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1949-07-07 第5回国会 参議院 議院運営委員会 閉会後第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年七月七日(木曜日)    午前十時二十八分開会   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○議員の渡米に関する件 ○職員の辞任及び任用の件 ○選挙法改正の立案に資するための議  員派遣要求の件 ○檢察及び裁判運営等に関する実地  調査のための議員派遣要求の件 ○各省廳人事主任官研修所実情調  査のための議員派遣要求の件 ○風水害による災害救助状況調査のた  めの議員派遣要求の件 ○奧会津地域総合開発調査のための議  員派遣要求の件   ―――――――――――――
  2. 高田寛

    理事高田寛君) それではこれから議院運営委員会を開きます。今日は特段の問題があるというわけではないのでありますが、前回開きましてから一ケ月以上経過いたしまして、いろいろと御報告を申上げるような事項をございますので、今日開会いたす次第であります。それでは一つ逐次御報告を願いたいと思います。
  3. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) それでは私から皆さんに御報告をいたしたいと思うことがございますが、それはアメリカ派遣されます議員の選考の結果を申上げたいと存じます。これは一番初めに六月の四日、衆議院の方にガヴァーメント・セクシヨンの方から、その問題を申して参つたそうでありまして、衆議院から私議長事務総長衆議院議長官舎に來て呉れという要求がありまして、議題は何も言つて参りませんし、又集まる人も衆議院の方の各派の幹事というようなことでありまして、ちよつとなんの相談か分りませんでした。私もちよつと外の用がありましたものでしたから私出ませんでしたが、後から聞きますと、そのとき初めて両院から十名アメリカ議員を出せということに考えておるからということで、その選定のことを司令部の方から言つて参つたそうであります。それでそのときはなんでも両院各派を通じていろいろ協議の結果、六月六日に一應先方に返事をしたのであります。これは尚総長から詳しく申上げることにいたします。ところがその問題は中止になつたように、沙汰止みになりまして、到底派遣のことは、まあ永久に延びたのかと思つてつたのであります。それは六月六日であります。ところが六月の二十四日になりまして、突然司令部の方からウイリアムス君が両院議長その他副議長事務総長に会いたいということで、二時に衆議院議長室に集れということを申して参りまして、私ちよつと遅れましたけれどもそこに参列いたしました。そのときにウイリアムス君は参議院から二人、衆議院から三人議員派遣して呉れ。急いでおるから、成るべく両院議長がここにおるのだから一つ早く指名して呉れるわけに行かんかということでありました。併しどうもそう急に行かんし、やはり一應各派に話をしないと工合が惡いからということで、明日まで待つて呉れというので、そのときは分れたのであります。それから翌日即ち二十五日に、当時在京しておられる各派の主な方で連絡のできる方にお集り願いまして、そうして午前十一時にその点について御相談をいたしたのであります。結局その人選については議長に一任するという御決定でありましたから、私はそれを含みまして、午後になりまして高田寛君と、それから櫻内辰郎君、この両議員にお出で願うということを、選考いたしたことを皆さんに申上げまして、そうしてそのことを衆議院を通して司令部の方に回答したのであります。これは今度はこの問題はすべて衆議院の方に言つて参りまして、そうしてこちらにそれから通知するという形になつておりましたので、そこで衆議院を通じて回答いたしました。それからそういたしましたところ、衆議院の方の人選について多少ごたごたいたしましたけれども、更にこういう問題が起つたのであります。それから二十五日の午後更に又ウイリアムス氏の方から私に合いたいということを言うて來たそうでありますが、私がこちらを出ました後で連絡が取れませんで、そのままになつてつたのです。それでも宜しいということであつたそうですが、それでその翌日二十六日は日曜日で、二十七日に衆議院議長室に集つて呉れということで、衆議院議長のところに私も参りまして、そしてそのときの話に、更にウイリアムス氏の方から第二回の派遣のことについて至急人選して呉れ、こういうことを言つて來たが、至急ということは、二十七日一杯に衆議院三人、参議院二人ということを言うて來たということでありましたけれども、多少まだ衆議院の方の第一回の人選についてごたごたしておつたものでございますから、衆議院が決りません状態でありましたから從つて第二回の分を直ぐ決めるということはなかなか参りません。そこで午後衆議院議長と私と同道いたしましてウイリアムス氏のところに参りましていろいろ話をいたしました。それは衆議院の方の第一回の人選がまだむずかしいような状態を話し、從つてそれが決らないとどうも参議院の方も第二回の人選ちよつと出すわけにはいかないというような形になつておるというようなことを説明いたしまして、要するに二十七日中に第二回の人選をするということは困るというので、翌日の盡まで延ばして貰いたいということ頼んだわけであります。まあウイリアムス氏も止むを得ないというようなふうに、それをはつきり認めたわけではございませんけれども、ノーとも言わないで、それで翌日正午までに出すということに肚を決めて帰つて來たのであります。それで二十七日に各派の方にお集りを願いまして御協議いたしたのでありますが、これも議長一任ということに皆さんも御同意になりましたので、それで又私が人選いたしました。そのときは参議院は二人でありまするが、それに予備ということで二人、二人と二人で四人ということになるのでありますが、これは初は予備という文字使つてつたのでありますが、衆議院の方から多少なにか話があつたと見えまして、予備とか第二候補者という文字は使わなかつたのでありますが、ただやはり一人出して、その人が故障があつたときに代る人をつけて行く、こういうことになつたのであります。それでこのときは私は民自党から一人、社会党から一人、これはまだ参議院としては両方とも第一回の分に入つておりませんので、そういうことにいたしまして、実は決定する前に一應はやはり民自党にも社会党にも御協議いたしましたが、その結果最後の指名は民自党から大野木秀次郎君、それから故障があつた場合という方に小串清一君、社会党の方から波多野鼎君それから中村正雄君、この四人を候補として指名いたしまして先方にも通知したのであります。その方については又別に詳しいことは向うから返答はございますが、それでいつ立ちますか、そのことはまだ決定しないようであります。それまでの準備として、いろいろ健康上の準備、その外旅券のこと等について準備は進めているようであります。けれども立つ日にちも決まりませんし、第二の方のことは確定したことは言つて参りません。大体そういうような経過でございまして、実はその都度運営委員会に御協議するのができればよかつたかと思いますが、そういうような突発的にやつて参りますし、又在京の方も多いということのためにそういう臨時の処置を取つたということその点は御了承願いたいと思います。又足りないところは事務総長からお話申上げることと思います。
  4. 小林次郎

