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1949-04-14 第5回国会 参議院 建設委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年四月十四日(木曜日)   —————————————   本日の会議の付した事件 ○建設事業一般並びに國土その他諸計  画に関する調査建設省行政機構  に関する件)   —————————————    午後一時三十二分開会
  2. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) これより建設委員会を開会いたします。本日は先日來の大臣に対する質疑を続行いたしたいと存じます。
  3. 北條秀一

    北條秀一君 私は今委員長から言われました建設省機構改革についての、建設大臣の御説明を聽くことに異議ありませんので、直ちにそれを御説明願いたいと存じます。
  4. 益谷秀次

    國務大臣益谷秀次君) 建設省設置法改正の、建設省としての現在の構想を申上げます。今回の設置法改正の狙いどころは、申すまでもなく行政機構整備簡素化一般的法則則つてやろうと存じているのであります。御承知通り現在建設省には官房の外、総務、河川道路都市建築特別建設局の六局と建設工事本部があるのであります。六局の五局といたしまして、且つ建設工事本部を廃止するのであります。そして改正案の局の構成は、管理局河川局道路局都市局住宅局の五局となります。そして尚管理局営繕部を設ける考えであります。建設省において所管いたしまする行政の中核は申すまでもなく、災害対策道路整備都市復興住宅建設、並びにこれらの建設事業規礎であります國土計画建設業の発達、機械資材整備並びに官廳営繕等でありまして、これを勘案して右の五局とすることにいたした次第であります。只今審議をこれからお願いいたそうというのは、以上申しました機構整備であります。
  5. 原口忠次郎

    原口忠次郎君 今大臣の御説明で新らしくできる建設省構想はよく分るのでございますけれども、建設省ができますときに本委員会、元これは國土計画委員会言つてつたのですが、この委員会、それから衆議院の國土計画委員会も、当時の建設省のできることには不満であつたのであります。と申しますのは、建設行政の統一のために大きな機構建設省作つて貰いたいということが、もう第一國会の当時からの議題になつておりました。そうして建設院ができるときも、建設省を作るようにと言つたのですが、到頭建設省ができなくて建建院ができた、建設院が更に建設省になりますときも、本委員会では大多数の空氣は、小さな現在のような建設省では困る、更に大きな建設行政を統一した建設省作つて欲しい。それで政府原案に対して修正案まで作り上げまして、正に修正しようとかかつたこともございます。そういうふうに本委員会は非常に大きな建設省作つて、もつと建設行政の促進をやつて貰いたいというのが、委員会の当時の空氣であつたと私は思います。併し建設院そのままであれば、將來建設行政の非常に支障があるから、この際不服であるけれども、政府原案、いわゆる現在の建設省を作ることに本委員会は賛成したと思います。そういうような過去の経驗から考えましても、私共は当然今回の政府機構改革のときにそういう面を織込んで新らしい建設省が発足するものだと実は内々期待しておつたのであります。ところで今大臣の御説明を承わりますと、現在の機構をそのまま局を一つ減らすというようなことで、非常に消極的な建設省ができ上る。私共が考えておつた建設省は、全然影も形も見えないということは、私は國家建設行政のために非常に残念に思います。そういうふうに過去の委員会空氣の反映が政府にあつたかなかつたか、それからそういうふうな建設省を作るということに大臣は少しでも御努力なすつたかどうかということを一應承わりたいと思います。
  6. 益谷秀次

