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参事(
近藤英明君)
國会法の
改正は、御
承知の
通り前
國会の終りからの宿題のようなことにな
つておる問題でございます。それから新しく入りました問題もございますが、この三十九條というところはこれはこの前のときからの継続の、各省次官を政務次官に改めるという問題であります。
それから尚申し落しましたが、このお配りいたしました
國会法の一部を
改正する
法律案、十月二十二日と書いてありますのは、これは
衆議院におきまして
議院運営委員会の御
希望によ
つて、事務当局でこの案を研究された案であります。そして私たちで、参議院事務当局の研究によりまして、こちらの
意見を別に決めてあります。その点は今あとで申上げますが、一應
衆議院で持
つてきました案を申上げますと、第三十九條は政務次官に
改正、四十二條の一項の
改正案これは先般の行政組織の
改正に伴いまして、それに合せるように
委員会の組織が行政各省別の建前をと
つておりますのに忠実にしたいという建前で参りまして、商工
委員会を通商産業
委員会に改めるということ、それから逓信
委員会を郵政と電氣通信
委員会の
二つに分ける、それから
順序といたしまして
経済安定
委員会を今まで四位にありましたのが後にずれて來ております。
それから四十三條の問題に移りまして、四十三條の第二項を改めて、第三項を削るこういうことであります。これは四十三條は專門員に関する規定でございます。このうち第二項に專門員は相当の額の報酬を受け、ということに続いて更に兼職の禁止規定がございました。それから第三項は退職後の就職制限の規定でございます。これを削
つて「相当額の報酬を受ける」という箇條を残そう、かような趣意でございます。それでこの二項、三項をかように改めるという趣意は、
公務員法が制定せられ、こちらも、
國会の職員が全面的に一般職になりました今日の
状況の下におきまして、この二項三項の規定は必要はなかろう、かような趣意からの
改正でございます。但し相当額の報酬を受けるということは、
公務員ならば相当の報酬を受けない
公務員は一人もないわけでありますから、必要はないかという疑問がありますが、專門員の相当額の報酬を受けるという趣意の成り立ちから申しますと、必しも、單に適当なる報酬を受ければいいのじやなしに、相当高い報酬という氣持があ
つたものですからその点からこの「相当額の報酬を受ける」を残して置く、かような趣意であります。
それから七十八條の一項と申しますのは、自由討議に関する規定でございます。自由討議は御
承知の
通り、三週間に一回は開かなければならんことにな
つておりますが、実際上の
状況を見ますと、かなりそのために
議事の運営上相当窮屈にな
つて來るという面が大きい、これに縛られて來るということから、これを
議院運営委員会の
決定があ
つた場合はこの限りにあらず、三週間に一遍でなくてもよいという、少し樂にしようとかような趣意でございます。
それからこの附則の点は
衆議院の側と参議院の事務局との間に多少
意見を異にしています最も大きな点でございます。それは「この
法律施行の際現に各議院の
常任委員である者は、第四十一條第一項の規定にかかわらず、この
法律施行の日において解任されたものとする」かような附則が入
つておりますが、これは
衆議院側の氣持を聞いて見ますと、仮りに
委員会が
一つ殖えると、どうせ委員数の異動が來ます。この逓信
委員会は
二つに分けただけでは困るから、どこかの委員を持
つて來なければ
委員会を殖やすことができない、そういう点からいたしまして、委員の異動の便利のためには、この
法律の施行の日に全部委員が一應解任にする扱いをした方がいいのではないかという
衆議院側のお
考えでございます。私共参議院側で研究いたしましたところといたしましては、
衆議院はこの春すでに
選挙で改選が済んでおりますが、参議院は
來年改選になりますことはすでに明きらかな事実でございます。
來年は否應なしに委員というものは大
改正が行われなければならんのでございます。委員の
選任換えが行われます。昨年あの大
改正を行
つた途中で継ぎ代えてしま
つておりますのが、
常任委員会制度というものが、度々全部の委員を変えるということは必しも妥当でないが、必要止むを得なければ、その委員の