    事務総長小林次郎君) 別に私から申上げることもございませんが、何か御質疑がございますれば申上げます。
  5. 高田寛

    理事高田寛君) 別段御質問もございませんか……。それでは一つ次報告を……   ―――――――――――――
  6. 小林次郎

    事務総長小林次郎君) 人事の点について御報告申上げます。今度議事部長事務取扱事務次長にして貰うことにいたしまして、議事部長法制局の第二部長に轉出いたしました。これは今度の議会体驗に徴しまして、やはり衆議院と同じように事務次長議事部長をやることの方が何かの場合に都合がいいそうでありますので、尚これは手続の方につきましては私から併せて申上げます。この手続議会閉会中でございますので、運営委員長委員長代理庶務小委員長、それから次長同意を得ましてG・H・Qの了解を得て運んだことを御了解願いたいと思います。  それから次に青木警務部長が今度パン屋を始めることになりまして、ちよつと唐突な話でありますが、台湾の引揚の方が数人集りまして、かねがねパン屋計画をしておつた、ところでそれがいよいよ見通しがついたので是非やめさせてくれということを大分前から話がございましたので、ただ議会開会中でありましたので待つてつたのであります。それが今度行政整理の場合の基準も決まりましたので、この際やめたいという希望がありましたので、これをお認め願いたいと思います。それからその後任としては只今お手許へお配りいたしておきました丹羽寒月という、これは今建設委員会調査員をしている人でございます。経歴はお手許にございます通りでございます。私がお目にかかりましたときでも極めて温厚な立派な方のように考えております。
  7. 高田寛

    理事高田寛君) 何か御質問がございますか。
  8. 小林勝馬

    小林勝馬君 今事務総長の御説明事務次長議事部長を兼任した方が便宜がよいというお話でありましたが、事務次長代理をやつた場合でもそういうふうなことが便利がいいのでありますか。
  9. 小林次郎

    事務総長小林次郎君) その方がずつと便利がいいのです。衆議院は初めからやつております。ところが衆議院の方はそれ程議事も大体初めの間はむずかしいこともございませんでしたけれども、この間のようなことがありますと、初めから議事部長として私の席に代つて著く人がいて、いろいろな計画に参画しておりました方がずつと便利なのです。そういうような考えでそういうことにいたしたのであります。
  10. 門屋盛一

