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1949-08-27 第5回国会 参議院 議院運営委員会 閉会後第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年八月二十七日(土曜日)    午前十時二十八分開会   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○臨時國会召集要求の件   ―――――――――――――
  2. 高田寛

    理事高田寛君) それではこれより議院運営委員会開会いたします。最初に八月二十五日の期限をつけて、臨時國会要求が出ましたので、これに関連して、最初官房長官からその後の模樣を聽取したいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 高田寛

    理事高田寛君) それでは官房長官
  4. 増田甲子七

    國務大臣増田甲子七君) 臨時國会召集要求があつたことは、政府としてはとくと承知いたしております。鋭意臨時國会に対する法案議案等準備をいたしておるような状況でございます。そこでお手許まで第六國会に損出すべき予定の法律案件名等を差上げて御覽頂いておるのでありますが、前々から私共申上げておりまする予算案というものは、補正予算案はどうしても災害対策、或いは税制改正、或いは失業対策、その他について補正予算を組まなくてはならんことは我々は潔く認識しておる積りであります。この点皆さんと全然同感でございます。ところがこの前も申上げました通り、この度の昭和二十四年の一般予算に対する補正予算というものは、昭和二十五年度の予算に関する概括的の構想というものが得られないと、昭和二十四年度の補正予算追加予算方面につきましても、準備が進捗し得ないという客観情勢にあるわけでございまして、政府といたしましては鋭意昭和二十五年度の予算の概略的な編成を急いでおる次第でございます。もとより昭和二十四年度即ち今年度補正予算につきましても、着々準備をいたしておりますが、その前提となるべき明年度予算一般構想を得るために、努力を事務当局をしてなさしめておる次第でございます。ところで今年度の補正予算或いは明年度一般予算の中核ともなるべき税制の問題につきまして、我我がかねて待望しておりましたシヤウプ・ミッション勧告書が、マッカーサー司令部に対する勧告書が昨日提出された次第でございます。その要領というものはシヤウプさんが昨日新聞に発表され本日新聞に出ております通に、これを見まして我々はかねて國民に対する公約は、相当或いは我々の想像した以上に果し得ると非常に喜んでおる次第でございますが、この勧告書の線に從いまして政府といたしましては自主的に税政の改正をいたす、そこで減税なら減税という方面において歳入予算補正をいたすのでありますから後刻大藏大臣がまかり出まして皆さんに御報告申上げますが、今のところ正直に申上げまして、十月中旬或いはひよつとしたら十月下旬になるかも知れませんが、とにかくその程度において國会召集し得るという見込みが具体的に……この前はどつちかと申しますと、まだお互に尚早でございまして、雲を掴むような状態でないわけでもなかつたのでありますが、今回は具体的に予測し得るということになりましたから、どうか皆さんは御了承願いまして政府各省大臣事務当局総て休暇等も殆んど取らずに一生懸命勉強して、又法律案等も、この法律案件名だけではございません。これに対する骨子等内閣官房及び法務府等にすでに提出されておるというくらいにまで進行しておる状況でございます。どうか政府臨時國会に対する考え方又その状況等も、私今申上げた点で何卒御了承願いたいと存ずる次第でございます。どうかよろしくお願いいたします。
  5. 高田寛

    理事高田寛君) 何か御質問ございませんか。
  6. 門屋盛一

    門屋盛一君 今官房長官の御説明を伺つておると、この前の委員会でもあつたようだが、御注意申上げたいことは、我々は憲法の定めるところによつて議員としての責任において法案提出して臨時國会を開いて貰いたいということを言つた。それにも拘らず今の御説明を聞きますと、政府準備ができたというようなことで、十月の中旬に開くということは、結局議員要求の線に対しては何らのお答えになつていないように感ずるのですが、具体的に言いますと、政府の方で法案の御用意ができなくても、補正予算の御用意ができなくても、我々が案を示しておる九つ法案に対しては、先程政府の方も標題だけではなく、骨子ができておると言つておるが、我々の方ではもうこれに対する法案までできて、條文までできておる。國会が開かれれば正式に準備ができるわけですが、國会が開かれないから準備ができないという、こういう状態になつておる。私の考えから行きますとお骨折りになつておることは不承できるのですけれども、議員要求に対しては政府は余り問題にしていない。議員要求なんかどうでもよい、自分の方の用意だけできればよいのであるというような態度をとつておるようですが、その点はどんなものですか。
  7. 増田甲子七

    國務大臣増田甲子七君) お答えいたします。参議院……衆議院の方でもそうでしたが、臨時國会召集要求者側におきましては、九つ法律案件名のみならず内容につきましても後刻、あの補充書提出された四五日後に政府に示して下さつております。これらは閣議にも供します。審議内容等につきましても致し、あの九つ法律案は我々は尊重しておる次第であります。あり法律案等に該当するような法律案等政府側等においても考えておりますが、最も尊重しそうして諸般状況を勘案いたしまして、十月中旬或いは下旬ということになると申上げたわけです。そういうふうなことに相成つておるということを御了承願いたい。最も皆樣の御提出になろうという法律案につきましては尊重申上げておるということを御了承願いたいと思います。
  8. 中村正雄

    中村正雄君 官房長官にお尋ねいたしますが、門屋さんの御質問に関連するわけですが、憲法の五十三條の解釈につきまして、政府はどうお考えになつておるかという点なんですが、今門屋委員の言いましたように、委員の方から一定の法律案を示して臨時國会召集成規によつてつておる。但し國会はいつ開くかということは政府権限であり又議員の出しておる法律案についても急ぐか急がないかという認定もすでに政府がやつて政府の都合によつて期日を決めるというふうなのが憲法五十三條の解釈だとお考えになつておるかどうか、この点お伺いしたいと思います。
  9. 増田甲子七

