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1949-04-19 第5回国会 参議院 建設委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年四月十九日(火曜日)    午後一時二十三分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○建設事業一般並びに國土その他諸計  画に関する調査建設省機構及び  予算に関する件)   —————————————
  2. 石坂豊一

    委員長(石坂豊一君) 開会いたします。
  3. 北條秀一

    北條秀一君 本多國務大臣から行政機構改革についての御説明があつたのでありますが、これは先般建設大臣から御説明のあつたことを繰返されたものでありまして、私といたしましては、甚だその行政機構改革案の内容が不徹底であるということに遺憾の意を表せざるを得ないのであります。自由党内閣は、選挙後、下院において過半数以上の数を得まして、そうして最も大きな政府力を現在結集しておるときであります。自由党政治力というものが、今日より強くなるということは考えられません。段々弱くなることは考えられるけれども、強くなるということは考えられません。そういう見通しを持ちますけれども、現得やるのが一番いいときでありますから、これから先、行政審議会を作つてやるといつても、力のないときにやるということは正にできないのであります。これは甚だ遺憾であります。時間がありませんから、次の三点について本多國務大臣政府としての見解を明らかにして頂きたいと思うのであります。  第一点は、今回の行政機構改革につきまして、その下部組織でありますが、建設省の六局を五局にするという方針に從いまして、各縣に昨年作りましたところの建築部というものがありますが、この建築部を再び元の建設部に包含するということが伝えられておるのであります。これにつきまして、四十六縣一律にそういうことをやるということは非常に不合理だと考えます。特に戰災都市でありますところの東京でありますとか、その他六大都市、或いは長崎、廣島という都市につきましては、建築ということが最も重大な問題でありますので、行政機構縮減につきましても、これにの都市についての建築部を残存するということは、我々は絶対に必要であるということを考えるのでありますが、この点についての政府の御所見は如何なものでありましようか。  第二点は、これは建設委員会には直接関係がありませんが、昨日も人事院の総裁から我々に回答があつたのでありますが、私をして言わしむれば、現在の人事院の厖大なるところの機構は、日本現状においては最も不合理極まるものだと考えます。從つてこういう際こそ、一つ人事院というもののこの厖大なる機構縮小すべきときであります。それに対する政府決心を伺いたいのであります。先程三点と申しましたが、以上二点でございます。
  4. 本多市郎

    國務大臣本多市郎君) 地方建築部の問題につきましては、やはり地方におきましても、五大都市府縣におきましては機構の三割縮減という方針に基きまして、地方自治法改正只今立案中であります。この立案の過程におきまして、その縮小の対象として、建築部というものも出て來るわけでありますが、実はこれは目下総理廳地方自治課檢討中でありまして、まだ結論に至つておりませんので、御趣旨の点はよく分つておりますけれども、結論はここでお答えがまだできないような状態であります。人事院の問題については、同樣な感もするのでございますが、これは直接行政管理廳として、ここの人員整理の権限は認められないと思いますので、國会の御協力も頂くことにいたしまして、將來の研究問題として行きたいと考えております。
  5. 北條秀一

    北條秀一君 他の委員の皆さんの御発言もあると思いますが、今の御答弁の中におきまして、ちよつと補足して質問いたします。それはこの地方自治課で、各縣の建築部を残すか残さんかということを檢討中であるということでありますが、その事情は私よく分りますが、從つて政府の、即ち内閣決心を私は聽いたのであります。それは結論が出ますときには、もう内閣はそれに引ずられることは決まつておるのであります。だからその前に、最高の指導機関であるところの本多國務大臣が、建築部を先程申上げました六大都市或いは長崎、廣島こういう都市に残すべきであるということの決心を伺いたいというのであります。
  6. 本多市郎

    國務大臣本多市郎君) 地方機構につきましては、実は縮小という方針はとつておりますけれども、具体的に何部を残し、何部を残さんということは、地方々々の実情に適合して決めた方がいいと思いまして、いろいろそういう方面とも紹介をして今檢討中でありまして、特に建築部の必要と認められるようなところにおきましては、それを残して行くということは、これはもう当然なことと考えております。
  7. 北條秀一

    北條秀一君 本多國務大臣お話、よく分りました。重ねて私は先程申上げました六大都市、廣島、長崎の点について、強い要望を持つていることを御了解を願いたいと思います。
  8. 原口忠次郎

    原口忠次郎君 私遅れて参りましたから、或いは重複するところがあるかも知れませんが、お許し願いたいと思います。  行政機構改革は新聞で拜見いたしますと、大体決まつたようでございますが、もう閣議決定で、動かすことができない最後的なものとなりましたかどうか、その点をお伺いいたします。
  9. 本多市郎

    國務大臣本多市郎君) 機構の問題につきましては、各省設置法というものに盛り込みまして、閣議で全部の設置法が決定いたしましたから、この上は関係方面のOKを頂きまして提案されることになりまして、関係方面との折衝の間に変更がない限りは現在決定したということができると思います。
  10. 原口忠次郎

    原口忠次郎君 もう一つお伺いいたしたいことは、今度の行政機構改革について、建設省組織をどうするかということは、やはり外の商工省とか、或いは農林省、そういうものと一緒に現在、省があるそのものを、六局から五局にするとか、或いは何を減らすと、そういうふうにお考えになりましたでしようか。それとも建設省ができるときに衆参両院で強い要望がありました建設行政統一ということを非常に要望しておりましたが、そういう点についてお考え願つておりましようか、その点をお伺いいたします。
  11. 本多市郎

    國務大臣本多市郎君) お話通りこの機会にできることなら建設行政の統合ということを実現いたしたいと思いまして、最前も御説明申上げたのでございますが、港湾局の問題、農林省開拓砂防等の問題、或いは厚生省の水道の問題等についても、これを問題として研究いたしたのでございますが、何分今度の行政整理は、この議会で一應の解決を見たいという方針で進みましたために、結論に到達しなかつたのでございます。これらの懸案については引続き行政制度審議会を設けまして、檢討しまして、でき得る限り早く結論を得て解決して行きたいと考えておるのでございます。
  12. 原口忠次郎

    原口忠次郎君 もう決まつたものでございますれば、今更ここで何を申上げてもし方がないと思いますけれども、建設省が現在の機構そのままで、六局を五局にすると、そういうふうな決まり方をすることについて私共は非常に遺憾に存ずる次第でございます。と申しますのは、建設省ができますときに今のままの建設省では、建設省という程の資格がない。むしろ建設院かあるいは建設廳くらいで結構ではないかという議論が非常に多かつたのであります。併し日本でこの建設行政統一して省にするということは初めてでございまして、殊に最近のように資材不足、それから機械力が非常に不足しておる、こういうふうなときに各建設部門をいわゆる総合して、そうして能力を発揮する建設行政統一図つて建設省を將來作るんだ。こういう見通しで私はできたと思いますが、この日本における建設行政の今までの在り方は事務種類によつて、或いは産業行政の種別によつて建設行政は、それの附随的部門としてつけられておつた。例えば内務省時代土木局というのがございましたけれども、御承知通り土木行政の專門省ではなくて、いわゆる警察行政地方自治行政の一端の中に土木行政というものがつけられておつた。それが最近は一つの省として昔の土木局と言われておつた時代の或る一部分が今日省となつておるような形なんです。勿論この量から行きますと、私は相当に外の省と比較いたしまして、省の資格はあると思いますけれども、昔を考えますと、土木局の管掌しておりました部分から港湾行政を差引いた残り部門、それに建築行政が僅かに加わつておる。そういうものが今日の建設省でございます。これは私はどうしてもこの建設行政統一するという日本の新しい試みであるならば、眞にこの港湾行政或いは電力行政或いは農林省開拓局の問題、或いは山林局の問題、こういう問題を眞に一丸として、そうしてこの建設行政を、事務種類や或いは産業種類によつて区分されておつた建設行政を打つて一丸として、新らしい眞に日本復興のために役立つ建設行政総合省を私共は作つて貰いたいというのが、この我々この方面に特に関心を持つております者、私のみではございません、全國の殊にこの土木方面関係を持つておりまする技術官の非常に熱心な要望であり、又國民要望であると思います。でありますから、一つ今度もうすでにそんなふうに決まつたとすればしようございませんけれども、私共この委員会空氣といたしましても、できるだけ速かなる機会に、特に衆議院において絶対多数を擁しておられる自由党内閣において、各省が自分の持つておる部門を離すことを好まないことについてはいつになつてもこれは私は変りないと思います。例えば、この間建設大臣お話では、開拓行政或いは山林行政のごときは農林省では決して離さない、或いは農林委員会でも離さないというお話がございましたけれども、こういうことを一々遠慮しておつたのでは眞に建設行政能力を発揮する者ができ上らない、中途半端な省ができ上る、こういうふうに思うのであります。でありますから、どうか一つ絶対多数を擁しておられる自由党内閣において、各省のいわゆる繩張爭い、或いは各委員会の繩張爭い、そういうものを拂拭いたしまして、眞にこの日本復興のために役立つ大きな建設省を私は作つて頂いて、そうして今日のように、資材不足人員の本当に不足しておる、機械力不足しておる、こういうときにこそ、私は建設省を作つて頂きたい、こういうふうな熱望を持つております。特にこの点について私は本多國務大臣の特別なる御配慮をお願い申す次第でございます。    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  13. 本多市郎

