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門屋盛一君 そうであ
つたとすれば、この前も
労働大臣にお伺いしたのですが、すでに
労働大臣にこの席に出席して頂いたから一ケ月経
つているのです。
労働大臣は七月中には百億ほどの見通しがつくから心配ないということを言われて、
速記があるのだから余り嘘を言わんようにして呉れ、どうもそのことは嘘になりそうだと言
つたらば、いやこれは大丈夫間違いありませんと言
つたが、どうもこの頃では私は嘘にな
つていると思うのですが、ここで初めから
大臣の言われたことが完全にもう
見込のないことなら今
見込がないと言えばいいのですけれども、少し何と言いますか希望的観測によ
つてそれを頼りにして
政府は
國民に
安心をさせようというようなことをおつしやるものだから、悉くそれが
國民に不安の種を蒔いておるというようなことが
一つ、それから今の
災害復旧なんかにつきましても、まあ十億とか十二億とか、或いはところによ
つては五億とかお出しにな
つておるが、大体
災害地の
地方からの報告というものには若干の水増しがあるとしましても、今の
政府の出しておられるような金額では到底や
つて行けない、それから
既定の
公共事業費のうちから捻出されると、すでに
公共事費というようなものが九百億予定されてお
つたものが五百億に圧縮されておる、そのうちからしぼり出すのであるから、
公共事業費で以
つて賄い得る……、我々は極めて
失業対策等につきましても
政府の
対策はよく検討しまして、勿論本
年度の
公共事業費で
相当の数の吸收されるという見方をしてお
つたのが、この方からの金をこつちへ廻すということになると、又
公共事業費の方が半
失業の
状態にな
つて來るというような事柄があるものですから、私はこの際別に嚇すわけでもなんでもないけれども、
日本の
世論というものを無視したアドバイスやサゼッシンはいけないことなんです。我々は
関係方面に
世論を知らしむる上からも、
國会を開けば、必ず我々の
考えているような問題は、
與党の人の
考えも、同じなんです、
國会の
世論として向うに大き反映さすことができる。いずれにしても早く開いて頂かなければならん。
國会を開く
準備をしておるということは我々も
知つてお
つた。從いましてあなた方の方で、
関係閣僚の方で、
準備を急がれておるということは認められる点もあるのですけれども、ただ
一つ不可解のことは、これは
速記にとどめた方がいいか
惡いか。惡か
つたら削
つて貰つてもいいのですが、
新聞で伺いますと、
吉田総理大臣は
御殿場の方に
避暑をなさ
つておるということがある。
官房長官は熱意は現わして御
答弁下さる。私は
官房長官に対しては感謝するのですけれども、
いも閣内の模様をアンテナから聞きますと、
閣内でもこの
臨時國会の
準備問題については、例えば
補給金の問題とか何とか、現在はやるかどうか、それは
後廻しにしても先に進まなければならない。
閣内の議論もまとまりかねておる。まとまりかねておるということは事務的の繰作を遅らしむることになる。そういうような重要な時期、國内から言うても重要な時期のように思うし、又
國民に及ぼす影響から言えば、多数の引揚者が帰
つて騒いであることもあるし、第一次國対の
整理は、これは民同
関係が非常に自重されたお蔭で、予想よりも穏かに
納まつた。まあ郵政、
電氣通信関係も順序よく行くだろうという樂観的の観測をされておるが、その騒ぐ騒がぬは別としても、
失業者を送り出すことにおいては違いはない。それから
民間企業の
合理化による
失業者の出方というものは、
政府の
統計でお持ちにな
つておるよりも数は非常に殖えておる。これはなぜ
政府の
統計が頼りにならんかと申しますと、これは
労働省にあなたも居られたから分るのですが、
日本の
労働省の
安定業務というものが極めて弱いのです。その弱い
労働省がやはり一律の
行政整理を受けて、
地方の
安定所というものは、ただ
安定所があるだけであ
つて、
安定所の機能はないのですよ。我々が
地方を廻
つて見ても、そう窓口から現われて來る……現われて來る
失業者から見れば
失業者は殖えていない。二百五十億の
失業保險の経済を以ているのであるから、
事業は急がないということを言われるけれども、実際は
政府の
統計に現れて來る以上の
失業者が殖えて來ておる。非常に何というか緊迫しておる
状態にな
つておる。東京を廻
つてみても、最近
公園地帯の行倒れとか乞食が殖えておるのを見ても、世相がもう特に惡くな
つておる。こういう際に、この重要な時期を放
つたらかして……併し御老齢ですから
避暑なさるのもいいけれども、こつそりなさるならいいけれども、先ず以て
新聞に
廣告までしておいて
避暑をするということが、果してこれが
吉田さんなり又あなた方の最も力を入れられておるところの
公約の線に沿うものであるかどうかということまで私は心配しておる。
御殿場の
避暑というのは本当ですか。