    國務大臣増田甲子七君) 中村さんにお答え申上げます。政府といたしましてはこの前、或いはこの前の前のこの議運で申上げました通り解釈を取つております。即ち芦田内閣閣議決定というものがございまして九月二十四日、九月中旬の閣議決定でございましたが、それは五十三條をこういうふうに解釈しております。要するに臨時國会召集請求があつた場合には政府は勿論これに應じて臨時國会召集決定しなければならん、但し期日指定して召集請求があつた場合にはどうするかということは、憲法にも國会法にも召集期日指定に関しては何らの規定がない。そこで請求者に対しては期日指定権を與えておるというふうには認められない。であるから内閣はその期日拘束されるものではないと閣議店定文書を読み上げておりますが、從つて内閣召集請求者の希望する期日考慮に加えた上でございますから我々は八月二十五日を最も尊重し十分考慮いたしておる次第であります。考慮に加えた上諸般状況を勘案して、合理的に判断してその最も適当と認める召集時期を決定すべきものと考えられる。こういうわけでございまして、諸般状況を今勘案するまでもなく、客観情勢は段々と我々の期待する方る向つて來ておるわけでありまして、而もシヤウプ・ミツシヨンが勧告書マツカーサー元帥に出されておるわけであります。今度は元帥と言いますかGHQの方から我々の方にどう示唆助言があるか知れませんが、恐らくあの線に沿つて示唆助言があるものと我々は期待しておりますが、中村さんがおつしやるような勝手に我々が決めるのじやありません。やはり中村さんの言うように合理的に決めるべきである、合理的な妥当な期日政府において召集請求者指定した期日等考慮に加えた上において決定すべきものである、こういうふうに考えております。我々はこの芦田内閣のときの閣議決定の是非についても実は檢討いたしまして、閣議決定が若し不当であれば、後の内閣、或いはその後の内閣閣議決定によつて変更する。ただ漫然と何するということはできないわけでございまして、拘束力をずつと後の政府に対しても持つているわけでございまして、我々も愼重審議しました結果、この閣議決定拘束力があるものとして存続すべきものである、妥当なる閣議決定である。こういうふうに考えている次第でございます。
  10. 中村正雄

    中村正雄君 質問しました第一の、期日について拘束を受けないという点につきましては、御説明で一應分りますが、第二の質問でありまする議員から提出しましたいわゆる國会召集に関する、法案につきましての急ぐか急がないかの判断も政府がやるものとお考えになつているかどうか、言い換えればこれだけの九つ法律案は、八月二十五日までに國会開会して審議しなければいけないという急ぐものであるという意味九つ法案を申入れてあるわけです。從つて官房長官お話では政府の出そうとする法律案についての準備その他で十月の中旬、或いは下旬という御説明があつたわけですが、我々の出しておりまする九つ法案は十月の中旬、下旬に開かれたのでは時期を失するという意味合法律を出そう、こういうふうな申入れをしたわけであります。この出そうとする法律案の急ぐか急がないかの判定も政府がおやりになつて期日を決めるかどうかという第二の質問に対してお答い願います。
  11. 増田甲子七

    國務大臣増田甲子七君) 「諸般條件を勘案し」というような閣議決定文書通りに我々は動くことが妥当であるという考えでおります。「諸般條件」の中には召集請求権者において、これは提出されんとする法律案内容等も勿論これを檢討して勘案するということが我々の義務であるというふうに心得ております。そこで法案内容をお示し願いたいということを請求権者にお聞きしたところが、法案内容を示して呉れて、我々もそれを檢討しまして、そのうちお金のかかる法案お金のかからない法案がございますが、まあいずれを見ましてもお金のかかる法案であるならば、殊に補正予算というよりも、ホール・ピクチヤーでなければならん、総合予算でなければならん、総合補正予算でなければならん、そういうことに相成つておりまするし、予算必要性というような点から、或いは補正というような点から……勿論あれらの法律が緊急の法律案であることは中村君と説は同じでございますが、かれこれ勘案しました結果、合理的に判断いたしまして、先ず十月中旬、或いは下旬ということに相成つていることを、今日公式に政府を代表いたしまして、皆様に申上げて御了承を得たい、こう存じている次第でございます。
  12. 中村正雄

    中村正雄君 更に確認いたしますが、合理的とかその他の理由を述べられておりまするけれども、臨時國会召集期日政府責任において、政府権限において決定できるものだとこういうふうな解釈考えてよいわけですか。
  13. 増田甲子七

    國務大臣増田甲子七君) 率直に申上げてそうでございます。但し先程中村君がその前にお話なつたように、政府が勝手に独占的に決めるというならば、客観的に見ましても、合理的な、妥当な線に沿つて決めて行くべきである、こういうふうに考えている次第でございます。
  14. 門屋盛一

    門屋盛一君 今日は或るだけ簡單にと思つてつたのですが……、閣議決定の点で官房長官がそれを楯にとつて、その閣議決定は九月の中旬でありまして、閣議決定後に民主自由党の方から時日を指定して何がありまして、それに対して九月の下旬、九月三十日に召集手続を取るときの閣議決定文書に残つているか残つていないか知りませんが、そのときに芦田内閣の取つた憲法に対する解釈、それから請求者、つまり要求者に対する政治上の責任に対してはどういうふうにお調べになり、どういうふうにお考えになつているか、そのことは私はこの前の委員会のときにるる申上げ、その芦田内閣閣議決定を楯に取られる現内閣であるならば、少くとも芦田内閣が十月一日と指定された要求に対して、その十月一日の前日である九月三十日に國会召集手続を取つて要求者に対する政治責任を果しているということが言い得るのであるが、今回の場合は八月の二十五日までには、少くとも召集手続を取らなければ、政治責任は果されないということを私は申上げて置いたのであります。これらの点に対して、今閣議決定という話が出たから、我々は憲法解釈は一内閣だけですべきものでない。我々は我々の解釈によつて、この四分の一以上の要求があればということが入れてある以上は、これは非常に重大な問題であるのですから、これは我々の方から言いますならば、議員の方に絶対的の権限があつて然るべきものである。むしろ芦田内閣は十月一日に開けというものを十月十一日、十日間延ばしたことすらあまりよくないと思うくらいに考えている。けれども芦田内閣はそのときの情勢考えて、政治責任を果すために、要求された日にちよりも遅れずに、十日間遅れただけで開いているが、今回の場合は二ケ月間も遅れて開こうということは、これは政治上の責任を問うのだ。國会を無視していないかという具体的問題……、大変な問題が起ると思う。これはここで官房長官だけに申す問題でなくて、我々の考えが正しいか正しくないかということは、國民は話せば分る。これ以上議論はしたくない。ただ閣議決定を楯に取られる以上、芦田内閣の取つた処置に対しても同様な処置を取られることがいい、それが取られないならば、閣議決定を更にやり直したらいい。二ケ月後でも三ケ月後でも……。男らしくなさつたらいい。
  15. 増田甲子七