    國務大臣益谷秀次君) お話御尤もであります。建設省といたしましては、大体御承知のことと思いますが、建設行政を一元化する、何か申しますか、大建設省設置いたしたいという構想は持つているのであります。而して今回の只今申上げました機構は、行政機構整備簡素化方針で現在の建設判内部機構整備いたそうと思つているのでありまして、各省を通ずるところの建設行政の一元化するという総合的全面的の行政機構改革は、暫く時間を籍して貰いたいという意見政府部内にありましたので、今回内閣に設けまする行政制度審議会で徹底的に研究をして貰いたいと思つておるのであります。  一つの例を申しますと、運輸省にありまする港湾に関する事項であります。これも当然私といたしましては建設省所管に移すべきものと信じておりまして、これに対しても相当要望いたしたのであります。併しながら取敢えず只今申しました行政機構整備簡素化という方針則つて設置法改正案の御審議を願わなければならんというのでこれを後に譲りまして、只今申上げた機構に今回は決定いたしたのであります。その他本日も他の省の機構の点についても閣議を開きました。商工省電力局の中にありまする電力開発部と申しますか、そういう部を設けるということについても強く反対をいたして削除いたしました。これなぞも建設省所管に移すべきものではなかろうかと私共は考えておるのであります。以上のような事情でありまするから、國会の我々は意見をどこまでも尊重して参りたいと思います。そうして建設省設置の目的に副うように機構を根本的に改廃いたして参りたいと思つておるのであります。皆様方の一段の御支援を願いたいと存じておる次第であります。ただ今回の繰返して申しまするが、行政機構各省設置法案を取敢えずこの国会において御審議願いたいという理由から総合的、全然的の行政機構改革というものを後日に譲つた次第であります。
  7. 北條秀一

    北條秀一君 只今建設大臣から建設省機構改革は今回は政府の企図する行政整理方針則つて極めて暫行的な方法としてやるのだというお話のように私は承わるのでありますが、先般の総理大臣施政方針の演説の際に、総理大臣行政整理については、いわゆる天引制度というようなものは全くいけない、自分は賛成しないということを明言されております。從つて吉田内閣においては吉田総理指導方針が明らかに全体を指導しておるものと私は考えるのでありますが、然るに只今建設大臣から説明されましたところの建設省機構改革内容につきましては誠に御座なりな考えであります。この点につきましては先程建設大臣が如何に釈明されましても國会則の要求するところと全く相反しておることは、先程原口委員お話通りであります。つきましては私は建設大臣が今日予算委員会関係で長くここにおられないということでありまするから、二、三の点について要点だけを御質問申上げます。  只今建設大臣は暫く現在の政府政府案でやつて行きたいというお話でありましたが、暫くとは一体どういう程度のことを考えておられるのかどうか、次の最近の機会において建設省國会側要請通り改革するという御決心があるのかどうか。それを一つ明らかにして頂きたい。  第二は今回の建設省機構改革吉田総理大臣指導方針則つて科学的根拠に基いて立案されたものであると私は思うのでありますが、先程の説明では少しも科学的な根拠というものは示されていないのでありますが、ただ僅かに六局を五局にするということが常識的に言われておるだけであると私は考えるのでありますが、どういう根拠に基いて建設省機構改革をされたか、その点について御説明願いたい。以上の二つの点を只今建設大臣から明らかにして頂きたい。
  8. 益谷秀次

    國務大臣益谷秀次君) お答え申上げます。時間的の問題でありますが、御承知通り政府におきましては今回行政制度審議会を設けたのであります。この審議会において先程申しました。総合的、全面的の行政機構改革をいたそうという考えであります。從つてこの審議会答申に基いて、又國会意思を尊重いたして、そうしてそれぞれ行政機構改革をいたそうと存じておるのであります。從つて制度審議会は極く近く発足いたします。直ちに行政機構審議に着手せられるものと思います。大した時間はかからないものと存じておるのであります。又國会参衆両院における多数の御意思のあるところをどこまでも尊重して貰わなければなりません。ただ一言北條さんに申上げて置きたいのは、例えば砂防の問題でありますとか、御承知通り建設省は普通の砂防所管いたしております。そうして農林省は異つた方面傾斜砂防と申しますか、いたしております。農林委員会に参りますと、やはり農林所管砂防農林省に存置すべきものだという強い御要望があります。又運輸の委員会に参りますと、港湾はやはり運輸省に置くべきものだ、進んで交通関係から道路をも運輸省所管替しなければならんという意見もあるのであります。そういうのでなかなか各省所管に跨つておるものを一つに統合するということはなかなか困難な事情があるのであります。ありますが私といたしましては、どこまでも國会大多数の意思を尊重いたして、又行政制度審議会答申を尊重いたして、又一面建設省といたしましても構想を持つております。そういうものを勘案いたしてできる限り早い機会において御趣旨に副いたいと存じておるのであります。  第二点は科学的の機構改廃ではない、御座なりの改廃であるというお話でありました。もとより今回の設置法は消極的な、姑息な案であるということは私も認めます。認めまするが、大体行政機構整理簡素化方針則つて出したのでありまして、只今申しました五局一部で、外に官房もございますが、これで現在の建設省仕事はやつて行けるという考えで、この改正法案を御審議を願うと存じておるのであります。科学的かどうかということについては、いろいろ御議論があると思うのであります。現在の建設省仕事只今申しました五局官房一部で十分に支障なくやつて参ることができると信じておるのであります。
  9. 北條秀一

