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1949-08-12 第5回国会 参議院 議院運営委員会 閉会後第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年八月十二日(金曜日)    午後一時二十八分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○臨時國会召集要求の件   —————————————
  2. 高田寛

    理事高田寛君) ではこれより議院運営委員会を開きます。七月の二十日に本院の門屋君外六十七名から、臨時國会を早急に開くようにと要望があり、又重ねて八月三日には、八月二十五日という期限を切つて臨時國会召集要求があつたのでありますが、先ず最初に、これに関する官房長官からのお考えを伺いたいと思います。
  3. 増田甲子七

    國務大臣増田甲子七君) 七月中に開会要求された最初の御要求、それからこれに関する補充的の御要求なども謹しんで承つております。そこで政府といたしましては皆樣が提出されている、召集日に提出されている法案内容について承りたいというわけで、衆議院淺沼君が持つて來られて、実は法案内容を拜見したわけでありますが、この内容を拜見して見ますというと、予算の伴うものも相当ございますので、予算を伴わないものもあるわけでございますが、結局は直接、間接として予算関係して來るというふうに感じられるのであります。前に申上げました通り政府は九月の十日頃までに本國会を開くべく、すでに國会に提出する法案議案の骨子を各省から取まとめておる次第であります。  それから九月の十日頃までに臨時國会を開いた場合に提出する法案に対しては、殆んど全部閣議決定をしてございまして、そうして臨時國会でございますから、國会開会中に各種法案を出すということは面白くもございませんから、開会へき頭において法案議案等國会に提出いたして御審議を願いたいと、こう思つております。本日も郵便関係法案が初めて閣議決定一つ通つたというような状況でございます。尚諸般状況を勘案いたしますと、やはりどういたしましても九月中旬以降でなければ開きにくいという状況にある次第でございます。事務当局等は非常に勉強をして呉れております。暑休等もとつていないという状況で勉強しております。だが八月中には開けないという点は、是非とも御了承願いたいという次第であります。
  4. 高田寛

    理事高田寛君) 御質問は……
  5. 門屋盛一

    門屋盛一君 いつも官房長官の御説明伺つておると、センターを外れたお話であるように思うのですがね。それは我々が最初から臨時國会早期開会の下に要求しておるのは、今緊迫しておる問題である失業対策中小企業等金詰りの問題、それから治安の強化、その三つのものを挙げて要求しておるのであつて補充要求として出しましたのは、それを具体的に実質的に案を示した方がよかろうというので、これは示したのであります。お話伺つておると我々の要求に基いて政府の方でいろいろのそれ以上の沢山の法案用意せんならんから、臨時國会を開くことが遅れると、こういうお話を、この前からやはり一つも変つておらんわけであります。そうするとこの國会というものは、政府提案のものでなければ國会が開かれないというような一つの原則的のものに考えられておるのじやないか、政府の方で御用意ができなくても、法案用意はできておる。こちらの方でそれは予算措置を伴う法律も無論分つております。初めてこの法案というものが國会審議されて、その法案が通過すれば、私共それに伴う予算、これは政府責任において組まなければならん。その予算の組みにくい事情は我々は分らんのではないけれども、始終おつしやることが、我々の主張しておる早期開会要求ということからセンターを外して第五國会公約による行政整理であるとか、或いは臨時國会には法案を取まとめて置いて後から追加したくない。それは社会情勢が普通のときにお考えになることであつて、今日のように労働不安が非常に激しくなつて來ておる、又金詰りがひどくなつておる、それから八月九月の台風時期を控えてまだ二十二年度災害復旧すら完全にできていない、二十三年度のものは沢山残つておるのであります。ついこの間もデラ台風でやられておる。そういう点から考えましたならば、今程この事態の逼迫せるときはないのですから、國会中心でやつて行くこの民主政治において、而も多数を持つておられる内閣、前の芦田内閣片山内閣のときのように、野党との差が僅かで國会がこわいというのではない。今は衆議院においても二百七十名以上の自党の力、協力を得ておる、民主連立派の数を合せると、三百名からの数を持つておる。國会を開くということは何も億劫なことではない。私は直ぐお聞きになつた方がいいと思うが、おのずからいろいろの作業があるということは十分私たちも認めるものであります。その御説明をされる説明のされ方が、我々の要求によつて努力しておるというのではなくして、今お話のあつたように何か郵便のことなんかをやつておる。私は郵便のことなんか通常國会でもいいのじやないかと思います。我々はそんなことよりも、我々の方でもまだ沢山國会審議しなければならんことが多いが、それよりもこの緊急事態を早く安定さして、國民安心を與えることを急ぐから臨時國会を開けといつておる。その急ぐものに対しての準備がどのくらい進んでおるか。どういうふうになりつつあるかということを御説明がなくして、顧みて他を言うというふうに感ぜられるのですか、これはどうですか。
  6. 増田甲子七