    國務大臣増田甲子七君) 門屋君に申上げますが、閣議決定芦田内閣がいたしましたのは九月二十四でございます。それから期日指定して追加補充して要求をしたのは民自党の九月十一日でございます。最初要求したのが七月二十八日でございますが、速かにということで要求いたしましたが、二ケ月間経ちましたが何の返事もありませんので、更に九月の十日に期日指定して請求をした、それに対しましてお説の通り九月三十日に召集はしております。けれども閣議決定をいたしましたのは山崎猛君外の百数十名の者が成規手続從つて要求した日の後でございます。その点がちよつと違うのでございます。それから我々は芦田内閣閣議決定は妥当なる閣議決定だとこう思つている次第でございます。それから尚諸般情勢ということを私がこの閣議決定の中に謳い込んであることは、今日の状態を予言しているようにまで考えておりまして、本來門屋さんのおつしやるように法律案だけを審議する、それでも臨時國会の使命が果せるような臨時國会であれば、私は憲法五十三條の規定從つて召集要求された場合にはできるだけ早急に開くベきものであるという点につきましては、もう門屋君と全然同感でござまいす同感でございますが、今回は補正予算全体が、これは今建設大臣も見えておりますが、もつと早く出したいのでございます。出したいけれども、補正予算全体がホール・ピクチヤーでなくてはいかんというような客観情勢もございますために、臨時緊急的な措置を一方において取りつつ、他方において補正予算を組んで臨時國会に懸けたい、こういうような状況にもなつているくらいで、本当に八月二十五日では済まんくらいに考えているものもある、閣議において繰上使用もいたそう、特別金融等もいたそうというような應急的な産業復興に努めている状況でございます。八月二五十日以前にさおか願いしたいという案件もございますが、客観情勢その他の関係で総合的な補正予算を出すということで延び延びになつている次第でございます。又國民も今回の臨時國会失業対策災害復旧、一番大きいものとして税の軽減に関する補正予算が出るだろう。この期待をやはり尊重することが民主議会であるというような関係から諸般情勢等を勘案しまして、今度は我々の我儘な心持をほしいままにするのじやありません。客観的情勢関係でいろいろ勉強したしまして、現に一生懸命勉強しておりまするが、十月の中旬或いは下旬になるというようなことをざつくばらんに申上げる次第でありまするから、我々は一生懸命勉強しておる点は門屋さんも御認識になつて下さるだろうと私は信じておる次第であります。どうか御了承願いたいと思います。
  16. 門屋盛一

    門屋盛一君 勉強されておる点は、よく我々も見て分つておるのでありますが、官房長官補正予算が伴わなければいけないということを言われますが、我々は召集要求者の方から言えば、緊急な事態、労働問題とか、或いは金詰りとか、又災害等が起つて社会不安が次々と重なつておるときに、天皇政治の場合ならばいざ知らず、國会中心政治を開いておる今日、國会は何をしておるのかということが國民の声である。補正予算を組むにしても、國会というものを開いておつて國会活動が十分に動かせるようにして置いて、そのまつただ中予算をお組みになる方がいい。その予算を組むまでの間法案審議をやつておる。ともかくも國会を開くということは、今の社会不安を落着かせる意味において、國民を安心させる上においても、國会を早く開かなければならんというようなことを勘案して、八月二十五日ということを我々は主張した。ただ事務的に補正予算がどうであるとか、こうであるとか言われますけれども、補正予算にいたしましても、單なる政府考えだけで組まれるのじやなくて、一應國会が開かれて、國会が完全に……その間において各委員会情報等を入れて、関係方面に対する一つ國民の声の、代表の声として反映さすことができる。だから私は國民のために政治を行うという考えが現内閣にあつたならば八月二十五日でも遅い。早く國会を開いて國民の声を反映させつつ、関係方面との折衝を続けられる。これは民自党の中にだつて早く開かなければならんという声が強い。ただ與党の情けなさに國会が開けないという人が多い。これは十月中旬までに開こうということまでになつた、そのうちの見通しから考えれば、官房長官意向はよく分りますけれども、あとで建設大臣大藏大臣等に実際お伺いしたいと思つておりますが、実際そんなことで大丈夫かと思う。外の人に官房長官に対する御質問がなければ、一應官房長官に対してこれ以上あれしないことにして、建設大臣に対して、この災害等のことに対して十月中旬に國会を開くと國民はどういうことになるか、その所信の程を伺いたいと思う。
  17. 高田寛

    理事高田寛君) 尚出席の御要求がありました建設大臣はすでに出席されております。それから大藏大臣政務次官は今日午前中どうしても出席ができないので、代つて主計局長出席するという連絡がありました。それから尚農林大臣出席し兼ねますので、代つて農林政務次官出席するということになつております。
  18. 中村正雄

    中村正雄君 官房長官法案のことについてお尋ねしますが、先の御説明で十月中旬か遅くとも下旬を以て臨時國会召集する、こういう説明でありますが、その十月中旬乃至は下旬に國会開会する場合には、國会の冒頭に補正予算を出せるし、又提出予算法律案全部が出せるお見通しかどうか、この点をお伺いしたい。
  19. 増田甲子七