    北條秀一君 只今建設大臣から建設省の再改革をやることには大して時間がかからないと信ずる、こういうお話がありまして誠に力強く思うのでありますが、それではこの建設大臣のお考え並びに現吉田内閣考え行政制度審議会答申案が出れば、直ちに再度の行政改革をやる決心であるかどうか、その点について御意見を承わりたい。
  10. 益谷秀次

    國務大臣益谷秀次君) 申すまでもなく行政制度審議会というのは、行政制度改革に資したいために設けた審議会であります。これの速かなる答申を願いまして、そうしてこれを尊重し、先程申しました通り國会の御意思のあるところも尊重し、又建設省として大体御承知のことと思います先程來の御質問のごとく建設行政の一元化、これを狙いといたしまする構想もありまするから、これを相互勘案いたして機構改革をいたしたいという考えでおります。これは行政整理並びに行政機構等所管をいたしております。本多國務大臣においても、この方針で進んでおることと私信じております。
  11. 北條秀一

    北條秀一君 機構の問題に関連いたしまして、直ぐ不可分の問題として考えなくちやならんのは人事であります。建設省の今回の機構縮小に伴うところの人員整理という問題についての建設大臣の現在の御意見も承わりたいと思います。
  12. 益谷秀次

    國務大臣益谷秀次君) これも御承知であろうと思います。政府といたしましては、本省予算定員の三割、現業二割という根本原則行政整理のために決定いたしたのでありまするが、吉田総理大臣も議会に施政方針の際に申された通り、画一的に三割、二割ということは間違いであるということを申しております。私の方もさよう考えております。仕事の性質、分量その他いろいろのものを勘案いたして、その省又出先機関と申しまするか、それにふさわしい整理をいたさなければならんと考えておるのであります。從つていろいろ問題があることは北條さんにおいても御承知のことと思いまするが、例えば私の方の地方建設局であります。これを画一的に整理をする際に現業と見るべきか、それから本廳並みの現業でない三割整理の方に含まれるか、こういう具体的の問題もありまするが、画一的に整理をいたしまするとしても、私共は現業と見てそれを行政整理主管大臣である本多君に強く要望いたしておるのであります。從つて今回は取敢えず予算面においては、御承知通り本省三割、現業二割というように大藏省は査定をいたして、予算の御審議を願つておりまするが、これは各省おのおのの特質と申しまするか、省の仕事というものを十分に勘案いたして構成するということになつております。從つて建設省といたしましては、現在どれだけの割合で整理をすべきかということは決定いたしておらないのであります。
  13. 北條秀一