    門屋盛一君 手続に誤りはないようですが、何か法制局人事との何かの考えで更送を急がれたのか、さもなければ運営委員会の開かれる時期にやはりやつた方が本当でなかつたかと思います。
  11. 小林次郎

    事務総長小林次郎君) その点お答え申上げます。門屋さんのおつしやる通りでございます。実は九月頃まででもいいと思いましたけれども、一應議事課長等もこしらえなければなりませんし、それには一應慣らさなければなりませんのと、もう一つ臨時國会というような説が出て参りましたので……、もう一つ法制局の方で差当つていろいろな問題があるそうで、やはり第二部長がずつと空いておりましたので、それを早く埋めた方がよいだろうというようなことで、こういうような事情で大体お任せ願いたいと存じまして取計いましたような次第でございます。
  12. 岡部常

    岡部常君 ついでですから申上げます。警務部長の御人選相当考慮の末適当な方を御推薦になつたと思いますが、これに触れまして警務部訓練でございますね。この前の國会において、まあ率直に言えば醜態を暴露しておるのでありますが、平素訓練ということを十分やられておつたかどうかというと十分であつたとはどうも言えないように思うのです。今後ああいうことがございましては大変でございますが、絶無を期する訳に行きませんから、平素から相当肚を据えて訓練をせられることを希望いたします。それにつきまして事務局の方にどういうふうな御構想があり、又それから後に如何なる訓練せられておるか、お心構えを承知しておきたいと思います。
  13. 小林次郎

    事務総長小林次郎君) ああいう乱鬪の場面は実は初めてなんでございます。そうして事務当局といたしましてはあの際に、たとえどんなことがあつてもこちらから手を出すなんということは絶対的にいかん、消極的に解決するようにということは話しておりました。從つてどういうことがあろうと、こちらはなるべく穏やかに問題を解決するようにと教えております。ただ併し心構えは毅然たるものがなければならんということは常に意を用いておるわけであります。併し今度のことは初めてでございまして、或いは心構えにおいて足りなかつた点があるかも知れませんが、その点は今度の新警務部長に対してもよく念をおして訓練をするようにということを、この間警務部長の就任の交渉をいたしました際にも特に申しておきました。
  14. 岡部常

    岡部常君 あの場合に委員の方からいろいろ指図を受けたのが実際のことであります。それから平素訓練柔道をやるとか劍道をやるとかいうようなことは、これは実力を用いるための用意ではありません。もつと大きい意味でそういうことのない、議員の方で実力を用いる余地のないような、しつかりした警備の態樣を盡すというようなことも平素からやつておかなければ決して間に合うものではないのです。それなどについても承わるところによりますと、貴族院時代から劍道をやつて柔道を取入れておられないような……、柔道は自分でもやりますのですが、人を倒すというようなことは一遍もやつたことはありません。併し何かのときに心の備えができる、守衞衞視諸君の態度を見ると、どうもその点が欠けておるような氣がするのであります。これについてどんな御用意がありますか。
  15. 近藤英明

    参事近藤英明君) 元は劍道を特に衆議院貴族院もいたしておりました。それで後に立派な道もございまして、そこでやるようになつておりましたが、特に初め柔道両方併せいたさせましたのですが、柔道の方は大体十台の頃からいたさせますと非常によろしいのでございますが、守衞を採ります年配の関係もございまして、途中から始めますと実は事故が多くて困りましたので、それで柔道の方は余りやらずに、劍道の方に集中するようになつたのであります。勿論劍道とか柔道とかいうものは両方共そういう心身の訓練という上から相当の効果はありましたのです。殊に元貴族院から長くおりました結局古い衞視諸君は、中には劍道でも相当の達人もおりますし、こうした人達はおのずから劍道であつてもその程度まで参りますと、かなりの力を持つておりますが、ただそういうことによつて訓練もいたしておりますが、最近例の終戰後はそういう方面がいろいろむずかしくなりまして、警視廳はその後も警察官の訓練はいいというのであそこで堂々と対抗試合までおやりになつたのですが、最近どういう御都合か知りませんがこれ亦お取止めになつておるような模樣なんであります。そこで今後いたしますにつきましても、そういう訓練方法というものは一体どうなるかという点は余程考慮を要する点だと考えております。柔道なり劍道をいたすいたさんに拘らず、衞視としての心構えなり、衞視としての体力なり、こういう面につきましては十分の訓練をやつて行きたい、こういうふうに考えております。
  16. 岡部常

