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運輸大臣(
大屋晋三君)
只今日本鉄道法の一部
改正の
提案をしました
通り、
日本鉄道法として、六月一日に
國鉄の主体が出てしまいますので、そこで結局今度の
機構改革に際しましては、本省の方に
鉄道の方の
部分としては、
監督行政の分としての規模は、私鉄を
監督する
機関と、
國鉄を
監督する
機関と二つ設けた方がよろしいという
議論がいろいろありましたのです。それから又
自動車の方のあれは、まあ大体業務と監理の一局でやれという
意向がございます。それから
海事審判所は今独立しておるんですが、これは
海上保安廰の中にひつくるめて貰いたいという
意向があります。それからシッピング、
海運の方は、大体局を
四つ程作ろうかということにな
つておりまして、そうしていずれも
海運長官制を
廃める、
鉄道も無論
長官制を
廃める、それから
自動車も
長官制を
廃める、
海上保廰はそのままといたしますというような
関係で、いわゆる
長官制を
廃めて、
鉄道の方は二局という
希望があつたんですが、
鉄道が一局でございます。それから
海運が一應四局の案を立てましたのですが、又昨日
あたり行政整理の
意味合において三局にして呉れないかという
希望の
申出を受けておるのです。四局というのはどういう局を置くかと申しますると、
海運局、
船員局、
船舶局、
公安局とこの
四つを
考えておりましたのですが、
行政整理をや
つている
本多國務大臣の方が
係りでや
つておりますが、もう一局減らして呉れないかという註文を実は昨日から受けておりまして、私はまだこれに何らの
意思表示をしておりませんが、四局という我々の原案に対して、三局という
申出でを受けているようなわけであります。それから
運輸審議会という
制度を置いて貰いたいという
関係筋の方からの
お話がありますのですが、これに対しまして、実は
運輸大臣の
考えと在來の
関係筋の
考えと少し
意見の
相違がありますので、
目下折衝中なんであります。それはどういう点に
相違があるかというと、在來の
関係筋の
意向といたしましては、運賃の決め方その他相当重要な問題に対しまして、その
審議会の議を
運輸大臣は相当の程度において尊敬をして実行しなければならないというふうなことにな
つております、
性格が……。それから更に十一人の
次官級の、常時
傭切りの
人間を以てその
審議会を構成するという仕組みにな
つております。即ち
名誉職の、在來の形の、有能の人々を
委員に委嘱して構成する
委員会とは趣を異にいたしまして、つまり
常傭次官級の
人物十一人で常設をするという
考え方にな
つておる。そこで私はですね、これを
大臣の
諮問機関であればいいと思うけれども、その
審議会が決めたことを殆んど
大臣に強制する
強制力を持
つているような
委員会では、
大臣の地位が現在の
内閣制の
実情に即して非常に制限を受けるので、私はそれは不適当であると思う。即ち
大臣というものは、
日本の
内閣制度は
イギリス式のシステムを採
つておるのでありまして、
國会に対して
國務大臣は責任を負うているわけなんであります。然るに
運輸省に
運輸省全般の問題をディスカッションする、
審議をする
審議会ができ、その
審議会の決めたことを殆んど大
部分強制的に
運輸大臣がそれを実行しなければならないということでは、
運輸大臣の
國務大臣としての職責を完遂することはできないという見地から、私はその
審議会はそういう
理由が
一つと、それから
日本の現状においては、有能なる
次官級の十一人の
人物を
常傭いにして常置するというようなことは、
目下行政整理をやらんとしておる際でもあり、又
日本の
実情から見て有能なる十一人の
人間を常にフイックスト・ペイで、名譽職にあらざる
常傭いの
人間を集めるということも、事実これは不可能であるというような
理由を附しまして、
諮問機関的のものにして頂けるならば私もこれを了承しますが、どうも現在のような
趣旨では了承し難いということで、
目下ディスカッションを続けておるということが
一つくつ付くということにな
つておるのです。私はこれをあちらの
指示通りでなしに、置くことは一向
差支えないが、その
性格は
諮問機関にして頂きたいと
考えております。そういうものも私は
諮問機関であれば設けて
差支えないと思
つております。その外に氣象台は、在來
通り運輸省の管轄ということになります。
更にこれを組織的に初めからずつともう一遍繰返して申上げますというと、
長官制を廃止しまして、
鉄道の方は一局ということであります。それから
海運の方は
長官制を廃止いたしまして、私は四局と
考えておりますが、更に
行政管理廳の方からは、もう一局減らして呉れという註文が出ておりまして、まだこれはペンディングにな
つております。それから
自動車の方は、二局にいたすということに一應
考えております。それから海上保安廳の方は、これに
海事審判所が在來外にありましたのを繰入れるということ。それからその外に中央氣象台が相変らず
運輸省管轄に残るという組織にするということに
考えておるのであります。
そこでシッピングの方が
四つになりますのですが、或いは三つにして呉れという註文も
只今申上げました
通りあるのですが、これを総括するものが何らかの形で欲しいということを私は
考えているのです。これを総括するというと、仮に関か
四つの局を指揮
監督するそれ以上の上位を以て総括させるということでありますというと、一番いいのですが、それでは現在の
長官制と等しきものができてしまう。
長官制を
廃めるという
趣旨にそれでは違背いたしますので、何とかできんものかと思
つて考えました末に、一應
海運局なら
海運局の中に調整部なら調整部というようなものを設けて、権限的に
四つの局に指揮命令する権限はございませんが、事務的に運海全体の四局に跨がる仕事をその調整部というようなもので纒めさせるような案にしたらどうかというようなことを
考えております。大体はそのくらいの程度で
只今考えております。一両日のうちに閣議を開きまして、或いは最後の決定をしなければならんかと思
つております。