    北條秀一君 私は今回の予算に現われましたところのこの人員整理方針が全く吉田総理大臣國会において言明された点と非常に矛盾しておるということがはつきりしておるということを言いたいのであります。只今それにつきましては建設大臣からお話があつたのでありますが、先程來建設大臣お話になつておりますように建設省というものはこれから先最も科学的に、而も國会が強く要望しておる線に沿うてこれを拡充して行かなければならんという情勢にあるのであります。そういたしますと、比較的近い將來において建設省というものを拡張しなければならんと言いながら、今日建設省内部人員整理をやるということは一面非常に大きく矛盾して來るということを私は考えるのであります。從つてその点については余程愼重に考慮しなければならんと考えるのでありますが、一つ例を申しますと、今回の予算の中に公共事業事務費というものがあるのであります。ところがその公共事業事務費が、建設省関係につきましては都市局河川局、この二つだけには全くこれが計上されていない。而も先般の会計課長説明によりますと、國庫補助事業に対する公共事業事務費はこれは一切建設省に計上せずに地方財政……ちよつと件名は忘れましたが、そちらの方で一括して計上するというお話がありました。ところがそうかと思つて更に予算案を調べて見ますと、農林省関係には、同じ案件が農林省予算の中にちやんと出ておるのであります。そういうところを考えて見ますと、建設省の現在持つております方針というものが他の省に比べて非常に消極的であるということ、從つて先程港湾の点について運輸省、或いは砂防の点について農林省お話がありましたが、建設省はともすると建設省のセクショナリズムを私は主張するわけではありませんが、他省から非常に圧迫されておる。そうしてその他の省の圧力の下に萎縮しておるのが現状じやないかというふうに考えるのであります。私は今の公共事業事務費の問題につきましては、次の機会建設大臣質問をいたすつもりでありますが、以上申上げました点から勘案いたしまして、結局建設省というものが必要以上に遠慮をして自己を主張しないために今回のようなことになつて來るのです。必要以上に自己を主張しないということは、結局建設省の省の機構にしましても、その事務の遂行にしましても、科学的な態度がない。例えて申しますと、一つ仕事をするのにいろいろな調査資料がないというようなことが建設省の最も大きな弱点であるというふうに考えるのであります。從つて行政機構簡素化方針としては現状においては結構でありましようが、建設省行政をやつて行く上において、どうしても建設省のやる仕事基礎をしつかりとするためには、こうした実態調査、例えば住宅にしましても、都市にいたしましても、河川砂防にいたしましても、その実態調査について十分な考慮を拂う必要があると考えるのであります。その点について建設大臣の特段の私は善処を懇請して止まないのであります。
  14. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) 若しこの行政方面についてお聽きならば本多國務大臣代理が見えておりますから御質問になつてよろしうございます。……特別建設局長説明を求めることにいたしましようか。
  15. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 行政機構の方は、大臣が早々立去つたために、皆さん不満足ならそれを又やられて、それから住宅と、あれとやつても私は結構です。    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  16. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) 後刻又出席を要求して、御質問になることに留保して置きましよう。
  17. 北條秀一

    北條秀一君 今の行政機構改革についての益谷大臣の御説明内容は、本建設委員会は甚だしくこれに対して不満足であるという点を、本日最後の本委員会の結論として、改めて大臣を呼んで、この次に十分に主張を明らかにし、今後善処することについて、意見の交換をして置く必要があると考えるのであります。幸いにして本日行政整理担当本多國務相が、ここに出席されるというお話でありますから、この際我々は行政整理方針についての質問を進めて行きたいというふうに考えます。
  18. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) 今日は本多國務相は來ないで、大臣代理が見えております。大臣に対する質問は次にいたしまして、本日は建設省所管に属する予算説明がまだ残つておるところがありますので、建築局長特別建設局長の二人が見えておりますから、その方面質疑に移りたいと思いますが、如何ですか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  19. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) 速記を止めて。    〔速記中止
  20. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) 速記を始めて。それでは行政機構関係について、質疑を継続いたします。
  21. 北條秀一

    北條秀一君 大野木次長にお伺いいたしますが、今回の行政整理とそれに関連する人員整理は、吉田総理大臣施政方針において衆参両院の本会議において言明されたことと、事実は矛盾しておると考えるのですが、それについて大野木次長の御見解を承わりたい。
  22. 大野木克彦