    國務大臣増田甲子七君) 中村さんにお答え申上げます。そういう積りでございます。
  20. 中村正雄

    中村正雄君 一應議員提出法案は別にしまして、政府からこれだけの法案ら予定しておるし、その準備國会開会へき頭に出せるというお見通しであるならば、大体会期はどのくらいで終了できるお見通しですか。
  21. 増田甲子七

    國務大臣増田甲子七君) 会期國会において自主的に御決定になることでございますから、我々はまあ見当を言えとおつしやれば申上げますが、そういう意味で私共の見込み等を申上げますが、この法律は今中村さんにお傳えしました通り開会へき頭提出いたしたい。開会中に提出するような法律案は、その次の、いわゆる緊急を要するものと認めがたいから。次の通常議会に廻して欲しいということを、政府部内の事務当局の方に申しております。それでございますから、先ず法案は一ケ月ぐらい御審議願つたらいいかと思います。予算等もそのくらいに考えております。
  22. 高田寛

    理事高田寛君) 外に御質問ございませんか。
  23. 島清

    島清君 どうも官房長官は、私達が前に申上げました当初は九月下旬頃ということで、それでこの前の運営委員会で内村君から、廣川君が十一月説を唱えておるが、実際は民自党は十一月の含みで準備を怠つておるのではないかという趣旨の質問を申上げましたが、九月の下旬には召集決定ができる見込みであるということを言われた。ところが一ケ月も経たないうちに最早十月の下旬に時間がずれて、どうも廣川説の方が民自党本当考えらしく思われる。廣川君は野人だから本当のことを言われるが、増田さんは官僚育ちのせいか歯に衣を着せて物を言つておられるように思われる。ところが閣議等でもどうも野党派運営委員会の諸君の方から責められるので、成るべく九月下旬頃に縮減しなくて開くということを檢討しておられるようにも我我は開いておる。そこでどうも官房長官は成るべくならば九月の下旬から言明したことだから開きたいが、民自党閣議でそうでないというならば、もう少し責任の負える総理大臣でもお越しを願つて一つはつきりちぐはぐのないような御答弁を欲しいと思います。  それからもう一つは、芦田内閣のいわゆる閣議決定というものは、非常にこの前も私申上げた通り金料玉條としてたびたび引例をされるのですが、金料玉條とされるならば速かにこれは決定されるのが、その閣議決定を遵奉されるあなた達の義務であるということを私が申上げて置いたのです。それはあなた達に対して、義務を感ずる以上、あなた達がこうするの何の選択権もない筈だということを申上げるのですが、あなたが中村君や門屋君の御質問答弁しておられるところの妥当なる線というものは、それは官僚の独善的なる妥当なる線であつて國民の世論は決していつまでも……、期日を決めて法案を整備して提出した議員國会要求に対して、政府の一方的解釈によつていつまでも延ばせるということになると、いわゆる臨時議会要求するところの議員の権能というものは無視されることに相成る。そこで私は適当なる妥当なる線というものは、一方的に政府がそんな大幅な選択権を持つて決定するものじやない。この前申上げた通りそこらの点をもう一度答弁をして貰いたい。
  24. 増田甲子七

    國務大臣増田甲子七君) 私とそれから廣川幹事長との見解のことについての御質問と、それから速やかに決定すべきことに関する御質問と心得てお答え申上げまするが、実はシヤウプさんの報告書が八月の中旬頃出るであろうといつたような見込の方もあり、八月下旬であろうという見込みの方もあり、それからシヤウプ・ミッション勧告書内容を見ますと、これはなかなか準備が要るという場合もあるし、要らんという場合もある。いろいろな意見もあつたわけであります。そういうような関係から廣川君は、十一月になりはせんかなあということを言われたことは確かにあるようでございますが、併し憲法五十三條の規定に則りまして、できるだけ早く開きたいという誠意熱意においては、廣川君も内閣閣僚諸公と同じでありまして、そのことはいつも私が繰返して言つておる次第でございます。そこでできれば十月は勿論のこと、九月中に開きたいという意向前々から持つてつたのでありますが、的確に申しますと、客観情勢関係等で、ひよつとしたら十一月になりはせんかというようなことを考え、又言つたこともあるわけでありますが、誠意熱意においては我々と全然同樣でありますから、その点はどうぞ了承願いたいと思います。  そこでシヤウプさんの勧告書が出ました。あの内容等を我々が檢討して見ますと、我々の期待した以上の、実は皆樣の前にどうかと思いますが、朗報でございまして、これならば一月ちよつとかかつたならば予算案等も或いは税図改正案等もできはせんかというわけで、党においても非常に喜んでおりますし、廣川君も本日は確か十月中下旬には開き得るということを、政府と同樣の見解として述べる筈でございますから、どうか島さん、見解の相違等は前々からないのでございますが、ただ心配の余りちよつと申したことが新聞に出て、或いは食い違つておるというふうに取られたかもしれませんが、そうではございませんから、この点はどうか御了承願いたいと思います。私が九月中下旬といつて、中旬以降ということを前々から言つておりましたのは、閣僚諸公の意を体して言つておるわけでございまして、即ち閣僚は、すべて憲法五十三條は最も尊重すべきものであつて、できるだけ早急に要求要望に應ずべきものであるという見解の下に、九月中旬以降ということを目途としてやつてつたわけでありまして、その具体的の現われは、八月の十日までにこの臨時國会に出ずべき法案の要領は、すべて官房及び法務府に出す。それから九月六日までに閣議決定をするという閣議決定が実はできておつて、これは九月六日までに閣議決定を取つたかということは、九月中旬以後に開きたいから、又開くべきものである。憲法五十三條の精神に則つたものである。こう閣僚諸君は心得えておつたものであります。そこで九月中旬以後ということは、ただ一時逃れに、いわゆる役人の一時逃れというわけでやつたものではありません。そういうふうに準備をしておりますればこそ、こういう法案の名前も皆さんのお手許まで差上げ得る状態になつたのでございますから、我々の誠意熱意は、飽くまでも憲法五十三條を独善的に解釈すべきでなく、できるだけ早く召集すべきものであるという誠意熱意が籠つておることは、どうか御了承願いたい、こう思い次第でございます。
  25. 高田寛