    國務大臣本多市郎君) 只今の御意見は全く私は同感であります。私は技術の方ではありませんが、確かに現在ばらばらになつておる建設方面仕事を統合することによつて機械においても、技術においても、総合的に運営されまして、必ず能率も上り、國家経済に好結果をもたらすものであると考えておるのでございます。今回の機会には残念ながら結論を得ることができませんでしたが、御趣旨のような方針從つて今後十分審議会等を活用して頂きまして、努力を続けたいと思いますので、どうか御協力をお願いいたすような次第でございます。
  14. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 建設省関係行政整理人員の方の具体策を伺いたいと思います。
  15. 本多市郎

    國務大臣本多市郎君) ちよつとお答えして置きたいと思いますが、人員につきましても、現業二割、非現業三割というような大体の方針從つて只今檢討中でありますが、これも一律の天引というようなことになりましたのでは、実情に副いませんので、いろいろと職種別部局別等につきまして、査定を今やつているところであります。まだその結論に到達いたしませんので、調査中でございます。
  16. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 いつそれは方針が決まるのですか。
  17. 本多市郎

    國務大臣本多市郎君) ここ数日中には結論に到達いたしまして、査定が決定し、数が確定するだろうと思います。
  18. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 僕は機構人員と、両方に意見があるのです。大臣がお忙しいから、数日経つてもう少しはつきりして、建設省はどういうわけで一局減したか、どういうわけで人員整理をし、中央地方亘つて方針を決めたか、具体的なところを拜聽したいと思います。
  19. 原口忠次郎

    原口忠次郎君 私は建設大臣に、特に御注意を喚起したいと思います点は、港湾行政でありますが、港湾行政というものは、今日運輸省に來ておりますが、成る程運輸省からいえば運輸、輸送面統一、或いは輸送面事務簡素化というような、いろいろな理由が立ちましようけれども、御承知通り運輸省が持つております港湾建設面は、東條内閣のときに、あれは内務省土木局から分離されて、そうして運輸省に入つたもので、私がこういうことを申上げるのは、僣越かも知れませんが、東條さんが関東軍の参謀長をしておられたときに、私は満州國土木行政に携わつてつたのでありますが、当時私はやはり河川港湾行政を担当いたしておりましたけれども、満州國では港湾行政が、満州國港湾行政の中にあるけれども、満州國港湾は全部満鉄が一手に引受けて、満鉄の行政の中に入つてつた。これは満州國港湾は大してありませんけれども、松花江の各地の港に至るまで、満鉄の支配下にあつたわけであります。これは東條さんが参謀長をしておられた時分に、東條さんはよく解決されたと思います。結局港湾鉄道ターミナル港湾鉄道の終点にのみある、だから鉄道にくつ付けるのは港湾行政統一された行き方である。こういうことが、東條さんあたりの輸送面における観念だつたと思います。それで日本行政を担当せられるようになつてから、星野さんと一緒に、星野さんが当時総務長官つたのですが、やはり星野さんが企画院長官ですか、内閣書記官長になられて、東條さんと星野さんの合作で、内閣省港湾を取つて、そうして運輸省鉄道にくつ付けられた。ところで日本港湾は、決して鉄道ターミナルとして発達したものではございませんので、日本港湾は御承知通りローカルローカル産業の中心として発達し、そうして鉄道は、港湾が発達しているところへ、後から持つてつて結び付けた。こういうのが日本港湾現状なのです。それで戰爭の非常に盛んな時分に、輸送業者統一とか何とかいうことを理由にして、鉄道港湾一緒にしたということは、一應の理由はありますけれども、当時から私は非常に反対しておつた。今日東條行政の残つております唯一の残骸は、今申上げる通り港湾行政運輸省に入つていることであります。何故こういうふうに、軍閥行政残りを、そのまま今日あなた方は、お認めになるか、何故建設省港湾一緒にまとめられないのか、やはり何か非常にいろいろな理由があるようですが、理窟を言つたのでは、到底まとまらないので、眞に今日のような時代に、建設行政統一して頂く、それからもう一つこの際、私は特に考えておりますが、建設省國土計画総合開発ということをやつておるのですが、水力発電只今商工省電氣局にあるのです。それで一体この総合開発というものが、最近近畿ブロツクとか、或いは四國ブロツクとかいうところのブロツクを取上げて、総合開発計画をしておられるけれども、水力電氣開発考えに入れなくて、何の総合開発があるかということを申上げたい。そういうように折角力を入れて、建設省でおやりになろうとしておることが、建設省の中において機構がないために、片手落ちになるのではないか、いわゆる米國TVAの非常な開発をされたのは、水力電氣主体とした河川開発になつている。満州においてもやはり我々は水力電氣主体とする河川開発をやつたのですが、建設省総合開発考えておられるのは、水力電氣は全然拔きにした開発になるのじやないか。そういうことでは折角のいい計画も結局画龍点睛を欠く形になつてしますということを、私は非常に憂うるのであります。更に又農林省開拓の問題ですが、河川を離れて私は開拓はないと思うのです。而も全然河川行政に何の経驗もない開拓局の人達が、無暗やたらに開拓して、それがために、もう今日は地方民からも開拓は禍の根源地と言われるくらいに荒されている。それでも河川の実体を握つておられる建設省が、何の指示することもできなければ、一言も言うことができない、こういうふうな機構になつていると思います。こういうふうな機構を早く改めて、そうして本当にこの河川統一し、それから交通、そういう方面と、建設面をやはり統一して考えるような國土計画立案なさるということが、私は建設省に與えられた大きな使命だと思つております。その使命を果すためには、どうしても総合建設省益谷大臣がおられるときに、私は作つて頂きたい。そういうふうに特に切望いたしまして、御注意を喚起したいわけであります。
  20. 益谷秀次

    國務大臣益谷秀次君) 原口委員お話、誠に御尤もであります。只今本多國務大臣も申しました通り建設行政総合的一元化を企図して、これに進んで参りたいと思うのであります。只今の御趣旨をよく体して、一日も早く実現するように努力いたしたいと存じております。
  21. 北條秀一

    北條秀一君 建設大臣にお伺いしたいのですが、建設大臣は今後建設省の合理的な機構を作ることに努力されると、今お話でありますが、日本國土計画をやつて行くためには、どういう建設省が最も合理的であり、且つ理想的であるか、その点について案を現在建設大臣はお持ちであるかどうか、何らか案を準備されておるかどうか、ということであります、それからもう一つは、今回の建設省機構縮小に対して、益谷大臣は今までの御説明によりますと、著しく不満を持つておられると思うのでありまするが、私万止むを得ないとして、この機構縮小案を賛成されたのであるか、それについて大臣の御所見を承わりたいのであります。
  22. 益谷秀次

    國務大臣益谷秀次君) 只今大臣の御質問の要旨は機構に対する改革趣旨でございますが、これに対してはすでに建設省といたしましては、案を持つております。これは後程御説明いたさせます。私も十分大体承知しておりますが、大建設省と申しますか、國土省と申しますか、又公共事業省と申しますか、その省名等はとにかくといたしまして、建設省の今後所管をいたして行かなければならん仕事について計画案を持つております。第二の点でございますが、これは前回も御説明申上げました通り、差当つて行政整理主眼といたして、この線に沿つて行くために本多國務大臣も答弁いたしました通り一日も早く結論に達する建前から取敢えず現在の省内行政簡素化機構整備というところに主眼を置きまして、誠に前回も申しました通り消極的な案でありまするが、ただ現在建設省が所管いたしておりまする仕事はこの組織法でやつて行けるという見通しがつきましたので、今回近く御審議を願う設置法案改正案を作つた次第であります。
  23. 北條秀一