    國務大臣増田甲子七君) 門屋さんに御答弁いたします。この前から門屋さんは失業対策金融の梗塞を打開すること、治安対策等について臨時國会を開くことを要求するということをおつしやいまして私共もよくその御趣旨は分つておるのであります。この前もここで申上げたと思いますが、失業関係のことにつきましては、只今見返資金というものが相当雇傭量がありまするからして直接間接にすべて失業対策に役立つておる次第でございますが、併しその時間的のずれがあつても困るし、又雇傭量の非常に大きい場合狹義の失業対策には百億ぐらいは是非とも廻して欲しいということを交渉しております。その交渉がうまく行かなかつた場合には、一般歳入を財源としてその失業対策費を組まなければならんと思つております。今のところまだ失業対策につきましては千四、五百億円の中から失業対策費が捻出し得ると考えまして折角関係方面交渉中なのでございます。併しながらこれが國会において審議されるべき重要問題であるという点につきましては門屋さんと全然意見をひとしうするものであります。金融のことにつきましては、その後大藏大臣として関係方面と折衝をいたしておるのでありまするが、最近に至りまして或る程度目鼻が付きはせんか、枠の関係におきましても、或いはパーセンテージの関係におきましても、或いは乙種、甲種の取扱いにつきまして、或る程度大藏大臣を通じて政府要望しておる点が成就しやせんか、達成しやせんかと思うのであります。金融措置は何といたしましても実効の伴うものでございまして、行政において我々が大いに注意しなければならんと、こう思つております。治安関係につきましては、今折角法案を練つておる最中でありまして、この國会に出すか、この次の國会に出すかということにつきましても、また関係方面折衡もございますし、從つてまだ延びておる点もございまするが、併し治安について政府最高責任を背負つておるからして、この責任を完遂しなければならんという点については十分政府責任観念を持つておる次第であります。從いまして治安対策等について、臨時國会でこれが論議されてそうして我々の要望沿つてこれが維持されなければならんという点につきましても門屋さんと所見を同じうする次第であります。それから災害のことでありまするが、災害は御承知通りデラ台風、それから始まりまして、各種台風災害を惹起しておることは御承知通りでありまして、これにつきましては本当はできるだけ早く補正予算を私共は出したいと、できれば八月、九月の中にも出したいと、こう思つておりますが、今のところ來年度予算構想、ホールピクチャー、全体の構想関係方面と見まして、それを見合つて、本年度における補正予算構想を、更にこれも全体の構想というものをまとめて検討したいというような意向はある次第でございます。災害が起きたら直ちに出したい、一部でも予算を組んで出したいのは我々の最も希望するところであります。又國民の熱望するところでございまするが、差当り出すところがございませんから、公共事業費等既定予算から出しまして、そうして後で補正予算を出して皆様の御協賛を願いたいと考えております。金融等でも措置のつくものであるならばつけたいと思いまして、後の何と言いますか、イルマ台風とかあんなような台風から起きまして災害につきましては預金部から資金を出しまして、数億の金を地方公共園体に貸付けるというようなことで便法を講じたいと思います。併しいずれにいたしましても、結局補正予算等によつて措置をして行かなくてはならんことでありまして、我々といたしましてはできるだけ早く実は出したいと思つております。決してのらくら逃避しておるわけではないのであります。どうか御協力願いまして、できるだけ早く臨時國会を開き得るように具体化することを切に要望する次第でございます。
  7. 門屋盛一

    門屋盛一君 まあ官房長官もなかなか細かくお話になつたようですが、要約すれば行政的措置で行けるだけのことはやつておるかということと、それから臨時國会に必要な準備はやつておるという御説明なんですが、私のお伺いしているのは、その筋が我々の要求によつて準備をしているのか、我々の要求棚上して置いて、政府自身準備しておるのか、これを一つまあ先伺つて……
  8. 増田甲子七

    國務大臣増田甲子七君) 御要望御尤でありますから、我々は十分尊重いたしまして早く御要望を具現化するように準備をいたしております。
  9. 門屋盛一

    門屋盛一君 そうであつたとすれば、この前も労働大臣にお伺いしたのですが、すでに労働大臣にこの席に出席して頂いたから一ケ月経つているのです。労働大臣は七月中には百億ほどの見通しがつくから心配ないということを言われて、速記があるのだから余り嘘を言わんようにして呉れ、どうもそのことは嘘になりそうだと言つたらば、いやこれは大丈夫間違いありませんと言つたが、どうもこの頃では私は嘘になつていると思うのですが、ここで初めから大臣の言われたことが完全にもう見込のないことなら今見込がないと言えばいいのですけれども、少し何と言いますか希望的観測によつてそれを頼りにして政府國民安心をさせようというようなことをおつしやるものだから、悉くそれが國民に不安の種を蒔いておるというようなことが一つ、それから今の災害復旧なんかにつきましても、まあ十億とか十二億とか、或いはところによつては五億とかお出しになつておるが、大体災害地地方からの報告というものには若干の水増しがあるとしましても、今の政府の出しておられるような金額では到底やつて行けない、それから既定公共事業費のうちから捻出されると、すでに公共事費というようなものが九百億予定されておつたものが五百億に圧縮されておる、そのうちからしぼり出すのであるから、公共事業費で以つて賄い得る……、我々は極めて失業対策等につきましても政府対策はよく検討しまして、勿論本年度公共事業費相当の数の吸收されるという見方をしておつたのが、この方からの金をこつちへ廻すということになると、又公共事業費の方が半失業状態になつて來るというような事柄があるものですから、私はこの際別に嚇すわけでもなんでもないけれども、日本世論というものを無視したアドバイスやサゼッシンはいけないことなんです。我々は関係方面世論を知らしむる上からも、國会を開けば、必ず我々の考えているような問題は、與党の人の考えも、同じなんです、國会世論として向うに大き反映さすことができる。いずれにしても早く開いて頂かなければならん。國会を開く準備をしておるということは我々も知つてつた。從いましてあなた方の方で、関係閣僚の方で、準備を急がれておるということは認められる点もあるのですけれども、ただ一つ不可解のことは、これは速記にとどめた方がいいか惡いか。惡かつたら削つて貰つてもいいのですが、新聞で伺いますと、吉田総理大臣御殿場の方に避暑をなさつておるということがある。官房長官は熱意は現わして御答弁下さる。私は官房長官に対しては感謝するのですけれども、いも閣内の模様をアンテナから聞きますと、閣内でもこの臨時國会準備問題については、例えば補給金の問題とか何とか、現在はやるかどうか、それは後廻しにしても先に進まなければならない。閣内の議論もまとまりかねておる。まとまりかねておるということは事務的の繰作を遅らしむることになる。そういうような重要な時期、國内から言うても重要な時期のように思うし、又國民に及ぼす影響から言えば、多数の引揚者が帰つて騒いであることもあるし、第一次國対の整理は、これは民同関係が非常に自重されたお蔭で、予想よりも穏かに納まつた。まあ郵政、電氣通信関係も順序よく行くだろうという樂観的の観測をされておるが、その騒ぐ騒がぬは別としても、失業者を送り出すことにおいては違いはない。それから民間企業合理化による失業者の出方というものは、政府統計でお持ちになつておるよりも数は非常に殖えておる。これはなぜ政府統計が頼りにならんかと申しますと、これは労働省にあなたも居られたから分るのですが、日本労働省安定業務というものが極めて弱いのです。その弱い労働省がやはり一律の行政整理を受けて、地方安定所というものは、ただ安定所があるだけであつて安定所の機能はないのですよ。我々が地方を廻つて見ても、そう窓口から現われて來る……現われて來る失業者から見れば失業者は殖えていない。二百五十億の失業保險の経済を以ているのであるから、事業は急がないということを言われるけれども、実際は政府統計に現れて來る以上の失業者が殖えて來ておる。非常に何というか緊迫しておる状態になつておる。東京を廻つてみても、最近公園地帯の行倒れとか乞食が殖えておるのを見ても、世相がもう特に惡くなつておる。こういう際に、この重要な時期を放つたらかして……併し御老齢ですから避暑なさるのもいいけれども、こつそりなさるならいいけれども、先ず以て新聞廣告までしておいて避暑をするということが、果してこれが吉田さんなり又あなた方の最も力を入れられておるところの公約の線に沿うものであるかどうかということまで私は心配しておる。御殿場避暑というのは本当ですか。
  10. 増田甲子七