    政府委員大野木克彦君) 只今お話しになりました点は、整理を画一的にするという点についての御議論かと存じますが、実は行政整理方針を決めました閣議決定におきましては、一應先程建設大臣からお話しになりました通り機構については三割程度を縮減する。それから人員については一般会計においては三割、企業特別会計においては二割を目途として、人員整理を行うという決定になつておりまして、大体の目安をここに置くということに相成つておるのでございまして、その内容につきましては、それぞれ各省事情によりまして、できるだけ実情に即するように計画されておるような次第であります。
  23. 北條秀一

    北條秀一君 只今機構においては三割、一般会計においては同じく三割、現業二割こういう目安だそうでありますが、それが腰だめ政策なんでありまして、私の聽きたいのはその三割、三割、二割というものが、どういう調査資料に基て、そういう目安が立てられたか、この点について行政整理の專門家である大野木次長にお聽きしたいのです。
  24. 大野木克彦

    政府委員大野木克彦君) その閣議決定になりました元は御承知と存じますが、一月に設けられました行政機構刷新審議会におきまして、いろいろ檢討せられまして、その答申において、機構において三割、人員において三割以上の縮減をすることが、現状においては適当である、こういう答申がありました。それで閣議決定はその答申基礎として、案を立てられた次第であります。
  25. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 今の三割と、二割減らすということは、どうも根拠が……ただ総理大臣が決めたからやつておられるのですか、根拠は……。
  26. 大野木克彦

    政府委員大野木克彦君) 今やつております根拠は、閣議決定がそういうふうに決定されましたので、その線に從つて具体的な仕事をいたしておる次第でございます。
  27. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 機構を三割減らすということはどういうことですか、それによつて國民はどういう利益をするのですか、それをお聽きしたいのです。
  28. 大野木克彦

    政府委員大野木克彦君) 機構につきましては、三割程度縮減するという閣議決定があつたのでございますが、これも先程申上げました審議会答申によつておるのでございますが、それらをよく考えて見ますと、結局終戰後これはいろいろ事情はございますけれども、機構が非常に厖大化いたしております。例えば局の数等におきましても、戰前に比べますと、國土が今日のように半分に狹まつておるに拘わらず、倍近いような数になつておるというような事実もございまして、取敢えずこの機構を今日の國力に適当した、適正な規模に改める必要があるということで、元來規模について三割というようなことは、数字もございませんので、数字的にやるということは無理があるのでございますが、大体の目途としてこれを先ず三割程度縮減して行政機構を適正なものに近づけて行きたい、こういうことで三割という目安が出たような次第でございます。
  29. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 どうもおかしいですね、その説明は、……。あれですか、そうすると、國が大きくても小さくても、陸軍省陸軍省海軍省海軍省でというようなものでなく、國が小さければ陸海軍省、國が大きければ陸軍省海軍省に分けるという説明になるのですか。内閣のために仕事の量が殖えたり減つたりするが、仕事の量が減つたつて、例えば都市計画仕事をする部門と、例えば道路をやる部門と、或いは建築をやる部門と一緒にして次長を置いてそれを合同して見たり、つまり、局を一つに減らす代りに次長を一人置くとか、そういうことは能率を阻害して結局徒らに能率を阻害して、理窟にもならん理窟でそういうことをやられても能率を却つて阻害するだけで、本当に國民要望する整理になつていない。ところがあなた方はそういう不合理なことをやつて國民に対しては機構は縮少したというゼスチュアをするためにそういうことをしておられるというふうにしか取られないが、あなたの説明では終戰後仕事の量が減ると各省が一律にこの機構を縮小しなければならんというような、そういう根拠があるのですか。つまり局の配分というのは仕事の量の大小ということの外に質の違いから各局ができておるのに、それをただ量を縮小するといつて質の差別まで無視して減らすという、而もそれを画一的にやるということは我々の理解では國民に対して如何にも吉田内閣行政整理をしたというゼスチュアを示す、恰好を示すだけで、何ら科学的な根拠がないと思うが、もつと科学的な根拠説明して下さい。例えば建設省で一局減らすということは國民に対してどれだけの利益があり、どういう根拠で……。ここでは建設省ですが、本当に統制減つて統制事務なら統制事務がなくなつて減つて行くやつはこれは当然ですけれども、ただ画一的に機構を三割減らすという意味が、そういうゼスチュアでなくて本当に非常に日本の行政機構がそれによつて能率を増進して仕事が大変よくできて、國民が非常に満足するという根拠一つ説明して下さい。
  30. 大野木克彦