    北條秀一君 それでは建設省理想案は現在大臣の御手許にあるということを聞きまして力強く思うのでありまするが、早急にそれを我々の委員会に資料を提供願つて説明願うというふうに御約束願いたいと思います。
  24. 益谷秀次

    國務大臣益谷秀次君) 御約束申上げることはできます。
  25. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 大臣ちよつとお尋ねしたいのですが、法案は何々をいつ頃出される予定ですか。
  26. 益谷秀次

    國務大臣益谷秀次君) すでに提出済みのものは都市計画の一部改正案であります。それが出ましたのでありまするが、他に水防法案建築業法案、それから屋外廣告取扱法であります。これと測量法これだけ準備をしてすでに閣議決定をいたしております。
  27. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 一つがすでに出ていて、四つが遠からず出て來るわけですか。
  28. 益谷秀次

    國務大臣益谷秀次君) 遠からず出て來ると思うのです。今関係方面と折衝いたしておるのであります。
  29. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 それから行政整理に対する大臣としての機構並びに人員に対するあなたの根本的態度はどういう意見をお持ちですか。
  30. 益谷秀次

    國務大臣益谷秀次君) 政府といたしましては、本省三割、現業二割という大体の方針を決めております。さりながら只今本多國務大臣も申上げました通り、一律一体にこの方針を以て臨むということは、全く整理せんがための整理と申しまするか、ということになりまして、その仕事分量、又仕事性質、いろいろのものを勘案して現実の整理をいたさなければならんと考えております。而して今本多國務大臣の申しました通り、ここ暫くの間に各省整理法案ができ上ると思います。私の方は、建設省といたしましては、建設省実情又今までの行政整理計画等を十分に行政管理廳に伝えて、我々の建設省といたしましてふさわしい整理をいたしたいと存じておる次第であります。
  31. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 行政整理についての本多大臣とあなたとの関係はどうなんですか。つまり建設省としても行政整理については、大臣として十分我々を納得させるだけの、機構上及び人員上のそれに対する納得させるだけの方針で以てやられるのですか。それとも閣議本多大臣の方が決められて來たものをそのまま鵜呑みにされるのですか。
  32. 益谷秀次

    國務大臣益谷秀次君) 閣議方針に無論從わなければなりませんが、鵜呑みにいたすというようなことはありません。私共の考えを、建設省考えを十分に本多國務大臣に伝えて、そうして原案を作つて貰うようにいたしております。兼岩委員の御質問でありまするが、我々を十分に納得せしむるに足る行政整理をやるかどうかという御質問でありますが、これはどの程度で御納得下さいまするか、それがちよつと今から分りませんので、成るべく何人が見ましても、各省関係等を勘案いたして、これならば一通り無難であるという程度に持つて行きたいと思います。これは繰返して申しまするが、他の各省関係もありますので、私の方だけは人員を減らさない、三割の一割にするというようなことは申したくないのであります。事業分量事業性質等を十分に勘案して参りたいと思うのであります。
  33. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 まあ人員の方は我々は結論として絶対反対なんでありますが、本多大臣にもお願いをしておいたし、あなたにも一つ十分論拠を以て御説明……つまり絶対反対である私に対して一つ納得できるように、國民大衆の前にはつきりさして頂きたいと思うのです。それをお願いして置きますが、すでに機構についてはお決まりの模樣ですが、機構に対するような不徹底な、お坐なりな態度人員整理に着手される考えを二、三日のうちに決められそうだから、御警告申上げて置きたいと思うのですが、機構については一局を減らして名前を変えて、営繕を部にして持つて行くというようなそういう態度ですね。総合的な全体を考える熱意とその実行力もなし、さりとて建設行政の本義に基礎を置いて、そうして河川とか、道路とか、建築とかいうようなふうに、セクシヨナリズムになつておるものを打つて一丸として、調査局、企画局工事局資材局等々というふうに本格的にこれを中央官廳にふさわしいものに直すだけの氣力も、誠意もなくて、ただ機械的に一局を減らすというやり方ですね。これは先程本多大臣……、まあ時間がなくて行かれたから突つ込めなかつたのですが、又後に讓ろうと思うのですが、これは國民にこの内閣が公約して行政整理をやるということを言つたから機構も減らすのだというような、そういう論拠以上の何ものがあるかというと、僕はないと思うのです。一局を減らす、つまり局長を一人減らすという意味なんですか、一局減らしてああいうふうにされたところの具体的の論拠を簡單に御説明願いたい。
  34. 益谷秀次

    國務大臣益谷秀次君) 前回來たびたびお答え申上げており通り、今回の省内行政機構整備簡素化のために取敢えず各省設置法案を作成いたしたのであります。それで現在の建設省といたしましては一局を廃し、そうして営繕局を部といたしまして、それで仕事は不自由なく、支障なくやつて行けるという考えから、確信からかような設置案を作成いたしました次第であります。
  35. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 あれですか、そういうふうになると、建設行政が非常に能率的になり、國民大衆要望に副うのですか、それともただ外との釣合い上一局減らされたというのですか。
  36. 益谷秀次

    國務大臣益谷秀次君) 機構整備は幾らかできると思う。整備をいたし、更に事務簡素化を図つて参りたい。今日の場合、一局を幾らか整理いたし、事務簡素化いたすことは國民大多数の要望であろうと思います。
  37. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 漠然と國民に対する要望に副うのでなくて、建設行政を若し二局減らすなら減らしてもいいし、それから減らす理由がないならば減らさないということが僕は正しい態度だと思うのですが、これ以上この問題をあれしてもしようがないから、総務局というものを監理という名前に直してそして常繕部を一つつて行くということで、それでまあ釣合いができたという態度以上に、建設省機構に対する大臣態度をこれ以上我々は了解できないのです。つまりはつきりした根拠があつて、これによつて官廳の民主化が行われる、或いは官廳内のセクシヨナリズムが打破できる等々という、何ら國民に対する本当の誠意がなくて、ただ付き合い上、機構簡素化したというだけで、具体的に言えば局長が一つつたということだけで、それで國民に対して約束された政行の簡素化、本当の簡素化、つまり能率化、合理化、民主化というような点が進んでおるとあなたは思われるならば私はそれは非常に問違いだと思います。これは今後あなたが、大臣として何ヵ月かやつて行かれるうちにそれが証明されると思いますが、もう少し機構に対しても徹底的に忠実な態度を取つて頂きたい。それから続いて数日のうちにお示し願う人員整理についても十分納得させるだけの、つまり付き合い上そういうふうにしたのだという説明では我々は困りますから、一つはつきりとした説明を予め要望して置きます。  その次に河川の問題なんですが、河川一切を含めての問題ですが、建設省の昭和二十四年度の予算二百七十四億、これに対する予備金はどういうふうにお持ちですか。
  38. 益谷秀次

    國務大臣益谷秀次君) 予備金といふのは一般会計の予備金ですか。河川に対する予備金……
  39. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 主として河川が聞きたいのですけれども、突発的な災害に対してどういう対処をする、態度を以ておられるか、予算措置として……
  40. 益谷秀次

    國務大臣益谷秀次君) 災害に対する予備金はございません。
  41. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 ございません。大体河川にしろ、道路にしろ、すべて非常に今回は少いところに持つてきて何らの予備金なしに、災害に対してどういう災害に対する対処、地震とか、火事とかその他どういう態度を以て國会に対して建設行政を扱われるのですか、その点をお尋ねしたい。
  42. 益谷秀次