    國務大臣増田甲子七君) 門屋さんはいろいろ質問されまして……ちよつと速記を……
  11. 高田寛

    委員長高田寛君) 速記を止めて。    〔速記中止
  12. 高田寛

    委員長高田寛君) 速記を始めて。
  13. 内村清次

    委員外議員内村清次君) 参議院で今回議長を通じての、憲法に從いましての臨時國会要求につきましては、全く民主國会になりましてから初めてのことであります。この時局認識の点については、新聞の発表の工合から見ましても、又我々が認識しておりますることにつきましても、大体一致しておるようにも考えますが、併しながらただこれはどこまでも新聞紙を通じてのものでありまして、やはり國会の議場においての政府の声明でもなし、又この審議の過程における政府答弁でもないようであります。実は、この要求につきましては、時局認識程度につきましても、やはりこの運営委員会には、内閣首班者であり、又行政権責任者であるところの総理大臣が、みずから來て、この我々の要求に対する答えがあるべきであると思いますが、それに対して、一回の御出席もないのです。又先に衆議院の方では、増田長官が、この衆議院申入れに対しての回答にしても、閣議決定であつたかどうかという点に対しても、曖昧であるし、これは四日の衆議院運営委員会答弁であります、そういうような曖昧なもの、個人としての増田長官の御発言のようにも見えたのでありますが、今日も九月中旬以降というような御回答は、これは、衆議院の四日後におけるところの閣議決定であるかということが一つ。  それから当然先程言いましたように、我々が要求の項目として出しました、経済不安の問題や、社会不安の問題、治安対策の問題についての首相の時局認識程度も、実は当然、我々とここに会して話をするというような機会をみずから進んで作らなければならんと思うのでありますが、その点に対しての処置がないのは、如何なる理由であるかという問題が二点。  それからその次に只今の長官の話では、政府の方では、すでに國会へき頭に出す法律案準備中である。そのためには、國会早期開会ができないというような、いわゆる行政責任者としての立場からのみ言つておられるようでありますが、五十三條の精神というもの、又國会立法権精神國民憲法に示されたる正規の、この公正なる要求が出て、而もこの法律案も、これは政府みずからも、今までの我々の要求に対して法律案がどうであるかというようなことも督促しておつたようでありますが、この督促に対しても、我々はもうすでに九つ法案準備しておりますし、この法案自体でさえも、現下の情勢を解消するということは問題だという認識の下にしておりますからして、この九つ法案を、これは非常に審議することによつても、当然政府立法権を尊重する上において、國会召集をやらなければならんと思うのでありますが、この点に対する認識がどうも食い違つておるように考えますが、この國会の、即ち立法権に対する認識、この点も一つ質問いたします。
  14. 増田甲子七