    岡部常君 今警視廳でお取止めになつたのは実は劍道が止められたのであります。柔道の方は、例の警棒を以てする新しい武技、柔道は盛んにやつております。それからこれは全國で選手権大会をやり各地区の対抗試合もやつておるというので、これは殊に奬励されておるのであります。それで今二十台になつちや駄目だと仰しやいましたけれども、実は私は二十台から柔道をやつておるのです。やり方によれば決して危險なものじやない、適当なる指導者を置いてやれば決して危いことはない。やはりこの際、立派な柔道をここでお育てになるということが必要であり、衆議院ではやつてる筈である。衆議院と一緒になつてやるという方法をおやりになるのも適当じやないかと思いますが、その方につきましては、御用がありますれば、講道館の方の関係は私がやりますが、どんな方法かをお願いいたしたいと思います。
  17. 小林次郎

    事務総長小林次郎君) 岡部委員お話は御尤もと思いますから、事務当局といたしまして、できるだけその線に副つて、やりますことを考えたいと思います。
  18. 高田寛

    理事高田寛君) それでは……
  19. 矢野酉雄

    矢野酉雄君 この問題は、議長の当然の職権ですから、これは実際いよいよの場合は、ただ疊の上のいろいろな修業というものは殆んど役立つものじやなく、相当肚を練らせる、いわゆるしつかりした権威を心から持つようにするには、相当肚を錬らせなければならん意味においても、万全の御留意あつて然るべきだと思う。思想の移り変りとともに、いわゆる貴族院時代の拂拭すべきものは拂拭して、時代に即應する、立派に一つの保護の道、警護の道というものを立てるように願いたい。今の岡部委員の御発言は非然に参考になると思いますから、十分然るべく御勘案になつて頂くことを希望いたします。
  20. 小林次郎

    事務総長小林次郎君) よろしうございます。
  21. 高田寛

    理事高田寛君) では警務部長丹羽寒月君を任用することに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  22. 高田寛

    理事高田寛君) それでは承認を與えることに決定いたします。   ―――――――――――――
  23. 高田寛

    理事高田寛君) それでは次に、議員派遣の件について、一つその後の情勢を委員部長からお伺いいたします。
  24. 河野義克

    参事河野義克君) 閉会中の議員派遣につきましては、先に議院運営委員会にお諮りいたしまして、一應決めまして、議院運営委員会方針に基きまして、更に各常任委員長と折衝いたしまして、当初の計画の半分の計画議長として許可されたということは、前回の議運委員会報告した通りでございますが、その後のことについて御報告を申上げます。  ここに出ておりますので、先ず直接今分つております訂正を要する点がありますので、それを先きに申上げますが、選挙委員会の第三班の柏木庫治さんは佐々木鹿藏さんになるか、鬼丸さんになるか、御変更になるのではないかと思いますので、それを申上げます。  それからここにございます中、法務委員会、それから選挙法改正に関する特別委員会、これにつきましては、特段経費もあり、前から、閉会中にこういうことがあるであろうということは、議院運営委員会においても予想されておつたところでありますから、一應略しますが、その外につきましては、先ず一等上の人事委員会につきましては、これは日光で、司令部肝入り人事院の主催の下に、各省廳人事主任官研修をやつておるのでありますが、人事委員会として、その研修実情調査した方がよいので、委員長以上の特段の御希望があり、又司令部等の薦めもありまして、三日間そちらの実情調査したい、こういう申出でございました。それから厚生委員会、それから次の建設委員会でございますが、これは先般のデラ颱風による南部九州並びに四國の一部における被害が非常に甚しかつたのでございまして、縣知事等からいろいろ議員派遣の懇請があり、実情をよく調べて貰いたいというお話もあり、衆議院等からも、そういう派遣するというのでございますが、そういう要請に鑑みまして厚生委員会から姫井さん、それから建設委員会から久松さんを、それぞれ派遣地として書いてある縣にそれぞれ派遣したいということでございます。それから建設委員会奥会津地域総合開発調査でございますが、それは奥会津熱海川上流を水源地としてこれは一大ダム作つて、或いは新潟、或いは福島、或いは群馬縣、或いは東京都のいろいろの事情を調べて、今用水の面からも一應問題になつているようでありますが、ここを是非調査して貰いたいという要請もございますので……、という関係でございます。これが法務選挙等につきますと、他の委員会の方につきましては、前の委員会当時予定されておらなかつた特段のことでありますし、議院運営委員長代理であります高田さんの御了解を得て、議長としてはこの際許可することが然るべきであるというふうに御決定なつた次第でございます。この段を御報告申上げます。
  25. 門屋盛一