    國務大臣益谷秀次君) 災害は努めて軽減若しくはなくなるように努めたいと思います。併しながら、万一災害が突発いたしました際においては、他に財政上の若しくは金融上の措置をとりたいと思うのであります。ただ從來のごとく、予備金制度を設けなかつたということについては私は財政上のことを余り存じません。これは予算委員会その他において、大藏大臣からはつきり申したと思います。財政上の関係は余り多く存じません。ただ河川行政を扱つておる私といたしましては、成るべく與えられたる予算を効率的に使つて災害を防止若しくは軽減いたしたいと思つておるのであります。万一災害の勃発いたしました際においては、應急措置と申しますか、適当なる措置を講じて参りたいと存じておるものであります。
  43. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 大体河川が百八十六億あたりでは著しく少くて、二百ミリ以上の雨があれば、五百億の損害があるということが、專門家の方に言われておるのに、そうして災害は河川のみでなくて、地震、火事、その他にいろいろなもの、道路、橋梁などに起つて参りますであろうのに、つまり言葉を換えて言えば、災害はあなたが最善を盡すと言われても、そういうあなたの心持の如何に拘わらず、災害は必ず來るのですが、それに対する予算措置がつまり予備金の形がなくて、そのとき國会中でなかつたならば、改めて國会を召集しなければならん、そうすれば時機を失してしまうというような問題が起きて來る。もう一つのやり方は、現在持つておられる予算を災害の方に廻すという窮余のやり方があるでしようが、若しそういうことをやるならば、他の道路なり、橋梁なり、都市計画なりで予定しておつた工事の量が大きな変化を受けて、まじめな計画的な仕事ができなくなつてしまう。いずれにしても災害に対して何ら建設大臣態度を持つていないというようなことでは、僕は大臣として國民に対する責が盡されないと思う。若し研究の不十分の点があつたならば御研究願つて後刻はつきりと大藏大臣と打合せるなりして御答弁願いたいと思います。総額五百億の公共事業費の内部でやりくりするために予備金を持つておられないのか、それとも臨時國会を召集してでも大きな災害が起きた場合にはやる。而もそれには時期が遅れるという我々は技術的な心配を持つのでございますが、そういう災害に対する予算対策を持つておるのか、持つておられないのか、その点一つはつきりと聞いて置きたいのです。
  44. 益谷秀次

    國務大臣益谷秀次君) 予算で御承知通り、現在は將來起るべき災害を予想いたしましての予算措置はございません。
  45. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 ございません……それは建設大臣として御心配ないのですか。或いはもう少し御研究になつて、大藏大臣なり、安本長官なりとお打合せになつて保留された方がいいじやないか。つまりそれでは我々はあなたが何ら災害に対する予算的な構えがないということを承知していいですか。
  46. 益谷秀次

    國務大臣益谷秀次君) 現在の予算ではそれに対する予算措置はございません。これははつきり申上げることができるのでありまするが、さりとて將來万々一不幸にも災害が勃発いたした際には、それぞれ緊急の措置、財政措置と申しますか、金融措置を講じて参りたいと思うのであります。その点はどういう金でどうするということは今日まで決定いたしておりません。ただ地方公共團体等においては災害に対する起債の途が若干開かれておると存じておるのであります。尚万一災害が勃発いたした際にどうするかということは、尚大藏大臣と安本ともよく協議いたしましてお答え申上げたいと思います。
  47. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 これは非常に大きな問題だと思うので、他の委員会その他でこの点は一建設大臣の問題ではなくて、吉田内閣が建設関係に対してどのような態度、特に災害に対してどのような態度をとつておるかということは、私は非常に重要な問題だと思いますので、今日はこの問題はこれ以上あれしないで、次に進みますが、次の問題は、この建設省で持つておられる二百七十四億に対する地方起債全体として五百億に対して、二百三十三億許されておる、この二百三十三億というものを以てしては、我々は五百億こなせないという見解を持つておるのです。それで從つてこの二百七十四億のあなたの建設省の予算は、地方起債の面から見ると、消化できないという僕は数字的根拠を持つておるのですが、大臣はこれが消化できるという一つ数字的根拠をお示し願いたい。
  48. 益谷秀次

    國務大臣益谷秀次君) 数字の明確なることはここに申上げることはできないのであります。ただ御承知通り建設省の予算の公共事業費のうち、例えば災害復旧費と申しますか、河川の費用と申しまするか、三分の二の國庫補助の分もあります。二分の一國庫補助の分もあります。三分の二國庫補助の部面が非常に多いのであります。從つて建設省といたしましては、二百三十三億で建設省の公共事業費については、地方において十分負担できると思います。特に災害費が大部分を占めております地方においては、熱心に災害の仕事を進めておりますから、これに対する地方協力は十分に求められることと信じておるのであります。
  49. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 五百億の公共事業費に対する地方起債は幾らと見ておられるのですか、二百三十三億じやないんですか。
  50. 益谷秀次

    國務大臣益谷秀次君) 二百三十三億であります。地方起債は。
  51. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 五百億に対する二百三十三億ですね。だとすれば別に計算して見ると三日五十億乃至四百億、精々四百億しかしつまり七割か八割しか消化できない計算になるんです。今即答でなくて結構ですから、後で建設省二百七十四億が、五百億に対する地方起債二百三十三億の割合で消化できるという一つ証明を後で頂きたいと思います。
  52. 益谷秀次

    國務大臣益谷秀次君) 私所管の分はどれだけ地方の負担になるか、それは大体計算できると考えております。それは後に大体計算をして申上げることができます。他の公共事業関係は、私所管でありませんから十分提出をするというお約束はできません。
  53. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 結構です。建設省だけで結構です。最後にもう二つあるんです。  それは住宅です。住宅の驚くべき拂底で、ちよいとした住宅を得るためには、実に死苦の苦しみを嘗めなければならない。而も大衆は殆んどそういう死苦の苦しみをしながら、住宅が得られない状態にいるときに、総挙選のときも民自党は、その金融措置を講ずるということを約束されたり、又我々が曾て大臣と直接交渉をしたときにも、非常に熱意を持つておられたが、これはまあその全体の予算で関係筋との折衝において削られたんだということになつているとして、僅か二十五億の住宅でやつてつて、それで住宅が幾ららでも緩和されるというふうに考えておられるのか、こんな程度つていたんでは、火事とか自然損耗その他で減る方の速度が大きいと考えておられるのかどうかということと、それから大臣としてこの二十五億ぐらいの程度でこれで終えるつもりか、もつと他の方法によつて努力をして、住宅をもう少し建てるように金融措置なり予算の増額なりでこの点を打開して行く考えがあるのか、この程度で止むを得んと考えておられるのか、その辺を承わりたいと思います。
  54. 益谷秀次

    國務大臣益谷秀次君) 住宅は二十五億の予算で満足いたしておりません。極力自己資金の住宅建設を助成して参りたいと思うのであります。ただ二十五億はいわゆる庶民住宅であります。公営の賃貸住宅であります。これで約二万五千の住宅を造りたいというので、これは國庫半額補助の分であります。これとても財政の許す限り昨年以上に新築等をいたしたいという考えでありましたが、御承知のような窮乏いたした今日の國家財政の上から、涙を呑んでこの程度に甘んじなければならんということになつて参りました。更に住宅金融の問題でありまするが、これは兼岩委員も御承知通り方面の熱心な要望もあります。又建設省においても熱心に研究をいたしまして、住宅金融公社と申しまするか、住宅金融に対する計画を樹立いたしたのであります。樹立いたしましたが、現在國庫の出資による金融の途は裁がつてしまいましたが、できるだけ他の別な方法をとりましても、金融の金を開きたいというので、今日努力を続けております。前途の見通しについては、今日においては何も申上げることはできないのでありまするが、努力は続けておることだけを御了解を願いたいと思うのであります。
  55. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 最後に建設省の部屋の問題についてお尋ねしたいのですが、御提出の案を見ますと、営繕の方で、人事院の方のために非常に拡張の予算を要求しておられるのですが、人事院が発足以來非常にやり方が、何かこう非常に変つておるのであります。例えば、廳舍へ行つて見ますと、人事院だけは非常に奇麗な装いで、非常にゆつたりとした恰好で住んでおつて、肝心の営繕を担当しておる建設省へ行つて見ると、廊下にまで本箱その他を積んであつて、非常に廣いと思つた肝心の営繕を掌るところが最も窮屈な所に置かれておるんですが、こういうことに対して大臣は……人事院の方の説明はこれは後で聞くことになつておりますが……大臣はそれに対して当然と考えておられるのか、ああいう建設省だけが廊下まで物を積んで、そうして人事院だけが何の理由か、大体僕はああいうものは有用な官廳と考えておらんです。先程北條委員と同樣に、日本の人事行政に対して裨益しておらんと思うのです。そういうものの廳舍だけを沢山建てることの仕事を一生懸命建設省がやつていて、そうして建設省自体は実に不衞生、不合理な廳舍のやり方、これは幹部のことを言うのじやないのです。職員を不合理な不衞生な状態に置かれるというのは、大臣はどういうふうにこれを考え、どういうふうに人事院と折衝されたか、今後どうされるつもりか一つ拜聽したい。
  56. 益谷秀次

