○土橋
委員 そうすると、これは私は非常な人事院に対する
政府の一種の苦情だろうと思うのであります。ところが人事院の方へ參りますと、この問題について、あなたがお考えにな
つているような
答弁はしていないわけであります。特に人事
委員会における
答弁を聞きますと、これはやはりすベて
政府の責任において行われるのが至当であ
つて、その
決定した
事項について、人事院はいろいろな問題を処理する。こういう説明をしているわけであります。ところが私はあなたと同じ見解を持
つております。アメリカの公務員に関する
法律は、ちようど一八八三年であつたかと思いまするが、そのころできた、國家公務員法の
制定された根本的な
原則からして、
政府がどういう処置をしようとも、人事行政に関しては人事院が——現在は職階制を中心に働いているけれども、もつと大きく全体の官職の事務量と、その
定員の関係、あるいは一人当りの事務量の関係、時間の関係、あるいはそれが就職から
最後の
退職するまでの問題、すべてこういう問題について、人事院は総括的な、しかも廣汎な、多角的な檢討を加えて、
政府がいかような処置に出ようとも、常に人事院としては適当な勧告を下すなり、給與べースに対する意見を述べることが、基本的な態度であるわけであります。ところが現在人事院は何もしない。ただ
政府は一方的に
行政管理廰なるものをつくり上げて、一種の御用的な
行政機構刷新審議会というようなものをつくり上げて、そこの答申に基いてやるというようなことは、これは明らかに
政府が、人事行政に対するところの一方的な誤つた解釈と、誤つた
方法によ
つて、人事行政を実行しているものと考えておるのであります。そこであなたがいかように仰せられても、今あなたがお認めにな
つておる國家公務員法を、
政府は明らかに干犯をして、一方的に
行政整理をやるということは、憲法の
規定に私は違反すると思う。憲法の
規定を見ても、國家公務員法の
規定を見ても、
政府はさようなことを行うべきものではなくして、給與ベースあるいは
行政整理、そういうような問題については、常に人事院の勧告なり、人事院の意見によ
つて、
政府がさらに考究をして、他の面からやるべきであるにもかかわらず、あなたの御意見を承
つてみると、首切りに人事院も協力してくれるような態勢だとあなたは御
答弁にな
つている。事実はそうではない。人事院は
政府がどういうふうに——九割五分まで首を切ろうとしても、人事院としては默
つて今のような
状態を見ているわけである。こういう人事院をつく
つていることについて、
政府は重大なる責任がある。
政府自身が人事院の育成発展のためにあらゆる努力を講じないで、
行政管理廰というような行政執行の機関、いとも怪しげな機関をつくりあげておいて、そこで
行政整理を持
つて來るということは、国家公務員法の完全なる干犯である。これは
大臣も今の御
答弁によ
つて明白に認められていると私は思
つておる。從
つて私はこういうような
行政整理は、國家公務員法の干犯であるとともに、これは憲法の違反である。從
つて日本共産党は、そういう
行政整理はその面からい
つても賛成ができないと同時に、片方の
失業対策の面からい
つても、私はこういうような
行政管理廰の
機構はただちに改組いたしまして、そうして
各省ごとに——実際の現在の
状況についてはよく御存じでありますから、そういう廰において十分研究をせられ、そうして
人員の点については、特に作業
官廰においては、
大臣も御
承知と思いますが、現在鉄道においても、逓信においても、現在の
機構を維持するため、より以上のサービスを提供するためには、少くとも
人員は、増をするとも、減をしてはならない
現状にあるのであります。それは
一般会計から特別会計への
補助金なり、あるいは繰入金が不十分なために、資材の面の持ち運び、あるいは逓送関係、あるいは運轉関係においても、
人員を要するのであります。從
つて私は現業に対する二割の
行政整理というものは、絶対にこれは考慮願
つて、こういう点をまず撤廃をしていただきたいということを、
大臣にちよつとお願いをしたいのであります。それから一般中央
官廰においても同様でありますが、やはり中央
官廰においても——私が現在の電氣通信省の設置法の
内容を見ますと、こういうようにな
つている。
大臣はおそらく御
承知と思いますが、各郵便局においては、たとえば府中の郵便局を例にとりますと、府中郵便局では八十名
程度の從業員であります。その八十名の從業員のところへ、まず郵便局長ができ、その次に今までなかつた課長が——郵便課長あるいは電話課長、電信課長、保險課長、こういう課長をつく
つている。そうして一般労働組合では考えられないような、身分的な職階制がしかれておるために、そういう諸君の数だけはふえるのであります。そして実際の下級の
職員、逓送、配達あるいは電信のオペレーター、電話の交換台、そういうような諸君は、どんどん
人員整理をせられる。こういうような
現状であります。
行政整理を行うためには、
結論的には國家のあらゆる
機構から考えまして正しくこれをやらなければならない。ところが上級のそういうものはどんどんつく
つて行
つている。しかし下の方だけは首を切
つて行く。こういう
機構が現にあるわけです。逓信省でも、鉄道省でもそうです。そういう点について
大臣はどういうふうにお考えにな
つて、現在の
行政整理を一級官、二級官、三級官に至るまでおやりになる考えであるか。現実にそういう問題がある。これは中央
官廰も同じだと私は思うのであります。中央
官廰もそういうようないわゆる官僚といわれる人、あるいは下級官僚といわれるような人、そういう諸君を、ふやしておいて、下級の諸君が首を切られるという体制が現に現われている。そういう事実についても、私は遺憾ながら賛成することができま
せんので、そういう点について御説明願いたいと思います。