    國務大臣増田甲子七君) 衆議院関係のことについてでありますが、参議院では、二回運営委員会を開かれまして、その際臨席して各大臣國会に対する問題等を御報告申上げました次第でありますが、衆議院の方は運営委員会を開かれませんでしたから、七月中に議長のところに、閣議に諮つて、九月中旬以降と申入れをしたのであります。その後、八月の四日に又議会運営委員会を開かれました。それは初めて開かれまして、その前の日には、法案を示されて、補充表というものを作られた。それで、七つの法案を出しました。九つ法案でしたか、法案を題名だけ伺つたんですが、それは淺沼さんの質問によりまして、今のところでは、というので、この條件をつけて、法案内容をお示し願いました。併し、今のところでは、九月中旬に、幾らやつてもなりますということをお答えした。  それから我々は、又特別に会議を開きまして、総理にも御報告しまして、それからこの淺沼君の調査されたことも、社会党、その他の出されました法案の概略的の内容につきましても、どうだろうということを閣僚に諮りまして、やはり、九月中旬以降でなければ、いろいろのことで、開きにくいという結論に達したわけであります。そこで、更に今も議長さんにお目にかかる機会があつたものですから、衆議院の方にも電話で申上げました。こういうようなわけであります。  又官房長官たる公職をもつて、その後閣議に諮られまして、内容等も全部檢討しましたし、各大臣に、よく予算関係意見を聞いた、そういうわけで、この意見が來ております。又中旬以降ということは、どうしても、これは止むを得ない、情勢上止むを得ないという結論に達しております。勿論内村さんの言われたように、國会は、國権最高機関である。唯一の立法機関でありますから、成規手続從つて憲法上の要求をされた場合には、できるだけ早急に開きたいという心持ちにおいては変りありません。
  15. 内村清次

    委員外議員内村清次君) 今最後の御答弁國会國権最高機関であるから、憲法上の要求をされた場合というのは異論がないというお答えがありましたが、併し答弁理由にはみんな政府の方では一應審議されたが、まだ外の政党として提出しなければならん法律案もあり、それを督促しようという一点張りのようでありますが、閣議で伺えばこの法案内容の点は第二といたしまして、先ず肩書も法案だけは一應審議されたと言つておりますならば、当然法律案の一体どこに要点があるか、又我々の考えとしてはこれはまあ今の國民の共通したるところの要求であろうと思いますが、そういう要求に対して事態を構わず、最後的に上程の法案準備が、予算的措置ができてないということのみでこれをされることは、どうも私は理由に成り立たないのではないか、これだけの成規手続ができておるならば、これだけでも一遍中心にして一つ國会を開いて貰う。開くべきである。同時に又開く段階についても一遍……、又その内容の点についても概略でも一つ伺つて見、併し一方的に予算措置が要るのだというところの判断でやつておられるということは、政府自分たち都合によつて延ばしておるように考えられる。我々の立法機関を尊重するという権限は一つもないように考えられますが、その点について如何ですか。
  16. 増田甲子七

    國務大臣増田甲子七君) 内村君にお答えしますが、私たち一方的ということは考えておりません。芦田内閣の時に閣議決定がありまして、臨時國会召集し、臨時國会召集要求したる場合における政府処置と申しますか、そういうような閣議決定がありましたが、その中を読んで見ますというと、期日を指定したる場合におけるところの措置というようなことがある、後段の方だけで、私の記憶の範囲を要約して申上げますと、期日を指定して國会議員において成規手続に基いて國会開会要求したる場合においては、その期日並びに諸般事情を勘案して政府において適当と認める期日において國会召集すべきものとする、而して期日については拘束されるものにあらず、こういうような閣議決定、これは採用するわけではありませんけれども、こういう閣議決定をしております。立派な閣議決定であります。これは芦田内閣において作られた立派な閣議決定であります。ただ諸般事情を勘案するときに、政府が一方的に都合のいいように考えるといわれるけれども、これは非常に僣越ですけれども私は諸般事情内村君も御承知通り全体を見た、全体に対する構想というものが得られませんとなかなか議案法案等も出し得ない状況にあることは御承知通りであります。そこで私共九月中旬と言つておりますが、官房長官の言うのは早過ぎるということを言われておる、ざつくばらんの話……。併しながら成規手続に基いて苟くも憲法上の請求がある場合は、我々は最も尊重すべきものであるということを私は閣議等においても主張しております。暑休や何んかの際えらいが一つ勉強してくれといつて法案を作らしておる、これらの法案、あなた方の提出せられんとするところの法案もあります。先程郵便法のことを言つて門屋さんに叱られましたけれども、この法案を全部出すというくらいに勉強しておるというただ一端だけを先程申上げたのであつて、全く國会をあとの方にずらそうというようなことではありません。九月中旬までに臨時國会に提出すべき法律案閣議決定を終了したい、これは誠意の一端というふうに御了解願いたい。
  17. 門屋盛一

    門屋盛一君 まあ最前からのお話を繰返して伺つた結果から考えられますと、一番最初のときと大分違つて來ておる、我々の開会要求は非常に重要に考えてそうしてその準備をなさつておるということも了承できるわけです。そこで今芦田内閣のときの例を引かれましたが、これは根本論になれば芦田内閣閣議決定憲法解釈が違うものと我々は思わない。又吉田内閣決定なさつて憲法解釈決定内閣のすべきものではなく、内閣はそれを自分都合のいいように解釈しておるとしか取れないので、憲法解釈の問題は、これは大きな問題ですから後廻しにしてもいいのだが、芦田内閣閣議決定のことを一つ前例として考えることは、別なところで他の閣僚から聞いたのですが、そのことをきつく前例として引用されておる閣僚もあるのですが、そこまで引用なさると、あのときの事情を全部御存じなんでしようか、都合のいいところだけ覚えられておつて都合惡いところを忘れられておるというようなことはありませんか、具体的に申しますならば、無論今のような絶対過半数の内閣ではなくて連立の、或る意味における弱体内閣で非常にやりにくい、その折にも芦田総理憲法委員長でもあつた関係上、惡例を残してはならんということが閣諸決定一つの基本精神であつた。併し指定されたところの十月一日には困難である、そこで九月三十日に十月十一日に開いて貰いたいということで九月三十に召集手続を済ました、そこまで御存じであれば少くとも我々の指定しておるところの八月二十五日までに國会召集手続をなさるかなさらないかということを私は伺つておるわけなんです。ただ九月中旬ということをここで言つたのではいかん、九月中旬でも、十月中旬でも、どうしても準備ができんということであれば、それまでにいろいろな緊急な事態が発生しなければ結構ですけれども、我々は発生することを憂えて早期開会要求しておる。それに対して官房長官の言われるように、早期開会は必要であるということで暑休もとらずに一生懸命にやつておる、どうもそれは九月中旬以降ということで、予め何日ということを言われないけれども、時期に対して公開の席において、そういうことを仰しやるのであつたならば、一歩進めて、芦田内閣閣議決定精神によつて、少くとも國会憲法を無視しない範囲において御処置下さるとすれば、八月二十五日以前に國会開会期日を指定して、五十三條の政府の責を果して貰いたい。政府國会開会期日を決めなければならん責任がある。これはどういうふうに御解釈になるか、又官房長官総理に怒られるかも知れんが、そういうふうな方向に持つて行かれますか。
  18. 増田甲子七