    門屋盛一君 委員部長の方でよくお分りかと思いますが、第五國会終り決定いたした今まで派遣したものですね、今まで派遣したものでどのくらいな経費が支拂われいてるのですか。
  26. 清水齊

    参事清水齊君) 第五國会終りに決まりましたもので委員会派遣に使用いたしましたのは年額百八十万円の予算のうち、第一・四半期使つてよろしい金六十五万円、約三分の一、それに対して六十六万三千六百円使つて、結局一万三千六百円だけ足りなかつたのであります、それから國政調査旅費のうちの委員旅費の外に証人旅費口述人旅費がありますので、その方に大分ゆとりがありましたものを差繰りまして第一・四半期分として十二万七千円が残つております、そういう実情であります。
  27. 門屋盛一

    門屋盛一君 今回の要求額は四十一万円でございますが、このうち特別の財源があろうと思えるのが法務委員会だけなのでありますがね、そうして今第二・四半期の初まりなんでありますが、それでこれはいずれもそういうふうにやつて來ると、必要でないものはないのでありますが、大体地方の声は議員派遣に対して余り喜ばない声が多いのであります。それでも今年は幸いにして衆議院の方が大量派遣をやつたの参議院の方の惡評が割合目立たずにおるのでありますが、それでも地方では非常に困つているのであります。それでその派遣される議員はそうでもないでしようが地方にも罪があるのですが、非常な出費がかかるためにこれはどうもこの際國会の方で考えられないものかということを、我々は我々の座談会等では常に聽かされているのであります。そういう点から考えましても、大凡この國会予算の範囲内で動けるならとに角、第二・四半期の初めからこの予算の三分の一を消費するようなことでこれは七月になつたばかりでありますから、そうして災害期を控えているし、このいろいろの関係我我は今非常な重大時局考えております、この重大時局に適應するような調査も必要になつて來るのじやないか、こういうふうに思う際にもう少し何とか最初に決めた通りはつきりした派遣方針をやつたらどうか。例えば人事委員会の如きはどんなサゼッションがあつたかも知れませんが殆ど総員が行くことになつている。これはここの原則として決めてあるところの三名以内ということは全然踏みにじられた行き方になつていると思います。それから法務の方は特別の財源はあるとはいいながら、やはり法務でも四名行かれたし、相当の日数を費す点が多いようです。それから災害調査に対しましては、私はこれでよいと思いますが、ただ当該委員長からの要求はどうなつておるか知らんが、若し要求がないとすれば、今回のデラ台風被害は、地上の被害より海上の被害の方が相当ある。つまり漁船等被害が多いから水産委員会からも行かなければならんのではないか。こういうふうに考えております。つまり適正でない。それから奥会津地域総合開発ということは、もう少し國の治安が折合がついたときにやつて差支ない。予算関係上これは止めても差支ない。それから選挙関係の方は最も必要であると思いますが、これをやるとすれば、どういうことをどういうふうに調査して來られるかを今少しく当該委員長からでも説明を伺い、尚我々としての希望も申上げたいと思います。それは事後承諾ですか。
  28. 河野義克

    参事河野義克君) 今御説明申上げております中、すでに出発したものはございませんで、これから出発するわけであります。ただ議長の許可を得たという関係であります。それから尚実体について申上げますが、最後選挙法のことでございますが、これは六月二十七日から七月の五日まで、ずつと連日審査をされまして、選挙法改正に関する要綱というものをずつと決められまして、その要綱に基いて実際の現地の実情がどうであるか、この要綱方針参議院議員選挙法改正、或いは衆議院議員選挙法改正地方自治法等改正する場合に、どういうことになるかという点について、地方の意見を聽取して來る。その結果更に八月でありますか、又ずつと十日程委員会を開いて、大体の成案を得て、できれば次の臨時國会参議院議員選挙法改正を提案したいというお考えのようでございます。
  29. 門屋盛一