    國務大臣益谷秀次君) 人事院とは私、直接折衝いたしておりません。ただ申上げることができるのは、兼岩委員も御承知通りに、特殊の役所でありますので、私の方からかれこれ申すことはできないのであります。建設省の役所の狹くて皆苦んでおることは承知いたしております。これもできる限り拡張したい、増築いたして参りたいたいと思うのであります。ただ今回は、私詳細には存じませんが、人員と部屋数によつて何か営繕ができるようになつたそうであります。從つて建設省だけが増築して参りますとか、部屋を編み出して参るということはできないのじやないかと思つております。ただ非常に狹いところで執務いたしておりまするから、これはできる限り増築いたしてこの不便を一掃いたしたいと思つております。
  57. 石坂豊一

    委員長(石坂豊一君) ちよつと本件に関しまして、委員長から質疑いたしたいと思いますが、兼岩君の廳舍に関する質問は、最もこれは國民の利用する立場から申しましても、又事務の進捗状態から申しましても、建設省としては相当に眞に便利な役所を持つておらなければならんので、幸いに大藏省からも政府委員が見えておるようでありますから、あのビルデイングを人事院ビルデイングなんという極く人の少いところに帰属せしめて、後が宿借りしておるというのは誠に不自然な扱いじやないかと思いますが、あれは建設省のビルデイングにして、後は逆に建設省から借りると、こういうふうな建前にやつたら非常にいいのじやないかと私は考えますが、大藏省から見えておる政府委員所見を伺いたいと思います。
  58. 石原周夫

    政府委員(石原周夫君) 只今のお尋ねにお答えいたします。人事院のビルデイングが人事院ビルデイングという名前が付けられている点につきまして、名前をむしろ建設省のビルデイングにして、人事院が借りることにいたしたらどうかというお話でございますが、これは甚だ私迂濶でありまして、どういうような経緯がございまするか今詳しく承知をいたさないのでありますが、これは國有財産の方で総括の事務をやつておりますし、そちらの方に至急どういうような事情にあるかということで相談をして見たいと思います。ただ名前の問題はどういうことに相成りまするか、まあ付けようでもあると思うのでありますが、全体のスペースの問題につきまして、先程來いろいろお話がありまして、先程お答えのございましたように、全体の坪数を基礎といたしまして今回の営繕関係査定ができているということであります。ただ現在の状況におきましては、從事員の状況が必ずしも予算通りに参つていないというような役所もございまするので、そういつた面で現状におきまして相当不均衡を生じているところが二、三あるかと思います。今私ここに正確な資料を持つておりませんが、大体の原則はそういうことででき上つておりますが、いろいろ場所の綺麗汚いという点については、スペースの点につきましては、大体において予算に想像しておられます人間の数におきましては、著しい不均衡が生じないようにしたいということを考えております。
  59. 北條秀一

    北條秀一君 私は、只今岩委員が可なり詳細に質問をいたしましたので、それに補足いたしまして私の質問を数点話したいと思います。今委員長がお話になりました人事院ビルデイングの問題でありますが、國民人事院というものは貸家業だというふうに解釈しておるのであります。それは人事院ビルデイングというけちな名前を付けないで、総合ビルデイングという名前を付けた方が一番合理的だと思うのであります。國民の目に人事院ビルデイングの問題が非常に特殊なものに映じておることは事実でありまして、先般も首相の施政方針演説に対する質問演説のときに私はこの問題に言及したのでありますが、この問題につきましては更に明日人事院の人事官が來られますから、その際に更に討議したいと考えるのであります。  今日は先程お話がありました災害の問題でありまするが、かねて治山治水の災害対策につきましての権威者である赤木政務次官の日頃の啓蒙を私は受けておるのでありますが、既往三ケ年間の実績に徴しましても、災害というものは毎年あるのであります。先程建設大臣は万々一災害があればというようなお話でありましたが、これ程荒唐無稽(笑声)言葉はないと思うのであります。必ず私は災害があるというように考えるのであります。從つて岩委員の御質問通り、当然災害対策というものを考えて頂かなければならんのでありますが、この点につきまして、建設大臣の先程の御所見は極めて危險極まるものであるというふうに考えますので、権威者である赤木政務次官は、大臣に対して十分その点を進言されまして万全を期するというふうな生温い行き方でなしに、当然六月に臨時國会があれば、臨時國会に災害対策に関する予算を見積る、計上されるという考えで進んで行くという決心をして頂きたいと考えるのであります。  第二の点は、住宅の問題でありますが、この住宅問題につきましては、今回の予算で非常に削減されたことは、全く住宅というものが生産状況或いは民生の安定という点からどれ程までに大きなウエイトを持つているかということについての日本政府並びに関係方面の認識が非常に欠けておると考えるのであります。益谷建設大臣は第四國会の後で各地を廻られまして、この住宅問題について、どうしても百億円の融資をこの際しなくちやならんというふうに主張されておりましたことはよく聞いているのでありますが、その百億円が一朝ゼロになつたというふうなことは、全く國民としては理解できないという問題でありまして、この住宅問題につきましては、何らかの措置を講ずるのでなしに、特殊な措置を講じなくてはならん。現在參議院の予算委員会におきましては、自由党を抜きまして他の党が懸命にこれを研究いたしました結果、價格調整費を削ろう、價格調整費の中から住宅建築費を持つて行こうじやないかという案を今日まとめているのでありまして、從つてこの住宅金融については、先程建設大臣お話じやなしに、もつと具体的なこういうところ、例えば價格調整費を現在の予算中これだけ引く、或いは將來預金部の金を使うというふうな具体的な考えを持つて進まれることは私は特に望むのであります。つきましては、住宅に関連いたしまして、先程本多大臣質問したのでありまするが、六大都市と廣島、長崎、非常にくどく申しますが、これらに對して建築部を残すというのが私の主張でありますが、どうも今までの様子を見てみますると、建設省はこれを廃止して再び建設部に統合するというふうなお考えだと思います。部を残すか、置くか、置かんかという問題が非常に重大な問題でありまして、昨年特に建築の問題は非常に大きな問題でありますが、建築部というものを各縣に作つたところが、これを再び建設部に還元いたしますと、いよいよ以て住宅の金融はなし、住宅に対するところの認識は欠如しておる、そして建築部もなくなつて來るということになりますと、建築という問題も住宅の問題も、全く前途暗澹たるものになつて來るというふうに考えるのでありますが、この各縣の建築部の存廃についての建設大臣の御所見をはつきりと承つて置きたいのであります。
  60. 益谷秀次

    國務大臣益谷秀次君) 六大都市その他廣島等に建築部があります。その他各縣に建築部があるのでありますが、建築部を廃止するということは、建設省といたしては考えておりません。先程本多國務大臣もお答え申上げました通り地方行政機構に対しても或る程度簡素化整理をいたして貰いたいということは各位の政府の一致した意見であります。意見でありますが、然らばどの縣の何部を廃止する、又全般的にどの部を廃止する、どの部を設けてどの部を廃止するというようなことをいたさないで、部が例えば六つでありますと、五つにしろとかいつた程度に各地方の知事に委かすというような建前で進むべきであろうということが閣議でも大勢の意見であります。從つて今日の程度においてはまだ確定いたしておりませんが、これは内閣の自治課でありますから、そこで研究いたしております。ただ建設省といたしまして、折角設けました建築部を廃止するという意見は持つておりません。
  61. 北條秀一

    北條秀一君 廃止すべきだという考えをお持ちでありませんが、残すべきだというお考えでありますか。
  62. 益谷秀次

    國務大臣益谷秀次君) それは各府縣の事情でありましようから、大体政府といたしましては、各府縣に委かすべきであつたという考えであります。これも一致した意見ではありません。
  63. 北條秀一

    北條秀一君 大臣、その点は非常によく分るのでありますが、各省考えに委かすのだというのでありますけれども、実際にこの住宅問題を自由党が最も大きな民生安定の方策として取上げて來たのでありまするが、そういう点から考えましてですね、最も深刻なる問題が住宅問題でありますから、それで各縣に委かすということになりますると、新設部でありますから、これは止めて建築部にしようというような考えになつて來る、ですから建設省は指導的立場にありますから、建築部を残して住宅の建設に当つて行くべきであるという、そういう強力な私は指導方針を採るべきではないか、積極的な指導方針を採るべきだというのが私の考えであります。從つて大臣お話になりましたのも、それは全部縣に委かして行くと言われましても、縣は政府の意向をあれこれ忖度して、そしてどこに持つて行くかと申しますと、建築部をつぶすというところに持つて行く危險を非常に感じますから、それであつては困るから建設大臣にしてはかくすべしということを、指導をして貰いたいというのが私の見解であります。引続きまして特に本日先程委員長から言われました、大藏省の主計局の第二部長がお見えになつておられるそうでありますから、この際住宅問題に関しまして公務員宿舍法の問題について第二部長から説明を受けたいと考えるのであります。お諮り願いたいと思います。
  64. 石原周夫