    國務大臣増田甲子七君) 我々は閣議決定を読む時には、勿論その閣議決定に至つた諸般事情等も見ておらなければ、又私共は当時野党としておつたので、内情に詳しくありませんが、文書を読んでみますと、今内村さんにお答えしたように、ただ文章を忠実に我々は解釈しておる。八月二十五日に開けということに対して、今御了解を願つて、九月中旬以降ということについての御了解を願つた次第であります。九月にでもなれば相当目鼻がつくと思いますが、八月中に召集手続まではちよつと私はお約束でき兼ねると思います。
  19. 門屋盛一

    門屋盛一君 これは大きな問題で、文書がそういうふうになつておるとか、私は文書を読んでいない。あの五十三條の解釈は、政府はこれによつて拘束されるものでないという一應の御解釈は芦田内閣でやられた。これは聞いております。併し一方において、憲法を無視してはいけない、更に何れも内閣をとつている方が多数党であり、野党は少数党に決まつておる。少数の発言権を無視するような態度に出ては、日本の新憲法というものの精神にもとる。そこで十月一日ということを自由党の方から言われておるものであるから、十月一日以前にこの國会開会要求に対する政府意見表示をはつきりすることによつて憲法を守るということができるじやないか、というので、あれは非常な苦労をして九月三十日に召集手続をした。その表の字ばかり読まずに、ただあなたの方では憲法を守るという考え方があるならば、今ここで何日にせいというわけではないが、これは構わない、國会召集の二週間以前とか、二十日以前とか、何日という期限は切つてないから。九月二十五日以降になるか、九月中旬になるかそれまでの間、八月二十五日までに召集手続をやらなければならんというお氣持があるならば、はつきりとここでお答えになることが誠意のあることであつて、それができないとすればこれは一つの詭弁としか受取れない。その点どうお考えになりますか。
  20. 増田甲子七

    國務大臣増田甲子七君) 去年の例を申されますと、私共ちよつと困るのですが。
  21. 門屋盛一

    門屋盛一君 去年よりも今の方が惡くなつている。
  22. 増田甲子七

    國務大臣増田甲子七君) 去年の九月三十日だかに召集手続があつたと思います。そこでそれまでは当時我々は意思表示を芦田内閣から受けなかつた、公式にも非公式にも。尢も議院運営委員会要求しなかつたのが惡かつたですが、今回議院運営委員会においても、或いはそれが開かれない場合においては議長さんのところに罷り越しまして、衆議院の方でありますが、公式の意思表示をしてお答を或る程度いたしておる次第でありまして、その点につきましては、私共は國会を最も重んずるという点につきましては、門屋君からおほめ頂かなくても、お叱りがありましても何ともいたし兼ねる。いつも罷り越しまして公式の意思表示をいたしております。そこで八月二十五日までに召集手続を取つて実際の召集日は九月でも、或いは状況によつてはそれより遅れても仕方がないから、八月の二十五日までに召集手続をするべきだというような御質問に対しては、却つて総理としての御答弁としては却つて答弁し難い。これはちよつと今のところ私からはいたし兼ねるのじやないかと思います。目途もつけないのに、一月でも一月半でもいいから、とにかく八月二十五日に召集手続を取れということはちよつと御無理ではないかと思います。
  23. 門屋盛一