    門屋盛一君 私は選挙法関係でおいでになることは、この前も私は問題を提供したのですが、委員会報告すればそれでよいのだということになつておるようですが、そういう問題はやはり地方状況を特に調査に行かれるのであるから何かプリントを以て報告して貰うということを條件に入れなかつたならば、ただその委員だけで聞いて來ただけでは困るのです。これが委員会の方に來て我々の方に渡つて來るのは非常に遅くなるのですから。これはおやりになるとしても、これは九州地区なら九州地区で、長崎、佐賀、熊本、これだけが九州ではないのです。日にちの都合があるならば、各関係者に地方から集まつてつて、いろいろの手続を取つてつて相当に各縣に行きわたつたような調査をなさるとかして、唐突な決め方であるから、そういうところに相当手ぬかりがある。こういうふうに思う。これが事後承諾であつて議長職権でおやりになつたことならばまあ止むを得ないといえばそれまでですけれども、私の含みのあるところでは、予算関係が非常に、この数字から見ますと六十何万円の議員派遣の中三十一万円取つてしまうのですから……
  30. 河野義克

    参事河野義克君) 予算関係につきましては誠に御尤もでございまして、会計課長等と密接に連絡を取つておるわけでありまして、今回の派遣に関しましては、経理上は差支ないということに一應なつておるわけであります。それから選挙につきましては、從來地方行政の委員会でいろいろ各縣の実情を調べ選挙に関しても或るところまで進みました。その結果各地方におきまして、地方行政委員会で從來行かなかつた地方にも派遣決定した、こういうことになつております。
  31. 門屋盛一

    門屋盛一君 発言中ですが、委員部長は非常に誤解がある。我々第五國会運営委員会として決定しておるのは、七十万円ぐらいの範囲内で閉会中の議員派遣をやるということになつている。そうしてそれがすでに今の会計課長の報告によつて六十何万円費消した。この法務委員会のものを差引いたとしても二十万円、だから委員会で決めた枠外に予算の方も使つている。それが予算の面には支障がないということは、どこの面から支障がないということが言えるのであるか。
  32. 河野義克

    参事河野義克君) 私の了承しておりますところでは、前回の議院運営委員会決定した際に、他の三項目等の、例えば一班が三人いたにしろ、一、二回は三班以内にするとか、いろいろ三項目がございまして、それと共に大体の経費を半額にするようにということで、その趣旨に副つて常任委員長と折衝いたしました結果、大体その趣旨が実現されまして、それができたのでありますが、私の了解しております閉会中の議員派遣につきまして、あの際提出されました計画の、何と言いますか、査定につきましてその基準をとる。こうして選挙法それから法務委員会関係のことについては、その当時からその他に閉会中の議員派遣があり得るということは予想されておる。
  33. 門屋盛一

    門屋盛一君 予想されておるか知らんが、私は聞いておらん。
  34. 河野義克

    参事河野義克君) その他の点については今門屋さんのおつしやるような点もございますので、経費関係も十分調べて、議院運営委員長から了承を得て、一應の調査をお願いしておるということであります。
  35. 門屋盛一

    門屋盛一君 速記録を調べて貰へば分るのですが、この予算が百四十万円という要求に対して、その半額ぐらいの七十万円と決まるまでの経緯を調べますと、第一・四半期で残つてつた金は僅かである。どうせ第二・四半期に食込むのであるから、閉会中を通じて七十万円ということに我々は承認している。これは議長の権限でおやりになるのだから、緊急止むを得ないことに対しての派遣は止むを得ないけれども、必ずしも緊急止むを得ないと認め難いものがある。この中にもこれは議長委員長代理やその他にお諮りになつたとすれば、何も私はこれ以上とやかく申しませんけれども、予算の面から一つの制約を受けておる際、幾ら権限であると言われても緊急止むを得ない、こういうふうに見ることができないことと、それからこれはこの際時局から考えまして、議員派遣が適正でない、こういう事実も起つておるのです。つまり七月一日からは國鉄は整理にかかるという今、我が國の労働問題でこの國鉄整理ということ程大きい問題はない。この結果がどういう事態になるかということ等を考え併せたときに、常任委員の労働委員長を不在にするような議員派遣をなさつておるということは、私は余り時宜を得たことではないと思う。だからこういう際の議員派遣というものは余程お考えになつてつて、金は僅かだと言われるけれども、派遣されたところでは非常に困るのです。さらばと言つて國勢調査を疎かにせいという意味ではない。もう少し愼重にやつて頂きたいと思う。事後承諾ならこれ以上言うたつてしようがないけれども……
  36. 小林次郎