    理事高田寛君) 外に御質問ございませんか……尚先程申上げました只今大藏大臣出席されましたから、どうぞ御質問願います……  それでは官房長官に対する質問はよろしゆうございますか。尚大藏大臣は、何か十一時の外ののつぴきならない用事があるそうでありますが、大蔵大臣に対する御質問があれば、それを先にお願いした方が……
  26. 門屋盛一

    門屋盛一君 順序があるのですがね、大体我々が七月中に臨時國会を開けと言つたのは、七月中というのは、私は土木屋ですから日本の災害を知つておる。八月から災害期に入るから、臨時國会を開いたときは災害期に入る。だから我々の國会召集要求の中には風水害対策を入れておらない。そのときデラ台風があつたので、それから七月中に開かれないから七月二十五日と決めたのは同樣の意味で、前の総括的要求のところを要求したという程度に止めておる。併し現在私は行政当局でありませんから数字は違うかも知れませんが、私の関知する範囲内においては、五百億に上らんとするところの災害が発生しておると私は心得ておる。それで大藏大臣がお急ぎであろうけれども、極めて簡單でいいけれども、建設大臣農林大臣に、まあその他の関係各省にも災害が起つておりますが、主として建設省と農林省管内に多いから、この災害に対して今官房長官の言われたように十月中旬以後に國会召集して、その間はどういう対策を以て臨まれるかということ、それから大藏大臣に対しては、それまでに國会を開かずに如何なる財政措置をやるのか、どうするのか、どこまで國会を無視してやればいいか、それが私には分らないのです。災害に現在困つておるのですから、これに対して建設大臣農林大臣から災害の状況を極めて簡單にして要領の分る説明を聽いて、そうしてこれに対する対策の御所信を伺うと同時に、大藏大臣からこれに対する財政的の処置をどういうふうに取るかということを飼わないと、ただ官房長官が十月中旬に云々と言われて、それでは問題にならない。とにかく内閣の方では第五國会において、税制改正ができたならば臨時國会を開くということを言うた。そればかりを楯に取つておられる。我々は第五國会の済んだ後において、突当るところの事態、用意していなかつた失業対策とか金詰り等に対すること、それからこの災害というまた一つの緊急な問題が出て來ておるが、予備費は一銭もない。聞くところによれば、五百億の公共事業費の組替をやる。こういう能のないことを言つておる。果してそれが事実かどうか。我々臨時國会召集要求に関することで、政府から発言を求められた今日の議運においてその点をはつきりして置きたい。  それから発言の順序はどうでもいいですが、それは委員長で、大藏大臣もお急ぎになつておるだろうが、併し我我々同じ職務だろう、大藏大臣の都合によつて議輸の時間を左右されるということはお考えにならないようにして頂きたい。
  27. 池田勇人

    國務大臣(池田勇人君) 私に対する御質問にお答え申上げます。御承知の通りに本年度の予算におきましては、災害復旧の予備金がないということは御承知の通りであります。私といたしましては、どうしても、この予備金を置きたかつたのでありますが、諸種の事情によりまして予備金を置くことができませんでした。而して片一方の地方での起債につましては、三十億円程度の予備的のものはあつたのであります。然るところ本年は予想外に早く台風が参りまして、而して又その被害が大きい。これが措置につきましては、御承認を得ました公共事業費の中より組替えて出しておるのであります。今まで出しました公共事業費の中の金額は、デラ台風におきまして十億円余り、ヘスターの方で四億円余り、そうして今回の又ジユデイス台風に対しましても第四・四半期分の公共事業費のうちの四億円を繰上げて出しておるのであります。而して又地方費の分につきましては地方債の予備費の方から出しまして、これ又十億近い金を出しておる状況でございます。而してこれだけの金額で今までの災害を十分賄い得るとはもとより考えておりませんが、緊急に必要な部分だけをこれで賄い、そうして來るべき國会におきまして補正予算で対策を講じようといたしておるのであります。今後台風が起るかも分らない、又今までの被害につきまして今までの措置では足りないということにつきましては、我々も考えておるのでございます。とにかく予算ができるまでは既定経費の振替使用によつて應急措置をやつて行こう、この方針で参つております。
  28. 門屋盛一

    門屋盛一君 專門的なことはこれはまあ大藏委員会なり予算委員会の部類に属するから、議運としてはあまり詳しく聞くことはないのですが、併し二十四年度の公共事業費というものが決つて、その公共事業費のうちの大部分は地方負担との関連のある関係上、皆それに対する地方予算計画もついておる。これを振替使用するということは極めて小範囲のものであり、二十四年度のうちの節減できるものからおやりになる範囲で済めばいいのだが、それで私はね、質問の順序としまして建設大臣農林大臣から概要を聞きたいと思つているのだが、私のところに來ている報告からする只今の場合で五百億になる、ところがここに岩澤次官も見えておりますが、予算の土木費の建前から言えば、九月一日を中心として二十日前後が日本の台風を受ける時期になつている。今年は早く來たからもう來ないということは判断がつかない、本当の台風時期に入らんとしているのだから、恐らく一つや二つは來ると見るのが政治家としての見方なのです。そこに十月中句まで臨時國会をやらずに、補正予算を作らずにその間ずつとやはり公共事業費の振替と起債だけで賄つて行けるかどうか、それから現在のこの起債にしても、補正予算というものが決定しないのに大藏省預金部の方が何を見当にどんどん出しているか、一閣議決定事項でそれが扱えるということになつたから、國家の財政法とか國会のの権能というものを内閣が蹂躙しているということになりはせんか、そういうことに対して大蔵大臣の御答弁を求めているので、今の答弁は横道に外れている。
  29. 池田勇人

