○森下政一君 この
法律案を拜見しますると、
如何さま
佐藤さんからいろいろ御
説明がありましたように、
國有鉄道の一部のものを譲渡することがいいという時に、窓口を開けて置く
法律である、
如何さま拝見いたしますと、その
通りだと思うのであります。大変
発議者に失礼なことを申しますけれども、表面は確かにそういうように窓口を開く
法律だが、裏があるという
感じを受けるのでございます。この
法律案を火にあぶ
つたら、これはあぶり出しで、この窓口を開くことによ
つて、
拂下発議者の間で予想されておるものは、これこれの
路線だ、その
路線の名前が出て來るという氣がする。現に九社十線、これが
赤字で
國鉄の財政の上にも負担を掛けておる、だからその負担をなくするという
意味においてそれらが当然先ず
拂下げるのに、こちらでピックアップするとすればそれらである、幸いそれが
申請して來ればそれらが受入けられるということになります。それで單に窓口を開くというだけで、何も裏のないものならば、とにかくのこと、大体こういうふうな
路線が
拂下げられるというふうな予定がありそうな氣がするので、而もそこにその
路線の
沿線に住んでおる
人たちが
拂下げに
反対するというふうな、すでに運動が起
つておるという感があるのです。そうな
つて見ると、窓口を開くそのことが、実はこの窓口を開いてこれこれのものを
拂下げるのだというに等しいものだと思うので、先刻板谷
委員長から御
説明ありましたように、
運輸委員会が決定するに当り、願くは
運輸委員会では、大蔵
委員の一人として希望しておるのでありますが、
買收反対運動を起しておる
沿線の
人たちの
意見も聞いてですね、この
法案を通す、通さんの参考にして貰うことが世間の
誤解を解くには公明な態度で、その審議に当
つたということになると思いますので、是非そういう
公聽会のようなものをや
つて頂きたい、これは希望として申上げさして頂くわけであります。殊に今
佐藤さんの話を聞くと、非常に早急を要するとも
考えていないと、おつしや
つておられる、他の事情がなければ、第五回國会は今日で閉じられる筈でありますが、近く又、臨時國会がありますので、その際御発議を願
つて、
公聽会を聞き、世間の一切の疑惑というものを解して拂拭して公明な態度で
運輸委員会が決められるということが非常に明朗性を増すことであると思いまするので、是非そういう立場をと
つて貰いたい、況んやこれを
拂下げることによ
つて、
國家の財政が改善されることによ
つて、例えば
國民の税の負担が軽減されるとか、何とかいうことがあるならばとにかく、先日來よく
説明を聞いておると、單に
國鉄の
赤字財政の一部が、これによ
つて解消されるという
程度で、財政も寄與する面は非常に消極的だという印象を受けておりまするので、そえお急ぎになる必要はないのじやないかということを
考えられます。殊に先刻油井君が指摘されましたように、この
法律施行の日から三ケ月以内に譲渡
申請を出さなければならんと、三ケ月以内に区切
つて置かれるのは尚更どういうわけか、そういう期間を附け加える必要はないのじやないかという印象を受けるのであります。門戸を解放して置けばいいのじやないか、受附けてやる窓口を開いて置けばいいのじやないかと思います。そうしないと、切角衆
議院で修正された第
一條に、「旧所有
会社又はこれと密接な
関係のある
会社に
讓渡させ」というのに「
会社等」と「等」という字を入れて、そうして而も第二條では第四号を新たに挿入して、「その他の
会社であ
つて鉄道事業経営の能力があり、且つ、その経理的基礎が確実なもの」にも
讓渡することができるというように、折角衆
議院でこういうふうに單に旧
会社に
拂下げるだけではなく、旧
会社に密接な
関係のあるものだけでなく、その他の
会社にも
拂下げできるしとたのに、その
申請書を
法律施行の日から三ケ月以内に出さなければならんというのであると、肝腎の四号のその他の
会社で、かような門戸を開かれたことを知
つて、
一つ拂下を
申請しようという決意をするのには時間が掛かる、折角こういうものを挿入して置きながら、実はそういうものを成るべく排除して、旧
会社、若しくはこれと密接な
関係にある
会社に
拂下たいという意図があ
つて、
申請の期間を三ケ月間に区切
つたという
誤解を生ずる恐れがあると思いますが、私はこういうふうに三ケ月以内なんという字句を、た
つて必要でなければむしろこれを削除されるのがいいのじやないかという印象を受けるのでありまして、そこで是非運営
委員会で
公聽会をお開きにな
つて御決定になることを御希望申上げます。
それと今舟山局長が御臨席にな
つておるので局長にお伺いしたいのですが、仮に
運輸省で
戰時中に
買收いたしました
鉄道の中で、どう
考えて見ても
赤字で採算がとれないから、
國鉄の面から見ましてこれは
民間に
拂下げる、そうして
民間の手に委ねることによ
つて極く一部分の
地方を賄う
鉄道であるから、能率的に
経営ができるであろう、
國鉄から除外する方が
公共の
利益になり、而も
國鉄の
赤字が少くなると
考えて
拂下げたいという決意をしたときに、かような門戸を開くものがなくても
拂下げができるのじやないかと思いますが、そういうときは一体どういう
手続になりますか、これがないとどういう障碍といいますか、
拂下ができないという事情がありますか。