    政府委員(石原周夫君) 公務員宿舍法は給與局の方で起案をいたしまして私その最初の段階に參與いたしたと思います。今日でき上ります宿舍につきましては今詳しく承知いたしておりません。若しその点の御説明でございますれば、私以外他の担当者から申上げるようにしてもよいと思いますが。
  65. 北條秀一

    北條秀一君 給與局長はお見えになつておらんのでしようか。
  66. 石坂豊一

    委員長(石坂豊一君) 見えておりませんが。
  67. 北條秀一

    北條秀一君 それならば主計局の部長がお見えになつておりますから、公務員宿舎法と違いまして、今回予算に計上されましたところの公務革の宿舎十一億円の予算についての御説明を先ず承わりたいのであります。
  68. 石原周夫

    政府委員(石原周夫君) お答え申上げます。先程お尋ねがございましたように、公務員宿舎法と大体関連をいたしました問題でございまして、この前の議会であつたと思いまするが、公務員宿舎法を提案いたす運びにいたしまして、手続上間に合いませんで、できなくなつたのでありますが、その際に大体考えましたことは、公務員の宿舎を三つに分けまして公邸と称します、これは大体國務大臣これに準じまする者の宿舎、それから第二は事務的な宿舎でありまして、これは昔から宿舎という名前、今もなつておるものと思いますが、無料宿舎、これは職務上どうしてもその人が勤務地にいなければならん、一例で申上げますれば消防官というような、そういうような当然職務の関係上一定の勤務地に或いは官廳そのものに附いていなければならないものであります。そういうものにつきましては無料で宿舎を國が提供をいたすというのが第二、第三のグループは有料宿舎ということになりまして、そういうような職務上どうしてもその人間が常に何らかの場合において動員し得る場所におることを必要とするという者の以外、國の仕事をやつて参りまするために非常に遠隔の地から通勤することは事務の執行に差支える、或いは宿舎がないそのために公務執行がむずかしくなるというようなことを避けまする意味におきまして、有料宿舎というものが考えられます。で最近固まつておりまする法案が、若し私の了解しておりますると違つておりますれば甚だ失礼するわけでありまするが、前議会に提案をいたすまで準備をいたしておりましたの大体そういう構想であります。そこで今申上げたようなグループから申しますと、ここに上つておりまする関係の十一億円というものは、大体におきまして最後の有料宿舎に該当するものであります。実は公務員宿舎法が前議会でも通つておりまして、その具体的に配置と申しまするか現在あるものもございますし、ないものもございます、その間相当各省間に不均衡が存在しております。從つて現状を一遍洗い直しまして、その上におのおの各省どの程度のものを作つたらいいかということが、分つておりまするものでありますると、本來これは各省に決めまして、おのおのの省が現在持つておりまする施説と合せまして、どういう割合になつておるか、ということが掴み得ると本当はいいんでありますが、宿舎法自身がまだそこまで行つておりませんので、これを一括いたしまして大藏省所管に計上いたしたわけであります。実際のやり方といたしましては、國有財産管がございまして、これが全体の國有財産の統轄事務をいたしておりまするので、國有財産局が各省と御相談申上げ、公務員宿舎法が成立した曉におきましては、その宿舎法の趣旨に照しまして、どういうような割合に、どの程度の戸数を各省に分けていいかということにつきましての案を作りまして、その上で恐らくは各省に支出員とか何とかいう形に相成るかと思いますが、非常に全國に散らばるものでありますので、國有財産局が全部やりかねますので、実行は各省に移さなければならん。この十一億という金額を組みましたのは大体におきまして、今ちよつと手許に資料を持つておりませんので、正確を欠いて非常に失礼でございますが、大体公務員の相当交通の不便なる地域に居住いたしまするものにつきましての割合、幾らだつたか忘れて恐縮でありますが、一%でありましたか、二%でありましたか、それに該当しまする宿舎に相成るかと思います。非常に低い割合でありまして、現在の状況から見まして非常に不十分でございまするが、現在の財政のうちから割き得るのはもうこの程度しかなかつたということを申上げたわけです。それから尚、それ以上正確なるパーセンテージは、今ちよつと調べまして、後程お答えした方がいいと思います。大体のところは私のちよつと申上げました二%程度ではなかつたかと了解しております。
  69. 北條秀一

    北條秀一君 この公務員の宿舎につきましては、先般建設省建築局長にお伺いしましたときに、建築局長の方では全く関知しないというふうな話でありまして、我々は驚いたわけであります。私共は今日住宅問題は非常に大きく取扱つておるところに、建設省では先程お話しの通り二十五億円でたつた二万五千戸の家を建てるんだ、而も建設省建築行政は一切建設省に統轄されておるわけであります。にも拘わらず他方に十一億円の予算が同じ住宅の建築に浮び上つておる。而も建設省はそれは知らないというふうなことを聞きましたときに、全く馬鹿々々しくて話にならんと考えたのでありますが、なぜこういうものを、即ちこれも住宅なんですから住宅行政建設省は一括してやるというところに積極的な努力を拂わなかつたか、これは私は建設大臣として、怠慢であるというふうに考えるのでありますが、どういうわけでこの十一億円の公務員の宿舎だけを建設省建築行政から切り離したか、これについての益谷大臣の御答弁を聞きたいのであります。
  70. 益谷秀次

    國務大臣益谷秀次君) 私も実は最近まで知らなかつたんであります。ただ何か住宅、先程第二部長の御説明があつた通り、遠距離の通勤者に作つてやるというために住宅等でありまして、國有財産として、一面給與という方面考えがあるので、建設省の所管に移さなかつたということであります。
  71. 北條秀一

    北條秀一君 それではこの公務員宿舎法は、いよいよ第五國会に提出されるわけでありますが、今後この公務員の宿舎につきましては、建設省は全く今後とも関係しないという建前であるのかどうか、
  72. 中榮一徹

    説明員(中榮一徹君) ちよつと御説明いたします。その後どういうふうに変りましたか、若し変つておりますとすれば、私の説明が多少違うかも知れませんが、宿舎法の中に審議会ができまして、各省の宿舎の状況を調査いたしましたり、今後できますものの基準を決めまして、又細かいところでは有料宿舎の人員を決めたりするために審議会ができております。その審議会委員人事院の人事総裁と、それから大藏次官、建設次官、もう一名安本副長官が入つておられまして、その委員で、今申上げましたような点を審議されまして、それを実施に移して行くことと相成つておるように承知いたしております。
  73. 北條秀一

    北條秀一君 私そういうことを聞いておるのではないのですが、問題の要点は、この自由党内閣審議会を作ることは非常にお好きだということは新聞に出ておりますが、審議会を幾つお作りになつてもそれは誠に結構でありますけれども、審議会を作つて、そうして先程都市局長から言われたような四つの省が集まつて建築行政を担当するところの建設省が僅かに四分の一これに関係しておるというやり方がいけないというのです。そんなことはやりたくないから、又人事院ビルデイングに話が戻つて來るが、その人事院ビルデイングの店子にならなくちやならんということになつて來る。ですから建築行政建設省はやるのはどうか、民間のものは自分の方でやる、公営住宅は自分の方でやる。併し官廳の住宅は建設省は知らん。それはちよつとお付き合いするというふうに私共見えるのです。それじやいかん。住宅というものは今後とも永久に大問題なんですから、住宅をこの際一本にして、民の住宅であろうと、官の住宅であろうと、その住宅行政においては変りないから、一本にまとめてやるところに建設省の任務がある。その点を私は聞いておるのであります。審議会でなしに、その点が私の質問の要点なんですが、如何お考えかどうか、こういうことなんです。
  74. 益谷秀次

    國務大臣益谷秀次君) 公務員の給與の関係と至大の関係があるので、人事院の総裁でありますか、他の人事官でありますか、審議会に加つておることと存じます。ただ建設を主眼とするか、給與という方面主眼とするかということで分れるものと、見解を異にするものであると存じておるのでありまするが、建築行政を担当いたしておりまする建設省といたしましては、どこまでも今後建設行政建築行政を一元化して参りたいと思つております。
  75. 北條秀一