    門屋盛一君 最前から官房長官の御説明によつて非常に御熱心におやりになつて、八月十日までに法律案閣議にかけて、今日十二日に最後決定をやり上げたというふうにお進みになつておるということが事実であつたならば、私共の最も憂えるところの、閣内の議論が対立しておるという言葉が嘘であつて、誠に和やかに閣議で進んでおるものでしたら、八月の二十五日以前に國会開会期の決定ができんということは、これは常識上あり得ない。それをやらん。やらんというならば今まで言われておることはこれは何らの誠意はない。ただこの場さへ拔けて行けばいい。まあ、運営委員会にどうやら出るのが……、この官房長官の誠意は認めるが、内閣全体の纏まつた誠意とは我々は受取れない。併し八月二十五日に召集手続をせいとか、せんとかいうことは今答弁せいとは言わない。この点については宿題になるわけですが、一應お帰りになつて閣内の議を纏めて頂きたい。そうしないと私共は昨日も或る座談会に出たのですが、憲法を護る上において、我々は極めて理窟は言いますけれども、好意ある態度に出ている積りなんだ。併し今度はこの好ましからざる行動に出なければならない。これは今絶対多数を取つている内閣憲法の解釈をするに当つては、極めて少数党の発言権を、発言の機会を多く與えるというような憲法解釈をなされば日本憲法は活きて行く。併し多数を以て前例を或るべく惡く惡く、自分の方に有利に有利に解釈して行かれるということになると、これはいけない。殊に去年の臨時國会は取引高税と酒造税の改正という極めて小部分的な問題であつて法案そのものから言えば、失業対策法案にしても、金詰り対策法案にしても、法案だけ較べれば重い、軽いはありませんが、今の緊迫せる事態は昨年の十月と今とは、どなたが御覽になつて社会情勢が違う。そういうことをお考えになつても、内閣でもこの暑い中を毎日閣議をされていることもこれはよく知つている。熱心にやられておるのだから、熱心にやられており、且つこの國会中心主義であり、憲法を遵守せられるというところまで來たならば、ただ一点我々が指定した日にちまでに國会召集手続ができない、或いはあられないと私は思う。先程も官房長官に今即答せいというふうには無理だろうと思いますから、検討して成るべくそういうふうにやつて貰いたいと思います。さもなければ我々は憲法上の解釈について何らかの別な運動を起さなければならない。國会を頼りにして我々は発言することができん。國会に我々の発言権の機会を與えて貰えんとすれば、國会に頼らずに大衆運動に乗出さなければならんということになる。ところが去年の場合ならば大衆運動を起しても大したことはなかつたが、今日我々までもがこれで大衆運動を起さなければならんということになつたならば、即ち好むと好まざるとに拘わらず、一つの妙な事態を惹起することになる。だから恐らくこのところ執拗くこの國会開会要求をいたしておるという点は、國会においてすべてを解決する、何ら拘わることはない、変なことを言う政党があつても、衆議院においては絶対多数を擁しておるのだし、参議院参議院においての性格があつて、そう滅茶苦茶なことを言うのではない。これはすべてのことを、國会を早く開いて國会で解決した方がいいと思います。どうか一つそういうふうに願いたいと思います。
  24. 内村清次

    委員外議員内村清次君) 國会召集について、民自党のさつきの九月開会ということでありますが、我々はここで政府の正式な閣議決定を通じて聞いた九月以降という点について一應伺つておきますが、以降ということとそれから今絶対多数党の上に立つておりますところの廣川君の、幹事長而も一党の幹事長である廣川君の発言の十一月開会ということについての即ち惑わしさ、國民もその点について非常に惑わされておると私は考えております。それでこの問題は、これも新聞の記事でありますが、廣川君の首相との会見ということでありますが、併しながら増田官房長官も首相と面会され又廣川幹事長も会われた。大体この問題も一應事情が分つたというようなことになつておることでありますが、早急に一方に我々はもう強く國民要望をこの正式な要求で出しております関係もありまして、そういう事情が本当に廣川君の言つたのは間違いであり、政府内部を通じての意見が正しくある、而も以降という問題は即ち十一月まで決して下るものではないというようなことをここではつきりして頂きたい。
  25. 増田甲子七

    國務大臣増田甲子七君) 内村委員に御答えいたします。政府といたしましては、九月中旬以降ということはもう準備いたしております。外のことは余り申上げたくないのでありますが、お尋ねになりましたので申上げますが、廣川君はそういう観測を言われたのですが、諸般事情を考慮に入れますとそういうふうになる見込もあり得ると思います。それから廣川幹事長としても早く開きたいという熱意は私達と同等に持つております。ただそういう観測もあるということを言つております。私共は廣川君はできるだけ早く國会を開くよう皆さんの御要求に應じで開きたい。そういう決意については從來通りであります。
  26. 矢野酉雄

    ○矢野酉雄君 門屋さん、それから内対さんの御要求は筋の通つた要望でありますから、問題が圧縮されて來ましたので、一つ官房長官の御趣旨を体した、それに基いて正式な幹事会に申込まれて、今の御要望になるべく早く要求に應えられるような措置を取つて頂くようにしてどうでしようかそのくらいで……
  27. 島清

    ○島清君 私はまだ矢野さんの言われるような結論は早いと思うのです。まだ発言をしておられたようですから優先権を讓りましてお聞きしておつたのですが、そこで私のお尋ねしたいと思つてつたのは、門屋さん内村さんからも言われました通り、勿論そういうものを全部私は全面的に肯定して、その前提の上に立つて質問でございます。お聞きしたいのは増田さんは芦田内閣時代の憲法解釈を金科玉條としてそれによりどころを求めて、御答弁相成つておりますが、芦田内閣の時代に民自党が要望なさいました際には確か三回であつたと記憶しておりますが、最後には期日を決めまして而も取引高税と、もう一つなんでございましたか、これはもつぱら予算措置を伴うというよりも、それを伴うのではなくして、補正予算を編成する内容を持つた民自党の要求に対してすら、芦田内閣期日を決めて來たので、これは只今門屋さんが言われたように、十月の十一日には召集しなければならないということを決定しておられた。若し増田さんが芦田内閣時代の憲法解釈が正しいという金科玉條によつておられるならば、或いは野党側から出しておりますところの法案の中には、予算的な処置を伴うものがあるかも知れませんが、あるにいたしましても、私はその憲法解釈に基きまして、当然に召集決定されなければならないと思うのです。先ずこの点についてお伺いをして、更にお答えの後、もう一点だけお伺いしたいと思います。
  28. 増田甲子七

    國務大臣増田甲子七君) 島さんにお答え申上げます。芦田内閣の時の閣議決定を金科玉條としておるという御質問でございますが、御承知通り閣議決定というものは、その後に組織される内閣は、やはり拘束するものであります。若しその後の内閣で前の内閣、或いは前々の内閣閣議決定を変更したければ、又閣議決定で変更すればよろしい、閣議決定閣議決定をもつてのみ変更すればよろしい、こういうことになつておりまして、それから若しそのままにして置けば、閣議決定が、芦田内閣決定内閣決定でありますから、やはり片山内閣決定でも、第三次吉田内閣は拘束するわけであります。そこで吉田内閣もこれを金科玉條とか援用とかいうことはございませんが、あの閣議決定は正しい閣議決定であるからと思つて私は言及した。又その閣議決定の趣旨に則つて我我は行動しておるというふうにお答え申上げたいと存じます。
  29. 島清

