○吉武
委員 大分時間が過ぎましたので、簡単に勞働
大臣にお伺いしたいと思います。先ほど
石野君から
お話がありましたが、今後の勞働問題は、経済
政策の面ときわめて密接な
関係が起
つて來ると思うのであります。私は先般
石炭の問題について、合同審査の際に申し上げたことでございまするけれ
ども、先般商工省から提案になりました公團の四千カロリー以下の低品位炭除外につきましても、実は勞働者が約八万、家族を含めますれば四十万の失業問題に関する大きな問題でありましたが、幸いにして商工
委員会では、宇部三千五百、常磐三千七百に
決定されまして、除外され、ただちに失業にさらされる勞働者の数が、約一万四、五千にとどま
つたのでありますけれ
ども、また二、三日前突如として、宇部炭及び常磐炭につきましては、四割の受入制限の命令が出ておるのであります。これは貯炭場がないから、山元で一應とめ置けということではございますけれ
ども、実質的には公團が受入れなければ、金が拂えないのでありますから、結局四割の出炭制限になるわけでありまして、現在
石炭業者としましても、金融に非常に困
つておるときでありますから、とうていその金融の道を求めるということも、むずかしいでございましようし、勢い四割の勞働者の制限にまで、及んで來るおそれがあるわけでございます。こういうふうな問題が突如として出て來ることは、非常に勞働不安を起すわけでございます。あるいは勞働
大臣はこれらの問題について御
関係にな
つてお
つたのであるか、私はおそらく御存じない間に、一方的に処置が出てお
つたのではないかと思うのでありまして、今後これらの問題につきましては、勞働
大臣としても重大な御関心をお持ちになると同時に、
商工当局とできるだけ御連絡を願えないものかという点を私は感じておるわけでございます。なお今日の
日本の
状態において、それならば貯炭が非常に多く
なつたほど
生産が増加しておるかというと、
日本経済の再建の上においては、まだまだ基礎的な燃料不足が一般にいわれておるわけであります。
司令部でも四千二百万トンの
増産を奨励しておるようなときであります。そのときに貯炭がそれだけでき、また四割制限をするというようなことは、私は経済のやり方の上において、まだ割切れないものが残
つておるのではないかという点を感ずるわけであります。われわれ民自党といたしましても、できるだけ
從來の不必要な統制は撤廃をして、そうして自由な経済へと、復帰したい念願を持
つておるわけでございますから、この点につきましては、わが党といたしましても考究をするつもりではございまするけれ
ども、
政府当局におかれましても、かくのごとく突如として四割の制限をしなければならぬというような
政策がとられまするならば。今日の
石炭の使用制限を思い切
つておはずしになる。そうすれば、一般の民需としては非常に燃料に困
つておるときであります。そして一方國民の需要の方をふさいでおいて、しかも貯炭がたくさん出たからとい
つて、突如として四割の制限をする。そしてそれだけの失
業者がおつぽり出されるということは、私はどうも矛盾のような感じがするわけでございます。これは勞働
大臣というよりも、むしろ商工
大臣の経済
政策の面ではございますけれ
ども、その結果が常に勞働
大臣として責任を負わなければならぬ問題でございますので、どうかひとつ今後のそういう経済
政策の轉換につきましては、十分なる御関心と御連絡を願えないだろうかという点であります。