改正だけでいいのであ
つて、必要のないところを全面的に、何も
関係のない水産
委員会、運輸
委員会、建設
委員会というように皆変える必要はない、新たに設置されたら設置されたところを動かせばいいのではないか。その方が参議院としては便利ではなかろうか、この点につきまして、変えることと変えないことについての利害の点につきましては、いろいろな面から檢討を加えて参
つたのでございますが、主な私共の変えたくないという、変えない方がいいのではないかという
考え方をした
一つの
理由は、行政機構の
改正のために、全部の委員というものが異動を生ずるという建前を取ると、
常任委員会制度の本質に合致しかねる、それからこういうふうに変える建前を取りますと、全部の委員の改選をしなければならんという不便があるから、殊に短期の
臨時國会においてこういう手間がかかることが適当であろうかということ。それから先刻申しました通常
選挙を
來年に控えておりますこと、更に又委員の継続性が全然なくな
つたという解釈を若しした場合、委員の継続性がないということにいたしますと專門員の身分の異動というような問題、或いは又
委員会の経費、こういうことも全面的に切り換えなければならん。かような問題があります。又
継続審査をいたしております、
議案が継続にな
つておる、その
議案の措置をどうするかというような問題に影響して参りますので、参議院事務局といたしましては、この際かような全面的な委員の解任という建前を止めまして、附則の方の、別の小さな紙を御覧頂きますと、
國会法の一部を
改正する
法律案に対する修正案、修正案というと少しなんでございますが、こういう名前がついておりますが、これを御覧願います。「この
法律は、公布の日から施行する。」といたしまして「第四十二條の
改正規定中通商産業
委員会は名称の変更にかかわらず、從前の商工
委員会と同一のものとする。」かような断り書を入れまして、これで名前の変
つた通商産業
委員会でさえも、元の商工
委員会そのままでございますぞと
一つ抑えたのでございます。ここでは逓信者が電氣と郵政に変
つただけで、その他の
委員会は元
通りでございます。そのままで参ります。必要なだけの委員の單なる異動で済む、こういうことがいいのではないか、こういう趣意でこういう
改正をしたいということを
考えて御参考にお渡しした次第であります。
それから尚
衆議院の方によりますと、必しも……読み方でございますが、
委員会が全部これで継続性がなくなるか、なくなるという読み方をしなければならないかというと、必しもそうでないという読み方ができるかも知れませんが、こちらのようにいたしますと最もいいのではないか、仮りに、
衆議院の
通りにしたとすれば、
衆議院の方は大体この見方で変るという
考えをしておりますから、私共としては変らない方がいいのではないが、これは皆様の方でお
考えを決めなければならん問題でございますが、一應御参考までに……。事務当局の
考え方としてはさような
考え方をしております。尚ここにもう
一つ別の紙がございますが、これは同じく
國会法の問題で、專門員の名称に関する件というのがございます。これは
國会法第四十三條を変えます際に、四十三條の一項に「專門の知識を有する職員(これを專門員という)」、この專門員という名称を……、これは御
承知の
通り第一
國会のときにできましたのは、專門調査員という名称を使
つておりました。ところが
衆議院の図書館に專門調査員というものが設置せられましたので、これとの混同を避けるために專門員という名称に
國会の両院のは変えたのでございます。ところがどうも專門員という名称は十五級職という高い職員には余りふさわしくないという
考え方がございますし、先般俸給の
改正の問題につきまして人事院と話合
つた際にも、人事院総裁も十五級職にしちやえらいお粗末な名前だという話が出た次第でございます。もつと良い名前はないかということで、專門員の側から專門委員として貰えないかという
希望がございましたが、私共事務局の方といたしましては、この名前はどうでなくちやならんという道理はありませんし、專門員の御
希望があれば全く結構なことだから、この点は別に反対もしない。がこれは国会の方でお決めになることだから御
希望を申上げて置くということで、ここに出しました次第でございます。
國会法につきましては一應以上でございます。