    北條秀一君 先程兼岩委員から建設省調査局を作れということを言いましたが、調査局を作れというのは、建設省の持つておるところの各調査研究の資料というものが極めて、何と言うか非科学的である。腰だめ的な資料しかないという点を我々は深く憂えておるわけなんです。從つてこの住宅問題につきまして、官民いずれを問わず、住宅問題は「本にして考えておるというふうに私は考えておりますし、今回発表された経済現況の分析におきましても、住宅問題は一本に扱つておる。ところが今度の予算では、官の住宅ならばそつと隠して別に扱つておる、これがいけないのだと言うのですよ。だから成る程給與の一体系として住宅を出すということは昔から方々でやつておることでありますし、現に民間においても十分やつておることでありますから、別にそれは不審を抱きませんけれども、それなら日本の住宅問題を論ずるときに、建設省が住宅問題を論議される際に、それは官吏の即ち公務員の住宅は全然別だという。私共は今後建設省説明を聞くときには、そういうふうに考えざるを得ないのでありますが、それじや結局住宅問題というのは民間関係だけの住宅問題であつて、而も今日まで建築局が出して來ておる資料には全般的の住宅問題が論じられておると思うのでありますが、ところが先日聞いて見ますと、今回の公務員の宿舍十一億円の問題については、全く触れていない。こういうことじや住宅問題というものを十分に合理的な基礎に基いて解決することができないということを、私共は先般論議したのであります。だから、給與の体系だから、給與の一要素としてこれを支給するんだという考えだから、公務員宿舍は別だという考えでなしに、建築行政の建前から、この十一億円によつて造られるところの有料宿舍もその建築計画の中に入れて置くべきだというわけでありまして、これにつきまして、むしろ詳細については建築局長がよく知つておられると思いますが、今まで建築局長から説明を受けた中には全然入つていない。今後はこれを入れるつもりかどうか、それについて建築局長の意向を承つて置きたいと思います。
  76. 伊東五郎

    政府委員(伊東五郎君) 実はこれは予算の要求のときには前年度からの関連がありまして、前年度預金部資金でやろうという計画があつたのですが、そのときには私共大藏省からいろいろ相談を受けまして、住宅政策の一環としていろいろ意見も出しております。今度の予算は大藏省から提出しておりますけれども、我々としても概要は聞いておりまするし、この実施には建設省としては無論住宅問題に対して責任あるわけでありますから、これは協力して実施するように大藏省にも申入れてやつて行きたいと思つております。
  77. 原口忠次郎

    原口忠次郎君 今北條議員からいろいろ質問の事柄が……私が先程建設行政はその事務種類によつて今まで分けられて來たということを申上げたのですが、この事務種類によつて分けられて、建設行政一つの一貫した建設行政じやなくて、すべて事務種類によつて分割されて、そうして補助的な随判的な職分だと、行政職分だと、こういうふうに今まで日本建設行政が進められて來たのでありますが、私先程簡單に事務種類によつて建設行政が分たれたということを申上げたのでありますが、今北條議員が質問しておりますことが丁度これに当て嵌ると思う。こういうことが、無論家を造ることは、誰でも自分の住宅は造るくらいに家を造ることは何でもないんだから、大藏省で予算を取つて家をお造りになることは結構だと思いますけれども、折角建設省というものがあり、而もそこで建設行政統一して、官民のいろいろな資材、すべての技術方面も相当しておる官廳があるにも拘わらず、簡單なことだから、予算取るだけが非常に面倒だから、大藏省で、預金部あたりで大藏省で取るというようなことが私は日本の今までの官廳のやり來りだと思う、私もよく知らなかつたのですが、若しそういうことであるとするならば、今後大きな建設省を我々が作つて行きたいということが片方から崩れて行く結果になる。むしろ私はこういうことこそ建設大臣の下に統合して、そうして建設行政の一環としておやりになることが非常に合理的ではないかというふうに考えますので、今までのいきさつは知りませんけれども、十一億円の予算が若し組まれておるとするならば、これを是非とも建築局で、できなければ委託を受けるとか、或いは何らかの方法で、建築局で取扱うようにせられることを私は非常に希望するわけであります。  それからついででありますから大臣に申上げてみたいことがございますが、それは先程兼岩議員から、或いは北條議員からお話ありました災害復旧費の予備費のことであります。これは是非とも北條議員のお話のように、臨時國会でも開かれます機会に、今までの大体の推測は毎年の災害でつくと思いますので、是非追加予算として計上して頂きたい。これは最近地方では政府の支拂が非常に遅くて困つておる実情が非常に多いのでございます。これを私から特に申上げるまでもなく、大臣もよく御承知だと思いますが、地方の縣なり或いは大都市あたりでは、政府支拂が非常に遅いので各業者が非常に困つているという実情が非常に多いのでございます。これなんかは何故こういうふうになつておるか、いろいろな理由はありましようけれども、結局本をただすと、金がない。後から後からと追加予算とか何とかいつて、いろいろの名目で出して行くので、次から次に遅れて行つて、今日のような結果を來しておるんじやないかと思いますので、こういうふうな面を打開する上にも、是非予備金程度のものを災害復旧には特に何とか名目を付けて、そうして災害防除費とか、或いは何とかというような名前で、建設省で予算を持つて頂きたいということを特に大臣に強くお願い申上げます。  それからこれは話は変りますけれども、住宅の問題で、最近私共地方でいろいろ聞きますのに、これは私も非常に迂遠なことでありますけれども、最近地方では資力があつても住宅を造ることを見合せるんだという空氣が非常に多いのであります。これは何故そういうふうなことを言つているのかということをいろいろ聞いてみますと、家を造ると税金を掛けられる。で、私非常に迂遠ですけれども、何でも新築いたしますと必ずそれの二割か三割は新築税を取られる。そういうものを取られて、場合によつては金の出て來たところまで調べられる。そうして段々調べて、二進三進も行かなくなつたという例が非常に多いのであります。これはどういうことか私もよく分りませんけれども、新築に税金を掛けるということになつておりまして、地方では新築することを見合せるという空氣が非常に強いようでございます。これは國家の大体の税の目安もありましようけれども、住宅は今日非常に拂底している、日本復興には住宅が第一だという声があるかと思うと、家を造れば税金を掛けるぞというようなやり方に片方からする。こういう点が民間の住宅新築の隘路になつておるんじやないかというふうに考えております。こういう点も特に大臣は御考慮を願いまして、何とかこれに対して特別な措置が講ぜられるか、或いは講ぜられないか、そういう点も特に住宅を促進するという面からお考えを願いたい。こういうふうに思つております。  この二点について特にお願い申上げて置きます。
  78. 北條秀一

    北條秀一君 只今原口委員の御主張、我々全く同感であり、建設大臣において具体的にそれについての措置を講ずるように、私も懇請して止まないのであります。つきましては主計局の第二部長にお伺いしますが、先程來問題にしました十一億円の公務員の宿舎で、有料宿舎を一体どれだけ建てるか、これを伺いたいのであります。それによりまして私共考えたいのは、一般庶民住宅は大体五十万円で二万五千戸建てるということになつておりますが、この十一億円は一体どれだけ建てるかということになりますと、建物の規格、或いは建築費というものを從來の行き方から言いますと、大体公営住宅などは非常に安くてぞんざいなものでありますけれども、公務員の有料宿舎というのは、恐らくそれとは違つて相当ガツチリした立派なものを建てるのではないかと考えますので、この十一億円で何戸建てるのか分つておればこの際お示し願いたいのであります。
  79. 石原周夫

    政府委員(石原周夫君) お答えをいたします。私先程正確なパーセンテージを申上げなかつたのでありますが、私共予算を組みました氣持から申しますると、新築も勿論あるわけであります。一般的に住宅が拂底しております際でございますので、できるだけ新築をいたすべきものかと思います。併しながら現実の需要の面から申しますると、必ずしも新築をいたす遑がないと申しまするか、或いはそうでなくて既存のもので、その買收をいたしまして、その方が却つて要領がいいというようなものもあるわけであります。從いまして大体この金をどういうふうに使うかということは、先程も申上げましたように、國有財産局におきまして、一應各省といろいろ御相談をしながら進めて参りますることに相成りますので、買收がどれだけで、新築がどれだけかということについての正確な計算は申上げるわけに参らんのでありまするが、從いましてその單價をどういうふうに見ておるかということでございまするが、それは新築の場合におきましては、大体庶民住宅の場合にああいうような規格の下に非常に精密な積算を以て作つておられますので、勿論大体これに準じて考えて行きたいと思つております。今のような行き方で組んでございまするので、甚だその内容明確を欠きまして申訳ないのでございまするが、狙いは要するに公務員宿舎法もまだ目鼻がついておりません状況でございましたので、その方の状況と見合せて、又中央における実情、各官省の需要というようなものをいろいろ見合せまして、決めることにいたしたいというわけでございましたので、北條委員お尋ねの点に対しまして直接はつきりしたお答えに相成らんのでありますが、その点は一つ御了承願います。
  80. 北條秀一