    事務総長小林次郎君) 以後十分注意をいたすつもりであります。
  37. 門屋盛一

    門屋盛一君 労働委員なんか今長崎辺りをふらふら歩いている。失業対策も立つてないくらいです。
  38. 小林次郎

    事務総長小林次郎君) 進めてよろしゆうございますか。  次にもう一点申上げたいことなんですが、今度九州方面、四國の愛媛辺りにデラ台風その後の豪雨等によつて、大分被害が多いということで、場合によりますと衆議院の方では水害の見舞金を出すようなことがあるかも知れないというので、まだ決まつておりませんがそういうことを若し衆議院で決めます場合には、もう一遍こういう運営委員会を開いてお集まりを願いましても、お集まりもしにくいかと思いますので、委員長衆議院との折衝をお委せ願うということ、そのことを御相談願いたい。
  39. 門屋盛一

    門屋盛一君 時期によるのですが、先程の次長の御報告によりますと、委員長は今実際上御病氣でお休みになつているし、高田先生は委員長代理をなさつているが渡米でもなさると、どういうふうになるのですか、その点も併せて考えたいと思う。  それから今デラ台風の問題が出ておりましたが、私はこのデラ台風の見舞金も必要と思いますけれども、厚生、建設を派遣する問題なら、職権を以て水産委員会派遣して貰いたかつた。これは遅れてもいいから水産委員会から……漁船の被害だけでも二千隻くらいあるのですから……
  40. 河野義克

    参事河野義克君) 今門屋さんのおつしやることは御尤もでございまして、愛媛等で二百四十人程死者を出しているようでございますが、その主なるものは漁夫であつて、漁港等の被害が非常に多いということでございます。それでここにはすでに議長の決済があつたものについてあれしておりますが、水産委員会については至急委員長と打合せて何らかのことをして頂きたいと考えております。
  41. 小林次郎

    事務総長小林次郎君) 只今門屋さんからのお話でございますが、何でも一両日中に見舞金を出すか出さんかを相談するらしい。そうすればその間に高田さんがおいでになるわけではありませんから。もしその後でございますれば更にここで御檢討置きを願いたい。もう一遍お集まりを願うかどうかということについて……
  42. 門屋盛一

    門屋盛一君 参議院事務総長ともあろう人が見舞金のことでそんなことを言われていては困る。今の國の状態は、直ぐにも臨時國会を召集しなければならんような、非常宣言をやろうかというような事態になつている。今朝の新聞御覽になつたら分ると思う。我我の会派でも失業対策と中小企業との安定施策を講ずるために、早期國会を開けという申入れをすることになつた。こういう際に参議院運営委員長が宙ぶらりんになつている。そうして一番嵌り役の高田先生は一ケ月アメリカに行つちやう。この運営委員会を後で開かないならば、今日の運営委員会で更に代理代理決定して置かないと困るのじやないか。我々は議院運営委員会をどういうふうに運営するかということが運営の目的であり責務なんです。見舞金くらいなら、それはもう各派交渉でも決まりますよ。しつかり頼みますよ。
  43. 高田寛

    理事高田寛君) 今の門屋委員の御発言、いかがいたしましようか。
  44. 門屋盛一

    門屋盛一君 後から懇談会でもやりましようか。一應議事を終つて……
  45. 高田寛

    理事高田寛君) それでは外に御発言もなければこれで今日は閉会いたしたいと思います。    〔「この承諾は諮らなくてもいいですか」と呼ぶ者あり〕
  46. 小林英三

    ○小林英三君 今門屋さんからもちよつとあれがあつた人事院の出張の問題なんかもありますが、この人員は全員というわけではない。私共出張することを断つたのですから……それは書いてありますから……これは委員会の方から全員行く人を並べたのであつて書いてはあるけれども、実際行く人はこれより少いのじやないか、私共断つたのですが。
  47. 河野義克

    参事河野義克君) これは先程申上げました経緯によりまして、中井委員長としてはなるべくこういうふうに全部行きたいというような考えでございました。そのときに同一の方が二回行かれる方はちよつと困るということを私共も申上げました結果、專門室の方で今後二回行かれる方は全部削つた残りの方を出される、一回しか行かれない方でも小林さんのように断られた方があるとすればこれの連絡が不十分であつたかも知れませんが、そういうふうな恰好で……
  48. 高田寛