    國務大臣(池田勇人君) 今後起るべき災害につきまして……
  30. 門屋盛一

    門屋盛一君 今後のじやない、今の五百億に対しても……
  31. 池田勇人

    國務大臣(池田勇人君) 申上げかねるのどありますが……、只今までの災害につきましては、予算の範囲内ではつきりやつております。國の財政の予算の方から申しますると、只今申上げましたように、第四・四半期分の公共事業費を繰上げて出しておるのであります。地上費の負担の分につきましても二百三十三億円のうちにはこういうことに或る程度予想いたしまして、即ち災害ばかりでなりに大火とかいろんなものでまだ使用の決つていないものがあるのでございまして、その範囲内でしか私はやつておりません。お話通り閣議決定によつて國会の了承のないものを預金部から出すというようなことは絶対にいたしておりませんからよろしく御了承願います。
  32. 門屋盛一

    門屋盛一君 そうするとそういう極めて窮屈な範囲の扱いで今できているところの災害の対策と、今後できようと予想されるものに対して、十月中旬まで臨時國会を開かずにやれる見通し建設大臣農林大臣にはあるのかないのかそれをお伺いしたい。
  33. 池田勇人

    國務大臣(池田勇人君) 財政の問題でございますので私から便宜お答え申上げまするが、今後の災害の程度にもよりますが、私は今まで通りの災害ならば十分、既定予定で賄い得る確信がございます。
  34. 門屋盛一

    門屋盛一君 その大藏大臣の十分賄い得るというのは、それが又無理が行くのじやないですか。一般公共事業に。
  35. 池田勇人

    國務大臣(池田勇人君) 御承認を得ました公共事業費の中にも第四・四半期に当てております金は八、九十億円あるのであります。而してジュディス台風につきましては約八、九十億円のうち四億円振替え使用しておるのであります。今後起る災害が、何百億円というものが一遍に起れば大変でございますが、今までのデラ台風とか或いはヘスターのようなものには、先程申上げましたような緊急費というものは十数億円ございますので、私は十分賄いがつくと思います。又地方におきまして二百三十三億円のうち三十億円の分では足りないというお考えもあるかも分りませんが、これにいたしましても二百三十三億円全部発行をしておるわけじやございません。從いまして御心配のような点は私はないと思います。この点は確信を持つて私は通常の災害ならば賄い得るということを申上げます。
  36. 門屋盛一

    門屋盛一君 そうすると逆に伺うのですが、國会が遅れても今の地方債の承認を得ておる範囲内において補正予算は組まなくても関係官廳の査定が終れば、それに伴う地方起債の取扱いはできるわけですね。
  37. 池田勇人

    國務大臣(池田勇人君) そういうふうに見通しをつけておるのであります。
  38. 門屋盛一

    門屋盛一君 それから極めて緊急なもので、デラに対して四億とか又公共事業費から振替えたものが合計十何億しかないのですが、災害の数からいつてもそんなことでは済まないのだし、災害復旧、緊急措置でなしに、災害復旧にかかるものは私の考えでは十月中旬の臨時國会が終つてからかかつたのでは遅いと思うのでありますが、これは大藏大臣の領分じやないのですが、一つ建設大臣の災害に対するお考えを伺いたいのですが、大藏大臣はきんちやくを握つておるんだからそれくらいなお考えは適当だと思いますが、建設大臣の建前から言えばそんな緊急の、二階から目薬見たいな措置だけでやつておいて、後の対策を建てずにおるのは不安でかなわない。
  39. 益谷秀次

    國務大臣(益谷秀次君) 門屋委員の御質問御尢もな点もあります。大体御承知の通り今年は早期に台風が参つたのでありますが、大体は九月に來るのが通常であります。つまり九月の台風を見越して災害復旧予算に組むことは、これは技術上実際上でき得ないことであります。而も本年は、例年はさような場合には申すまでもなく予備金制度があつたのでありますが、それで一時緊急措置を講じて参ることができたのでありますが、今年は御承知の通り予備金の制度がなくなつたものですから、そこに私共は非常に悩みを持つております。そこで大藏大臣が申しました通り、今年の早期に参りましたデラ台風その外ジュディス台風などは御承知のように地方債の枠の範囲内においてできるものを、緊急に使用いたしますとか、又第三・四半期、第四・四半期の公共事業費、而も災害復旧費を除く一般公共事業費から差し繰りいたして総計十六億支出をいたしたのであります。かようにいたして参りまして、とにかく緊急を要する箇所に対する復旧をやつて参りたいと思うのであります。そうして又誠に好ましからぬことでありますが、九月の台風時期におきまして、台風が襲來するというようなことになれば、予備金制度はありませんから、只今大藏大臣の申しました通り國会において認められた予算の範囲において措置をいたして参りたいと思うのであります。又地方債の枠も御承知の通り第三・四半期、第四・四半期の枠がありますから、それを振向けて應急の措置を講じたいと思います。今回のデラ台風並びに、ジュディス台風までにおきまする被害は、私正確には数字は記憶いたしておりませんが、大体公共施設に対する損害が約二百八十億円程度あると聞いております。これに対しては固より只今の應急措置では不十分なことは承知いたしておりますので、尚被害の現場を具さに調査いたしまして、対りないものは今大藏大臣の言われる通りの措置を講じ、又臨時國会において、災害復旧費に対する予算をできる限り多く要求いたして、そうして災害の復旧に努めたいと思つている次第であります。
  40. 門屋盛一