    ○島清君 どうもそういつたような御答弁の前提に立ちましてお伺いいたしますると、どうしてもやはり指定の期日召集されなければならないということを、御肯定に相成つておるようにちよつと聞えるのですが、成る程憲法の七十三條は、予算の編成権というものを内閣にだけ認めておるわけで、議会といえども、予算に関する限りにおいては編成権がございませんので、増田さんは從來いろいろの準備がある、こういうことを言つて何といいますか、ザックバランに申上げますると、非常に逃げておられる。ところが七つか九つかの、野党側から出しておりまするところの法案に対しては、或いは一、二の法案については予算的な措置を伴うものがあるかも知れません。あるかも知れませんが、民自党の方が芦田内閣の方にお出しになりましたところの要求の問題は、大体予算的の措置を伴うというのではない、そんな弱いものではなくして、補正予算の編成を当然に要求する強いものであつたのです。それにも拘らず芦田内閣は十月の十一日に召集しなければならないという決定をしたのです。それは政府にだけ認められておりますところの予算の編成権に対しまして、國家の最高の機関である國会から成規手続きを経て來た以上は、止むを得ないのじやないかというて決定しておるのに違いないと思う。そこで当然補正予算の編成を要求する強いものであつても、やつぱり憲法の四十一條に規定するところの最高権威に服從しなければならんという趣旨に基いて、私は十月十一日に決定したものと思う。ですから若し今増田さんの解釈で行かれるならば、当然に芦田内閣の時代に決定をいたした閣議決定をそれに準じて、その抽象的なあいまいの表現ではなくして、野党側の方から要求しておりますところの期間内において、乃至はそれから遠くない期間内に御決定にならなければならんのじやないかと、私はこう申上げておるのであります。これに対する御見解をお聽きしておるわけです。
  30. 増田甲子七

    國務大臣増田甲子七君) 島さんにお答え申上げます。  芦田内閣のことを言われますから私申上げますが、たしか七月の二十七日か二十八日かに、そのときの臨時國会要求書は請求をしたと思つております。初めは期日を指定しなかつたと思いますが、速かにという字で現わしております。七月の衆議院は七日、参議院は十四五日かと思いますが、はつきり記憶ございませんが、それから結局七月中には回答もなければ、衆議院議長を通じての回答もなかつたわけです。そこで八月を一月またがつたけれども回答もありませんから、たしか九月の一日かと思いますが、期日を指定しまして……、それからそれを受けて閣議決定になつたわけであります。閣議決定の日の方が國会召集日よりは早い。閣議決定は結局召集の日という島さんの御説のようですが、指定された日からできるだけ早く、十日以内とか或いは十五日以内とかということを含んだ意味であるというふうに閣議決定を読んでもよろしいのですが、閣議決定それ自体は、今私が門屋さんに申上げたようなふうに書いてある次第であります。期日を指定してある場合と雖もこれに拘束されるものに非ず但しその期日諸般事情とを勘案して政府において適当と認むる期間に國会召集すべきものとすと、こういう意味の閣議決定であると思つておる次第であります。併しながら全体といたしまして、私共は速かに開くべきである、召集請求権者の御要望を最も尊重すべきものであるということはよく心得ております。今日も帰りましたならば、総理初め閣僚に申しまして、できるだけ早く各省において準備を、從來もよくやつておりますけれども、更に私は督促いたすつもりでございます。
  31. 島清

    ○島清君 どうも根本的な精神の方は外されて、技葉末節でお茶をにごされたような恰好ですが、それはまあそうといたしまして、この点については質問を打切つていいと思うのですが、第二点は、増田さんも触れておりました通り憲法の四十一條には、國会が國家の最高機関であるから、その趣旨に基いて速かに召集決定したい、こういう御答弁でございましたが、内閣の行なわれますところの職権ですね、これは憲法七十三條によりまして、頗る制限づきであります。そこで憲法の各條章に基きまして私たち要求いたしました場合に、内閣というものはその要求に基いて義務が生ずるのかどうか。私たちは、決定をしなければならないということは当然に義務を生ずるものだという解釈をしておりますが、そういつたような義務が生ずるという御解釈、我々と同樣な御解釈に立たれるかどうか。その点をお伺いしたいと思います。
  32. 増田甲子七

    國務大臣増田甲子七君) 島さんにお答え申上げます。  我々は憲法の條章に則つて臨時國会召集要求される場合は、召集すべき義務が勿論ある、政府においてその義務を負担すると、こう考えております。
  33. 島清

    ○島清君 そういたしますると、この義務が当然に生じて來ると、今まで増田さんが言つておられたことは、政府の方においても準備をしなければならんし、作業の関係もあるからというようなお説でございましたが、今日内閣の方で作業をされなければならないという問題は、私はそう沢山はないと思います。それは私達要求をしておりまするところの各党の方から法案準備をいたしまして、当然この法案審議するには二十日や一ケ月くらいは私は要するのではないか、こういつたような厖大な法案を出しておるわけであります。ですから義務が生じまするならば、当然に議会は二十日乃至一ケ月くらいの審議を煩わさなければならないような法案準備をしての要求でございまするからして、内閣側におきましては、これを拒否する私は憲法的解釈の根拠がないと思いますが、その点如何でございましようか。
  34. 増田甲子七

