、実際にそういう傾向にあるというに
至つて
は、むしろ逆な狙いであろうと思う。
從つて
、
只今
いろいろな総合的な社会
事業
体系の上からの
生活保護法
の再檢討ということもお考えにな
つて
おるようでありますから、この点は本質的な問題においてお考えにな
つて
行かないと十分の狙いを達し得ないのではないか。又一方におきまして、
失業対策
の中に今年考えられておりまする共同作業施設等におきましても、二十三
年度
は六百三十ケ所あ
つて
、本
年度
は四百ケ所に減
つて來
ておる。
從つて
最近
一つ
は未亡人の問題等につきましても
相当
輿論の高潮を來しておりまする際に、今申上げた実際の
生活
扶助はむしろ減額をしておる、共同作業は数が減
つて來
ておるというような逆現象が
政府
の政策の上に現われて來ておるような
状態
ではないか。これは共同作業の施設等におきましても、六百三十ケ所が四百ケ所に減つたというのは、今後更にこれを
情勢
によ
つて
は
相当
増加されまする予定でございますか。
労働省
関係
におきましてはこの点を伺いますと同時に、更に今の
厚生省
関係
におきましては、今度増額になりましたら、増額になることが最も妥当なような方法で
一つ
府縣を指導されるという具体的な行き方をお採りにな
つて
やらないと結果が必ずしも十分でないのではないかと、そういう方法を併せてお考えにな
つて
増額というものをおやりになるかどうかという具体的なお考えがあつたら、この機会に承
つて
置きたいと思います。
黒木利克
49
○
説明員
(黒木利克君) お答えを申上げます。これも実は個人的な意見に亘りまして恐縮に存じますが、
生活保護法
を或る
程度
防貧的なと申しますか、非常に嚴重に
生活保護法
の
適用
を考えるか、或いは幅を持たして或る
程度
防貧的な面を考えて行くかということに根本の
考え方
の違いがあるわけでございますが、或る地方におきましては
生活保護法
を非常に嚴重に解しまして参
つて
おりますし、或る地方におきましては左程でもない所もございます。これは嚴重に
生活保護法
の
適用
を考えますならば、それに應じた防貧的な政策というものが並行しなければならないわけでございますが、そういう政策が十分に今完備しておりませんので、或いは
生活保護法
というものが或る
程度
防貧的な役割も現にしておるのではないかと思われますから、
只今
御意見がございましたが、今度改訂いたしまして
生活保護法
の
適用
ということをどのように考えて行くか、それに並行できる防貧的な政策というものが裏打ちできますならば、
生活保護法
を嚴重に実施してもよいわけでありますが、その辺の兼合が実はまだ
社会局
として十分に樹立されておりませんので申上げかねるのでありますが、今のような
考え方
で今度の改訂というものを考えて行つたらどうであろうかというふうに考えております。御意見の趣きはよく分りましたから、
社会局長
に十分申上げまして、又後刻御答弁申上げることにいたします。
草葉隆圓
50
○草葉隆圓君
労働省
関係
の方で、公共施設というのは大分減
つて
考えられておりますが、これは今年は恐らく一應の
予算
であつたと思うのですが、具体的にはここのところをどういうふうにお考えにな
つて
おるか。実は未亡人の問題等がここに出ておりますので、或いはその他の特殊
失業者
の問題が出ておりますので、これに対しては去年の六百三十が今年は四百で進められておる、併し更に具体的にはこういうふうに進めるという御
計画
があるのかどうか。
塚本重藏
51
○
委員長
(
塚本重藏
君) ちよつとその点今斎藤
局長
が断
つて
退席いたしましたから専門の方からよく調べさせて置きます。
官房長官
なり
社会局長
が御
出席
にならず、尚不十分な点がありますが、一應
当局
の御
説明
をこの
程度
に終ることに御
異議
ございませんか。
山下義信
52
○
山下義信
君 不十分で分りません。今日の
調査
は余り有効でなかつた、遺憾に思います。分らん。例えばですね、私共はこの失業という重大問題に際して
生活保護法
を
中心
とした公的扶助がどの
程度
まで遂行せられなければならないかという点を
調査
のためにいろいろ
政府
の肚を聞きたいと思
つて
いたのですが、今日の御
説明
は極く事務的な
説明
だけでありまして掴まえることができない。例えば
職業安定局
は一應
失業者
の処理を
計画
的にして或る
程度
までの……もう本当の一時的の世話しかしないのであります。いわゆる
労働者
のルンペン化防止ということがこれが最大問題であります。こうした扶助の狙いはそこにある。ですから
厚生省
と
労働省
とのその
失業対策
関係
、
厚生省
の
生活
保護
関係
を如何にマツチさせるかという重大な
対策
をどう
政府
が考えておるかということを、我々掴むことは到頭今日はできなかつた。でありますから、これは
局長
課長に聞くということは少し無理だろうと思う、どうしてもその間のしつかりしたつなぎ方というものを
政府
は考えなければならん筈で、可なり考えておるじやないか、若し考えがなかつたらこれは出たらめな
失業対策
と言わざるを得ない。我々國民も十分その点を考えなければなんのでありますが、今日はその
方針
を聞くこともできませんでしたので、私は
政府
の
所見
を聞きたいので、今日の
調査
は私はこれを以て終りとは同意し難いのであります。この点は他日の機会まで私は保留して置きたいと思います。
塚本重藏
53
○
委員長
(
塚本重藏
君)
山下委員
の御説の
通り
であります。今日は非常に不満に終りましたが、これ以上今日進めることはどうかと思います。
草葉隆圓
54
○草葉隆圓君 私も今日はこの
程度
で打切
つて
頂いて、
生活
保護の問題と失業の問題につきましてもう少し研究をし、
方針
を決めて頂いて、他日の機会に御相談し、質問を進めて行きたいと思います。
塚本重藏
55
○
委員長
(
塚本重藏
君) 草葉委員の御説のように進めて行くことに御
異議
ございませんね。それでは本日
政府
から
失業対策
について諸般の事柄について質すということは一應打切りまして、本日の
委員会
はこれにて散会いたします。 午後零時三十四分散会
出席
者は左の
通り
。
委員長
塚本 重藏君 理事 今泉 政喜君 姫井 伊介君 谷口弥三郎君 委員
山下
義信君 草葉 隆圓君 中山 壽彦君 竹中 七郎君 井上
なつ
ゑ君 小杉 イ子君 穗積眞六郎君
説明員
厚生事務官 (
兒童局長
) 小島 徳雄君 厚生事務官 (
社会局
厚生課 長) 黒木 利克君 厚生事務官 (保險局庶務課 長) 堀岡 吉次君 労働事務官 (
職業安定局
長)
齋藤
邦吉君 労働事務官 (
職業安定局
失 業保險課長) 亀井 光君