    門屋盛一君 ちよつと大藏大臣にお急ぎのようですから関連して……建設大臣のおつしやることも大体よく分るのでありますが、今大藏大臣のお人柄で屡屡こういうことは呑氣におつしやるが、政府補正予算は速かに組む責任がある、自分の方の予算の組み方を決めたら一つの計画を以て、出ているところの公共事業費をどんどん流用して行くということは如何にも当り前のことのようにお考えになつているということは面白くないと思います。それで一つ、大藏省が補正予算を組むということは、お骨折の点も我々はよく分るのでありますが、今の御答弁では我我は承了承できない、補正予算は遅れても公共事業費の第三・四半期、第四・四半期のものが残つておるから心配ないというふうには私はとれない、公共事業費の第三・四半期、第四・四半期というものがそれだけ不必要なものがあつたならば、第五國会で必要であるということを提出しなければいい。やはり予備費を落されたということは、今年落された事実は仕方がない、予備費がない以上は、これだけの大きな災害が起つて來、尚起らんとしておる際には極めて速かに補正予算を組むのであるが、それまでの愈々困つた措置としてやるものであるというならば多少考え直せるが、私の質問に対しては、補正予算なんかは幾ら遅くなつてもいい、公共事業費の第三・四半期、第四・四半期の八十億、九十億というものがあるというが、そんなものでは賄える範囲のものではない。賄えるとしても、公共事業費の使途は明確になつておる。今日第四・四半期のものを打切つたから困る。補正予算を組む意思があるのかないのか、今の御答弁では、補正予算を組む意思がないようにとれるが、その点をはつきりして頂きたい。
  41. 池田勇人

    國務大臣(池田勇人君) 本年度の予算につきましては、御承知の通り或いは予備金がない関係上、或る程度の事業は予定いたしております。その程度の事業で以て應急の措置をいたしておるわけなんであります。而して補正予算を組むということに我々は努力はいたしておりますが、この補正予算を組みます場合におきましては、税制改正というものがありますので、これと睨み合せ、できるだけのはつきりした財源を掴まえて補正予算を組む、こういう考えで進んでおるのであります。先般の議会におきましても、價格調整補給金、そうして今度の財源で……片一方ではシヤウプ博士の勧告案に基いて補正予算を組む積りだということは、度々申上げておるような状況でございます。而してどうしても今災害復旧に金がなくて賄えんと私は考えていない、できるだけ遺り繰りをして行つて、そうして早い機会に本年度全体の補正予算を組もう、こう努力いたしておるのであります。決して補正予算を組む氣がないというようなことはないのであります。できるだけ早い機会に補正予算を組むべく、日夜努力いたしておるのであります。こういうことは申上げてどうかと思いますが、補正予算を組みます前に、一應來年度の全体の見通しをつけて持つて來い、こういうことでございます。それもやらなければなりませんし、そうして又今回の税制改正の案は、未だ曾てない廣汎な、多岐に亘つておる、立法だけでも……來年度の予算見通しをつけ、そうしてそれから遡つて本年度の予算見通しをつける、そうしてできるだけ適正な予算を組まうと努力いたしておるのであります。決して災害予算を延ばそうという考えは毛頭持つておりません。できるだけの努力はいたしておるのでございますから御了承願います。
  42. 門屋盛一

    門屋盛一君 こうまで大藏大臣に当らなくてもよいのですが、大体私の属する労働委員会において大藏大臣は食言されておる。大臣は緊急失業対策費はどこからでも出しますと言つても、それはどこからでも出せない。災害には國民が困つておるのだから、成るべく根本的の対策は、補正予算の作業の困難なことはよく分つておるが、急いでやつて頂きたい。
  43. 内村清次

    委員議員(内村清次君) 八月十二日の議運でしたか、國会開催期日の予定について質問しましたときに、官房長官廣川君のいわゆる十一月説というものは知らない。それでは一体具体に的大体政府はどれぐらいの見当をつけておるかということについて、大藏大臣は十月の上旬ぐらいというようなお話であつたわけでありますが、大藏大臣は我々が憲法の條章に從つてのいわゆる正式な要求に対して、臨時國会にはどういうふうなお考えで臨もうとしておられるか、その開催日の点についてどういうようなお考えを持つておられるか伺いたい。
  44. 池田勇人

    國務大臣(池田勇人君) 先程來お話があつたように、台風の関係もありましたし、又緊急失業対策費の八億八百万円もまだ残つております。八月にはうんと出す積りで向うへ要求をいたしておりまして、緊急対策費は私の予定よりも使えんぐらいまだ残つております。これはできるだけ早い機会に出したいと努力いたしております。八月十何日に開くということについては、私は廣川幹事長その他の議論は十分承知しておりませんが、当初の予定では二十日頃にシヤウプさんの勧告案が出まして、これは相当廣汎なものとは思つておりましたが、今回は予想以上に廣汎なものになつたのであります。そうしてその後補正予算を組む場合におきましては減税……來年度の予算を持つて來い、こういうような話になりまして、そうして又私としてもシヤウプ・ミッションのあと勧告案以上に減税したいという氣持を持つております。あれやこれやを考えますると、十月上旬と言つたのが、十一月上旬、十月下旬になるかも知れないということでありまして、只今の財政運営につきまして、関係方面の何が強うございまして、一週間、十日の違いが出ることは一つ御了承を願いたいと思います。
  45. 内村清次

    委員議員(内村清次君) そうすると大藏大臣のお考えは、臨時國会というものは、減税即ち税制の改革が中心になつて重大問題であるというお考えがあるようだが、そういうように承つてよろしいか。
  46. 池田勇人

    國務大臣(池田勇人君) 災害復旧費その他の経費を見込む場合におきましても、本年度の大体の財政の見通し、そうして又來年度の見通しをつけないと、災害費の増額その他につきましても支障が起り却つてむずかしくなるのじやないか、こういう感がいたしたのでありまして、税制案を成るべく早く作り、予算案を成るべく早く作つて、そうして緊急な災害費の使途も考えて極力早目にしたいと考えておるのであります。臨時國会の中心問題が税制とばかりは申上げられませんが、一つの重要なフアクターだと考えております。今回の補正予算の如何が來年度予算の先駆をなすものでありまして、相当重要なものでありますので、急ぎますと同時に、やはり將來の財政計画を建てて行くべきだと思つております。
  47. 高田寛