    政府委員大野木克彦君) 大変どうもむずかしい問題でございますが、大体の方針としましては、先程建設大臣も御説明になりましたように、まあこの際言葉はなんでございましようが、水ぶくれをしておる行政機構を縮減して引緊まつ行政体系を作り上げて、そうして國民要望にも應え、負担も軽減して行きたい、こういう趣旨で今回の簡素化の案が立てられました次第でございまして、まあその方針從つて各省ともできるだけ引緊まつたものにして行きたい、こういう趣旨だと思います。
  31. 北條秀一

    北條秀一君 只今の兼谷君の問題も、私は同樣にこの問題はもつと我々としては科学的な見地に立つて政行機構改革については眞劍対策を取らなければならんと考えるのですが、非常にむずかしい問題でありまするので、私は次にこの際質問をして、明らかにして頂きたいと思いますのは、人員整理の問題でありますが、昨年の暮に人事院人員整理については、アメリカの從來の方式を研究した結果、新らしいものから首を切るという方式を出した。それが世論に非常な影響を來したのであります。ところが三月になりますと、上野人事官は今度は古いものから首切るということを言い出したのでありますが、現在本対國務相の手許で人員整理の準備を作られるということを聞いておりますが、どういう基準を持つておられるのか明らかにして頂きたいのであります。  もう一つは、これは新聞で拜見したところでありまするが、本多國務相より人事院総裁に対して人員整理についての協力方を申し出られたそうでありまするが、又新聞では何だか人事院がこれに協力しないというような印象を私は受けるのでありますが、この人員整理については、本多國務大臣のところで一本でやるのか、或いは人事院と協力して方針決定して、整理に当つて行くのか、この二つの点について大野木さんから承わりたい。
  32. 大野木克彦

    政府委員大野木克彦君) 人員整理の基準として昨年新聞に出ましたことにつきましては、あれは人事院方針ではなくて、何か講習会における一つの講義の内容であつたというように承つております。從つて人事院の正式の基準ではないように承つております。それから従つて今回整理をしますのに、どういう基準にするかということは、非常にむずかしい問題でございますので、殊にこの問題は人事院の重大な関心を持たれるところであり、又考え方によれば、人事院が決めらるべき問題であろうと思われますので、この点については、只今人事院といろいろ打合せ中でございます。そういうような関係で先般本対國務大臣人事院総裁に会われまして、こういう点につきましても人事院の協力を求めたような次第でございます。
  33. 北條秀一

    北條秀一君 人員整理ですが、先程私は益谷國務大臣質問しておりましたところは大野木次長も聞いておられたと思いますが、人員整理は本省三割、現業二割という一應の目安を立て、それを各省の実情に勘案して、これをやつて行くんだというお話でありましたが、先程來我々が主張しますように、建設省というものは、これから段々と内容を強化して行かなくちやならんときなんであります。從つて而もその建設省の再度の改革というものが先程益谷建設大臣が言われましたように、極めて近い將來にそれが実現されるという見通しがありますと、建設省人員整理というのは、特にこれは考えなくちやならんのであります。予算には予算定員の三割、二割と削減せられておるのでありますが、建設省の実情に應じてこれを按配するのだということでありますが、大野木次長の方では飽くまでも三割と二割を強行されるものだと私は考えるのでありますが、これは強行するつもりであるかどうか、それについて大野木次長のお考えを聞きたいのであります。
  34. 大野木克彦