    北條秀一君 これは建設大臣もおられますので、特にこの際註文をつけたいのでありますが、今第二部長が御説明になりました、必ずしも新築でなしに既存のものを買收する、これが非常に問題なんです。私は特に引揚者の代表でありますが、引揚者の現在家のない連中が百一万人おりまして、而も現在入つておる連中がどういうところに住んでおるかということはしばしば方方で論ぜられて、本会議においても論ぜられたところであります。先般の緊急質問におきましても、馬小屋に住んでおるという実情はよく御承知通りであります。それ程までに住宅に困つておるときに、官廳が今日まで公務員の宿舎を世話して來なかつた。勿論四十八時間制が実施されたときに遠距離通勤者の住宅は早急に建ててやらなければいけないと考えるのであります。ところが新築して呉れるのは、新築して呉れるように随分努力して呉れるのは結構なんですが、既存のものを買收するということになりますと非常に考えなくちやならん。原則としては私は既存のものは買收しないでやつて頂きたい。何と言つて日本は官尊民卑の弊風は未だ拔け切れないのでありまして、官が言えば家主でも何でもOKと言つて出すが、民が言うとなかなか出さないというような実情でありますので、特に今日住宅難で家主が追出そうとしてもなかなか借家人が追出ないというようなところに、官がちよつと入つて來て今度公務員の宿舎にするために買上げるということになりますと、家主の方では待つてましたとばかり出すことは分り切つておるですから、必ずしも新築でなくして既存のものを買收するかも知れない、この点については更に機会あるごとに私共は意見を申上げますが、これは止めて貰いたい。止めることを原則にして、そうして例外的に善処することは止むを得ないかも知れませんが、そういう方針を採つて頂きたいということをこの際重ねて関係各係官がおられますので強く要望いたして置きたいのであります。
  81. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 ちよつとお尋ねいたしますが、十一億円の内容は決まつておらないのですか。
  82. 石原周夫

    政府委員(石原周夫君) 今お答え申上げましたように、私折角ですから、資料を手許に持つておりませんが、或る積算を持つておりますけれども、併し先程申上げましたように、新築で何戸、その坪数が何坪というような積算でなくして、大体世帶数にして、どの程度の世帶数が入るかということを見当にして積算をいたしました。
  83. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 この十一億円は予算を要求しておられるのですが、どこの委員会に掛けておるのですか。予算でなくして法律ですね。大藏委員会ですか。
  84. 石原周夫

    政府委員(石原周夫君) お答えいたします。ちよつと私共の方の主管でないものですから正確に申上げられません。まだ提案の運びになつていないかと思います。
  85. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 この十一億円の予算は……
  86. 石原周夫

    政府委員(石原周夫君) これは当然予算の内容にございますから、予算委員会でやつております。
  87. 北條秀一

    北條秀一君 政府委員のお答えに補足して申上げますが、提出されました予算案に十一億円が計上されて、これは公務員宿舎法案によるものである、こういうふうの出されておるのです。從つて現在のところは大藏常任委員会に持込まれておるわけです。
  88. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 僕は一般庶民住宅が僅か二十五億で、十一億を公務員宿舎の方に出しておられるという関係は、これは一貫して審議する必要があると思うのです。この十一億円をちやんと無料宿舎と有料宿舎に分けておるが、その十一億円の要求された根拠を非常に詳細でなくともいいと思いますが、大体我々が了解し得る程度の資料を要求したいと思います。
  89. 北條秀一

    北條秀一君 賛成。
  90. 石坂豊一

    委員長(石坂豊一君) 兼岩委員に申上げますが、明日人事院の総裁も出て來ますから、その際に讓つたら如何かと思います。
  91. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 今日でなくてもいいです。
  92. 北條秀一

    北條秀一君 明日でも結構ですけれども、これは主宰が給與局なんです。給與局と主計局とにありますから、人事院建設省と安本はこれに参與する。どうしても大藏省から出して貰わなければ困る。そういうふうに委員長から要求して貰わなければならない。
  93. 岩崎正三郎

    ○岩崎正三郎君 大臣に聽いて置きたいと思うのですけれども、事務当局から聽いておるのは、都道府縣河川改修ですが、八十三億というやつの四十二億というものが大体これは立替拂いで新規事業はできないのですね。大臣はそういう場合にどういうお考えを持つておるか、こういう問題をどうしようかという大臣のお考え、それからもう一つ対日の見返換助資金ですが、ああいうものを建設関係の方へ何とか融通して貰うことができるように努力しておられるのか知らんけれども、その点を一つ
  94. 益谷秀次

    國務大臣益谷秀次君) 都道府縣の中小河川に対する災害復旧費は八十三億、新規の仕事はできないということをお答えいたしたそうでありますが、四十二億は一月未まだの仕事です。予算以外に超過の仕事をしておる。國庫が交付すべき補助金が四百二十億になつておるということでありますが、從つて予算の御審議を速かにいたして頂いて予算が通過いたしますると、初めて政府査定の未交付の補助金を地方に交付しなければならない。その交付金額が僅かであつて地方が困る。私共は公共事業費は四半期に分けて出すのであります。第一四半期は四月、五月、六月となつております。八十三億のうち成るべく多くの金額を、安本その他大藏省と十分協議をいたし、又地方公共團体と十分相談いたしまして、できるだけ出水期までに多くの交付金を渡したい。そういたしますると、オーバーした超過の仕事に対して一應請負人でありましても金が幾らか参りますると、先きの繋ぎができるということになるのでありまするから、與えられた予算は僅かでありますけれども、できる限り出水期までに地方に交付いたしたいというので、今努力をいたしておるのであります。そういたしますると、地方におきましても、先に仕事が進んで行くことができるという考えを持つております。ただ要点は成るべく四半期に割つた四分の一を交付するのでなくして、できる限り金額を多く地方へ渡して、これの交付をいたしたいと考えております。それから見返資金は、御承知通りの事情で、特別会計になつたのであります。建設省といたしましては、建設省所管のうち先程申しました住宅金融の方面に、これを廻して貰いたいというので、安本その他に申出ておる次第でありまして、この結果は先程も申しました通り、未だ見通しは十分にはつきりしておりませんが、長期の低利資金をできるならば特別会計から貰いたいということで、これから努力を續けて参りたいと思うのであります。その他災害というような方面には、特別会計の性質上期待はできないのではなかろうかと考えております。
  95. 岩崎正三郎

    ○岩崎正三郎君 四分の三でも何でも、早く出して呉れるといいのですが、早く出して呉れるというのは、七月頃までに出して貰わなければ……
  96. 益谷秀次

    國務大臣益谷秀次君) 成るべくできるだけ早く出したいと思つております。これは安本大藏省その他関係がありまするから、十分に協議を遂げて参りたいと思います。
  97. 北條秀一

    北條秀一君 只今米國の対日援助見返資金の利用方法について、建設大臣が希望を持てるようなことを言われましたが、ドツジ声明によつて全然そういうものは使えないと私は考えますが、今建設大臣が言われましたように、何らか折衝する余地があるのですか。
  98. 益谷秀次

    國務大臣益谷秀次君) それは全然希望がないとも申上げることはできません。又可能であるというようなことも申上げることはできません。即ち今日のところでは、未だはつきりした見通しが付いておりません。併しながらそれぞれの方面に努力をいたしておることは、事実であります。
  99. 石坂豊一

    委員長(石坂豊一君) 本日はこの程度にして散会したいと思います。明日は又更に住宅問題、官廳営繕に関する問題、戰災復興の住宅に関する問題等続行したいと思います。それではこれで散会いたします。    午後三時十五分散会  出席者は左の通り。    委員長     石坂 豊一君    理事      原口忠次郎君            仲子  隆君    委員      岩崎正三郎君            島田 千壽君            水久保甚作君            田方  進君            安部  定君            久松 定武君            北條 秀一君            兼岩 傳一君   國務大臣    建 設 大 臣 益谷 秀次君    國 務 大 臣 本多 市郎君   政府委員    大藏事務官    (主計局第二部    長)      石原 周夫君    建設事務官    (建築局長)  伊東 五郎君   説明員    建 設 技 官    (特別建設局営    繕部長)    中榮 一徹君