    理事高田寛君) それでは大藏大臣に対する御質問、打切つてよろしうございますか。それでは外に何か御質問……
  48. 門屋盛一

    門屋盛一君 今大藏大臣お話では、ただ緊急の措置で止むを得ず遺り繰り算段をやつているに過ぎないというのですね。それで今回起きてしまつている災害に対する緊急対策、それから、來なければ結構ですけれどもまだあとが來ると思う。そういうことに対しても、日本のこれから起つて來るところの災害に対する補正予算をどうせ組むなら、どういう程度の予算を組もうかという御構想でもあれば、承わつて置きたいことが一つと、それから今多分陳情團が沢山お伺いしていると思うが、四國、九州方面では非常に困つている。又その他のぽつんぽつんと起つているところにおいても、金かさが上つておりますので、ちよつとした災害でも各縣二十億、三十億ということになつてつておりますが、その面から考えると、やはり十月下旬の補正予算でそれまで実際差支えないのですか。
  49. 益谷秀次

    國務大臣(益谷秀次君) 実際差支えないとは考えません。できる限り早い機会に、一尾も早く補正予算ができることが希望されますが、只今大藏大臣、或いは官房長官が申されました通り補正予算を組むについても、大体総合予算にならなければならん。ひとり災害の分だけを先に予算をとつて審議を願うというわけには遺憾ながらできないわけであります。そして尚又財源の捻出についても、政府においては極力努力をいたしているのであります。これは大藏大臣或いは安本長官の所管でありまするが、補給金のごときもできる限り圧縮をしようという建前で進んでおります。おりますが、まだ明確には縮減の金額が決定していないような次第であります。その他財源の捻出についても、まだ十分決定いたしておりません。從つて災害復旧費にはどれだけの支出をするかということも、一生懸命檢討中であろうと思うのであります。私といたしましては、建設省の所管の災害復旧の費用は、第三・四半期、第四・四半期において尚約二十億あります。これは九月の災害に処する意味合からも、差し繰りして貰つて成るべく多くを早期に地方に助成金を交付したいと思つて、安本その他大藏省と交渉いたしているのであります。恐らくは大部分の金額を一度に早くやれることと思つているのであります。そうしてすでに御審議を願つた予算を成るべく有効効率的に使うということと、もう一つ誠に好ましからんことでありますが、九月に台風が又襲來するということになりますれば、それは災害を目前にいたして放てきすることはできません。そこで大藏大臣が申しました通り、誠に遺憾な処置ではありますが、予備費のない今日において、第四・四半期のを差し繰りいたして、取敢えず應急的の措置をとつて参りたいという考えを持つております。第四・四半期の公共事業費は、災害復旧費を除いて約九十億あります。これは先程も大藏大臣に対する御質問がありましたが、本年の公共事業費は、いずれの部分も、いずれのものも皆緊急のものであります。從つて災害が起つたからその方面に差し繰り使用いたしたことは止むを得ないという態度を以て進むことは、これは取るできことでないと思つておりますから、今度の補正予算において、その埋め合せをしたいと存じているのであります。ただ遺憾ながら今日の段階においては、然らばどれだけの金額を災害復旧費に盛るかということは、未だはつきり申上げる時期ではないのであります。又好ましからんことでありますが、九月に災害が襲來したというような事態が生じますると、それに應じてやはり補正予算の金額というものを考慮いたさなければならんと思つているのでありますから、今日どれだけの予算要求いたしているということは、遺憾ながらまだ申上げる時期に到つておりません。私といたしましては、できる限り國家財政の許す範囲において、多額の災害復旧費を要求いたそうという考えであります。十分に交渉いたしているのであります。
  50. 門屋盛一

    門屋盛一君 建設大臣の適切なお考え方は非常に喜ばしいのであります。ただ万々そういうことはないと思うのでありますけれども、予備費はないし、出す金も非常に無理な遣り繰りをしなければならんということが前提になりまして、災害の査定をやる折に、その査定官が予算化することのできないというものに対しては査定をやらない、或いは査定をやつても極めて少額にしようというような傾向が見えておるようでございますが、そういうことのありませんように、それはまあ十分なことをやりたいのは山々ですけれども、そう今の財政で、殊に補正予算等でやる場合には十分なことはできないかも知れませんが、さりとて金の出場が分らないからして、査定に手加減をするというようなことのないように、そういうことはないと思いますけれども、あなたの方ではないと言われるであろうが、我々地方を廻つて見ますと、それこそたまたまあるのですから、そういうことのないように、やはり災害のあつたときには、時を移さず査定して、査定金額が決まつたものに対しては、地方負担になるところの災害復旧費等の御助力を願わなければならん、そういうふうにお扱い願つて、十分今の御決心のように、成るたけ臨時國会を早く開いて補正予算を早く組むというふうにお進み願えるならば、甚だ結構と思います。これだけであります。
  51. 高田寛

    理事高田寛君) 外に御質問ございませんか……。では本日はこの問題以外に別に御発言がなければ、これを以て散会したいと思います……。それでは外に御質問もないようでございますから、これを以て散会いたします。    午前十一時三十八分散会  出席者は左の通り。    理事            大隈 信幸君            高田  寛君            矢野 酉雄君    委員            島   清君            下條 恭兵君            中村 正雄君            原  虎一君            小林 英三君            重宗 雄三君            山田 佐一君            門屋 盛一君            鈴木 順一君            藤井 丙午君   委員議員    懲罰委員長   太田 敏兄君            内村 清次君            兼岩 傳一君   ―――――――――――――    議     長 松平 恒雄君   ―――――――――――――   國務大臣    大 藏 大 臣 池田 勇人君    建 設 大 臣 益谷 秀次君    國 務 大 臣 増田甲子七君   事務局側    事 務 総 長 小林 次郎君    参     事    (事務次長)  近藤 英明君    参     事    (委員部長)  河野 義克君