    政府委員大野木克彦君) この点につきましては、予算との関係もございまして、最後的には閣議で以て決定されるのだと存じております。
  35. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 地方廳の行政整理もやはり指導しておられるのですか。
  36. 大野木克彦

    政府委員大野木克彦君) 地方廳につきましては、これは主として官房の自治課の方で研究いたしておりますが、指導と申しますか……。
  37. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 関連性は。
  38. 大野木克彦

    政府委員大野木克彦君) 結局通牒等で勧奬するというようなことになるじやないかと存じております。これを公共團体に対して命ずるということはできないと思つております。
  39. 北條秀一

    北條秀一君 先程、大野木次長説明があつたのですが、人員整理方針人事院が決めるのですか、それとも本対國務相が担当して決定するのですか。
  40. 大野木克彦

    政府委員大野木克彦君) 方針というのは基準のことですか。
  41. 北條秀一

    北條秀一君 そうです。
  42. 大野木克彦

    政府委員大野木克彦君) これはまだ人事院の方から回答を受けておりませんので、どういうふうにするか、今のところちよつとはつきりいたしかねますが……。
  43. 北條秀一

    北條秀一君 ちよつと、なぜそれを聞いたかといいますと、先般人事院総裁に、私は人員整理の基準について質問したのです。ところが、それは全部本多國務相がやつておるから私の方では分らん。いずれそのうちに本多國務相から協力を求められるならば自分の方も協力しなければならんというお話があつたものですから、それで私は本多國務大臣のところに出掛けて参つたのです。それで本多國務大臣の方でやる、併し人事院の協力を求めなければならんというお話がありました。そうすると基準を決めるのに本多國務大臣が責任を持つておると私は考えておるのです。そうであるかということを聞いたのです。
  44. 大野木克彦

    政府委員大野木克彦君) それは人事院からの回答によると思いますが、結局は内閣の方で責任を以て決められるのじやないかと思います。
  45. 北條秀一

    北條秀一君 そうすると人事院本多國務大臣と協力してそれの基準を作つて閣議に持出して閣議決定する、こういうわけですか。
  46. 大野木克彦

    政府委員大野木克彦君) 大体そういうことになると存じております。
  47. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 それは機構の問題ですが、例えば東京都の機構とか神奈川縣の機構というものは、官房の自治課が最終的の責任を持つて指導をしておるが、官房の自治課のやることに対して、あなたの方は責任を持たれますか、終局的の方針について……。
  48. 大野木克彦

    政府委員大野木克彦君) 都道府縣の機構につきましては、御承知通り地方自治法に規定されますので、地方自治法の所管課は官房の自治課ということになつております。そこで立案いたしまして、國会の御承認を経ることになつております。
  49. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 あなたの方と関連は持つていないのですが。地方のことについて尋ねたいのですが、あなたの方に尋ねることは意味がないことですね。例えば東京都の機構について……。
  50. 大野木克彦

    政府委員大野木克彦君) それは自治課の方で立案されます。
  51. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) ちよつと皆さんにお諮りします。速記の手がないので、これで速記を停止して質疑させて頂きたいと思います。それでは速記を止めて下さい。    午後二時二十三分速記中止    —————・—————    午後四時六分速記開始
  52. 石坂豊一

    委員長石坂豊一君) 速記を始めて下さい。  それでは本日はこれにて散会いたします。    午後四時七分散会  出席者は左の通り。    委員長     石坂 豊一君    理事            原口忠次郎君            仲子  隆君    委員            岩崎正三郎君            島田 千壽君            堀  末治君            水久保甚作君            安部  定君            久松 定武君            北條 秀一君            兼岩 傳一君   國務大臣    建 設 大 臣 益谷 秀次君   政府委員    総理廳事務官    (行政管理廳次    長)      大野木克彦君    建設政務次官  赤木 正雄君    建設事務官    (官房会計課    長)      植田 俊雄君    建設事務官    (建築局長)  伊東 五郎君    建設事務官    (特別建設局    長)      八嶋 三郎君