○土橋委員 六ページの終りにはこういうことが書いてある。「知識層
失業者救済
事業及び授産
事業関係経費は全額本費から外され
労働省所管に計上された。」こういうことが書いてある。
從つてたとえば工場の方であろうと、官廳の方であろうと、この方々は工場の仕事なり、官廳の事務については堪能の方であると思います。そういう人が、
労働省あるいは
政府の予定の
公共事業の仕事にはたして適するかどうかという問題が一点であると同時に、
政府提案の第四條の
規定を見ると、この
規定には救済する中身が何も書いてない。第一号には「できるだけ多くの
労働力を使用する
事業」とあります。また二号には「多数の
失業者が発生し、又は発生するおそれのある
地域において施行される
事業」ということがうたわれ、特に四條の三号は「
失業者の情況に應じて、これを吸收するに適当な
事業」とあります。こういうような
内容では、ここに書いてあるものと矛盾して、実際には吸收できないではないか。ただ八億八百八十八万余円で救済する。こういうような見せかけ的の予算ではいけないということを、私は指摘したいのであります。もしあなた方が、今
公共事業であるからどこへでもばらまいて行けるのである、こういう
説明ならば、
政府の予算
説明の原案の
理由と、この
労働省がただいま提案しておるものとは、根本的に違うわけであります。職種も違うし、本人もなれない仕事でやれないことがわかつておるような
事業を、なぜやるか。第四條の
規定の中に、生産を直接興すような企業形態をなぜつくらないか。こういう点に力を入れないでおいて、ただこういう
條文をつくつても、実際には活用できないではないか。工場で働いている人、会社で働いている人、官廳で働いている人に
適用できるかという点が第二点であります。今度の企業整備、行政整備によつて、六大
都市その他の所において失業が氾濫して來る、にもかかわらず、こういうようなきわめて拘束的な法文をもつてしては救済できない。救済する道を第四條の
規定の中に十分織り込んで、
國家が恒久的な授産
作業、補導
作業について、十分な措置を講じなければならない。
職業安定に関する費用が一億数十余万円あるが、これを一々調べてみても、一人当りどのくらいか。全國四百の
職業補導所に割当てて計算してみたところが、何にもできないように
なつておる。こういうような予算を組んで、
法律をつくつてわざわざ國会の審議まで要して、何ができるかということを疑問に思つて私は聞いておる次第であります。特に私は條項にわたつてお聞きしたいと思いますが、たとえば第四條の
規定の中に、
労働省にはたしてそういう点について、再考慮する余地があるかどうかという点のお答えを願いたいと思うわけであります。
その次は先ほど
青野君から指摘がありましたように、第十條の第二項の「
労働大臣は、
失業対策事業に使用される
失業者に
支拂われる
賃金の額を定める。」どういう基準で定めるか。これをもう一回明確に
大臣から御答弁を願いたい。
それから十
一條の
規定、これにやはり
青野さんから御指摘がありましたが、少くとも
公共職業安定所から、この人は使つてよろしい、どうぞお使いなさいというように、
責任をもつて示したものを、各
事業主なり、あるいは会社なりが、そういうものを拒むというのにどういうわけか、それだけ
職業安定所の証明というものを認めない。こういう点は明確に
規定を直して、
職業安定所で調べたものは使うような方針をとらなければならぬ。これは重大な問題です。
それから十三條の
規定であります。この
失業者吸收率について、この前
政府の
説明を聞いたのでありますが。これでは私は不十分であると思います。これは
都市関係のそういうものにはいいが、
農村の
諸君については、たとえば
土木、
河川、あるいは砂防、植林、こういう方面については、きわめて
吸收率が低いのである。こういう点についてももう一回
大臣から御答弁を願いたいと思います。
次は第十六條の
規定であるが、第十六條にもこう書いてある。第二項の
規定を見ると「
事業主体と施行主体との間に締結する
公共事業の施行に関する契約には、施行主体が前項の
規定の遵守する旨の條項を加えなければならない。」これはおそらく
労働省の省令か命令で嚴格なものが出されると私は確信をしておりますけれども、こういう
規定に違反した場合には嚴重なる処分をする、あるいは処罰をする、もしくは補助金その他をやらない、
政府が認可した
事業をやらせない、こういう強硬な
規定を設けないといけないと私は思うのであります。
第十七條も同様であります、これは
公共職業安定所長がいろいろなあつ
せんをしておりますが、こういうものについても的確な行政処分をなし得る権限を
労働大臣がお持ちにならないと、あるいは処罰する態度をとらないと、
事業主体と施行主体の間の関連性が、十分行かないと思うのであります。
次は十
八條でありますが、これは今の司法裁判の手続を見ますと、非常に冗漫に流れておりますので、こういうものは即決に処理する道を
考えなければ、この
條文では非常に不十分である。こう
考えておるのであります。ただいまの
條文について御
説明を願いたいと思います。