    國務大臣増田甲子七君) 島さんにお答え申上げますが、飽くまで政府國会召集する義務を憲法の規定に則つてつておる次第でございます。ただその期日等におきましては、我々は最も適当と認める時期、而も請求者の御要望を最も尊重しなくてはなりませんから、最も早急に開くべきだと思つておりまするが、ともかくも政府において適当と認める時期に召集する、召集義務というものは勿論一〇〇%持つております。召集期日につきましては、今のような解釈でやつておる次第であります。
  35. 高田寛

    理事高田寛君) ちよつと速記を止めて。    〔速記中止
  36. 高田寛

    理事高田寛君) 速記を始めて。外に御質問はございませんか。
  37. 門屋盛一

    門屋盛一君 内村君の質問に補足さして貰いたいのですが、廣川君は十一月ということを言つておる、官房長官はしばしば公開の席で、九月中旬以降という言葉を使つておる。九月中旬以降というのは、十一月も十二月も九月中旬以降だから、内村君が聞かんとするとこをは、九月中旬以降というのは、遅くも九月中くらいのように解釈していいか、こういうふうなことを伺つて置きたいと思います。
  38. 増田甲子七

    國務大臣増田甲子七君) 今のところ九月中旬に始めることなんでございますがね。十二月には入りつこないんです。十二月の上旬には常会を召集するのですから……
  39. 門屋盛一

    門屋盛一君 今年の常会はいろいろ問題がある。今年の常会は必ずしも十二月に開くとは分らない。これは政治的な関係もあるし、これは別問題として、おつしやることは誠に誠心誠意とおつしやるけれども、九月中旬以降は今のお答えによると十一月にかかるということになると、これはどうもやはり由々しい問題になるわけであります。
  40. 増田甲子七

    國務大臣増田甲子七君) 十一月というのは、先程の廣川君のできるだけ早く開きたいという熱意においては私と全然同じであるということに私の内村君に対する答弁は御了解願いたいと思う次第であります。できるだけ早く開きたい。今のところ見当を言えと仰つしやるならば、見当はまあ大藏大臣に聽いて見ますと、十月の初めまでかかると思います。併しながら我々は十月の初めには開き、先程島君が言われる通り議案等もあるのであるからできるだけ早く開きたい。序に申上げますが、芦田内閣の時の閣議決定は今申した通りの趣旨でしたが、私がそれに附け加えて閣僚等の意見を汲んで申しておるのは、できるだけ早急に開くべきものである。そうでないと國会召集請求権者の御要望を尊重したとはいえないという解釈で閣僚と一致しておる次第であります。できるだけ早急に開きたいと思います。そう長くじん然とすべきものでない。そうすると憲法精神をやはり蹂躪することになるのではないかというふうに閣僚にも話し、閣僚等もその心持で一生縣命勉強しておる次第であります。
  41. 門屋盛一

    門屋盛一君 今熱心にやつておられる。九月中旬以降ということは、十月初め頃と言われるのは、その点は今日のところは聽きおく程度にしておきます、島さんが仰つしやつた話は本日へき頭私も言つたことでありますが、政府考え方が法案予算措置と並行して出さなければならんというのは、法律案政府も出す、予算案も無論政府が出すのですが、政府提出の法律案と並行して出さないといけない問題もあるのですが、今回は我々は與えられた議員の職責上法律案は我々の方でできておる。その法律案國会にかけて審議して見て、それは全然否決になれば予算措置はいらないのだから、取越苦労はせんでも宜いと思います。その法律案審議の過程において提案者としてこれに要する財源とか、予算補正の構想とかいうものは、我々提案者の趣旨によつて予算編成をやるべきものである、もう一つ突込んで言うならば、淺沼君とお会い下さつて題目を読み、説明を聽いたというけれども、これはやはり非公式でも参議院側の方の者も立会つて、大体法案の内示会というものでも開いて説明を求めるのが、これが民主的の行き方でなかつたかと思うののです。そういう済んだことは宜いとしても、政府の方の考えを直して貰いたいことは、議員提出の法律案は、その法案が議院を通らん時は、予算措置は要らないのだ、準備は要らないのだ、政府は絶対多数を持つておるから、これは通らんかも知れないが、一應通るか通らんか、國会にかけて貰わなければ、予算措置ということは後廻しで宜いから、國会を早く開いて貰いたい。官房長官のお答え如何によりましたならば、予算措置々々と言われるならば、大蔵大臣も……、労働大臣もこの間速記があるから、嘘を言つてはいかんと言つたのに。嘘を言つたから來て貰わなければならん。これは一つ今日は私はそのくらいにして……
  42. 高田寛

    理事高田寛君) 外に御質問ございませんか。それではこの問題はこれで打切りとして、外の件について何か御発言がありましたら……、外に御発言もなければ今日はこれで以て閉会といたします。    午後二時三十八分散会  出席者は左の通り。    理事            川村 松助君            大隈 信幸君            高田  寛君            矢野 酉雄君    委員            島   清君            下條 恭兵君            原  虎一君            重宗 雄三君            山田 佐一君            門屋 盛一君            奥 むめお君            藤井 丙午君            千葉  信君   委員外議員            内村 清次君            鈴木 憲一君   —————————————    議     長 松平 恒雄君    副  議  長 松嶋 喜作君   —————————————   國務大臣    國 務 大 臣 増田甲子七君   事務局側    参     事    (事務次長)  近藤 英明君    参     事    (委員部長)  河野 義克君    参     事    (警務部長)  丹羽 寒月君   法制局側    法 制 局 長 奧野 健一君