    理事高田寛君) それじや外に。
  49. 岡部常

    岡部常君 ついでですから、私法務の方で委員長の言われるのは本当かも知れませんが、私から申上ておきます。先程門屋さんから人数が多いというような御非難もあつたが、これを表で見ると御尤もなんです。実は法務の方の調査は具体的に何事件何事件とございまして、それは自から委員が主任を分担しております。それからところによりますと沢山の事件があつてそれについては主任者はどうしても二人か三人行くようになります。それから自然に二人か三人かそういうふうな関係になりますが、その点皆さん御承知置き願いたいと思います。具体的の事件は何事件、何事件とこういうようなものを持つておりますからこの点皆さんに御了承を得て置きたいと思います。特定の事件であります。
  50. 小川久義

    ○小川久義君 この派遣の問題はいろいろ地方の要望があると思いますし、この間北海道の方からも夏になると北海道へばたばた來て貰つては困る、出費が多くて大変に迷惑すると、そういうことを北海道の方からしばしば言つて來ておるのですが、これは事後承認は仕方ないが、これから何か突発事故に対する調査に限つて出張をお願いするということにして今後は閉会中には通例的のものはやらないということを又ここでお決め願つておいた方がいいかと思いますが、委員各位も御賛同願つて、あまり地方で喜ばれんのは……
  51. 高田寛

    理事高田寛君) その御趣旨は、この前の議院運営委員会でその方針決定されておることと思いますので、尚議長でも今後の派遣については、その前回の議院運営委員会決定を、よくその方針に則つてつて頂く。こういうことをここで改めて確認して置く。こういうことで……
  52. 小川久義

    ○小川久義君 先程門屋さんからお話があつた通り予算を既に使い果して、これでももう足らんことと思つておりますが、突発事故に対する調査議長権限でおやりになつて結構ですが、通例的のものは取止める。いろいろ理由を附けてやられると、一方を承認して一方を承認しないということも困ることになりやせんかと思いますし、地方が喜ばんことをむりに行つて地方財政の窮迫しておるときに出資を使わせることも考えるべきだと思いますので、その点を一つお諮り頂きたいと思います。
  53. 小林勝馬

    小林勝馬君 議長権限でやられるということは、議長の方としても工合惡いでしようから、議院運営委員会で一應線を決めて置くということは、いいのでありませんか。
  54. 門屋盛一

    門屋盛一君 それはもう決まつておるんだから、再確認だね。小川先生の言うように、再確認する。今小川委員の言われることは既に数回この委員会でも問題になり、大体そういうふうに決まつておるのであるが、先程私が議長に要望したように、実際に当つて議長職権が弱いと思う。この表で見ましても、法務の問題は、別の予算もあるし、特別の調査案件があつて、これの止むを得ないことは、私は度々繰返して言つておりますが、厚生、建設の風水害等の調査というのは、これは機宜を得ておるものと思うが、建設の奧会津地域総合開発調査とか選挙の問題とかは、次の運営委員会を開くまで待たれんほど急を要するものでなかつたと思う。議長職権が弱い。職権を正しくお使いになつていないということだけは、申上げて差支ない。この人事委員会の問題なんかその通りで、運営委員会にかけたのもおかしい。これが議長職権によつて侵されるようなことになれば、何回決議してもだめなんで、線があるんだから、その線を守つて貰うことを重ねて強調します。
  55. 小川久義

    ○小川久義君 議長さんにしても、議院でこう決まつておるから見合してくれということで、お断りなさるのにいいのでないか。
  56. 小林勝馬

    小林勝馬君 再確認しておいて下さい。
  57. 高田寛

    理事高田寛君) それではこの議員派遣の件については、この前の議院運営委員会決定した方針に則つて今後もこれを取計らうということを、ここに再確認いたしまして、この方針によつて議長職権で適宜の処置を採つて頂く、こういうことをここで再確認することにいたします。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  58. 高田寛

    理事高田寛君) 外に何か御発言はございませんか……それでは本日はこれを以て閉会いたします。    午前十一時二十七分散会  出席者は左の通り。    理事            川村 松助君            平岡 市三君            大隈 信幸君            高田  寛君            矢野 酉雄君    委員            下條 恭兵君            原  虎一君            小林 英三君            門屋 盛一君            小林 勝馬君            鈴木 順一君            奥 むめお君            岡部  常君            藤井 丙午君            小川 久義君   委員議員            堀  眞琴君            中野 重治君   ―――――――――――――    議長      松平 恒雄君    副議長     松嶋 喜作君   ―――――――――――――   事務局側    事 務 総 長 小林 次郎君    参     事    (事務次長)  近藤 英明君    参     事    (委員部長)  河野 義克君    参     事    (会計課長)  清水  齊君   法制局側    法 制 局 長 奧野 健一君