○
安部定君 先般の
河川局長の協力願いたいということ、それを
只今ここで具体的に
お話を
願つたのでありますが、この
説明で
昭和五年に四十二本、
予算の指数を仮に百とするならば、現在九十五本で、
河川の数は倍に増したのに、
予算は五十に減
つているという御
説明であ
つたのでございますが、このことを我々は了承いたします。併し今度
廃止した川、それから
砂防のことについては非常に簡單な御
説明でありましたが、今度
廃止と共に一面取り上げた
箇所もあるのでありまして、その間私共としては納得の行かないことがあるので、今暫くお尋ねを続けたいと思います。
例を一つ挙げますが、
只今御
説明の中にありました
佐渡川のごとき、この第五
國会に請願が出ておりまして、すでに本
委員会で
採択を済ましております。
報告書も出ております。当
委員会でそういう
採択をしたのに、それと全く相反する
廃止をや
つておられるということ、これはどういうわけかというふうに私は考えないわけに行かないのであります。御
説明では、
戰時中軍の
要請に基いて取り上げたというようなことでありましたが、これは共に述べられました
大分川も同樣に私は考えるのでありますが、
佐渡川も
大分川も單に軍の
要請に基いたものと言えない証拠があります。それは
明治四十三年の
臨時治水調査会の
決議と、それに続く
昭和四年までの数回にわたる
決議に明かにこの
二つの川は入
つておるのでありまして、而もそれらの川の
合計が僅に六十五
河川であるところから考えまするならば、更に現在施工しております
箇所が九十一
箇所というふうに最近非常に殖えておる、その殖えておる中の、六十五の中に入
つておる
二つの川が、軍の
要請に基いてなされたという
河川局長の
説明は、私はどうも理解が行かないのであります。これは重要な
河川であることは、
明治以來決つた川であるとも別の言葉を用いれば言うことができるのでありまして、そういうことは何か言訳をするための
理由ではないかというふうにも思われるのであります。
更に
河川の
費用は、成る程百が五十に減り、
箇所は倍にな
つておるでありますけれども、同樣なことは
砂防工事費についても言えるのであり、而も本
年度と昨
年度と
予算を比べますときに、本
年度の
河川費の
合計は、
公共事業費全体に対して三三・七%であ
つて、昨年の二八・七%に比べれば僅かな増加を示しております。併し
砂防の方は、昨年一・二%であ
つて、今年は一・四%にしか増額されていないのであります。然るに一・二から一・四に値上げされましたところの
砂防の方では、新に
直轄に取り上げる
箇所を
作つており、僅かではありますけれども増額を見ました。
河川工事においては、御
説明の六
箇所を削られておるということは、どういう
理由に基くのか、その辺のところを更に御
説明が願いたいのであります。
更に私はここに特殊な例を申したいのでありますが、それは今
説明のありました
大分川に、近接いたしております
山國川は、昨年
地元の我々も運動した一人でありますが、その運動を容れられてか、昨年初めて
直轄工事に取り上げられておるのであります。昨年取り上げて置いて、その隣の川の
大分川が今年
廃止になる。而もこの
山國の
上流の
直轄砂防が本年取り上げられる。この
影響は
地元には非常に大きいのでありまして、各種の
影響を今日生じようとして残しております。例えば
山國の
上流が
直轄砂防工事として取上げられる結果、縣の
砂防工事自体の
將來が非常に危ぶまれるという結果さえも生じようとしているのでありますが、これについても
河川局長はどういう御見解を持
つておられますか、お尋ね申上げたいのであります。
山國が昨年取上げられたということは、昨年の
状態と今年の
状態がさ程変つたものと思われないのに昨年は新たに取上げ、今年はすぐ隣りの河を切落すということはもう少し十分な御
説明を聞かないと我々は分らない。更にこれらの
河川を止めたり上げたりすることについての時期の問題でありますが、省議では四月二十一日に決定したと聞いておりますけれども、
工事事務所に対してはすでに三月の下旬に決定したかのような
通知を発しておるような形跡があります。
大分川
工事事務所に対しても
九州地建から電報を発せられており、
山國川の
直轄砂防を取上げられることについても、すでに
山國川の両縣であります
福岡縣と大体縣の
土木部長に対して、
九州地建からは
双方協定を結ぶようにと、これ亦三月か四月に
通知が発せられております。して見ますと、
國会や我々の方に知らすことなく、極めて早い機会にこれらのことがすでに
皆さん方の中で決められていて、あとで我々が
審議をいくらしても、それらの
審議は何ら
参考にもしなければ取上げもしないというような態度があるのではないか。そういうようなことにつきまして更に詳しい御
説明を聞きたいと思います。